JPH09239219A - オイルミスト除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方式は、オイルミストを含む処理空気
を直接フイルタ面に吹き付けるもので、フイルタは目詰
まりを生じ、長時間その効果を保持することは困難であ
る。 本発明はこれを改良することを目的とする。 【解決手段】 オイルミストを含む気体を吸引する吸引
用フアン３と、該吸引フアン３の上部に配備され吸引さ
れた上記気体中のオイルミストを吸着せしめる吸着部材
４とより構成する。そして吸引フアン３にはプレフイル
タ６を備え、上記吸着部材４は円筒状として垂直に設け
られ、該吸着機構はそれぞれ組成の異なる一次フイルタ
１１と二次フイルタ１２とより構成する。この一次フイ
ルタ１１はオイルミストの粗大油粒子の捕捉用フイルタ
より構成され、二次フイルタ１２は目の細かい複数の単
位フイルタを積層して構成されるとともに各単位フイル
タ間にはスペーサ１３を配備する。また各フイルタ下部
には落下するオイルの受け皿を配備せしめ、吸引用フア
ン３により吸引された上記気体はオイルミスト吸着機構
の外周面から該吸着部材４を通過して該部材内方から放
出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機等各種装置
から発生するオイルミストを含む空気（以下処理空気と
いう）から上記オイルミストを除去し清浄空気として排
出するオイルミスト除去装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のオイルミスト除去装置は、上記処
理空気をフイルタに対し直接吹き付け濾過する方法が採
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしこの場合、オイ
ルミストはフイルタの表面に付着し、フイルタを厚目の
ものを使用しても、目詰まりを生じ、長時間その効果を
保持することは困難で濾過抵抗を増し、風量の低下、効
率の低下を起こし早期に交換を必要とする等の問題があ
る。本発明はかゝる点に鑑み、濾過効率を増し、かつ長
期の使用を可能とするオイルミスト除去装置を提供する
ことを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第１の本発明は、オイルミストを含む気体を吸引する
吸引用フアンと、該吸引フアンの上部に配備され吸引さ
れた上記気体中のオイルミストを吸着せしめる吸着部材
とより構成され、吸引フアンにはプレフイルタを備え、
上記吸着部材は円筒状として垂直に設けられ、該吸着機
構はそれぞれ組成の異なる一次フイルタと二次フイルタ
とより構成し、一次フイルタはオイルミストの粗大油粒
子の捕捉用フイルタより構成され、二次フイルタは目の
細かい複数の単位フイルタを積層して構成されると共に
各単位フイルタ間にはスペーサを配備し、かつ各フイル
タ下部には落下するオイルの受け皿を配備せしめ、吸引
用フアンにより吸引された上記気体はオイルミスト吸着
機構の外周面から該吸着部材を通過して該部材内方から
放出することを特徴とする。

【０００５】上記の構成からなる本発明のオイルミスト
除去装置は、まずプレフイルタによりオイルミストを除
去し、ついで吸引フアンにより吸引されて円筒状の吸着
部材の外部に供給される。この吸着部材はそれぞれ組成
の異なる一次フイルタと二次フイルタとより構成され、
処理空気は先ず一次フイルタにより粗大油粒子の捕捉が
行われる。ついで二次フイルタにより微小の油粒子が捕
捉される。この際、二次フイルタは複数の単位フイルタ
を積層して構成されると共に各単位フイルタ間にはスペ
ーサを配備してなるから、単位フイルタにより捕捉蒐集
されたオイルミストは凝集しスペーサを伝つて落下す
る。

【０００６】また第２の発明は、吸引フアンの排気側に
は衝突板を配備し、排気を衝突させると共に気流の流通
方向を吸引方向とは逆方向とし、ついで吸着部材の外周
部側から流通させることを特徴とする。

【０００７】上記の構成によるときは、処理空気は衝突
板に衝突することにより、オイルミストは付着捕捉さ
れ、凝集して落下し排出される。従って処理空気に対し
第一次のオイルミストの捕集が効果的に行われる。

【０００８】又第３の発明は、上記吸引フアンは直羽根
のラジアルフアンとしたことを特徴とする。

【０００９】上記の構成によるときは、フアンは直羽根
のラジアルフアンとしたことにより、オイルミストは付
着することなく撥ね飛ばされる。従って付着によるアン
バランスの発生を防止することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図は本発明の実施例を示す。本発
明のオイルミスト除去装置１は、筐体２の下部に吸引フ
アン３を、またその上部にはオイルミスト吸着部材４と
を備える。５は吸引フアン３の吸引口側に設けた吸引案
内筒を示し、該案内筒は中央部を拡大してこれにプレフ
イルタ６を設ける。上記吸引用フアン３の羽根３ａは直
羽根のラジアルフアンとし、案内筒５はその出口を絞つ
て吸引フアン３の中央部に対向して取付ける。Ｍは吸引
フアン駆動用モータを示す。

【００１１】この吸引フアン３を取り巻いて衝突板７を
備える。この衝突板７は、円筒状とし、一端は筐体２に
吸引フアンと同心に取つけ、他端は案内筒５と間隔を存
して対設する。即ち案内筒５により導入された処理空気
は吸引フアンにより衝突板７に吹き付けられ、ついで逆
方向に導かれ、上部の吸着部材４側に排出される。８は
衝突板７と間隔を存してその下方部を覆う案内板を示
す。

【００１２】上記吸着部材４は円筒形とし、処理空気は
外部から内部へ流通処理する構造としたもので、これは
同一径の場合、外周面積は内周面積より大で処理能力が
大きく、実験結果でもその効果が確認されている。この
吸着部材４は外部の一次フイルタ１０と、その内部に位
置する主フイルタ１１と、その内部に位置して設けられ
る二次フイルタ１２とより構成され、これらは受け皿１
５上に載置される。一次フイルタ１０は、目の粗い例え
ば耐油性スポンジフイルタを使用し、主フイルタ１１は
目の細かいポリプレンの不織布等からなる単位フイルタ
１１ａを円筒状に複数巻回し、各単位フイルタ間には網
状又はラス板状等のスペーサ１３を挿入して構成する。
１４は単位フイルタ１１ａ間の隙間を示す。また二次フ
イルタ１２は、主フイルタ１１を保持する役目を兼ねる
もので、一次フイルタ１０よりも目の粗い耐油性スポン
ジフイルタを使用する。なお、受け皿１５にはドレン排
出管１６を取付ける。また１７は受け皿１５の支持枠を
示す。

【００１３】上記構成において、吸引フアン３により吸
引されたオイルミストを含む処理空気は、まずプレフイ
ルタ６により粗大油粒子は吸着除去され、ついで吸引フ
アン３の吹き出しにより衝突板７に吹き付けられる。こ
の際、一部の油粒子は該フアンの羽根３ａに付着しよう
とするが、該羽根を直羽根のラジアルフアンとすること
により、付着することなく遠心力で放出される。

【００１４】衝突板７はこのフアン３を取り巻いて設け
られており、オイルミストは該衝突板７に衝突すると共
に空気流はその流れの向きを吸引方向とは逆方向に変更
される。このため、該板に付着し凝集した油粒子に対し
オイルミスト中の微小油粒子は付着する性質があり、従
って処理空気中のオイルミストの大部分は衝突板７への
衝突により除去される。

【００１５】上記衝突板７は図示の如くその底面適所に
突孔７ａを設けることにより捕集された油は下部の案内
板８上に落下し、ドレーン排出口２０から排出される。

【００１６】衝突板７から排出された処理空気は、吸着
部材４の外周部に導かれる。オイルミストは先ず一次フ
イルタ１０により捕捉され、残余のオイルミストは主フ
イルタ１１に移行する。この主フイルタ１１は単位フイ
ルタ１１ａと単位フイルタ相互間にスペーサ１３が挿入
されており、単位フイルタ１１ａに付着凝集した油粒子
は、自重により沈降しこのスペーサ１３を伝つて受け皿
１５上に落下し、ドレン排出管１６より排出される。な
お、この主フイルタ１１を通過する際に処理空気中のオ
イルミストは凝集作用を受けるもので、従ってこの主フ
イルタ１１により捕捉されない残余のオイルミストは二
次フイルタ１２を比較的目の粗いフイルタとしても、捕
捉されてこれを伝って落下する。

【００１７】

【発明の効果】以上の如く本発明によるときは、処理空
気は、先ずプレフイルタを通過することによりオイルミ
ストは捕捉され、残余のオイルミストは衝突板に吹き付
けられることにより圧接による凝集作用を受けて捕捉さ
れ、残余のオイルミストを含む処理空気は吸着部材に至
り、オイルミストを吸着するようにしたから、該吸着部
材へはオイルミストの含有量が減少することにより該吸
着部材への負荷は減少し、その耐久性を向上させること
ができる。また該吸着部材は、一次フイルタにより捕捉
と共に残余のオイルミストは凝集作用を受け、比較的大
きい油粒子に成長し、ついでこれを主フイルタにおいて
捕捉するようにしたから、該主フイルタへの負荷は減少
する。しかも主フイルタは単位フイルタ毎にスペーサを
介して配備されるから、単位フイルタにより捕捉された
油粒子は、このスペーサを伝って落下するから、該単位
フイルタは目の細かいフイルタでも目詰まりすることな
く、耐久性を増すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のオイルミスト除去装置の縦断面図であ
る。

【図２】図１における一部を断面図とした左側面図であ
る。

【図３】図１の平面図である。

【図４】図１におけるＸーＸ線に沿う吸着部材の拡大断
面図である。

【符号の説明】

１ オイルミスト除去装置 ３ 吸引フアン ４ 吸着部材 ６ プレフィルタ ７ 衝突板 １０ 一次フイルタ １２ 二次フィルタ １１ 主フイルタ １３ スペーサ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 オイルミストを含む気体を吸引する吸引
   用フアンと、該吸引フアンの上部に配備され吸引された
   上記気体中のオイルミストを吸着せしめる吸着部材とよ
   り構成され、吸引フアンにはプレフイルタを備え、上記
   吸着部材は円筒状として垂直に設けられ、該吸着機構は
   それぞれ組成の異なる一次フイルタと二次フイルタとよ
   り構成し、一次フイルタはオイルミストの粗大油粒子の
   捕捉用フイルタより構成され、二次フイルタは目の細か
   い複数の単位フイルタを積層して構成されると共に各単
   位フイルタ間にはスペーサを配備し、かつ各フイルタ下
   部には落下するオイルの受け皿を配備せしめ、吸引用フ
   アンにより吸引された上記気体はオイルミスト吸着機構
   の外周面から該吸着部材を通過して該部材内方から放出
   することを特徴とするオイルミスト除去装置。
2. 【請求項２】 吸引フアンの排気側には衝突板を配備
   し、排気を衝突させると共に気流の流通方向を吸引方向
   とは逆方向とし、ついで吸着部材の外周部側から流通さ
   せることを特徴とする請求項１記載のオイルミスト除去
   装置。
3. 【請求項３】 吸引フアンは直羽根のラジアルフアンと
   したことを特徴とする請求項１または２記載のオイルミ
   スト除去装置。