JPH09241414A - 熱可塑性重合体発泡体 - Google Patents

熱可塑性重合体発泡体

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JPH09241414A
JPH09241414A JP7535196A JP7535196A JPH09241414A JP H09241414 A JPH09241414 A JP H09241414A JP 7535196 A JP7535196 A JP 7535196A JP 7535196 A JP7535196 A JP 7535196A JP H09241414 A JPH09241414 A JP H09241414A
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JP
Japan
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foam
polymer
foaming
thermoplastic
conjugated diene
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Application number
JP7535196A
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English (en)
Inventor
Hideo Takamatsu
秀雄 高松
Eri Kondou
衣理 近藤
Mizuho Maeda
瑞穂 前田
Keigo Umemoto
桂吾 梅本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EISHIN KASEI KK
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
EISHIN KASEI KK
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性に優れ、その柔軟性が低温でも失われ
ずに良好に保たれ、しかも耐久性にも優れ、更に可塑剤
の滲みだしや移行の心配のない熱可塑性重合体製の発泡
体および該発泡体を有する複合材料、それらを製造する
ための発泡性熱可塑性重合体組成物を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性アクリル系重合体と芳香族ビニ
ル化合物重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロッ
クからなる水添ブロック共重合体を80:20〜20:
80の重量比で含有し且つ発泡剤、および場合により発
泡助剤を含有する発泡性熱可塑性重合体組成物を発泡さ
せることにより、上記した優れた特性を有する発泡体お
よび該発泡体を含有する複合材料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性重合体発泡
体、該発泡体の製造に用いる発泡性熱可塑性重合体組成
物、および前記の熱可塑性重合体発泡体と基材からなる
複合材料に関する。より詳細には、本発明は、柔軟性に
優れ、低温においてもその柔軟性がそのまま保たれてお
り、しかも可塑剤を含まないことによって可塑剤の滲み
だしや移行の心配のない熱可塑性重合体発泡体、そのよ
うな発泡体を製造するための発泡性熱可塑性重合体組成
物、および前記の熱可塑性重合体発泡体と基材からなる
複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から種々の熱可塑性重合体発泡体が
製造されており、熱可塑性重合体発泡体は製造の容易
性、成形加工の容易性、柔軟性、クッション性、断熱
性、緩衝性などの種々の特性により、色々の分野で広く
用いられている。なかでも、軟質塩化ビニル樹脂よりな
る発泡体は、製造が容易で、耐久性に優れ、常温で柔軟
性に優れているため、人造皮革(発泡レザー)などとし
て、家具や車両などのシート、履物、鞄、袋物、衣料、
手袋などとして汎用されている。
【0003】しかしながら、軟質塩化ビニル樹脂発泡体
は柔軟性を発現させるために多量の可塑剤が用いられて
おり、そのため可塑剤の滲みだし(ブリードアウト)や
移行が問題となる場合が多い。しかも、塩化ビニル樹脂
はガラス転移温度が比較的高いことから、低温時には硬
くなって柔軟性が失われ、風合を損ねるという欠点を有
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、柔軟
性に優れていて、低温でも柔軟性が失われず、しかも可
塑剤の滲みだしや移行の心配がなく、人造皮革をはじめ
として種々の用途に有効に使用できる熱可塑性重合体発
泡体を提供することである。そして、本発明の目的は、
そのような優れた特性を有する熱可塑性重合体発泡体を
製造するのに用いる発泡性熱可塑性重合体組成物を提供
することである。さらに、本発明の目的は、上記した優
れた特性を有する熱可塑性重合体発泡体と基材からなる
複合材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、熱可塑性アクリル系重
合体と、芳香族ビニル化合物重合体ブロックおよび共役
ジエン重合体ブロックからなる水添ブロック共重合体を
特定の割合で含有する熱可塑性重合体組成物を用いて発
泡体を製造すると、柔軟性に優れ、低温でもその柔軟性
が失われず、さらに可塑剤の滲みだしや移行の心配のな
い、高品質の発泡体が得られること、そしてその発泡体
および該発泡体を含む複合材料は、人造皮革を初めとし
て多くの用途に有効に使用できることを見出した。ま
た、本発明者らは、そのような発泡体が、熱可塑性アク
リル系重合体、芳香族ビニル化合物重合体ブロックおよ
び共役ジエン重合体ブロックからなる水添ブロック共重
合体、および発泡剤を含有する発泡性熱可塑性重合体組
成物を用いることにより円滑に得られること、しかもそ
の際に発泡助剤を用いると発泡体における気泡が一層均
一で且つ微細なものとなることを見出し、それらの知見
に基づいて本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、熱可塑性アクリル系
重合体と、芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロック
および共役ジエンからなる重合体ブロックを有し水素添
加されている水添ブロック共重合体を、80:20〜2
0:80の重量比で含有する熱可塑性重合体組成物の発
泡により得られた熱可塑性重合体発泡体である。
【0007】そして、本発明は、熱可塑性アクリル系重
合体と、芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックお
よび共役ジエンからなる重合体ブロックを有し水素添加
されている水添ブロック共重合体を、80:20〜2
0:80の重量比で含有し、且つ発泡剤を含有すること
を特徴とする発泡性熱可塑性重合体組成物である。さら
に、本発明は、上記の熱可塑性重合体発泡体および基材
からなることを特徴とする複合材料である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明では、発泡体を形成するための熱可塑性ア
クリル系重合体として、熱可塑性のアクリル系重合体で
あればいずれも使用可能であるが、アルキル(メタ)ア
クリレートから主としてなるアクリル系重合体を用いる
ことが好ましく、アルキルメタクリレートから主として
なるアクリル系重合体を用いることがより好ましい。そ
の場合のアルキル(メタ)アクリレートとしては、(メ
タ)アクリル酸の炭素数1〜4の低級アルキルエステル
が好ましく用いられる。その際に、熱可塑性アクリル系
重合体は、1種類のアルキル(メタ)アクリレート単位
のみからなる単独重合体であっても、2種以上のアルキ
ル(メタ)アクリレート単位を有する共重合体であって
も、1種または2種以上のアルキル(メタ)アクリレー
ト単位と共に他のモノマー単位を有する共重合体であっ
てもよい。
【0009】そのうちでも、本発明では、熱可塑性アク
リル系重合体として、メタクリル酸の炭素数1〜4の低
級アルキルエステルの1種または2種以上からなる単位
から主としてなり、これに他のアルキルアクリレート単
位および/または(メタ)アクリル酸単位を少量成分と
して含む熱可塑性アクリル系共重合体が好ましく用いら
れる。この場合にはメタクリル酸の炭素数1〜4の低級
アルキルエステル単位の割合を95〜80モル%に、そ
して他のアルキルアクリレート単位および/または(メ
タ)アクリル酸単位の割合を5〜20モル%にすること
が望ましい。特に、本発明では、熱可塑性アクリル系重
合体として、メチルメタクリレートを95〜80モル%
の割合で含み、他の共重合単位(例えばエチルアクリレ
ート、メチルアクリレート、アクリル酸などの単位)を
5〜20モル%の割合で含むメチルメタクリレート共重
合体を用いると、柔軟性の点において一層優れた発泡体
を得ることができるので、望ましい。
【0010】また、限定されるものではないが、本発明
では、熱可塑性アクリル系重合体として、クロロホルム
中、25℃で測定したときに、その固有粘度が約0.2
〜0.6dl/gのものを用いると、均一な発泡構造を
有する発泡体が得られるので好ましい。
【0011】そして、本発明では、上記した熱可塑性ア
クリル系重合体と共に、芳香族ビニル化合物からなる重
合体ブロックおよび共役ジエンからなる重合体ブロック
を有し、水素添加されている水添ブロック共重合体(以
下これを「芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロッ
ク共重合体」という)を用いる。芳香族ビニル化合物/
共役ジエン水添ブロック共重合体としては、芳香族ビニ
ル化合物からなる重合体ブロックを1個以上と共役ジエ
ンからなる重合体ブロックを1個以上有し且つ共役ジエ
ンからなる重合体ブロックにおける不飽和基が水素添加
されているブロック共重合体であればいずれも使用でき
る。そのうちでも、芳香族ビニル化合物からなる重合体
ブロックを2個以上有し且つ共役ジエンからなる重合体
ブロックを1個以上有するトリブロック以上のブロック
共重合体が好ましく用いられる。そのようなトリブロッ
ク以上のブロック共重合体は、直鎖状、分岐状または放
射状のいずれの分子構造を有していてもよい。
【0012】また、芳香族ビニル化合物/共役ジエン水
添ブロック共重合体では、(芳香族ビニル化合物に由来
する単位):(共役ジエンに由来する単位)の割合が、
5:95〜45:55の重量比であることが、熱可塑性
アクリル系重合体との均一な混合状態を達成できるので
好ましく、20:80〜35:65の重量比であること
がより好ましい。
【0013】芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロ
ック共重合体における芳香族ビニル化合物からなる重合
体ブロックを構成する芳香族ビニル化合物としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ベンゼン核がアルキル基
で置換されたスチレン(例えば3−メチルスチレン、4
−プロピルスチレン等)、ベンゼン核がハロゲンで置換
されたスチレン(例えば3−クロロスチレン、4−クロ
ロスチレン等)、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナ
フタレンなどを挙げることができる。芳香族ビニル化合
物からなる重合体ブロックはそれらの芳香族ビニル化合
物の1種または2種以上から構成されていることがで
き、そのうちでも芳香族ビニル化合物からなる重合体ブ
ロックがスチレンから構成されていると、熱可塑性アク
リル系重合体との混合時の作業性の点から好ましい。
【0014】また、芳香族ビニル化合物/共役ジエン水
添ブロック共重合体における共役ジエンからなる重合体
ブロックを構成する共役ジエンとしては、1,3−ブタ
ジエン(以下点に「ブタジエン」という)、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエ
ン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどを挙げること
ができる。共役ジエンからなる重合体ブロックはそれら
の共役ジエンの1種または2種以上から構成されている
ことができ、そのうちでも共役ジエンからなる重合体ブ
ロックが、ブタジエン、またはブタジエンとイソプレン
との併用によって形成されていると、芳香族ビニル化合
物/共役ジエン水添ブロック共重合体の低温特性および
弾性特性が良好になり、その結果、該芳香族ビニル化合
物/共役ジエン水添ブロック共重合体を用いて得られる
発泡体の低温特性および弾性特性も良好になるので好ま
しい。
【0015】そして、芳香族ビニル化合物/共役ジエン
水添ブロック共重合体においては、芳香族ビニル化合物
からなる重合体ブロックの数平均分子量が1,000〜
50,000の範囲にあることが、芳香族ビニル化合物
/共役ジエン水添ブロック共重合体の弾性体としての特
性を良好にし、且つ熱可塑性アクリル系重合体と芳香族
ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重合体とを混
合して得られる重合体組成物、ひいては該組成物から得
られる発泡体に良好な柔軟性を発現できる点から好まし
い。また、芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロッ
ク共重合体における共役ジエンからなる重合体ブロック
は、その数平均分子量が20,000〜200,000
の範囲にあることが、芳香族ビニル化合物/共役ジエン
水添ブロック共重合体の弾性特性および機械的特性を良
好とし、しかも熱可塑性アクリル系重合体および芳香族
ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重合体を含有
する発泡性熱可塑性重合体組成物の溶融粘度を溶融成形
に適する範囲とし、流動性を良好にできるので好まし
い。また、芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロッ
ク共重合体全体では、その数平均分子量が30,000
〜400,000の範囲にあることが、芳香族ビニル化
合物/共役ジエン水添ブロック共重合体の弾性特性およ
び機械的特性を良好にし、さらに熱可塑性アクリル系重
合体および芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロッ
ク共重合体を含有する発泡性熱可塑性重合体組成物の溶
融粘度を溶融成形に適する範囲とし、流動性を良好にで
きるので好ましい。
【0016】また、本発明で用いる芳香族ビニル化合物
/共役ジエン水添ブロック共重合体は、共役ジエンに由
来する不飽和結合が水添されていることによって、その
耐熱劣化性、耐候性が良好なものとなっており、しかも
熱可塑性アクリル系重合体との相溶性が良好なものとな
っている。芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロッ
ク共重合体にあっては、共役ジエンに由来する不飽和結
合の75%以上が水添されていることが好ましく、85
%以上が水添されていることがより好ましい。
【0017】上記した芳香族ビニル化合物/共役ジエン
水添ブロック共重合体は、従来公知の方法により製造す
ることができ、その製法は何ら制限されない。限定され
るものではないが、芳香族ビニル化合物/共役ジエン水
添ブロック共重合体は、例えば、アルキルリチウムなど
のアニオン系重合開始剤を用いて、芳香族ビニル化合
物、共役ジエンをそれぞれの重合体ブロックが形成され
るようにして重合系に供給して、芳香族ビニル化合物か
らなる重合体ブロックと共役ジエンからなる重合体ブロ
ックを有するブロック共重合体を製造し、次いでそのブ
ロック共重合体を、例えば、遷移金属化合物とアルミニ
ウム、アルカリ土類金属またはアルカリ金属などのアル
キル化物との組み合わせによるチーグラー系触媒等の均
一系触媒、ラネーニッケル、白金族金属(パラジウム、
白金、ルテニウム等)を無機担体(炭素、シリカ、珪藻
土、アルミナ等)に担持させた不均一触媒などの水添触
媒を用いて水素添加することにより得ることができる。
【0018】そして、本発明では、上記した熱可塑性ア
クリル系重合体と芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添
ブロック共重合体を、80:20〜20:80の重量比
で混合して用いる。熱可塑性アクリル系重合体および芳
香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重合体の
合計重量に基づいて、芳香族ビニル化合物/共役ジエン
水添ブロック共重合体の割合が20重量%未満である
(熱可塑性アクリル系重合体の割合が80重量%を超え
る)と、得られる発泡体の柔軟性が乏しいものとなり、
一方、芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共
重合体の割合が80重量%を超える(熱可塑性アクリル
系重合体の割合が20重量%未満である)と、得られる
発泡体の耐久性が不足したものとなる。本発明では、熱
可塑性アクリル系重合体:芳香族ビニル化合物/共役ジ
エン水添ブロック共重合体の使用割合が、25:75〜
75:25(重量比)の範囲であることが、得られる発
泡体の柔軟性、耐久性などの機械的特性などの点からよ
り好ましい。
【0019】本発明では、発泡剤として、化学発泡剤
(加熱分解型発泡剤)および物理的発泡剤(不活性ガス
または不活性気体よりなる発泡剤)のいずれもが使用可
能であり、それらのうちでも化学発泡剤が好ましく用い
られる。化学発泡剤としては、無機系化学発泡剤および
有機系化学発泡剤のいずれもが使用でき、そのような化
学発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ア
ンモニウムなどの無機系発泡剤、アゾ化合物(例えばア
ゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロジニトリル、
アゾジアミノベンゼン、アゾヘキサヒドロベンゾニトリ
ル、バリウムアゾジカルボキシレート等)、ニトロソ化
合物(例えばN,N’−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテ
レフタルアミド、t−ブチルアミノニトリル等)、ヒド
ラジド化合物[例えばp−トルエンスルホニルヒドラジ
ド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラ
ジド)等]、ヒドラゾン化合物(例えばp−トルエンス
ルホニルアセトンヒドラゾン等)などの有機系発泡剤を
挙げることができる。本発明では上記した発泡剤の1種
または2種以上を使用して発泡体を製造することがで
き、そのうちでも、本発明では発泡剤として重炭酸ナト
リウム、アゾジカルボンアミド、ヒドラジド化合物が好
ましく用いれらる。
【0020】発泡剤の使用量は、製造を目的とする発泡
体の発泡倍率(比重)、発泡体の用途、発泡剤のガス発
生量などに応じて調節することができるが、通常、熱可
塑性アクリル系重合体および芳香族ビニル化合物/共役
ジエン水添ブロック共重合体の合計100重量部に対し
て、0.05〜10重量部程度であることが好ましく、
0.1〜5重量部であることがより好ましく、2〜3重
量部であることが更に好ましい。発泡剤を上記した0.
05〜10重量部の割合で使用すると、一般に、比重が
0.9〜0.01の範囲である発泡体を得ることができ
る。発泡剤の使用量が少なすぎると発泡倍率が低くなり
過ぎて柔軟性に優れる発泡体が得られにくくなり、一
方、発泡剤の使用量が多すぎると過発泡状態となって気
泡の崩れ、粗大気泡の発生などが生じて均一で微細な気
泡を有する発泡体が得られにくくなる。
【0021】また、本発明では、上記した化学発泡剤を
用いて発泡体を製造する場合に、発泡を円滑に行わせ
て、より均一で微細な気泡を有する発泡体を得るため
に、発泡助剤を併用することが好ましい。その場合の発
泡助剤としては、例えば脂肪族モノカルボン酸の金属
塩、アルキルアリールスルホン酸の金属塩などを挙げる
ことができる。より具体的には、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸、リシノール酸、ヒドロキシステア
リン酸、エルカ酸、ベヘン酸、モンタン酸、その他の炭
素数8〜30の脂肪族モノカルボン酸(構造中に側鎖、
水酸基、ケトン基、アルデヒド基、エポキシ基などがあ
ってもよい)の周期律表第I族または第II族の金属(L
i,Na,K,Mg,Ca,Zn等)の塩、p−トルエ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの炭素
数3〜16のアルキル基で置換されたアルキルベンゼン
スルホン酸の周期律表第I族または第II族の金属の塩、
イソプロピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレ
ンスルホン酸、アミルナフタレンスルホン酸などのアル
キルナフタレンスルホン酸の周期律表第I族または第II
族の金属の塩などを挙げることができる。
【0022】そして、上記した発泡助剤のうちから、そ
れぞれの発泡剤に適した発泡助剤の1種または2種以上
を組み合わせて用いればよい。例えば、重炭酸ナトリウ
ム、アゾ系発泡剤、ヒドラジド化合物などの発泡剤に対
しては、上記した発泡助剤のいずれもが有効に使用でき
るが、発泡助剤として脂肪族モノカルボン酸の金属塩と
アルキルアリールスルホン酸の金属塩を併用すると、一
層均一で微細な気泡構造を有する発泡体を得ることがで
きる。その場合に脂肪族モノカルボン酸の金属塩:アル
キルアリールスルホン酸の金属塩の割合を60:40〜
95:5(重量比)とすることが一層好ましい。
【0023】発泡助剤を使用する場合は、その使用量
は、製造を目的とする発泡体の発泡倍率(比重)、発泡
体の用途、発泡剤のガス発生量などに応じて適宜調節す
ることができるが、通常、熱可塑性アクリル系重合体お
よび芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重
合体の合計100重量部に対して、0.005〜10重
量部程度であることが好ましく、0.01〜5重量部で
あることがより好ましく、0.1〜2重量部であること
が更に好ましい。また、発泡剤に対する使用割合として
は、発泡剤1重量部に対して、発泡助剤を0.1〜1重
量部とすることが好ましい。
【0024】また、本発明の発泡体および発泡性熱可塑
性重合体組成物は、上記した成分以外に、本発明の目的
の妨げにならない限りは、必要に応じて、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体な
どのオレフィン系重合体、ポリスチレン、アクリロニト
リル/スチレン共重合体、ABS樹脂、未水添のスチレ
ン系ブロック共重合体などの他の熱可塑性重合体の1種
または2種以上を少量含有していてもよい。
【0025】さらに、本発明の発泡体および発泡性熱可
塑性重合体組成物は、他の添加剤、例えば、発泡体中に
均一で微細な気泡を形成するための気泡調節剤(無機微
粉末など)、充填剤、補強材、酸化防止剤(フェノール
系酸化防止剤、リン系酸化防止剤など)、紫外線吸収剤
(ヒンダードアミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾ
フェノン系等の紫外線吸収剤)、滑剤(金属セッケン
系、脂肪酸エステル系、脂肪酸アミド系、石油ワックス
系などの滑剤)、難燃剤などの添加剤の1種または2種
以上を必要に応じて含有していてもよい。
【0026】本発明の発泡性熱可塑性重合体組成物を調
製するに当たっては、その調製方法は特に制限されず、
発泡性熱可塑性重合体組成物の調製時に発泡剤の発泡
能、発泡助剤を用いる場合はその発泡助剤としての機能
が失われないような方法であればいずれも採用できる。
なお、加熱分解型発泡剤を用いる場合は、発泡剤の分解
温度よりも低い温度で発泡性熱可塑性重合体組成物の調
製を行うことが必要である。
【0027】限定されるものではないが、本発明の発泡
性熱可塑性重合体組成物の調製に当たっては、例えば、
(1)熱可塑性アクリル系重合体と芳香族ビニル化合物
/共役ジエン水添ブロック共重合体の混合物を予め調製
しておき、それに発泡剤および場合により発泡助剤やそ
の他の成分を添加・混合して発泡性熱可塑性重合体組成
物を調製する方法;(2)熱可塑性アクリル系重合体、
芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重合
体、発泡剤および場合により発泡助剤、他の成分を同時
に混合して発泡性熱可塑性重合体組成物を調製する方
法;(3)発泡剤および場合により発泡助剤を熱可塑性
アクリル系重合体および/または芳香族ビニル化合物/
共役ジエン水添ブロック共重合体の一部と予め混合して
発泡剤および場合により発泡助剤を含有するマスターバ
ッチをつくり、そのマスターバッチに残りの熱可塑性ア
クリル系重合体および/または芳香族ビニル化合物/共
役ジエン水添ブロック共重合体、および場合により他の
成分を混合して発泡性熱可塑性重合体組成物を調製する
方法などを採用することができる。
【0028】そして、上記した発泡性熱可塑性重合体組
成物の調製方法においては、各成分の混合方法や使用す
る混合装置は特に制限されず、発泡性熱可塑性重合体組
成物の調製に当たって従来から一般に用いられているの
と同様の混合方法および混合装置を使用すればよく、例
えばニーダーやバンバリーミキサーなどの混合装置、単
軸または二軸押出機などの、熱可塑性重合体組成物の製
造において従来から汎用されている混合装置を使用する
ことができる。
【0029】上記により得られる発泡性熱可塑性重合体
組成物は、常温において柔軟性のある固体状を呈してい
る。そして、一般に、発泡性熱可塑性重合体組成物にお
ける芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重
合体の配合量が多くなるにしたがって柔軟性が増加す
る。発泡性熱可塑性重合体組成物は、常法にしたがって
チップ、ペレット、シート、塊などの任意の形態にして
発泡体の製造に用いることができる。
【0030】本発明の発泡性熱可塑性重合体組成物は熱
可塑性であり、熱可塑性アクリル系重合体と芳香族ビニ
ル化合物/共役ジエン水添ブロック共重合体の配合割合
にもよるが、一般に約150〜300℃の温度に加熱す
ることにより溶融する。そのため、本発明の発泡性熱可
塑性重合体組成物は、溶融成形や加熱加工が可能であ
り、押出成形、射出成形、カレンダー成形、流延成形、
プレス成形、注型などの任意の成形方法によって、種々
の形状や構造の発泡成形品または発泡性成形品(発泡前
の成形品)に成形することができる。ここで、発泡性熱
可塑性重合体組成物を用いて成形・加工と同時に発泡を
行わせる場合は、成形・加工の少なくともある段階で発
泡剤の分解温度以上の温度を採用して、成形・加工を行
えばよい。そして、発泡剤の種類や併用する発泡助剤の
種類などによってその発泡温度は異なり得るが、上記し
たような加熱分解型発泡剤(化学発泡剤)は一般に15
0〜250℃の範囲で分解するので、発泡剤を分解させ
て発泡体を製造するには、使用する発泡剤や発泡助剤の
種類などに応じて、150〜250℃またはそれ以上の
温度を採用して加熱発泡するとよい。また、発泡性熱可
塑性重合体組成物を用いて未発泡のシート、フイルム、
板、管、積層体、その他の成形品を一旦製造した後にそ
れを加熱して発泡させる場合は、発泡性熱可塑性重合体
組成物を該組成物の成形加工が可能な温度であって且つ
発泡剤が分解しない温度で成形・加工して未発泡の成形
品等を製造し、次いで該未発泡の成形品等を発泡剤の分
解温度以上に加熱すると発泡成形品を得ることができ
る。
【0031】上記のようにして得られる発泡体は、その
まま使用してもよいし、他の材料を基材とし、これと積
層したり、また基材と積層以外の方法で組み合わせて、
複合材料として使用してもよい。その場合に、複合材料
を形成するのに用いる他の基材は特に制限されず、発泡
体の使用目的や使用形態などに応じて適宜選択すること
ができる。限定されるものではないが、発泡体と組み合
わせて用い得る基材としては、例えば、天然繊維、合成
繊維、半合成繊維、無機繊維などからなる織布、編布、
不織布などの布帛類;紙;プラスチックやゴムからなる
フイルム、シート、板、その他の形状物;金属からなる
箔、シート、板、その他の形状物;木材;セラミックな
どを挙げることができる。発泡体と基材からなる複合材
料の製造に当たっては、発泡体を製造した後に該発泡体
を基材と一体複合化しても、発泡性熱可塑性重合体組成
物を発泡させる際に、同時に基材との一体複合化を行っ
ても、または発泡前に基材と一体複合化しておき、その
後に発泡を行ってもよい。発泡体または発泡性熱可塑性
重合体組成物と基材との複合一体化に当たっては、それ
らの間の親和性、接着性などに応じて、例えば加熱圧
着、接着剤による接着、押出ラミネートのような成形と
同時に積層を行う方法などの任意の方法を使用すること
ができる。
【0032】特に、上記した複合材料が発泡体と基材と
からなる積層構造物である場合には、例えば、1つの発
泡体層と1つの基材との2層構造であっても、発泡体の
両面に基材を有する3層構造(サンドイッチ構造)であ
っても、発泡体と他の材料が交互に積層した4層以上の
多層構造であっても、またはそれ以外の積層構造であっ
てもよく、基材を2層以上有する多層構造の場合は、そ
れぞれの層が同じ材料からなっていてもまたは異なる材
料からなっていてもよい。
【0033】本発明の発泡体は、柔軟性、特に低温での
柔軟性に優れていて、可塑剤の滲みだしや移行などの心
配がないために、従来軟質塩化ビニル樹脂発泡体が主に
用いられてきた人造皮革の分野において特に有効であ
る。本発明の発泡体を人造皮革として用いるに当たって
は、発泡体を単独で人造皮革として用いてもよいが、発
泡体と基材層との積層構造物にして用いるのが、強度、
取り扱い性、風合などの点から好ましく、その場合の基
材層としては、軟質塩化ビニル樹脂発泡体製の人造皮革
において従来用いられているのと同様の材料、例えば天
然繊維、合成繊維、半合成繊維、無機繊維などからなる
織布、編布、不織布などの布帛類を用いるのが好まし
い。そして、基材として布帛類のような多孔質の材料を
用いる場合には、基材の一部または全部に発泡性熱可塑
性重合体組成物を含浸させた状態で発泡させて複合材料
を形成させると、発泡体と基材との接合を強固なものに
することができる。
【0034】本発明の発泡体を有する複合材料の製法は
特に制限されず、従来公知の方法に準じて製造すること
ができ、例えば上記した発泡性熱可塑性重合体組成物か
ら押出成形、カレンダー成形、プレス成形、流延成形な
どによって未発泡のシートやフイルムを製造した後、そ
れを加熱圧着や接着剤による接着などによって基材層と
積層一体化し、次いでそれを加熱発泡させる方法、発泡
性重合体組成物を用いて押出成形などによって発泡した
シートやフイルムを製造すると同時に基材層と積層一体
化する方法、発泡性熱可塑性重合体組成物を用いて発泡
したシートやフイルムを製造した後に基材層と積層一体
化する方法などを挙げることができる。また、上記によ
り得られる複合材料に対しては、必要に応じて、表面に
光沢や強度を付与するためのコーティングやその他の処
理を行うことができる。
【0035】上記した本発明の発泡体および発泡体複合
材料は、その柔軟性、特に低温での柔軟性、耐候性、可
塑剤の滲みだしや移行がないという種々の優れた特性を
活かして、人造皮革、壁材や床材などの建築資材、椅子
などの家具類や車両のシート、車両などの内装材、履
物、鞄類、袋物、衣料、手袋などとして、有効に使用す
ることができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明に
ついて具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら制
限されない。
【0037】《実施例 1》 (1) メチルメタクリレート(90モル%)とメチル
アクリレート(10モル%)を共重合させて得られる固
有粘度0.3dl/gの共重合体(以下これを「MMA
/MA(90/10)共重合体」という)70重量部、スチ
レン重合体ブロック/イソプレン重合体ブロック/スチ
レン重合体ブロックからなる水添ブロック共重合体(水
添前の2つのスチレン重合体ブロックの数平均分子量=
9,800、水添前のイソプレン重合体ブロックの数平
均分子量=132,000、水添前のブロック共重合体
全体の数平均分子量=151,600、水添率=95.
1%)(以下これを「St/Ip/St水添ブロック共
重合体」という)30重量部および重炭酸ナトリウム
3.0重量部を混合したものを二軸押出機に供給して、
150℃の温度で溶融混練した後、溶融混練物を2本の
ロール間を通して圧延して厚さ1mmの発泡性シートを
製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートを、錦布
(ナイロン製の織布;目付け50g/m2)に重ねて、
温度130℃でロール間隙0.3mmの2本のロール間
を通して圧着して、発泡性シートと錦布の積層体を製造
した。次いで、この積層体を230±5℃に温度調節し
たギャーオーブン中で2分間加熱して発泡させ、発泡積
層体を製造した。
【0038】(3) 上記(2)で得られた発泡積層体
の発泡倍率を下記の方法で求めたところ、下記の表1に
示すとおりであった。
【0039】発泡積層体の発泡倍率の算出: 発泡倍率(倍)=A/B 式中、A=錦布と積層する前の発泡性シートの厚み B=発泡積層体における発泡体層の厚み(発泡積層体か
ら錦布の部分を剥離して測定)
【0040】(4) また、上記(2)で得られた発泡
積層体を、25℃に温度調節した恒温器中に60分間放
置した後、取り出して直ちにJIS K6301「加硫
ゴム物理試験方法」の「5.硬さ試験」に準じて、スプ
リング式のType C型試験機を使用してその硬度を
測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。次
に、恒温器の温度をそれぞれ0℃、−10℃に調節して
同様にして発泡積層体の硬度を測定したところ、下記の
表1に示すとおりであった。
【0041】《実施例2〜4》 (1) 発泡助剤として、ステアリン酸亜鉛および/ま
たはドデシルベンゼンスルホン酸亜鉛を下記の表1に示
す割合で更に用いたこと以外は実施例1の(1)と同様
にして厚さ1mmの発泡性シートを製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させて発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0042】《実施例 5》 (1) MMA/MA(90/10)共重合体を50重量
部、St/Ip/St水添ブロック共重合体を50重量
部用い、さらに発泡剤として重炭酸ナトリウムの代わり
にアゾジカルボンアミドを用いたこと以外は実施例1の
(1)と同様にして厚さ1mmの発泡性シートを製造し
た。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させて発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0043】《実施例 6》 (1) 発泡助剤として、ラウリン酸カルシウムおよび
ドデシルベンゼンスルホン酸亜鉛を下記の表1に示す割
合で更に用いたこと以外は実施例5の(1)と同様にし
て厚さ1mmの発泡性シートを製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させ、発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0044】《実施例 7》 (1) MMA/MA(90/10)共重合体を30重量
部、そしてSt/Ip/St水添ブロック共重合体を7
0重量部用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にし
て厚さ1mmの発泡性シートを製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させて発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0045】《実施例 8》 (1) 発泡助剤として、ステアリン酸亜鉛およびイソ
プロピルナフタレンスルホン酸カリウムを下記の表1に
示す割合で更に用いたこと以外は実施例7の(1)と同
様にして厚さ1mmの発泡性シートを製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させ、発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0046】《比較例 1》 (1) St/Ip/St水添ブロック共重合体を用い
ずに、MMA/MA(90/10)共重合体を100重量部
用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にして厚さ1
mmの発泡性シートを製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させ、発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0047】《比較例 2》 (1) MMA/MA(90/10)共重合体を用いずに、
St/Ip/St水添ブロック共重合体を100重量部
用い、発泡剤としてアゾジカルボンアミドを用いたこと
以外は実施例1の(1)と同様にして厚さ1mmの発泡
性シートを製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させ、発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0048】《比較例 3》 (1) 発泡助剤としてラウリン酸カルシウムを更に用
いたこと以外は比較例1の(1)と同様にして厚さ1m
mの発泡性シートを製造した。 (2) 上記(1)で得られた発泡性シートおよび錦布
を用いて、実施例1の(2)と同様にして積層体を製造
し、それを発泡させ、発泡積層体を製造した。 (3) 上記(2)で得られた発泡積層体の発泡倍率及び
硬度を、実施例1の(3)および(4)と同様にして求め
たところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0049】《参考例》参考のために、軟質塩化ビニル
樹脂発泡体層を有する市販の塩化ビニル樹脂レザーの発
泡倍率(比重により求めた)および硬度を実施例1の
(3)および(4)と同様にして求めたところ、下記の
表1に示すとおりであった。
【0050】
【表1】
【0051】上記の表1の結果から、熱可塑性アクリル
系重合体[MMA/MA(90/10)共重合体]と、芳香
族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重合体(S
t/Ip/St水添ブロック共重合体)を80:20〜
20:80(重量比)の範囲内で含有している実施例1
〜8の本発明の熱可塑性重合体発泡体は、硬度が低くて
柔軟性に優れていること、しかも0℃および−10℃の
低温下でもその低い硬度がそのまま保たれていて、低温
下でも良好な柔軟性を有していることがわかる。
【0052】また、上記の表1の結果から、熱可塑性ア
クリル系重合体(MMA/MA(90/10)共重合体)お
よび芳香族ビニル化合物/共役ジエン水添ブロック共重
合体(St/Ip/St水添ブロック共重合体)の一方
のみを用いた場合には、発泡体が得られないか、または
発泡体が得られても発泡倍率が極めて小さく、硬度が高
くて、柔軟性を欠いていることがわかる。
【0053】
【発明の効果】本発明の発泡体および発泡体複合材料
は、柔軟性に優れており、その柔軟性が低温でも失われ
ず、そのまま良好に保たれており、しかも耐久性にも優
れているので、それらの特性を活かして、人造皮革をは
じめとして種々の用途に有効に使用することができる。
さらに、本発明の発泡体は可塑剤を使用していないの
で、可塑剤の滲みだしや移行の心配がない。そして、熱
可塑性アクリル系重合体と芳香族ビニル化合物/共役ジ
エン水添ブロック共重合体を特定の割合で配合してなる
本発明の発泡性熱可塑性重合体組成物を用いると、目的
とする発泡倍率、柔軟性を有する発泡体や複合材料を容
易かつ簡便に製造することができる。
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月29日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 また、芳香族ビニル化合物/共役ジエン
水添ブロック共重合体における共役ジエンからなる重合
体ブロックを構成する共役ジエンとしては、1,3−ブ
タジエン(以下単に「ブタジエン」という)、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、2−ネオペンチル−1,3−ブタジエ
ン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどを挙げること
ができる。共役ジエンからなる重合体ブロックはそれら
の共役ジエンの1種または2種以上から構成されている
ことができ、そのうちでも共役ジエンからなる重合体ブ
ロックが、ブタジエン、またはブタジエンとイソプレン
との併用によって形成されていると、芳香族ビニル化合
物/共役ジエン水添ブロック共重合体の低温特性および
弾性特性が良好になり、その結果、該芳香族ビニル化合
物/共役ジエン水添ブロック共重合体を用いて得られる
発泡体の低温特性および弾性特性も良好になるので好ま
しい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】発泡積層体の発泡倍率の算出: 発泡倍率(倍)=B/A 式中、A=錦布と積層する前の発泡性シートの厚み B=発泡積層体における発泡体層の厚み(発泡積層体か
ら錦布の部分を剥離して測定)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 瑞穂 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内 (72)発明者 梅本 桂吾 神奈川県横浜市緑区中山町1186 栄伸化成 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性アクリル系重合体と、芳香族ビ
    ニル化合物からなる重合体ブロックおよび共役ジエンか
    らなる重合体ブロックを有し水素添加されている水添ブ
    ロック共重合体を、80:20〜20:80の重量比で
    含有する熱可塑性重合体組成物の発泡により得られた熱
    可塑性重合体発泡体。
  2. 【請求項2】 熱可塑性アクリル系重合体が、アルキル
    (メタ)アクリレートから主としてなるアクリル系重合
    体である請求項1の熱可塑性重合体発泡体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性アクリル系重合体と、芳香族ビ
    ニル化合物重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロ
    ックからなり水素添加されている水添ブロック共重合体
    を、80〜20:20〜80の重量比で含有し、且つ発
    泡剤を含有することを特徴とする発泡性熱可塑性重合体
    組成物。
  4. 【請求項4】 熱可塑性アクリル系重合体が、(メタ)
    アクリレートから主としてなるアクリル系重合体である
    請求項3の発泡性熱可塑性重合体組成物。
  5. 【請求項5】 発泡助剤をさらに含有する請求項3また
    は4の発泡性熱可塑性重合体組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1または2の熱可塑性重合体発泡
    体および基材からなることを特徴とする複合材料。
  7. 【請求項7】 基材が繊維状物である請求項6の複合材
    料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021504549A (ja) * 2017-12-01 2021-02-15 アーケマ・インコーポレイテッド 発泡性アクリル組成物

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