JPH09241609A - アルミニウム又はアルミニウム合金材用接着剤及び接合方法 - Google Patents

アルミニウム又はアルミニウム合金材用接着剤及び接合方法

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JPH09241609A
JPH09241609A JP4632396A JP4632396A JPH09241609A JP H09241609 A JPH09241609 A JP H09241609A JP 4632396 A JP4632396 A JP 4632396A JP 4632396 A JP4632396 A JP 4632396A JP H09241609 A JPH09241609 A JP H09241609A
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JP
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aluminum
adhesive
aluminum alloy
alloy material
granules
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Application number
JP4632396A
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English (en)
Inventor
Kikuro Toyose
喜久郎 豊瀬
Makoto Tawara
真 俵
Yoshichika Imamura
美速 今村
Kazuhiro Kaita
一浩 貝田
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Shinko Alcoa Yuso Kizai KK
Original Assignee
Shinko Alcoa Yuso Kizai KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合強度が高いと共に接合強度のバラツキが
少なく、また被接合体に対するずれ対策を必要としない
アルミニウム又はアルミニウム合金材用接着剤及び接合
方法を提供する。 【解決手段】 合成樹脂からなる接着剤本体3aに、マ
イクロビッカース硬さが100Hv以上である硬質粒体
3bを含有させて接着剤3を形成する。この接着剤3を
アルミニウム板1の先端部1a及び/又はアルミニウム
板2の先端部2aに塗布する。次に、先端部1aと先端
部2aとを合わせ、10kg/mm2以上の圧力で加圧
して接合する。そうすると、接着剤3の硬質粒体3bが
アルミニウム板1及びアルミニウム板2に食い込み、接
着力が生じる。このため、先端部1a及び先端部2aを
ずれないように固定する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気、建築材料、
車輌及び自動車等に使用されるアルミニウム又はアルミ
ニウム合金材を接着するのに好適のアルミニウム又はア
ルミニウム合金材用接着剤及び接着方法に関する。な
お、本願明細書においては、純アルミニウム及びアルミ
ニウム合金を総称してアルミニウムという。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材は、耐食性及び成形性が
優れており、また電気伝導性及び熱伝導性が良好である
ことに加え軽量であるため、鋼に続く工業材料として、
大量に使用されている。特に、電気、建築材料、車輌、
船舶及び自動車等の分野では、アルミニウム材の用途が
拡大する傾向がある。
【0003】アルミニウム材を接合して各種の部材を組
み立てる場合、特に高い応力が付加される部材を組み立
てる場合は、主としてアーク溶接及び抵抗スポット溶接
等の溶融接合によりアルミニウム材が接合されており、
接着剤によるアルミニウム材の接合は、補助的な接合方
法として使用されている。接着剤によるアルミニウム材
の接合は面接合であり、応力が特定の部位に集中するこ
とがないため、疲労特性等が優れているという特徴があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術には、以下に示す問題点がある。即ち、接着剤
によってアルミニウム材を接合した場合は、接合強度に
バラツキが大きく、信頼性に欠けるという問題点があ
る。また、アルミニウム材に接着剤を塗布して接着した
後、接着剤が硬化するまで、被接合体がずれないように
対策を施す必要があり、煩雑であるという欠点がある。
【0005】また、アーク溶接及び抵抗スポット溶接は
古くから知られた溶融接合方法であるが、接合の原理
上、被接合体は融点近くの温度にまで加熱されるため、
被接合体に歪みが発生しやすい。特にアルミニウムの場
合は、溶接時に発生する熱歪みが大きくなりやすく、溶
接後に手直し等の処理が必要となり、生産性が低下する
という問題点がある。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、接合強度が高いと共に接合強度のバラツキ
が少なく、また被接合体に対するずれ対策を必要としな
いアルミニウム又はアルミニウム合金材用接着剤及び接
合方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るアルミニウ
ム又はアルミニウム合金材用接着剤は、合成樹脂からな
る接着剤本体に、マイクロビッカース硬さが100Hv
以上である硬質粒体を含有させたことを特徴とする。
【0008】前記合成樹脂はエポキシ系樹脂であっても
よく、また前記合成樹脂はエポキシ系樹脂とアクリル系
樹脂との混合物であってもよい。
【0009】前記硬質粒体は金属粒体又はセラミック粒
体からなる群から選択された1種以上の粒体の混合物で
あってもよい。
【0010】本発明に係るアルミニウム又はアルミニウ
ム合金材用接着剤は、前記硬質粒体を接着剤全体の5乃
至30体積%含有するものであってもよい。
【0011】本発明に係るアルミニウム又はアルミニウ
ム合金材の接合方法は、合成樹脂からなる接着剤本体
に、マイクロビッカース硬さが100Hv以上である硬
質粒体を含有させて構成された接着剤を間に挟んで第1
のアルミニウム又はアルミニウム合金材と第2のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金材とを合わせ、次いで前記
第1のアルミニウム又はアルミニウム合金材と前記第2
のアルミニウム又はアルミニウム合金材とを10kg/
mm2以上の圧力で相互に押圧して密着接合することを
特徴とする。
【0012】本願発明者等は、合成樹脂からなる接着剤
本体に硬質粒体を含有させることによって、ずれ対策が
不要となり、接合強度が向上すると共に、この粒体が被
接合体に食い込んで、接合部の信頼性が向上することを
見出した。
【0013】本発明における接着剤本体として、アルミ
ニウム材用の接着剤を使用することができ、例えば、エ
ポキシ系樹脂及びエポキシ系樹脂とアクリル系樹脂との
混合物(以下、エポキシ/アクリル系樹脂という)を挙
げることができる。接着剤を加熱して硬化させる場合
は、エポキシ系樹脂を使用することが好ましく、室温で
硬化させる場合は、エポキシ/アクリル系樹脂を使用す
ることが好ましい。
【0014】以下、本発明におけるアルミニウム又はア
ルミニウム合金材用接着剤の数値限定理由について説明
する。
【0015】硬質粒体のマイクロビッカース硬さ:10
0Hv以上 接着剤本体に、マイクロビッカース硬さが100Hv以
上の硬質粒体を配合して、接着剤とする。このような接
着剤をアルミニウム材に塗布して、アルミニウム材同士
を接合した場合は、接合部の接合強度が高くなると共
に、接合部の信頼性が向上する。また、アルミニウム材
に接着剤を塗布して、アルミニウム材同士を合わせた
後、アルミニウム材同士がより一層密着するように、接
合部を加圧した場合は、硬質粒体がアルミニウム材に食
い込み、接合部がより一層強固に接合されると共に、接
合部の信頼性がより一層向上する。通常の接着剤では、
接着剤が硬化して初めて接着力が発現する。このため、
接着剤が硬化するまでアルミニウム材の接合部がズレな
いように固定する必要がある。本発明のアルミニウム又
はアルミニウム合金材用接着剤においては、上述のよう
に硬質粒体がアルミニウム材に食い込むため、接着剤塗
布直後から接着力が発現する。このため、接合部を固定
する必要がない。硬質粒体の硬さが100Hv未満の場
合は、被接合体の接合部を加圧した場合に、粒体が変形
しやすく、粒体のアルミニウム材に対する食い込みが不
十分となる。このため、接合強度が低下すると共に、接
合部の信頼性が不十分となる。従って、硬質粒体のマイ
クロビッカース硬さは100Hv以上とする。なお、こ
のような硬質粒体の材質として、鋼等の金属及びジルコ
ニア等のセラミックス等を挙げることができる。また、
硬質粒体の形状は球状であってもよいが、8面体形状で
あってもよく、更に表面に突起が形成された形状であっ
てもよい。8面体とした場合及び突起を形成した場合
は、球体に比してより一層アルミニウム材に硬質粒体が
食い込む。
【0016】硬質粒体の含有量:好ましくは、接着剤全
体の5乃至30体積% 硬質粒体の含有量が接着剤全体の5体積%未満では、接
合強度及び接合部の信頼性が低下する。一方、含有量が
30体積%を超えると、接着剤の濡れ性が低下して、接
合部に接着欠陥が発生しやすくなる。従って、硬質粒体
の含有量は5乃至30体積%とすることが好ましい。
【0017】硬質粒体の直径:好ましくは、0.1乃至
0.3mm 硬質粒体の直径と接着剤層の厚さとは略等しくなるた
め、硬質粒体の直径は接着剤層の厚さに応じて決定され
る。接着剤層の厚さが薄いほど、接着強度が高くなるも
のの、被接合体の寸法精度及び被接合体同士の隙間を考
慮すると0.1乃至0.3mmとすることが好ましい。
硬質粒体の直径が0.1mm未満では、接合時に硬質粒
体が被接合体に接触するまで、被接合材同士を押圧した
場合に、接着剤層が薄くなってしまう。このため、接合
部内に接着剤が充填されない部位が生じる虞れがあると
共に、粒体のアルミニウム板への食い込みが小さくな
り、背着強度が確保できなくなる虞れがある。一方、硬
質粒体の直径が0.3mmを超えると、接着剤層の厚さ
が過剰となり、接着強度が低下しまう。従って、硬質粒
体の直径は、0.1乃至0.3mmとすることが好まし
い。なお、硬質粒体が球場ではない場合は、換算直径を
算出し、この換算直径を上述の範囲とすることが好まし
い。
【0018】本発明における接着剤は、種々のアルミニ
ウム材を接着することが可能であり、アルミニウム材の
材質は特に限定されるものではない。例えば、自動車の
ドア等の部材に使用されるアルミニウム板(JIS 5
182−O及びAA6111−T4)を挙げることがで
きる。また、車輌の構造部材等に使用されるアルミニウ
ム材(AA6063−T5及びAA6061−T5)を
接合してもよい。
【0019】次に、本発明におけるアルミニウム又はア
ルミニウム合金材の接合方法について説明する。本発明
におけるアルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方
法においては、上述の接着剤を挟むように第1のアルミ
ニウム又はアルミニウム合金材と第2のアルミニウム又
はアルミニウム合金材を合わせた後、第1のアルミニウ
ム又はアルミニウム合金材と第2のアルミニウム又はア
ルミニウム合金材とを相互に押圧して密着接合する。次
に、必要に応じて、接合部を加熱して接着剤を硬化させ
る。この場合に、押圧時の圧力は下記のように設定す
る。
【0020】加圧圧力:10kg/mm2以上 加圧圧力が10kg/mm2未満では、アルミニウム材
に対する硬質粒体の食い込みが不十分である。従って、
加圧圧力は10kg/mm2とする。なお、具体的な加
圧手段として、例えば、プレス、液圧及び電磁力を挙げ
ることができる。
【0021】なお、必要に応じて、接着剤を硬化させる
場合は、使用する接着剤本体の仕様に従って、硬化させ
ればよい。室温硬化又は加熱硬化等により硬化させるこ
とが一般的である。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、添付の図面を参照して本発
明の実施例について説明する。図1は本発明の第1実施
例に係るアルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方
法を示す断面図である。図1に示すように、ペースト状
の接着剤本体3aに球状の硬質粒体3bを混合して、接
着剤3とした後、この接着剤3をアルミニウム板1の先
端部1a及び/又はアルミニウム板2の先端部2aに塗
布する。この場合に、硬質粒体3bはマイクロビッカー
ス硬さが100Hv以上であるものとする。次に、先端
部1aの接着剤塗布面と先端部2aの接着剤塗布面とが
向かい合うように、先端部1aと先端部2aとを合わ
せ、アルミニウム板1とアルミニウム板2とを10kg
/mm2以上の圧力で加圧して接合する。
【0023】そうすると、接着剤3中の硬質粒体3bは
硬質であるため、アルミニウム板1及びアルミニウム板
2に食い込む。このため、接着剤3が塗布された直後で
あり、接着剤本体3aが硬化しておらず、接着剤本体3
aによる接着力が発生していない場合であっても、アル
ミニウム板1とアルミニウム板2とが互いに接合される
ため、先端部1a及び先端部2aがずれないように固定
する必要がない。また、硬質粒体3bがアルミニウム板
1及びアルミニウム板2に食い込むことにより、接合部
の強度が向上すると共に、接合部の信頼性が向上し、接
合強度のバラツキが低減する。
【0024】なお、図1においては、硬質粒体3bは球
状としたが、これに限定されるものではない。また、硬
質粒体3bはアルミニウム板1及びアルミニウム板2に
食い込むため、接着剤層の厚さは硬質粒体3bの直径に
比して若干小さくなるものの、接着剤層の厚さは硬質粒
体3bの直径と略等しくなる。
【0025】本発明における接着剤は種々の形状のアル
ミニウム材に適用することが可能である。図2は本発明
の第2実施例に係るアルミニウム又はアルミニウム合金
材の接合方法を示す図であり、被接合体が角筒である場
合を示す断面図である。図2に示すように、角筒5及び
6の断面形状は正方形であり、角筒6を角筒5内に挿入
することができるように、角筒5の断面における1辺の
長さは角筒6のものに比して長いものとなっている。ま
た、本実施例における接着剤3の硬質粒体3cの形状は
凸凹状となっている。このような角筒5の先端部5a内
面及び/又は角筒6の先端部6a外面に接着剤3を塗布
した後、先端部5aに先端部6aを挿入し、角筒5と角
筒6とを10kg/mm2以上の圧力で加圧して接合す
る。
【0026】そうすると、角筒5の内面及び角筒6の外
面に硬質粒体が食い込む。このため、図1に示す第1実
施例と同様に、接合部を固定する必要がない。また、硬
質粒体はその形状が凹凸状であるため、アルミニウム材
に良好に食い込む。このため、接合強度が高くなると共
に、接合強度のバラツキが低減する。なお、凸凹状の硬
質粒体3cの直径を規定する必要がある場合は、平均的
な直径(換算直径)を算出し、この換算直径を直径と解
釈する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例接着剤及び接合方法の
効果について、その比較例と比較して説明する。
【0028】第1実施例 図3は本発明の第1実施例におけるアルミニウム合金板
の接合方法を示す図であって、(a)は正面図、(b)
は平面図である。各アルミニウム板は、長手方向の長さ
が100mm、幅が25mm、厚さが2mmであるアル
ミニウム板(JIS 5182−O)を2枚用意した。
アルミニウム板1の先端1a及びアルミニウム板2の先
端2aに接着剤3を塗布した後、先端部1aと先端部2
aとが長さ方向(長手方向)に重なり、ラップ長Lが2
0mmとなるように、先端部1aの先端部2aに対する
対向面と先端部2aの先端部1aに対する対向面とを合
わせた。実施例1〜7及び比較例1〜3における接着剤
本体の種類並びに粒体の直径、材質、形状、体積及び硬
さを下記表1に示す。次に、実施例1〜7及び比較例2
については、下記表1に示す条件で、アルミニウム板1
とアルミニウム板2との接合部をプレスにて加圧し密着
させた。次に、室温(実施例2、4)又は180℃の温
度(実施例1、3、5〜7及び比較例1、2)で接着剤
3を硬化させた。1日後に引張試験を実施して、接合強
度を測定した。引張試験の引張速度は5mm/分とし
た。各実施例及び比較例について、引張試験用の試料を
10個作製し、各試料の接合強度を測定して、これらの
平均値を算出すると共に、最大値と最小値とのバラツキ
を算出した。接合強度の平均値及びバラツキを下記表1
に示す。
【0029】
【表1】
【0030】なお、上記表1中の比較例1では、粒体が
添加されていない接着剤を使用した。比較例1の接着剤
の厚さは0.2mmである。また、比較例3は先端部1
a,2aをアーク溶接して線接合されたものであり、比
較例3の接合強度を他のものと直接比較することができ
ないため、溶接部のラップ長を20mm、幅を25mm
として換算強度を算出した。
【0031】上記表1に示すように、実施例1〜6にお
いては、接合部のずれ対策を施す必要がなかった。ま
た、室温で接着剤を硬化した場合であっても、接合強度
が180乃至200kg/cm2と高く、加熱した場合
は、接合強度が250kg/cm2以上と極めて高くな
った。更に、接合強度のバラツキが15kg/cm2
下と極めて小さくなり、アーク溶接(比較例3)のバラ
ツキ(20kg/cm2)に比して小さいものとなっ
た。即ち、実施例1〜6は接合強度が高いことに加え、
接合部の信頼性が極めて高いものとなった。
【0032】実施例7では、粒体が50体積%であり、
粒体が接着剤に占める割合が大きいため、接合強度は2
90kg/cm2と高いものの、バラツキが20kg/
cm2と若干大きくなった。但し、ずれ対策は不要であ
った。
【0033】比較例1においては、粒体が添加されてい
ないため、ずれ対策を施すことが必要となり、且つ接合
強度のバラツキが40kg/cm2と大きくなってしま
った。また、比較例2では、同じく、ずれ対策を施すこ
とが必要となった。また、粒体がアルミニウム球であ
り、硬さが80Hvと軟質であるため、粒体がアルミニ
ウム板に十分に食い込まず、接合部を加熱したものの、
接合強度は200kg/cm2と低いものとなった。ま
た、接合強度のバラツキも40kg/cm2と大きくな
った。比較例3では、アーク溶接によりアルミニウム板
を接合したため、アルミニウム板が歪み、矯正が必要と
なった。
【0034】なお、上述の実施例7及び比較例1から、
硬質粒体の配合量は5乃至30体積%とすることが好ま
しい。
【0035】第2実施例 第2実施例では、加圧圧力を変化させて、第1実施例と
同様に図3に示すアルミニウム板を合わせた(実施例
8、9及び比較例4)。実施例8、9の加圧圧力を、夫
々、15kgf/mm2及び20kgf/mm2とし、比
較例4の加圧圧力は5kgf/mm2とした。
【0036】各実施例及び比較例において、接着剤本体
はエポキシ系であり、粒体は直径が0.15mmの鋼球
である。また、粒体の体積は10%であり、粒体の硬さ
は140Hvである。また、接着時の硬化温度を180
℃とし、硬化時間を20分とした。引張試験方法及び接
合強度の算出方法は第1実施例と同様である。接合強度
の平均値及びバラツキを下記表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】上記表2に示すように、実施例8、9にお
いては、接合部のずれ対策を施す必要がなかった。ま
た、接合強度が250kg/cm2以上と極めて高いと
共に、接合強度のバラツキが10kg/cm2以下と極
めて小さいものとなった。
【0039】一方、比較例4においては、加圧圧力が5
kg/mm2と10kg/mm2未満であったため、ずれ
対策が必要となった。また、接合強度が230kgf/
cm2と小さくなったことに加え、バラツキが40kg
f/cm2と極めて大きくなった。
【0040】以上のように、本実施例の接着剤を使用す
る場合は、接合部を10kg/mm2以上の圧力で加圧
することが好ましい。
【0041】第3実施例 図4は本発明の第3実施例における角筒の接合方法を示
す図であって、(a)は模式図、(b)及び(c)は平
面図である。図4(a)に示すように断面形状が正方形
である角筒(AA6063−T5)を2本用意する。角
筒5及び6の長手方向の長さは200mm、肉厚が2m
mである。角筒5及び6の断面における1辺の長さ(内
寸)は、夫々、100mm及び95mmである。次に、
図4(b)に示すように、角筒6の先端部6aの外面に
接着剤3を塗布し、先端部5aの内面と先端部6aの外
面とが向かい合うように、角筒5に角筒6を挿入して接
着する。この場合に、接着剤3は角筒6の先端部から長
手方向に20mm塗布して接着する。即ち、ラップ長L
を20mmとした。実施例10〜16及び比較例5〜7
における接着剤本体の種類並びに粒体の直径、材質、形
状、体積及び硬さを下記表1に示す。次に、実施例10
〜16及び比較例6については、下記表2に示す条件
で、角筒5と角筒6との接合部を液圧にて加圧した。次
に、室温(実施例11、13)又は180℃の温度(実
施例10、12、14〜16及び比較例5、6)で接着
剤3を硬化させた。1日後に、図4(c)に示すよう
に、接着部分を含むように角筒5と角筒6との接合部か
ら接合強度測定用試験片7を採取し、試験片7の接合強
度を測定した。角筒5及び6の長手方向における試験片
7の長さは100mmであり、幅は25mmである。接
合強度の平均値及びバラツキの算出方法は第1実施例の
ものと同一である。接合強度の平均値及びバラツキを下
記表3に示す。
【0042】
【表3】 なお、上記表2中の比較例5では、粒体が添加されてい
ない接着剤を使用した。また、比較例1の接着剤の厚さ
は0.5mmである。
【0043】上記表3に示すように、実施例10〜15
においては、接合部のずれ対策を施す必要がなかった。
また、室温で接着剤を硬化した場合であっても、接合強
度が250kg/cm2と高く、加熱した場合は、接合
強度が300kg/cm2以上と極めて高くなった。更
に、接合強度のバラツキが15kg/cm2以下と極め
て小さくなり、アーク溶接(比較例7)のバラツキ(2
5kg/cm2)に比して小さいものとなった。
【0044】実施例16では、粒体が50体積%であ
り、粒体が接着剤に占める割合が大きいため、バラツキ
が20kg/cm2と若干大きくなった。但し、ずれ対
策は不要であり、また接合強度も良好であった。
【0045】比較例5においては、粒体が添加されてい
ないため、ずれ対策を施す必要が生じ、且つ接合強度が
100kg/cm2と低くなると共に、接合強度のバラ
ツキが45kg/cm2と大きくなってしまった。ま
た、比較例6では、同じく、ずれ対策を施しす必要が生
じ、且つ粒体がアルミニウム球であり、硬さが80Hv
と軟質であるため、粒体が角筒に十分に食い込んでいな
い。このため、接合部を加熱したものの、接合強度は2
00kg/cm2と低いものとなった。また、接合強度
のバラツキも40kg/cm2と大きくなった。
【0046】第4実施例 第4実施例では、加圧圧力を変化させて、第3実施例と
同様に図4に示す角筒を接合した(実施例17、18及
び比較例8)。実施例17、18の加圧圧力を、夫々、
20kgf/mm2及び25kgf/mm2とし、比較例
4の加圧圧力は5kgf/mm2とした。
【0047】各実施例及び比較例において、接着剤本体
はエポキシ系であり、粒体は直径が0.15mmの鋼球
である。また、粒体の体積は10%であり、粒体の硬さ
は140Hvである。また、接着時の硬化温度を180
℃とし、硬化時間を20分とした。引張試験方法及び接
合強度の算出方法は第3実施例と同様である。接合強度
の平均値及びバラツキを下記表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】上記表4に示すように、実施例17、18
においては、接合部のずれ対策を施す必要がなかった。
また、接合強度が300kg/cm2以上と極めて高い
と共に、接合強度のバラツキが15kg/cm2以下と
極めて小さいものとなった。
【0050】一方、比較例8においては、ずれ対策を施
していないことに加え、加圧圧力が5kg/mm2と1
0kg/mm2未満であったため、接合強度が150k
gf/cm2と極めて小さくなった。また、バラツキが
40kgf/cm2と極めて大きくなった。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
合成樹脂からなる接着剤本体に硬質粒体を含有させて接
着剤を形成するので、被接合体に対するずれ対策を施さ
ない場合であっても、アルミニウム又はアルミニウム合
金材を高い接合強度で接着することができると共に、接
合強度のバラツキを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るアルミニウム又はア
ルミニウム合金材の接合方法を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るアルミニウム又はア
ルミニウム合金材の接合方法を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例におけるアルミニウム合金
板の接合方法を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例における角筒の接合方法を
示す図である。
【符号の説明】
1,2;アルミニウム板 1a,2a;先端部 3;接着剤 3a;接着剤本体 3b,3c;硬質粒体 5,6;角筒 5a,6a;先端部 7;接合強度測定用試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 163/00 JFP C09J 163/00 JFP JKF JKF (72)発明者 貝田 一浩 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂からなる接着剤本体に、マイク
    ロビッカース硬さが100Hv以上である硬質粒体を含
    有させたことを特徴とするアルミニウム又はアルミニウ
    ム合金材用接着剤。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂はエポキシ系樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム又はアル
    ミニウム合金材用接着剤。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂はエポキシ系樹脂とアクリ
    ル系樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1に
    記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材用接着剤。
  4. 【請求項4】 前記硬質粒体は金属粒体又はセラミック
    粒体からなる群から選択された1種以上の粒体の混合物
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材用接着
    剤。
  5. 【請求項5】 前記硬質粒体を接着剤全体の5乃至30
    体積%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1項に記載のアルミニウム又はアルミニウム合金材
    用接着剤。
  6. 【請求項6】 合成樹脂からなる接着剤本体に、マイク
    ロビッカース硬さが100Hv以上である硬質粒体を含
    有させて構成された接着剤を間に挟んで第1のアルミニ
    ウム又はアルミニウム合金材と第2のアルミニウム又は
    アルミニウム合金材とを合わせ、次いで前記第1のアル
    ミニウム又はアルミニウム合金材と前記第2のアルミニ
    ウム又はアルミニウム合金材とを10kg/mm2以上
    の圧力で相互に押圧して密着接合することを特徴とする
    アルミニウム又はアルミニウム合金材の接合方法。
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