JPH09241822A - アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法 - Google Patents
アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法Info
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- JPH09241822A JPH09241822A JP8080890A JP8089096A JPH09241822A JP H09241822 A JPH09241822 A JP H09241822A JP 8080890 A JP8080890 A JP 8080890A JP 8089096 A JP8089096 A JP 8089096A JP H09241822 A JPH09241822 A JP H09241822A
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- alloy
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- metal
- welding
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- Pending
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- Welding Or Cutting Using Electron Beams (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた耐アブレシブ摩耗性と耐凝着摩耗性お
よび耐塑性変形性を有した硬化層を形成することができ
るアルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法を
提供する。 【解決手段】 表面が硬化されるアルミニウム(Al)
材1の硬化すべき表面には溝2が設けられている。この
溝には肉盛材3が装填されているが、この肉盛材3とし
ては、アルミニウムのパイプ4に耐凝着性材として、た
とえばNbC粉末材に30vol%Niメッキしたもの
を充填したものを用いた。この材料は電子ビーム溶接機
内に入れられ、肉盛材3部分に電子ビームが照射され
る。肉盛材3部分は電子ビームの照射によって加熱,溶
融され、その結果、メッキに用いたNiとアルミニウム
の金属間化合物とアルミニウムが存在するマトリックス
合金中に耐凝着摩耗材が多量に、かつ均一に分散した肉
盛合金が形成される。
よび耐塑性変形性を有した硬化層を形成することができ
るアルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法を
提供する。 【解決手段】 表面が硬化されるアルミニウム(Al)
材1の硬化すべき表面には溝2が設けられている。この
溝には肉盛材3が装填されているが、この肉盛材3とし
ては、アルミニウムのパイプ4に耐凝着性材として、た
とえばNbC粉末材に30vol%Niメッキしたもの
を充填したものを用いた。この材料は電子ビーム溶接機
内に入れられ、肉盛材3部分に電子ビームが照射され
る。肉盛材3部分は電子ビームの照射によって加熱,溶
融され、その結果、メッキに用いたNiとアルミニウム
の金属間化合物とアルミニウムが存在するマトリックス
合金中に耐凝着摩耗材が多量に、かつ均一に分散した肉
盛合金が形成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐アブレシ
ブ摩耗性と耐凝着摩耗性および耐塑性変形性を有したア
ルミニウム材あるいはその合金材を製作することができ
るアルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法に
関する。
ブ摩耗性と耐凝着摩耗性および耐塑性変形性を有したア
ルミニウム材あるいはその合金材を製作することができ
るアルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材あるいはその合金材の表
面に、内部にセラミックス材あるいはセラミックス材と
金属の混合材を有した金属パイプを設け、この金属パイ
プ部分に電子ビームを照射し、アルミニウム材あるいは
その合金材に厚膜硬化肉盛合金層を形成するようにした
アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法があ
る(特開平7−16762号)。
面に、内部にセラミックス材あるいはセラミックス材と
金属の混合材を有した金属パイプを設け、この金属パイ
プ部分に電子ビームを照射し、アルミニウム材あるいは
その合金材に厚膜硬化肉盛合金層を形成するようにした
アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法があ
る(特開平7−16762号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法においては、溶融アルミニウム中に分散されるセラミ
ックス材の量が少ない。さりとて、セラミックス材の添
加量を増大させても、セラミックス材の飛散が増大し、
溶融アルミニウム中への分散量の増加が少ないばかり
か、溶接作業性および肉盛合金の表面外観が悪くなる。
法においては、溶融アルミニウム中に分散されるセラミ
ックス材の量が少ない。さりとて、セラミックス材の添
加量を増大させても、セラミックス材の飛散が増大し、
溶融アルミニウム中への分散量の増加が少ないばかり
か、溶接作業性および肉盛合金の表面外観が悪くなる。
【0004】本発明はこの様な点に鑑みて成されたもの
で、セラミックス材が飛散することなく溶融アルミニウ
ム中に均一に分散させることが出来る新規なアルミニウ
ム材あるいはその合金材の表面硬化方法を提供する事を
課題としている。
で、セラミックス材が飛散することなく溶融アルミニウ
ム中に均一に分散させることが出来る新規なアルミニウ
ム材あるいはその合金材の表面硬化方法を提供する事を
課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に基づくアルミニウム材あるいはその合金材
の表面硬化方法は、アルミニウム材あるいはその合金材
の表面に、内部にセラミックス材に対し良好なぬれ性を
示す金属で被覆したセラミックス材を有した金属パイプ
を設け、この金属パイプ部分に電子ビームを照射し、ア
ルミニウムあるいはその合金材に厚膜硬化肉盛合金層を
形成することを特徴としている。
に、本発明に基づくアルミニウム材あるいはその合金材
の表面硬化方法は、アルミニウム材あるいはその合金材
の表面に、内部にセラミックス材に対し良好なぬれ性を
示す金属で被覆したセラミックス材を有した金属パイプ
を設け、この金属パイプ部分に電子ビームを照射し、ア
ルミニウムあるいはその合金材に厚膜硬化肉盛合金層を
形成することを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明に基づくアルミニウム材あるいはその合
金材の表面硬化方法は、アルミニウム材あるいはその合
金材の表面に、内部にセラミックス材に対して良好なぬ
れ性を示す金属で被覆したセラミックス材を有した金属
パイプを設け、この金属パイプ部分に電子ビームを照射
し、アルミニウム材あるいはその合金材に厚膜硬化肉盛
合金層を形成して、アルミニウム材あるいはその合金材
の表面の硬化を行う。
金材の表面硬化方法は、アルミニウム材あるいはその合
金材の表面に、内部にセラミックス材に対して良好なぬ
れ性を示す金属で被覆したセラミックス材を有した金属
パイプを設け、この金属パイプ部分に電子ビームを照射
し、アルミニウム材あるいはその合金材に厚膜硬化肉盛
合金層を形成して、アルミニウム材あるいはその合金材
の表面の硬化を行う。
【0007】従来の技術のようにセラミックス材をその
まま使用するか、またはセラミックス材と金属を混合し
て使用すると、溶接中に電子ビームによりセラミックス
材が帯電する。この際、セラミックス材自身の電気抵抗
が大なることとセラミックス材粒子間の接触抵抗が大で
あるために帯電気量が増大し、その相互間の電荷による
反発力によりセラミックス材が周辺に飛散し、溶融アル
ミニウム中にセラミックス材を分散することが困難であ
る。
まま使用するか、またはセラミックス材と金属を混合し
て使用すると、溶接中に電子ビームによりセラミックス
材が帯電する。この際、セラミックス材自身の電気抵抗
が大なることとセラミックス材粒子間の接触抵抗が大で
あるために帯電気量が増大し、その相互間の電荷による
反発力によりセラミックス材が周辺に飛散し、溶融アル
ミニウム中にセラミックス材を分散することが困難であ
る。
【0008】さて、固体と液体の親和力の程度を示すも
のとしてぬれ性があるが、このぬれ性が良好であるほど
固体が液体中に分散しやすい。一般に固体と液体のぬれ
量Aは、σを液体の表面張力、θを液体と固体を含む面
での接触角とすると、A=σ・cosθで表すことが出
来る。従って、ぬれ性をぬれ量Aで評価することが出
来、ぬれ量Aが大なるほどぬれ性が良好となる。図2に
TiC,NbC,WCの如きセラミックス材と、真空中
で溶融したAl,Ni,Cu,Co,Fe等の金属との
接触角を示し、図3に溶融Al,Ni,Cu,Co,F
eの表面張力を示し、図4に前記ぬれ量Aを表す式に基
づいて算出した各セラミックス材と各金属のぬれ量を示
した。一般に、ぬれ量が大略500mN/m以上の場
合、或いは接触角が大略50°より小さい場合、固体と
液体のぬれ性が良好であると考えられるので、TiC,
NbC,WCの如きセラミックス材とアルミニウム材は
ぬれ量は、図4に示す様に、−786mN/m,−64
9mN/m,−640mN/mと極めて小さく、Ti
C,NbC,WCの如きセラミックス材とアルミニウム
材のぬれ性は悪い。その為に、溶融アルミニウム中にセ
ラミックス材を分散させることは更に困難となる。
のとしてぬれ性があるが、このぬれ性が良好であるほど
固体が液体中に分散しやすい。一般に固体と液体のぬれ
量Aは、σを液体の表面張力、θを液体と固体を含む面
での接触角とすると、A=σ・cosθで表すことが出
来る。従って、ぬれ性をぬれ量Aで評価することが出
来、ぬれ量Aが大なるほどぬれ性が良好となる。図2に
TiC,NbC,WCの如きセラミックス材と、真空中
で溶融したAl,Ni,Cu,Co,Fe等の金属との
接触角を示し、図3に溶融Al,Ni,Cu,Co,F
eの表面張力を示し、図4に前記ぬれ量Aを表す式に基
づいて算出した各セラミックス材と各金属のぬれ量を示
した。一般に、ぬれ量が大略500mN/m以上の場
合、或いは接触角が大略50°より小さい場合、固体と
液体のぬれ性が良好であると考えられるので、TiC,
NbC,WCの如きセラミックス材とアルミニウム材は
ぬれ量は、図4に示す様に、−786mN/m,−64
9mN/m,−640mN/mと極めて小さく、Ti
C,NbC,WCの如きセラミックス材とアルミニウム
材のぬれ性は悪い。その為に、溶融アルミニウム中にセ
ラミックス材を分散させることは更に困難となる。
【0009】そこで、セラミックス材とぬれ性が良好な
金属、例えば図4に示すセラミックス材とぬれ量の大き
いNi,Cu,Co,Fe等の金属を、単に混合するの
ではなく、この様な金属で例えばメッキなどによりセラ
ミックス材表面を適当な厚さに完全に被覆することによ
り上記の問題点は解決される。即ち、セラミックス材表
面は金属により完全に被覆されているために電気抵抗が
減少して電子ビームによる帯電子量が減少し、その為に
セラミックス材の飛散は減少する。またセラミックス材
を被覆している金属のセラミックス材に対するぬれ性が
良好なために、被覆した金属が電子ビームにより溶融す
ると、この溶融金属はセラミックス材を完全に被覆した
状態で溶融アルミニウム中に侵入するために、セラミッ
クス材は飛散することなく溶融アルミニウム中に均一に
分散する。そして、溶融アルミニウム中に分散したセラ
ミックスにアルミニウムが拡散し、セラミックスとアル
ミニウムは完全に接合する。
金属、例えば図4に示すセラミックス材とぬれ量の大き
いNi,Cu,Co,Fe等の金属を、単に混合するの
ではなく、この様な金属で例えばメッキなどによりセラ
ミックス材表面を適当な厚さに完全に被覆することによ
り上記の問題点は解決される。即ち、セラミックス材表
面は金属により完全に被覆されているために電気抵抗が
減少して電子ビームによる帯電子量が減少し、その為に
セラミックス材の飛散は減少する。またセラミックス材
を被覆している金属のセラミックス材に対するぬれ性が
良好なために、被覆した金属が電子ビームにより溶融す
ると、この溶融金属はセラミックス材を完全に被覆した
状態で溶融アルミニウム中に侵入するために、セラミッ
クス材は飛散することなく溶融アルミニウム中に均一に
分散する。そして、溶融アルミニウム中に分散したセラ
ミックスにアルミニウムが拡散し、セラミックスとアル
ミニウムは完全に接合する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に図面を参照しながら、本発明
の実施の態様の例(実施例)を説明する。
の実施の態様の例(実施例)を説明する。
【0011】図5は表面が硬化されるアルミニウム材
(Al)1を示しており、このアルミニウム材1の硬化
すべき表面には深さが3mmで幅が4mmの溝2が設けられ
ている。この溝2に肉盛材3が装填されているが、この
肉盛材3としては、例えば、Alパイプ4に,WC材に
30vol%Niメッキを行った粉末材5を個別に充填
し、外径4mm、内径3mmのパイプに伸線したものを
使用した。
(Al)1を示しており、このアルミニウム材1の硬化
すべき表面には深さが3mmで幅が4mmの溝2が設けられ
ている。この溝2に肉盛材3が装填されているが、この
肉盛材3としては、例えば、Alパイプ4に,WC材に
30vol%Niメッキを行った粉末材5を個別に充填
し、外径4mm、内径3mmのパイプに伸線したものを
使用した。
【0012】上記図5に示した材料は、図示していない
が電子ビーム溶接機に入れられAl材1の肉盛材3部分
に電子ビームが照射される。この電子ビームの照射は肉
盛材3に沿って行われ、肉盛材3部分は電子ビーム照射
により加熱され、該肉盛材3は溶融して肉盛合金が形成
される。
が電子ビーム溶接機に入れられAl材1の肉盛材3部分
に電子ビームが照射される。この電子ビームの照射は肉
盛材3に沿って行われ、肉盛材3部分は電子ビーム照射
により加熱され、該肉盛材3は溶融して肉盛合金が形成
される。
【0013】上記実施例ではWC材に30vol%Ni
メッキを行った粉末材5を使用したが、他のセラミック
ス材(例えば、TiC若しくはNbC)を用いても良い
し、セラミックス材をメッキする金属も、そのセラミッ
クス材に対しぬれ性が良いものならな他の金属(例え
ば、30vol%Cu)を用いても良い。
メッキを行った粉末材5を使用したが、他のセラミック
ス材(例えば、TiC若しくはNbC)を用いても良い
し、セラミックス材をメッキする金属も、そのセラミッ
クス材に対しぬれ性が良いものならな他の金属(例え
ば、30vol%Cu)を用いても良い。
【0014】これらの肉盛材の溶接作業性および肉盛合
金の外観を観察した結果、TiC,NbC若しくはWC
に30vol%Niメッキした粉末材およびNbCに3
0vol%Cuメッキした粉末材を使用したものは溶接
作業性および肉盛合金の外観は良好であった。これは図
4に示したようにNiのTiC,NbC,WCに対する
ぬれ性およびCuのNbCに対するぬれ性が良好なため
である。
金の外観を観察した結果、TiC,NbC若しくはWC
に30vol%Niメッキした粉末材およびNbCに3
0vol%Cuメッキした粉末材を使用したものは溶接
作業性および肉盛合金の外観は良好であった。これは図
4に示したようにNiのTiC,NbC,WCに対する
ぬれ性およびCuのNbCに対するぬれ性が良好なため
である。
【0015】又、顕微鏡試験の結果は、TiC,NbC
若しくはWCに30vol%Niメッキした粉末材を使
用した肉盛材、およびNbCに30vol%Cuメッキ
した粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の炭化物分散状
態は、密度が高くかつほぼ均一であった。
若しくはWCに30vol%Niメッキした粉末材を使
用した肉盛材、およびNbCに30vol%Cuメッキ
した粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の炭化物分散状
態は、密度が高くかつほぼ均一であった。
【0016】更に、TiC,NbC,WCに30vol
%Niメッキした粉末材およびNbCに30vol%C
uメッキした粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の炭化
物面積率と、TiC,NbC,WCのままの粉末材を使
用した肉盛材の肉盛合金の炭化物面積率を調べると、図
6に示す様になった。この調査から、NiまたはCuメ
ッキした炭化物の粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の
炭化物面積率は、炭化物のままの粉末材を使用した肉盛
材の肉盛合金の炭化物面積率の約2倍の値を示した。
%Niメッキした粉末材およびNbCに30vol%C
uメッキした粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の炭化
物面積率と、TiC,NbC,WCのままの粉末材を使
用した肉盛材の肉盛合金の炭化物面積率を調べると、図
6に示す様になった。この調査から、NiまたはCuメ
ッキした炭化物の粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の
炭化物面積率は、炭化物のままの粉末材を使用した肉盛
材の肉盛合金の炭化物面積率の約2倍の値を示した。
【0017】図7はアルミニウム合金母材(JIS A
5052)に対しぬれ性の良い金属でメッキした炭化物
粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の大越式迅速摩耗試
験結果を示したものである。図中点線Aはアルミニウム
合金母材のみの場合、実線Bは肉盛材としてTiCに3
0vol%Niメッキした粉末材を装填したAlパイプ
を用いた場合、実線CはNbCに30vol%Niメッ
キした粉末材を装填したAlパイプを用いた場合、一点
鎖線CはWCに30vol%Niメッキした粉末材を装
填したAlパイプを用いた場合、二点鎖線DはNbCに
30vol%Cuメッキした粉末材を装填したAlパイ
プを用いた場合を示している。尚、図7において、横軸
は摩擦速度で、縦軸は比摩耗量である。又、上記した摩
耗試験は、回転円板としてSUJ2(ビッカース硬さH
V650)をもちい、面圧一定の条件(最終荷重2.1
Kgf)及び摩擦距離600mmの条件で行った。図7
から明らかな様に、ぬれ性の良い金属でメッキした炭化
物粉末材を使用したこれらの肉盛合金の比摩耗量は大略
摩擦速度0.5m/sec 以上(即ち、大体の摩擦速度に
おいて)ではアルミニウム合金母材に比較して小さく、
優れた耐摩耗性を示した。
5052)に対しぬれ性の良い金属でメッキした炭化物
粉末材を使用した肉盛材の肉盛合金の大越式迅速摩耗試
験結果を示したものである。図中点線Aはアルミニウム
合金母材のみの場合、実線Bは肉盛材としてTiCに3
0vol%Niメッキした粉末材を装填したAlパイプ
を用いた場合、実線CはNbCに30vol%Niメッ
キした粉末材を装填したAlパイプを用いた場合、一点
鎖線CはWCに30vol%Niメッキした粉末材を装
填したAlパイプを用いた場合、二点鎖線DはNbCに
30vol%Cuメッキした粉末材を装填したAlパイ
プを用いた場合を示している。尚、図7において、横軸
は摩擦速度で、縦軸は比摩耗量である。又、上記した摩
耗試験は、回転円板としてSUJ2(ビッカース硬さH
V650)をもちい、面圧一定の条件(最終荷重2.1
Kgf)及び摩擦距離600mmの条件で行った。図7
から明らかな様に、ぬれ性の良い金属でメッキした炭化
物粉末材を使用したこれらの肉盛合金の比摩耗量は大略
摩擦速度0.5m/sec 以上(即ち、大体の摩擦速度に
おいて)ではアルミニウム合金母材に比較して小さく、
優れた耐摩耗性を示した。
【0018】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこの様な実施例に限定されない。例えば、金属パイプ
材料としてAl材を使用したが、CuやNi等を使用し
ても良い。又、セラミックス材として炭化物を使用した
が、硼化物、珪化物、窒化物等を使用しても良い。又、
セラミックスを被覆する金属としてNiやCuを使用し
たが、セラミックスとぬれ性のよい他の金属、例えば、
CoやFe等の金属を使用しても良い。更に、セラミッ
クスに対するメッキの金属量を30vol%としたが、
溶接作業性や肉盛合金の性質に応じて変化させて良い。
はこの様な実施例に限定されない。例えば、金属パイプ
材料としてAl材を使用したが、CuやNi等を使用し
ても良い。又、セラミックス材として炭化物を使用した
が、硼化物、珪化物、窒化物等を使用しても良い。又、
セラミックスを被覆する金属としてNiやCuを使用し
たが、セラミックスとぬれ性のよい他の金属、例えば、
CoやFe等の金属を使用しても良い。更に、セラミッ
クスに対するメッキの金属量を30vol%としたが、
溶接作業性や肉盛合金の性質に応じて変化させて良い。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明では、アル
ミニウム材あるいはその合金材の表面に、内部にセラミ
ックス材に対し良好なぬれ性を示す金属で被覆したセラ
ミックス材を有した金属パイプを設け、この金属パイプ
部分に電子ビームを照射し、アルミニウム材あるいはそ
の合金材に厚膜硬化肉盛合金層を形成したので、セラミ
ックス材は飛散することなく溶融アルミニウム中に均一
に分散し、その為に、優れた耐アブレシブ摩耗性と耐凝
着摩耗性および耐塑性変形性を有した硬化層を形成する
ことができる。
ミニウム材あるいはその合金材の表面に、内部にセラミ
ックス材に対し良好なぬれ性を示す金属で被覆したセラ
ミックス材を有した金属パイプを設け、この金属パイプ
部分に電子ビームを照射し、アルミニウム材あるいはそ
の合金材に厚膜硬化肉盛合金層を形成したので、セラミ
ックス材は飛散することなく溶融アルミニウム中に均一
に分散し、その為に、優れた耐アブレシブ摩耗性と耐凝
着摩耗性および耐塑性変形性を有した硬化層を形成する
ことができる。
【図1】 固体と液体のぬれ性を説明する為の図であ
る。
る。
【図2】 各種セラミックス材と各種溶融金属の接触角
を示す図である。
を示す図である。
【図3】 各種溶融金属の表面張力を示す図である。
【図4】 各種セラミックス材と各種溶融金属のぬれ量
を示す図である。
を示す図である。
【図5】 本発明の一実施例におけるアルミニウム母材
と肉盛材の断面を示す図である。
と肉盛材の断面を示す図である。
【図6】 各種肉盛材を用いた場合の肉盛合金中の炭化
物面積率を示した図である。
物面積率を示した図である。
【図7】 各種肉盛材を用いた場合の大越式迅速摩耗試
験の結果を示した図である。
験の結果を示した図である。
1 アルミニウム母材 2 溝 3 肉盛材 4 金属パイプ 5 金属被覆したセラミックスの粉末材
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウム材あるいはその合金材の表
面に、内部にセラミックス材に対し良好なぬれ性を示す
金属で被覆したセラミックス材を有した金属パイプを設
け、この金属パイプ部分に電子ビームを照射し、アルミ
ニウムあるいはその合金材に厚膜硬化肉盛合金層を形成
するようにしたアルミニウム材あるいはその合金材の表
面硬化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8080890A JPH09241822A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8080890A JPH09241822A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241822A true JPH09241822A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=13730958
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8080890A Pending JPH09241822A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09241822A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001072463A1 (fr) * | 2000-03-30 | 2001-10-04 | Institut Fiziki Prochnosti I Materialovedeniya Sibirskogo Otdeleniya Rossiiskoi Akademii Nauk | Procédé de dépôt par faisceau électronique |
JP2009062573A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | National Institute For Materials Science | 遠心噴霧法に用いる回転ディスクとこれを用いた遠心噴霧法 |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP8080890A patent/JPH09241822A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001072463A1 (fr) * | 2000-03-30 | 2001-10-04 | Institut Fiziki Prochnosti I Materialovedeniya Sibirskogo Otdeleniya Rossiiskoi Akademii Nauk | Procédé de dépôt par faisceau électronique |
JP2009062573A (ja) * | 2007-09-05 | 2009-03-26 | National Institute For Materials Science | 遠心噴霧法に用いる回転ディスクとこれを用いた遠心噴霧法 |
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