JPH09242135A

JPH09242135A - 貯液槽

Info

Publication number: JPH09242135A
Application number: JP4928696A
Authority: JP
Inventors: Tetsuo Osuga; 哲夫大須賀; Hidenori Hoshi; 英徳星
Original assignee: Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd; Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
Current assignee: Ishikawajima Kenzai Kogyo Co Ltd; Ishikawajima Construction Materials Co Ltd
Priority date: 1996-03-06
Filing date: 1996-03-06
Publication date: 1997-09-16

Abstract

(57)【要約】【課題】タンク内に旋回流を生じさせる際に、タンク
内にある柱が邪魔にならず、タンク内の貯留液を新たに
供給される液と速やかに入れ替える貯液槽を提供する。【解決手段】有底円筒状のタンク１の底板１ａに周方
向に沿いながら間隔的に配された複数の柱２によって上
方の天井部１ｂが支持される貯液槽である。前記複数の
柱２によって区分けされるタンク内の中央部分３Ａに排
水管５が設けられ、タンク内の外周部分に給水管４が設
けられる。複数の柱２にはそれぞれタンクの半径方向に
対して同一方向へ傾斜する整流板部６が設けられ、それ
ら整流板部の向きは、給水管から吐き出される水によっ
てタンク内に生じる旋回流をタンク内の中央部分に導く
方向とされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、通常時に
十分な飲料水を貯留しておき、震災時等において利用で
きるような貯液槽に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、震災時において充分な量の飲料水
の確保が要求されている。このため、大量の水道水を貯
留する円筒型の大型貯水槽を、公園等の地下に埋設し
て、飲料水を確保することが行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、通常時、水
道水を上記した大型の貯水槽を経由させて各家庭あるい
はビル等に供給する場合、衛生上の観点から、当該大型
の貯水槽内において、槽内の貯留水がよどみを形成する
ことなく速やかに排出され、新たに供給される水と入れ
替わることができる水の流れを確保しなければならない
という問題がある。一方、貯水槽の密閉性が高い場合に
は内部の貯留水量の増減によって貯水槽内の圧力が変化
する現象が生じる。このとき、例えば、円筒状の竪形の
貯水槽を用いる場合には、強度的に弱い底板や天井部が
上方へ膨らんだりあるいは下方へ凹んだりし、底板や天
井部を損傷するおそれがある。これを防止するために、
貯水槽の中間部分に複数を柱を設け、これら柱によって
底板と蓋を互いに剛に連結しすることが行われている。
また、円筒状の貯水槽において、上記のように内部の貯
留水を新たに供給する水と速やかに入れ替えるには、貯
水槽内に旋回流を生じさせるのが有効的な手段である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】しかしながら、このよう
に旋回流を利用して貯水槽内の水の入れ替えを行う場
合、上記のように貯水槽の中間部分に複数の柱が配置さ
れてあると、柱の下流側にカルマン渦等が生じて流れが
乱され、均一な流れの旋回流を得ることが難しくなる。
この結果、貯留水の入れ替えに要する時間が長くなった
り、あるいは、供給する水量が増す等の問題が出てく
る。

【０００５】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
のであり、タンク内に旋回流を生じさせる際に、タンク
内にある柱が邪魔にならず、タンク内の貯留液を新たに
供給される液と速やかに入れ替えることができる貯液槽
を提供することを目的とする。

【０００６】上記の目的を達成するために、請求項１記
載の発明では、有底円筒状のタンクの底板に周方向に沿
いながら間隔的に配された複数の柱によって上方の天井
部が支持される貯液槽において、前記複数の柱にそれぞ
れタンクの半径方向に対して同一方向へ傾斜する整流板
部が設けられ、前記複数の柱によって区分けされるタン
ク内の中央部分と外周部分とのいずれか一方にタンク内
へ液を供給する液供給管が設けられ、前記タンク内の中
央部分と外周部分の他方にタンク内から液を排出する液
排出管が設けられていることを特徴とする。請求項２記
載の発明では、前記液供給管はタンク内の外周部分に配
置されるとともに、前記液排出管はタンク内の中央部部
分に配置され、前記液供給管の先端はタンクの接線方向
へ向けて配置され、前記整流板部の向きは、前記液供給
管から吐き出される液によってタンク内に生じる旋回流
をタンク内の中央部分に導くように、タンクの半径方向
に対して同一方向へ傾斜して設けられていることを特徴
とする。

【０００７】本発明では、タンク内の中央部分あるいは
外周部分に液供給管から液が供給されると、液は旋回流
を形成しながら、タンク内の外周部分から中央部分ある
いはその逆に中央部分から外周部分に流れる。このと
き、液は柱を横切ることとなるが、柱には整流板部が設
けられているので、柱の下流側にカルマン渦等が生じて
流れが乱されるといった現象が生じるのを防止すること
ができる。この結果、柱が存することによる影響が少な
くなり、タンク内の貯留液を新たに供給される液と速や
かに入れ替えることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明にか
かる実施の形態を説明する。図中符号１は有底円筒状の
大型のタンクであって、このタンク１は下部に底板１
ａ、上部に天井部１ｂを有して内部が高い気密性を有す
るように形成されている。そして、このタンク１は必要
に応じて公園等の地下部分あるいは建物の内部に設置さ
れるものである。また、このタンク１はメインの水道管
の途中部分に介在されるものである。すなわち、タンク
１には、該タンク１内に水を供給する水道管の給水管４
と、該給水管４から水が供給される際にタンク１から押
し出される水を排出する水道管の排出管５が接続されて
いる。

【０００９】タンク１の前記底板１ａには周方向に沿っ
て間隔的に配された複数の柱２，…が立設され、それら
柱２，…によって上方の天井部１ｂが支持されている。
つまり、底板１ａと天井部１ｂは複数の柱，…を介して
互いに剛に連結されている。タンク１内は、複数の柱
２，…によって中央部分３Ａと外周部分３Ｂとに区分け
されていて、それらのうちの外周部分３Ｂには前記給水
管４が天井部１ｂを貫通した状態で配置され、中央部分
３Ａには前記排水管５が天井部１ｂを貫通した状態で配
置されている。給水管４はそこから供給される水によっ
てタンク１内に旋回流が形成されるように、その先端を
タンク１の接線方向に向けて屈曲形成されている。

【００１０】また、前記複数の柱２，…にはそれぞれタ
ンク１の半径方向に対して同一方向へ傾斜する整流板部
６が設けられている。この整流板部６の向きは、前記排
水管５から供給される水によって形成される旋回流を、
タンク１内の中央部分３Ａに導き得る方向に設定されて
いる。

【００１１】整流板部６の形態としては、図３（ａ）〜
（ｄ）に示すように種々考えられる。図３（ａ）に示し
たものは、柱２の両側に略長方形状の板８，８を同一平
面上となるように延びて形成させた例である。図３
（ｂ）に示したものは、柱２を間に挟むようにその両側
に円弧状の板９，９を両端を接合させて全体が楕円状と
なるように形成した例である。図３（ｃ）に示したもの
は、２つの板１０，１０を柱２の一方向（旋回流の下流
方向）にのみ延びるように、柱の両側から延びてその両
端を結合させた例である。図３（ｄ）に示したものは、
柱２自体を扁平形状とし、しかも両側の先端部をともに
丸みを帯びさせた例である。

【００１２】次に、上記構成の貯水槽の作用について説
明する。タンク１内を経由する水道管内を流れる水を使
用するときには、給水管４の先端の屈曲された吐出口４
ａから水がタンク１の外周部分３Ｂ内へ供給される。こ
のとき、タンク１内に供給された水によって、図２中矢
印で示すように、タンク１の外周部分３Ｂに旋回流が形
成される。この旋回流に沿って予めタンク１内に貯留さ
れている水は、複数の柱２，…の間に形成される空間を
通過してタンク１内の中央部分３Ａに至り、そこから排
水管５を通じて外部へ排出される。

【００１３】上記旋回流に沿ってタンク１の外周部分に
ある水が、複数の柱２，…の間に形成される空間を通っ
てタンク１の内周部分に至るとき、水は柱２，…を横切
ることとなるが、この場合、柱２には整流板部６が設け
られているので、柱２の下流側にカルマン渦等が生じて
流れが乱されるといった現象が生じるのを防止すること
ができる。この結果、柱２，…が存することによる影響
が少なくなり、タンク１内の貯留液を新たに供給される
液と速やかに入れ替えることができる。

【００１４】なお、本発明は上記した実施の形態に限ら
れることなく、実施に当たり適宜設計変更可能である。
例えば、タンク１の内周には必要に応じて樹脂をライニ
ングしてもよい。また、前記した実施の形態では、給水
管をタンク１の外周部分に、排水管をタンク１の中央部
分にそれぞれ配置しているが、それとは逆に、給水管を
タンクの中央部分に、排水管をタンクの外周部分に配置
させてもよい。また、前記した実施の形態では、タンク
１にただ一つの給水管４を設けているが、給水管４を複
数に分岐して、タンクの外周部分に周方向に間隔をあけ
て配置してもよい。この場合、旋回流が形成しやすくな
る利点が得られる。また、前記した実施の形態では、タ
ンク１内に貯留する液の例として水を挙げているが、こ
れに限られることなく、他の液体であってもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明は以下の優れ
た効果を奏する。請求項１記載の発明によれば、タンク
内に液供給管から液が供給されると、液は旋回流を形成
しながら、タンク内の外周部分から中央部分あるいはそ
の逆に中央部分から外周部分に流れて柱を横切ることと
なるが、柱に整流板部を設けているので、柱によって流
れが乱されることが少なく、つまり、柱が存することに
よる影響が少なくなる。この結果、タンク内の貯留液を
新たに供給される液と速やかに入れ替えることができ、
衛生的である。請求項２記載の発明によれば、液供給管
の先端がタンクの接線方向へ向けて配置されているの
で、この液供給管から吐き出される液によってタンクの
外周部分に速やかに旋回流が形成される。そして、旋回
流に沿って外周部分の液は柱を横切って中央部分に至る
こととなるが、このようにタンクの外周部分から中央部
分に至る流れの方が、逆に、中央部分から外周部分に至
る流れを形成する場合よりも、排出すべき液が１カ所に
集まる点において、タンク内の貯留液を新たに供給され
る液と入れ替える上で有利となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す貯液槽の縦断面図で
ある。

【図２】同貯液槽の横断面図である。

【図３】（ａ）〜（ｄ）は、それぞれお整流板部の異な
った形態を示す横断面図である。

【符号の説明】

１タンク１ａ底板１ｂ天井部２柱３Ａタンクの中央部分３Ｂタンクの外周部分４給水管（液供給管）５排水管（液排水管）６整流板部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】有底円筒状のタンク（１）の底板（１
ａ）に周方向に沿いながら間隔的に配された複数の柱
（２）によって上方の天井部（１ｂ）が支持される貯液
槽において、前記複数の柱にそれぞれタンクの半径方向に対して同一
方向へ傾斜する整流板部（６）が設けられ、前記複数の柱によって区分けされるタンク内の中央部分
（３Ａ）と外周部分（３Ｂ）とのいずれか一方にタンク
内へ液を供給する液供給管（４）が設けられ、前記タン
ク内の中央部分と外周部分の他方にタンク内から液を排
出する液排出管（５）が設けられていることを特徴とす
る貯液槽。
【請求項２】請求項１記載の貯液槽において前記液供
給管はタンク内の外周部分に配置されるとともに、前記
液排出管はタンク内の中央部部分に配置され、前記液供給管の先端はタンクの接線方向へ向けて配置さ
れ、前記整流板部の向きは、前記液供給管から吐き出される
液によってタンク内に生じる旋回流をタンク内の中央部
分に導くように、タンクの半径方向に対して同一方向へ
傾斜して設けられていることを特徴とする貯液槽。