JPH09236273A - 空調制御装置 - Google Patents

空調制御装置

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JPH09236273A
JPH09236273A JP17084096A JP17084096A JPH09236273A JP H09236273 A JPH09236273 A JP H09236273A JP 17084096 A JP17084096 A JP 17084096A JP 17084096 A JP17084096 A JP 17084096A JP H09236273 A JPH09236273 A JP H09236273A
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JP
Japan
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heat
air
amount
temperature
warm air
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Withdrawn
Application number
JP17084096A
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English (en)
Inventor
Satoko Oonishi
聡子 大西
Toru Inazuka
徹 稲塚
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱式の床暖房装置と空気調和装置とを併用
した空調制御装置に対し、外気温度と蓄熱材の放熱量と
の相関関係に基き、空気調和装置から室内に供給する熱
量を制御して最適な暖房運転状態を長時間に亘って連続
的に行えるようにする。 【解決手段】 暖房運転開始前に、空気調和装置(2) か
ら所定の温風熱量(Qair)を室内(R) に供給した状態
で、該温風熱量(Qair)、床暖房装置(1) の放熱量(Q
f)、室内温度(Tin) 及び外気温度(Tout)に基いて室
内から室外に流出する損失熱量特性値(Σ(K・A))を
算出する。床暖房装置(1) と空気調和装置(2) とを併用
した暖房運転時、損失熱量特性値(Σ(K・A))を考慮
し、床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が暖房要求時間中に
蓄熱材の蓄熱量が無くなることを回避する回避熱量以下
となるように、空気調和装置(2) の能力を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床部に設置された
蓄熱式の床暖房装置と、室内に温風を供給する空気調和
装置とを併用した空調制御装置に係り、特に、空気調和
装置の温風熱量制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、室内の床部に設置され、夜間
の深夜電力を利用して温熱を蓄熱し、日中に、この温熱
を室内に床面から放熱して室内の暖房を行うことによ
り、ランニングコストの低減を図るようにした蓄熱式の
床暖房装置が知られている。
【0003】また、この種の床暖房装置では、十分な暖
房能力が得られない場合があるので、例えば、特開平2
−171518号公報に開示されているように、この床
暖房装置と温風により室内暖房を行う空気調和装置とを
併用し、これによって、室内の快適性をより良好に得る
ようにした空調システムも知られている。つまり、床暖
房装置による床面からの放熱と空気調和装置から供給さ
れる温風の温熱とによって室内の下層部と上層部との温
度差を小さくしながら室内への供給熱量を十分に確保し
て快適性の向上を図るようにしている。
【0004】また、上記蓄熱式の床暖房装置の構成につ
いて具体的に説明すると、容器内に所定の凝固温度(例
えば24℃)を有する蓄熱材を充填して成る床暖房パネ
ルが室内の床材の下側に敷設されている。また、電力に
より上記蓄熱材を加熱する加熱装置も備えられている。
そして、夜間に、深夜電力を利用して加熱装置により蓄
熱材を加熱溶融させて温熱を蓄積させておき、日中に、
これが凝固する際の潜熱変化に伴う放熱により床面を加
熱する。また、この蓄熱材は、放熱時には室内温度が低
いほど凝固が促進されて単位時間当りの放熱量が大きく
なる一方、室内温度が高くなるにしたがって放熱量が小
さくなり、該室内温度が上記凝固温度に達した状態では
殆ど放熱を行わない。これにより、蓄熱材からの放熱量
が自動調整され、蓄熱残量が十分にある状態では、室内
温度を略一定に保つことができるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の空
調システムは、床暖房装置と空気調和装置とが個別に独
立して制御されるのが一般的であるため、特に外気温度
や室内温度が低く、空気調和装置からの温風熱量が不十
分である場合には床暖房装置からの放熱量が著しく大き
くなる。このため、暖房要求時間(例えば午前7時から
午後11時の16時間)の終了前に蓄熱材の蓄熱量が無
くなる所謂「蓄熱切れ」が発生してしまう虞れがあっ
た。
【0006】また、上述した公報に開示されている空調
システムは、空気調和装置の温風設定温度と床面温度と
の間に相関をもたせたものであって、床面温度を検出
し、これに基いて空気調和装置の吹出し空気温度の設定
値を調整している。しかしながら、この暖房システムに
おいても上述と同様に蓄熱切れを引起こす虞れがあっ
た。つまり、外気温度が低い場合(例えば−3℃)の床
暖房装置及び空気調和装置の動作としては、暖房開始初
期時には、室内温度も低いために床暖房装置からの放熱
量が著しく大きくなる。この場合、放熱量が大きいこと
に伴って床面温度が高くなるので、空気調和装置は運転
されないか若しくは低い値の設定温度で暖房運転を行う
ことになる。このような状況では、室内の暖房に寄与す
る熱量は、その殆どが床暖房装置からの放熱量となって
いるので、このような状態が所定時間継続した場合、必
要暖房時間の終了前に蓄熱切れが発生してしまう。そし
て、このような蓄熱切れ状態になると、床面の温度が低
下するので、空気調和装置が高い設定温度で運転し、室
内は温風のみによって暖房される状態が続くことにな
る。ところが、このような温風のみによる暖房運転状態
では、室内の上層部の温度が上昇し、下層部(床面付
近)の温度を十分に上昇させることができなくなり、床
暖房装置と空気調和装置とを併用することで室内の下層
部と上層部との温度差を小さくするといったシステム本
来の目的が達成されず、室内の快適性の確保を図ること
ができない。
【0007】即ち、この種の空調システムにあっては、
環境条件に応じて放熱量が変化する床暖房装置の蓄熱量
を適切に確保しながら、暖房能力が不足している場合に
は、その不足分を空気調和装置の温風によって補うよう
にすることが最も良好な暖房運転状態が得られるもので
ある。
【0008】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、環境温度と蓄熱材の放熱量との相
関関係に基き、空気調和装置から室内に供給する熱量を
制御することで、必要暖房時間の終了前に蓄熱切れが生
じてしまうことを回避して、最適な暖房運転状態が長時
間に亘って連続的に得られるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明では、蓄熱式床暖房装置の放
熱量を支配する室内温度は外気温度に起因することに着
目し、この室外温度に基いて空気調和装置からの温風の
熱量を調整することで、蓄熱切れを回避しながら室内の
空調状態を良好に確保するようにした。
【0010】具体的には、図1の如く、温熱を蓄熱して
室内(R) の暖房要求時に室内温度(Tin)に応じて該室
内温度(Tin)が低いほど大きな熱量を放熱する蓄熱材
を有する蓄熱式の床暖房装置(1) が床部に設置される一
方、該室内(R) に温風を供給する空気調和装置(2) が室
内(R) に設置され、該空気調和装置(2) を制御して室内
(R) を暖房する空調制御装置を前提としている。そし
て、室外温度(Tout)を検出する室外温度検出手段(10)
と、該室外温度検出手段(10)が検出した室外温度(Tou
t)に基き、上記床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が暖房要
求時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなることを回避する回
避熱量以下となるように、室外温度(Tout)が低いほど
温風熱量(Qair)を増大するよう空気調和装置(2) を制
御する温風制御手段(20)とを備えさせた構成としてい
る。
【0011】このような構成により、蓄熱式の床暖房装
置(1) からの放熱と空気調和装置(2) からの温風の温熱
とによって室内(R) を暖房する際、温風熱量(Qair)
は、温風制御手段(20)が空気調和装置(2) を制御するこ
とにより設定される。この際、温風熱量(Qair)は、室
外温度(Tout)に基き、床暖房装置(1) の放熱量(Qf)
が暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなることを回
避する回避熱量以下となるように、室外温度(Tout)が
低いほど温風熱量(Qair)を増大するよう設定される。
従って、暖房要求時間中は、常に床暖房装置(1) から蓄
熱切れが生じない範囲での放熱を行いながら室内(R) が
要求する要求熱量を供給できることになって、暖房要求
時間帯の全域に亘って室内(R) の下層部と上層部との温
度差を小さくしながら室内(R) の暖房が行われる。
【0012】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の空調制御装置において、図1に実線で示す部分のよう
に、室内温度(Tin)を検出する室内温度検出手段(9)
を設ける。一方、温風制御手段(20)に、室外温度検出手
段(10)及び室内温度検出手段(9) の出力を受け、空気調
和装置(2) から室内(R) へ所定熱量(Qair)の温風を供
給した状態で、室外温度(Tout)、室内温度(Tin)、
温風熱量(Qair)及び床暖房装置の放熱量(Qf)に基い
て室内(R) から室外への熱の流出し易さを示す損失熱量
特性値(Σ(K・A))を算出する特性値算出手段(21)
と、蓄熱材の蓄熱残量(Qres)を算出する残量算出手段
(22)と、上記室外温度検出手段(10)、室内温度検出手段
(9) 、特性値算出手段(21)及び残量算出手段(22)の出力
を受け、室外温度(Tout)、室内温度(Tin)、損失熱
量特性値(Σ(K・A))及び蓄熱残量(Qres)に基き、
床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が蓄熱切れの回避熱量以
下となる必要温風熱量(QAIR)を算出する温風熱量算出
手段(23)と、該温風熱量算出手段(23)の出力を受け、温
風熱量(Qair)が上記必要温風熱量(QAIR)になるよう
に空気調和装置(2) を調整する調整手段(24)とを備えさ
せた構成としている。
【0013】この構成により、損失熱量特性値(Σ(K
・A))を算出しておくことで、予め室内(R) の熱的性能
が認識され、これに基いて空気調和装置(2) からの温風
の熱量(Qair)が、床暖房装置(1) の蓄熱切れ回避を図
ることができる必要温風熱量(QAIR)に設定されること
になる。
【0014】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の空調制御装置において、特性値算出手段(21)が、損失
熱量特性値(Σ(K・A))を、下記式 Σ(K・A)=(Qair +Qf )/(Tin−Tout ) (但し、Kは壁面等の熱貫流率、Aは壁面等の面積、Q
air は空気調和装置からの温風熱量、Qf は床暖房装置
の放熱量、Tinは室内温度、Tout は室外温度)によっ
て算出する一方、温風熱量算出手段(23)が、必要温風熱
量(QAIR)を、下記式 QAIR =Σ(K・A)・(Tin−Tout )−Qfmax (但し、Qfmaxは蓄熱切れを回避するための単位時間当
りの床暖房装置の放熱許容量)によって算出するように
した。
【0015】この構成により、特性値算出手段(21)によ
る損失熱量特性値(Σ(K・A))の算出動作、温風熱量
算出手段(23)による必要温風熱量(QAIR)の算出動作を
具体的に得ることができる。
【0016】請求項4記載の発明は、上記請求項2記載
の空調制御装置において、図1に破線で示すように、温
風制御手段(20)に、残量算出手段(22)の出力を受け、蓄
熱残量(Qres)を暖房要求残り時間(T)で除すること
によって該暖房要求残り時間(T)における単位時間当
りの床暖房装置(1) の放熱許容量(Qfmax)を算出する
放熱許容量算出手段(25)と、該放熱許容量算出手段(25)
の出力を受け、床暖房装置(1) の単位時間当りの放熱量
(Qf)が上記放熱許容量(Qfmax)よりも大きくなる蓄
熱切れ室外温度(Toff)を導出する蓄熱切れ温度導出手
段(26)とを備えさせる。また、調整手段(24)が、室外温
度検出手段(10)及び蓄熱切れ温度導出手段(26)の出力を
受け、室外温度(Tout)が蓄熱切れ室外温度(Toff)以
下になると、空気調和装置(2) の温風熱量(Qair)が必
要温風熱量(QAIR)になるように、温風の熱量を増大さ
せる構成としている。
【0017】この構成により、外気温度(Tout)が、蓄
熱切れ室外温度(Toff)以下になった場合には、床暖房
装置(1) の放熱量(Qf)が放熱許容量(Qfmax)よりも
大きくなって、この状態が継続すると、暖房要求時間中
に蓄熱材の蓄熱量が無くなってしまう虞れがあるが、こ
の場合、調整手段(24)が、空気調和装置(2) の温風熱量
(Qair)が必要温風熱量(QAIR)になるように該温風の
熱量を増大させる。これにより、床暖房装置(1) の単位
時間当りの放熱量(Qf)を放熱許容量(Qfmax)以下に
抑えることができる。つまり、暖房要求時間の終了時ま
で蓄熱材の蓄熱量が確保されることになり蓄熱切れは生
じない。
【0018】請求項5記載の発明は、上記請求項2記載
の空調制御装置において、特性値算出手段(21)による損
失熱量特性値(Σ(K・A))の算出を、空気調和装置
(2) の室内(R) への据付け時、或いは、据付け後、一定
期間毎に行う構成としている。
【0019】この構成により、床暖房装置(1) 及び空気
調和装置(2) の併用による室内(R)の暖房動作は、特性
値算出手段(21)により損失熱量特性値(Σ(K・A))が
算出された後に行われることになる。また、特に、一定
期間毎に損失熱量特性値(Σ(K・A))の算出を行う場
合には、室内(R) の熱的性能が変化したような場合に、
それに追従した損失熱量特性値(Σ(K・A))が得られ
ることになる。このため、常に適切な必要温風熱量(Q
AIR)が算出されることになる。
【0020】請求項6記載の発明では、蓄熱式床暖房装
置の放熱量を直接的に支配する室内温度に基いて空気調
和装置からの温風の熱量を調整することで、蓄熱切れを
回避しながら室内の空調状態を良好に確保するようにし
た。
【0021】具体的には、前提を、上述した請求項1記
載の発明に係る前提と同じくし、図2に示すように、室
内温度(Tin) を検出する室内温度検出手段(9) と、該
室内温度検出手段(9) が検出した室内温度(Tin) に基
き、上記床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が暖房要求時間
中に蓄熱材の蓄熱量が無くなることを回避する回避熱量
以下となるように、室内温度(Tin) が低いほど温風熱
量(Qair)を増大するよう空気調和装置(2) を制御する
温風制御手段(20)とを備えさせた構成としている。
【0022】このような構成により、蓄熱式の床暖房装
置(1) からの放熱と空気調和装置(2) からの温風の温熱
とによって室内(R) を暖房する際、温風熱量(Qair)
は、室内温度(Tin) に基き、床暖房装置(1) の放熱量
(Qf)が暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなるこ
とを回避する回避熱量以下となるように、室内温度(T
in) が低いほど温風熱量(Qair)を増大するよう設定さ
れる。従って、本発明の場合にも、暖房要求時間中は、
常に床暖房装置(1) からの放熱を行いながら室内(R) が
要求する要求熱量を供給できることになる。
【0023】請求項7記載の発明は、上記請求項6記載
の空調制御装置において、図2に実線で示す部分のよう
に、床面温度(Tfs)を検出する床面温度検出手段(12)
を設ける。一方、温風制御手段(20)に、室内温度検出手
段(9) 及び床面温度検出手段(12)の出力を受け、空気調
和装置(2) から室内(R) へ所定熱量(Qair)の温風を供
給した状態で、室内温度(Tin) 、床面温度(Tfs)、
温風熱量(Qair)及び床暖房装置の放熱量(Qf)に基い
て、床面から室内(R) への熱の放出し易さを示す熱貫流
特性値(Kf ・Af )を算出する特性値算出手段(21)
と、蓄熱材の蓄熱残量(Qres)を算出する残量算出手段
(22)と、上記室内温度検出手段(9) 、床面温度検出手段
(12)、特性値算出手段(21)及び残量算出手段(22)の出力
を受け、室内温度(Tin) 、床面温度(Tfs)、床面の
熱貫流特性値(Kf ・Af )及び蓄熱残量(Qres)に基
き、床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が蓄熱切れの回避熱
量以下となる必要温風熱量(QAIR)を算出する温風熱量
算出手段(23)と、該温風熱量算出手段(23)の出力を受
け、温風熱量(Qair)が上記必要温風熱量(QAIR)にな
るように空気調和装置(2) を調整する調整手段(24)とを
備えさせた構成としている。
【0024】この構成により、床面の熱貫流特性値(K
f ・Af )を算出しておくことで、予め床面の熱的性能
が認識され、これに基いて空気調和装置(2) からの温風
の熱量(Qair)が、床暖房装置(1) の蓄熱切れ回避を図
ることができる必要温風熱量(QAIR)に設定されること
になる。
【0025】請求項8記載の発明は、上記請求項7記載
の空調制御装置において、特性値算出手段(21)が、床面
の熱貫流特性値(Kf ・Af )を、下記式 Kf ・Af =Qf /(Tfs−Tin) (但し、Kf は床面の熱貫流率、Af は床面積、Qf は
床暖房装置の放熱量、Tfsは床面温度、Tinは室内温
度)によって算出する一方、温風熱量算出手段(23)が、
必要温風熱量(QAIR)を、下記式 QAIR =Kf ・Af ・(Tfs−Tin)−Qfmax (但し、Qfmaxは蓄熱切れを回避するための単位時間当
りの床暖房装置の放熱許容量)によって算出するように
した。
【0026】この構成により、特性値算出手段(21)によ
る床面の熱貫流特性値(Kf ・Af)の算出動作、温風
熱量算出手段(23)による必要温風熱量(QAIR)の算出動
作を具体的に得ることができる。
【0027】請求項9記載の発明は、上記請求項7記載
の空調制御装置において、図2に破線で示すように、温
風制御手段(20)に、残量算出手段(22)の出力を受け、蓄
熱残量(Qres)を暖房要求残り時間(T)で除すること
によって該暖房要求残り時間(T)における単位時間当
りの床暖房装置(1) の放熱許容量(Qfmax)を算出する
放熱許容量算出手段(25)と、該放熱許容量算出手段(25)
の出力を受け、床暖房装置(1) の単位時間当りの放熱量
(Qf)が上記放熱許容量(Qfmax)よりも大きくなる蓄
熱切れ室外温度(Toff)を導出する蓄熱切れ温度導出手
段(26)とを備えさせる。また、調整手段(24)が、室内温
度検出手段(9) 及び蓄熱切れ温度導出手段(26)の出力を
受け、室内温度(Tin)が蓄熱切れ室内温度(Toff)以
下になると、空気調和装置(2) の温風熱量(Qair)が必
要温風熱量(QAIR)になるように、温風の熱量を増大さ
せる構成としている。
【0028】この構成により、室内温度(Tin)が、蓄
熱切れ室内温度(Toff)以下になった場合には、床暖房
装置(1) の放熱量(Qf)が放熱許容量(Qfmax)よりも
大きくなって、この状態が継続すると、暖房要求時間中
に蓄熱材の蓄熱量が無くなってしまう虞れがあるが、こ
の場合、調整手段(24)が、空気調和装置(2) の温風熱量
(Qair)が必要温風熱量(QAIR)になるように該温風の
熱量を増大させる。これにより、床暖房装置(1) の単位
時間当りの放熱量(Qf)を放熱許容量(Qfmax)以下に
抑えることができる。つまり、暖房要求時間の終了時ま
で蓄熱材の蓄熱量が確保されることになり蓄熱切れは生
じない。
【0029】請求項10記載の発明は、上記請求項7記
載の空調制御装置において、特性値算出手段(21)による
床面の熱貫流特性値(Kf ・Af )の算出を、空気調和
装置(2) の室内(R) への据付け時、或いは、据付け後、
一定期間毎に行う構成としている。
【0030】この構成により、床暖房装置(1) 及び空気
調和装置(2) の併用による室内(R)の暖房動作は、特性
値算出手段(21)により床面の熱貫流特性値(Kf ・Af
)が算出された後に行われることになる。また、特
に、一定期間毎に熱貫流特性値(Kf ・Af )の算出を
行う場合には、床面の熱的性能が変化したような場合
に、それに追従した熱貫流特性値(Kf ・Af )が得ら
れることになる。このため、常に適切な必要温風熱量
(QAIR)が算出されることになる。
【0031】請求項11記載の発明は、特に、空気調和
装置の運転効率の高い状況においてのみ蓄熱式床暖房装
置と空気調和装置とを併用し、この際の室内温度に基い
て空気調和装置からの温風の熱量を調整することで、蓄
熱切れを回避しながら室内の空調状態を良好に確保する
ようにした。
【0032】具体的には、前提を、上述した請求項1記
載の発明に係る前提と同じくし、室外温度(Tout)を検
出する室外温度検出手段(10)と、室内温度(Tin)を検
出する室内温度検出手段(9) と、上記室外温度検出手段
(10)及び室内温度検出手段(9) の出力を受け、室外温度
(Tout)が所定値以上であるときにのみ空気調和装置
(2) を運転し、暖房要求時間中の床暖房装置(1) の総放
熱量が、床暖房装置(1)の総蓄熱量以下になるように、
室内温度(Tin)が低いほど温風熱量(Qair)を増大す
るよう空気調和装置(2) を制御する温風制御手段(20)と
を備えさせた構成としている。
【0033】この構成により、外気温度が高くて空気調
和装置の運転効率の高い状況において蓄熱式床暖房装置
と空気調和装置とを併用する。そして、この際の温風熱
量(Qair)は、暖房要求時間中の床暖房装置(1) の総放
熱量が、床暖房装置(1) の総蓄熱量以下になるように設
定される。つまり、暖房要求時間中に「蓄熱切れ」が生
じないように設定されることになる。
【0034】請求項12記載の発明は、上記請求項1、
6または11記載の空調制御装置において、図1に二点
鎖線で示すように、外気圧(Bout)を検知する気圧検知
手段(27)を設ける。そして、温風制御手段(20)が、上記
気圧検知手段(27)の出力を受け、外気圧(Bout)が低い
ほど温風熱量(Qair)を高くし、外気圧(Bout)が高い
ほど温風熱量(Qair)を低くするように補正する構成と
している。
【0035】この構成では、外気圧(Bout)によって将
来的な外気温度(Tout)の変化状況を推測し、これに基
いて温風熱量(Qair)が補正されることになる。つま
り、外気圧(Bout)が低い場合には、天候が悪化して外
気温度(Tout)等が低下するか若しくは上昇割合が小さ
いと推測して空気調和装置(2) からの温風の熱量(Qai
r)を多めに供給して蓄熱切れを確実に回避する。逆に、
外気圧(Bout)が高い場合には、天候が良好で外気温度
(Tout)等の上昇割合が大きいと推測して空気調和装置
(2) からの温風の熱量(Qair)を少なめに設定しても蓄
熱切れが生じないと判断し、空気調和装置(2) の無駄な
運転を行わないようにする。
【0036】請求項13記載の発明は、上記請求項1、
6または11記載の空調制御装置において、図2に二点
鎖線で示すように、暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量が
無くなったことを検知する蓄熱切れ検知手段(15)を設け
る。そして、温風制御手段(20)が、上記蓄熱切れ検知手
段(15)の出力を受け、暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量
が無くなった場合には、次回の暖房要求時間中の温風熱
量(Qair)を高くするように補正する構成としている。
【0037】この構成では、例えば、夜間の蓄熱時など
において、装置の故障などにより蓄熱材への総蓄熱量が
十分に得られていないような状況に、暖房要求時間中に
蓄熱材の蓄熱量が無くなった場合には、次回の暖房要求
時間中の温風熱量(Qair)が高くなるような補正が行わ
れる。これにより、暖房要求時間中における床暖房装置
(1) からの単位時間当りの放熱量が低減されることにな
り、蓄熱切れが回避される。
【0038】請求項14記載の発明は、上記請求項1、
6または11記載の空調制御装置において、上記と同じ
く図2に二点鎖線で示すように、室内の人の有無を認識
する人認識手段(16)を設ける。そして、温風制御手段(2
0)が、上記人認識手段(16)の出力を受け、暖房要求時間
中に室内に人がいない場合には、床暖房装置(1) からの
放熱量を抑制するように温風熱量(Qair)を高くする補
正を行う構成としている。
【0039】この構成では、特に、暖房要求時間中に室
内に人がいない場合には、室内(R)の下層部と上層部と
の温度差を小さくしておく必要がないので、この際の床
暖房装置からの放熱を抑制するように、温風熱量(Qai
r)を高くする補正を行う。つまり、床暖房が特に要求さ
れない状況では、できるだけ蓄熱量を維持させ、暖房要
求時間帯全体における蓄熱切れを回避するようにしてい
る。
【0040】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)次に、本発明の第1実施形態を図面に
基いて説明する。図3は、本形態に係る室内(R) に対す
る蓄熱式床暖房装置(1) 及び空気調和装置(2) の設置状
態を示している。各装置(1,2) について説明すると、先
ず、蓄熱式床暖房装置(1) は、室内床面を構成する床材
(F) の下側に設置されている。詳しくは、小型の容器内
に凝固点が所定温度(例えば24℃)に設定された蓄熱
材が充填されて成る複数の床暖房パネル(3,3, …) が床
材(F) の下側に敷設されている。また、この床暖房装置
(1) には、蓄熱材に温水等の加熱媒体の温熱を供給する
図示しない加熱装置が備えられている。この加熱装置
は、図示しない加熱源から各床暖房パネル(3,3, …) に
亘って延び、その内部に配設された加熱パイプ(4,4,
…) を備えている。そして、蓄熱時には、加熱源が深夜
電力を利用して例えば温水を生成し、これを加熱パイプ
(4,4, …) に流すことにより、温水の温熱を蓄熱材に与
えて、該蓄熱材を溶融して温熱を蓄えさせるようになっ
ている。一方、放熱時(室内の暖房要求時)には、蓄熱
材が凝固する際の潜熱変化に伴う放熱により床面が加熱
される。つまり、この蓄熱材は、室内温度が低いほど凝
固が促進されて単位時間当りの放熱量が大きくなる一
方、室内温度が高くなるにしたがって放熱量が小さくな
り、該室内温度が上記凝固温度に達した状態では殆ど放
熱を行わない。これにより、室内(R) に対して供給され
る放熱量が自動調整される構成となっている。
【0041】一方、空気調和装置(2) は、室内(R) の壁
面に設置された壁掛け式の室内機(5) と、室外に設置さ
れ室内機(5) に対して冷媒配管(7) を介して接続された
室外機(6) とを備えている。そして、上記室内機(5)
は、図示しない送風機や室内熱交換器等を備えており、
送風機の駆動に伴って室内空気を吸込み、この空気を、
熱交換器を流れる冷媒との間で熱交換(暖房時には冷媒
の凝縮により加熱され、冷房時には冷媒の蒸発により吸
熱される)することで温度調整して空調空気とした後、
室内に吹出すようになっている。また、この室内機(5)
には、空気調和装置(2) の運転・停止指令や室内設定温
度の入力等を行うためのリモコン(8) が接続されてい
る。そして、このリモコン(8) には、室内温度を検出す
るための室内温度検出手段としての室内温度センサ(9)
が設けられている。
【0042】一方、室外機(6) は図示しない圧縮機、室
外熱交換器、室外ファン等を備えており、室外ファンの
駆動に伴って外気を導入し、室外熱交換器を流れる冷媒
と外気との間で熱交換(暖房時には冷媒が蒸発、冷房時
には冷媒が凝縮する)を行うようになっている。また、
この室外機(6) の外気導入口には外気温度を検出するた
めの室外温度検出手段としての室外温度センサ(10)が設
けられている。
【0043】また、本空気調和装置(2) は、室内機(5)
及び室外機(6) の各機器を制御するためのコントローラ
(C) を備えている。そして、上記室内温度センサ(9) 及
び室外温度センサ(10)の温度検出信号は、このコントロ
ーラ(C) に送信されるようになっている。以下、このコ
ントローラ(C) の構成について説明する。
【0044】該コントローラ(C) は、空気調和装置(2)
の能力を制御することで、暖房運転時に室内(R) に供給
する単位時間当りの温風熱量(Qair,以下、単に温風熱
量という)を調整する温風制御手段(20)を備えている。
この温風制御手段(20)の構成について詳しく説明する
と、図4(実線部分)に示すように、室内温度センサ
(9) 及び室外温度センサ(10)からの出力信号が受信可能
であって、部屋の壁面や窓などを経て室内から室外へ流
出する熱の流出し易さを示す損失熱量特性値(Σ(K・
A))を算出する特性値算出手段(21)と、床暖房パネル
(3,3, …) 全体の蓄熱残量(Qres)を算出する残量算出
手段(22)と、室内温度センサ(9) 、室外温度センサ(1
0)、特性値算出手段(21)及び残量算出手段(22)からの出
力信号が受信可能であって、床暖房装置(1) の単位時間
当りの放熱量(Qf,以下、単に放熱量という)が暖房要
求時間中に蓄熱切れが生じることのない蓄熱切れ回避熱
量以下となり、且つ該床暖房装置(1) の放熱量(Qf)と
空気調和装置(2) の温風熱量(Qair)との総熱量が室内
(R) の要求熱量(後述するPMVにより設定される)に
なる必要温風熱量(QAIR)を算出する温風熱量算出手段
(23)と、該温風熱量算出手段(23)の出力を受け、温風熱
量(Qair)が上記必要温風熱量(QAIR)になるように空
気調和装置(2) の能力を調整する調整手段(24)とを備え
ている。また、上記残量算出手段(22)の出力を受け、暖
房要求残り時間(T)における単位時間当りの床暖房パ
ネル(3,3, …) の放熱許容量(Qfmax) を算出する放熱
許容量算出手段(25)と、該放熱許容量算出手段(25)の出
力を受け、床暖房パネル(3,3, …) の単位時間当りの放
熱量が上記放熱許容量(Qfmax) よりも大きくなる蓄熱
切れ外気温度(Toff)を検出する蓄熱切れ温度導出手段
(26)とを備えている。以下、各手段(21 〜26) の動作に
ついて説明する。
【0045】特性値算出手段(21)は、部屋の熱的性能を
認識するためのものであって、空気調和装置(2) の据付
け時等に、この部屋の熱的性能の認識運転を行い、この
際に、室内から室外への熱の流出し易さを示す指標とし
て損失熱量特性値(Σ(K・A))を求めるものである。
つまり、空気調和装置(2) から室内(R) へ所定熱量(Q
air)の温風を供給した状態で、外気温度(Tout)、室内
温度(Tin)、温風熱量(Qair)及び床暖房装置(1) の
放熱量(Qf)に基いて、部屋の壁面等の熱貫流率(K)
と部屋の壁面等の面積(A)との積の総和で成る損失熱
量特性値(Σ(K・A))を算出するものである。また、
この部屋の熱的性能の認識運転を、空気調和装置(2) の
据付け時のみだけでなく、この据付け後の一定期間(例
えば3ケ月)毎に行うようにすれば、より正確な熱的性
能の認識が行える。
【0046】この損失熱量特性値(Σ(K・A))の算出
動作としては、以下の(1) 式により行われる。
【0047】 Σ(K・A)=(Qair +Qf )/(Tin−Tout ) …(1) (但し、Kは部屋の壁面等の熱貫流率、Aは部屋の壁面
等の面積、Qair は空気調和装置からの温風の熱量、Q
f は蓄熱材の放熱量、Tinは室内温度、Tout は外気温
度)
【0048】以下、上記損失熱量特性値(Σ(K・A))
の算出式に用いられる床暖房装置(1) の放熱量(Qf)の
導出について説明する。図5は、床暖房装置(1) と空気
調和装置(2) の併用時の外気温度(Tout)、温風熱量
(Qair)、床暖房装置(1) の放熱量(Qf)の関係を示す
図である。このように、床暖房装置(1) の放熱量(Qf)
は、外気温度(Tout)と空気調和装置(2)からの温風熱
量(Qair)とによって決定されるため、この外気温度
(Tout)と温風熱量(Qair)とを検出することによって
導き出すことができる。つまり、外気温度(Tout)が低
いほど、また温風熱量(Qair)が小さいほど床暖房装置
(1) の放熱量(Qf)は大きくなる。尚、この図5におけ
るA〜Cは、夫々床暖房装置(1) の同放熱量を示す直線
である。具体的には、Aは1600kcal/h、Bは150
0kcal/h、Cは1400kcal/hの放熱量を示している。
そして、外気温度がa(例えば1℃)で温風熱量がb
(例えば400kcal/h) である状況では床暖房装置(1)
の放熱量(Qf)はB(1500kcal/h)となる。
【0049】残量算出手段(22)は、以下の(2) 式に示す
ように、暖房開始前に床暖房パネル(3,3, …) に蓄熱さ
れていた総蓄熱量(Qmax)に対して、暖房開始時から現
時点(放熱開始後n時間経過時)までの放熱総量を減算
することにより現時点での蓄熱残量(Qres)を算出す
る。 Qres =Qmax −(Qft1 +Qft2 +…+Qftn ) …(2) (但し、Qmax は暖房開始前の総蓄熱量、Qft1 〜Qft
n は各時間帯における放熱量)
【0050】温風熱量算出手段(23)は、床暖房装置(1)
の放熱量(Qf)が蓄熱切れの回避熱量以下となり、且つ
該床暖房装置(1) の放熱量(Qf)と空気調和装置(2) の
温風熱量(Qair)との総熱量が室内(R) の要求熱量とな
る必要温風熱量(QAIR)を以下の(3) 式によって算出す
る。 QAIR =Σ(K・A)・(Tin−Tout )−Qfmax …(3) (但し、Qfmaxは蓄熱切れを起こさないための単位時間
当りの放熱許容量)
【0051】ここで、室内(R) が要求する熱量について
説明する。図6は、床暖房装置(1)のみによる暖房運転
時の外気温度(Tout)とPMV(Predicted Mean Vote
)との関係を示すグラフであり、図7は、床暖房装置
(1) のみによる暖房運転時の外気温度(Tout)と床暖房
装置(1) の放熱量(Qf)との関係を示すグラフであ
る。尚、このPMVは、室内での温度、相対湿度、気流
速度、人の着衣量及び活動量等に基いて算出されるもの
であり、その範囲が−0.5〜+0.5にあれば90%
以上の人が快適であると感じる指標である。
【0052】図6のグラフの如く、外気温度がD(例え
ば7℃)以上であれば床暖房装置(1) のみの暖房であっ
てもPMVが−0.5以上であり、室内(R) の温熱快適
性が満たされていることになる。
【0053】ここで、本形態に係る床暖房装置(1) の蓄
熱量の総和がE(例えば32000kcal)である場合、
放熱時間をF(例えば16時間)とすれば、単位時間当
りの放熱量が常にE/F(2000kca/h)以下に維持さ
れれば、放熱時間の途中で蓄熱量が無くなってしまう所
謂「蓄熱切れ」の発生が回避できることになる。つま
り、図7における外気温度がG(例えば0.8℃)以上
であれば「蓄熱切れ」が生じることなく、放熱時間の終
了時まで床暖房が継続して行えることになる。
【0054】また、図8は、床暖房装置(1) による床暖
房と空気調和装置(2) による温風供給とを併用した場合
の外気温度(Tout)及び温風熱量(Qair)とPMVとの
関係を示すグラフであり、室内の快適性を維持するため
には、PMVが−0.5〜+0.5の間に維持されるよ
うに空気調和装置を制御する必要がある。つまり、図8
に斜線を施した領域内に室内環境が維持されるように、
温風熱量(Qair)を設定することにより、室内(R) の温
熱快適性が満たされる。具体的には、外気温度がc(例
えば3℃)で温風熱量がd(例えば800kcal/h)であ
る状況ではPMVが0になり温熱快適性が満たされてい
ることになる。
【0055】また、上記必要温風熱量(QAIR)と外気温
度(Tout)との関係について詳述すると、上記(3) 式に
おいて、室内温度(Tin)を室内温度設定値(TIN)に
置換えて展開すると、以下の(4) 式となる。
【0056】 QAIR =−Σ(K・A)・Tout +{Σ(K・A)・TIN−Qfmax}…(4) つまり、必要温風熱量(QAIR)は、傾きが−Σ(K・
A)で切片がΣ(K・A)・TIN−Qfmaxの外気温度
(Tout)による一次方程式となり、図9のようなグラフ
で表すことができる。つまり、図9に破線で示す矢印の
ように、検出された外気温度(Tout)に基いて必要温風
熱量(QAIR)が決定されることになる。
【0057】能力調整手段(24)は、空気調和装置(2) か
らの温風熱量(Qair)が上述のようにして算出された必
要温風熱量(QAIR)になるように空気調和装置(2) の能
力を調整する。具体的には、室外機(6) の圧縮機容量、
冷媒回路に備えられた膨張弁の開度、ファン回転数等を
制御することによって空気調和装置(2) の能力を調整
し、温風熱量が必要温風熱量(QAIR)に設定される。
【0058】放熱許容量算出手段(25)は、上記残量算出
手段(22)によって算出された蓄熱残量(Qres)に基き、
暖房要求残り時間(T)における単位時間当りの放熱許
容量(Qfmax)を以下の(5) 式により算出する。 Qfmax={Qmax −(Qft1 +Qft2 +…+Qftn )}/T =Qres /T …(5)
【0059】蓄熱切れ温度導出手段(26)は、放熱許容量
算出手段(25)の出力を受け、床暖房装置(1) の単位時間
当りの放熱量(Qf)が上記放熱許容量(Qfmax)よりも
大きくなる蓄熱切れ外気温度(Toff)を導出する。そし
て、外気温度(Tout)がこの蓄熱切れ外気温度(Toff)
以下になった場合には、床暖房装置(1) の放熱量(Qf)
が放熱許容量(Qfmax)よりも大きくなることを阻止す
るように、この蓄熱切れ室外温度信号を能力調整手段(2
4)に送信し、該能力調整手段(24)により空気調和装置
(2) の温風熱量(Qair)を増大させるようにしている。
【0060】この蓄熱切れ外気温度(Toff)の導出につ
いて説明すると、図10は、床暖房装置(1) による床暖
房と空気調和装置(2) による温風供給とを併用した場合
の外気温度(Tout)及び温風熱量(Qair)と床暖房装置
(1) の放熱量(Qf)との関係を示すグラフである。図中
Hは単位時間当りの放熱許容量(Qfmax) である。この
放熱許容量(Qfmax) がH(例えば1800kcal/h) で
ある場合において、外気温度(Tout)がK(例えば−1
℃)である場合、空気調和装置(2) からの温風熱量(Q
f)がL(例えば400kcal/h) であると、床暖房装置
(1) の放熱量(Qf)は上記放熱許容量Hとなって蓄熱切
れは生じないが、この状態で外気温度(Tout)がKより
も低下すると、床暖房装置(1) の放熱量(Qair)が蓄熱
切れの回避熱量よりも大きくなり(直線Mは床暖房装置
(1) の放熱量(Qair)が上記Hよりも大きい値であっ
て、例えば2000kcal/h)、この状態が継続すると暖
房要求時間の途中で蓄熱切れが生じる状態となる。つま
り、放熱許容量(Qfmax) がHで、空気調和装置(2) の
温風熱量(Qair)がLの状態における蓄熱切れ外気温度
(Toff)は上記Kとして求められることになる。尚、こ
こでは、蓄熱切れの防止のみを目的とした蓄熱切れ外気
温度(Toff)の導出について説明したが、本形態では、
これと室内(R) の温熱快適性の確保とを両立させるよう
にしており、図10に一点鎖線で示すPMVが−0.5
〜+0.5の範囲内となるように空気調和装置(2) の温
風熱量(Qair)が調整される。
【0061】次に、上述の如く構成された温風制御手段
(20)による運転動作について説明する。先ず、空気調和
装置(2) の据付時等に行われる部屋の熱的性能の認識運
転について図11のフローチャートに沿って説明する。
この認識運転は、空気調和装置(2) が所定の運転状態、
つまり、室内(R) に対する温風の熱量(Qair)がある値
に設定された状態で、この状態が所定時間連続して行わ
れた定常状態において行われる。これは、部屋の壁面や
天井面に温熱が蓄熱されることを考慮し、真に室外へ流
出する熱量のみを認識するためである。
【0062】そして、この認識運転がスタートすると先
ず、ステップST1で、特性値算出手段(21)に対して、室
内温度センサ(9) からの室内温度(Tin)の検出信号、
室外温度センサ(10)からの外気温度(Tout)の検出信号
が送信され、同時に、空気調和装置(2) からの温風の熱
量(Qair)及び床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が認識さ
れる。その後、ステップST2において、損失熱量特性値
(Σ(K・A))が上記(1) 式により算出される。このよ
うにして算出された損失熱量特性値(Σ(K・A))が後
述する必要温風熱量(QAIR)の算出に利用されることに
なる。また、この損失熱量特性値(Σ(K・A))を算出
した後は、ステップST3に移って一定期間(例えば3か
月)が経過したか否かが判定され、この期間経過後には
再び上記と同様の損失熱量特性値(Σ(K・A))の算出
動作が行われて必要温風熱量(QAIR)の算出に利用され
る損失熱量特性値(Σ(K・A))が更新されることにな
る。このような動作であるため、ステップST2によって
特性値算出手段(21)が構成されている。
【0063】次に、本空調システムの運転動作について
図12のフローチャートに沿って説明する。先ず、ステ
ップST11において、深夜電力の供給時間帯であるか否
かの判定が行われる。そして、この時間帯である場合に
はステップST12に移って加熱装置を駆動させ、床暖房
パネル(3,3, …) 内の蓄熱材に温熱を蓄熱する。一方、
深夜電力の供給時間帯でなく暖房要求時間帯である場合
には、ステップST13に移り、室内温度センサ(9) から
の室内温度(Tin)の検出信号、室外温度センサ(10)か
らの外気温度(Tout)の検出信号が温風熱量算出手段(2
3)に送信される。その後、ステップST14において、放
熱許容量算出手段(25)が上記(5) 式により暖房要求残り
時間(T)における単位時間当りの放熱許容量(Qfma
x) を算出する。そして、ステップST15において、こ
の放熱許容量(Qfmax) 及び上記算出された部屋の損失
熱量特性値(Σ(K・A))を利用し、温風熱量算出手段
(23)が必要温風熱量(QAIR)を上記(3) 式により算出す
る。
【0064】このようにして算出された必要温風熱量
(QAIR)に基き、ステップST16において、能力調整手
段(24)が、室外機(6) の圧縮機容量、冷媒回路に備えら
れた膨張弁の開度、ファン回転数等を制御することによ
って空気調和装置(2) の能力を調整し、温風熱量が必要
温風熱量(QAIR)に設定される。
【0065】そして、ステップST17において、この空
気調和装置(2) の運転状態が一定時間行われたか否かが
判定され、一定時間の経過後にはリターンされて再び上
記と同様の動作が行われる。つまり、この一定時間の経
過後の時間帯が深夜電力の供給時間帯である場合には蓄
熱運転に切換えられ、深夜電力の供給時間帯でない場合
には新たに読み込まれる室内温度(Tin)及び外気温度
(Tout)の信号に基いて必要温風熱量(QAIR)が算出さ
れ、この新たな必要温風熱量(QAIR)に基いて空気調和
装置(2) の能力が制御されることになる。例えば、外気
温度(Tout)が上記蓄熱切れ外気温度(Toff)以下にな
った場合には、空気調和装置(2) の温風熱量(Qair)が
必要温風熱量(QAIR)になるように、温風の熱量を増大
させる。このような動作であるため、ステップST15に
よって温風熱量算出算出手段(23)が、ステップST16に
よって調整手段(24)が構成されている。
【0066】このように、本形態では、暖房運転開始前
に、空気調和装置(2) から所定の温風熱量(Qair)を室
内(R) に供給した状態で、該温風熱量(Qair)、床暖房
装置(1) の放熱量(Qf)、室内温度(Tin) 及び外気温
度(Tout)に基いて算出した損失熱量特性値(Σ(K・
A))により室内から室外に流出する損失熱量を求め、こ
の損失熱量を考慮し、床暖房装置(1) の放熱量(Qf)と
空気調和装置(2) の温風熱量(Qair)との総熱量が室内
(R) の要求熱量になり、且つ床暖房装置(1) の放熱量
(Qf)が暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなるこ
とを回避する回避熱量以下となるように、空気調和装置
(2) の能力を制御している。このため、蓄熱切れの回避
により、室内の下層部と上層部との温度差を小さくしな
がら室内に十分な熱量を供給して、最適な暖房運転状態
を長時間に亘って連続的に得ることができる。
【0067】(変形例)次に、本発明の変形例について
説明する。本例は、上述した必要温風熱量(QAIR)に加
えて、暖房要求時(日中)の気温の変化状況を予測し
て、できるだけ床暖房装置の蓄熱を有効に利用し、空気
調和装置の無駄な運転を回避するためのものである。
【0068】以下、本例の構成について説明する。図3
及び図4に破線で示すように、室外機(6) には室外の気
圧(Bout)を検知するための気圧センサ(27)が備えられ
ている。そして、この気圧センサ(27)によって検出され
た気圧(Bout)の検出信号は、上記温風熱量算出手段(2
3)に出力されるようになっている。また、この信号を受
けた温風熱量算出手段(23)は、上記(3) 式で算出した必
要温風熱量(QAIR)を気圧(Bout)に応じて補正するよ
うにしている。
【0069】この補正動作としては、例えば暖房要求時
間前(例えば早朝)の気圧(Bout)が低い場合には、日
中の天候が悪化して外気温度(Tout)の上昇割合が小さ
いと推測して空気調和装置(2) からの温風の熱量(Qai
r)を多めに供給して蓄熱切れを確実に回避するように必
要温風熱量(QAIR)を高くする補正を行う。逆に、暖房
要求時間前の外気圧(Bout)が高い場合には、日中の天
候が良好で外気温度(Tout)の上昇割合が大きいと推測
して空気調和装置(2) からの温風の熱量(Qair)を少な
めに設定しても蓄熱切れが生じないと判断し、空気調和
装置(2) の無駄な運転を行わないよう必要温風熱量(Q
AIR)を低くする補正を行う。
【0070】また、その他の補正動作として、日中の気
圧(Bout)が低い場合には、今後の天候が悪化して外気
温度(Tout)が低下するか若しくは上昇割合が小さいと
推測して空気調和装置(2) からの温風の熱量を多めに供
給して蓄熱切れを回避するように必要温風熱量(QAIR)
を高くする補正を行う。逆に、日中の気圧(Bout)が高
い場合には、天候が良好で外気温度(Tout)は高く維持
されると推測して空気調和装置(2) からの温風の熱量
(Qair)を少なめに設定しても蓄熱切れが生じないと判
断し、空気調和装置(2) の無駄な運転を行わないよう必
要温風熱量(QAIR)を低くする補正を行う。
【0071】このように、気圧(Bout)を検知すること
で、外気温度(Tout)の変化状況を予測して、できるだ
け床暖房装置(1) の蓄熱を有効に利用し、暖房要求時間
の終了と略同時に床暖房パネル(3,3, …) の蓄熱を使い
切るようにすれば、空気調和装置(2) の無駄な運転を回
避でき、ランニングコストの低減を図りながら良好な暖
房状態を得ることができる。
【0072】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について説明する。尚、本形態は、必要温風熱量
(QAIR)の算出動作が上述した第1実施形態のものと異
なっており、その他は、第1実施形態と同様であるの
で、ここでは、本形態の特徴部分についてのみ説明す
る。
【0073】本形態にあっては、図3に仮想線で示すよ
うに、床面温度(Tfs)の検出が可能な床面温度検出手
段としての床温センサ(12)が設けられており、該床温セ
ンサ(12)の温度検出信号がコントローラ(C) に送信され
るようになっている。また、本形態では、暖房要求時間
中に蓄熱材の蓄熱量が無くなったことを検知する蓄熱切
れ検知手段(15)が設けられている。
【0074】そして、本形態のコントローラ(C) も温風
制御手段(20)を備えており、この温風制御手段(20)は、
上述した第1実施形態と同様の残量算出手段(22)、温風
熱量算出手段(23)、調整手段(24)及び放熱許容量算出手
段(25)を備えている。そして、温風熱量算出手段(23)
は、上記蓄熱切れ検知手段(15)によって前日の暖房要求
時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなっていたことが検出さ
れていた場合には、暖房要求時間中の温風熱量(Qair)
を高くするよう補正するようになっている。
【0075】その他の各手段の構成及び機能は上述のも
のと略同様であるので、ここでは説明を省略する。そし
て、本形態に係る温風制御手段(20)は、室内温度センサ
(9)及び床温センサ(12)からの出力信号が受信可能であ
って床面から室内への熱の放出し易さを示す熱貫流特性
値(Kf ・Af)を算出する特性値算出手段(21)が備えら
れている。
【0076】上記特性値算出手段(21)は、床面の熱的性
能を認識するためのものであって、空気調和装置(2) の
据付け時等に、床面の熱的性能の認識運転を行い、この
際に、床面から室内への熱の放出し易さを示す指標とし
て熱貫流特性値(Kf ・Af)を求めるものである。つま
り、空気調和装置(2) のみを運転させた状態で、室内
(R) への供給熱量(Qair)を算出しておき、その後、床
暖房装置(1) を運転する。そして、この際の床面からの
放熱量(Qf)に基いて、床面の熱貫流率(Kf )と床面
積(Af )との積で成る熱貫流特性値(Kf ・Af)を算
出するものである。また、本形態にあっても、この床面
の熱的性能の認識運転を、空気調和装置(2) の据付け時
のみだけでなく、この据付け後の一定期間(例えば3ケ
月)毎に行うようにすれば、より正確な熱的性能の認識
が行える。
【0077】尚、上述した床面の熱的性能の認識運転に
おける空気調和装置(2) のみを運転させた際の室内(R)
への供給熱量(Qair)は以下の(6) 式により求められ
る。
【0078】 Qair =Vi (Ts −Tr ) …(6) (但し、Vi は室内機ファン風量、Ts は吹出温度、T
r は吸込温度)
【0079】また、この(6) 式と室内及び室外の各温度
(Tin、Tout )により、以下の(7) 式を用いて部屋全
体の熱的性能としての損失熱量特性値(K・A)が算出
される。
【0080】 K・A=Qair /(Tin−Tout ) …(7)
【0081】更に、床暖房装置(1) を運転させた際の床
面から室内への放熱量(Qf)を以下の(8) 式により算出
する。
【0082】 Qf =K・A(Tin−Tout )−Qair ′ …(8) (但し、Qair ′は床暖房装置運転時の空気調和装置か
らの供給熱量)
【0083】そして、この値に基づき以下の(9) 式によ
り、床面から室内への熱の放出し易さを示す熱貫流特性
値(Kf ・Af)が以下の 式により算出される。
【0084】 Kf ・Af =Qf /(Tfs−Tin) …(9) (但し、Kf は床面の熱貫流率、Af は床面積、Tfsは
床面温度)
【0085】また、本形態の温風熱量算出手段(23)は、
必要温風熱量(QAIR)を以下の(10)式によって算出す
る。 QAIR =Kf ・Af (Tfs−Tin)−Qfmax …(10)
【0086】次に、上述の如く構成された温風制御手段
(20)による運転動作について説明する。先ず、空気調和
装置(2) の据付時等に行われる床面の熱的性能の認識運
転について図13のフローチャートに沿って説明する。
【0087】そして、この認識運転がスタートすると先
ず、ステップST21において空気調和装置(2) のみが運
転し、室内に温風を供給する。そして、この状態におい
てステップST22において、上記(6) 式により室内へ供
給されている温風の熱量(Qair)を算出する。そして、
ステップST23において(7) 式により損失熱量特性値
(K・A)を算出する。
【0088】このようにして損失熱量特性値(K・A)
を算出した後、ステップST24において床暖房装置(1)
の運転を開始させ、ステップST25で、この際の温風の
熱量(Qair ′)を算出する。そして、その後、ステッ
プST26及びステップST27において、上記(8) 式及び
(9) 式により床暖房装置の放熱量(Qf)及び熱貫流特性
値(Kf ・Af)を算出する。このようにして算出された
熱貫流特性値(Kf ・Af)が後述する必要温風熱量(Q
AIR)の算出に利用されることになる。また、この熱貫流
特性値(Kf ・Af)を算出した後は、ステップST28に
移って一定期間(例えば3か月)が経過したか否かが判
定され、この期間経過後には再び上記と同様の熱貫流特
性値(Kf ・Af)の算出動作が行われて必要温風熱量
(QAIR)の算出に利用される熱貫流特性値(Kf ・Af)
が更新されることになる。
【0089】次に、本空調システムの運転動作について
図14のフローチャートに沿って説明する。先ず、ステ
ップST31において、深夜電力の供給時間帯であるか否
かの判定が行われる。そして、この時間帯である場合に
はステップST32に移って加熱装置を駆動させ、床暖房
パネル(3,3, …) 内の蓄熱材に温熱を蓄熱する。一方、
深夜電力の供給時間帯でなく暖房要求時間帯である場合
には、ステップST33において蓄熱材への蓄熱を停止
し、床暖房装置(1) の放熱を開始させる。この状態でス
テップST34に移り、蓄熱切れ検知手段(15)により前日
の暖房運転において、暖房要求時間の途中で「蓄熱切
れ」が生じていたか否かを判定し、「蓄熱切れ」が生じ
ていた場合にはステップST35において熱貫流特性値
(Kf ・Af)を補正する。つまり、この熱貫流特性値
(Kf ・Af)を大きく設定するような補正を行う。一
方、「蓄熱切れ」が生じていない場合には熱貫流特性値
(Kf ・Af)の補正を行うことなしにステップST36に
移る。
【0090】そして、このステップST36では、上記
(8) 式により床面からの放熱量(Qf)を算出する。ま
た、ステップST37において、算出された放熱量(Qf)
と放熱許容量(Qfmax) とを比較し、放熱量(Qf)が放
熱許容量(Qfmax) 以上である場合にはステップST38
で空気調和装置(2) が運転しているか否かを判定し、運
転中である場合にはそのままステップST39に移り、運
転していない場合には、ステップST40で運転を開始さ
せた後、ステップST39に移る。また、このときの空気
調和装置(2) からの供給熱量は上記式(10)により求めら
れたものに設定される。
【0091】一方、ステップST37において、放熱量
(Qf)が放熱許容量(Qfmax) 未満である場合にはステ
ップST41で空気調和装置(2) が停止しているか否かを
判定し、停止中である場合にはそのままステップST39
に移り、運転している場合には、ステップST42で運転
を停止させた後、ステップST39に移る。
【0092】このようにして空気調和装置(2) の運転状
態を切換えた後、ステップST39において一定時間(例
えば20分)が経過したか否かが判定され、この時間経
過後にはステップST43に移って暖房要求時間中(例え
ば午前7時〜午後11時)であるか否かを判定し、暖房
要求時間中である場合にはステップST36に戻って上述
した制御動作を行う一方、暖房要求時間中でない場合に
はステップST44に移って空気調和装置(2) が停止して
いるか否かを判定し、停止中である場合にはそのままリ
ターンし、運転している場合には、ステップST45で運
転を停止させた後、リターンすることになる。
【0093】このように、本形態では、暖房運転開始前
に、床面の熱的性能として算出した熱貫流特性値(K・
A)により床面から室内に放出する放熱量(Qf)を求
め、この放熱量(Qf)を考慮し、床暖房装置(1) の放熱
量(Qf)が暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなる
ことを回避する回避熱量以下となるように、空気調和装
置(2) の能力を制御している。このため、蓄熱切れの回
避により、室内の下層部と上層部との温度差を小さくし
ながら室内に十分な熱量を供給して、最適な暖房運転状
態を長時間に亘って連続的に得ることができる。
【0094】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態について説明する。尚、本形態は、例えば日中等の
ように外気温度(Tout)が所定値(例えば15℃)以上
である際における空気調和装置(2) からの温風熱量の制
御動作に特徴があり、その他は、第1実施形態と同様で
ある。つまり、上記と同様の温風制御手段(20)を備えて
いる。
【0095】そして、一般に、外気温度(Tout)が比較
的高い状況では、空気調和装置(2)の性能を高く発揮さ
せることが可能であるので、本実施形態では、この際
に、空気調和装置(2) からの温風熱量を大きくし、床暖
房装置からの放熱量を小さく抑える。つまり、日中の蓄
熱量の使用を抑制し、効率の高い空気調和装置(2) から
の温風供給により室内を暖房する。そして、この日中に
蓄熱量の使用を抑制したことで余った温蓄熱は、朝や夜
の床暖房用として使用する。
【0096】このような動作によれば、暖房運転全体と
しての効率の向上を図ることができると共に、特に、外
気温度(Tout)が低くなる時間帯において十分な床暖房
が行え、室内の快適性を維持することができる。
【0097】(変形例)次に、本発明の変形例について
説明する。本例は、暖房要求時間帯における室内の人の
有無を検出し、それに応じて空気調和装置からの温風熱
量(Qair)を制御するようにしたものである。
【0098】具体的には、図4に二点鎖線で示すよう
に、室内に人の有無を検出可能な赤外線センサ等でなる
人認識手段(16)が設けられている。そして、この人認識
手段(16)により、室内に人の存在が認識された時は、上
述した各実施形態のような制御動作を行う。一方、室内
に人の存在が認識されない時、つまり、室内に人がいな
い時には、上述した各実施形態のような制御動作によっ
て算出された必要温風熱量(QAIR)を高く設定するよう
な補正を行う。その理由としては、暖房要求時間中に室
内に人がいない場合には、室内(R) の下層部と上層部と
の温度差を小さくしておく必要がないので、この際の床
暖房装置からの放熱を抑制するためである。つまり、必
要温風熱量(QAIR)を高くする補正を行って、床暖房装
置に蓄えられている蓄熱の浪費を回避するようにして、
できるだけ蓄熱量を維持させ、暖房要求時間帯全体にお
ける蓄熱切れを回避するようにしている。
【0099】尚、上述した各形態では空気調和装置(2)
として壁掛け式のものを使用した場合について説明した
が、天井埋込み式等その他の空気調和装置を使用するこ
とも可能である。
【0100】また、本システムを使用して室内の冷房を
行うようにしてもよい。この場合、蓄熱材としては凝固
点の低いもの(例えば10℃)が使用され、冷熱が与え
られて凝固した状態から融解する際の潜熱変化により室
内に冷熱を与えることになる。
【0101】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明では室外温度に基き、請求項6記載の発明では室
内温度に基き、夫々床暖房装置の放熱量が蓄熱切れの回
避熱量以下となるように、空気調和装置の能力を制御す
るようにしたために、暖房要求時間全体において蓄熱切
れの回避を図ることができる。つまり、暖房要求時間中
に、室内の下層部と上層部との温度差を小さくしながら
室内に十分な熱量を供給して、最適な暖房運転状態を長
時間に亘って連続的に得ることができて、暖房要求時間
中において室内の快適な温熱環境を維持することができ
る。
【0102】請求項2記載の発明によれば室内から室外
への熱の流出し易さを示す損失熱量特性値を算出して予
め室内の熱的性能を認識し、請求項7記載の発明によれ
ば床面から室内への熱の放出し易さを示す熱貫流特性値
を算出して予め床面の熱的性能を認識し、これに基いて
空気調和装置からの温風の熱量が、床暖房装置の蓄熱切
れ回避を図ることができる必要温風熱量に設定されるよ
うにしために、空気調和装置からの温風熱量を適切に設
定することができ、室内の温熱環境をよりいっそう良好
に得ることができる。
【0103】請求項3記載の発明によれば、特性値算出
手段による損失熱量特性値の算出動作、温風熱量算出手
段による必要温風熱量の算出動作を具体的に得ることが
でき、請求項8記載の発明によれば、特性値算出手段に
よる熱貫流特性値の算出動作、温風熱量算出手段による
必要温風熱量の算出動作を具体的に得ることができる。
このため、上記請求項2或いは7記載の発明に係る効果
を確実に確保するための信号処理手順を得ることができ
る。
【0104】請求項4記載の発明によれば、外気温度
が、蓄熱切れ室外温度以下になった場合には、調整手段
が、空気調和装置の温風熱量が必要温風熱量になるよう
に該温風の熱量を増大させるようにし、請求項9記載の
発明によれば、室内温度が、蓄熱切れ室内温度以下にな
った場合には、調整手段が、空気調和装置の温風熱量が
必要温風熱量になるように該温風の熱量を増大させるよ
うにしている。このため、床暖房装置の単位時間当りの
放熱量を放熱許容量以下に抑えることができる。従っ
て、暖房要求時間の終了時まで蓄熱材の蓄熱量が確保さ
れることになるので蓄熱切れが生じることはない。この
ため、暖房要求時間中において床暖房を維持することが
でき、室内の下層部と上層部との温度差を小さくしなが
ら室内に十分な熱量を供給して、最適な暖房運転状態を
長時間に亘って連続的に得ることができる。
【0105】請求項5または10記載の発明によれば、
床暖房装置及び空気調和装置の併用による室内の暖房動
作を、特性値算出手段に特性値の算出動作の後に行うよ
うにしたために、上記請求項2または7記載の発明に係
る効果を確実に得ることができ、また、特に、一定期間
毎に特性値の算出動作を行う場合には、室内の熱的性能
が変化したような場合に、それに追従した特性値が得ら
れることになって、常に適切な必要温風熱量を算出する
ことができる。
【0106】請求項11記載の発明によれば、空気調和
装置の運転効率の高い状況においてのみ蓄熱式床暖房装
置と空気調和装置とを併用し、この際の室内温度に基い
て空気調和装置からの温風の熱量を調整することで、蓄
熱切れを回避しながら室内の空調状態を良好に確保する
ようにしたために、暖房運転全体としての効率の向上を
図ることができると共に、特に、外気温度が低くなる時
間帯において十分な床暖房が行え、室内の快適性を維持
することができる。
【0107】請求項12記載の発明によれば、外気圧を
検知し、外気圧が低いほど温風熱量を高くし、外気圧が
高いほど温風熱量を低くするように補正したために、こ
の外気圧によって将来的な外気温度の変化状況を推測す
ることができる。このため、外気圧が低い場合には、天
候が悪化して外気温度が低下するか若しくは上昇割合が
小さいと推測して空気調和装置からの温風の熱量を多め
に供給することにより蓄熱切れを確実に回避することが
でき、逆に、外気圧が高い場合には、天候が良好で外気
温度の上昇割合が大きいと推測して空気調和装置からの
温風の熱量を少なめに設定しても蓄熱切れが生じないと
判断し、空気調和装置の無駄な運転を行わないようにす
ることができる。このように、外気温度の変化状況を予
測して、できるだけ床暖房装置の蓄熱を有効に利用する
ように空気調和装置の温風熱量を調整することができる
ので、ランニングコストの低減を図りながら良好な暖房
状態を得ることができる。
【0108】請求項13記載の発明によれば、暖房要求
時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなった場合には、次回の
暖房要求時間中の温風熱量を高くするようにしたため
に、たとえ装置の故障などにより蓄熱材への総蓄熱量が
十分に得られていないような状況であっても、温風熱量
の増大により室内の暖房を良好に行うことができる。
【0109】請求項14記載の発明によれば、暖房要求
時間中に室内に人がいない場合には、床暖房装置からの
放熱量を抑制するように温風熱量を高くする補正を行
い、床暖房が特に要求されない状況では、できるだけ蓄
熱量を維持させるようにしたために、暖房要求時間帯全
体における蓄熱切れを確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の構成を示す図である。
【図2】請求項6記載の発明の構成を示す図である。
【図3】床暖房装置及び空気調和装置の設置状態を示す
図である。
【図4】温風制御手段の構成を示すブロック図である。
【図5】床暖房装置及び空気調和装置の併用時の外気温
度、温風熱量、床暖房装置放熱量の関係を示す図であ
る。
【図6】床暖房装置のみによる暖房時の外気温度とPM
Vとの関係を示す図である。
【図7】床暖房装置のみによる暖房時の外気温度と床暖
房装置放熱量との関係を示す図である。
【図8】床暖房装置及び空気調和装置の併用時の外気温
度、温風熱量、PMVの関係を示す図である。
【図9】床暖房装置及び空気調和装置の併用時の外気温
度と必要温風熱量との関係を示す図である。
【図10】床暖房装置及び空気調和装置の併用時の外気
温度、温風熱量、蓄熱切れ温度の関係を示す図である。
【図11】第1実施形態における部屋の熱的性能の認識
運転動作を示すフローチャート図である。
【図12】第1実施形態における空調システムの運転動
作を示すフローチャート図である。
【図13】第2実施形態における床面の熱的性能の認識
運転動作を示すフローチャート図である。
【図14】第2実施形態における空調システムの運転動
作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
(1) 蓄熱式床暖房装置 (2) 空気調和装置 (9) 室内温度センサ(室内温度検出手段) (10) 室外温度センサ(室外温度検出手段) (12) 床温センサ(床面温度検出手段) (15) 蓄熱切れ検知手段 (16) 人認識手段 (20) 温風制御手段 (21) 特性値算出手段 (22) 残量算出手段 (23) 温風熱量算出手段 (24) 調整手段 (25) 放熱許容量算出手段 (26) 蓄熱切れ温度導出手段 (27) 気圧検知手段 (R) 室内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温熱を蓄熱して室内(R) の暖房要求時に
    室内温度(Tin)に応じて該室内温度(Tin)が低いほ
    ど大きな熱量を放熱する蓄熱材を有する蓄熱式の床暖房
    装置(1) が床部に設置される一方、該室内(R) に温風を
    供給する空気調和装置(2) が室内(R) に設置され、該空
    気調和装置(2) を制御して室内(R) を暖房する空調制御
    装置において、 室外温度(Tout)を検出する室外温度検出手段(10)と、 該室外温度検出手段(10)が検出した室外温度(Tout)に
    基き、上記床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が暖房要求時
    間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなることを回避する回避熱
    量以下となるように、室外温度(Tout)が低いほど温風
    熱量(Qair)を増大するよう空気調和装置(2) を制御す
    る温風制御手段(20)とを備えていることを特徴とする空
    調制御装置。
  2. 【請求項2】 室内温度(Tin)を検出する室内温度検
    出手段(9) が設けられる一方、 温風制御手段(20)は、 室外温度検出手段(10)及び室内温度検出手段(9) の出力
    を受け、空気調和装置(2) から室内(R) へ所定熱量(Q
    air)の温風を供給した状態で、室外温度(Tout)、室内
    温度(Tin)、温風熱量(Qair)及び床暖房装置の放熱
    量(Qf)に基いて、室内(R) から室外への熱の流出し易
    さを示す損失熱量特性値(Σ(K・A))を算出する特性
    値算出手段(21)と、 蓄熱材の蓄熱残量(Qres)を算出する残量算出手段(22)
    と、 上記室外温度検出手段(10)、室内温度検出手段(9) 、特
    性値算出手段(21)及び残量算出手段(22)の出力を受け、
    室外温度(Tout)、室内温度(Tin)、損失熱量特性値
    (Σ(K・A))及び蓄熱残量(Qres)に基き、床暖房装
    置(1) の放熱量(Qf)が蓄熱切れの回避熱量以下となる
    必要温風熱量(QAIR)を算出する温風熱量算出手段(23)
    と、 該温風熱量算出手段(23)の出力を受け、温風熱量(Qai
    r)が上記必要温風熱量(QAIR)になるように空気調和装
    置(2) を調整する調整手段(24)とを備えていることを特
    徴とする請求項1記載の空調制御装置。
  3. 【請求項3】 特性値算出手段(21)は、損失熱量特性値
    (Σ(K・A))を、下記式 Σ(K・A)=(Qair +Qf )/(Tin−Tout ) (但し、Kは壁面等の熱貫流率、Aは壁面等の面積、Q
    air は空気調和装置からの温風熱量、Qf は床暖房装置
    の放熱量、Tinは室内温度、Tout は室外温度)によっ
    て算出する一方、 温風熱量算出手段(23)は、必要温風熱量(QAIR)を、下
    記式 QAIR =Σ(K・A)・(Tin−Tout )−Qfmax (但し、Qfmaxは蓄熱切れを回避するための単位時間当
    りの床暖房装置の放熱許容量)によって算出することを
    特徴とする請求項2記載の空調制御装置。
  4. 【請求項4】 温風制御手段(20)は、 残量算出手段(22)の出力を受け、蓄熱残量(Qres)を暖
    房要求残り時間(T)で除することによって該暖房要求
    残り時間(T)における単位時間当りの床暖房装置(1)
    の放熱許容量(Qfmax)を算出する放熱許容量算出手段
    (25)と、 該放熱許容量算出手段(25)の出力を受け、床暖房装置
    (1) の単位時間当りの放熱量(Qf)が上記放熱許容量
    (Qfmax)よりも大きくなる蓄熱切れ室外温度(Toff)
    を導出する蓄熱切れ温度導出手段(26)とを備えており、 調整手段(24)は、室外温度検出手段(10)及び蓄熱切れ温
    度導出手段(26)の出力を受け、室外温度(Tout)が蓄熱
    切れ室外温度(Toff)以下になると、空気調和装置(2)
    の温風熱量(Qair)が必要温風熱量(QAIR)になるよう
    に、温風の熱量を増大させることを特徴とする請求項2
    記載の空調制御装置。
  5. 【請求項5】 特性値算出手段(21)による損失熱量特性
    値(Σ(K・A))の算出は、空気調和装置(2) の室内
    (R) への据付け時、或いは、据付け後、一定期間毎に行
    われることを特徴とする請求項2記載の空調制御装置。
  6. 【請求項6】 温熱を蓄熱して室内(R) の暖房要求時に
    室内温度(Tin)に応じて該室内温度(Tin)が低いほ
    ど大きな熱量を放熱する蓄熱材を有する蓄熱式の床暖房
    装置(1) が床部に設置される一方、該室内(R) に温風を
    供給する空気調和装置(2) が室内(R) に設置され、該空
    気調和装置(2) を制御して室内(R) を暖房する空調制御
    装置において、 室内温度(Tin)を検出する室内温度検出手段(9) と、 該室内温度検出手段(9) が検出した室内温度(Tin)に
    基き、上記床暖房装置(1) の放熱量(Qf)が暖房要求時
    間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなることを回避する回避熱
    量以下となるように、室内温度(Tin)が低いほど温風
    熱量(Qair)を増大するよう空気調和装置(2) を制御す
    る温風制御手段(20)とを備えていることを特徴とする空
    調制御装置。
  7. 【請求項7】 床面温度(Tfs)を検出する床面温度検
    出手段(12)が設けられる一方、 温風制御手段(20)は、 室内温度検出手段(9) 及び床面温度検出手段(12)の出力
    を受け、空気調和装置(2) から室内(R) へ所定熱量(Q
    air)の温風を供給した状態で、室内温度(Tin)、床面
    温度(Tfs)、温風熱量(Qair)及び床暖房装置の放熱
    量(Qf)に基いて、床面から室内(R) への熱の放出し易
    さを示す熱貫流特性値(Kf ・Af)を算出する特性値算
    出手段(21)と、 蓄熱材の蓄熱残量(Qres)を算出する残量算出手段(22)
    と、 上記室内温度検出手段(9) 、床面温度検出手段(12)、特
    性値算出手段(21)及び残量算出手段(22)の出力を受け、
    室内温度(Tin)、床面温度(Tfs)、床面の熱貫流特
    性値(Kf ・Af)及び蓄熱残量(Qres)に基き、床暖房
    装置(1) の放熱量(Qf)が蓄熱切れの回避熱量以下とな
    る必要温風熱量(QAIR)を算出する温風熱量算出手段(2
    3)と、 該温風熱量算出手段(23)の出力を受け、温風熱量(Qai
    r)が上記必要温風熱量(QAIR)になるように空気調和装
    置(2) を調整する調整手段(24)とを備えていることを特
    徴とする請求項6記載の空調制御装置。
  8. 【請求項8】 特性値算出手段(21)は、床面の熱貫流特
    性値(Kf ・Af)を、下記式 Kf ・Af =Qf /(Tfs−Tin) (但し、Kf は床面の熱貫流率、Af は床面積、Qf は
    床暖房装置の放熱量、 Tfsは床面温度、Tinは室内温度)によって算出する一
    方、 温風熱量算出手段(23)は、必要温風熱量(QAIR)を、下
    記式 QAIR =Kf ・Af ・(Tfs−Tin)−Qfmax (但し、Qfmaxは蓄熱切れを回避するための単位時間当
    りの床暖房装置の放熱許容量)によって算出することを
    特徴とする請求項7記載の空調制御装置。
  9. 【請求項9】 温風制御手段(20)は、 残量算出手段(22)の出力を受け、蓄熱残量(Qres)を暖
    房要求残り時間(T)で除することによって該暖房要求
    残り時間(T)における単位時間当りの床暖房装置(1)
    の放熱許容量(Qfmax)を算出する放熱許容量算出手段
    (25)と、 該放熱許容量算出手段(25)の出力を受け、床暖房装置
    (1) の単位時間当りの放熱量(Qf)が上記放熱許容量
    (Qfmax)よりも大きくなる蓄熱切れ室内温度(Toff)
    を導出する蓄熱切れ温度導出手段(26)とを備えており、 調整手段(24)は、室内温度検出手段(9) 及び蓄熱切れ温
    度導出手段(26)の出力を受け、室内温度(Tin)が蓄熱
    切れ室内温度(Toff)以下になると、空気調和装置(2)
    の温風熱量(Qair)が必要温風熱量(QAIR)になるよう
    に、温風の熱量を増大させることを特徴とする請求項7
    記載の空調制御装置。
  10. 【請求項10】 特性値算出手段(21)による床面の熱貫
    流特性値(Kf ・Af)の算出は、空気調和装置(2) の室
    内(R) への据付け時、或いは、据付け後、一定期間毎に
    行われることを特徴とする請求項7記載の空調制御装
    置。
  11. 【請求項11】 温熱を蓄熱して室内(R) の暖房要求時
    に室内温度(Tin)に応じて該室内温度(Tin)が低い
    ほど大きな熱量を放熱する蓄熱材を有する蓄熱式の床暖
    房装置(1) が床部に設置される一方、外気との間で熱搬
    送を行って室内(R) に温風を供給する空気調和装置(2)
    が室内(R) に設置され、該空気調和装置(2) を制御して
    室内(R) を暖房する空調制御装置において、 室外温度(Tout)を検出する室外温度検出手段(10)と、 室内温度(Tin)を検出する室内温度検出手段(9) と、 上記室外温度検出手段(10)及び室内温度検出手段(9) の
    出力を受け、室外温度(Tout)が所定値以上であるとき
    にのみ空気調和装置(2) を運転し、暖房要求時間中の床
    暖房装置(1) の総放熱量が、床暖房装置(1) の総蓄熱量
    以下になるように、室内温度(Tin)が低いほど温風熱
    量(Qair)を増大するよう空気調和装置(2) を制御する
    温風制御手段(20)とを備えていることを特徴とする空調
    制御装置。
  12. 【請求項12】 外気圧(Bout)を検知する気圧検知手
    段(27)が設けられ、 温風制御手段(20)は、上記気圧検知手段(27)の出力を受
    け、外気圧(Bout)が低いほど温風熱量(Qair)を高く
    し、外気圧(Bout)が高いほど温風熱量(Qair)を低く
    するように補正することを特徴とする請求項1、6また
    は11記載の空調制御装置。
  13. 【請求項13】 暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量が無
    くなったことを検知する蓄熱切れ検知手段(15)が設けら
    れ、 温風制御手段(20)は、上記蓄熱切れ検知手段(15)の出力
    を受け、暖房要求時間中に蓄熱材の蓄熱量が無くなった
    場合には、次回の暖房要求時間中の温風熱量(Qair)を
    高くするように補正することを特徴とする請求項1、6
    または11記載の空調制御装置。
  14. 【請求項14】 室内の人の有無を認識する人認識手段
    (16)が設けられ、 温風制御手段(20)は、上記人認識手段(16)の出力を受
    け、暖房要求時間中に室内に人がいない場合には、床暖
    房装置(1) からの放熱量を抑制するように温風熱量(Q
    air)を高くする補正を行うことを特徴とする請求項1、
    6または11記載の空調制御装置。
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