JPH09241217A - ジ芳香族カーボネートおよび/または脂肪族・芳香族カーボネートの製造法 - Google Patents

ジ芳香族カーボネートおよび/または脂肪族・芳香族カーボネートの製造法

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JPH09241217A
JPH09241217A JP8045983A JP4598396A JPH09241217A JP H09241217 A JPH09241217 A JP H09241217A JP 8045983 A JP8045983 A JP 8045983A JP 4598396 A JP4598396 A JP 4598396A JP H09241217 A JPH09241217 A JP H09241217A
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carbonate
aromatic
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Eishin Yoshisato
瑛信 善里
Takashi Yoshitomi
孝 吉冨
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Teijin Ltd
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェノール等の芳香族モノヒドロキシ化合物
とジメチルカーボネート等のジ脂肪族カーボネートを原
料として、高収率にて効率的にジ芳香族カーボネート
(ジフェニルカーボネート等)を製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 芳香族モノヒドロキシ化合物とジ脂肪族
カーボネート(または脂肪族・芳香族カーボネート)と
を反応させて最終目的物としてのジ芳香族カーボネート
を製造するに当り、触媒として鉄と3A族金属との複合
酸化物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はジ芳香族カーボネー
トおよび/または脂肪族・芳香族カーボネートの製造方
法に関するものである。更に詳しくは、ジ脂肪族カーボ
ネートまたは脂肪族・芳香族カーボネートと芳香族モノ
ヒドロキシ化合物とを反応させて、ジ芳香族カーボネー
トおよび/または脂肪族・芳香族カーボネートを、効率
よく、高い収率で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジフェニルカーボネートで代表されるジ
芳香族カーボネートはポリカーボネートの原料等として
有用な化合物である。そして、芳香族モノヒドロキシ化
合物とジ脂肪族カーボネートまたは脂肪族・芳香族カー
ボネートとを反応させてジ芳香族カーボネートを製造す
ることはよく知られており、この反応は次の式(1)〜
(3)によって表される。
【0003】
【化1】
【0004】(上記各式中、Rはアルキル基、Arはア
リール基を示す。) 上記の3つの反応のうち式(1)および式(2)の反応
は、標準生成エネルギーや自由エネルギーなどの計算か
ら予測されるように、吸熱反応で化学平衡はいずれも原
料系側に偏っており、かつ活性化エネルギーも大きく反
応速度も遅いため、目的物である
【0005】
【化2】
【0006】の収率が低い。
【0007】したがって、これらの反応を効率よく進め
るためには、低沸点の生成物である脂肪族アルコール
(ROH)を、連続的に系外へ除去すると同時に、活性
化エネルギーを下げるため好適な触媒を用いることが必
要である。
【0008】そこでかかる触媒として、これまで種々の
化合物が提案されてきている。例えば、AlX3 、Ti
3 、TiX4 、VX4 、VoX3 、VX6 、Zn
2 、FeX2 (Xは、ハロゲン、アセトキシ、アルコ
キシまたはアリールオキシ)のようなルイス酸およびル
イス酸を形成しうる遷移金属化合物が提案されている
(特公昭56―42577号公報、特開昭51―105
032号公報、特開昭60―173016号公報参
照)。しかし、このようなルイス酸類は、腐食性が強く
工業的実施には適さないばかりでなく、また反応速度も
遅く、収率も十分でない。
【0009】また、有機錫化合物や有機チタン化合物な
どの有機金属化合物を触媒とする方法(特開昭60―1
69444号公報、特開昭60―1694445号公
報、特開平1―265083号公報参照)も提案されて
いるが、これらの有機金属化合物は、蒸気圧を有してい
るために、生成物のジ芳香族カーボネートを反応混合物
から蒸留分離する際に、生成物中に混入してくるため、
完全な触媒との分離が困難であるという欠点を有してい
る。
【0010】一方、中性または塩基性の鉛化合物を用い
る方法も提案されているが(特開平1―93560号公
報参照)、反応速度がやや遅く、大量に用いても目的の
反応を効率よく行うための触媒としては十分とはいえな
い。
【0011】その他、アルカリ金属、アルカリ土類金属
化合物を触媒として用いる方法も提案されているが(特
開昭56―25138号公報参照)、これらはいずれも
反応活性が低く、その上、脱炭酸反応によるエーテル化
合物の副生が多い。また、特開平1―265064号公
報にはSc、Cr、Mo、W、Mn、Au、Ga、I
n、Bi、Teおよびランタノイド化合物を触媒として
使用する方法が提案されているが、そこに示されている
化合物はいずれも反応活性が低く、エーテルの副生も多
いため、実用性に乏しい。
【0012】これまで、反応活性が高いと見られている
触媒は、反応系中においていずれも均一相となり、フェ
ノールを主成分とする反応系中に溶解している。おそら
く触媒の活性種は触媒金属化合物のフェノラートと考え
られている。比較的高温でフェノールと接触することに
よりリガンド交換、あるいは酸化物の場合は付加脱水反
応などにより、フェノラートを形成し均一に溶解すると
同時に、ジ脂肪族カーボネートとエステル交換反応の活
性化エネルギーを下げる効果的な触媒種となると考えら
れている。これら均一系触媒を用いる方法において少量
の触媒量で高い活性を保つ上では有利であるが、反応混
合物から触媒を分離するのが困難である。
【0013】ところで、本発明における最終目的生成物
であるジ芳香族カーボネートは、かなり高沸点の化合物
であり、蒸留分離の場合においても触媒との分離は種々
の困難を伴う。例えば、触媒の存在下に反応液を蒸留し
て目的のジ芳香族カーボネートを分離しようとすると、
脱炭酸などの分解や重合反応などが起こって精製工程で
の効率が悪くなったり、触媒の一部が揮発成分となって
製品中に混入したりする場合もあり、触媒の回収循環に
おいても高沸点の分解物、重合物と触媒との分離が困難
で触媒の性能低下やロスを伴う。
【0014】一方、不均一系触媒の場合は、反応液から
触媒を分離するのが容易であり、上記の均一系触媒の場
合に見られた問題は解決される。不均一系触媒としてこ
れまで提案されているものとしては、ケイ素とチタンの
ハロゲン化物を共に加水分解することにより得られるケ
イ素とチタンの混合酸化物(特開昭54―125617
号参照)および高いBET表面積を有する二酸化チタン
(ドイツ特許公開DE―OS―4036594)などが
あるが、これらは全般的に触媒活性が低く実用には適用
しがたい。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
触媒として知られていない化合物のなかから不均一性を
示すにも拘らず十分な活性を有する触媒を見いだし、か
つそれを用いて、上記のような欠点がなく、しかも高収
率で効率よくジ芳香族カーボネートを製造する方法を提
供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、優れた新規触媒を見
い出し本発明に達した。すなわち、芳香族モノヒドロキ
シ化合物とジ脂肪族カーボネートまたは脂肪族・芳香族
カーボネートとから、装置材質の制約がなく、高い反応
速度で効率よくジ芳香族カーボネートの製造が可能な新
規触媒系を見い出し、本発明を完成したものである。
【0017】かくして、本発明によれば、芳香族モノヒ
ドロキシ化合物とジ芳香族カーボネートまたは脂肪族・
芳香族カーボネートを反応させ、ジ芳香族カーボネート
および/または脂肪族・芳香族カーボネートを製造する
方法において、触媒として鉄と3A族金属、好ましくは
La、NdおよびSmの中から選ばれた少なくとも1種
との複合酸化物を使用することを特徴とする方法が提供
される。
【0018】さらに、本発明によれば、上記反応におい
ての中間生成物である脂肪族・芳香族カーボネート、ま
たは脂肪族・芳香族カーボネートとジ芳香族カーボネー
トとの混合物を、上記触媒のもとに加熱することによっ
てジ芳香族カーボネートを製造する方法が提供される。
【0019】また、本発明は、芳香族モノヒドロキシ化
合物とジ脂肪族カーボネートを反応させ脂肪族・芳香族
カーボネートを製造する場合において、上記触媒を使用
する方法も包含する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明において、一方の原料とし
て用いられるジ芳香族カーボネートは、下記式[1]
【0021】
【化3】
【0022】で表わされる化合物である。上記式[1]
中、R1 、R2 は、互いに同一もしくは相異なる、1価
の脂肪族炭化水素基である。具体的には、炭素数が1か
ら12までの線状または分岐状のアルキル基あるいはシ
クロアルキル基であり、アルキル基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、イソブチル基、tert―ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基あるいはオクチル基などが挙げられ、シ
クロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブ
チル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙
げられる。
【0023】上記式[1]で表わされる具体的なジ脂肪
族カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート、ジイソプロピルカーネート、ジシク
ロヘキシルカーボネートなどのジアルキルカーボネート
が挙げられるが、中でもジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネートが好ましく、特にジメチルカーボネート
が最も好ましい。これらは単独でも2種以上の混合物で
も使用できる。
【0024】一方、本発明における他の原料である芳香
族モノヒドロキシ化合物は、下記式[2]で表されるも
のである。
【0025】Ar1 OH [2] 上記式[2]中、Ar1 は1価の芳香族基を示し、具体
的には置換または未置換のフェニル基、ナフタレン基、
アントラセン基などである。
【0026】かかる芳香族モノヒドロキシ化合物の具体
例としては、フェノール、2―クレゾール、3―クレゾ
ール、4―クレゾール、2,4―ジメチルフェノール、
2,6―ジメチルフェノール、3,4―ジメチルフェノ
ール、2―エチルフェノール、3―エチルフェノール、
4―エチルフェノール、2,4,6―トリメチルフェノ
ール、2,4,6―トリイソプロピルフェノール、2―
クロロフェノール、3―クロロフェノール、4―クロロ
フェノール、2―ブロモフェノール、3―ブロモフェノ
ール、4―ブロモフェノール、2―メトキシフェノー
ル、3―メトキシフェノール、4―メトキシフェノー
ル、2―ニトロフェノール、3―ニトロフェノール、4
―ニトロフェノール、α―ナフトール、β―ナフトール
などを挙げることができ、これらは混合物で用いること
もできる。これらの中ではフェノールが最も好ましい。
【0027】本発明において生成物中に含まれ、かつジ
脂肪族カーボネートと共にまたは単独でジ芳香族カーボ
ネート生成のために用いられる脂肪族・芳香族カーボネ
ートは、下記式[3]
【0028】
【化4】
【0029】(上記式[3]中、R1 およびAr1 は、
上記式[1]および[2]と同じ)で表される化合物で
あり、具体的には、例えば、メチルフェニルカーボネー
ト、エチルフェニルカーボネート、イソプロピルフェニ
ルカーボネート、メチルトリルカーボネートなどであ
る。
【0030】すなわち、この化合物は、通常、上記式
[1]の化合物と上記式[2]の化合物との反応によっ
て生成され、最終目的物であるジ芳香族カーボネートの
中間原料とも言える化合物である。
【0031】本発明における最終生成物は、下記式
[4]
【0032】
【化5】
【0033】(上記式[4]中、Ar1 、Ar2 は互い
に同一または相異なり、上記式[2]と同じ)で表わさ
れるジ芳香族カーボネートである。具体的には、例えば
ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ジ―
p―クロルフェニルカーボネートなどである。
【0034】本発明では、触媒として、鉄(Fe)と周
期表第A族(旧第 IIIB族)の金属いわゆる希土類元素
の中から選ばれた少なくとも1種とからなる複合酸化物
を使用する。これら複合酸化物は下記式[5]で示され
る。
【0035】FeLnx y [5] (上記式[5]中、Lnは3A族金属元素を表す。xは
複合酸化物中に含まれる3A族金属原子の鉄原子に対す
る原子比を示し、yは複合酸化物中に含まれる酸素原子
の鉄原子に対する原子比を示す)
【0036】この複合酸化物に鉄と共に用いられる3A
族金属の具体例としては、Y、Sc、La、Ce、P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Luを挙げることができる。これら3
A族金属の中ではイットリウム(Y)、ランタン(L
a)、ネオヂウム(Nd)、サマリウム(Sm)あるい
はこれらを含む混合物が、鉄との混合酸化物として用い
た場合、反応活性も高く副反応も少なく、また賦存量も
多く工業的に利用しやすいため、特に好ましい。
【0037】用いられる複合酸化物中の鉄元素と3A族
金属元素との原子比は任意の値を取ることが出来るが、
鉄単独の酸化物では触媒としての活性は殆ど示さないた
め、鉄原子1に対して3A族金属原子の比が0.01以
上好ましくは0.05以上である。
【0038】本発明で用いられる鉄と、上記3A族金属
との複合酸化物触媒は、通常用いられる複合酸化物の調
製法を用いて調整することが出来る。例えば「共沈法」
と言われる方法で、鉄の硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の水
可溶性の酸性塩類と、ランタノイド金属等の3A族金属
の硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の水可溶性塩類の均一混合
水溶液をアルカリで中和し、水酸化物あるいは炭酸塩と
して共沈せしめた後、空気中で焼成する方法がある。そ
のほか鉄と3A族金属との硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、酢
酸塩、有機酸塩、炭酸塩、水酸化物等の出来るだけ均一
な混合物を空気中で焼成する方法などが用いられる。
【0039】本発明に用いる触媒の複合酸化物は、液相
または気相の不均一触媒として用いるため、多孔質で比
表面積の大きなものが高い触媒活性が得られるので好ま
しい。触媒の比表面積としては少なくとも5m2 /g以
上は必要である。
【0040】用いる複合酸化物触媒の形状としては、固
体粉末のままでも用いることができるが、反応時の通液
性や反応後の触媒の分離性を考慮して、顆粒状もしくは
ペレット状に成形して用いることができる。
【0041】本発明で使用する新規な複合酸化物触媒を
調製するにあたって、必要に応じて適当なバインダーま
たは担体を用いることができる。バインダーとしては、
不均一系触媒全体としての機械的強度を増強させるも
の、具体的には、シリカゾル、アルミナゾルなど触媒性
能を妨げない程度用いることができる。担体はその表面
に触媒酸化物を分散させて触媒反応の効率向上と反応後
の触媒成分と反応生成物との分離性を良くする目的で用
いられる。その具体例としては、シリカ、アルミナ、シ
リカアルミナ、チタニア、ジルコニア、チタニア―ジル
コニア、シリカ―チタニア、シリカ―ジルコニア、アル
ミナ―チタニア、アルミナ―ジルコニアなどの無機担体
や、ケイソウ土、カオリナイト、モンモリロナイト、タ
ルクなどの粘土鉱物などが挙げられる。
【0042】上記複合酸化物触媒は、一般に触媒量の使
用で、芳香族モノヒドロキシ化合物とジ芳香族カーボネ
ートあるいは脂肪族・芳香族カーボネトーとの反応およ
び脂肪族・芳香族カーボネートの不均化反応に用いるこ
とにより、目的とするジ芳香族カーボネートを得ること
ができる。
【0043】反応温度は、一般に100〜350℃、好
ましくは120〜300℃である。この温度範囲より低
い場合は反応速度が十分でなく、またこの温度範囲を越
えると分解等の副反応を伴うことがあるので好ましくな
い。
【0044】この反応は、すでに述べた如く反応の平衡
が原料系側に偏っているため、生成物のうち一般に低沸
点の成分であるアルコール(R1 OHまたはR2 OH)
を連続的に蒸留等の方法で除去しながら行うとよい。か
かる方法によって化学平衡では不利な反応を生成系の方
に促進させることができる。
【0045】一方、化学平衡は反応温度により支配され
るが、一般にはボルツマンの法則により平衡では生成系
に不利な反応も反応温度を高めることによって改善され
るので、この反応も副反応が許容される範囲でできるだ
け高温で行う方が好ましい結果を与える場合が多い。し
たがって、原料のジ脂肪族カーボネートとしてジメチル
カーボネートやジエチルカーボネートなどの沸点の低い
ものを用いた場合、反応系を幾分加圧にして比較的高い
反応温度を保つようにしてもよい。
【0046】また、反応生成物のアルコールは原料のジ
脂肪族カーボネートと共沸混合物を形成し、そのためア
ルコールを蒸留で除去しながら反応を行う場合、原料の
ジ脂肪族カーボネートの随伴を伴う。そのため、溜出物
から抽出などの別の手段によりアルコールとジ脂肪族カ
ーボネートを分離して後者を反応系に戻す方法が採られ
るが、反応を加圧系で行って共沸組成をよりアルコール
側に導いてジ脂肪族カーボネートの随伴量を抑える方法
や、反応系にアルコールと共沸を起こさせる溶剤(ヘキ
サン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水
素、ベンゼンなどの芳香族炭化水素あるいは低沸点のエ
ステル類、エーテル類など)を加えることによりアルコ
ールのみを効率的に連続除去する方法があり、生成系へ
の平衡反応をさらに促進させることもできる。
【0047】本発明においては、触媒が反応系に実質的
に溶解せず不均一系触媒となるので、反応後触媒を濾過
などの簡単な方法で分離し、そのまま再使用することが
容易に行うことができる。
【0048】かくして、本発明の方法によれば、ジ芳香
族カーボネートと脂肪族・芳香族カーボネートとが得ら
れるが、脂肪族・芳香族カーボネートは上記触媒存在下
で不均化反応を起こし、不均化反応で生成するジ脂肪族
カーボネート(低沸点)は系外に先に除外され、ジ芳香
族カーボネートが残るため、究極的に反応(不均化)終
了後は、ジ芳香族カーボネートだけになる。それを蒸留
などで単離すれば最終目的物のジ芳香族カーボネートを
得ることが出来る。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものでないことは
言うまでもない。
【0050】[実施例1]200mlフラスコに、フェ
ノール94g(1mol)および触媒として共沈法で調
製したNd/Fe(原子比)=1/2なる組成の複合酸
化物触媒(NdFe2 y 、ただしy=4.5(理論
値)を示す)3.15gを入れ、油浴の温度を200℃
以上に保ちつつ、7.5g/hrの速度でジメチルカー
ボネートを反応器内に供給した。次いで、フラスコに高
さ60cmの蒸留塔をつけ、塔上部より生成するメタノ
ールをジメチルカーボネートと共に溜去するようにして
計40gのジメチルカーボネートを反応させた。滴下終
了後さらに30分加熱反応せしめた後、ガスクロマトグ
ラフィーにより分析したところジフェニルカーボネート
(DPC)8.5gとメチルフェニルカーボネート(M
PC)9.3gが得られた。そして0.2gのアニソー
ル(AN)の生成が認められた。
【0051】[実施例2〜6、比較例1〜4]実施例1
において、触媒のみを表1上段に示す複合酸化物に代え
て同様の反応を行った。その結果を表1を示す。また、
比較例1〜比較例3として単独の酸化物触媒を使用した
場合を表1の下段に示す。なお、表中のDPC、MP
C、ANは実施例1と同義である。
【0052】
【表1】
【0053】[実施例7〜11]実施例1と同様にし
て、触媒のみを沈殿法で調製したNdとTiの種々の割
合の複合酸化物を用いて反応を行った。その結果を表2
に示すが、NdとFeの広い範囲の組成でこの複合酸化
物が高活性であることが明らかである。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】以上の如き本発明の方法によれば、芳香
族モノヒドロキシ化合物とジ脂肪族カーボネート(また
は脂肪族・芳香族カーボネート)とから高収率で効率良
く最終目的物であるジ芳香族カーボネートを製造するこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族モノヒドロキシ化合物とジ脂肪族
    カーボネートまたは脂肪族・芳香族カーボネートとを反
    応させてジ芳香族カーボネートおよび/または脂肪族・
    芳香族カーボネートとを製造する方法において、触媒と
    して、鉄と3A族金属の中から選ばれた少なくとも1種
    との複合酸化物を使用することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 芳香族モノヒドロキシ化合物とジ脂肪族
    カーボネートとを反応させて、脂肪族・芳香族カーボネ
    ートを製造する方法において、触媒として、鉄と3A族
    金属の中から選ばれた少なくとも1種との複合酸化物を
    使用することを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 前記反応を100〜350℃の温度条件
    下で行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 3A族金属として、Y,La,Ndおよ
    びSmから選ばれた少くとも1種を用いることを特徴と
    する請求項1、請求項2または請求項3の方法。
  5. 【請求項5】 芳香族ヒドロキシ化合物がフェノールで
    あることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 ジ脂肪族カーボネートがジメチルカーボ
    ネートまたはジエチルカーボネートであることを特徴と
    する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6記載の方法によって
    製造された脂肪族・芳香族カーボネートまたは脂肪族・
    芳香族カーボネートとジ芳香族カーボネートとの混合物
    を、さらに鉄と3A族金属の中から選ばれた少なくとも
    1種との複合酸化物の存在下に加熱して、ジ芳香族カー
    ボネートを得ることを特徴とするジ芳香族カーボネート
    の製造法。
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