JPH09242592A - 誘導負荷駆動装置の異常検出装置 - Google Patents

誘導負荷駆動装置の異常検出装置

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JPH09242592A
JPH09242592A JP8049096A JP4909696A JPH09242592A JP H09242592 A JPH09242592 A JP H09242592A JP 8049096 A JP8049096 A JP 8049096A JP 4909696 A JP4909696 A JP 4909696A JP H09242592 A JPH09242592 A JP H09242592A
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JP
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reference voltage
abnormality
solenoid
voltage
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JP8049096A
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Kazutoshi Morisada
和敏 森定
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Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣接された複数の誘導負荷を夫々独立にデュ
ーティ駆動する誘導負荷駆動装置において、各誘導負荷
の間に生じる相互誘導の影響を受けることなく、各誘導
負荷の通電経路の異常を応答遅れなく正確に検出できる
ようにする。 【解決手段】 ISCV20に内蔵された一対のコイル
22,24を、出力トランジスタTRO,TRCを位相が反
転した制御信号にてオン・オフさせることにより夫々デ
ューティ駆動するアイドル回転数制御装置に設けられ、
各コイル22,24の通電経路の異常を、出力トランジ
スタTRO,TRCの出力電圧VO1,VC1と基準電圧VOS,
VCSとを比較することにより判定する装置において、一
方のトランジスタがオープン故障した際に、コイル2
2,24間の相互誘導によって判定結果が正常になるの
を防止するために、D/A変換回路36及び差動増幅器
40を用いて、基準電圧VOS,VCSを制御信号のデュー
ティ比に応じて変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに隣接して配
設された複数の誘導負荷を各々独立にデューティ駆動す
る装置において、誘導負荷自体或いはその通電経路の異
常を検出するのに好適な誘導負荷駆動装置の異常検出装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電磁弁駆動用のソレノイド
等,リアクタンス成分を有する誘導負荷を駆動する際に
は、誘導負荷の通電経路にスイッチング素子(トランジ
スタ,FET等)を設け、これをデューティ制御した制
御信号にてオン・オフさせることにより、誘導負荷に流
れる電流量を制御している(所謂デューティ駆動)。
【0003】また、この種の駆動装置において、誘導負
荷の通電経路の異常(誘導負荷自体或いはその通電経路
の断線,短絡等)を検出する異常検出装置は、一般に、
誘導負荷とスイッチング素子との間の通電経路の電圧を
検出し、この電圧がスイッチング素子をオン・オフさせ
る制御信号に応じて変化しない場合に、通電経路に何等
かの異常が生じていると判断するように構成される。
【0004】つまり、こうした異常検出装置は、誘導負
荷とスイッチング素子との間の通電経路の電圧は、スイ
ッチング素子が所謂ハイサイドスイッチとして誘導負荷
に対して電流の上流側に配設されていても、またスイッ
チング素子が所謂ローサイドスイッチとして誘導負荷に
対して電流の下流側に配設されていても、誘導負荷とス
イッチング素子との間の通電経路の電圧は、スイッチン
グ素子のオン・オフ状態に応じて変化することから、そ
の経路の電圧と予め設定した基準電圧とをコンパレータ
等を用いて比較し、その比較結果を表わす出力信号が制
御信号に応じて周期的に変化しているか否かを判定する
ことにより、通電経路の異常を検出するようにされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした従
来の異常検出装置を用いて、誘導負荷の通電経路の異常
を検出するようにした場合、誘導負荷が単独で用いられ
る場合には問題ないのであるが、例えば、弁体の開度を
調整するために、弁体を閉方向に駆動するソレノイドと
開方向に駆動するソレノイドとの一対の誘導負荷を収納
した電磁弁等、誘導負荷が他の誘導負荷と共に隣接して
配設され、これら各誘導負荷が各々独立してデューティ
駆動される装置では、これら誘導負荷の間に生じる相互
誘導作用によって、通電経路の異常を正確に検出できな
いことがあった。
【0006】つまり、例えば、2つのソレノイドが隣接
して配置されており、これら各ソレノイドの通電経路に
設けたスイッチング素子を各々独立にオン・オフさせて
いる状態で、一方のスイッチング素子が故障して、その
スイッチング素子をオンすることができなくなると(所
謂オープン故障が発生すると)、他方のスイッチング素
子がオンからオフに切り換わって対応するソレノイドへ
の通電が遮断された際に、各ソレノイド間の相互誘導作
用によって、故障したスイッチング素子側のソレノイド
に起電力が発生し、故障したスイッチング素子とソレノ
イドとの間の電圧が変化する。また、このときの電圧変
化量は、正常にデューティ駆動されているソレノイドの
通電時間(つまりスイッチング素子のオン時間)が長い
程、大きくなる。なお、これはソレノイドの通電時間が
長いほど、ソレノイドに蓄積されるエネルギが大きくな
るためである。
【0007】一方、従来の異常検出装置は、上記のよう
に、スイッチング素子とソレノイドとの間の通電経路の
電圧と基準電圧とを比較し、その比較結果がスイッチン
グ素子の制御信号に応じて変化しているか否かを判断す
ることにより、通電経路の異常を検出する。この結果、
上記のような相互誘導作用によって、故障したスイッチ
ング素子とソレノイドとの間の通電経路電圧が変化し、
その電圧が基準電圧を横切るようになると、比較結果が
制御信号に応じて変化しているものと判断してしまい、
スイッチング素子がオープン故障しているにもかかわら
ず、その経路の異常を検出できなくなることがある。
【0008】なお、こうした問題は、例えば、駆動装置
の動作モードを通常のデューティ駆動時の動作モードか
ら異常検出用の動作モードに切り換え、異常検出用の動
作モードでは、各スイッチング素子を、異常検出装置の
検出結果に影響を与えることのない制御信号にて駆動す
るようにし、更にその異常検出モードのときにだけ、異
常検出装置を動作させるようにすれば解決できる。
【0009】しかし、このためには、駆動装置の動作モ
ードを切り換えたり異常検出装置の動作を禁止するため
の特別な機能を付与する必要があり、駆動装置や異常検
出装置のコストアップを招くといった問題がある。ま
た、このように異常検出装置の動作を制限すると、各誘
導負荷の通電経路に異常が発生したときに、その旨を速
やかに検出できなくなるといった問題もある。
【0010】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、隣接された複数の誘導負荷を夫々独立にデューテ
ィ駆動する誘導負荷駆動装置において、各誘導負荷の間
に生じる相互誘導の影響を受けることなく各誘導負荷の
通電経路の異常を検出することができ、しかもその異常
検出動作を常時実行可能な異常検出装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の異常検出装置は、互いに
隣接して配設された複数の誘導負荷の通電経路に設けら
れたスイッチング手段を、夫々、デューティ比が制御さ
れた位相の異なる制御信号にてオン・オフさせて、各誘
導負荷をデューティ駆動する誘導負荷駆動装置におい
て、各誘導負荷の通電経路の異常を検出するためのもの
であり、既述した従来の異常検出装置と同様、複数の比
較手段が、各誘導負荷と各スイッチング手段との間の通
電経路の電圧と基準電圧とを夫々大小比較し、判定手段
が、各比較手段からの出力信号が制御信号に応じて変化
しているか否かを判定し、その出力信号が制御信号に応
じて変化していない場合に、誘導負荷の通電経路の異常
を判定する。
【0012】また、このように比較手段と判定手段とに
より誘導負荷の通電経路の異常を検出する場合、比較手
段にて用いる基準電圧を一定にすると、前述のように、
スイッチング手段がオープン故障したときに、各誘導負
荷の間に生じる相互誘導によって、オープン故障したス
イッチング手段が設けられた経路の異常を検出できなく
なることがあるので、本発明では、基準電圧設定手段に
て、各比較手段が用いる基準電圧を、制御信号のデュー
ティ比に応じて変化させ、判定手段による判定結果(つ
まり異常検出結果)が、各誘導負荷の間に生じる相互誘
導の影響を受けるのを防止する。
【0013】つまり、スイッチング手段の一つがオープ
ン故障した場合、そのスイッチング手段と誘導負荷との
間の通電経路には、誘導負荷の間に生じる相互誘導作用
によって電圧が発生し、しかもその電圧は、他の経路の
誘導負荷の通電時に蓄積された磁気エネルギ、延いて
は、その誘導負荷をデューティ駆動する制御信号のデュ
ーティ比に応じて変化することから、本発明では、各誘
導負荷の通電経路の異常判定に用いる基準電圧を、各誘
導負荷をデューティ駆動するのに使用される制御信号の
デューティ比を用いて変化させることにより、スイッチ
ング手段のオープン故障時にスイッチング手段と誘導負
荷との間の経路電圧が変化しても、比較手段にてその変
化を誤検出され、判定手段にてその経路の正常判定がな
されるのを防止するのである。
【0014】従って、本発明によれば、基準電圧設定手
段の動作によって、異常検出装置を常時動作させた状態
で、相互誘導の影響を受けることなく各誘導負荷の通電
経路の異常を検出することができ、各通電経路の異常を
応答遅れなく正確に検出することができる。
【0015】また本発明によれば、通電経路の異常判定
を正確に行なうために、従来の異常検出手段に、基準電
圧設定手段を設けるだけでよく、しかも、その基準電圧
設定手段は、各スイッチング手段のオープン故障時にそ
の経路電圧に影響を与える制御信号のデューティ比に応
じて基準電圧を変化させるように構成すればよいので、
容易に実現できる。
【0016】つまり、通電経路の異常判定を正確に行な
うために、前述のように駆動装置側の動作モードを異常
検出用の動作モードに切り換えて、異常検出装置を動作
させるようにした場合、異常検出を常時実行することが
できないだけでなく、駆動装置側の動作モードの切り換
え等の機能を実現するために駆動装置側の構成が複雑に
なり(例えばこの機能をマイクロコンピュータにて実現
する場合にはプログラムが複雑になり、またこのプログ
ラムを記憶する記憶素子の容量を大きくしなければなら
ない)、コストアップを招くことが考えられるが、本発
明によれば、後述の実施例に記載のように、従来の異常
検出装置に、汎用のD/A変換回路や積分回路等にて実
現可能な基準電圧設定手段を追加するだけでよく、相互
誘導の影響を受けることなく各誘導負荷の通電経路の異
常を検出可能な異常検出装置を、極めて簡単に実現でき
るようになるのである。
【0017】ここで、本発明の異常検出装置は、例え
ば、請求項2に記載のように、誘導負荷として、内燃機
関の吸気通路に設けられた弁体を開方向及び閉方向に夫
々駆動する一対のソレノイドを備え、これら各ソレノイ
ドに流れる電流量に応じて吸気通路の開度を調整して、
内燃機関のアイドル回転数を制御するアイドル回転数制
御弁を備え、このアイドル制御弁の一対のソレノイドを
各々独立にデューティ駆動することにより内燃機関のア
イドル回転数を制御するアイドル回転数制御装置に適用
することができる。
【0018】また、このアイドル回転数制御装置のよう
に、一対の誘導負荷を各々独立にデューティ駆動して弁
体等の制御対象を任意の位置に制御する誘導負荷駆動装
置では、例えば、請求項3に記載のように、一方の誘導
負荷をデューティ比が制御された第1制御信号にてデュ
ーティ駆動し、他方の誘導負荷をこの第1制御信号を反
転した第2制御信号を用いてデューティ駆動することに
より、第1制御信号(=第2制御信号)のデューティ比
を50%とした状態で制御対象を中立位置に制御し、第
1制御信号のデューティ比を50%から減少させること
により、制御対象を第1制御信号のデューティ比に応じ
て中立位置から一方向へ変位した所定位置に制御し、第
1制御信号のデューティ比を50%から増加させること
により、制御対象を第1制御信号のデューティ比に応じ
て中立位置から他方向へ変位した所定位置に制御するこ
とが考えられる。
【0019】そして、このように、第1制御信号とこれ
を反転した第2制御信号とで一対の誘導負荷を各々デュ
ーティ駆動する装置では、スイッチング手段がオープン
故障した場合に、一対の誘導負荷の間で生じる相互誘導
作用によって発生する電圧は、正常動作しているスイッ
チング手段をオン・オフさせる制御信号のデューティ比
に応じて変化するが、そのデューティ比は、オープン故
障しているスイッチング手段をオン・オフさせる制御信
号のデューティ比に対応する。つまり、オープン故障し
ているスイッチング手段に対する制御信号のデューティ
比がA%であれば、正常動作しているスイッチング手段
に対する制御信号のデューティ比Bは、「100−A
%」となる。
【0020】従って、このような誘導負荷駆動装置で
は、請求項3に記載のように、基準電圧設定手段を、第
1制御信号及び第2制御信号の内の一方のデューティ比
に応じて、各比較手段の基準電圧を設定するように構成
することができ、装置構成をより簡単にすることができ
る。
【0021】次に、請求項4に記載の異常検出装置は、
誘導負荷として、内燃機関の吸気通路に設けられた弁体
を開方向及び閉方向に夫々駆動する第1ソレノイド及び
第2ソレノイドを備え、これら各ソレノイドに流れる電
流量に応じて吸気通路の開度を調整して、内燃機関のア
イドル回転数を制御するアイドル回転数制御弁と、第1
ソレノイド及び第2ソレノイドの通電経路上で、しかも
各通電経路を流れる電流方向に対して各ソレノイドより
も下流側の位置に夫々設けられた第1スイッチング手段
及び第2スイッチング手段とを備え、デューティ比を制
御した第1制御信号と第1制御信号を反転した第2制御
信号とにより第1スイッチング手段及び第2スイッチン
グ手段を夫々オン・オフさせて、第1ソレノイド及び第
2ソレノイドに流れる電流量を各々制御することによ
り、内燃機関のアイドル回転数を制御する誘導負荷駆動
装置(換言すれば内燃機関のアイドル回転数制御装置)
において、各ソレノイドの通電経路の異常を検出するた
めのものである。
【0022】そして、この異常検出装置では、第1比較
手段及び第2比較手段が、第1ソレノイドと第1スイッ
チング手段との間の通電経路の第1電圧、及び前記第2
ソレノイドと第2スイッチング手段との間の通電経路の
第2電圧と、第1基準電圧及び第2基準電圧とを、夫
々、大小比較すると共に、判定手段が、これら第1比較
手段及び第2比較手段からの出力信号が夫々第1制御信
号及び第2制御信号に応じて変化しているか否かを判定
し、この出力信号が各制御信号に対応して変化していな
い場合に、各ソレノイドの通電経路の異常を判定する。
【0023】また本発明では、基準電圧設定手段が、判
定手段による判定結果が第1ソレノイドと第2ソレノイ
ドとの間に生じる相互誘導の影響を受けることのないよ
うに、第1基準電圧値を、第1スイッチング手段がオン
する時間割合を表わす第1制御信号のオンデューティ比
が小さくなるほど小さくなるように変化させると共に、
第2基準電圧を、第1制御信号のオンデューティ比が大
きくなるほど小さくなるように変化させる。
【0024】つまり、本発明のように、各スイッチング
手段が、所謂ローサイドスイッチとして、対応するソレ
ノイドよりも電流の下流側に設けられている場合には、
スイッチング手段の一方がオープン故障すると、その故
障したスイッチング手段とソレノイドとの間の電圧は、
正常なスイッチング手段のオフ時に、負側に変化し、し
かも電圧変化量は、正常なスイッチング手段のオン時間
が長い程(換言すれば、正常なスイッチング手段の制御
信号のオンデューティが大きく、故障したスイッチング
手段の制御信号のオンデューティが小さいほど),大き
くなることから、本発明では、故障したスイッチング手
段とソレノイドとの間の通電経路電圧が相互誘導によっ
て周期的に増大方向に変化しても、この変化を誤検出す
ることのないように、第1基準電圧及び第2基準電圧を
設定するのである。
【0025】従って、本発明によれば、アイドル回転数
制御弁を開方向又は閉方向に駆動するためのソレノイド
やその通電用の信号線が断線或いは短絡した場合は勿論
のこと、その通電経路をオン・オフするスイッチング手
段がオープン故障した場合にも、通電経路の異常を応答
遅れなく速やかに検出することができ、内燃機関のアイ
ドル回転制御の信頼性及び安全性を向上することができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。まず図1は、本発明が適用された実施例の
自動車用内燃機関のアイドル回転数制御装置の構成を表
す概略構成図である。
【0027】図1に示す如く、本実施例のアイドル回転
数制御装置は、内燃機関のスロットルバルブをバイパス
する補助空気通路に介装されたアイドル制御弁(以下、
ISCVという)20と、ISCV20の開度,延いて
は補助空気通路を流れる吸入空気量を制御することによ
り、内燃機関のアイドル回転数を内燃機関の運転状態
(冷却水温,エアコンの動作状態等)に対応した所定回
転数に制御する電子制御装置(以下、ECUという)1
0と、内燃機関の各種運転状態(回転数,冷却水温等)
を検出して、検出信号をECU10に入力する各種セン
サ(図示せず)とから構成されている。
【0028】ISCV20は、弁体(図示せず)を回動
可能に支持するロータ(図示せず)を弁体の開方向及び
閉方向に夫々回転駆動する一対のロータリソレノイド
(以下、単にコイルという)22,24を備え、これら
各コイル22,24の通電経路を、互いに逆位相のデュ
ーティ信号(制御信号)によってオン・オフすることに
より、ISCV20の弁開度を所望開度に制御可能な、
ロータリソレノイド式のアイドル制御弁からなる。そし
て、本実施例では、コイル22の駆動デューティを大き
くすればISCV20を開方向に駆動でき、コイル24
の駆動デューティを大きくすればISCV20を閉方向
に駆動できるようにされている。
【0029】一方、ECU10は、上記各種センサから
の検出信号を取り込み、上記各コイル22,24をデュ
ーティ駆動して内燃機関のアイドル回転数を目標回転数
に制御するための制御信号SOUT を出力ポートP1から
出力する、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロ
コンピュータ(以下、単にCPUという)12と、CP
U12から出力される制御信号SOUT に従いコイル22
の通電経路をオン・オフして、コイル22に流れる電流
量をデューティ制御する第1駆動回路14と、CPU1
2から出力される制御信号SOUT を反転して制御信号S
OUT とは逆位相の制御信号を生成する反転回路(所謂イ
ンバータ)INVと、この反転回路INVにて生成され
た制御信号に従いコイル24の通電経路をオン・オフし
て、コイル24に流れる電流量をデューティ制御する第
2駆動回路16と、これら各駆動回路14,16の出力
電圧VO1,VC1、及びCPU12の出力ポートP2〜P
4から出力される、制御信号SOUT の出力状態を表わす
状態信号に基づき、各コイル22,24の通電経路の異
常を判定して、その判定信号をCPU12のラッチポー
トPO,PCに入力する異常検出回路30と、を備えて
いる。
【0030】ここで、各コイル22,24の一端には、
夫々、内燃機関が搭載された自動車の電源であるバッテ
リの正極側端子から正のバッテリ電圧VB が印加されて
おり、第1駆動回路14,第2駆動回路16は、夫々、
各コイル22,24の他端に抵抗器RO4,RC4を介して
接続されている。そして、各駆動回路14,16には、
抵抗器R04,RC4を介して接続された各コイル22,2
4の他端を、バッテリの負極側端子と同電位のグランド
ラインに接地することにより、各コイル22,24の通
電経路をオンするNPN型の出力トランジスタTRO,T
RCが備えられている。
【0031】つまり、各出力トランジスタTRO,TRC
は、コレクタが各コイル22,24側に接続され、エミ
ッタが接地された所謂ローサイドスイッチとして各コイ
ル22,24の通電経路に設けられており、各駆動回路
14,16内では、CPU12側から入力された制御信
号を、抵抗器RO1〜RO3とコンデンサCO1とからなる入
力回路又は抵抗器RC1〜RC3とコンデンサCC1とからな
る入力回路を介して、各出力トランジスタTRO,TRCの
ベースに入力することにより、各出力トランジスタTR
O,TRCを、制御信号に応じてオン・オフする。なお、
こうしたスイッチング手段としては、バイポーラ型のト
ランジスタ以外にも、電界効果トランジスタ(FET)
等の他のスイッチング素子を用いることもできる。
【0032】一方、異常検出回路30は、上記各出力ト
ランジスタTRO,TRCのコレクタと各コイル22,24
とを接続する通電経路の電圧である各駆動回路14,1
6の出力電圧VO1,VC1を、抵抗器ROA,RCAを介し
て、非反転入力端子に受け、基準電圧VOS,VCSを反転
入力端子に受けて、これら各電圧値の大小比較を行な
う、オペアンプからなるコンパレータ32,34と、こ
のコンパレータ32,34の出力を夫々、ECU10の
内部電源電圧VE (例えば5V)側にプルアップするプ
ルアップ用の抵抗器ROC,RCCとを備え、この抵抗器R
OC,RCCにより電源電圧VE 側にプルアップされたコン
パレータ32,34の出力を、夫々、CPU12のラッ
チポートPO,PCに入力する。なお、これら各コンパ
レータ32,34は、本発明の比較手段に相当する。
【0033】従って、CPU12のラッチポートPO,
PCには、各駆動回路14,16の出力電圧VO1,VC1
が基準電圧VOS,VCSよりも大きいときに、電源電圧V
E と同じハイレベルの判定信号が入力され、各駆動回路
14,16の出力電圧VO1,VC1が基準電圧VOS,VCS
以下であるときに、グランドラインと同じローレベルの
判定信号が入力されることになる。
【0034】そして、CPU12内では、このラッチポ
ートPO,PCに入力される判定信号に基づき、ISC
V20の駆動系の異常を検出する、本発明の判定手段と
しての異常検出処理が、図2に示す如く実行される。な
お、ラッチポートPO,PCは、各コンパレータ32,
34から入力される判定信号がハイレベルからローレベ
ル又はその逆へと反転して、各ラッチポートPO,PC
に判定信号の立下がりエッジ又は立上がりエッジが入力
された場合に、そのエッジを検出して判定信号をラッチ
するラッチ回路を内蔵した入力ポートである。
【0035】異常検出処理は、CPU12において、制
御信号SOUT の出力周期と同期して所定時間毎に実行さ
れる処理であり、図2に示す如く、この異常検出処理が
開始されると、まずS110にて、ラッチポートPOに
エッジ入力があったか否かを判定し、ラッチポートPO
にエッジ入力があれば、S120に移行して、ラッチポ
ートPCにエッジ入力があったか否かを判定する。
【0036】そして、ラッチポートPCにエッジ入力が
あれば、S130にて、これら各エッジ入力が所定回数
連続してあった場合にISCV20の駆動系が正常であ
るとして判定結果を正常に復帰するための正常復帰カウ
ンタを、インクリメントし、S140にて、この正常復
帰カウンタの値が所定値を越えたか否か判定する。
【0037】このS140にて、正常復帰カウンタの値
が所定値を越えたと判断されると、S150にて、ラッ
チポートPO又はPCへのエッジ入力が所定回数以上な
い場合の判定回数をカウントするためのラッチ抜けカウ
ンタをクリアし、S160にて、ISCV20の駆動系
が正常であると判定した後、S170に移行し、逆にS
140にて、正常復帰カウンタの値が所定値以下である
と判断されると、そのままS170に移行する。そし
て、S170では、ラッチポートPO,PCのラッチを
クリアし、当該処理を一旦終了する。
【0038】一方、S110にて、ラッチポートPOへ
のエッジ入力がないと判断された場合、或いは、S12
0にて、ラッチポートPCへのエッジ入力がないと判断
された場合には、S180に移行して、正常復帰カウン
タをクリアし、続くS190にて、ラッチ抜けカウンタ
をインクリメントする。そして、S200では、このイ
ンクリメントしたラッチ抜けカウンタが所定値を越えた
か否かを判断し、ラッチ抜けカウンタが所定値を越えて
いれば、S210にて、ISCV20の駆動系に何等か
の異常が発生していると判定した後、上記S170に移
行し、逆にラッチ抜けカウンタが所定値以下であれば、
そのまま上記S170に移行する。
【0039】つまり、この異常検出処理では、異常検出
回路30のコンパレータ32,34から入力される判定
信号が制御信号SOUT の出力周期に同期して変化してい
るか否かを、ラッチポートPO,PCの各判定信号のエ
ッジのラッチ状態から検出し、ラッチポートPO,PC
において共に判定信号のエッジがラッチされておれば、
ISCV20の駆動系が正常であると判断し、逆にラッ
チポートPO,PCの少なくとも一方において判定信号
のエッジがラッチされていなければ、ISCV20の駆
動系、詳しくはコイル22,24、各コイル22,24
の通電経路、或いはこの通電経路に設けられた出力トラ
ンジスタTRO,TCO等に断線・短絡等の何等かの異常が
発生したと判断する。
【0040】ところで、ISCV20の駆動系の正常・
異常を上記のように判定する場合、従来装置のように、
異常検出回路30内のコンパレータ32,34に入力す
る基準電圧として、出力トランジスタTRO,TRCが正常
であるときの出力電圧VO1,VC1の変化の中心電圧に設
定していると、ISCV20の駆動系の正常時、コイル
22,24自体の断線・短絡時、及びコイル22,24
の通電経路の内の駆動回路14,16よりも上流側の通
電経路を形成する信号線の断線・短絡時には、その系の
正常・異常を問題なく判定できるが、駆動回路14,1
6のいずれかの出力トランジスタTRO,TCOがオープン
故障すると、異常状態にもかかわらず正常判定してしま
うことがある。以下、この理由を詳しく説明する。
【0041】まず、本実施例では、CPU12から出力
される制御信号SOUT がハイレベルであるとき、出力ト
ランジスタTROがオン状態,出力トランジスタTRCがオ
フ状態となり、制御信号SOUT がLow レベルであると
き、出力トランジスタTROがオフ状態,出力トランジス
タTRCがオン状態となる。このため、図3(a)に示す
如く、第2駆動回路16と閉方向駆動用のコイル24と
の間の電圧VC1は、制御信号SOUT がハイレベルである
ときバッテリ電圧VB となり、制御信号SOUT がローレ
ベルであるとき略グランドラインと同じ0Vとなる。ま
た逆に、第1駆動回路14と開方向駆動用のコイル22
との間の電圧VO1は、制御信号SOUT がハイレベルであ
るとき略グランドラインと同じ0Vとなり、制御信号S
OUT がローレベルであるときバッテリ電圧VB となる。
【0042】従って、異常検出用の基準電圧VCS,VOS
をバッテリ電圧とグランドラインとの間の電圧(VB =
14Vとすれば、約7V)に固定しておけば、ISCV
20の駆動系が正常である場合には、各駆動回路14,
16の出力電圧VO1,VC1は、基準電圧VCS,VOSを必
ず横切り、CPU12のラッチポートPO,PCにエッ
ジが入力されて、CPU12側でISCV20の駆動系
の正常が判定されることになる。なお、各コイル22,
24は、ISCV20内に隣接して設けられているた
め、これら各コイル22,24間には相互誘導が発生す
るが、本実施例では、制御信号SOUT に応じて各駆動回
路14,16内の出力トランジスタTRO,TRCが交互に
オンされ、一対のコイル22,24の一方が必ず通電状
態となるため、正常時に、各駆動回路14,16からの
出力電圧が相互誘導による影響を受けることはない。
【0043】また、コイル22,24自体或いはコイル
22,24の通電経路の駆動回路14,16よりも上流
側の通電経路を形成する信号線が、断線或いはグランド
ライン側に短絡した場合や、その信号線がバッテリ電圧
VB 側に短絡した場合、或いは出力トランジスタTRO,
TRCが故障してオン状態になってしまった場合等には、
各駆動回路14,16の出力電圧が一定電圧に保持さ
れ、変化しなくなるので、こうした異常時にも、CPU
12において、ISCV20の駆動系の異常を問題なく
検出することができる。
【0044】ところが、出力トランジスタTRO,TRCの
一方が故障してオフ状態になってしまった場合(オープ
ン故障時)には、コイル22,24間の相互誘導作用に
よって、故障した出力トランジスタ側のコイルに、次式
(1) で表わされる起電力Eが発生し、その故障した出力
トランジスタとコイルとの間の通電経路電圧が通常のバ
ッテリ電圧VB から負側に変化する。
【0045】E=−M×di/dt …(1) 但し、Mは両コイルの相互インダクタンス,di/dt
は正常通電されるコイルに流れる電流の時間微分値であ
る。つまり、図3(b)は、開方向駆動用のコイル22
を通電する出力トランジスタTROがオープン故障した場
合の各駆動回路14,16の出力電圧VC1,VO1の変化
を表わしているが、この場合、本来、出力トランジスタ
TROがオープン故障することによりバッテリ電圧VB に
保持される筈の駆動回路14の出力電圧VO1が、コイル
22,24間に生じる相互誘導作用によって、出力トラ
ンジスタTRCのオフ時(VC1=VB 時)に、バッテリ電
圧VBよりも低い負側に変化し、またその電圧の変化量
は、正常な出力トランジスタTRCのオン時間が長いほど
(換言すれば制御信号SOUT を反転した制御信号のオン
デューティDONが大きいほど)大きくなる。
【0046】この結果、一方の出力トランジスタがオー
プン故障した場合、正常な出力トランジスタを制御する
制御信号のオンデューティDONが比較的小さい場合(図
3に示す出力トランジスタTRCのオンデューティが10
%,50%のとき)には、従来のように固定した基準電
圧を用いて、ISCV20の駆動系の異常を判定するこ
とはできるものの、正常な出力トランジスタを制御する
制御信号のオンデューティDONが大きくなると(図3に
示す出力トランジスタTRCのオンデューティが90%の
とき)には、ISCV20の駆動系の異常を判定するこ
とができなくなってしまう。
【0047】そこで、本実施例では、図3に点線で示す
ように、各コイル22,24の通電経路の異常を判定す
る基準電圧VOS,VCSを従来のように常時一定に固定す
るのではなく、図3に矢印で示すように、他方のコイル
を通電制御する出力トランジスタのオンデューティDON
が大きくなるに従い(換言すれば各コイルを通電制御す
る出力トランジスタのオンデューティDONが小さくなる
に従い)、基準電圧VOS,VCSが小さくなるように各基
準電圧VOS,VCSを変化させるようにしている。
【0048】そして、基準電圧VOS,VCSをこのように
変化させるために、本実施例では、CPU12を、出力
ポートP3から、制御信号SOUT のオンデューティ(換
言すれば出力トランジスタTROのオンデューティ)DON
を表わすシリアルデータ(図4(b)参照)を出力し、
出力ポートP2から、このシリアルデータの1ビットデ
ータに同期したクロック信号(CPU12の内部クロッ
ク)を出力し、出力ポートP4から、シリアルデータを
1データ長文出力した旨を表わす同期信号を出力するよ
うに構成し、異常検出回路30内に、基準電圧設定手段
として、CPU12の出力ポートP2〜P4からの出力
信号を受けて、その内のシリアルデータを、出力トラン
ジスタTROを含むコイル22の通電経路の異常を判定す
るための基準電圧VOSに変換するD/A変換回路36
(図4(a)参照)と、このD/A変換回路36からの
基準電圧VOSに基づき出力トランジスタTRCを含むコイ
ル24の通電経路の異常を判定するための基準電圧VOC
を生成する差動増幅器40とを設けている。
【0049】ここで、D/A変換回路36は、15ビッ
トのシフトレジスタ36aと、このシフトレジスタ36
aから出力される15ビットデータの内、下位12ビッ
ト分のデータを、バッテリ電圧VB を1/2に分圧した
電圧を基準電圧Vref (=VB /2)としてアナログ電
圧に変換するD/Aコンバータ36bとにより構成され
ている。
【0050】即ち、本実施例では、CPU12から、D
/Aコンバータ36b自体を制御する3ビットの制御コ
ードと、制御信号SOUT のオンデューティDONを表わす
12ビットデータとからなる、全15ビットのデータ
を、順次シリアルデータとして出力するようにされてお
り、D/A変換回路36では、まずシフトレジスタ36
aにおいて、CPU12の出力ポートP2から出力され
るクロック信号にて、このシリアルデータを順次シフト
して行き、シフトレジスタ36aが全15ビットのシリ
アルデータをシフトできたタイミングで、D/Aコンバ
ータ36bが、シフトレジスタ36aからの出力を、C
PU12の出力ポートP4から出力される同期信号にて
ラッチすると共に、このラッチした15ビットデータの
内の、制御信号SOUT のオンデューティDONに対応した
12ビットデータをアナログ出力電圧VOUT に変換し、
これを基準電圧VOSとして出力するのである。
【0051】この結果、D/A変換回路36では、図5
に実線で示すように、制御信号SOUT のオンデューティ
に応じて、バッテリ電圧VB の1/2の電圧VB /2
を、1/212の分解能にて分圧した電圧が、基準電圧V
OSとして生成されることになる。
【0052】一方、差動増幅器40は、図1に示す如
く、バッテリ電圧VB の1/2の電圧VB /2を、抵抗
値Rs,Rfの抵抗器RS1,RF1にて分圧し、その分圧
電圧をオペアンプ38の非反転入力端子に入力すると共
に、D/A変換回路36の出力を、抵抗値Rsの抵抗器
RS2を介してオペアンプ38の反転入力端子に接続し、
更にオペアンプ38の反転入力端子と出力端子とを抵抗
値Rfの抵抗器RF2にて接続した、周知のものである。
【0053】そして、このように構成された差動増幅器
40からの出力電圧VCSは、次式(2) のように記述でき
る。 VOS={(VB /2)−VOS}・Rf/Rs …(2) そこで、本実施例では、抵抗器RS1,RS2の抵抗値Rs
と、抵抗器RF1,RF2の抵抗値Rfとを一致させること
により、図5に点線で示すように、この出力電圧(つま
り基準電圧)VCSを、バッテリ電圧VB の1/2の電圧
値VB /2から基準電圧VOSを減じた電圧値となるよう
に生成する。
【0054】以上説明したように、本実施例では、各コ
イル22,24の通電経路の異常を判定する基準電圧V
OS,VCSを、CPU12から出力される制御信号SOUT
のオンデューティDONが大きい程、基準電圧VOSが大き
く,基準電圧VCSが小さくなり、逆に制御信号SOUT の
オンデューティDONが小さい程、基準電圧VOSが小さ
く,基準電圧VCSが大きくなるように、設定している。
【0055】このため、本実施例によれば、各コイル2
2,24の通電経路をオン・オフする出力トランジスタ
TRO,TRCの内の一方がオープン故障し、正常な出力ト
ランジスタのオフ時に、各コイル22,24間の相互誘
導によって、故障した出力トランジスタのコレクタ電圧
(駆動回路の出力電圧VO1,VC1)がバッテリ電圧VB
から負側に変化するようになっても、その変化を誤検出
して、ISCV20の駆動系が正常である旨を判定して
しまうことはない。従って、本実施例によれば、各コイ
ル22,24の通電経路の異常を、応答遅れなく常に正
確に検出することができ、アイドル回転制御の信頼性及
び安全性を向上することができる。ここで、本実施例で
は、ISCV20の開方向駆動用コイル22の通電経路
の異常判定に用いる基準電圧VOSが、制御信号SOUT の
オンデューティDONに応じて、オンデューティDONが0
%であれば0Vに、オンデューティDONが100%であ
ればバッテリ電圧VB の1/2の電圧値VB /2になる
ように生成され、ISCV20の閉方向駆動用コイル2
4の通電経路の異常判定に用いる基準電圧VCSが、バッ
テリ電圧VB の1/2の電圧値VB /2から基準電圧V
OSを減じた電圧となるように生成されるが、これは、各
出力トランジスタTRO,TRCがオープン故障したときに
相互誘導作用によって各出力電圧VO1,VC1に重畳され
るノイズレベルを実測した結果に基づく。
【0056】つまり、図6に示すように、バッテリ電圧
VB を14Vとした場合、コイル22の通電経路に設け
られた開方向駆動用の出力トランジスタTROがオープン
故障したときに相互誘導作用によって第1駆動回路14
の出力電圧VO1に重畳されるノイズレベルは、制御信号
SOUT のオンデューティが50%付近であるときに7V
よりも若干小さく、オンデューティDONが小さいほど大
きく、オンデューティDONが大きいほど小さくなり、、
その出力電圧VO1は、オンデューティDONの大きさに比
例して、オンデューティDONが50%の点(出力電圧V
O1は7Vよりも若干大きくなる)を中心に、略0Vから
バッテリ電圧VB に変化した。
【0057】一方、コイル24の通電経路に設けられた
閉方向駆動用の出力トランジスタTRCがオープン故障し
たときに相互誘導作用によって第2駆動回路16の出力
電圧VC1に重畳されるノイズレベルは、制御信号SOUT
のオンデューティが50%付近であるときに7Vよりも
若干小さく、オンデューティDONが小さいほど小さく、
オンデューティDONが大きいほど大きくなり、その出力
電圧VC1は、オンデューティDONの大きさに反比例し
て、オンデューティDONが50%の点(出力電圧VC1は
7Vよりも若干大きくなる)を中心に、略0Vからバッ
テリ電圧VB に変化した。
【0058】そして、基準電圧VOS,VCSを、バッテリ
電圧VB の1/2の電圧値である7Vに設定した場合に
は、制御信号SOUT のオンデューティDONが47.5%
以下の領域と51.5%以上の領域とで正常判定してし
まい、一方のトランジスタがオープン故障した際に異常
判定できるのは、オンデューティDONが50%付近の極
めて狭い領域であった。
【0059】そこで、本実施例では、こうした相互誘導
作用に伴い各出力電圧VO1,VC1に重畳されるノイズレ
ベルに影響されることなく、各コイル22,24の通電
経路の異常を判定できるようにするために、各出力トラ
ンジスタのオープン故障時に相互誘導作用によって生じ
る各出力電圧VO1,VC1の最低電圧の略半分の電圧値を
基準電圧VOS,VCSとして生成しているのである。
【0060】従って、各コイル22,24間の相互イン
ダクタンスが小さく、出力トランジスタのオープン故障
時に相互誘導作用によって生じるノイズレベルが小さい
場合には、基準電圧VOS,VCSを本実施例よりも大きい
値に設定するようにしてもよい。つまり、この基準電圧
としては、相互誘導作用によって駆動回路の出力側に重
畳されるノイズレベルに応じて設定すれば、相互誘導作
用の影響を受けることなく、各コイルの通電経路の異常
を正確に判定することができる。
【0061】また、本実施例では、各コイル22,24
に対して電流の下流側にスイッチング用の出力トランジ
スタTRO,TRCを設けたシステムについて説明したが、
こうしたスイッチング素子を、ハイサイドスイッチとし
て、各コイル22,24の電流の上流側に設けたシステ
ムであっても本発明を適用できるのはいうまでもない。
なお、このようなシステムでは、スイッチング素子がオ
ープン故障した際、駆動回路の出力電圧は、通常、0V
に保持され、相互誘導によって正側に上昇することにな
る。従って、このようなシステムでは、異常検出用の基
準電圧を、上記実施例とは逆特性になるように、バッテ
リ電圧の略半分の電圧値からバッテリ電圧までの間で変
化させる必要はある。
【0062】一方、本実施例では、制御信号SOUT のオ
ンデューティDONに応じて基準電圧VOSを生成するに当
たって、シフトレジスタ36aとD/Aコンバータ36
bとからなるD/A変換回路36を用いたが、CPU1
2に、制御信号SOUT のデューティ比を表わす所定ビッ
トのデジタルデータを直接出力可能なパラレル出力ポー
トが設けられている場合には、D/A変換回路36に、
この出力データをそのまま入力するようにすればよく、
D/A変換回路36をD/Aコンバータ36bだけで構
成することができ、装置構成をより簡素化できる。
【0063】また、このように制御信号SOUT のオンデ
ューティDONに応じた基準電圧VOSを生成するには、必
ずしもD/A変換回路を用いる必要はなく、図7に示す
ような積分回路を用いることもできる。つまり、図7の
積分回路は、反転回路INVから出力される制御信号S
OUT を反転した制御信号に応じてコンデンサC11を充電
し、この電圧を基準電圧VOSとして出力するものであ
り、制御信号SOUT の反転信号を抵抗器R11を介してベ
ースに受けて、オン・オフするエミッタ接地されたNP
N型のトランジスタTR11と、このトランジスタTR11
のオフ時に、トランジスタTR11のコレクタとバッテリ
電圧VB を1/2した電源ラインVB /2との間に設け
られた抵抗器R12、及びトランジスタTR11のコレクタ
に接続された抵抗器R13を介して、コンデンサC11に電
源電圧VB /2を印加し、コンデンサC11を一定の時定
数にて充電する充電回路と、このコンデンサC11の電圧
を基準電圧VOSとして出力する、オペアンプOP1,入
力用抵抗器R14,及び出力用抵抗器R15からなるバッフ
ァ回路とにより構成される。
【0064】そして、このように構成した積分回路によ
れば、制御信号SOUT がハイレベルであるときにコンデ
ンサC11が充電されることになり、その出力電圧VOUT
は、制御信号SOUT のデューティ比が100%であれ
ば、電源ラインVB /2と略同じバッテリ電圧VB の1
/2の電圧となり、制御信号SOUT のデューティ比が0
%であれば、グランドラインと略同じ0Vとなり、上記
実施例と同様、制御信号SOUT のオンデューティに比例
した基準電圧VOSを生成することができる。
【0065】そして、このように基準電圧設定手段とし
て積分回路を用いた場合には、制御信号SOUT のオンデ
ューティDONの変化に対して若干の応答遅れは生じるも
のの、そのオンデューティDONに対応した基準電圧VOS
を生成することができ、しかもCPU12から制御信号
SOUT のオンデューティDONのデューティ比を表わすデ
ータを出力させる必要がないため、装置構成をより簡素
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の自動車用内燃機関のアイドル回転数
制御装置の構成を表す概略構成図である。
【図2】 CPUにおいて実行される異常検出処理を表
わすフローチャートである。
【図3】 制御信号SOUT に応じて変化する各駆動回路
の出力電圧の正常時の変化及び出力トランジスタオープ
ン故障時の変化を説明する説明図である。
【図4】 基準電圧設定手段として使用されるD/A変
換回路の一例を説明する説明図である。
【図5】 実施例において生成される異常判定用の基準
電圧の特性を説明する説明図である。
【図6】 出力トランジスタのオープン故障時に相互誘
導作用によって発生するノイズレベルの実測値を表わす
説明図である。
【図7】 D/A変換回路に代えて使用可能な積分回路
の一例を表わす電気回路図である。
【符号の説明】
10…電子制御装置(ECU) 20…アイドル回転
数制御弁(ISCV) 22,24…ロータリソレノイド(コイル:誘導負荷) 14…第1駆動回路 16…第2駆動回路 30…
異常検出回路 TRO,TRC…出力トランジスタ(スイッチング手段) 32,34…コンパレータ(判定手段) 36…D/A変換回路(基準電圧設定手段) 36a
…シフトレジスタ 36b…D/Aコンバータ 40…差動増幅器(基準
電圧設定手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに隣接して配設された複数の誘導負
    荷の通電経路に設けられたスイッチング手段を、夫々、
    デューティ比が制御された位相の異なる制御信号にてオ
    ン・オフさせて、各誘導負荷をデューティ駆動する誘導
    負荷駆動装置に設けられ、前記各誘導負荷の通電経路の
    異常を検出する異常検出装置であって、 前記各誘導負荷と前記各スイッチング手段との間の通電
    経路の電圧と基準電圧とを夫々大小比較する複数の比較
    手段と、 該各比較手段からの出力信号が前記制御信号に応じて変
    化しているか否かを判定し、該出力信号が変化していな
    い場合に、異常を判定する判定手段と、 該判定手段による判定結果が前記各誘導負荷の間に生じ
    る相互誘導の影響を受けることのないよう、前記各比較
    手段毎に、前記基準電圧を前記制御信号のデューティ比
    に応じて変化させる基準電圧設定手段と、 を備えたことを特徴とする誘導負荷駆動装置の異常検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記誘導負荷駆動装置は、誘導負荷とし
    て、内燃機関の吸気通路に設けられた弁体を開方向及び
    閉方向に夫々駆動する一対のソレノイドを備え、該各ソ
    レノイドに流れる電流量に応じて前記吸気通路の開度を
    調整して、内燃機関のアイドル回転数を制御するアイド
    ル回転数制御弁を備え、該アイドル制御弁の一対のソレ
    ノイドを各々独立にデューティ駆動することにより、内
    燃機関のアイドル回転数を制御するアイドル回転数制御
    装置であることを特徴とする請求項1に記載の誘導負荷
    駆動装置の異常検出装置。
  3. 【請求項3】 前記誘導負荷駆動装置は、一対の誘導負
    荷を、夫々、デューティ比が制御された第1制御信号と
    該第1制御信号を反転した第2制御信号とを用いてデュ
    ーティ駆動し、 前記基準電圧設定手段は、前記第1制御信号と第2制御
    信号の少なくとも一方のデューティ比に応じて前記各比
    較手段の基準電圧を設定することを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の誘導負荷駆動装置の異常検出装
    置。
  4. 【請求項4】 誘導負荷として、内燃機関の吸気通路に
    設けられた弁体を開方向及び閉方向に夫々駆動する第1
    ソレノイド及び第2ソレノイドを備え、該各ソレノイド
    に流れる電流量に応じて前記吸気通路の開度を調整し
    て、内燃機関のアイドル回転数を制御するアイドル回転
    数制御弁と、 前記第1ソレノイド及び第2ソレノイドの通電経路上
    で、しかも各通電経路を流れる電流方向に対して各ソレ
    ノイドよりも下流側の位置に夫々設けられた第1スイッ
    チング手段及び第2スイッチング手段と、 を備え、デューティ比を制御した第1制御信号と該第1
    制御信号を反転した第2制御信号とにより前記第1スイ
    ッチング手段及び第2スイッチング手段を夫々オン・オ
    フさせて、前記第1ソレノイド及び第2ソレノイドに流
    れる電流量を制御することにより、内燃機関のアイドル
    回転数を制御する誘導負荷駆動装置に設けられ、前記各
    ソレノイドの通電経路の異常を検出する異常検出装置で
    あって、 前記第1ソレノイドと第1スイッチング手段との間の通
    電経路の第1電圧、及び前記第2ソレノイドと第2スイ
    ッチング手段との間の通電経路の第2電圧と、第1基準
    電圧及び第2基準電圧とを、夫々、大小比較する第1比
    較手段及び第2比較手段と、 該第1比較手段及び第2比較手段からの出力信号が夫々
    前記第1制御信号及び第2制御信号に応じて変化してい
    るか否かを判定し、該出力信号が変化していない場合
    に、異常を判定する判定手段と、 該判定手段による判定結果が前記第1ソレノイドと第2
    ソレノイドとの間に生じる相互誘導の影響を受けること
    のないよう、前記第1基準電圧値を、第1スイッチング
    手段がオンする時間割合を表わす前記第1制御信号のオ
    ンデューティ比が小さくなるほど小さくなるように変化
    させると共に、前記第2基準電圧を、前記第1制御信号
    のオンデューティ比が大きくなるほど小さくなるように
    変化させる基準電圧設定手段と、 を備えたことを特徴とする誘導負荷駆動装置の異常検出
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120140370A1 (en) * 2010-12-06 2012-06-07 Chen ren-yi Protection Circuit and Protection Method
CN102594110A (zh) * 2011-01-06 2012-07-18 通嘉科技股份有限公司 保护电路与保护方法
JP2016141351A (ja) * 2015-02-04 2016-08-08 ボッシュ株式会社 電子制御装置のグランド断線検出方法及び電子制御装置

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