JPH09242930A - 真空仕切弁およびこれを用いた成膜装置 - Google Patents

真空仕切弁およびこれを用いた成膜装置

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JPH09242930A
JPH09242930A JP7824396A JP7824396A JPH09242930A JP H09242930 A JPH09242930 A JP H09242930A JP 7824396 A JP7824396 A JP 7824396A JP 7824396 A JP7824396 A JP 7824396A JP H09242930 A JPH09242930 A JP H09242930A
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JP
Japan
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opening
valve seat
film
housing
film forming
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JP7824396A
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Kenji Ando
謙二 安藤
Yasuyuki Suzuki
康之 鈴木
Riyuuji Hiroo
竜二 枇榔
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁座やその周辺が成膜粒子によって汚染され
るのを防ぐ。 【解決手段】 弁座13と成膜粒子捕獲板20を支持す
る支持板14は、第1、第2の開口11,12を有する
ハウジング1の開口部と残りの中空部の間をシリンダー
4bの駆動によって往復移動する。支持板14がハウジ
ング1の開口部へ移動したとき、弁座13はロードロッ
ク室側の第1の開口11を閉塞し、成膜粒子捕獲板20
が成膜室側の第2の開口12を閉塞して、ここに飛来す
る成膜粒子を捕獲する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタ法等によ
って基板等のワークに薄膜を成膜する成膜室とこれに隣
接するロードロック室やアンロードロック室等の間を気
密に仕切るための真空仕切弁およびこれを用いた成膜装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スパッタ法等によって基板等のワークに
薄膜を成膜する成膜装置は、所定の真空度に制御される
成膜室と、その真空度を損うことなくワークを搬出入す
るためのロードロック室やアンロードロック室等を有
し、これらと成膜室間には両者の雰囲気を気密に仕切る
ための真空仕切弁(ゲートバルブ)が配設される。
【0003】図4は従来例による真空仕切弁を示す模式
断面図であって、これは、方形断面を有する中空枠型の
ハウジング101と、該ハウジング101の内部に固定
された一対の案内レール102と、これに沿って往復移
動自在である弁座ユニット103と、案内レール102
に沿って弁座ユニット103を往復移動させる駆動装置
104を有する。ハウジング101は、互に対向する一
対の面板101aを有し、これらに、第1、第2の開口
111,112が形成されており、第1の開口111は
ロードロック室、第2の開口112は成膜室に向かって
それぞれ開口しており、弁座ユニット103は、ロード
ロック室に向かって開口する第1の開口111を開閉す
る。
【0004】すなわち、弁座ユニット103は、第1、
第2の開口111,112を有するハウジング101の
開口部と、両面板101aの残り部分の間に形成される
中空部との間を案内レール102に沿って往復移動し、
ハウジング101の中空部から開口部に移動したときに
第1の開口111を閉じるように構成されている。
【0005】弁座ユニット103の弁座113は支持板
114上に載置され、弁座113の図示上面には、ハウ
ジング101の第1の開口111の周縁に密着自在であ
るO−リング115が保持されている。弁座113はク
ランク機構116とバネ117を介して支持板114に
連結され、弁座113の先端には、当接部材118が保
持されている。
【0006】当接部材118は、駆動装置104の駆動
によって弁座ユニット103がハウジング101の開口
部へ移動しその先端に到達したときにハウジング101
の内壁に当接される。この状態でひき続き駆動装置10
4が駆動されると、弁座ユニット103の支持板114
のみがさらに前進し、これによってクランク機構116
が図示時計方向に回動し、バネ117に抗して弁座11
3を支持板114から浮上させて、O−リング115を
第1の開口111の周縁に密着させる。このようにして
ロードロック室を成膜室の雰囲気から完全に遮断したう
えうでロードロック室を大気開放し、基板等のワークを
ロードロック室に搬入する。
【0007】ワークを搬入したのちにロードロック室が
成膜室と同じ真空度に排気されると、駆動装置104が
逆駆動される。この工程で、まず、弁座ユニット103
の支持板114のみが後退し、当接部材118がハウジ
ング101の内壁から離れると、バネ117の付勢力に
よって弁座113が支持板114上に降下し、続いて弁
座ユニット103全体が2点鎖線で示すようにハウジン
グ101の中空部へ後退する。このようにしてハウジン
グ101の開口部が開放され、ロードロック室のワーク
が成膜室に搬入される。ワークの搬入後、再び駆動装置
104が駆動されて前述と同様に弁座ユニット103が
ハウジング101の中空部から開口部へ移動し、実線で
示すように第1の開口111が閉塞される。この状態で
成膜室内の成膜工程が開始される。
【0008】なお、クランク機構116は、弁座ユニッ
ト103の両側縁にそれぞれ一対ずつ配設された合計4
個の平行リンク116aによって構成されている。ま
た、駆動装置104は、ハウジング101の側壁の貫通
孔からハウジング101の外部へのびる駆動棒104a
と、これに結合されたシリンダー104bを有し、駆動
棒104aは弁座ユニット103の支持体114と一体
である。ハウジング101の貫通孔は、駆動棒104a
との間に配設されたベローズ104cによって密閉され
ている。弁座ユニット103の支持板114の両側縁に
はローラー114aがそれぞれ一対ずつ合計4個配設さ
れ、弁座ユニット103が駆動装置104の駆動によっ
てハウジング101内を往復移動するときには、前記ロ
ーラー114aが案内レール102上を転動する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、前述のように、真空仕切弁のハウジン
グの第1の開口のみが弁座ユニットの弁座によって開閉
され、第2の開口は常時成膜室に開放されているため、
成膜工程中に成膜粒子の一部分が真空仕切弁の内部に侵
入し、案内レールや支持板の表面および弁座の裏側、さ
らにはクランク機構のリンクや当接部材、ローラー等に
付着する。このような付着粒子は、クランク機構等の円
滑な作動を妨げるうえに、弁座ユニットの往復移動中あ
るいはクランク機構の作動時の衝撃等によって剥離して
成膜室内にゴミとなって落下し、成膜される薄膜の膜質
を著しく低下させる。また、成膜粒子が駆動装置のベロ
ーズの内面に付着するとベローズの割れを誘発し、真空
リーク等のトラブルを招く。
【0010】そこで、上記と逆に、真空仕切弁の弁座を
密着させる側の開口(第1の開口)を成膜室に面して配
設し、ロードロック室に面した開口(第2の開口)を常
時開放するように構成した真空仕切弁も開発されている
が、この場合は、成膜中に成膜粒子が弁座の表面に堆積
し、そのまま大量のゴミとなって成膜室に落下して著し
く膜質を低下させる。加えて、弁座のO−リングに成膜
粒子が付着すると真空シールが不充分となり、真空仕切
弁の機能が損われるおそれがある。
【0011】また、このような成膜粒子による真空仕切
弁の汚染を回避するために、成膜室の蒸発源から遠く離
れた位置に真空仕切弁を配設することも提案されている
が、成膜装置全体の大型化を招くために好ましくない。
【0012】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、真空仕切弁の開口
部に飛来する成膜粒子によって弁座やその周辺が汚染さ
れて弁座の円滑な開閉動作が妨げられたり、弁座等に付
着した成膜粒子が剥がれ落ちて成膜室内のゴミとなる等
のトラブルを回避できる真空仕切弁およびこれを用いた
成膜装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の真空仕切弁は、互に逆向きである第1およ
び第2の開口を有する開口部を備えたハウジングと、該
ハウジングの前記開口部に移動して前記第1の開口を閉
塞自在である弁座と、前記弁座を移動させる駆動手段
と、前記弁座とともに前記ハウジングの前記開口部に移
動して前記第2の開口を閉塞自在である粒子捕獲手段を
有することを特徴とする。
【0014】弁座を第1の開口の周縁に密着させるため
の弁座リフト手段が設けられているとよい。
【0015】粒子捕獲手段が、その表面を所定の温度に
加熱するための加熱手段を有するとよい。
【0016】加熱手段が、弁座と粒子捕獲手段がハウジ
ングの開口部に移動したときにのみ前記ハウジングの電
力供給手段に接続されるように構成されているとよい。
【0017】また、粒子捕獲手段が、ハウジングの第2
の開口より寸法の小さい複数の板状部材によって構成さ
れた板状体であるとよい。
【0018】
【作用】真空仕切弁の第1の開口が成膜装置のロードロ
ック室等に面して配設され、第2の開口が成膜装置の成
膜室等に面して配設される。真空仕切弁を閉じるときは
弁座と粒子捕獲手段をハウジングの開口部へ移動させ
る。このとき、弁座は第1の開口の周縁に密着され、粒
子捕獲手段は第2の開口に近接してこれを閉塞する。
【0019】成膜中に成膜室の成膜粒子が真空仕切弁の
開口部に飛来しても、ほとんどすべてが粒子捕獲手段に
よって捕獲されるため、真空仕切弁の内部へ侵入して弁
座や弁座リフト手段等に付着し、弁座の円滑な開閉動作
等を妨げるおそれはない。従って、真空仕切弁の長期安
定動作を実現できる。
【0020】粒子捕獲手段が、その表面を所定の温度に
加熱するための加熱手段を有すれば、粒子捕獲手段に捕
獲された成膜粒子の膜を加熱し、マイグレーション効果
によって膜の密着力を高めることでその剥離を防ぐこと
ができる。すなわち、粒子捕獲手段に捕獲された成膜粒
子の膜が剥がれ落ちて成膜室内のゴミとなり、製品の膜
質を劣化させる等のトラブルを回避できる。
【0021】また、加熱手段が、前記弁座と前記粒子捕
獲手段が前記ハウジングの前記開口部に移動したときに
のみ前記ハウジングの電力供給手段に接続されるように
構成されていれば、加熱手段と電力供給手段を接続する
ための複雑な配線等を必要とせず、また、弁座や弁座リ
フト手段等が不必要に加熱されるのを防ぐこともでき
る。
【0022】粒子捕獲手段が、ハウジングの第2の開口
より寸法の小さい複数の板状部材によって構成された板
状体であれば、粒子捕獲手段に付着した成膜粒子を除去
するときや粒子捕獲手段を交換する場合に粒子捕獲手段
を寸法の小さい板状部材に分割して第2の開口から取り
出すことができるため、メンテナンスが簡単である。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0024】図1は一実施例による真空仕切弁を示す断
面図であって、これは、方形断面を有する中空枠型のハ
ウジング1と、該ハウジング1の内部に固定された一対
の案内レール2と、これに沿って往復移動自在である弁
座ユニット3と、案内レール2に沿って弁座ユニット3
を往復移動させる駆動手段である駆動装置4を有する。
ハウジング1は、互に対向する一対の面板1aを有し、
これらに、第1、第2の開口11,12が形成されてお
り、第1の開口11はロードロック室、第2の開口12
は成膜室に向かってそれぞれ開口し、弁座ユニット3
は、搬送室であるロードロック室に向かって開口する第
1の開口11を開閉する。
【0025】すなわち、弁座ユニット3は、第1、第2
の開口11,12を有するハウジング1の開口部と、両
面板1aの残り部分の間に形成される中空部との間を案
内レール2に沿って往復移動し、ハウジング1の中空部
から開口部に移動したときに第1の開口11を閉じるよ
うに構成されている。
【0026】弁座ユニット3の弁座13は支持板14上
に載置され、弁座13の図示上面には、ハウジング1の
第1の開口11の周縁に密着自在であるO−リング15
が保持されている。弁座13は弁座リフト手段であるク
ランク機構16とバネ17を介して支持板14に連結さ
れ、弁座13の先端には、当接部材18が保持されてい
る。
【0027】当接部材18は、駆動装置4の駆動によっ
て弁座ユニット3がハウジング1の開口部へ移動しその
先端に到達したときにハウジング1の内壁に当接され
る。この状態でひき続き駆動装置4が駆動されると、弁
座ユニット3の支持板14のみがさらに前進し、これに
よってクランク機構16が図示時計方向に回動し、バネ
17に抗して弁座13を支持板14から浮上させて、O
−リング15を第1の開口11の周縁に密着させる。こ
のようにしてロードロック室を成膜室の雰囲気から完全
に遮断したうえうでロードロック室を大気開放し、基板
等のワークをロードロック室に搬入する。
【0028】ワークを搬入したのちにロードロック室が
成膜室と同じ真空度に排気されると、駆動装置4が逆駆
動される。この工程で、まず、弁座ユニット3の支持板
14のみが後退し、当接部材18がハウジング1の内壁
から離れると、バネ17の付勢力によって弁座13が支
持板14上に降下し、続いて弁座ユニット3全体が2点
鎖線で示すようにハウジング1の中空部へ後退する。こ
のようにしてハウジング1の開口部が開放され、ロード
ロック室のワークが成膜室に搬入される。ワークの搬入
後、再び駆動装置4が駆動されて前述と同様に弁座ユニ
ット3がハウジング1の中空部から開口部へ移動し、実
線で示すように第1の開口11が閉塞される。この状態
で成膜室内の成膜工程が開始される。
【0029】なお、クランク機構16は、弁座ユニット
3の両側縁にそれぞれ一対ずつ配設された合計4個の平
行リンク16aによって構成されている。また、駆動装
置4は、ハウジング1の側壁の貫通孔からハウジング1
の外部へのびる駆動棒4aと、これに結合されたシリン
ダー4bを有し、駆動棒4aは弁座ユニット3の支持板
14と一体である。ハウジング1の貫通孔は、駆動棒4
aとの間に配設されたベローズ4cによって密閉されて
いる。弁座ユニット3の支持板14の両側縁にはローラ
ー14aがそれぞれ一対ずつ合計4個配設され、弁座ユ
ニット3が駆動装置4の駆動によってハウジング1内を
往復移動するときには、前記ローラー14aが案内レー
ル2上を転動する。
【0030】成膜室における成膜工程中に、真空仕切弁
の第2の開口12が成膜室に開放されたままであると、
成膜粒子の一部分がハウジング1の内部に侵入し、案内
レール2に堆積して弁座ユニット3の移動を妨げたり、
クランク機構16の動作を不安定にする等のトラブルを
発生する。そこで、弁座ユニット3の支持板14の裏面
側に支持部材19を介して粒子捕獲手段である成膜粒子
捕獲板20を取り付けて、弁座ユニット3がハウジング
1の先端に到達したときに成膜粒子捕獲板20がハウジ
ング1の第2の開口12に近接してこれを実質的に閉塞
し、ハウジング1内に侵入しようとする成膜粒子を成膜
粒子捕獲板20の表面に捕獲するように構成する。
【0031】成膜粒子捕獲板20は、図2に示すよう
に、それぞれハウジング1の第2の開口12の全幅に沿
ってのびる複数の短冊状の板状部材からなり、これらは
互に分離自在に連結されてハウジング1の第2の開口1
2の開口面積全体を覆う一枚の板状体を形成し、必要に
応じて、各板状部材に分離して個別に成膜室側に取り出
せるように構成される。
【0032】成膜粒子捕獲板20には、その表面を所定
の温度に加熱するための加熱手段であるシースヒーター
21が組み込まれており、成膜中にハウジング1の開口
部に飛来して成膜粒子捕獲板20によって捕獲された成
膜粒子の膜を加熱する。このように、成膜粒子捕獲板2
0上に形成される膜に熱エネルギーを与え、マイグレー
ション効果によって膜密度を高めることで、成膜粒子捕
獲板20上の成膜粒子の剥離を防ぎ、これらがゴミとな
って成膜室に落下するのを回避する。
【0033】成膜粒子捕獲板20は、その温度を測定す
るための熱電対22を有し、シースヒーター21および
熱電対22と外部電源の間の電気的接続は、支持部材1
9に保持された複数の接触ピン23を、それぞれハウジ
ング1の先端に固定された電力供給手段であるソケット
24に差し込むことによって行なわれる。各ソケット2
4は、ハウジング1の側壁を貫通して外部電源に接続さ
れた接点24aと、これを包囲する絶縁材24bを有
し、絶縁材24bは真空シールを介してハウジング1の
側壁に固着されている。
【0034】駆動装置4のシリンダー4bの駆動によっ
て弁座ユニット3がハウジング1の開口部に到達したと
きには、各接触ピン23がソケット24に挿入され、そ
の接点24aに接触してシースヒーター21および熱電
対22が外部電源に接続され、その結果、成膜粒子捕獲
板20が加熱され、所定の温度に制御される。また、シ
リンダー4bの逆駆動によって弁座ユニット3がハウジ
ング1の中空部へ後退するときは、これに伴って自動的
に各接触ピン23がソケット24から引き抜かれて、シ
ースヒーター21の加熱が停止される。このように、弁
座ユニット3がハウジング1の開口部に位置したときの
み成膜粒子捕獲板20の加熱を行なうように構成されて
いるため、ハウジング1内にシースヒーター21や熱電
対22のための接続配線等を必要とせず、ハウジング1
内の構造が複雑化するのを回避できる。加えて、弁座ユ
ニット3がハウジング1の開口部に位置しているとき以
外は成膜粒子捕獲板20の加熱が自動的に停止されるた
め、弁座13やクランク機構16等が不必要に加熱され
るのを防ぐこともできる。
【0035】なお、シースヒーター21の替わりに、ハ
ロゲンランプ等、真空中で使用できる他の加熱手段を用
いてもよい。必要であれば、弁座13やO−リング15
が不必要に加熱されるのを防ぐための断熱材等を付加す
ることもできる。
【0036】また、弁座13を支持板14から浮上させ
る平行移動型のクランク機構16に替えて、他の公知の
弁座リフト機構を用いることも自在である。
【0037】図3は本実施例による真空仕切弁を用いた
成膜装置である連続スパッタ装置を示すもので、成膜室
31とロードロック室41の間にハウジング1が配設さ
れ、前述のように、ハウジング1の第1の開口11はロ
ードロック室41に向かって開口し、第2の開口12は
成膜室31に向かって開口し、ロードロック室41は基
板であるワークWを搬出するためのアンロードロック室
を兼ねている。
【0038】成膜室31は、これを所定の真空度に排気
するための排気系32と、成膜室31内にスパッタリン
グガスを供給するスパッタリングガス供給系33を有
し、成膜室31の内部には、ワークWを保持するワーク
ホルダ34と、これに対向するターゲット35と、マグ
ネトロンカソード36が配設され、マグネトロンカソー
ド36は整合器37を介して高周波電源38に接続され
ている。
【0039】ロードロック室41は、これを排気する排
気系42と、ワークWを保持して成膜室31に搬出入す
る搬送系43を有する。
【0040】連続スパッタ装置の成膜室31は、通常、
ターゲット35の交換等のメンテナンス以外は大気に開
放されることなく真空排気されている。ロードロック室
41を大気開放したのち、未処理のワークWを投入し、
続いて排気系42によってロードロック室41内を真空
排気する。ロードロック室41内が充分排気されたら、
駆動装置4のシリンダー4bの後退側(逆駆動側)に圧
縮空気を供給して弁座ユニット3を後退させてハウジン
グ1の開口部を開口させる。ロードロック室41の搬送
系43を駆動し、未処理のワークWをハウジング1の開
口部を通して成膜室31へ搬送する。成膜室31のワー
クホルダ34によってワークWを保持させたうえで、搬
送系43をロードロック室41に後退させる。
【0041】次に、シリンダー4bの前進側(駆動側)
に圧縮空気を供給して弁座ユニット3をハウジング1の
開口部に前進させる。各ソケット24の接点41aと接
触ピン23が接触すると外部電源25からシースヒータ
ー21と熱電対22に電力が供給され、成膜粒子捕獲板
20が設定温度まで加熱される。
【0042】成膜室31にワークWが搬送されたのち、
スパッタリングガス供給系33よりスパッタリングガス
(一般にAr)と反応ガス(酸素、窒素等)が供給され
る。また、ターゲット35には高周波電源38より整合
器37、マグネトロンカソード36を介して高周波電力
が供給されてプラズマが発生し、成膜が開始される。
【0043】プラズマ中で発生したアルゴンイオンや反
応ガスのイオンはターゲット35に向かって加速され、
ターゲット表面で衝突してターゲット材をはじき出す。
このようにして、成膜粒子が発生する。
【0044】成膜粒子はスパッタリングガス分子と衝突
しながらワークWに付着する。スパッタリングガスの捕
獲効率は、成膜条件やターゲット35、ワークWの配置
によって異なるが、一般的には30〜60%程度で、残
りの成膜粒子はターゲット35の近傍に配置されている
図示しないシールド板や成膜室31の内壁および真空仕
切弁に付着する。ターゲット35の上部近傍に近接する
真空仕切弁の開口部に飛来した成膜粒子は、ターゲット
35やワークWに付着する成膜粒子に比べて飛行距離が
長いために、ガス分子との衝突回数が多くて散乱粒子の
状態であり、従って、その運動エネルギーは、はじき出
された時のエネルギーに比べて小さい。このようにエネ
ルギーが小さくて密着力が低い成膜粒子が真空仕切弁の
開口部に飛来してきたものを、成膜粒子捕獲板20によ
って捕獲し、ハウジング1内への侵入を防止する。さら
に、成膜粒子捕獲板20に付着した成膜粒子の膜にシー
スヒーター21から熱エネルギーを与え、マイグレーシ
ョン効果で膜の密着力を高めて膜剥離によるゴミの発生
を防止する。
【0045】ワークWに設定された膜厚まで成膜された
ら、成膜は完了しマグネトロンカソード36に供給され
ていた高周波電力やスパッタリングガスは停止される。
【0046】続いて、前述と同様にシリンダー4bの後
退側に圧縮空気を供給して弁座ユニット3を後退させて
ハウジング1の開口部を開口させ、搬送系43を駆動し
て処理ずみのワークWをロードロック室41へ搬送し未
処理のワークと入れ替える。以上の操作を繰り返すこと
によって、成膜室31を大気開放することなく連続成膜
を行なう。
【0047】なお、成膜粒子捕獲板20には連続成膜に
よる成膜が何回も繰り返される間に厚い膜が堆積して交
換が必要になる。そこで成膜粒子捕獲板20を各板状部
材20aに分離して成膜室31の側から取り出して新た
な板状部材と交換する。
【0048】このように本実施例による成膜粒子捕獲板
は、成膜室の成膜粒子が真空仕切弁のハウジング内へ侵
入するのを効果的に防ぐことによって真空仕切弁の長期
安定動作を実現するとともに、成膜粒子捕獲板によって
捕獲された成膜粒子がゴミとなって成膜室内に落下する
のを回避し、成膜装置の製品の品質と生産性を大きく向
上できる。また、成膜粒子捕獲板が、前述のように、複
数の短冊状の板状部材を互に分離自在に連結した板状体
であるため、成膜粒子による汚染が進んだときに新たな
成膜粒子捕獲板と交換するメンテナンスが極めて容易で
ある。
【0049】加えて、真空仕切弁の内部に成膜粒子捕獲
板を加熱するシースヒーター等の接続配線を設ける必要
がないから、真空仕切弁の内部機構が複雑化したり、ハ
ウジングが大型化するおそれもない。
【0050】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。
【0051】真空仕切弁の開口部に飛来する成膜粒子を
捕獲する成膜粒子捕獲板を設けることで、このような成
膜粒子が真空仕切弁の内部に侵入し、弁座やその周辺を
汚染するのを防ぐことができる。これによって、真空仕
切弁の長期安定動作を実現できる。
【0052】また、成膜粒子捕獲板の表面を加熱するこ
とで、これに捕獲された成膜粒子の膜の密着力を高め
て、膜剥がれによる成膜室の汚染を回避することができ
る。これによって成膜室内のゴミによる製品の膜質低下
を防ぐことができる。
【0053】このような真空仕切弁を用いることで、ラ
ンニングコストが低くしかも高性能な成膜装置を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例による真空仕切弁を示す断面図であ
る。
【図2】図1の装置を幅方向の中央で2分し、その片方
のみを別の断面で示す部分断面図である。
【図3】成膜装置全体を説明する図である。
【図4】従来例による真空仕切弁を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 案内レール 3 弁座ユニット 4 駆動装置 4b シリンダー 11 第1の開口 12 第2の開口 13 弁座 14 支持板 15 O−リング 16 クランク機構 17 バネ 18 当接部材 20 成膜粒子捕獲板 21 シースヒーター 22 熱電対 31 成膜室 34 ワークホルダ 35 ターゲット 41 ロードロック室 43 搬送系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16K 51/00 F16K 51/00 A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互に逆向きである第1および第2の開口
    を有する開口部を備えたハウジングと、該ハウジングの
    前記開口部に移動して前記第1の開口を閉塞自在である
    弁座と、前記弁座を移動させる駆動手段と、前記弁座と
    ともに前記ハウジングの前記開口部に移動して前記第2
    の開口を閉塞自在である粒子捕獲手段を有する真空仕切
    弁。
  2. 【請求項2】 弁座を第1の開口の周縁に密着させるた
    めの弁座リフト手段が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の真空仕切弁。
  3. 【請求項3】 粒子捕獲手段が、その表面を所定の温度
    に加熱するための加熱手段を有することを特徴とする請
    求項1または2記載の真空仕切弁。
  4. 【請求項4】 加熱手段が、弁座と粒子捕獲手段がハウ
    ジングの開口部に移動したときにのみ前記ハウジングの
    電力供給手段に接続されるように構成されていることを
    特徴とする請求項3記載の真空仕切弁。
  5. 【請求項5】 加熱手段がシースヒーターであることを
    特徴とする請求項3または4記載の真空仕切弁。
  6. 【請求項6】 粒子捕獲手段が、ハウジングの第2の開
    口より寸法の小さい複数の板状部材によって構成された
    板状体であることを特徴とする請求項1ないし5いずれ
    か1項記載の真空仕切弁。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか1項記載の真
    空仕切弁と、該真空仕切弁の第1の開口に面して配設さ
    れた搬送室と、前記真空仕切弁の第2の開口に面して配
    設された成膜室を有する成膜装置。
  8. 【請求項8】 搬送室が、成膜室にワークを搬入するロ
    ードロック室と前記ワークを前記成膜室から搬出するア
    ンロードロック室を兼ねていることを特徴とする請求項
    7記載の成膜装置。
  9. 【請求項9】 搬送室が、成膜室にワークを搬入するロ
    ードロック室または前記成膜室から前記ワークを搬出す
    るアンロードロック室であることを特徴とする請求項7
    記載の成膜装置。
JP7824396A 1996-03-06 1996-03-06 真空仕切弁およびこれを用いた成膜装置 Pending JPH09242930A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101012804B1 (ko) * 2009-11-17 2011-02-08 주식회사 마이크로텍 히팅용 진공 게이트 밸브
JPWO2019193791A1 (ja) * 2018-04-02 2021-05-13 株式会社島津製作所 真空装置および分析装置

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