JPH09239517A - 減圧吸引鋳造装置 - Google Patents
減圧吸引鋳造装置Info
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- JPH09239517A JPH09239517A JP8047091A JP4709196A JPH09239517A JP H09239517 A JPH09239517 A JP H09239517A JP 8047091 A JP8047091 A JP 8047091A JP 4709196 A JP4709196 A JP 4709196A JP H09239517 A JPH09239517 A JP H09239517A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複雑で薄肉の精密鋳物でも、溶湯の乱流を少
なくしてガスの巻き込みによるピンホール欠陥を防止
し、かつ溶湯の温度低下を少なくして製品キャビティ部
に充填して湯境いや不廻り欠陥を防止する。 【解決手段】 湯道の上端から耐火性のドームを垂下す
る鋳型を用いた減圧吸引鋳造装置において、鋳型の通気
度を、製品キャビティ部側を湯道およびゲート部近傍よ
り大きくし、更に必要に応じ、溶湯を低速に導入し、次
いで高速に溶湯を充填するように減圧度を制御する。
なくしてガスの巻き込みによるピンホール欠陥を防止
し、かつ溶湯の温度低下を少なくして製品キャビティ部
に充填して湯境いや不廻り欠陥を防止する。 【解決手段】 湯道の上端から耐火性のドームを垂下す
る鋳型を用いた減圧吸引鋳造装置において、鋳型の通気
度を、製品キャビティ部側を湯道およびゲート部近傍よ
り大きくし、更に必要に応じ、溶湯を低速に導入し、次
いで高速に溶湯を充填するように減圧度を制御する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は鋳物を製造するための減
圧吸引鋳造装置に関し、より詳しくはセラミック鋳型を
用いて精密な鋳物を健全に製造する減圧吸引鋳造装置に
関する。
圧吸引鋳造装置に関し、より詳しくはセラミック鋳型を
用いて精密な鋳物を健全に製造する減圧吸引鋳造装置に
関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、この種の減圧吸引鋳造装置として
は、図８に示すように、減圧装置（図示せず）につなが
る鋳型収納室５内に、複数に分岐されたゲート部１２を
介してその末端に製品キャビティ１４が形成され、各ゲ
ート部１２をその中心に縦方向に位置する湯道１１に連
通させた鋳型１を備えている。この湯道１１からは鋳型
収納室５の底部６から溶湯導入部８を突出させている。
鋳型収納室５の下方に位置させ溶湯４を加熱保温する保
持炉３内に溶湯導入部を浸漬しつつ、減圧装置を作動さ
せると、溶湯４は溶湯導入部８を経て鋳型１の製品キャ
ビティ１４内に充填される。そして、鋳型収納室５を上
昇させると、鋳型１内の溶湯４は外部から凝固しはじ
め、製品キャビティ１４内の溶湯４が凝固し、次にゲー
ト部１２の凝固が始まる。このゲート部１２が半ば凝固
した状態で減圧を停止させて、大気圧に戻すと湯道１１
の溶湯４が保持炉３内に落下し、湯道１１は空洞にな
る。そして、鋳型１を鋳型収納室５から取り出して、砂
落としを行い、ゲート部１２を取り除けば、鋳物製品と
なる。
は、図８に示すように、減圧装置（図示せず）につなが
る鋳型収納室５内に、複数に分岐されたゲート部１２を
介してその末端に製品キャビティ１４が形成され、各ゲ
ート部１２をその中心に縦方向に位置する湯道１１に連
通させた鋳型１を備えている。この湯道１１からは鋳型
収納室５の底部６から溶湯導入部８を突出させている。
鋳型収納室５の下方に位置させ溶湯４を加熱保温する保
持炉３内に溶湯導入部を浸漬しつつ、減圧装置を作動さ
せると、溶湯４は溶湯導入部８を経て鋳型１の製品キャ
ビティ１４内に充填される。そして、鋳型収納室５を上
昇させると、鋳型１内の溶湯４は外部から凝固しはじ
め、製品キャビティ１４内の溶湯４が凝固し、次にゲー
ト部１２の凝固が始まる。このゲート部１２が半ば凝固
した状態で減圧を停止させて、大気圧に戻すと湯道１１
の溶湯４が保持炉３内に落下し、湯道１１は空洞にな
る。そして、鋳型１を鋳型収納室５から取り出して、砂
落としを行い、ゲート部１２を取り除けば、鋳物製品と
なる。
【０００３】そして、実公平３−７０６６号公報には、
図９に示すように、複数箇所に分岐した各ゲート部１２
に各ゲート部１２を連通する連結路１５を設けることに
より、ゲート部１２箇所と製品キャビティ１４箇所の鋳
物を分離し易くして、仕上作業を省く吸引鋳造鋳型構造
の開示がある。
図９に示すように、複数箇所に分岐した各ゲート部１２
に各ゲート部１２を連通する連結路１５を設けることに
より、ゲート部１２箇所と製品キャビティ１４箇所の鋳
物を分離し易くして、仕上作業を省く吸引鋳造鋳型構造
の開示がある。
【０００４】更に、特開平３−２７８６２号公報には、
図１０に示すような、湯道１１より放射状にゲート部１
２３を複数分岐し、このゲート部１２から製品キャビテ
ィ１４につなげると共に、前記湯道１１の上端から耐火
性のドーム１３を垂下する減圧吸引鋳造用鋳型１ａを用
いることにより、湯道を満たす溶湯の量を少なくして、
吸上力も少なくし、鋳込み時間を短縮して、生産性を向
上させようとする開示がある。
図１０に示すような、湯道１１より放射状にゲート部１
２３を複数分岐し、このゲート部１２から製品キャビテ
ィ１４につなげると共に、前記湯道１１の上端から耐火
性のドーム１３を垂下する減圧吸引鋳造用鋳型１ａを用
いることにより、湯道を満たす溶湯の量を少なくして、
吸上力も少なくし、鋳込み時間を短縮して、生産性を向
上させようとする開示がある。
【０００５】また、特公平６−８５９９０号公報には、
湯道上端部の減圧度を、鋳型収納室内の減圧度より高く
して溶湯を充填することにより、鋳型の破損および溶湯
の鋳型壁浸透の可能性を低減して、優れた仕上げおよび
寸法精度の鋳物にする減圧吸引鋳造装置の開示がある。
湯道上端部の減圧度を、鋳型収納室内の減圧度より高く
して溶湯を充填することにより、鋳型の破損および溶湯
の鋳型壁浸透の可能性を低減して、優れた仕上げおよび
寸法精度の鋳物にする減圧吸引鋳造装置の開示がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】例えば図７に示すドッ
トプリンタ用コアなど複雑かつ薄肉の鋳物を精密鋳造す
るには、鋳型としてセラミックス鋳型を使用するが、鋳
鋼は湯流れ性が悪く、しばしば製品キャビティの末端ま
で溶湯が充填されず、結果として不廻りや湯境いなどの
鋳造欠陥が発生することがある。上記従来の実公平３−
７０６６号公報、特開平３−２７８６２号公報、または
特公平６−８５９９０号公報に開示する減圧吸引鋳造装
置においても、用いる鋳型の通気度が、湯道またはその
近傍と製品キャビティで違いが無く、湯道および製品キ
ャビティには同じような吸引力が働いている。従って、
湯道と製品キャビティに吸引力の指向性が無く、製品キ
ャビティの微細な部分で不廻りが生じるおそれがある。
また、上記従来の実公平３−７０６６号公報、特開平３
−２７８６２号公報、または特公平６−８５９９０号公
報に開示する減圧吸引鋳造装置においては、溶湯が充填
されるに従って減圧度を制御する開示がなく、前記の不
廻りや湯境いを無くそうとして急激に減圧吸引すると、
溶湯が乱れてガスを巻き込み、その結果、鋳物のピンホ
ールなどの鋳造欠陥が発生するおそれがある。
トプリンタ用コアなど複雑かつ薄肉の鋳物を精密鋳造す
るには、鋳型としてセラミックス鋳型を使用するが、鋳
鋼は湯流れ性が悪く、しばしば製品キャビティの末端ま
で溶湯が充填されず、結果として不廻りや湯境いなどの
鋳造欠陥が発生することがある。上記従来の実公平３−
７０６６号公報、特開平３−２７８６２号公報、または
特公平６−８５９９０号公報に開示する減圧吸引鋳造装
置においても、用いる鋳型の通気度が、湯道またはその
近傍と製品キャビティで違いが無く、湯道および製品キ
ャビティには同じような吸引力が働いている。従って、
湯道と製品キャビティに吸引力の指向性が無く、製品キ
ャビティの微細な部分で不廻りが生じるおそれがある。
また、上記従来の実公平３−７０６６号公報、特開平３
−２７８６２号公報、または特公平６−８５９９０号公
報に開示する減圧吸引鋳造装置においては、溶湯が充填
されるに従って減圧度を制御する開示がなく、前記の不
廻りや湯境いを無くそうとして急激に減圧吸引すると、
溶湯が乱れてガスを巻き込み、その結果、鋳物のピンホ
ールなどの鋳造欠陥が発生するおそれがある。
【０００７】本発明者等は、鋳鋼など湯流れ性の悪い材
料でも、鋳型各部の通気度を制御することにより、溶湯
を製品キャビティに積極的に指向性をもたせて充填でき
ること、更に溶湯を吸引する減圧度を、保持炉より溶湯
導入部乃至湯道近傍までと、溶湯導入部乃至湯道近傍よ
り製品キャビティまで溶湯が充填される迄に分けて制御
することにより、複雑で薄肉の鋳鋼材からなる鋳物で
も、溶湯の乱流を少なくしてガスの巻き込みによるピン
ホール欠陥を防止し、かつ溶湯の温度低下を少なくして
製品キャビティ部に充填して湯境いや不廻り欠陥を防止
できることを見いだし、本発明に想到した。
料でも、鋳型各部の通気度を制御することにより、溶湯
を製品キャビティに積極的に指向性をもたせて充填でき
ること、更に溶湯を吸引する減圧度を、保持炉より溶湯
導入部乃至湯道近傍までと、溶湯導入部乃至湯道近傍よ
り製品キャビティまで溶湯が充填される迄に分けて制御
することにより、複雑で薄肉の鋳鋼材からなる鋳物で
も、溶湯の乱流を少なくしてガスの巻き込みによるピン
ホール欠陥を防止し、かつ溶湯の温度低下を少なくして
製品キャビティ部に充填して湯境いや不廻り欠陥を防止
できることを見いだし、本発明に想到した。
【０００８】
【課題を解決するための手段】即ち、底部に開口部を有
する鋳型収納室と、前記開口部に突出して設ける溶湯導
入部と、前記鋳型収納室に収納され、前記溶湯導入部に
湯道を接続し、この湯道より放射状にゲート部を複数分
岐し、このゲート部から製品キャビティにつなげると共
に、前記湯道の上端から耐火性のドームを垂下する鋳型
と、前記鋳型収納室を減圧制御する減圧装置とからな
り、前記減圧装置の減圧度を制御して保持炉内溶湯を前
記溶湯導入部より前記製品キャビティ内に導入する減圧
吸引鋳造装置であって、第１発明の減圧吸引鋳造装置
は、前記鋳型の通気度は、前記製品キャビティ部側が、
前記湯道およびゲート部近傍より大きくしていることを
特徴とする。
する鋳型収納室と、前記開口部に突出して設ける溶湯導
入部と、前記鋳型収納室に収納され、前記溶湯導入部に
湯道を接続し、この湯道より放射状にゲート部を複数分
岐し、このゲート部から製品キャビティにつなげると共
に、前記湯道の上端から耐火性のドームを垂下する鋳型
と、前記鋳型収納室を減圧制御する減圧装置とからな
り、前記減圧装置の減圧度を制御して保持炉内溶湯を前
記溶湯導入部より前記製品キャビティ内に導入する減圧
吸引鋳造装置であって、第１発明の減圧吸引鋳造装置
は、前記鋳型の通気度は、前記製品キャビティ部側が、
前記湯道およびゲート部近傍より大きくしていることを
特徴とする。
【０００９】また、第２発明の減圧吸引鋳造装置は、減
圧装置が、溶湯を保持炉より溶湯導入部乃至湯道近傍ま
で低速に導入させ、次いで溶湯を前記溶湯導入口乃至湯
道近傍より製品キャビティまで、前記溶湯導入部乃至湯
道近傍までより高速に溶湯を充填させるよう、減圧度を
制御するように設定されていることを特徴とする。
圧装置が、溶湯を保持炉より溶湯導入部乃至湯道近傍ま
で低速に導入させ、次いで溶湯を前記溶湯導入口乃至湯
道近傍より製品キャビティまで、前記溶湯導入部乃至湯
道近傍までより高速に溶湯を充填させるよう、減圧度を
制御するように設定されていることを特徴とする。
【００１０】更に、第３発明の減圧吸引鋳造装置は、鋳
型の通気度が、製品キャビティ部側が、前記湯道および
ゲート部近傍より大きくすると共に、前記減圧装置は、
溶湯を保持炉より溶湯導入部乃至湯道近傍まで低速に導
入させ、次いで溶湯を前記溶湯導入口乃至湯道近傍より
製品キャビティまで、前記溶湯導入部乃至湯道近傍まで
より高速に溶湯を充填させるよう、減圧度を制御するよ
うに設定されていることを特徴とする。
型の通気度が、製品キャビティ部側が、前記湯道および
ゲート部近傍より大きくすると共に、前記減圧装置は、
溶湯を保持炉より溶湯導入部乃至湯道近傍まで低速に導
入させ、次いで溶湯を前記溶湯導入口乃至湯道近傍より
製品キャビティまで、前記溶湯導入部乃至湯道近傍まで
より高速に溶湯を充填させるよう、減圧度を制御するよ
うに設定されていることを特徴とする。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
乃至図６により説明する。図１は本発明の実施の形態の
一つを示す減圧吸引鋳造装置の断面図であり、図２乃至
図５は図１で（Ａ）として抜き出した湯道、ゲート部、
および製品キャビティの各要部断面図であり、図６は時
間−設定減圧度の関係を示す減圧制御線図である。先
ず、図１において、鋳型収納室５には底部６に開口部１
７を設け、この開口部１７には溶湯導入部８を突出して
設けている。また、鋳型収納室５にはセラミックスを含
み１０００℃程度まで予熱した後に収納する鋳型１を収
納している。溶湯導入部８には鋳型１の湯道１１を接続
し、この湯道１１より放射状にゲート部１２を複数分岐
し、このゲート部１２から製品キャビティ１４につな
げ、湯道１１の上端からは耐火性のドーム１３を溶湯導
入部の直上まで垂下している。更に、鋳型収納室５には
減圧口７を介して減圧制御する減圧装置１６を接続して
いる。この減圧装置１６によって、保持炉３内の溶湯４
を、溶湯導入部８から製品キャビティ１４内に導入する
ものである。本発明においては、鋳型１の通気度が、製
品キャビティ１４側を、湯道１１およびゲート部１２近
傍より大きくしており、例えば図２に示す湯道１１の外
壁に耐火製の塗型１０を塗布することにより達成するこ
とができる。
乃至図６により説明する。図１は本発明の実施の形態の
一つを示す減圧吸引鋳造装置の断面図であり、図２乃至
図５は図１で（Ａ）として抜き出した湯道、ゲート部、
および製品キャビティの各要部断面図であり、図６は時
間−設定減圧度の関係を示す減圧制御線図である。先
ず、図１において、鋳型収納室５には底部６に開口部１
７を設け、この開口部１７には溶湯導入部８を突出して
設けている。また、鋳型収納室５にはセラミックスを含
み１０００℃程度まで予熱した後に収納する鋳型１を収
納している。溶湯導入部８には鋳型１の湯道１１を接続
し、この湯道１１より放射状にゲート部１２を複数分岐
し、このゲート部１２から製品キャビティ１４につな
げ、湯道１１の上端からは耐火性のドーム１３を溶湯導
入部の直上まで垂下している。更に、鋳型収納室５には
減圧口７を介して減圧制御する減圧装置１６を接続して
いる。この減圧装置１６によって、保持炉３内の溶湯４
を、溶湯導入部８から製品キャビティ１４内に導入する
ものである。本発明においては、鋳型１の通気度が、製
品キャビティ１４側を、湯道１１およびゲート部１２近
傍より大きくしており、例えば図２に示す湯道１１の外
壁に耐火製の塗型１０を塗布することにより達成するこ
とができる。
【００１２】鋳型１の通気度を、湯道１１およびゲート
１２部近傍より製品キャビティ１４側を大きくして減圧
すると、減圧度が、湯道１１内およびゲート部１２内よ
り減圧容器５内の減圧空間２の方が大きくなり、吸引さ
れた溶湯４は通気度の大きい製品キャビティ１４に指向
性をもって充填される。鋳型１の通気度を、湯道１１お
よびゲート部１２近傍より製品キャビティ１４側を大き
くするには、上述する図２のほか、鋳物形状により、図
３の湯道１１の外壁とゲート部１２から製品キャビティ
１４の一部にかけて耐火製の塗型１０を塗布しても、図
４の湯道１１の内壁に耐火製の塗型１０を塗布しても、
図５の湯道１１の内壁にゲート部と合うように開孔を設
けた耐火製スリーブ１０ａを形成する手段によっても達
成できる。
１２部近傍より製品キャビティ１４側を大きくして減圧
すると、減圧度が、湯道１１内およびゲート部１２内よ
り減圧容器５内の減圧空間２の方が大きくなり、吸引さ
れた溶湯４は通気度の大きい製品キャビティ１４に指向
性をもって充填される。鋳型１の通気度を、湯道１１お
よびゲート部１２近傍より製品キャビティ１４側を大き
くするには、上述する図２のほか、鋳物形状により、図
３の湯道１１の外壁とゲート部１２から製品キャビティ
１４の一部にかけて耐火製の塗型１０を塗布しても、図
４の湯道１１の内壁に耐火製の塗型１０を塗布しても、
図５の湯道１１の内壁にゲート部と合うように開孔を設
けた耐火製スリーブ１０ａを形成する手段によっても達
成できる。
【００１３】鋳型１の鋳型収納室５への収納は、先ず底
部６の開口部１７に溶湯導入部８を気密部材を介して取
り付ける。次ぎに溶湯導入部８上にドーム１３を上端に
取り付けたシュル鋳型９を載置する。そして鋳型収納室
５を被せ、上部から空気圧による加圧手段（図示せず）
により、鋳型１および溶湯導入部８を底部６に押し付け
て鋳型収納室５の気密性を確保する。
部６の開口部１７に溶湯導入部８を気密部材を介して取
り付ける。次ぎに溶湯導入部８上にドーム１３を上端に
取り付けたシュル鋳型９を載置する。そして鋳型収納室
５を被せ、上部から空気圧による加圧手段（図示せず）
により、鋳型１および溶湯導入部８を底部６に押し付け
て鋳型収納室５の気密性を確保する。
【００１４】以上の準備が整った状態から、鋳型収納室
５を下降して、保持炉３内に溶湯導入部８を挿入する。
同時に、減圧装置１６を作動させて、減圧口７より鋳型
１の湯道１１および製品キャビティ１４内に溶湯が充填
するのに十分な減圧を行う。この減圧制御は、図６に示
す時間−減圧度の圧力制御線図による。即ち、図６の
（ａ）〜（ｂ）は、溶湯４が保持炉３から溶湯導入部８
乃至湯道１１近傍まで導入される区間であり、減圧装置
１６の減圧度制御により低速に導入されている。次いで
（ｂ）〜（ｃ）は、溶湯４が溶湯導入部８近傍乃至湯道
１１から製品キャビティ１４に充填される区間であり、
減圧装置の減圧度制御により（ａ）〜（ｂ）より高速に
溶湯を充填させている。
５を下降して、保持炉３内に溶湯導入部８を挿入する。
同時に、減圧装置１６を作動させて、減圧口７より鋳型
１の湯道１１および製品キャビティ１４内に溶湯が充填
するのに十分な減圧を行う。この減圧制御は、図６に示
す時間−減圧度の圧力制御線図による。即ち、図６の
（ａ）〜（ｂ）は、溶湯４が保持炉３から溶湯導入部８
乃至湯道１１近傍まで導入される区間であり、減圧装置
１６の減圧度制御により低速に導入されている。次いで
（ｂ）〜（ｃ）は、溶湯４が溶湯導入部８近傍乃至湯道
１１から製品キャビティ１４に充填される区間であり、
減圧装置の減圧度制御により（ａ）〜（ｂ）より高速に
溶湯を充填させている。
【００１５】減圧により吸引された溶湯４は、シェル鋳
型９の内筒とドーム１３間の湯道１１を経てゲート部１
２を通過し、製品キャビティ１４に流れ込む。その際、
鋳型１は製品キャビティ１４側を湯道１１およびゲート
部１２付近より通気度を大きくしているため、強力な吸
引力が製品キャビティ１４に指向性をもって作用する。
従って、製品キャビティ１４の細かな部分まで溶湯が充
填する。製品キャビティ１４およびゲート部１２に充填
した溶湯が冷却するまで減圧を保持し、その後減圧を解
除して凝固の進んでいない湯道１１中央部の溶湯４を保
持炉３に戻す。鋳造が終わったら、鋳型収納室５を上昇
させ、鋳型収納室５を別の場所に移して、内部に鋳物を
持つ鋳型１を崩壊する。以上の繰り返しにより複雑薄肉
の精密鋳物が高品質で得られる。
型９の内筒とドーム１３間の湯道１１を経てゲート部１
２を通過し、製品キャビティ１４に流れ込む。その際、
鋳型１は製品キャビティ１４側を湯道１１およびゲート
部１２付近より通気度を大きくしているため、強力な吸
引力が製品キャビティ１４に指向性をもって作用する。
従って、製品キャビティ１４の細かな部分まで溶湯が充
填する。製品キャビティ１４およびゲート部１２に充填
した溶湯が冷却するまで減圧を保持し、その後減圧を解
除して凝固の進んでいない湯道１１中央部の溶湯４を保
持炉３に戻す。鋳造が終わったら、鋳型収納室５を上昇
させ、鋳型収納室５を別の場所に移して、内部に鋳物を
持つ鋳型１を崩壊する。以上の繰り返しにより複雑薄肉
の精密鋳物が高品質で得られる。
【００１６】
【実施例】図７に示すドットプリンタ用コア２０を、図
１の減圧吸引鋳造装置により鋳造する。鋳造して得られ
るドットプリンタ用コア２０は、主要成分として、重量
％でＣ：０．０３％以下、Ｓｉ：２．７０〜３．２０
％、残部実質的にＦｅおよび不可避不純物からなり、外
径３３ｍｍ、内径１５ｍｍ、高さ１２ｍｍ、厚さ（ｔ1
）２ｍｍ、厚さ（ｔ2 ）３．５ｍｍ、厚さ（ｔ3 ）１
ｍｍである。先ず、１回の鋳造で９０個得られる鋳型１
として、セラミックスを含みドットプリンタ用コア２０
の製品キャビティ１４、湯道１１、ゲート部１２を持
ち、湯道１１およびゲート部１２周囲に塗型１０を施
し、製品キャビティ１４に塗型を施さずに形成し、１０
００℃程度まで予熱する。鋳型１の外観見取図を図１１
に示す。図１１に示す鋳型１で、１１は湯道、１２はゲ
ート部、１３はドーム、１４は製品キャビティである。
この鋳型１を、底部６に突出する溶湯導入部８上に載置
した後、鋳型収納室５を被せ、かつ気密性を確保する。
次に、鋳型収納室５を下降させて、保持炉４内の１６５
０℃に保持された溶湯３に浸漬すると共に、減圧装置に
より減圧する。
１の減圧吸引鋳造装置により鋳造する。鋳造して得られ
るドットプリンタ用コア２０は、主要成分として、重量
％でＣ：０．０３％以下、Ｓｉ：２．７０〜３．２０
％、残部実質的にＦｅおよび不可避不純物からなり、外
径３３ｍｍ、内径１５ｍｍ、高さ１２ｍｍ、厚さ（ｔ1
）２ｍｍ、厚さ（ｔ2 ）３．５ｍｍ、厚さ（ｔ3 ）１
ｍｍである。先ず、１回の鋳造で９０個得られる鋳型１
として、セラミックスを含みドットプリンタ用コア２０
の製品キャビティ１４、湯道１１、ゲート部１２を持
ち、湯道１１およびゲート部１２周囲に塗型１０を施
し、製品キャビティ１４に塗型を施さずに形成し、１０
００℃程度まで予熱する。鋳型１の外観見取図を図１１
に示す。図１１に示す鋳型１で、１１は湯道、１２はゲ
ート部、１３はドーム、１４は製品キャビティである。
この鋳型１を、底部６に突出する溶湯導入部８上に載置
した後、鋳型収納室５を被せ、かつ気密性を確保する。
次に、鋳型収納室５を下降させて、保持炉４内の１６５
０℃に保持された溶湯３に浸漬すると共に、減圧装置に
より減圧する。
【００１７】減圧度は、図６に示すとおり、（ａ）〜
（ｂ）の１ｓｅｃ間は、設定減圧度が０〜−４００ｍｍ
Ｈｇになるまで４ｓｅｃとして溶湯を低速に導入させ、
次いで（ｂ）〜（ｃ）の１．５ｓｅｃ間は、設定減圧度
が０〜−４００ｍｍＨｇになるまで２ｓｅｃとして溶湯
を高速に充填するように減圧度を設定している。鋳造後
のドットプリンタ用コア２０には、ガスの巻き込みによ
るピンホール欠陥は無く、また湯境いや不廻り欠陥もな
い。
（ｂ）の１ｓｅｃ間は、設定減圧度が０〜−４００ｍｍ
Ｈｇになるまで４ｓｅｃとして溶湯を低速に導入させ、
次いで（ｂ）〜（ｃ）の１．５ｓｅｃ間は、設定減圧度
が０〜−４００ｍｍＨｇになるまで２ｓｅｃとして溶湯
を高速に充填するように減圧度を設定している。鋳造後
のドットプリンタ用コア２０には、ガスの巻き込みによ
るピンホール欠陥は無く、また湯境いや不廻り欠陥もな
い。
【００１８】比較のため、減圧度を図６の点線で示すよ
うな、（ａ）〜（ｄ）の０．５ｓｅｃ間は、設定減圧度
が０〜−４００ｍｍＨｇになるまで２ｓｅｃとして溶湯
を高速に導入させ、次いで（ｄ）〜（ｅ）の２．５ｓｅ
ｃ間は、設定減圧度が０〜−４００ｍｍＨｇになるまで
４ｓｅｃとして溶湯を低速に充填させるように減圧度を
設定してみた。その結果、鋳造後のドットプリンタ用コ
ア２０には、ガスの巻き込みが原因と見られるピンホー
ル欠陥が一部に発生し、また湯境いや不廻り欠陥も一部
に発生していた。
うな、（ａ）〜（ｄ）の０．５ｓｅｃ間は、設定減圧度
が０〜−４００ｍｍＨｇになるまで２ｓｅｃとして溶湯
を高速に導入させ、次いで（ｄ）〜（ｅ）の２．５ｓｅ
ｃ間は、設定減圧度が０〜−４００ｍｍＨｇになるまで
４ｓｅｃとして溶湯を低速に充填させるように減圧度を
設定してみた。その結果、鋳造後のドットプリンタ用コ
ア２０には、ガスの巻き込みが原因と見られるピンホー
ル欠陥が一部に発生し、また湯境いや不廻り欠陥も一部
に発生していた。
【００１９】
【発明の効果】以上詳細に説明のとおり、本発明の湯道
の上端から耐火性のドームを垂下する鋳型を用いた減圧
吸引鋳造装置は、鋳型の通気度を、製品キャビティ部側
を湯道およびゲート部近傍より大きくし、更に必要に応
じ、溶湯を低速に導入し、次いで高速に溶湯を充填する
ように減圧度を制御するので、複雑で薄肉の精密鋳物で
も、溶湯の乱流を少なくしてガスの巻き込みによるピン
ホール欠陥を防止し、かつ溶湯の温度低下を少なくして
製品キャビティ部に充填して湯境いや不廻り欠陥を防止
できる。
の上端から耐火性のドームを垂下する鋳型を用いた減圧
吸引鋳造装置は、鋳型の通気度を、製品キャビティ部側
を湯道およびゲート部近傍より大きくし、更に必要に応
じ、溶湯を低速に導入し、次いで高速に溶湯を充填する
ように減圧度を制御するので、複雑で薄肉の精密鋳物で
も、溶湯の乱流を少なくしてガスの巻き込みによるピン
ホール欠陥を防止し、かつ溶湯の温度低下を少なくして
製品キャビティ部に充填して湯境いや不廻り欠陥を防止
できる。
【図１】本発明の実施の形態の一つを示す減圧吸引鋳造
装置の断面図である。
装置の断面図である。
【図２】図１で（Ａ）として抜き出したゲート部と製品
キャビティの一実施例の要部断面図である。
キャビティの一実施例の要部断面図である。
【図３】図１で（Ａ）として抜き出したゲート部と製品
キャビティのまた別の実施例の要部断面図である。
キャビティのまた別の実施例の要部断面図である。
【図４】図１で（Ａ）として抜き出したゲート部と製品
キャビティの更に別の実施例の要部断面図である。
キャビティの更に別の実施例の要部断面図である。
【図５】図１で（Ａ）として抜き出したゲート部と製品
キャビティのまた更に別の実施の要部断面図である。
キャビティのまた更に別の実施の要部断面図である。
【図６】時間−設定減圧度の関係を示す減圧制御線図で
ある。
ある。
【図７】精密鋳造品の一例のドットプリンタ用コアを示
す見取図である。
す見取図である。
【図８】従来の減圧吸引鋳造装置の断面図である。
【図９】従来の別の減圧吸引鋳造装置の断面図である。
【図１０】従来の湯道上端から耐火性ドームを垂下する
減圧吸引鋳造用鋳型の部分断面斜視図である。
減圧吸引鋳造用鋳型の部分断面斜視図である。
【図１１】ドットプリンタ用コアを鋳造する鋳型の斜視
図である。
図である。
１：鋳型、 ２：減圧空間、 ３：
保持炉、４：溶湯、 ５：鋳型収納室、
６：底部、７：減圧口、 ８：溶湯導入
部、 ９：セラミック鋳型、１０：塗型、
１１：湯道、 １２：ゲート部、１３：
ドーム、 １４：製品キャビティ、 １５：連結
路、１６：減圧装置、 ２０：ドットプリンタ用コ
ア。
保持炉、４：溶湯、 ５：鋳型収納室、
６：底部、７：減圧口、 ８：溶湯導入
部、 ９：セラミック鋳型、１０：塗型、
１１：湯道、 １２：ゲート部、１３：
ドーム、 １４：製品キャビティ、 １５：連結
路、１６：減圧装置、 ２０：ドットプリンタ用コ
ア。
Claims (3)
- 【請求項１】 底部に開口部を有する鋳型収納室と、前
記開口部に突出して設ける溶湯導入部と、前記鋳型収納
室に収納され、前記溶湯導入部に湯道を接続し、この湯
道より放射状にゲート部を複数分岐し、このゲート部か
ら製品キャビティにつなげると共に、前記湯道の上端か
ら耐火性のドームを垂下する鋳型と、前記鋳型収納室を
減圧制御する減圧装置とからなり、前記減圧装置の減圧
度を制御して保持炉内溶湯を前記溶湯導入部より前記製
品キャビティ内に導入する減圧吸引鋳造装置であって、
前記鋳型の通気度は、前記製品キャビティ部側が、前記
湯道およびゲート部近傍より大きくしていることを特徴
とする減圧吸引鋳造装置。 - 【請求項２】 底部に開口部を有する鋳型収納室と、前
記開口部に突出して設ける溶湯導入部と、前記鋳型収納
室に収納され、前記溶湯導入部に湯道を接続し、この湯
道より放射状にゲート部を複数分岐し、このゲート部か
ら製品キャビティにつなげると共に、前記湯道の上端か
ら耐火性のドームを垂下する鋳型と、前記鋳型収納室を
減圧制御する減圧装置とからなり、前記減圧装置の減圧
度を制御して保持炉内溶湯を前記溶湯導入部より前記製
品キャビティ内に導入する減圧吸引鋳造装置であって、
前記減圧装置は、溶湯を保持炉より溶湯導入部乃至湯道
近傍まで低速に導入させ、次いで溶湯を前記溶湯導入口
乃至湯道近傍より製品キャビティまで、前記溶湯導入部
乃至湯道近傍までより高速に溶湯を充填させるよう、減
圧度を制御するように設定されていることを特徴とする
減圧吸引鋳造装置。 - 【請求項３】 底部に開口部を有する鋳型収納室と、前
記開口部に突出して設ける溶湯導入部と、前記鋳型収納
室に収納され、前記溶湯導入部に湯道を接続し、この湯
道より放射状にゲート部を複数分岐し、このゲート部か
ら製品キャビティにつなげると共に、前記湯道の上端か
ら耐火性のドームを垂下する鋳型と、前記鋳型収納室を
減圧制御する減圧装置とからなり、前記減圧装置の減圧
度を制御して保持炉内溶湯を前記溶湯導入部より前記製
品キャビティ内に導入する減圧吸引鋳造装置であって、
前記鋳型の通気度は、前記製品キャビティ部側が、前記
湯道およびゲート部近傍より大きくすると共に、前記減
圧装置は、溶湯を保持炉より溶湯導入部乃至湯道近傍ま
で低速に導入させ、次いで溶湯を前記溶湯導入口乃至湯
道近傍より製品キャビティまで、前記溶湯導入部乃至湯
道近傍までより高速に溶湯を充填させるよう、減圧度を
制御するように設定されていることを特徴とする減圧吸
引鋳造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8047091A JPH09239517A (ja) | 1996-03-05 | 1996-03-05 | 減圧吸引鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8047091A JPH09239517A (ja) | 1996-03-05 | 1996-03-05 | 減圧吸引鋳造装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09239517A true JPH09239517A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=12765525
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8047091A Pending JPH09239517A (ja) | 1996-03-05 | 1996-03-05 | 減圧吸引鋳造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09239517A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016016439A (ja) * | 2014-07-10 | 2016-02-01 | 大同特殊鋼株式会社 | 減圧吸引鋳造方法 |
| JP2016517803A (ja) * | 2013-05-08 | 2016-06-20 | ピーアイエム コリア カンパニー リミテッド | 二重鋳造方法及び装置 |
| JP5973607B1 (ja) * | 2015-03-23 | 2016-08-23 | 美達工業股▲ふん▼有限公司 | 減圧吸引鋳造方法 |
| CN107225221A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-10-03 | 四川省祥业机械铸造有限公司 | 一种曲轴箱体过桥盖板浇注系统 |
-
1996
- 1996-03-05 JP JP8047091A patent/JPH09239517A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2016517803A (ja) * | 2013-05-08 | 2016-06-20 | ピーアイエム コリア カンパニー リミテッド | 二重鋳造方法及び装置 |
| JP2016016439A (ja) * | 2014-07-10 | 2016-02-01 | 大同特殊鋼株式会社 | 減圧吸引鋳造方法 |
| JP5973607B1 (ja) * | 2015-03-23 | 2016-08-23 | 美達工業股▲ふん▼有限公司 | 減圧吸引鋳造方法 |
| CN107225221A (zh) * | 2017-07-21 | 2017-10-03 | 四川省祥业机械铸造有限公司 | 一种曲轴箱体过桥盖板浇注系统 |
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