JPH09236670A - 中性子測定装置用の校正装置 - Google Patents

中性子測定装置用の校正装置

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JPH09236670A
JPH09236670A JP4391096A JP4391096A JPH09236670A JP H09236670 A JPH09236670 A JP H09236670A JP 4391096 A JP4391096 A JP 4391096A JP 4391096 A JP4391096 A JP 4391096A JP H09236670 A JPH09236670 A JP H09236670A
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JP
Japan
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radiation source
neutron
measurement
calibration
reference position
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JP4391096A
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English (en)
Inventor
Takuji Fukazawa
拓司 深澤
Mitsuo Baba
光雄 馬場
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Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放射線源の設置をハンドリングや常設等の方法
でなく、容易に且つ迅速に実施する装置構成を簡素に構
築して作業性を高める。 【解決手段】中性子測定装置用の校正装置は、中性子n
を照射する放射線源10と、この放射線源10を校正時
に中性子検出器5の近傍に設置する放射線源設置システ
ムSSとを備える。このシステムSSは、校正時に中性
子検出器5の近傍に定めた測定位置Y及びその校正時以
外に定めた基準位置Xに放射線源10を移動させると共
に、その放射線源10を測定位置Y及び基準位置Xに位
置決めする線源移動部(収納部21、設置部22、移動
部24(駆動源26及び駆動機構27))20と、この
線源移動部20による放射線源10の移動及び位置決め
を制御する線源制御部25とを要部に備える。基準位置
Xを測定室2の内部に定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線源を用いた
中性子測定装置用の校正装置に係り、特に放射線源の設
置に基づく構造及びその制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、中性子測定装置には、測定試料の
外部に放出される高速中性子を減速材で減速させると共
に、その減速後の低エネルギー領域の熱中性子を中性子
検出器で検出させて中性子測定を実施するものが知られ
ている。
【0003】この中性子測定装置における測定対象の高
速中性子には、放射性物質を含有する測定試料から自発
的に生成するものや、外部からエネルギーを受けたとき
の測定試料の核反応で誘発的に生成するもの、及び当該
両者により放射性物質から生成するアルファ粒子と放射
性物質の周囲に存在するマトリックス物質との核反応で
生成するもの、等が含まれる。
【0004】このように高速中性子を検出する中性子測
定装置に関しては、通常、以下の2つの代表的な校正方
法が知られている。
【0005】A):第1の校正方法は、測定試料として
廃棄物固化体を用いる場合に廃棄物固化体と同じ形状の
モックアップ試料を使用するものである。
【0006】この第1の校正方法については、円筒状容
器に放射性物質を固化材で固定して作製した測定試料を
例に上げて説明する。この場合の校正は、中性子測定で
得られる中性子計数値を、測定試料から放出される全中
性子発生量(又は放射性物質の含有量)に変換するため
の定数を予め取得するものである。ここで、校正で得ら
れた定数、即ち装置運用前の校正定数(換算定数)をK
とし、測定で得られる測定試料の中性子計数値をCと
し、測定試料の全中性子発生量又は放射性物質の含有量
をNとすると、放射性物質の含有量Nは、次式で求ま
る。
【0007】
【数1】
【0008】次に、第1の校正方法に基づく装置運用前
の校正を説明する。
【0009】まず、測定試料中の放射性物質と同一種類
(核種)の放射性物質の内の「含有量又は中性子発生
量」(以下、両者を「含有量」と総称する)が既知のも
のと、測定試料と同一形状の容器及び同一の固化材料と
を準備し、当該放射性物質を固化材料で容器に固定して
校正用のモックアップ試料を作製する。
【0010】次いで、モックアップ試料を測定試料と同
じ測定位置に配置し、このモックアップ試料からの中性
子を中性子測定装置で計数する。その後、中性子計数と
モックアップ試料中の放射性物質の含有量との比を求
め、その比を「装置運用前の校正定数」とする。
【0011】即ち、「装置運用前の校正定数」Kmは、
モックアップ試料中の放射性物質の中性含有量をNmと
し、モックアップ試料の中性子計数をCmとしたとき
に、上記(1)式により、次式で求まる。
【0012】
【数2】
【0013】次に、上記(2)式で求まる「装置運用前
の校正定数」Kmの補正について説明する。
【0014】まず、校正定数の補正が必要な場合として
は、第1に、測定対象中の放射性物質と同一種類の放射
性物質の入手が困難な場合がある。この場合には、異な
る種類の放射性物質を用いる必要があるため、このよう
に放射線物質の相違による中性子エネルギ−スペクトル
の相違を理論計算に基づいて校正定数を補正する必要が
ある。
【0015】第2に、中性子検出器が周囲の測定環境で
散乱された中性子を検出してしまう体系となる場合があ
る。この場合には、装置運用前の校正を実施する測定環
境と、装置が運用される測定環境とが異なるため、この
ように測定環境の相違で散乱中性子の寄与の割合が異な
る点を考慮に入れて校正定数を補正する必要がある。
【0016】上記のように、装置運用前の校正定数の補
正が必要な場合には、「補正後の校正定数」Kを次式で
求める。
【0017】
【数3】
【0018】一方、上記第1の校正方法では、放射性物
質を容器に固定してモックアップ試料を作製し、その試
料を非密封状態の放射性物質として取り扱う必要がある
ため、多くの場合、試料の作製及び取り扱いが放射線管
理上、困難となる。
【0019】そこで、このような試料の製作及び取り扱
いに関する不都合な事態を解消する代替手法として、従
来、測定試料と同一の容器内に非放射性の固化材を充填
固化して放射線源を密封したものをモックアップ試料と
して採用する方法が知られている。
【0020】この方法によると、測定試料中の放射能の
含有形態に応じて放射線源の配置をフレキシブルに変更
してモックアップ試料を作製できるといった利点があ
る。例えば、放射能を均質に含む測定試料の場合には、
容器内の任意位置に放射線源を3次元的に配置すればよ
く、また、放射能を偏在して含む測定試料の場合には、
容器内の放射能の偏在が想定される位置又は偏在程度に
応じて放射線源を配置すればよい。なお、この放射線源
を用いたモックアップ試料についても、測定試料中の放
射性物質と同一種類の放射線源が入手困難な場合に、上
記と同様に、「装置運用前の校正定数」を放射性物質の
相違による中性子エネルギースペクトルの相違を理論計
算により補正する必要がある。
【0021】以上のように第1の校正方法に基づいて装
置運用前の校正が行われるが、この校正に関しては、一
般に、装置運用前だけでなく、運用中でも定期的に同様
の校正が実施されるようになっている。
【0022】しかしながら、装置運用中の定期的な校正
については、上述の装置運用前の校正と同様の方法で実
施することが困難となる場合がある。
【0023】例えば、中性子測定装置が配置されている
施設内にモックアップ試料を設置する際に、その試料が
大きければ専用の保管場所を確保したり、校正毎にモッ
クアップ試料を移送、設置、回収等の煩雑なルーチンワ
ークを実施しなければならない。また、装置運用前の校
正を実施する際に、中性子測定装置及びモックアップ試
料の専用架台、必要であれば駆動装置などを装置の製作
施設又は放射線源を使用可能な研究施設に設置すること
があるが、これらの作業を装置運用中の定期的な校正時
に実施しようとすると、校正毎に中性子測定装置を校正
場所に移動させなければならない。
【0024】そこで、装置運用中の定期的な校正方法に
関しては、中性子検出器自体の感度劣化や中性子検出器
の検出信号を処理する回路系のアンプゲイン変動に起因
する検出感度の変化を補正する方法、即ち中性子検出器
と信号処理回路を含む中性子検出系の感度を測定する方
法が知られている。
【0025】この校正方法によれば、上述の装置運用前
の校正と比べ、モックアップ試料の測定を実施しなくて
も、取り扱いが容易な密封された放射線源を中性子検出
器の近傍に設置し、その放射線源の中性子計数を測定す
るだけ容易に且つ迅速に校正を実施できる利点がある。
【0026】B):第2の校正方法は、測定試料と同一
形状のモックアップ試料を使用しないで実施するもので
ある。この第2の校正方法については、原子力発電所の
原子炉出力をモニタする装置(以下、「原子炉出力モニ
タ」)を代表的な事例として説明する。
【0027】原子炉出力モニタは、原子炉の熱出力と、
原子炉燃料の燃焼で発生する中性子量との相関関係に着
目したもので、通常、原子炉の炉心中に複数台配置され
た状態で原子炉の起動時から運転中の中性子束を連続し
て監視する。この原子炉出力モニタは、その中性子検出
器として核分裂計数管を使用し、その核分裂計数管によ
り原子炉炉心(以下、単に「炉心」とよぶ)内の熱中性
子を電流信号に変換して検出し、その電流信号を電圧信
号に変換して回路系にて信号処理を実行する。これによ
り、中性子検出信号に基づいて炉心の局部熱中性子束及
び平均熱中性子束、又は、原子炉の局部出力及び平均出
力が取得される。
【0028】従って、この原子炉出力モニタを校正する
には、核分裂計数管の中性子検出信号と、炉心の「熱中
性子束又は原子炉出力」(以下、両者を「熱中性子束」
と総称する)との相関関係を求めればよい。即ち、核分
裂計数管は、炉心の装着前に中性子束が既知の熱中性子
場において絶対感度が測定されるため、この絶対感度
と、原子炉の設計条件であるヒート・バランスデータ等
とに基づいて核分裂計数管の出力信号と心の熱中性子束
との関係が校正される。このように原子炉出力モニタ
は、原子炉の運転中に逐次、校正されている。
【0029】上記の原子炉出力モニタ用の校正装置とし
ては、「ΤIP」(TraversingIncore Probe )と呼ば
れる移動式の炉心内中性子検出器が多く使用されてい
る。このΤΙΡ用の中性子検出器としては、通常、原子
炉出力モニタと同様の核分裂計数管が使用される。
【0030】このΤΙΡは、原子炉出力モニタと比べる
と、炉心内で熱中性子束を検出する点が共通するが、こ
れは校正時のみであり、校正時以外には炉心外に引き抜
かれる点で相違する。即ち、原子炉出力モニタは原子炉
炉心内に固定される固定式であるのに対し、TIPは移
動用のガイドに沿って歯車機構により原子炉炉心内に進
退自在に挿入される移動式となっている。
【0031】このΤIPを用いた原子炉出力モニタの校
正を説明すると、この場合の校正は、原子炉出力モニタ
の劣化後の中性子検出感度をΤIPの中性子束測定値で
間接的に求めるものである。即ち、原子炉出力モニタ
は、炉心で中性子を連続的に受けるため、その検出感度
が劣化するのに対し、ΤIPは、校正時のみに中性子を
受けるため、その検出感度が殆ど劣化しておらず、ΤI
Pの既知の検出感度をそのまま利用すれば、その中性子
束測定値から原子炉出力モニタの劣化後の検出感度を求
めることができる。
【0032】具体的には、ΤIPで得られた炉心内の中
性子束分布データと、原子炉のヒート・バランスデータ
等とに基づいて、原子炉出力モニタに接続された信号増
幅回路からの出力信号と、その原子炉出力モニタの周囲
の燃料集合体を対象としたモニタ位置での平均的な熱中
性子束とが互いに比例するようにパラメータを設定する
ことにより、原子炉出力モニタの校正が行われる。
【0033】上記の原子炉出力モニタの校正原理は、原
子炉の運転中に測定対象である炉心内の中性子束を用い
て原子炉出力モニタ用の中性子検出器と、ΤIΡ等の標
準となる中性子検出器との互いの中性子検出信号の出力
値を比較し、原子炉出力モニタの出力値を炉心出力に換
算することにある。この原理に基づく技術は、一般に、
炉心を特定対象とする校正計算方法を含めて確立された
ものである。
【0034】以上のように第1及び第2の校正方法を説
明したが、ここで、両者を互いに組み合わせた技術が成
立するか否かを検討してみる。
【0035】まず、第1の校正方法で述べた放射線源
は、第2の校正方法の校正対象である核分裂計数管の校
正用試料としては殆ど使用できない。つまり、原子炉運
転中の原子炉出力モニタの核分裂計数管に対して、放射
線源を設置して核分裂計数管の感度測定を実施すること
は実際上、極めて困難と想至されるためである。
【0036】次に、第2の校正方法で述べたΤIP等の
校正標準用の中性子検出器は、第1の校正方法で述べた
中性子測定装置、即ち原子炉運転中のような極めて特異
的な状況下になく、例えば円筒状の容器に放射性物質を
固定した試料を測定するものに適用することは、特に問
題はない。
【0037】しかし、この場合には、中性子測定装置用
の測定試料からの中性子束が炉心のものと比べ微量であ
るため、運用期間中の定期的な校正は、中性子検出器の
感度劣化の補正ではなく、その中性子検出器と回路系を
含めた中性子検出系の感度変動を補正する意味合いが強
くなる。つまり、校正標準用の中性子検出器に対して
も、中性子束が既知の体系において中性子検出感度を測
定する必要がある。
【0038】そこで、校正標準用の中性子検出器の感度
測定については、回路系の自己補正を利用する方法も考
えられるが、実際には、第1の校正方法と同様に放射性
物質の含有量が既知で且つ検定済のモックアップ試料又
は放射線源を利用する方法、特に、放射線源を用いて中
性子検出感度を測定する方法が簡便なため、広く採用さ
れている。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
放射線源を用いた中性子測定装置の校正にあっては、放
射線源を中性子測定装置の近傍に設置しなければなら
ず、この設置作業を作業員が中性子測定装置が設置され
た測定室や放射能セル(以下、単に「測定室」)内に入
室して直接、実施する必要があったため、放射線管理に
基づく作業性に関して、以下の不都合な事態が生じてい
た。
【0040】まず、測定室内に入室する際の測定試料に
よる作業員の外部被爆を回避するため、測定室内の測定
試料を撤去する作業が必要となる。また、測定室内が放
射能で汚染されている可能性がある場合には、作業員の
内部被爆を回避するため、更に測定室内を除染する作業
も必要となる。これらの撤去及び除染作業は、測定試料
の測定キャンペーン工程の遅延化の要因となってしま
う。
【0041】また、この撤去及び除染作業の終了後、実
際に放射線源を設置する際に、当該放射線源からの作業
員の外部被爆の防止対策が必要となる。このため、放射
線源を専用容器内に配置し、この容器と共に取り扱う方
法、例えばクレーンやマニュプレータ等の機構を用いて
ハンドリングにより専用容器、即ち放射線源を中性子測
定装置の近傍に配置する方法が想至される。しかしなが
ら、このハンドリングによる方法は、作業員の人手で設
置する方法と比べ、機器の取り扱いや位置調整等の作業
が繁雑となって、必ずしも作業性がよいものとはいえ
ず、多くの場合、測定キャンペーン工程の遅延化の要因
となってしまう。
【0042】そこで、中性子測定装置の近傍位置に放射
線源を予め常設して組み込んでおく方法が想至される
が、この場合には、測定試料の測定値から放射線源の寄
与を差し引く補正を実施しなければならない。一般に、
測定試料の測定については、測定精度上、十分な中性子
計数を確保する必要があるため、上記補正を試料の測定
毎に実施しなければならず、このことは試料測定毎に放
射線源を測定することを意味する。従って、試料の一連
の中性子測定に時間を要し、全体の測定処理効率が低下
してしまうといった問題があった。
【0043】この発明は、上述の従来の問題を考慮して
なされたもので、放射線源を用いて中性子測定装置を定
期的に校正する方法の利点に着目し、放射線源の設置を
ハンドリングや常設等の方法でなく、容易に且つ迅速に
実施する装置構成を簡素に構築して作業性を高めると共
に、作業員の外部被爆や内部被爆等の放射線管理上の不
都合な事態を確実に回避でき、かつ、試料の測定処理効
率を高めることができる中性子測定装置用の校正装置を
比較的に安価に提供することを、目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係わる中性子測定装置用の校
正装置は、測定室内に配置された測定対象の中性子検出
用のセンサに中性子を照射することにより、上記センサ
の中性子測定値を校正する構成とし、上記中性子を照射
する放射線源と、この放射線源を校正時に上記センサの
近傍に設置する放射線源設置システムとを備えると共
に、この放射線源設置システムは、上記校正時に上記セ
ンサの近傍に定めた測定位置及びその校正時以外に定め
た基準位置に上記放射線源を移動させると共に、その放
射線源を上記測定位置及び基準位置に位置決めする線源
移動手段と、この線源移動手段による放射線源の移動及
び位置決めを制御する線源制御手段とを備え、上記基準
位置を上記測定室の内部及び外部の内の少なくとも一方
に定めている。
【0045】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
中性子測定装置用の校正装置において、前記放射線源設
置システムは、前記校正時に基準位置に位置決めされた
前記放射線源から前記センサに入射される中性子データ
を測定する測定手段と、この測定手段が測定した上記中
性子データに基づいて上記センサの校正データを求める
データ演算手段と、このデータ演算手段が求めた校正デ
ータを含む校正に関する情報を表示するデータ表示手段
とを備えている。
【0046】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の中性子測定装置用の校正装置において、前記線源
移動手段は、前記測定位置及び基準位置間の放射線源の
移動をガイドするガイド体を備えている。
【0047】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
中性子測定装置用の校正装置において、前記線源移動手
段は、前記ガイド体に沿って前記放射線源を移動させる
移動機構を備え、この移動機構を前記測定室の内部及び
外部の少なくとも一方に設けている。
【0048】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
中性子測定装置用の校正装置において、前記線源移動手
段は、前記基準位置に上記放射線源を収納する収納体を
備え、この収納体の少なくとも内側を中性子遮蔽材で形
成している。
【0049】請求項6記載の発明では、請求項5記載の
中性子測定装置用の校正装置において、前記測定室を成
す躯体の一部に前記収納体を形成している。
【0050】請求項7記載の発明では、請求項3乃至6
のいずれか1項記載の中性子測定装置用の校正装置にお
いて、前記基準位置を前記センサ及び放射線源間の中性
子の減衰特性に基づいて定めている。
【0051】請求項8記載の発明では、請求項4乃至6
のいずれか1項記載の中性子測定装置用の校正装置にお
いて、前記ガイド体は、その内部の軸方向に沿って前記
放射線源の移動を誘導する誘導管である。
【0052】請求項9記載の発明では、請求項8記載の
中性子測定装置用の校正装置において、前記移動機構
は、前記誘導管内に進退自在に挿入される屈曲性を有す
る長尺体と、この長尺体を上記誘導管内に巻き取り及び
巻き出し自在に移動させる機構とを備え、上記長尺体の
先端部に上記放射線源を取り付けている。
【0053】請求項10記載の発明では、請求項8記載
の中性子測定装置用の校正装置において、前記移動機構
は、前記誘導管内に定めたループ状の軸方向に沿って上
記誘導管内に挿入可能なループ体と、このループ体を上
記軸方向に沿って送り出し自在に移動させる機構とを備
え、上記ループ体の途中位置に前記放射線源を取り付け
ている。
【0054】請求項11記載の発明では、請求項8記載
の中性子測定装置用の校正装置において、前記移動機構
は、前記誘導管内の軸方向に沿って進退自在に挿入され
るロッド体と、このロッド体を上記軸方向に沿ってスラ
イド自在に移動させる機構とを備え、上記ロッド体の端
部に前記放射線源を取り付けている。
【0055】請求項12記載の発明では、請求項8記載
の中性子測定装置用の校正装置において、前記移動機構
は、前記誘導管内に定めた重力に基づく軸方向の異なる
前記測定位置及び基準位置に前記放射線源を支持するプ
レート体と、このプレート体を上記誘導管の内部及び外
部に挿入及び取り出し自在に移動させる機構とを備えて
いる。
【0056】請求項13記載の発明では、前記移動機構
は、前記誘導管の両端部に定めた前記基準位置及び測定
位置に前記放射線源を支持するベンチ体と、このベンチ
体を介して上記誘導管内に線源移動用ガスを送気及び排
気させる機構とを備えている。
【0057】請求項14記載の発明では、請求項1又は
2記載の中性子測定装置用の校正装置において、前記線
源移動手段は、前記測定位置及び基準位置間の放射線源
の移動を走行方向に沿ってガイドするガイドレール体を
備えている。
【0058】請求項15記載の発明では、請求項14項
記載の中性子測定装置用の校正装置において、前記移動
機構は、前記ガイドレール体上の配置される搬送体と、
この搬送体を上記ガイドレール体の走行方向に沿って搬
送させる機構とを備え、上記搬送体に前記放射線源を連
結している。
【0059】請求項16記載の発明では、請求項1又は
2記載の中性子測定装置用の校正装置において、前記線
源移動手段は、前記放射線源を支持する線源支持体と、
この線源支持体の軸方向を中心とする同一の半径に定め
た前記測定位置及び基準位置間に上記放射線源を回転さ
せる回転機構とを備えている。
【0060】請求項17記載の発明では、請求項16項
記載の中性子測定装置用の校正装置において、前記線源
支持体は、前記測定位置及び基準位置が成す円周方向の
溝を有し且つ前記センサに対向する位置に固定される固
定体と、この固定体の溝内に前記放射線源を支持するア
ーム体とを備えると共に、前記回転機構は、上記アーム
体に支持されている上記放射線源を上記固定体内の溝に
沿って回転させる機構である。
【0061】請求項18記載の発明では、請求項16項
記載の中性子測定装置用の校正装置において、前記線源
支持体は、前記測定位置及び基準位置が成す円周方向の
中心軸を有し且つ前記センサに対向する位置に固定され
る固定体と、この固定体の中心軸を中心にして前記放射
線源を回転可能に支持する回転体とを備えると共に、前
記回転機構は、上記回転体を上記固定体に対して上記中
心軸を中心にして回転させる機構である。
【0062】請求項19記載の発明に係る中性子測定装
置用の校正装置は、測定室内に配置された測定対象の中
性子検出用のセンサに中性子を照射することにより、上
記センサの中性子測定値を校正する校正とし、上記中性
子を照射する放射線源と、この放射線源を校正時に上記
センサの近傍に設置する放射線源設置システムとを備え
ると共に、この放射線源設置システムは、上記放射線源
を上記近傍に固定し且つ当該固定位置にある放射線源か
ら上記センサに開口する開口部を有する固定体と、この
固定体の開口部内に進退自在に挿入される中性子遮蔽体
と、この中性子遮蔽体を上記校正時に上記開口部内に挿
入させると共に、上記校正時以外に上記開口部内から上
記中性子遮蔽体を取り出す移動手段とを備えている。
【0063】請求項20記載の発明では、請求項19記
載の中性子測定装置用の校正装置において、前記移動手
段は、前記中性子遮蔽体を前記開口部内に進退自在に挿
入させる機構を備えている。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
を参照して説明する。ここで、請求項1〜18記載の発
明については第1〜第18実施形態に段階的に開示し、
請求項19及び20記載の発明について第19実施形態
に開示している。
【0065】(第1実施形態)まず、この発明の第1実
施形態を図1に基づいて説明する。この第1実施形態
は、請求項1〜18記載の発明に係る中性子測定装置用
の校正装置をその原理に最も近いシステムに適用したも
のである。
【0066】図1の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、躯体1が成す測定室2内に配置される中性子
測定装置3に使用したものである。ここで、中性子測定
装置3は、通常の中性子減速材4及び中性子検出器5を
備えたもので、測定室2内の試料台6に搭載された測定
対象の試料7から入射される高エネルギーの中性子を減
速材4で熱中性子領域の低エネルギーの中性子に変換
し、これを検出器5により感度よく検出するようになっ
ている。試料7は、測定時以外のときに測定室2の外部
に配置された収納室8内に収納されている。この収納室
8は、試料7から中性子測定装置3への中性子入射を回
避するため、中性子遮蔽材等で形成されている(この収
納室8を中性子入射量に基づく適宜位置に配置してもよ
い)。
【0067】校正装置は、測定室2の内外に配置される
もので、中性子を放出する放射線源10と、この放射線
源10を校正時に中性子測定装置3の近傍に設置する放
射線源設置システムSSとを備えている。
【0068】放射線源10は、例えば取り扱いが比較的
容易な中性子放出体(例えば、密封されたCf−252
等の高エネルギー中性子放出体)などから成り、高エネ
ルギーの中性子nを放出する。
【0069】放射線源設置システムSSは、校正時に定
めた測定位置Y及びその校正時以外に定めた基準位置X
に放射線源10を移動させると共に、その放射線源10
を測定位置Y及び基準位置Xに位置決めする線源移動部
(本発明の線源移動手段を成す)20と、この線源移動
部20による放射線源10の移動及び位置決めを制御す
る線源制御部(本発明の線源制御手段を成す)25と、
校正処理に関する信号処理ユニット(本発明の測定手
段、データ演算手段、及びデータ表示手段の要部を成
す)40とを備えている。
【0070】線源移動部20は、校正時以外に定めた基
準位置(収納位置)Xに放射線源10を収納する収納部
(「線源収納手段」)21と、校正時に定めた測定位置
(照射位置)Yに放射線源10を設置する設置部(「線
源設置手段」)22と、放射線源10を基準位置X及び
測定位置Yに移動させる移動部(本発明の移動機構を成
す)24とを備え、これら各要素が測定室2内に配置さ
れている。
【0071】収納部21は、外部に対して中性子遮蔽効
果を有する例えば中性子遮蔽材等で形成した箱状の筐体
(収納体)を備え、校正時以外(試料7の測定時など)
には放射線源10を予め設定された基準位置Xに遮蔽状
態で収納する。ここで、この収納部21を放射線源10
から放出される中性子が中性子測定装置3に入射しない
適宜位置に配置してもよく、又は図示しないガイド体内
に一体に搭載してもよい。いずれの場合でも、試料7の
測定時には、放射線源10から放出される中性子nが中
性子測定装置3に入射されない。
【0072】設置部22は、収納部21と一体に又は個
別に形成され、その収納部21内から放射線源10を誘
導する本発明のガイド体(後述の誘導管など)又はガイ
ドレール体などを一体に搭載して成るもので、校正時に
放射線源10を予め設定された測定位置Yに照射状態で
設置する。測定位置Yは、放射線源10から放出される
中性子nを中性子測定装置3が測定可能となるように当
該装置3に対向する適宜位置に予め設定されている。こ
の測定位置Yに関しては収納部21の如く中性子nの遮
蔽効果を必要としない。
【0073】移動部24は、駆動モータ等の動力発生源
を成す駆動源(駆動手段)26と、この駆動源26に連
結される駆動機構(線源移送手段)27とを備え、駆動
源26が線源制御部25からの動作信号に基づいて作動
し、その駆動力を駆動機構27を介して放射線源10に
伝達することにより、放射線源10を収納部21内の基
準位置X及び設置部22内の測定位置Yに移動させる。
【0074】線源制御部25は、測定室2の外部に配置
され、例えばマイクロプロセッサ等を搭載して成るもの
で、具体的には、全体の動作を総括する制御盤28と、
この制御盤28からの制御信号に基づいて各種演算処理
を行う入力演算部(「入力演算手段」)29と、この入
力演算部29の演算結果等を表示するモニタ等の表示部
(「表示手段」)30と、制御盤28に接続される電源
供給部(「電源供給手段」)31とを備えている。電源
供給部31からの電源は、制御盤28を介して入力演算
部29及び表示部30に供給されると共に、移動部24
内の駆動源26に供給される。
【0075】信号処理ユニット40は、測定室5の外部
に設置され、例えばマイクロプロセッサ等を搭載して成
るもので、具体的には、中性子測定装置3からの中性子
測定に関する情報等を受け取る計装盤41と、この計装
盤41からの入力信号に基づいて予め設定された校正演
算用アルゴリズムを実行する演算部(「演算手段」)4
2と、この演算部42の演算結果や校正経過等の情報を
表示するモニタ等の表示部(「表示手段」)43と、計
装盤41に接続される電源供給部(「電源供給手段」)
44とを備えている。
【0076】計装盤41は、線源制御部25からの制御
信号に基づいて中性子測定装置3から収集される中性子
データを所定時間、測定(計数)し、その測定時間及び
中性子計数に関するデータを演算部42に供給する。測
定時間は、予め計装盤41に設定するか、又は演算部4
2からの制御信号等により設定される。
【0077】演算部42は、計装盤41からの入力に基
づいて予め設定された校正演算用アルゴリズムを実行す
ることにより、放射線源10の中性子計数率、放射能強
度あたりの中性子計数率、以前に測定した放射線源の中
性子計数率等を演算し、その演算結果を表示部43に出
力する。
【0078】ここで、演算部42の校正演算用アルゴリ
ズムに基づく処理を説明する。
【0079】まず、前述の(3)式中の補正項fiの1
つを中性子検出体系の中性子測定感度の補正項fdとす
ると、中性子測定装置3の校正定数Kは次式で求まる。
【0080】
【数4】
【0081】ここで、この実施形態では、放射線源10
から放出される中性子nによって中性子測定装置3の中
性子測定体系の感度を測定する構成としてあるため、上
述の(4)式中の補正項fdは次式で求まる。
【0082】
【数5】
【0083】この(5)式中の各パラメータの内の中性
子計数値Cj及び測定時間Τjとしては、計装盤41か
ら入力されるデータを使用し、その他のパラメータ(C
0、Τ0、I0、λ、P0、Ij)としては、演算部4
2のメモリ等に予め記憶(保持)されたデータを使用す
る。また、Pjは、演算部42に予め保持された中性子
発生率の検査日に関するデータと、演算部42に内蔵さ
れている時計とに基づいて放射線源10の測定日を判断
するか又は入力部から測定日を入力することで計算され
る。なお、λ、Ρ0、Ρの単位は、全て同じ単位に統一
されていれば、必ずしも[sec]に限定されない。ま
た、中性子測定装置3の運用前と定期的な校正時とに使
用する放射線源10が同一であれば、I0=Ijとな
る。
【0084】上述の(5)式で演算される補正項fd
は、校正定数に含められ、以後、補正された校正定数Κ
が使用される。
【0085】補正項fdは、中性子測定装置の運用前の
測定感度と、定期的校正時の測定感度との比から求めら
れるが、2回目以降の定期校正時には、前回の定期校正
時の中性子測定感度と今回の定期校正時の中性子測定感
度との比から求めることもできる。この場合、補正項f
dは次式で求まる。
【0086】
【数6】
【0087】この(6)式中の各パラメータの内の中性
子計数値Cj+1及び測定時間Τj+1としては、計装
盤41から入力されるデータを使用し、その他のパラメ
ータ(Cj、Τj、Ij、λ、Ρj、Ij+1)として
は、予め演算部42のメモリ等に保持されたデータを使
用する。また、Ρj+1としては、演算部42に予め保
持された中性子発生率の検査日と、演算部42に内蔵さ
れた時計とに基づいて放射線源10の測定日を判断する
か又は入力部から測定日を入力することで計算される。
なお、前回の定期校正時と今回の定期校正時とに使用す
る放射線源10が同一であれば、Ij=Ij+1とな
る。
【0088】上述の(6)式で計算された補正項fd
は、前回の校正定数に乗ずることで補正され、次回の定
期的な校正まで補止された校正定数Κが使用される。
【0089】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0090】まず、試料7を測定室2から収納室7に搬
出し、中性子測定装置3の定期的な校正を実施したとす
る(ここで、放射線源10は通常、試料の中性子測定時
に収納部21内に収納されているとする)。この実施に
際し、操作員が「校正開始」に相当する操作信号を線源
制御部25内の入力演算部29に入力すると、その入力
信号が制御盤28を介して移動部24内の駆動源26に
供給され、駆動源26の動力が駆動機構27を介して放
射線源10に伝達され、放射線源10が収納部21から
設置部22内の測定位置Yに移動させられる。
【0091】この放射線源10の移動が完了すると、駆
動源26から制御盤28に「線源設置完了」に相当する
制御信号が出力され、制御盤28から信号処理ユニット
40内の計装盤41に「中性子測定開始」に相当する制
御信号を出力され、計装盤41にて放射線源10から放
出される中性子が所定時間、測定される。
【0092】この計装盤41の中性子測定が終了する
と、計装盤41から制御盤28に「中性子測定終了」に
相当する制御信号が出力され、制御盤28から駆動源2
6に「校正終了」に相当する制御信号が出力される。こ
れにより、駆動源26からの駆動力を駆動機構27を介
して受けた放射線源10が設置部22内の測定位置Yか
ら収納部21内に移動させられる。
【0093】また、計装盤41の中性子計数及び測定時
間のデータは、演算部42に供給され、ここで上述の
(5)式及び(6)式に基づく演算が実行され、その演
算結果が校正経過情報と共に表示部43に表示される。
【0094】従って、この実施形態によれば、 1):遠隔操作で放射線源から放出される中性子を中性
子測定装置に照射させて校正するため、作業員が測定室
内に立ち入って手で放射線源を中性子測定装置の近傍に
設置する必要がない。また、測定室が試料で汚染されて
いるおそれがある場合でも、作業員が測定室内に入室す
る必要がないたため、作業員の内部被爆防止のための除
染作業も殆ど不要となる。また、放射線源による操作員
の外部被爆のおそれも回避できる。操作員が測定室に入
るための除染や放射線サーベイ作業が殆ど不要となるた
め、校正に係る作業効率が大幅に向上するようになる。
【0095】2):二次的な効果としては、駆動源を測
定室内に設置し、駆動機構及び設置部(ガイド体)間の
機械的な連結部分を極力短くしてあるため、機械的故障
等に対する装置の信頼性を高める利点がある。
【0096】なお、この実施形態によれば、線源制御部
と信号処理ユニットとを別体に設けてあるが、この発明
はこれに限定されるものではなく、例えば一体に搭載し
てもよい。
【0097】(第2実施形態)次に、この発明の第2実
施形態を図2に基づいて説明する。この第2実施形態
は、複数の中性子測定装置を測定室内(躯体内)に配置
したシステムに適用したものである。ここで、上記実施
形態と同一又は同等の構成要素については、同一又は同
等の符号を付してその説明を簡略又は省略する。
【0098】図2の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、測定室2を成す躯体1内に配置された複数の
中性子測定装置3…3を対象にして校正を実施するもの
である。ここで、躯体1は、試料7から放出される高エ
ネルギーの中性子に対する減速材をも兼ねている。この
校正装置は、上記第1実施形態と比べると、線源移動部
20の構成を一部変更したものである。その他の構成
は、上記第1実施形態と実質的に同等であるため、その
説明を省略する。
【0099】線源移動部20は、設置部22a内に収納
部21に加え、駆動機構27を搭載して成るもので、線
源制御部25からの制御信号を受けて駆動源26が作動
し、上記と同様に駆動機構27を介して放射線源10を
収納部21内の基準位置Xと設置部22内の測定値Yに
移動させると共に、設置部22aを複数の中性子測定装
置3…3の内の指示された装置3に対向する校正位置に
移動させるようになっている。
【0100】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0101】まず、校正を実施する際に、操作員が「校
正開始」及び「中性子測定装置番号」に相当する操作信
号を入力演算部29に入力すると、その入力信号が制御
盤28を介して駆動源26に供給され、設置部22aが
「中性子測定装置番号」に相当する中性子測定装置3の
校正位置に移動させられる。この校正位置において上記
と同様に放射線源10が収納部21から設置部22a内
の測定値Yに移動させられる。
【0102】この放射線源10の移動が完了すると、上
記と同様に駆動源26から制御盤28に「線源設置完
了」に相当する制御信号が出力され、制御盤28から計
装盤41に「中性子測定開始」に相当する制御信号が出
力され、計装盤41に放射線源10から放出される中性
子を所定時間、測定される。
【0103】この計装盤41の中性子測定が終了する
と、計装盤42から制御盤28に「中性子測定終了」に
相当する制御信号が出力され、制御盤28から駆動源2
6に「中性子測定装置番号」及び「校正終了」に相当す
る制御信号が出力される。
【0104】ここで、全ての中性子測定装置3…3の校
正が終了していなければ、制御盤28から表示部30に
次の「中性子測定装置番号」の入力を要求するようメー
セッジを表示させる。この表示を見ながら、操作員が校
正を続行する際に再度、「校正開始」と次の「中性子測
定装置番号」を入力演算部29から制御盤28に入力さ
れると、制御盤28から駆動源26に次の「中性子測定
装置番号」及び「校正開始」に相当する制御信号が供給
され、設置部22aが次の「中性子測定装置番号」に相
当する中性子測定装置3の校正位置に移動させられる。
この設置部22の移動が終了すると、上記と同様に中性
子測定が実施される。
【0105】以上の動作が繰り返し実行され、中性子測
定が全て終了すると、計装盤41から制御盤28に「中
性子測定終了」に相当する制御信号が出力され、制御盤
28から駆動源26に「校正終了」に相当する制御信号
が出力される。これにより、上記と同様に放射線源10
が設置部22内の測定位置Yから収納部21内に移動さ
せられる。また、設置部22は校正前の設置位置に移動
させられる。
【0106】また、計装盤41の中性子計数及び測定時
間のデータは、演算部42に供給され、ここで上記実施
形態と同様に上記(5)式及び(6)式に基づく演算が
実行され、その演算結果が校正経過情報と共に表示部4
3に表示される。
【0107】従って、この第2実施形態によれば、上記
第1実施形態の1)及び2)と同等の効果に加え、駆動
機構を設置部内に設けて一体化したため、 3):校正装置が占有する設置スペースを小さくでき、
例えば測定室が狭隘な場合にも設置できる利点がある。
【0108】なお、この実施形態によれば、複数の中性
子測定装置の校正を行う際に中性子測定装置1の番号を
操作員が入力演算部から指示する構成としてあるが、こ
の発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、制御
盤の自動制御により全ての中性子測定装置の校正を順番
に自動で行ってもよい。
【0109】(第3実施形態)次に、この発明の第3実
施形態を図3に基づいて説明する。この第3実施形態
は、上記各実施形態の線源移動部の配置を工夫したもの
である。ここで、上記実施形態と同一又は同等の構成要
素については、同一又は同等の符号を付してその説明を
簡略又は省略する。
【0110】図3の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、上記各実施形態と比べると、線源移動部20
の配置を一部変更したものである。線源移動部20は、
測定室2の外部に線源制御部25のほか、駆動源26を
配置し、この駆動源26に連結される駆動機構27を測
定室5の外部から躯体1を介して内部の設置部22に接
続している。その他の構成及び全体の動作は上記第1実
施形態と実質的に同等である。
【0111】この実施形態によれば、上記第1実施形態
で述べた1)と同等の効果に加え、駆動機構の一部及び
駆動源を測定室の外部に設置したため、 4):測定室内に設置する機器が少なって測定室内への
設置スペースを小さくなり測定室が狭隘な場合にも設置
できる利点がある。さらに、駆動源が試料及び放射線源
からの放射線に晒されることがなく、駆動源の放射線に
よる劣化を防止できる。測定室内に駆動源を設けた場合
には、駆動源の周囲に中性子遮蔽体を設置して放射線に
よる劣化を防ぐ方法が考えられるが、この実施形態によ
れば、このような遮蔽体を設置しなくても済むため、装
置を一層簡素に構築できる。
【0112】(第4実施形態)次に、この発明の第4実
施形態を図4に基づいて説明する。この第4実施形態
は、上記第3実施形態の線源移動部を上記第2実施形態
と同様に複数の中性子測定装置を対象とするシステムに
適用したものである。ここで、上記各実施形態と同一又
は同等の構成要素については、同一又は同等の符号を付
してその説明を簡略又は省略する。
【0113】図4の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、測定室2内に配置された複数の中性子検出装
置3…3に対して校正を実施する構成で、上記実施形態
と比べると、線源移動部20の構成を一部変更してい
る。
【0114】線源移動部20は、測定室2の外部に駆動
源26及び駆動機構27を一体に搭載した移動部24a
と、躯体1内から測定室2の内部に複数の中性子測定装
置の配置数に相当する複数の収納部21…21を搭載し
た複数の設置部22を備えている。駆動機構27の出力
側は複数の設置部22…22の入力側に取り外し可能に
接続されている。移動部24aは、駆動源26の動作に
より測定室2の外部で設置部22の周囲に沿って移動可
能となっている。その他の構成は上記各実施形態と同等
である。
【0115】この実施形態の全体の動作は、上記第2実
施形態と比べると、設置部22aの代わりに移動部24
aを複数の中性子測定装置3…3に相当する複数の設置
部22…22毎に順次、移動させて配置する点が相違す
るが、中性子測定及び校正処理等のその他の動作は上記
第2実施形態と実質的に同等である。
【0116】従って、この実施形態によれば、上記第1
実施形態で述べた1)及び上記第3実施形態で述べた
4)と同等の効果を最大限に発揮させることができる。
例えば、移動部を作業員が現場で自動又は手動で移動さ
せる場合でも、駆動機構が測定室5の外部に設置されて
いるため、作業員の内部被爆を防止するための測定室の
除染が要らず、放射線源による作業員の外部被爆などに
事態を回避できる。さらに、作業員が測定室に入るため
の除染や放射線サーべイ作業が必要ないため、校正の作
業効率をより一層高める利点がある。
【0117】なお、この実施形態によれば、複数の中性
子測定装置の校正を実施する際に当該装置の番号を操作
員が入力演算部から指示する構成としてあるが、この発
明はこれに限定されるものでなく、例えば、制御盤の自
動制御により全ての中性子測定装置の校正を順番に自動
で行ってもよい。
【0118】また、この実施形態によれば、移動部の制
御を操作員が入力演算部を介して駆動源を作動させて自
動で行うとしてあるが、この発明はこれに限定されるも
のではなく、例えば、操作員が現場で自動又は手動で移
動させてもよい。
【0119】(第5実施形態)次に、この発明の第5実
施形態を図5に基づいて説明する。この第5実施形態
は、上記各実施形態の収納部を具体化して適用したもの
である。ここで、上記各実施形態と同一又は同等の構成
要素については、同一又は同等の符号を付してその説明
を簡略又は省略する。
【0120】図5の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、上記各実施形態と比べると、線源移動部20
の構成を一部変更したものである。この線源移動部は、
上述の収納部21に中性子遮蔽効果を有する収納体
(「線源収納遮蔽体」)21aを採用し、この収納体2
1aを設置部22内の所定の位置に設けている。その他
の構成及び全体の動作は、上記各実施形態と実質的に同
等である。
【0121】収納体21aは、放射線源10から放出さ
れる中性子nが外部に透過するのを抑制する材料、例え
ばポリエチレンやポリプロピレン等の飽和炭化水素の高
分子化合物で形成されている。この収納体21aの内部
には、基準位置(収納位置)Xが予め設定されており、
校正時以外には、その基準位置Xに放射線源10が収納
される。これは、中性子測定装置3による試料7の中性
子測定を実施する場合に、放射線源101から放出され
る中性子nを試料2の中性子測定値の誤差として混入さ
せないためである。
【0122】また、収納体21aの外部は、漏洩可能な
熱中性子を吸収する物質、例えばカドミウムで覆われて
いる。これは、放射線源101からの中性子nが高速中
性子の場合には、その高速中性子の多くが上記成分中を
通過する際にエネルギーを徐々に失っていくが、その一
部が熱中性子となって外部に漏洩することがあるためで
ある。さらに、収納体21aの外部に関しては、放射線
管理上、必要であれば、γ線やX線の遮蔽材である鉛、
鉄、銅等で覆うことが望ましい。
【0123】ここで、収納体21a内の基準位置Xの設
定例を説明する。
【0124】まず、放射線源10の中性子発生強度をN
0[中性子数/sec]、収納体21aの遮蔽厚をL1
[cm]、中性子測定装置3の減速材4の遮蔽厚をL2
[cm]、基準位置Xと中性子検出器5の位置との距離
をL4[cm]、遮蔽厚[cm]に対する高速中性子の
減衰係数をε(L)[中性子数/(中性子数×c
2)]とし、基準位置Χに放射線源10を配置したと
仮定すると、中性子検出器5の位置における放射線源1
0からの中性子入射量Ν[中性子数/sec]は、次式
で近似的に求めることができる。
【0125】
【数7】 ここで、減衰係数ε(L)は、収納体21aの材質で異
なり、厚みLに対して指数関数的に変化する。例えば、
収納体21a及び中性子測定装置3の減速材4の両方を
ポリエチレン製とし、Ll=L2=15[cm]とすれ
ば、中性子計測に関する公知のハンドブック等の文献か
ら、減衰係数ε(L)は、
【数8】 程の値となる。この減衰係数ε(L)と、放射線源10
として法定外で取り扱えるCf−252の3.7メガベ
クレル相当の密封線源を採用したときの中性子発生量N
0=約2×105 [中性子/sec]と、L4=100
[cm]とすれば、中性子検出器5の位置での放射線源
10からの中性子入射量N[中性子数/sec]は、
【数9】 程の値となる。
【0126】上記の条件で基準位置Xを設定した場合に
は、中性子測定装置3で測定する試料7の中性子計数率
が10-3[中性子数/sec]程のレベルに達すると、
試料の中性子測定に関する放射線源10から放出される
中性子の寄与は問題となる。しかしながら、実際に、こ
の実施形態の校正装置が適用される中性子測定システム
においては、試料の中性子発生量が上記条件で求まる中
性子入射量Nに比較してかなり大きいため、上記条件で
放射線源10が基準位置Xに収納されていれば、試料の
中性子測定に殆ど影響を与えない。
【0127】また、遮蔽厚L[cm]に対する高速中性
子の減衰係数ε(L)は、厚さLが増加するに従って指
数関数的に極端に減少するため、測定室5の設置スペー
スの制約がある場合でも、試料7の中性子測定装置3に
よる中性子計数率と放射線源10の中性子発生強度を考
慮すれば、収納体の厚みを極端に変更しなくても遮蔽効
果を十分に発揮させることができる。
【0128】従って、この実施形態によれば、上記第1
実施形態の1)及び2)と同等の効果に加え、中性子測
定装置の校正を行わない時には、収納体の基準位置に放
射線源を収納する構成としたため、 5):放射線源からの中性子が中性子測定装置に影響を
与えないレベルに保つことができ、試料の中性子測定値
から放射線源の中性子の寄与を差し引くといった補正を
行う必要がなく、試料の中性子測定をより一層円滑かつ
精度良く実施できる利点がある。
【0129】また、収納体を測定室の内部に配置したた
め、測定位置及び基準位置を近接して設計できるため、
放射線源の移動距離を一層短くでき、装置の信頼性をよ
り一層高める利点がある。
【0130】(第6実施形態)次に、この発明の第6実
施形態を図6に基づいて説明する。この第6実施形態
は、上記第5実施形態の収納体の配置を工夫したもので
ある。ここで、上記各実施形態と同一又は同等の構成要
素については、同一又は同等の符号を付してその説明を
簡略又は省略する。
【0131】図6の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、上記第5実施形態と比べると、線源移動部2
0の構成が一部変更されている。この線源移動部20
は、移動部24(駆動源26及び駆動機構27)と、設
置部22内の収納体21aを含めた部分が測定室2の外
部に配置されている。
【0132】設置部22の測定位置Yを含めた部分は、
躯体1を介して測定室2内の中性子測定装置3の近傍に
設置されている。躯体1は、試料7からの放射線が測定
室5の外部に漏洩しないように遮蔽構造を有し、具体的
には2層構造の内側層に中性子を遮蔽する材料(ポリエ
チレンやポリプロピレン等の飽和炭化水素の高分子化合
物など)から成る中性子遮蔽体1aと、外側層にγ線を
遮蔽する材料(鉛など)から成るγ線遮蔽体1bとを備
えている。その他の構成及び全体の動作は、上記各実施
形態と実質的に同等である。
【0133】ここで、この実施形態の収納体21aの基
準位置Xの設定例を説明する。
【0134】まず、放射線源10の中性子発生強度をN
0[中性子数/sec]、中性子測定装置3の減速材4
の遮蔽厚をL1[cm]、躯体1の中性子遮蔽体1aの
遮蔽厚をL2[cm]、収納体21aの遮蔽厚をL3
[cm]、基準位置Χと中性子検出器12との距離をL4
[cm]、上記と同様の遮蔽厚L[cm]に対する高速
中性子の減衰係数をε(L)[中性子数/(中性子数×
cm2 )]とし、基準位置Χに放射線源10を配置した
と仮定すると、中性子検出器5の位置における放射線源
10からの中性子入射量Ν[中性子数/sec]は、次
式で近似的に求めることができる。
【0135】
【数10】
【0136】例えば、中性子測定装置3の減速材4と躯
体1の中性子遮蔽体1aをポリエチレン製とし、Ll=
L2=L3=10[cm]としたときに、上記と同様の
文献から、減衰係数をε(L)は、
【数11】 程の値となる。従って、上記と同様に中性子発生量N0
=約2×105 とし、L4=100[cm]とすれば、
中性子検出器5の位置での放射線源10からの中性子入
射量Nは、
【数12】 程の値、即ち上記第5実施形態で求めたNと同一とな
る。
【0137】従って、この実施形態によれば、上記第1
実施形態の1)及び上記第5実施形態の5)と同等の効
果に加え、放射線源の基準位置での中性子検出器に対す
る遮蔽効果として収納体と躯体内の中性子遮蔽体を使用
したため、 6):収納体の遮蔽厚を小さくし又は遮蔽材を使用しな
くても済み、収納体を狭隘な設置スペースに配置するこ
とができる。また、校正装置の殆どの構成要素を測定室
の外部に配置する構成としたため、各部の駆動部分を極
力短くでき、装置の信頼性を一層高める利点がある。
【0138】なお、収納体を測定室の外部に設置し、上
記第5実施形態と比べると、設置スペースの制約を少な
くしたため、放射線源及び中性子測定装置間の距離を大
きく設定できる場合には、収納体の遮蔽材質の厚みをよ
り小さくするか又は躯体の遮蔽効果を発揮させることで
収納体を遮蔽材で形成しなくてもよい(後述の第7実施
形態参照)。
【0139】(第7実施形態)次に、この発明の第7実
施形態を図7に基づいて説明する。この第7実施形態
は、上記第6実施形態の設置部を工夫して実施したもの
である。ここで、上記各実施形態と同一又は同等の構成
要素については、同一又は同等の符号を付してその説明
を簡略又は省略する。
【0140】図7の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、上記第6実施形態と比べると、線源移動部2
0の構成が一部変更されている。この線源移動部20
は、設置部22内の収納体21aが省略され、設置部2
2内の基準位置Xが上記第6実施形態と同等の躯体1の
γ線遮蔽体1b内に配置され、その測定位置Yの部分が
測定室2内の中性子測定装置3の近傍に配置されてい
る。その他の構成及び全体の動作は、上記各実施形態と
同等である。
【0141】ここで、この実施形態の設置部22内の基
準位置Xの設定例を説明する。
【0142】まず、放射線源10の中性子発生強度をN
0[中性子数/sec]、中性子測定装置3の減速材4
の遮蔽厚をL1[cm]、躯体1の中性子遮蔽体1aの
遮蔽厚をL2[cm]、基準位置Χと中性子検出器5と
の距離をL4[cm]、上記と同様の遮蔽厚L[cm]
に対する高速中性子の減衰係数をε(L)[中性子数/
(中性子数×cm2 )]とし、基準位置Χに放射線源1
0を配置したと仮定すると、中性子検出器5の位置にお
ける放射線源10からの中性子入射量Ν[中性子数/s
ec]は、次式で近似的に求めることができる。
【0143】
【数13】
【0144】例えば、中性子測定装置3の減速材4と躯
体の中性子遮蔽体1aをポリエチレン製とし、Ll=L
2=15[cm]としたときに、上記と同様の文献か
ら、減衰係数をε(L)は、
【数14】 程の値となる。従って、上記と同様に中性子発生量N0
=約2×105 とし、L4=100[cm]とすれば、
中性子検出器5の位置での放射線源10からの中性子入
射量Nは、
【数15】 程の値、即ち上記第5及び第6実施形態で求めたNと同
一となる。
【0145】従って、この実施形態によれば、上記第1
実施形態の1)及び上記第5実施形態の5)と同等の効
果の効果に加え、特に放射線源の基準位置における中性
子検出器への遮蔽対策に躯体を兼用したため、 7):放射線源の収納時の遮蔽手段(設置部内の収納体
等)を省略できる分、システム全体の簡素化を図ること
ができ、測定室内の設置スペースが少ない場合でも装置
を搭載できる利点がある。
【0146】なお、この実施形態では、躯体の中性子遮
蔽体の遮蔽厚を測定室外に放射線が漏洩しない厚さに設
定してあるが、この発明は必ずしもこれに限定されな
い。
【0147】例えば、基準位置にある放射線源からの中
性子が試料の中性子測定値に混入するおそれがある場合
には、基準位置及び中性子検出器間の中性子遮蔽体を設
定値よりも厚めにするか、又は、設置部内に前述の中性
子遮蔽効果を有する材料を設けてもよい。後者の場合に
は、減衰係数が厚さに比例して指数関数的に急激に減少
していくため、躯体の中性子遮蔽体の厚みを十分に設定
しておけば、設置部内の遮蔽体の厚みを薄くできる。
【0148】(第8実施形態)次に、この発明の第8実
施形態を図8に基づいて説明する。この第8実施形態
は、上記第5実施形態の設置部を工夫して実施したもの
である。ここで、上記各実施形態と同一又は同等の構成
要素については、同一又は同等の符号を付してその説明
を簡略又は省略する。
【0149】図8の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、測定室2内に配置された複数(図中では2
つ)の中性子測定装置3…3に適用したもので、上記第
5〜第7実施形態と比べると、線源移動部20の構成が
一部変更されている。
【0150】この線源移動部20は、測定室2内に移動
部24及び設置部22を備えた構成で、基準位置Xにあ
る放射線源10の遮蔽対策として上記の収納体21aや
躯体1を兼用するのではなく、設置部22内の基準位置
Xと中性子測定装置3内の中性子検出器5との距離を調
整している。設置部22は、測定室2内の1つの基準位
置Xから延び且つその途中位置で複数の中性子測定装置
3…3に対向する複数の測定位置Y…Yに向けて分岐す
るように配設されている。
【0151】ここで、設置部22内の基準位置Xの設定
例を説明する。
【0152】まず、放射線源10の中性子発生強度をN
0[中性子数/sec]、中性子測定装置3の減速材4
の遮蔽厚をL1[cm]、基準位置Xと中性子検出器5
の位置との距離をL4[cm]、遮蔽厚[cm]に対す
る高速中性子の減衰係数をε(L)[中性子数/(中性
子数×cm2 )]とし、基準位置Χに放射線源10を配
置したと仮定すると、中性子検出器5の位置における放
射線源10からの中性子入射量Ν[中性子数/sec]
は、次式で近似的で求めることができる。
【0153】
【数16】Ν=Ν0×ε(L1)/(4×π×L42 ) 例えば、中性子測定装置3の減速材4と躯体の中性子遮
蔽体1aをポリエチレン製とし、Ll=10[cm]と
したときに、上記と同様の文献から、減衰係数をε
(L)は、
【数17】 ε(L)=ε(Ll)=ε(30)=約0.03 程の値となる。従って、上記と同様に中性子発生量N0
=約2×105 とし、L4=500[cm]とすれば、
中性子検出器5の位置での放射線源10からの中性子入
射量Nは、
【数18】 程の値、即ち上記第5実施形態で求めたN(=約3.2
×10-3)とほぼ同一となる。これは、1つの中性子測
定装置3の例であるが、他の中性子測定装置3でもほぼ
同様となる(図中の遮蔽厚厚L1´及び距離L4´参
照)。
【0154】従って、この実施形態によれば、上記第1
実施形態の1)及び上記第5実施形態の5)と同等の効
果の効果に加え、特に基準位置にある放射線源の遮蔽対
策として基準位置と中性子検出器との距離のみで調整す
る構成としたため、 8):設置部の内外に遮蔽材等の中性子遮蔽構造を必要
としない分、装置構成を簡素に構築でき、装置の信頼性
をより一層高めることができる。特に、基準位置及び測
定位置間の移動をスムーズに実施でき、駆動機構を一層
簡素な構成で構築できる利点がある。
【0155】(第9実施形態)次に、この発明の第9実
施形態を図9に基づいて説明する。この第9実施形態
は、上記第8実施形態の設置部を工夫して実施したもの
である。ここで、上記各実施形態と同一又は同等の構成
要素については、同一又は同等の符号を付してその説明
を簡略又は省略する。
【0156】図9の構成図に示す中性子測定装置用の校
正装置は、上記第8実施形態と比べると、線源移動部2
0の設置部22の配置が一部変更され、設置部22が躯
体6を介して配置されている。
【0157】ここで、設置部22内の基準位置Xの設定
例を説明する。
【0158】まず、放射線源10の中性子発生強度をN
0[中性子数/sec]、中性子測定装置3の減速材4
の遮蔽厚をL1[cm]、基準位置Xと中性子検出器5
の位置との距離をL4[cm]、遮蔽厚[cm]に対す
る高速中性子の減衰係数をε(L)[中性子数/(中性
子数×cm2 )]とし、基準位置Χに放射線源10を配
置したと仮定すると、中性子検出器5の位置における放
射線源10からの中性子入射量Ν[中性子数/sec]
は、次式で近似的に求めることができる。
【0159】
【数19】Ν=Ν0×ε(L1)/(4×π×L42
【0160】例えば、中性子測定装置3の減速材4と躯
体の中性子遮蔽体1aをポリエチレン製とし、Ll=1
0[cm]としたときに、上記と同様の文献から、減衰
係数をε(L)は、
【数20】 ε(L)=ε(Ll)=ε(30)=約0.03 程の値となる。従って、上記と同様に中性子発生量N0
=約2×105 とし、L4=500[cm]とすれば、
中性子検出器5の位置での放射線源10からの中性子入
射量Nは、
【数21】 程の値、即ち上記第8実施形態で求めたNと同一とな
る。
【0161】従って、この実施形態によれば、上記第1
実施形態の1)、上記第5実施形態の5)、及び上記第
7実施形態の7)と同等の効果の効果に加え、特に放射
線源の測定位置Xを測定室の外部に設定したため、 9):放射線源を交換する必要が生じた場合に、作業員
が測定室内に入る必要がなく、作業員の内部被爆を防止
するための測定室の除染作業が必要ない。また、測定室
が比較的狭く、室内に放射線源の中性子減衰に必要な距
離を設定できない場合でも、放射線源と中性子検出器の
距離を十分に設定できる利点がある。
【0162】(第10実施形態)次に、この発明の第1
0実施形態を図10に基づいて説明する。この第10実
施形態は、上記各実施形態の線源移動部を具体化して実
施したものである。ここで、上記各実施形態と同一又は
同等の構成要素については、同一又は同等の符号を付し
てその説明を簡略又は省略する。
【0163】図10(a)及び(b)に示す中性子測定
装置用の校正装置は、上記第1〜第9実施形態の線源移
動部20の構造を工夫したもので、減速材4及び中性子
検出器5を備えた中性子測定装置3が配置される測定室
(図示しない)内において、当該装置3の上部に上記第
5実施形態と同等の箱状の収納体21a(収納部)が配
設され、この収納体21aの上部に移動部24が取り付
けられている。この移動部24は、測定室2の外部に配
置された線源制御部25に電気的に接続されている。収
納体21aの下部には、中性子測定装置3のほか、支持
脚21bが取り付けられている。また、この収納体21
aには、放射線源10の移動をガイドする、本発明のガ
イド体を成す誘導管(「誘導設置管」ともよぶ)50が
貫通状態で配設されている。
【0164】設置管50は、その管内に沿って放射線源
10が移動可能となるように放射線源10の外径よりも
大きな内径を有し、その管内に定めた基準位置Xが収納
体21a内の所定位置に相当し且つ測定位置Yが中性子
測定装置3に対向する位置に相当するように収納体21
a内を介して中性子測定装置に臨む状態で固定されてい
る。誘導管50の先端側には、テーパ51が形成されて
おり、そのテーパ51の管径寸法により照射線源10を
測定位置Yに正確に位置決めできるようになっている。
【0165】この誘導管50内の基準位置Xは、放射線
源10から中性子検出器5への中性子の減衰特性(減弱
度合い)、即ち収納体21aの材質や基準位置Χと中性
子検出器との間の遮蔽厚などに基づいて、放射線源10
の中性子発生強度と中性子の減衰量とのバランスから収
納体21a内の任意の適宜位置に設定される。即ち、基
準位置Xにある放射線源10から中性子検出器5への中
性子照射角度θl(図10(a))及びθ2(図10
(b))が収納体21aの範囲内となるように設定され
ている。従って、基準位置Χにある放射線源10からの
中性子は、中性子検出器5に殆ど到達しない。
【0166】移動部24は、箱状の筐体24bを有し、
この筐体24b内及び誘導管50内に進退自在に挿入さ
れる屈曲性のある長尺体60と、この長尺体60を送り
出し及び巻き取り自在の巻取機構62と、この巻取機構
62を回転可能に支持固定する軸受部(軸受固定機構)
63と、巻取機構62の駆動源である駆動モータ64と
を備え、この駆動モータ64が線源制御部25に電気的
に接続されている。
【0167】長尺体60は、例えばワイヤー、ロープ、
及びチェーン等の屈曲自在の要素から成り、その一端に
放射線源10が取り付けられ、その他端が巻取機構62
に送り出し及び巻き取り自在に固定されている。この長
尺体60を巻取機構62から誘導管50内への送出方向
及びその逆の巻取方向に沿って円滑且つスムーズに誘導
させるため、誘導管50の挿入側と巻取機構62との間
にはガイド61が配設され、このガイド61が巻取機構
62の回転動作に沿って巻取機構502の回転軸に平行
な方向に沿って移動可能となっている。
【0168】巻取機構62は、駆動モータ64の回転軸
に直接的に又はギア歯車(モータ64の回転トルクと巻
取機構62の回転負荷との関係に基づいて選定される)
等を介して間接的に連結される回転軸を有するドラム体
(巻胴)を有し、そのドラム体を駆動モータ64からの
動力を受けて互いに反対方向を成す送出及び巻取方向の
いずれか一方に回転させることにより、放射線源10を
取り付けた長尺体60をガイド61を介して誘導管50
内に進退自在に挿入させる。巻取機構62の送出及び巻
取方向は、駆動モータ64の回転制御又はギアの連結変
更などで調整される。
【0169】軸受部63は、巻取機構62と駆動モータ
64とが直接的に連結される場合には回転軸の非連結側
を回転可能に支持し、両者62及び64が間接的に連結
される場合には回転軸の両側を回転可能に支持する。
【0170】線源制御部25は、上述と同様の線源位置
制御に関する処理を実行することにより、特に駆動モー
タ64への電力供給時間、駆動モータ64の回転数又は
巻取機構502の回転数を検知又は制御しながら、基準
位置Xと測定位置Yとの間の放射線源10の移動距離を
調整する。
【0171】また、この線源制御部25は、上記各実施
形態と同等の信号処理ユニット40の機能を一体に搭載
しており、その信号処理ユニット40による校正処理を
実施することにより、中性子測定装置3の中性子計測回
路系を制御して放射線源10からの中性子を所定時間、
計数し、その計数結果等に基づいて校正データを演算
し、その演算結果や校正開始から終了までの進捗状況等
の情報を表示する。
【0172】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0173】まず、中性子測定装置3の校正前に予め長
尺体60に取り付けられた放射線源10が誘導管50内
の基準位置Xに配置されており、この配置状態で校正を
開始したとする。
【0174】この校正開始に際し、線源制御部25から
の制御信号に基づいて駆動モータ64が回転し、その動
力を受けて巻取機構62が送出方向に回転し、その回動
により長尺体60と共に放射線源10がガイド61を介
して誘導管50内の基準位置Χから測定位置Yに向けて
送り出される。そこで、放射線源10が測定位置Yに達
し、その位置Yに設けたテーパ51で正確に位置決めさ
れて設置される。
【0175】この放射線源10の測定位置Yへの設置が
完了すると、線源制御部25にて中性子測定装置3の中
性子計測回路系が制御され、放射線源10からの中性子
が所定時間、計数される。この中性子計数が終了する
と、線源制御部25からの制御信号に基づいて駆動モー
タ64が回転し、その動力を受けて巻取機構62が巻取
方向に回転し、その回動により長尺体60と共に放射線
源10がガイド61を介して誘導管50内の測定位置Χ
から基準位置Yに向けて巻き取られる。
【0176】従って、この実施形態によれば、線源制御
部からの制御により放射線源の設置を自動で実施する構
成としたため、 10):従来のように作業員が手で放射線源を設置する
際の外部被爆のおそれを回避できる。また、長尺体の先
端部に設けた放射線源を巻取機構で移動させる構成とし
たため、移動部及び設置部をコンパクトに構築でき、校
正装置の設置スペースを削減できる。さらに、屈曲性の
ある長尺体をガイドを介して誘導管内に送り出し及び巻
き取り可能な構成としたため、送出時及び巻取時におけ
る長尺体及び放射線源の絡みや引っかかり等の移動時に
関する不都合な事態を殆ど軽減できる。
【0177】二次的な効果としては、誘導管内の放射線
源の測定位置にテーパを設けたため、測定位置の位置決
め精度を高め、校正時の測定に関する再現性を高めるこ
とができる。
【0178】なお、この実施形態の線源制御部に関して
は、中性子測定装置の制御回路系の機能の少なくとも一
部を搭載する構成であってもよい。
【0179】(第11実施形態)次に、この発明の第1
1実施形態を図11に基づいて説明する。この第11実
施形態は、上記第10実施形態を複数の中性子検出器を
含むシステムに適用したものである。ここで、上記各実
施形態と同一又は同等の構成要素については、同一又は
同等の符号を付してその説明を簡略又は省略する。
【0180】図11の構成図に示す中性子測定装置用の
校止装置は、測定室2を成す躯体1内に減速材4及び複
数の中性子検出器5…5を所定個数(図中では3個)毎
に異なる複数列(図中では2列L1、L2)に割り当て
て配列した中性子測定装置3に適用したもので、中性子
測定装置3の近傍に配置した複数列の誘導管50と、こ
の誘導管50内に沿って放射線源10を移動させる移動
部24とを線源移動部20の要部に備えている。誘導管
50は、中性子検出器5…5の列L1、L2毎に躯体2
の外側表面を挿通する状態で固定されている。
【0181】放射線源10は、線源本体を収納したカプ
セル(線源カプセル)11を内部に保持する保持体(線
源保持体)12から成り、この保持体12を、誘導管5
0内を引っかかることなくスムーズに挿入可能な外径
(誘導管50の内径よりも十分に小さく設定)、外側形
状(面取り等)で形成したものである。この保持体12
の内部には、カプセル11のほか、そのカプセル11に
対向する背面側に磁性体13と、底面側におもり体14
とが配設されている。おもり体14は、例えば鉛、タン
グステン、ステンレス、鉄等の密度が大きい材質で形成
され、その荷重により誘導管50内を移動する放射線源
10の移動方向に沿う姿勢を安定させる。
【0182】誘導管50には、その複数の測定位置X…
Xを挟んで躯体1内の複数の中性子検出器5…5と対向
する位置に位置決め用の複数の電磁機構52…52と、
この複数の電磁機構52…52を複数列毎に保持する複
数の保持体53、53とが取り付けられている。電磁機
構52…52は、線源制御部25から電力を受けたとき
に磁石化し、その磁化作用により誘導管50内の測定位
置Xに移動してきた放射線源10の磁性体13を引き付
けることにより、その放射線源10のカプセル11と中
性子検出器5とが互いに対向するように放射線源10の
位置決めを行う。なお、誘導管50内の基準位置Χは、
放射線源10からの中性子が中性子検出器5に入射しな
い任意位置、例えば躯体1の外部に設定されている。
【0183】移動部24は、上記と同様に放射線源10
が接続される長尺体60、ガイド61、巻取機構62、
軸受部63、駆動モータ64を装備した筐体24bのほ
か、この筐体24bの底側に固定される回転テーブル6
5と、その回転テーブル65の軸方向を中心に回転させ
る回転機構66とを備えている。筐体24bは、回転テ
ーブル65の底側と誘導管50の入口側との距離が放射
線源10を成す保持体12の軸方向の長さよりも大きく
なる状態で回転機構66を介して躯体2の外側表面に取
り付けられている。
【0184】この移動部24は、上述と同様の筐体24
b内の各要素の駆動により、誘導管50内の基準位置X
及び測定位置Y…Yに放射線源10を移動させると共
に、その放射線源10を挿入すべき誘導管50を別の誘
導管50に切り換えるときに、放射線源10を誘導管5
0内の基準位置Xから回転テーブル65及び誘導管50
間の中間位置Zまで巻き取り、その放射線源10の中間
位置Zを維持した状態で回転機構66を動作させて回転
テーブル65と共に筐体24bを回転させることによ
り、放射線源10を別の誘導管50に対向する位置まで
移動させる。
【0185】線源制御部25は、上述と同様の機能に加
え、予め設定されたシーケンスに沿った処理を実行する
ことにより、複数の電磁機構52…52に個別に電力を
供給すると共に、回転機構66を制御するようになって
いる。
【0186】ここで、この実施形態の全体の動作を説明
する。
【0187】まず、中性子測定装置3の校正開始に際
し、上述と同様に移動部24にて放射線源10を誘導管
50内の基準位置Xから測定位置Yに移動させたとす
る。ここで、線源制御部25から上記測定位置Yに対向
する電磁機構52に電力が供給され、その電磁機構52
から放射線源10の磁性体13への引きつけにより、放
射線源のカプセル11が校正対象とすべき中性子検出器
5に対向する状態に位置決めされる。
【0188】この放射線源10の位置決めが完了する
と、線源制御部25にて上記と同様の中性子計数が実施
され、これが終了すると、線源制御部25から電磁機構
52への電力供給を中断して位置決めを解除し、次の中
性子検出器5の測定位置Xに放射線源10が移動されら
れ、上記と同様の位置決め及び中性子計数が実施され
る。
【0189】上記と同様の動作を繰り返し実行すること
により、1つの誘導管50に沿う全ての中性子検出器5
…5の中性子測定を終了すると、移動部24にて放射線
源10を誘導管50内から中間位置Zまで移動させ、線
源制御部25の制御信号に基づいて回転機構66が駆動
し、回転テーブル65と共に筐体24bが回転し、放射
線源10が次の誘導管50の中間位置Zにセットされ
る。その後、全ての中性子検出器5…5の測定が終了す
るまで上記と同様の動作が繰り返し実行される。
【0190】従って、この実施形態によれば、上記第1
0実施形態で述べた10)と同等の効果に加え、放射線
源を保持体で保持し、その保持体の誘導管内径に対する
外径及び形状を工夫し、保持体内におもり体を取り付け
たため、誘導管内に沿った放射線源の移動をより一層ス
ムーズに実施でき、装置の信頼性を向上させることがで
きる。
【0191】また、電磁機構を利用して放射線源の位置
決めを実施したため、放射線源を測定値に正確に固定で
き、校正時の測定における再現性を高め、位置決め用と
して誘導管内に凹凸を設ける必要がないことから、放射
線源の移送をスムーズに行えるので装置の信頼性が向上
する。さらに、移動部に回転テーブルを設けたため、複
数の誘導管への放射線源の移動を1つの移動部で実施で
き、装置が占める設置スペースを一層、削減できる利点
がある。
【0192】(第12実施形態)次に、この発明の第1
2実施形態を図12に基づいて説明する。この第12実
施形態は、上記実施形態の線源移動部を変更して実施し
たものである。ここで、上記各実施形態と同一又は同等
の構成要素については、同一又は同等の符号を付してそ
の説明を簡略又は省略する。
【0193】図12の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置は、上記実施形態と比べると、線源移動部20
の構成を変更したものである。線源移動部20は、誘導
管50及び移動部24を要部に備えている。
【0194】誘導管50は、矩形ループ状の誘導管から
成り、躯体1を貫通して測定室2の内部及び外部(例え
ば制御室又は収納室など)を互いに任意のルートで連絡
するように配設されている。
【0195】この誘導管50は、例えば矩形の辺を成す
4つの直管部50a及び矩形の頂点付近を含む屈曲部5
0bを一体に又は別体に構成する構成管から成り、具体
的には、例えば屈曲部50bを成す構成管をフランジ式
で結合して形成し、その構成管と直管部50aを成す構
成管とを互いにフランジ式で結合したものである。この
誘導管50の内部においては、測定室2内の中性子測定
装置5に対向する位置に測定位置Yと、測定室2の内外
の複数の任意位置、例えば放射線源からの中性子が中性
子測定装置に照射されない、又は仮に照射されたとして
も試料の中性子測定の影響を殆ど無視できる位置に複数
の基準位置X…Xとが設定されている(上記実施形態参
照)。また、この誘導管50の下部には、ベースに固定
される複数の支持脚50c…50cが取り付けられてい
る。
【0196】移動部24は、測定室2外にある誘導管5
0の両端部が接続される筐体24bを有し、その筐体2
4b内を介して誘導管50内に挿通される、本発明のル
ープ体を成す屈曲性を有するチェーン(移送ループ)7
0と、このチェーン70を誘導管50内の軸方向に沿っ
て送り出す送出機構(ループ送出機構)71と、この送
出機構71を駆動させる駆動モータ72とを備えてい
る。送出機構及び駆動モータは筐体24b内の支持台7
3上に固定されている。チェーン70は、適度な張力を
維持するように予め長さ等が調整されており、その途中
位置に放射線源10が取り外し可能に固定される。
【0197】また、この移動部24は、屈曲部を成す構
成管内にチェーン70と噛み合う突起部を有するガイド
用の円盤(チェーン支持体)74を回転可能に支持台7
5上に取り付け、この円盤74により誘導管50内の屈
曲部50bに沿ったチェーン70の方向転換をスムーズ
に誘導する。
【0198】送出機構71は、例えば筐体24b内のチ
ェーン70の軸方向に直交する方向に回転軸を有し且つ
その回転軸が駆動モータに連結される複数の円盤を備
え、この円盤の外周部にチェーンと噛み合う突起部を設
けた構成で、駆動モータ72の動力を受けて複数の円盤
を回転させることにより、チェーン70を送り出し、そ
のチェーン70の途中位置に接続された放射線源10を
誘導管50内の基準位置X…X及び測定位置Yに移動さ
せる。
【0199】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0200】まず、中性子測定装置3の校正前に放射線
源10が測定室2のエリア内の基準位置X又は測定室外
(制御室など)のエリア内の基準位置Χに配置され、こ
の状態から校正を開始したとする。
【0201】この校正開始に際し、線源制御部25から
の制御信号に基づいて駆動モータ72が作動し、その駆
動力を受けて送出機構71が駆動し、チェーン70が誘
導管50内に沿って送り出され、放射線源10が基準位
置Xから測定位置Yに移動させられる。このとき、線源
制御部25にて駆動モータ72への電力供給時間やモー
タ回転数、又は送出機構71の回転数が検知又は制御さ
れるため、基準位置Χ及び測定位置Y間の移動距離が調
整され、放射線源10が測定位置Yに正確に位置決めさ
れる。
【0202】このように放射線源10の移動及び位置決
めが完了すると、線源制御部25にて中性子測定装置3
の中性子計測回路系が制御され、測定位置Yにある放射
線源10から放出される中性子が所定時間、計数され
る。次いで、中性子計数が終了すると、線源制御部25
からの制御信号に基づいて駆動モータ72が作動し、そ
の駆動力を受けて送出機構52が駆動し、チェーン70
が誘導管50内に沿って送り出され、放射線源10が測
定位置Xから基準位置Yに移動及び位置決めされる。こ
の校正開始から終了までの進捗状況は、逐次、線源制御
部25にて監視され、その監視情報が校正結果などの情
報と共に表示部にて表示される。
【0203】その後、放射線源10の交換などの保守点
検時には、誘導管50内に基準位置Xにある放射線源1
0が上記と同様の動作にて予め所定の取外位置に移動さ
せられる。この取外には放射線源を取出可能な開閉自在
のフタ等の開閉機構(図示しない)が設けられている。
従って、作業員は、取外位置にある放射線源をチェーン
70から外して外部に取り出し、ここで新たな放射線源
と交換等を行う。
【0204】上記の取外位置は、測定室2の内部エリア
又は外部エリア(制御室など)における放射線管理区域
区分が常時、立ち入り可能なレベルを維持する場合に
は、誘導管を成す配管の一部に設定し、また、測定室の
内部エリアが放射能汚染の可能性がある場合には、測定
室の外部エリアに設定することが望ましい(後者の場合
には、内部エリアに位置する誘導管は密閉構造に形成す
ることが好ましい)。
【0205】従って、この実施形態によれば、放射線源
を自動で設置する構成としたため、従来のように作業員
が放射線源を手で設置しなくても済み、外部被爆等の不
都合な事態を殆ど回避できる。
【0206】また、屈曲性のあるチェーンを採用したた
め、誘導管を屈曲部を含めた設計範囲の広い形状に構築
でき、放射線源の引き回し経路を部屋のスペース及び形
状に容易にフィットでき、スペースを小さくできる。さ
らに、放射線源を適度に張ったチェーンの途中位置に連
結して固定支持し、誘導管の屈曲部での方向変換をスム
ーズに行う構成としたため、チェーンの引っかかりがな
く、しかも、放射線源の姿勢が安定化され、放射線源の
引っかかりも殆ど回避できる。
【0207】なお、この実施形態では、ループ体をチェ
ーンで構成してあるが、この発明はこれに限定されるも
のではなく、屈曲性を有するものではあれば、例えばロ
ープやワイヤなどで構成してもよい。
【0208】(第13実施形態)次に、この発明の第1
3実施形態を図13に基づいて説明する。この第13実
施形態は、上記各実施形態の線源移動部を工夫して実施
したものである。ここで、上記各実施形態と同一又は同
等の構成要素については、同一又は同等の符号を付して
その説明を簡略又は省略する。
【0209】図13の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置は、線源移動部20に収納体21a、誘導管5
0、及び移動部24を備えている。収納体21aは、上
記第10実施形態と同様の遮蔽材等で成り、中性子測定
装置3の上部に配設され、その底面側には支持脚21b
が取り付けられている。
【0210】誘導管50は、例えば角柱状部材から成
り、収納体21a内を上下方向に貫通し、その下部が中
性子測定装置3内に達し、その上部が収納体21aから
突出する状態で取り付けられている。誘導管50の内部
には、収納体21a内に基準位置Xと、下端側に測定位
置Yとが設定されている。基準位置Xは、上記と同様に
収納体21aの材質、遮蔽厚、中性子検出器5に対する
距離等で定まる放射線源10の中性子発生強度及び中性
子減衰量(減弱させたい中性子量レベル)に基づいて任
意位置に設定される。
【0211】移動部24は、誘導管50内の軸方向に沿
って上下動可能に挿入される長尺角柱状の線源移送用の
ロッド(本発明のロッド体を成す)80と、このロッド
80に駆動用のギア81を介して連結される駆動モータ
82とを備える。ロッド80には、その一方の側面にギ
ヤの歯と噛み合う溝80aが設けられ、その先端部に放
射線源10が取り付けられている。
【0212】駆動モータ82は、収納体21aの上部に
支持台82aを介して取り付けられる。駆動モータ82
の回転軸にギヤ81が連結され、このギヤ81の歯が誘
導管50の側面部に穿孔された穴81bを介してロッド
80の溝に直接接触して正確に噛み合う。この駆動モー
タ82は、線源制御部25からの電気信号を受けて作動
し、その駆動力をギヤ81を介してロッド80に伝達す
ることにより、ロッド80を誘導管50内の軸方向に沿
って上下動させると共に、そのロッド80の上下動の距
離を線源制御部25からの制御信号に基づいて調整する
ことにより、放射線源10を基準位置Χ及び測定位置Y
間に移動させる。
【0213】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0214】まず、中性子測定装置3の校正前には、放
射線源10が誘導管50内の収納体21a内に位置する
基準位置Χに配置されており、この状態で校正を開始し
たとする。
【0215】この校正開始に際し、線源制御部25から
の制御信号を受けて駆動モータ82が作動し、その駆動
力がギヤ81を介してロッド80に伝達され、ロッド8
0が誘導管50内に沿って安定した状態で下方へ移動さ
せられ、放射線源10が基準位置Xから測定位置Yに移
動させられる。この基準位置X及び測定位置Y間の移動
距離は線源制御部25にて調整され、放射線源10が測
定位置Yに正確に位置決めされる。
【0216】この放射線源10の移動及び位置決めが完
了すると、線源制御部25にて中性子測定装置3の中性
子計測回路系が制御され、放射線源10から放出される
中性子が所定時間、計数される。この中性子計数が終了
すると、制御部25からの制御信号を受けて駆動モータ
82が作動し、上記と逆の経路に沿ってに放射線源10
が基準位置Xに戻る。
【0217】従って、この実施形態によれば、放射線源
を自動で設置する構成としたため、従来のように作業員
が放射線源を手で設置しなくても済み、外部被爆等の不
都合な事態を殆ど回避できる。
【0218】特に、ロッドの移動により放射線源を設置
する構成としたため、校正時に放射線源を測定位置Yに
精度良く配置でき、測定精度がより一層向上するように
なる。さらに、ロッドを誘導管内で移動させるため、ロ
ッドの安定移動を実現でき、装置の信頼性を一層高める
ことができると共に、放射線源の移動をロッドを介して
ギア及び駆動モータのみで行うため、装置構成をより一
層、簡素に構築できる。
【0219】(第14実施形態)次に、この発明の第1
4実施形態を図14に基づいて説明する。この第14実
施形態は、上記実施形態の線源移動部を工夫して実施し
たものである。ここで、上記各実施形態と同一又は同等
の構成要素については、同一又は同等の符号を付してそ
の説明を簡略又は省略する。
【0220】図14の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置は、減速材4及び複数の中性子検出器5…5を
有する中性子測定装置3を配置した測定室2と、この測
定室2を挟む上下方向に配設される2つの収納室(以
下、便宜上、「上側室(又は制御室)2a」及び「下側
室2b」とよぶ)とを一体に備えた躯体1の内部に配置
されるものである。
【0221】この校正装置は、上記第11実施形態と同
様のカプセル11を保持体12で支持した放射線源10
と、この放射線源10の自然落下(自重落下)に基づく
移動を誘導する誘導管50と、この誘導管50内に沿っ
て放射線源10を自然落下させて位置決めを行う移動部
24と、この移動部24を制御する線源制御部25とを
備える。また、上側室2a内には放射線源19の供給室
90、下側室2b内には回収室91が設けられている。
【0222】誘導管50は、躯体1の鉛直方向に沿って
供給室91内から中性子測定装置3内の複数の中性子検
出器5…5の近傍位置を介して回収室91に配設されて
いる。この誘導管50内には、その供給室90内に位置
する上部に放射線源10の供給位置(基準位置)P、複
数の中性子検出器5…5の夫々に対向する中間部に複数
の測定位置Y…Y、及び回収室91内に位置する下部に
回収位置(基準位置)Qが設定されている。また、この
誘導管50は、その内側に放射線源10の外径より大き
い内径を有する内管93を備え、その内管93に沿って
放射線源10の自然落下に基づく移動を案内する。この
内管93の一部(後述の誘導管50内に挿入されたプレ
ートの上側位置)には、放射線源10の外径に対して適
度なクリアランスを維持する位置決め用のテーパ93a
が形成されている。
【0223】移動部24は、誘導管50内の供給位置
P、複数の測定位置Y…Y及び回収位置Qの夫々に対向
する外部に個別に固定される筐体(支持機構)24bを
有し、この筐体24b内から誘導管50内の軸方向に直
交する方向に沿って誘導管50内に進退自在に挿入され
るプレート(本発明のプレート体を成す)94と、この
プレート94をスライド自在に支持するステージ95
と、このステージ95に支持されたプレート94を進退
自在にスライド動させるスライド機構(プレートスライ
ド)96とを備える。ステージ95及びスライド機構9
6は、筐体24b内の支持台97に支持される。
【0224】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0225】まず、中性子測定装置3の校正に先立ち、
放射線源10が供給室90又は所定の管理場所に配置さ
れている。即ち、この放射線源10の配置においては、
中性子測定装置3による試料の中性子測定が実施されて
も、放射線源10からの中性子は中性子測定装置3にて
計数されないか、又は計数されても試料の測定値に対し
て殆ど無視できる量となっている。
【0226】次いで、校正開始に際し、スライド機構9
6の駆動力を受けて全てのプレート94が誘導管50内
に挿入される(又は予め挿入されている)。このプレー
ト94の挿入状態で、放射線源10が供給室P内の誘導
管90の上端部から挿入され、供給位置Pにあるプレー
ト94上に配置される。即ち、放射線源10がプレート
94の上面に接触し、誘導管内に沿って自重落下しない
ように支持される。
【0227】次いで、線源制御部25からの制御信号を
受けて供給位置Pに対向するスライド機構96が駆動
し、その駆動力がプレート94に伝達され、誘導管50
内からプレート94が引き抜かれる。そこで、プレート
94が放射線源10の底部から離れると、放射線源10
が誘導管50内の供給位置Ρから下方にその自重で落下
していき、最上位の測定位置Yにあるプレート94上で
静止する。この静止の際、放射線源10は、緩衝材によ
り落下衝撃が適度に吸収され、内管93のテーパ93a
により正確に位置決めされる。
【0228】このように放射線源10が測定位置Yに静
止すると、この測定位置Yに対向する中性子検出器5に
対して、線源制御部25にて中性子測定装置3の中性子
計測回路系が制御され、放射線源10から放出される中
性子が所定時間、計数される。この中性子計数が終了す
ると、最上位の測定位置Yにあるプレート94が、上記
と同様の動作にて誘導管50内から引き抜かれ、放射線
源10が再び自重で落下していき、次の測定位置Yにあ
るプレート94上で静止し、この測定位置Yに対向する
中性子検出器5に対して上記と同様の中性子計数等の校
正測定が実施される。
【0229】上記の動作が繰り返し実施され、最下位の
測定位置Yにおける校正測定が終了すると、最下位の測
定位置Yからプレート94が引き抜かれ、放射線源が回
収位置Qに静止する。その後、放射線源が回収室91か
ら取り出され、供給室90内又は所定の管理場所に戻さ
れる。
【0230】従って、この実施形態によれば、放射線源
を自動で設置する構成としたため、従来のように作業員
が放射線源を手で設置しなくても済み、外部被ばく等の
不都合な事態を殆ど回避できる。
【0231】特に、放射線源の自重落下を利用して測定
位置及び基準位置に移動させる構成としたため、複雑な
駆動機構等の機械要素が殆ど必要なく、装置全体を簡素
に構築でき且つ比較的安価に提供できる。さらに、放射
線源の外形寸法よりも内径が大きい内管を設けたため、
放射線源が落下途中で誘導管内に引っかかるといった事
態を殆ど回避でき、装置の信頼性がより一層高めること
ができると共に、プレート上に緩衝材をライニングした
ため、放射線源の落下衝撃による破損を殆ど防止でき
る。
【0232】また、放射線源の供給部及び回収部を測定
室と区切られた室に設置したため、測定室内の放射線管
理レベルが高く又は汚染の可能性があり入室困難な場合
であっても、放射線源の供給及び回収を容易に実施で
き、作業性も向上する。さらに、誘導管の内管にテーパ
を設けたため、放射線源を容易に測定位置に位置決めで
き、校正時の測定再現性をより一層高めることができ
る。
【0233】(第15実施形態)次に、この発明の第1
5実施形態を図15に基づいて説明する。この第15実
施形態は、上記各実施形態の線源移動部を工夫して実施
したものである。ここで、上記各実施形態と同一又は同
等の構成要素については、同一又は同等の符号を付して
その説明を簡略又は省略する。
【0234】図15の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置は、放射線源10のほか、中性子測定装置3が
配置される測定室2内に設けた測定ベンチ100(「照
射ベンチ」)及び測定室の外部に位置する収納室(制御
室)8内に設けた基準ベンチ(「供給回収ベンチ」)1
01間を連絡する誘導管50と、この誘導管50内に沿
って放射線源10を基準ベンチ100及び測定ベンチ1
01に移動させる給排気系(線源移送設置手段)103
と、この給排気系103を制御し且つ収納室2内に配置
される線源制御部25とを備える。ここで、両ベンチ1
00及び101が本発明のベンチ体を成すと共に、基準
ベンチ100内に供給回収位置(基準位置)R、測定ベ
ンチ101内に測定位置Yが設定される。
【0235】給排気系103は、基準ベンチ100及び
測定ベンチ101間を連絡する給排気ライン104と、
この給排気ライン104から誘導管50内に所定のガス
(圧縮空気など)を送る給気ユニット105と、誘導管
50内のガスを給排気ライン104から排気する排気ユ
ニット106とを備えている。
【0236】給排気ライン104は、誘導管50に対し
て閉じた配管系を成すもので、基準ベンチ100及び測
定ベンチ101に連結される主ライン104a、この主
ライン104aの途中位置に並列に連結される2本の従
ライン104b及び両ベンチ100及び101側の夫々
の主ライン104aから分岐する2本の分岐ライン10
4cと、これら各ラインの給気及び排気方向を調整する
複数のバルブ107とを備えている。この内、2本の従
ライン104bの一方に給気ユニット105が、その他
方に排気ユニット106が連結される。
【0237】複数のバルブ107は、2本の分岐ライン
104cの夫々に配置される2つの第1バルブ107
a、2本の分岐ライン104c及び従ライン104b間
の主ライン104aに配置される2つの第2バルブ10
7b、給気ユニット側の従ライン104bの基準ベンチ
側と排気ユニット側の従ライン104bの測定ベンチ1
01側とに配置される2つの第3バルブ107c、給気
ユニット側の従ライン104bの測定ベンチ側と排気ユ
ニット側の従ライン104bの基準ベンチ側とに配置さ
れる2つの第4バルブ107dとから成り、線源制御部
25からの制御信号に基づいて第1〜第4バルブ107
a…107dの開閉状態を調整する。
【0238】ここで、この実施形態の全体の動作を説明
する。
【0239】まず、中性子測定装置3の校正前には、予
め給気ユニット105及び排気ユニット106の運転が
停止され、第1バルブ107aが開状態、第2バルブ1
07bが閉状態に調整され、放射線源10が基準ベンチ
100内の供給回収位置Rに静止しており、この状態か
ら校正を開始したとする。
【0240】この校正開始に際し、線源制御部25から
の制御信号を受けて第1及び第4バルブ107a及び1
07dが閉状態、第2及び第3バルブ107b及び10
7cが開状態に調整され、このバルブ開閉状態で給気及
び排気ユニット105及び106の運転が開始される。
これにより、給排気ライン104の内の給気ユニット1
05から基準ベンチ100に至る給気ライン(図中の二
点鎖線a参照)と、測定ベンチ101から排気ユニット
106に至る排気ライン(図中の二点鎖線b参照)とが
形成され、給気ユニット105からのガスが基準ベンチ
100内に送り込まれ、供給回収位置Rにある放射線源
10が誘導管50内を介して測定ベンチ101内の測定
位置Yに移送される。
【0241】この放射線源10の測定位置Yへの移送が
完了すると、線源制御部25からの制御信号を受けて給
気及び排気ユニット105及び106の運転が停止さ
れ、第1バルブ107aが開状態、第2バルブ107b
が閉状態に調整され、放射線源10が測定位置Yに静止
する。その後、線源制御部25にて中性子測定装置3の
中性子計測回路系が制御され、測定位置Yにある放射線
源10から放出される中性子が所定時間、計数される。
【0242】この中性子測定が終了すると、制御線源部
からの制御信号を受けて第1及び第3バルブ107a及
び107cが閉状態、第2及び第4バルブ107b及び
107dが開状態に調整され、給気及び排気ユニット1
05及び106の運転が開始される。これにより、給排
気ライン104の内の給気ユニット105から測定ベン
チ101に至る給気ライン(図中の二点鎖線c参照)
と、基準ベンチ100から排気ユニット106に至る排
気ライン(図中の二点鎖線d参照)とが形成され、給気
ユニット105からのガスが測定ベンチ101内に送り
込まれ、測定位置Yにある放射線源10が誘導管50内
を介して測定ベンチ101内の供給回収位置Rに移送さ
れる。
【0243】この放射線源10の供給回収位置Rへの移
送が完了すると、上記と同様に線源制御部25からの制
御信号を受けて給気及び排気ユニット105及び106
の運転が停止され、第1バルブ107aが開状態、第2
バルブ107bが閉状態に調整され、放射線源10が供
給回収位置Rに静止する。
【0244】従って、この実施形態によれば、放射線源
を自動で設置する構成としたため、従来のように作業員
が放射線源を手で設置しなくても済み、外部被爆等の不
都合な事態を殆ど回避できる。
【0245】特に、給気及び排気ユニットを備えた給排
気系を2つのベンチを介して誘導管に接続した移送系を
採用して放射線源を気送させる構成としたため、可動部
分をより一層削減でき、放射線源の移動及び位置決めに
関する機械機構を簡素に構築でき、装置の信頼性を一層
高めることができる。
【0246】また、給気及び排気ユニットによる気送方
式で放射線源を移動させる構成としたため、機械的な駆
動と比べ、両ベンチ間の距離の制約及び誘導管の引き回
し長の制約が少なくでき、測定室の近傍に放射線源の供
給場所が確保できない場合にも適用できる。さらに、1
組の給気及び排気ユニットを両べンチに接続し、バルブ
の開閉状態を調整し、給気及び排気ラインを切り替えな
がら放射線源の移送及び回収を実施したため、装置全体
を比較的安価に提供できる。
【0247】(第16実施形態)次に、この発明の第1
6実施形態を図16に基づいて説明する。この第15実
施形態は、上記実施形態の線源移動部を工夫して実施し
たものである。ここで、上記各実施形態と同一又は同等
の構成要素については、同一又は同等の符号を付してそ
の説明を簡略又は省略する。
【0248】図16の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置においては、測定室2内の中性子測定装置3及
び当該装置3に対向配置された遮蔽体110(上記第1
0実施形態の収納体と同様の材質で形成)間の空間内に
測定位置Yと、中性子測定装置3を臨む遮蔽体110の
背面側の空間内及び中性子測定装置3から所定距離、離
間させた空間内に基準位置X1、X2とが設定されてい
る(図中の符号111は、測定室2内に配置された任意
の構造体を示す)。ここで、基準位置Χlは、放射線源
10からの中性子の減弱度は、遮蔽体110の遮蔽厚や
その材質、基準位置Χと中性子測定装置3間の距離など
に起因するため、上記第10実施形態と同様に遮蔽体の
遮蔽厚を適宜に調整することで任意位置に設定される。
【0249】この校正装置は、放射線源10のほか、こ
の放射線源10による測定位置Y及び基準位置X間の移
動を誘導するガイドレール体112と、このガイドレー
ル体112の走行方向に沿って放射線源10を搬送する
搬送体(線源搬送システム)113と、この搬送体11
3の移動を制御する線源制御部25とを備える。
【0250】ガイドレール体112は、例えば天井走行
式レールから成るもので、板状の設置台114の上面に
搭載された線源搬送用のレール115と、このレール1
15を設置台114を介して測定室2内の天井部に吊り
下げ状態で支持固定するフレーム(レール設置板支持
体)116とを備えている。
【0251】レール115は、線源制御部に電気的に接
続可能な導電性に優れた金属から成り、その走行方向が
遮蔽体110及び構造体111等の障害物を迂回しなが
ら測定位置Y及び基準位置X1、X2間を連絡するよう
に設定されている。このレール115が搭載される設置
台114の中央部には、走行方向に沿って後述のロッド
走行用のスリット117が設けられている。また、設置
台114の一部には、放射線源10を測定位置Yに正確
に位置決めするため、ストッパ−118が取り付けられ
ている。
【0252】フレーム116は、レール115の走行方
向の所定間隔毎に複数配置されるもので、例えば搬送体
113を受け入れ可能な開口を有する略コ字状の架枠か
ら成り、設置台114の両側面を支持した状態で天井に
固定されている。
【0253】搬送体113は、レール115に沿って移
動し且つフレーム116内を通過可能な車輪(4輪)1
20及びその車軸121を有する車体122と、この車
体122内の車軸121に連結されるギアを有するギア
ボックス123及びその駆動機構124と、車体122
の底面側に固定される線源設置用のロッド125とを備
えている。このロッド124の先端部に、放射線源10
が取り付けられる。
【0254】車体122は、その電導性に優れた車輪1
20及びその車輪120に接触するレール115を介し
て線源制御部25に電気的に接続された構成で、線源制
御部25からの電源及び各種の制御信号を受けて駆動機
構124を動作させることにより、その駆動力をギアボ
ックス123及び車軸121を介して車輪120に伝達
する。
【0255】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0256】まず、中性子測定装置3の校正前には、ロ
ッド124に取り付けられた放射線源10が遮蔽体11
0の背面側にある基準位置Χlに配置され、この状態で
校正を開始したとする、この校正開始に際し、線源制御
部25からの制御信号をレール115及び車輪120を
介して受けて駆動機構124が駆動し、その駆動力がギ
ヤボックス123を介して車輪120に伝達され、搬送
体113がロッド123と共にレール115の走行方向
に沿って遮蔽体110を迂回するように移動し、放射線
源10が基準位置X1から測定位置Yに搬送させられ
る。このとき、搬送体113がストッパー118にて確
実に停止するため、放射線源10が測定位置Yに正確に
位置決めされる。
【0257】このように放射線源10の搬送及び位置決
めが完了すると、線源制御部25にて中性子測定装置3
の中性子計測回路系が制御され、放射線源10から放出
される中性子が所定時間、計数される。この中性子測定
が終了すると、線源制御部25にて上記と同様に搬送体
113の移動が制御され、放射線源10が上記と逆の経
路で測定位置Yから基準位置Xlに戻される。
【0258】従って、この実施形態によれば、放射線源
を自動で設置する構成としたため、従来のように作業員
が放射線源を手で設置しなくても済み、外部被爆等の不
都合な事態を殆ど回避できる。
【0259】特に、ガイドレール体を設けたため、測定
室内の機器配置に応じて容易にルートを設定でき、例え
ば基準位置及び測定位置間に何らかの構造物が存在して
も、それを回避しながら放射線源を搬送できる。また、
レール体及び搬送体が通常は作業エリアとならない測定
室の天井部分に設置されるため、測定室内の床部分にス
ペースを取ることがなく、作業性が良くなる。なお、こ
の実施形態ではレール体を測定室の天井部分に設置した
が、例えば床に設置してもよい。この場合、ロッドは必
要なく、搬送体上に放射線源を取り付けてもよい。
【0260】また、ストッパーを設けたため、照射位置
Yに放射線源を設置する場合に、搬送体を精度良く停止
するため、放射線源の測定の再現性が良くなる。
【0261】なお、この実施形態では、基準位置にある
放射線源の中性子遮蔽効果を遮蔽体を介して発揮させる
構成としたが、測定室内の使用スペースに余裕がある場
合には、基準位置及び中性子測定装置間の距離を遠隔位
置、例えば図中のΧ2に設定してもよい。この場合に
は、放射線源の中性子発生強度と減弱させたい中性子レ
ベルを考慮し、遮蔽体を設置しなくても距離による減弱
効果のみで試料の中性子測定値に放射線源からの中性子
が混入しないように調整する。なお、放射線源を長距離
移動させることになるが、その移動途中に何らかの構造
物が存在した場合には、上記と同様にガイドレール体を
迂回させて設置すればよい。
【0262】(第17実施形態)次に、この発明の第1
7実施形態を図17に基づいて説明する。この第17実
施形態は、上記各実施形態の線源移動部を工夫して実施
したものである。ここで、上記各実施形態と同一又は同
等の構成要素については、同一又は同等の符号を付して
その説明を簡略又は省略する。
【0263】図17の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置は、上記第11実施形態と同様のカプセル11
及び保持体12から成る放射線源10のほか、この放射
線源10を回転可能に収納する、本発明の線源支持体の
一部(固定体)を成す収納体(線源収納遮蔽体)130
と、この収納体130に対して放射線源19を回転させ
る移動部24と、この移動部24を制御する線源制御部
25とを備えている。
【0264】収納体130は、中性子測定装置3に対向
する位置に固定配置される円柱状の遮蔽部材(上記第1
0実施形態の収納体と同様の材質等)から成り、その上
面の所定半径の円周方向に沿って所定深さの溝(「線源
移動溝」)131が穿孔されている。この溝131の軸
方向の所定深さの内部位置には、中性子測定装置3側に
測定位置Y及びその測定位置Yの180度方向に基準位
置Xが設定されている。特に、基準位置Χは収納体13
0の溝131内の円周軌道上の任意の位置に設定できる
が、中性子測定装置3までの遮蔽厚さが、放射線源10
から放出される中性子を目標レベルまで低減できる厚さ
となるように最適化される。この最適化は、収納体12
0の材質、即ち遮蔽効果と放射線源10から放出される
中性子の目標低減レベルとのバランスで決定される。
【0265】この収納体130の外周部には、その溝1
31内の測定位置Yから中性子測定装置3を臨む状態で
放射線源用の照射口132が穿孔されている。また、収
納体130の中心部には、軸方向に沿って信号線用の穴
133が穿孔されている。
【0266】移動部24は、収納体130の溝内で放射
線源10を支持する、本発明の線源支持体の一部(アー
ム体)を成す支持アーム134と、この支持アーム13
4を回転させる駆動モータ(本発明の回転機構を成す)
135とを備える。この駆動モータ135は、その回転
軸が収納体130の中心軸と同軸になる状態で収納体1
30内に固定される。
【0267】支持アーム134は、収納体130の中心
から半径方向の溝131の位置まで延びる水平アーム1
34a及びその水平アーム134bの溝131の位置か
ら軸方向の測定位置Y及び基準位置Xまで延びる垂直ア
ーム134bを一体に又は別体に備えたものである。例
えば、別体の場合には、両アーム134a及び134b
の一方の端部が互いにネジ込み式などで強固に連結する
ことが好ましい。また、この支持アーム134には、そ
の水平アーム134aの他方の端部に駆動モータ135
の回転軸が連結されると共に、垂直アーム134bの他
方の端部に放射線源10がネジ込み方式等で連結されて
いる。
【0268】駆動モータ135は、収納体130の穴1
33内に挿通された信号線を介して線源制御部25に電
気的に接続されており、この線源制御部25からの制御
信号を受けて作動することにより、支持アーム134を
時計方向及び半時計方向に回転させ、放射線源10を溝
131内に沿って基準位置X及び測定位置Yに移動させ
る。
【0269】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0270】まず、中性子測定装置3の校正前には、支
持アーム134に安定姿勢で支持された放射線源10が
溝131内の基準位置Χに配置されている。この状態
で、中性子測定装置3により試料(図示しない)の中性
子測定が実施されても、収納体130の遮蔽効果などに
より、放射線源10からの中性子が試料の中性子測定値
に混入されることはない。ここで、収納体130の遮蔽
厚が最大となる位置は、照射口132から180度の位
置すなわち中性子測定装置3から最も離れた位置、即ち
基準位置Xに相当する(この時、収納体130の外形は
最小となる)。
【0271】上記の放射線源10の配置から校正を開始
したとする。この校正開始に際し、線源制御部25から
の制御信号を信号線を介して受けて駆動モータ135が
作動し、支持アーム134が回転させられ、放射線源1
0が溝131内の基準位置Xから測定位置Yに移動させ
られる。放射線源10が測定位置Yに達すると、線源制
御部25からの制御信号にて駆動モータ135が停止
し、放射線源10が測定位置Yに静止させられる。
【0272】このように放射線源10の移動及び静止が
完了すると、線源制御部25にて中性子測定装置の中性
子計測回路系が制御され、放射線源10から放出される
中性子が所定時間、計数される。この中性子測定が終了
すると、線源制御部25からの制御信号を受けて駆動モ
ータ135が再び作動し、支持アーム134が回転させ
られ、放射線源10が溝131内の測定位置Yから基準
位置Χに移動させられる。放射線源10が基準位置Xに
達すると、駆動モータ135が停止し、放射線源10が
基準位置Xに静止させられる。
【0273】従って、この実施形態によれば、放射線源
の設置を自動で行えるため、作業員が放射線源を手で設
置することによる外部被爆をなくすことができる。
【0274】特に、放射線源を収納体内で移動すること
により、放射線源の遮蔽厚を確保し、かつ中性子測定装
置の近傍に収納体を設置できるので、設置スペースを一
層削減できる。また、放射線源を支持アームを介して駆
動モータに連結したため、移動機構を簡素に構築でき、
可動部が少なくなって、装置の信頼性をより一層高める
ことができる。また、放射線源の移動範囲が溝内の回転
半径上だけであるため、その円周状の溝内に放射線源が
引っかかる事態を回避できる。
【0275】なお、この実施形態では照射口を設けた
が、溝から収納体の外周までの厚さが、放射線源から放
出される中性子を有効に遮蔽しない厚さであれば、照射
口を設けなくとも良い。また、収納体は、円形状の溝を
設けることができれば、その外形は円柱形状に限定され
るものではなく、例えば角柱形状でもあってもよい。
【0276】(第18実施形態)次に、この発明の第1
8実施形態を図18に基づいて説明する。この第18実
施形態は、上記第10実施形態を複数の中性子検出器を
校正対象とするシステムに適用したものである。ここ
で、上記各実施形態と同一又は同等の構成要素について
は、同一又は同等の符号を付してその説明を簡略又は省
略する。
【0277】図18の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置は、上記第11実施形態と同様のカプセル及び
保持体を有する放射線源10のほか、この放射線源10
を内部に保持する回転体140と、この回転体140を
回転可能に支持する固定体141と、この固定体141
に対する回転体140の移動を制御する線源制御部25
とを備えている。回転体140及び固定体141は、中
性子測定装置3に対向する位置に配置される。
【0278】回転体140は、上記第10実施形態の収
納体と同様の材質から成る円柱状の収納体(線源収納遮
蔽体)142と、この収納体142が搭載される円形状
の回転テーブル143とを備えている。ここで、収納体
142の半径方向の側面には、図示に如く、中性子測定
装置3に対向する側及びその反対側の2つの互いに18
0度異なる位置に測定位置Y及び基準位置Xが仮想的に
設定されている。
【0279】収納体142には、測定位置Y及び基準位
置Xが成す円周方向の側面に放射線源10を挿入可能な
大きさの保持穴144が穿孔され、この保持穴144を
介して放射線源10が挿入固定されている。従って、こ
の収納体142は、回転テーブル143と共に固定体1
41に対して中心軸を中心に所定角度で回転することに
より、保持穴144に固定された放射線源10を測定位
置Y及び基準位置Xのいずれか一方に配置可能となって
いる。
【0280】また、回転テーブル143の上面には、収
納体142の側面の円周方向に沿って複数の位置決め用
のガイド145…145が配列されている。このガイド
145は、回転テーブル143に対する収納体142の
搭載位置のズレを防止するもので、回転テーブル143
の中心軸と収納体142の中心軸とが同軸となる状態で
取り付けられている。
【0281】固定体141は、その内部に図示しない駆
動モータ等の(駆動源)を含む駆動機構(本発明の回転
機構を成す)が搭載されており、この駆動機構の出力軸
が直接的に又はギア等を介して間接的に回転体140の
中心軸に連結されている。駆動機構は、線源制御部25
に電気的に接続されており、線源制御部25からの制御
信号を受けて固定体141に対して回転体140を所定
角度で回転させる。
【0282】ここで、収納体141の設定例を説明す
る。まず、収納体141の基準位置Xは任意の回転角度
位置に設定可能であるが、特に基準位置Xにある放射線
源10から中性子測定装置3までの収納体141の遮蔽
厚さが放射線源10からの中性子を目標レベルまで低減
できる厚さとなるように最適化される。この最適化は、
収納体141の材質、即ち遮蔽効果と放射線源10から
の中性子の目標低減レベルとのバランスで決定される。
【0283】従って、基準位置Χに放射線源10が配置
される場合には、中性子測定装置3が試料の中性子測定
を実施しても、放射線源10からの中性子は、その中性
子測定に寄与しない。ここで、遮蔽厚が最大となる位置
は、中性子測定装置3から180度の角度位置すなわち
中性子測定装置3から最も離間させた位置、即ち基準位
置Xに相当する(この時、目的の遮蔽厚を達成する収納
体141の外形は最小となる)。
【0284】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0285】まず、中性子測定装置3の校正前には、収
納体141は所定の回転角度で静止し、放射線源10が
基準位置Xに配置されている。この状態から校正を開始
したとする。
【0286】この校正開始に際し、線源制御部25から
の制御信号を受けて固定体141内の駆動機構が作動
し、その駆動力により回転テーブル143が収納体14
2と共に回転させられ、放射線源10が基準位置Xから
測定位置Yに移動させられる。放射線源10が測定位置
Yに達すると、線源制御部25からの制御信号を受けて
駆動機構が停止し、収納体142が静止させられ、放射
線源10が位置決めされる。
【0287】このように放射線源10が測定位置Yに移
動及び位置決めされると、放射線源10から放出される
中性子がそのまま中性子測定装置3に照射され、この測
定装置3の中性子計測回路系が線源制御部25にて制御
され、放射線源10から放出される中性子が所定時間、
計数される。
【0288】この中性子測定が終了すると、線源制御部
25からの制御信号を受けて駆動機構が作動し、回転体
140が再び回転させられ、放射線源10が測定位置Y
から基準位置Χに移動及び位置決めされる。
【0289】従って、この実施形態によれば、放射線源
を自動で設置する構成としたため、従来のように作業員
が放射線源を手で設置しなくても済み、外部被爆等の不
都合な事態を殆ど回避できる。
【0290】特に、収納体で放射線源を保持固定し、回
転移動により放射線源の遮蔽厚を確保する構成としたた
め、中性子測定装置の近傍に収納体を設置でき、設置ス
ペースの一層削減できる。また、複雑な駆動機構等の要
素が殆ど不要となって可動部が少なくなるため、装置の
信頼性をより一層高めることができる。さらに、放射線
源を別途の構造物間に移動させなくても済むため、放射
線源が構造物間や装置間の隙間などに引っ掛かる事態を
回避できる。
【0291】なお、この実施形態では回転体を円柱状に
形成したが、この発明は特にこれに限定されるものでは
なく、基準位置及び測定位置に放射線源を移動可能な形
態であれば、例えば角柱状であってもよい。また、回転
テーブルに複数のガイドを設けたが、このガイドの配置
及び設置数については特に限定されるものではなく、収
納体の形状に応じて位置ズレを防止できるものであれば
よい。例えば、収納体が円柱形状であれば、その円周側
面に少なくとも3つ設置し、また収納体が角柱形状であ
れば、その4つの側面に少なくともlつ、即ち合計4つ
設置することが望ましい。
【0292】(第19実施形態)次に、この発明の第1
9実施形態を図19に基づいて説明する。この第19実
施形態は、放射線源を移動させないで上記各実施形態と
同様の効果を達成する構成を構築して適用したものであ
る。ここで、上記各実施形態と同一又は同等の構成要素
については、同一又は同等の符号を付してその説明を簡
略又は省略する。
【0293】図19の構成図に示す中性子測定装置用の
校正装置は、上記第11実施形態と同様のカプセル11
及び保持体12を有する放射線源10のほか、この放射
線源10の設置に関する放射線源設置システムSSの構
成を工夫したもので、放射線源源10を内部に収納す
る、本発明の固定体を成す収納体(「線源収納遮蔽
体」)150と、この収納体150内に進退自在に挿入
される中性子遮蔽体(「遮蔽体移動部」)151と、こ
の中性子遮蔽体151を移動させる移動部(本発明の移
動手段を成す)152と、この移動部152を制御する
線源制御部25とを備えている。
【0294】収納体150は、上記第10実施形態と同
様の材質から成り、中性子測定装置3に隣接して固定配
置される。この収納体150の中性子測定装置3側の隣
接する側面の一部には、その内部に固定された放射線源
10から中性子測定装置3に向かって開口する開口部1
53が設けられている。この開口部153の底面側の中
央部には、放射線源10から中性子測定装置に向かう方
向(図中のY軸方向)に直交する方向(図中のX軸方
向)に沿ってガイド用の凸部154が設けられている。
【0295】この収納体150内の放射線源10の固定
位置は、放射線源からの中性子の減弱度合い、即ち収納
体150の材質、放射線源10の位置及び中性子検出器
間の遮蔽厚を考慮して、放射線源10の中性子発生強度
と減弱させたい中性子量レベルとのバランスで任意に決
定される。
【0296】遮蔽体151は、開口部153内に挿入可
能な大きさを有し、その底面には開口部内の凸部154
と対を成す形状の凹部(移動溝)155が穿孔されてい
る。この遮蔽体151は、その凹部155を開口部15
3内の凸部154に嵌め込んだ状態で開口部153内の
X軸方向に沿って進退自在に挿入される。
【0297】移動部152は、遮蔽体151の挿入方向
の反対側の側面からX軸方向に延びたスライド移動用の
ロッド(「スライド機構」)156と、このロッド15
6に設けた溝156aに噛み合う歯を有するギア157
と、このギア157の回転軸に連結される駆動モータ等
の駆動機構158とを備える。駆動機構158は線源制
御部25に電気的に接続されている。
【0298】この移動部152は、線源制御部25から
の制御信号に基づいて駆動機構158を作動させること
により、その駆動力をギア157を介してロッド156
に伝達し、このロッド156を遮蔽体151と共にX軸
方向に沿って進退自在に移動させる。
【0299】次に、この実施形態の全体の動作を説明す
る。
【0300】まず、中性子測定装置3の校正前には、遮
蔽体151が開口部内に挿入され、その挿入状態にある
遮蔽体151を介して放射線源10及び中性子測定装置
3間の遮蔽状態が維持されている。この状態から校正を
開始する。
【0301】この校正開始に際し、線源制御部25から
の制御信号を受けて駆動機構158を作動し、その駆動
力がギア157を介してロッド156に伝達され、その
ロッド156と共に遮蔽体151が開口部153内から
X軸方向の外部に移動させられる。そこで、放射線源1
0から中性子測定装置3に向かう開口部153内に開状
態となって、その開口部153内の空間を介して放射線
源10からの中性子が中性子測定装置3に放射される。
【0302】次いで、線源制御部25にて中性子測定装
置3の中性子計測回路系が制御され、し放射線源10か
ら放出される中性子が所定時間、計数される。この中性
子測定が終了すると、線源制御部25からの制御信号を
受けて駆動機構158が作動し、その駆動力がギア15
7を介してロッド156に伝達され、そのロッド156
と共に遮蔽体151が開口部153内に挿入され、その
開口部153内が閉状態となって、放射線源10及び中
性子測定装置3間の中性子パスが遮蔽される。
【0303】従って、この実施形態によれば、放射線源
を自動で設置する構成としたため、従来のように作業員
が放射線源を手で設置しなくても済み、外部被爆等の不
都合な事態を殆ど回避できる。
【0304】特に、収納体内に放射線源を固定設置した
ため、放射線源の位置ズレを回避でき、測定の再現性を
より一層高めることができる。また、放射線源の移動及
び位置決に関する要素が不要となると共に、遮蔽体の移
動機構についてはギヤ等の簡易な組み合せで構成したた
め、装置構造を簡素に構築でき、装置の信頼性をより一
層高める利点がある。
【0305】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜18記
載の発明に係る中性子測定装置用の校正装置によれば、
中性子を照射する放射線源と、この放射線源を校正時に
上記センサの近傍に設置する放射線源設置システムとを
備え、この放射線源設置システムは、校正時に中性子検
出用のセンサの近傍に定めた測定位置及びその校正時以
外に定めた基準位置に放射線源を移動させると共に、そ
の放射線源を測定位置及び基準位置に位置決めし、その
放射線源の移動及び位置決めを制御するように構成した
ため、放射線源の設置をハンドリングや常設等の従来方
法でなく、自動で容易に且つ迅速に実施する装置構成を
簡素に構築でき、作業性を大幅に高めると共に、作業員
の外部被爆や内部被爆等の放射線管理上の不都合な事態
を確実に回避でき、かつ、試料の測定処理効率を高める
ことができる校正装置を比較的に安価に提供できる。こ
の効果は、請求項19及び20記載の発明においても、
同様に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図2】第2実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図3】第3実施例形態の中性子測定装置の校正装置の
概略構成図。
【図4】第4実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図5】第5実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図6】第6実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図7】第7実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図8】第8実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図9】第9実施形態の中性子測定装置の校正装置の概
略構成図。
【図10】第10実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図11】第11実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図12】第12実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図13】第13実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図14】第14実施形態の中性子測定装置の校止装置
の概略構成図。
【図15】第15実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図16】第16実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図17】第17実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図18】第18実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【図19】第19実施形態の中性子測定装置の校正装置
の概略構成図。
【符号の説明】
1 躯体 1a 中性子遮蔽体 1b γ線遮蔽体 2 測定室 2a 上側室 2b 下側室 3 中性子測定装置 4 中性子減速材 5 中性子検出器 6 試料台 7 試料 8 収納室 10 放射線源 SS 放射線源設置システム 11 カプセル 12 保持体 13 磁性体 14 おもり体 20 線源移動部 21、収納部 21a 収納体 22、22a 設置部 24、24a 移動部 24b 筐体 X 基準位置 Y 測定位置 25 線源制御部 26 駆動源 27 駆動機構 28 制御盤 29 入力演算部 30 表示部 31 電源供給部 40 信号処理ユニット 41 計装盤 42 演算部 43 表示部 44 電源供給部 50 誘導管 50a 直管部 50b 屈曲部 50c 支持脚 51 テーパ 52 電磁機構 53 保持体 60 長尺体 61 ガイド 62 巻取機構 63 軸受部 64 駆動モータ 65 回転テーブル 66 回転機構 70 チェーン 71 送出機構 72 駆動モータ 73 支持台 74 円盤 75 円盤の支持台 80 ロッド 80a 溝 81 ギア 81b 穴 82 駆動モータ 82a 支持台 90 供給室 91 回収室 93 内管 93a テーパ 94 プレート 95 ステージ 96 スライド機構 100 基準ベンチ 101 測定ベンチ 103 給排気系 104 給排気ライン 105 給気ユニット 106 排気ユニット 107 バルブ 110 遮蔽体 111 構造体 112 ガイドレール体 113 搬送体 114 設置台 115 レール 116 フレーム 117 スリット 120 車輪 121 車軸 122 車体 123 ギアボックス 124 駆動機構 125 ロッド 130 収納体 131 溝 132 照射口 133 穴 134 支持アーム 135 駆動モータ 140 回転体 141 固定体 142 収納体 143 回転テーブル 144 保持穴 144 ガイド 150 収納体 151 遮蔽体 152 移動部 153 開口部 154 凸部 155 凹部 156 ロッド 157 ギア 158 駆動機構

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定室内に配置された測定対象の中性子
    検出用のセンサに中性子を照射することにより、上記セ
    ンサの中性子測定値を校正する中性子測定装置用の校正
    装置において、 上記中性子を照射する放射線源と、この放射線源を校正
    時に上記センサの近傍に設置する放射線源設置システム
    とを備えると共に、この放射線源設置システムは、上記
    校正時に上記センサの近傍に定めた測定位置及びその校
    正時以外に定めた基準位置に上記放射線源を移動させる
    と共に、その放射線源を上記測定位置及び基準位置に位
    置決めする線源移動手段と、この線源移動手段による放
    射線源の移動及び位置決めを制御する線源制御手段とを
    備え、上記基準位置を上記測定室の内部及び外部の内の
    少なくとも一方に定めたことを特徴とする中性子測定装
    置用の校正装置。
  2. 【請求項2】 前記放射線源設置システムは、前記校正
    時に基準位置に位置決めされた前記放射線源から前記セ
    ンサに入射される中性子データを測定する測定手段と、
    この測定手段が測定した上記中性子データに基づいて上
    記センサの校正データを求めるデータ演算手段と、この
    データ演算手段が求めた校正データを含む校正に関する
    情報を表示するデータ表示手段とを備えた請求項1記載
    の中性子測定装置用の校正装置。
  3. 【請求項3】 前記線源移動手段は、前記測定位置及び
    基準位置間の放射線源の移動をガイドするガイド体を備
    えた請求項1又は2記載の中性子測定装置用の校正装
    置。
  4. 【請求項4】 前記線源移動手段は、前記ガイド体に沿
    って前記放射線源を移動させる移動機構を備え、この移
    動機構を前記測定室の内部及び外部の少なくとも一方に
    設けた請求項3記載の中性子測定装置用の校正装置。
  5. 【請求項5】 前記線源移動手段は、前記基準位置に上
    記放射線源を収納する収納体を備え、この収納体の少な
    くとも内側を中性子遮蔽材で形成した請求項4記載の中
    性子測定装置用の校正装置。
  6. 【請求項6】 前記測定室を成す躯体の一部に前記収納
    体を形成した請求項5記載の中性子測定装置用の校正装
    置。
  7. 【請求項7】 前記基準位置を前記センサ及び放射線源
    間の中性子の減衰特性に基づいて定めた請求項3乃至6
    のいずれか1項記載の中性子測定装置用の校正装置。
  8. 【請求項8】 前記ガイド体は、その内部の軸方向に沿
    って前記放射線源の移動を誘導する誘導管である請求項
    4乃至6のいずれか1項記載の中性子測定装置用の校正
    装置。
  9. 【請求項9】 前記移動機構は、前記誘導管内に進退自
    在に挿入される屈曲性を有する長尺体と、この長尺体を
    上記誘導管内に巻き取り及び巻き出し自在に移動させる
    機構とを備え、上記長尺体の先端部に上記放射線源を取
    り付けた請求項8記載の中性子測定装置用の校正装置。
  10. 【請求項10】 前記移動機構は、前記誘導管内に定め
    たループ状の軸方向に沿って上記誘導管内に挿入可能な
    ループ体と、このループ体を上記軸方向に沿って送り出
    し自在に移動させる機構とを備え、上記ループ体の途中
    位置に前記放射線源を取り付けた請求項8記載の中性子
    測定装置用の校正装置。
  11. 【請求項11】 前記移動機構は、前記誘導管内の軸方
    向に沿って進退自在に挿入されるロッド体と、このロッ
    ド体を上記軸方向に沿ってスライド自在に移動させる機
    構とを備え、上記ロッド体の端部に前記放射線源を取り
    付けた請求項8記載の中性子測定装置用の校正装置。
  12. 【請求項12】 前記移動機構は、前記誘導管内に定め
    た重力に基づく軸方向の異なる前記測定位置及び基準位
    置に前記放射線源を支持するプレート体と、このプレー
    ト体を上記誘導管の内部及び外部に挿入及び取り出し自
    在に移動させる機構とを備えた請求項8記載の中性子測
    定装置用の校正装置。
  13. 【請求項13】 前記移動機構は、前記誘導管の両端部
    に定めた前記基準位置及び測定位置に前記放射線源を支
    持するベンチ体と、このベンチ体を介して上記誘導管内
    に線源移動用ガスを送気及び排気させる機構とを備えた
    請求項8記載の中性子測定装置用の校正装置。
  14. 【請求項14】 前記線源移動手段は、前記測定位置及
    び基準位置間の放射線源の移動を走行方向に沿ってガイ
    ドするガイドレール体を備えた請求項1又は2記載の中
    性子測定装置用の校正装置。
  15. 【請求項15】 前記移動機構は、前記ガイドレール体
    上に配置される搬送体と、この搬送体を上記ガイドレー
    ル体の走行方向に沿って搬送させる機構とを備え、上記
    搬送体に前記放射線源を連結した請求項14項記載の中
    性子測定装置用の校正装置。
  16. 【請求項16】 前記線源移動手段は、前記放射線源を
    支持する線源支持体と、この線源支持体の軸方向を中心
    とする同一の半径に定めた前記測定位置及び基準位置間
    に上記放射線源を回転させる回転機構とを備えた請求項
    1又は2記載の中性子測定装置用の校正装置。
  17. 【請求項17】 前記線源支持体は、前記測定位置及び
    基準位置が成す円周方向の溝を有し且つ前記センサに対
    向する位置に固定される固定体と、この固定体の溝内に
    前記放射線源を支持するアーム体とを備えると共に、前
    記回転機構は、上記アーム体に支持されている上記放射
    線源を上記固定体内の溝に沿って回転させる機構である
    請求項16項記載の中性子測定装置用の校正装置。
  18. 【請求項18】 前記線源支持体は、前記測定位置及び
    基準位置が成す円周方向の中心軸を有し且つ前記センサ
    に対向する位置に固定される固定体と、この固定体の中
    心軸を中心にして前記放射線源を回転可能に支持する回
    転体とを備えると共に、前記回転機構は、上記回転体を
    上記固定体に対して上記中心軸を中心にして回転させる
    機構である請求項16項記載の中性子測定装置用の校正
    装置。
  19. 【請求項19】 測定室内に配置された測定対象の中性
    子検出用のセンサに中性子を照射することにより、上記
    センサの中性子測定値を校正する中性子測定装置用の校
    正装置において、 上記中性子を照射する放射線源と、この放射線源を校正
    時に上記センサの近傍に設置する放射線源設置システム
    とを備えると共に、この放射線源設置システムは、上記
    放射線源を上記近傍に固定し且つ当該固定位置にある放
    射線源から上記センサに開口する開口部を有する固定体
    と、この固定体の開口部内に進退自在に挿入される中性
    子遮蔽体と、この中性子遮蔽体を上記校正時に上記開口
    部内に挿入させると共に、上記校正時以外に上記開口部
    内から上記中性子遮蔽体を取り出す移動手段とを備えた
    ことを特徴とする中性子測定装置用の校正装置。
  20. 【請求項20】 前記移動手段は、前記中性子遮蔽体を
    前記開口部内に進退自在に挿入させる機構を備えた請求
    項19記載の中性子測定装置用の校正装置。
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