JPH09239757A - 光学素子の成形装置及び成形方法 - Google Patents

光学素子の成形装置及び成形方法

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JPH09239757A
JPH09239757A JP5654696A JP5654696A JPH09239757A JP H09239757 A JPH09239757 A JP H09239757A JP 5654696 A JP5654696 A JP 5654696A JP 5654696 A JP5654696 A JP 5654696A JP H09239757 A JPH09239757 A JP H09239757A
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JP
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molding
optical element
stage
optical
optical material
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Application number
JP5654696A
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English (en)
Inventor
Atsushi Murata
淳 村田
Toshiaki Takano
利昭 高野
Shoji Nakamura
正二 中村
Masaaki Haruhara
正明 春原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂材料を用いて複数の光学素子を同時にプ
レス成形する際、光学材料の温度分布や温度不均一等に
よる光学素子の性能の劣化及び個々の光学素子の性能の
ばらつきを小さくする。 【解決手段】 一対の上型と下型とを含む複数の成形型
1にそれぞれ樹脂材料からなる光学材料を投入し、複数
の成形型1を1つの搬送トレイ50に載置し、成形ステ
ージ30bにて搬送トレイ50ごと所定の温度に加熱
し、加圧機構71により各成形型1ごとにを別個独立し
て加圧し、各成形型1の寸法誤差及び各光学材料の重量
のばらつきにかかわらず各光学材料を総変形量まで完全
に変形させる。また、得られた光学素子を同一の成形ス
テージ30bにて、単位時間当たり一定の温度の割合で
冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学素子のプレス成
形装置及び方法に関するものであり、特に樹脂材料を用
いて形状精度及び面精度に優れた光学素子を成形する装
置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、多数の光学素子を同時にプレ
ス成形する装置及び方法として、例えば特公平5−32
333号公報に記載されているものが知られている。そ
の構成を図8に示す。まず、光学素子の光学面を成形す
るための転写面を有する上型と下型からなる成形型25
0を複数用意し、各成形型250にそれぞれ光学材料を
投入する。次に、光学材料を含む複数の成形型250を
搬送トレイ260に載置し、所定の加熱工程240に移
送し、ヒータ270により所定の温度に加熱する。所定
の温度に加熱後、搬送トレイ260を所定の加圧工程2
41に移送し、各成形型の上型にそれぞれに独立的に加
圧部材243を介して所定の圧力を加え、光学材料に上
型と下型の転写面の形状を反転転写し、所定形状の光学
素子に成形する。その後、搬送トレイを所定の冷却工程
242に移送し、成形された光学素子及び成形型を所定
の温度に冷却する。このようにして、複数の光学素子が
同時に得られる。
【0003】上記従来の光学素子の成形装置及び成形方
法では、光学材料及び成形型の予備加熱工程、成形型の
加圧工程及び成形された光学素子及び成形型の冷却工程
がそれぞれ異なった場所で行われていたため、成形型は
光学材料又は光学素子と共に各工程間を搬送トレイによ
り搬送されていた。そのため、光学材料と共に成形型を
予備加熱工程から加圧工程へ搬送する間に、加熱された
成形型が冷却され、光学材料の上下面に温度分布が発生
する。また、成形された光学素子及び成形型を加圧工程
から冷却工程へ搬送する際にも、同様に成形された光学
素子の上下面に温度分布が発生する。
【0004】一般に、光学素子の材料(すなわち、光学
材料)としては、無機ガラス材料と樹脂材料が用いられ
る。無機ガラス材料のガラス転移点温度は一般に400
℃〜500℃であり、光学材料の温度が450℃〜55
0℃程度になるように予備加熱温度を設定する。そのた
めに、成形型の搬送に伴う熱放散により光学材料の温度
不均一が発生しても、その範囲はおおむね20℃以下で
あり、得られた光学素子の性能に大きな影響を与えるこ
とはない。
【0005】一方、樹脂材料のガラス転移点は一般に1
00℃〜150℃であり、光学材料の温度が150℃〜
200℃程度の範囲で加圧成形を行う。従って、光学材
料及び成形型の搬送に伴う熱放散により、樹脂材料に1
0℃〜15℃程度の温度分布が発生する。樹脂材料の線
膨張係数は、無機ガラス材料の線膨張係数に比べて5倍
程度大きいため、成形時の樹脂材料の温度が所定の温度
からずれていたり、また成形時に樹脂材料に温度分布が
発生していると、冷却後の光学素子の形状が所望の形状
から大きくずれてしまう。すなわち、無機ガラス材料に
よる光学素子のプレス成形の場合と異なり、樹脂材料に
よる光学素子のプレス成形の場合、成形時の温度のずれ
や、光学材料に生じた温度分布は得られた光学素子の性
能に大きな影響を及ぼすことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
光学素子の成形方法及び装置を用いて樹脂材料をプレス
成形する場合、得られた光学素子の光学特性が安定しな
いという問題点を有していた。また、加圧部材を介して
加圧するため、加圧工程中に温度制御ができず、特に上
型と下型との間に温度差ができる。そのため、得られた
光学素子の光学性能のばらつきが大きくなったり、また
安定しないという問題点を有していた。
【0007】本発明は、上記従来例の問題点を解決する
ためになされたものであり、線膨張係数の大きい樹脂材
料を用いて光学素子をプレス成形する場合に適する光学
素子の成形装置及び成形方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学素子の成形装置は、一対の上型と下型
をそれぞれ有する複数の成形型と、前記成形型を所定の
位置に保持する搬送トレイと、所定のステージに設けら
れ、前記搬送トレイに載置された成形型及びその内部に
投入された光学材料を所定の温度に加熱し及び冷却する
温度制御手段と、前記ステージに設けられ、前記上型を
介して前記所定の温度に達した前記光学材料を加圧する
加圧手段とを具備する。
【0009】上記構成において、前記温度制御手段は前
記ステージの底部に設けられた下ヒータブロックと、前
記ステージの上部に設けられ、エアシリンダにより垂直
方向に駆動される上ヒータブロックを含むことが好まし
い。
【0010】また、前記ステージは、前記搬送トレイを
複数個収納可能であり、前記上ヒータブロック及び下ヒ
ータブロックの少なくともいずれか一方は前記搬送トレ
イに対応して複数に分割されていることが好ましい。
【0011】上記構成において、前記加圧手段は、前記
ステージにおける前記搬送トレイに保持された前記複数
の成形型のそれぞれに対向するように設けられ、前記複
数の成形型を個別に加圧する独立した複数の加圧機構を
有することが好ましい。
【0012】また、前記加圧手段は、前記上ヒータブロ
ックを垂直下方に押し下げる前記エアシリンダ及び前記
上ヒータブロックの前記ステージにおける前記搬送トレ
イに保持された前記複数の成形型のそれぞれに対向する
位置に設けられた圧縮ばね及び加圧ピンを含む加圧機構
を具備することが好ましい。
【0013】また、前記加圧機構は、前記温度制御手段
により前記光学材料を前記所定の温度に加熱中、前記上
型を介して前記光学材料に徐々に圧力を印加し、前記光
学材料が前記所定の温度に達した後、前記エアシリンダ
により所定の圧力を瞬時に印加し、所定時間その圧力を
維持することが好ましい。
【0014】また、上記構成において、前記温度制御手
段は、前記所定の温度から単位時間当たり一定の温度の
割合で冷却可能であることが好ましい。
【0015】一方、本発明の光学素子の成形方法は、一
対の上型と下型を有する複数の成形型にそれぞれ樹脂材
料からなる光学材料を投入し、前記光学材料が投入され
た複数の成形型を同一のステージにおいて所定の温度に
加熱し、前記ステージにおいて前記第1の温度に加熱し
た前記成形型を加圧して前記上型及び下型の形状を前記
光学材料に反転転写し、前記ステージにおいて前記成形
型及び成形された光学素子を冷却する。
【0016】上記方法において、前記ステージにおい
て、前記成形型をそれぞれ独立した加圧手段により個別
に加圧することが好ましい。また、前記ステージにおい
て前記光学材料を前記所定の温度に加熱中、前記上型を
介して前記光学材料に徐々に加圧し、前記光学材料が前
記所定の温度に達した後、所定の圧力で瞬時に加圧し、
所定時間その圧力を維持することが好ましい。
【0017】また、前記ステージにおいて前記光学材料
を前記所定の温度に加熱中、前記上型を介して前記光学
材料を個々に独立して徐々に加圧し、前記光学材料が前
記所定の温度に達した後、所定の圧力で前記光学材料を
一斉に瞬時に加圧し、所定時間その圧力を維持すること
が好ましい。
【0018】また、上記方法において、前記所定の温度
に加熱され成形された光学素子を単位時間当たり一定に
温度の割合で冷却することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、本発明の光学素子の成形装置
及び成形方法の第1の実施形態について、図1から図6
を参照しながら説明する。図1は光学素子成形用の成形
型1の構成を示す分解斜視図であり、下型2、上型3及
び胴型4で構成されている。下型2及び上型3の間に投
入される光学材料5はアクリル樹脂等の樹脂材料からな
り、あらかじめ射出成形機等により略光学素子形状に成
形されている。アクリル樹脂のガラス転移点温度は約1
00℃である。図2は成形された光学素子6の形状を示
す斜視図である。
【0020】図3は本発明の光学素子の成形装置(以
下、成形装置と言う)の構成を示す正面断面図、図4は
その側面断面図、図5及び図6はそれぞれ異なった動作
状態を示す平面図である。本実施形態は、4個の成形型
1を1つの搬送トレイ50で保持し、3つの搬送トレイ
50に保持された合計12個の光学素子6を同時に成形
できるように構成した一例である。
【0021】各図に示すように、成形装置は筐体10
と、シャッター20と、搬送ステージ30a及び成形ス
テージ30bの2つの部分に区別されるステージ30
と、複数(例えば3つ)の搬送トレイ50と、搬送トレ
イ50を搬送ステージ30aから成形ステージ30bに
移動させるアーム21と、搬送トレイ50を成形ステー
ジ30bから搬送ステージ30aに移動させるアーム2
2と、成形ステージ30bの底部に設けられた下ヒータ
ブロック60と、下ヒータブロック60に対向するよう
に設けられた上ヒータブロック70と、上ヒータブロッ
ク70に固定された加圧機構71等で構成されている。
下ヒータブロック60及び上ヒータブロック70は、そ
れぞれヒータ及びクーラ(図示せず)を内蔵しており、
所定の温度(例えば、150℃)に昇温される。
【0022】まず、図5に示すように、ロボットアーム
(図示せず)により搬送ステージ30a上の各搬送トレ
イ50の所定の位置に成形型1を載置し、アーム21に
より順次搬送トレイ50を成形ステージ30bに移動さ
せる。次に、全ての搬送トレイ50を成形ステージ30
bに移動させると、図6に示すように、シャッター20
を閉じ、成形型1及びその内部の光学材料5の加熱を開
始する。
【0023】図4に示すように、加圧機構71には加圧
ピン72及び加圧用の圧縮ばね73等が内蔵され、圧縮
バネ73による加圧力は加圧ピン72及び各成形型1の
上型3を介して光学材料5に加えられる。加圧ピン72
は各々の成形型1に対応するように設けられており、各
成形型1は個別に加圧される。圧縮ばね73による加圧
力は、例えば最大で10kgfの力が発生できるように
設定してある。成形型1及び光学材料5が設定温度の1
50℃に光学材料が昇温するまでの間に、加圧機構71
の圧縮ばね73の加圧力によって徐々に光学材料5が変
形する。変形過程で上下型2,3の光学素子形状に加工
された転写面が光学材料に反転される。
【0024】第1の実施形態では、1つの搬送トレイ5
0に4個の成形型1を載置して同時に成形するように構
成したが、各々の成形型1には数μm程度の寸法誤差が
あり、また、投入した光学材料5にも5mg程度の重量
ばらつきがある。従って、昇温中の光学材料5の昇温速
度にも差がでるために、変形速度も一定ではない。しか
し、加圧ピン72及び圧縮ばね73は、それぞれの成形
型1に対応するように設けられているため、各成形型1
及びその内部の光学材料5にはそれぞれ個別に加圧力が
加えられる。従って、各成形型1において光学材料5の
変形が独立して行われ、最終的に各成形型1につき、完
全に型形状が転写された光学素子6が得られる。
【0025】なお、各成形型1及びその内部の光学材料
5の温度が150℃に到達した時点で、光学材料5の総
変形量の約90%を変形させるが、この際、高さ方向の
制御は上ヒータブロック70を上下に駆動しているエア
ーシリンダ(図示せず)を所定の位置で停止させること
により行う。残りの変形量は、圧縮バネ73の加圧力に
より行われる。
【0026】各成形型1内の光学材料5の変形が完了す
るまでに数秒から数十秒必要であるため、その間温度を
150℃に保持しておく。光学材料5の変形が完了によ
り、光学素子6が完成する。変形終了後、下ヒータブロ
ック60及び上ヒータブロック70のクーラを作動させ
て成形型1及びその内部の成形された光学素子6の温度
を徐々に下げる。第1の実施形態では、成形型1及び光
学素子6の温度が80℃に下がるまで、0.5℃/se
cの割合で冷却する。
【0027】冷却終了後、シャッター20を開け、アー
ム22により搬送トレイ50を搬送ステージ30aに順
次移送し、ロボットアームにより成形型1を分解工程に
移送し、成形型1を分解して図2に示す光学素子6を取
り出す。
【0028】光学材料としてアクリル材料を用い、前記
従来の方法及び上記本発明の方法によりそれぞれ光学素
子を実際に成形した。この時の各工程の成形温度と圧力
の条件を(表1)に示す。また、得られた各光学素子の
各5個のサンプルの透過波面収差の測定結果を(表2)
に例示する。(表2)から明らかなように、従来の方法
により成形した光学素子では、成形型の搬送による温度
分布の発生により、全体に光学性能はやや劣り、個々の
光学素子のばらつきも大きかった。一方、本発明の方法
による場合、成形型を移動させずに同一ステージで光学
素子を成形するので、従来例の方法による場合のような
成形型搬送中における温度分布は発生せず、得られた光
学素子の性能は良好であり、個々の光学素子のばらつき
も小さく安定していることがわかる。本発明の方法によ
り得られた光学素子12個の性能は、透過波面収差の平
均がRMS0.035λであった。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】なお、上記第1の実施形態では、3つの搬
送トレイ50の載置された12個の成形型1を同時に成
形する場合について説明したが、各搬送トレイ50ごと
に成形を開始する時間に差を設けても良い。また、1つ
の搬送トレイ50に4個の成形型1を載置したが、これ
に限定されるものでなく、任意の数の成形型1を成形が
可能である。また、搬送トレイ50の数も3つに限定さ
れるものでなく、任意の数が可能である。
【0032】(第2の実施形態)次に、本発明の光学素
子の成形装置及び成形方法の第2の実施形態について、
図7を参照しながら説明する。図7は第2の実施形態の
成形装置の構成を示す正面断面図である。なお、上記第
1の実施形態と同じ符号を付した部材は実質的に同一で
あるため、その説明を省略する。
【0033】図3に示す第1の実施形態と同様に、4個
の成形型1をそれぞれ3つ搬送トレイ50に載置し、合
計12個の光学素子6を同時に成形することができる装
置であり、上ヒータブロック170を一体化した点が異
なる。上ヒータブロック170内にはヒータ及びクーラ
(図示せず)が内蔵されており、温度制御が可能であ
る。各搬送トレイ50に対向するように上ヒータブロッ
ク170に固定された加圧機構71は、図4に示す第1
の実施形態と同じ構成であり、各成形型1をそれぞれ圧
縮ばね73により個別に加圧することができる。
【0034】次に、光学材料5として非晶質ポリオレフ
ィン樹脂を用い、上記第2の実施形態の成形装置により
光学素子を実際に成形した。非晶質ポリオレフィン樹脂
のガラス転移点温度は140℃であり、荷重たわみ温度
は123℃である。上下のヒータブロック60,170
の設定温度を200℃とした。光学材料5の温度が20
0℃に到達した数秒後に冷却工程を開始し、冷却スピー
ドを0.7℃/secとして120℃まで冷却した。上
記第1の実施形態と同様の方法で搬送トレイ50を成形
装置の外に移送し、成形型1を分解して光学素子6を取
り出した。成形して得られた12個の光学素子6の性能
は、透過波面収差の平均がRMS0.03λであり、良
好な結果であった。
【0035】上記第2の実施形態では光学材料5の総変
形量の約90%を行う上ヒータブロック170を一体化
したが、残りの光学材料5の総変形量の約10%を圧縮
ばね73の加圧力により加圧しているため、個々の成形
型1の寸法誤差や光学材料5の重量ばらつきがあって
も、個々の光学材料5を総変形量まで完全に変形させる
ことができる。従って、第1の実施形態と同様に良好な
性能を有する光学素子6が得られる。なお、上ヒータブ
ロック170を一体化することにより、上記第1の実施
形態の効果に加えて、成形装置を簡素化することが可能
となる。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学素子の成形
装置は、一対の上型と下型をそれぞれ有する複数の成形
型と、成形型を所定の位置に保持する搬送トレイと、所
定のステージに設けられ、搬送トレイに載置された成形
型及びその内部に投入された光学材料を所定の温度に加
熱し及び冷却する温度制御手段と、ステージに設けら
れ、上型を介して所定の温度に達した光学材料を加圧す
る加圧手段とを具備する。また、本発明の光学素子の成
形方法は、一対の上型と下型を有する複数の成形型にそ
れぞれ樹脂材料からなる光学材料を投入し、光学材料が
投入された複数の成形型を同一のステージにおいて所定
の第1の温度に加熱し、ステージにおいて第1の温度に
加熱した成形型を加圧して上型及び下型の形状を光学材
料に反転転写し、ステージにおいて成形型及び成形され
た光学素子を所定の第2の温度に冷却する。
【0037】すなわち、本発明の光学素子の成形装置及
び成形方法によれば、成形型を移動させることなく、同
一ステージで加熱、加圧及び冷却の各工程が行われるた
め、従来例のように成形型が各工程間を移動中に冷却さ
れ、光学材料に温度分布が生ずるという問題は発生しな
い。従って、線膨張係数の大きい樹脂材料を用いて光学
素子をプレス成形しても、成形時の樹脂材料の温度が所
定の温度からずれることはなく、また成形時に樹脂材料
に温度分布が生じないため、冷却後の光学素子の形状が
所望の形状から大きくずれることもない。その結果、得
られた光学素子の光学性能は安定し、また量産された個
々の光学素子の性能のばらつきも小さいと言う顕著な効
果が得られる。
【0038】温度制御手段として、ステージの底部に設
けられた下ヒータブロックと、ステージの上部に設けら
れ、エアシリンダにより垂直方向に駆動される上ヒータ
ブロックを含むことにより、搬送トレイのステージへの
出し入れが容易になると共に、搬送トレイに載置された
複数の成形型を短時間にかつ比較的均一に加熱すること
ができる。また、ステージに搬送トレイを複数個収納可
能とし、上ヒータブロック及び下ヒータブロックの少な
くともいずれか一方は搬送トレイに対応して複数に分割
することにより、少ないヒータの数で複数の成形型を短
時間にかつ比較的均一に加熱することができる。
【0039】また、加圧手段として、ステージにおける
搬送トレイに保持された複数の成形型のそれぞれに対向
するように設けられ、複数の成形型を個別に加圧する独
立した複数の加圧機構を設けることにより、各成形型の
寸法誤差や投入される光学材料の重量のばらつき等を吸
収することができ、各成形型の光学材料を総変形量まで
完全に成形し、加圧不足による成形不十分をなくすこと
ができる。
【0040】また、加圧手段として、上ヒータブロック
を垂直下方に押し下げるエアシリンダと上ヒータブロッ
クのステージにおける搬送トレイに保持された複数の成
形型のそれぞれに対向する位置に設けられた圧縮ばね及
び加圧ピンを含む加圧機構の2段階で加圧することによ
り、例えばエアシリンダにより光学材料の総変形量の約
90%を変形させ、別個独立した加圧機構により残りの
約10%を変形させることができる。その結果、例えば
上ヒータブロックを一体化し、1つのエアシリンダで多
数の成形型の上型を同時に加圧しても、個々の型の寸法
誤差や光学材料の重量のばらつきを加圧機構による加圧
で吸収することができる。その結果、各成形型の光学材
料を総変形量まで完全に成形し、加圧不足による成形不
十分をなくすことができる。
【0041】また、加圧機構により、温度制御手段によ
り光学材料を所定の温度に加熱中、上型を介して光学材
料に徐々に圧力を印加し、光学材料が所定の温度に達し
た後、エアシリンダにより所定の圧力を瞬時に印加し、
所定時間その圧力を維持することにより、光学材料を完
全に変形させることができ、加圧不足による成形不十分
をなくすことができる。また、温度制御手段により、所
定の温度から単位時間当たり一定の温度の割合で冷却す
ることにより、成形された光学素子を均一に冷却するこ
とができ、温度分布の発生による光学素子の性能のばら
つきを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子成形用の成形型の構成を示す
分解斜視図
【図2】成形された光学素子の形状を示す斜視図
【図3】本発明の光学素子の成形装置の第1の実施形態
の構成を示す正面断面図
【図4】図3に示す本発明の光学素子の成形装置の側面
断面図
【図5】図3に示す本発明の光学素子の成形装置の準備
工程における状態を示す平面図
【図6】図3に示す本発明の光学素子の成形装置の成形
工程における状態を示す平面図
【図7】本発明の光学素子の成形装置の第2の実施形態
の構成を示す正面断面図
【図8】従来の光学素子の成形装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 :成形型 2 :下型 3 :上型 4 :胴型 5 :光学材料 6 :光学素子 10 :筐体 20 :シャッター 21 :アーム 22 :アーム 30 :ステージ 30a:搬送ステージ 30b:成形ステージ 50 :搬送トレイ 60 :下ヒータブロック 70 :上ヒータブロック 71 :加圧機構 72 :加圧ピン 73 :圧縮バネ 170 :上ヒータブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春原 正明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の上型と下型をそれぞれ有する複数
    の成形型と、前記成形型を所定の位置に保持する搬送ト
    レイと、所定のステージに設けられ、前記搬送トレイに
    載置された成形型及びその内部に投入された光学材料を
    所定の温度に加熱し及び冷却する温度制御手段と、前記
    ステージに設けられ、前記上型を介して前記所定の温度
    に達した前記光学材料を加圧する加圧手段とを具備する
    光学素子の成形装置。
  2. 【請求項2】 前記温度制御手段は前記ステージの底部
    に設けられた下ヒータブロックと、前記ステージの上部
    に設けられ、エアシリンダにより垂直方向に駆動される
    上ヒータブロックを含む請求項1記載の光学素子の成形
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ステージは、前記搬送トレイを複数
    個収納可能であり、前記上ヒータブロック及び下ヒータ
    ブロックの少なくともいずれか一方は前記搬送トレイに
    対応して複数に分割されている請求項2記載の光学素子
    の成形装置。
  4. 【請求項4】 前記加圧手段は、前記ステージにおける
    前記搬送トレイに保持された前記複数の成形型のそれぞ
    れに対向するように設けられ、前記複数の成形型を個別
    に加圧する独立した複数の加圧機構を有する請求項1記
    載の光学素子の成形装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧手段は、前記上ヒータブロック
    を垂直下方に押し下げる前記エアシリンダ及び前記上ヒ
    ータブロックの前記ステージにおける前記搬送トレイに
    保持された前記複数の成形型のそれぞれに対向する位置
    に設けられた圧縮ばね及び加圧ピンを含む加圧機構を具
    備する請求項2又は3記載の光学素子の成形装置。
  6. 【請求項6】 前記加圧機構は、前記温度制御手段によ
    り前記光学材料を前記所定の温度に加熱中、前記上型を
    介して前記光学材料に徐々に圧力を印加し、前記光学材
    料が前記所定の温度に達した後、前記エアシリンダによ
    り所定の圧力を瞬時に印加し、所定時間その圧力を維持
    する請求項5記載の光学素子の成形装置。
  7. 【請求項7】 前記温度制御手段は、前記所定の温度か
    ら単位時間当たり一定の温度の割合で冷却可能である請
    求項1記載の光学素子の成形装置。
  8. 【請求項8】 一対の上型と下型を有する複数の成形型
    にそれぞれ樹脂材料からなる光学材料を投入し、前記光
    学材料が投入された複数の成形型を同一のステージにお
    いて所定の温度に加熱し、前記ステージにおいて前記所
    定の温度に加熱した前記成形型を加圧して前記上型及び
    下型の形状を前記光学材料に反転転写し、前記ステージ
    において前記成形型及び成形された光学素子を冷却する
    光学素子の成形方法。
  9. 【請求項9】 前記ステージにおいて、前記成形型をそ
    れぞれ独立した加圧手段により個別に加圧する請求項8
    記載の光学素子の成形方法。
  10. 【請求項10】 前記ステージにおいて前記光学材料を
    前記所定の温度に加熱中、前記上型を介して前記光学材
    料に徐々に加圧し、前記光学材料が前記所定の温度に達
    した後、所定の圧力で瞬時に加圧し、所定時間その圧力
    を維持する請求項9記載の光学素子の成形方法。
  11. 【請求項11】 前記ステージにおいて前記光学材料を
    前記所定の温度に加熱中、前記上型を介して前記光学材
    料を個々に独立して徐々に加圧し、前記光学材料が前記
    所定の温度に達した後、所定の圧力で前記光学材料を一
    斉に瞬時に加圧し、所定時間その圧力を維持する請求項
    9記載の光学素子の成形方法。
  12. 【請求項12】 前記所定の温度に加熱され成形された
    光学素子を単位時間当たり一定に温度の割合で冷却する
    請求項8から11のいずれかに記載の光学素子の成形方
    法。
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