JPH09243446A - 振動変位検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は信頼性の高い振動変位検出装置を提供
することを課題としている。 【解決手段】本発明の振動変位検出装置は、振動する被
測定物１０に当接されて変位する金属体７と、金属体７
に絶縁体６を介して接続され金属体７の変位に応じて伸
縮し自己インダクタンスを変化させるばね状の検出器コ
イル５とを備えたことを特徴としている。 【効果】本発明により振動変位検出装置の保守性を向上
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、機械装置や構造物
の振動を測定する振動変位検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の振動変位検出装置は、変換器より
検出器コイルに高周波電流を供給し、検出器コイルから
高周波磁束を発生させることで、測定対象物である金属
体の表面に磁束を打ち消すように渦電流を発生させてい
る。

【０００３】そして、この渦電流の大きさは金属体との
距離により変化するため、測定対象物の振動変位を検出
器コイルのインダクタンス変化として検出できる。

【０００４】しかし、この渦電流式振動変位計を使用す
る上での問題点は、検出器コイルのインダクタンス変化
の感度が、測定対象物の材質により異なるため、現物と
同材質の試験片によって渦電流式変位計・変換器を校正
または調整する必要があることである。

【０００５】この場合、現物と同材質の試験片が容易に
入手できる場合は良いが、特殊な材質であって入手が困
難な場合、設置場所へ出向いて校正または調整すること
は、環境条件や距離、時間また測定員の確保などの問題
が多く、困難を極めていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、検出器コイ
ルを伸縮自在なコイルバネとし、その先端に絶縁材を介
して金属体を具備し、渦電流が発生する対象物とインダ
クタンス変化の要因を自分自身に備えることによって、
材質の異なる測定対象物毎に校正や調整を行うことなく
振動変位を測定することができる振動変位検出装置を提
供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の振動変位検出装
置は、振動する被測定物に当接されて変位する金属体
と、金属体に絶縁体を介して接続され金属体の変位に応
じて伸縮し自己インダクタンスを変化させるばね状の検
出器コイルと、検出器コイルに高周波電流を供給し金属
体に高周波磁束を発生させる発信器と、自己インダクタ
ンスの変化によって被測定物の変位を検出するブリッジ
回路とを備えたことを特徴としている。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に本発明の振動変位検出装置の
実施の形態を説明する。図１において、金属体７は振動
する被測定物１０に当接されて変位する装置であり、被
測定物１０は振動方向Ｐの方向に振動する。

【０００９】検出器コイル（ばね）５は金属体７に絶縁
材料で構成された絶縁体６を介して接続され金属体７の
変位に応じて自在に伸縮し自己インダクタンスを変化さ
せるばね状のコイルであり、検出器ケース４に収納され
て、検出器コイル５の先端には絶縁体６を介して金属体
７が取り付けられている。

【００１０】発信器３Ｅは検出器コイル５に高周波電流
を供給し、高周波電流によって金属体７に高周波磁束を
発生させる高周波発生装置である。ブリッジ回路３Ａは
検出器コイル５の有する自己インダクタンスの変化によ
って被測定物１０の変位を検出する回路であり、変位信
号を取り出す検波回路３Ｂ、変位信号を平滑にするリニ
アライザ３Ｃ、変位信号を増幅する増幅器３Ｄ、および
電源を供給する電源回路３Ｆと共に変換器３を構成して
いる。

【００１１】以上のように構成されているので、伸縮自
在な検出器コイル５に絶縁体６を介して支持された金属
体７の検出器コイル側には、検出器コイル５から発する
高周波磁束によって渦電流が発生する。また、金属体７
を測定対象物であり振動体である被測定物１０に接触さ
せると、被測定物１０の振動は金属体７および絶縁体６
を介して検出器コイル５に伝達される。

【００１２】これによって、金属体７と検出器コイル５
との距離が変化し、かつ、検出器コイル５の伸縮により
検出器コイル５のコイル直径および単位長さ当たりのコ
イル巻き数（巻き数密度）にも変化が生じ、これらの形
状変化がコイルの自己インダクタンスの変化として現れ
る。

【００１３】変換器３はホイーストンブリッジ回路など
を用いて自己インダクタンスの変化を検出し、検波回路
３Ｂ、リニアライザ３Ｃなどで波形を整備し増幅器３Ｄ
を用いて信号増幅して被測定物１０の振動変位を出力さ
せる回路である。

【００１４】図２は検出器ケース４を測定対象物１０Ａ
に固定し、検出器ケース４に振動を伝達させる構造とし
ている。そして、金属体７をフリー（自由）な状態にす
ることによって金属体７を不動点とし、測定対象物１０
Ａの絶対振動を測定している。 本発明は以上のような
構成および作用を有するので、測定対象物の材質による
校正や調整の必要がなく、測定対象物の材質は金属でな
くても振動変位の測定が可能であり、測定対象物に接触
させて振動測定するためにに検出器据付時のギャップ
（空隙／距離）の管理が不必要である。

【００１５】更に、測定対象物の材質によって、その都
度、校正したり調整を行う必要がないため、持ち運び自
由なポータブル振動計としての用途も大きい。

【００１６】

【発明の効果】本発明により、振動変位検出装置の検出
精度を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す振動変位検出装置の構
成図である。

【図２】他の実施例を示す振動変位検出装置の構成図で
ある。

【符号の説明】

３ 変換器 ３Ａ ブリッジ回路 ３Ｂ 検波回路 ３Ｃ リニアライザ ３Ｄ 増幅器 ３Ｅ 発信器 ３Ｆ 電源回路 ４ 検出器ケース ５ 検出器コイル ６ 絶縁体 ７ 金属体 １０ 被測定物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】振動する被測定物に当接されて変位する金
   属体と、この金属体に絶縁体を介して接続され前記金属
   体の変位に応じて伸縮し自己インダクタンスを変化させ
   るばね状の検出器コイルと、この検出器コイルに高周波
   電流を供給し前記金属体に高周波磁束を発生させる発信
   器と、前記自己インダクタンスの変化によって前記被測
   定物の変位を検出するブリッジ回路と、を具備してなる
   振動変位検出装置。