JPH09235471A - 合成樹脂組成物 - Google Patents
合成樹脂組成物Info
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- JPH09235471A JPH09235471A JP6742496A JP6742496A JPH09235471A JP H09235471 A JPH09235471 A JP H09235471A JP 6742496 A JP6742496 A JP 6742496A JP 6742496 A JP6742496 A JP 6742496A JP H09235471 A JPH09235471 A JP H09235471A
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- coal
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- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 合成樹脂組成物において、合成樹脂の優れた
特性である作業性を損なうことなく、吸湿性、吸熱蓄熱
性、有毒ガスの化学的吸着性、重金属イオンの吸着性等
の機能を持たせる。 【解決手段】 この発明による合成樹脂組成物は、石炭
中の芳香族高分子を、その分子構造と官能基を損なうこ
とのない330℃以下の温度で、比重撰別、溶媒抽出、
アルカリ処理によって取り出し、各種の合成樹脂中に分
散含有させたものである。
特性である作業性を損なうことなく、吸湿性、吸熱蓄熱
性、有毒ガスの化学的吸着性、重金属イオンの吸着性等
の機能を持たせる。 【解決手段】 この発明による合成樹脂組成物は、石炭
中の芳香族高分子を、その分子構造と官能基を損なうこ
とのない330℃以下の温度で、比重撰別、溶媒抽出、
アルカリ処理によって取り出し、各種の合成樹脂中に分
散含有させたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、石炭中の芳香族高分
子の構造及び官能基を保持したままの吸熱性光波長変換
特性を有する微粒子含有物質を含み、且つ紫外線、可視
光線、赤外線の吸収による保温性の向上、官能基による
吸湿性とこれによる帯電性の低下、アミン系臭気気体の
吸着、オゾン、ハロゲンガスの吸着及び重金属イオンの
吸着等の機能を有する合成樹脂組成物に関する。
子の構造及び官能基を保持したままの吸熱性光波長変換
特性を有する微粒子含有物質を含み、且つ紫外線、可視
光線、赤外線の吸収による保温性の向上、官能基による
吸湿性とこれによる帯電性の低下、アミン系臭気気体の
吸着、オゾン、ハロゲンガスの吸着及び重金属イオンの
吸着等の機能を有する合成樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂材について、その特性や
機能を改善する課題として、静電気の発生、結露等の障
害の低減を実現すること、農業・漁業用のポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニール、ポリプロピレン等によるフィル
ムや網状成型品について太陽光線や、他の熱源からの熱
エネルギーのより高い効率の利用や、紫外線の吸収遮断
機能の付与を図ること等が挙げられる。更に、農業、園
芸、漁業、建築、建設に関連する技術分野では、合成樹
脂材の機能を改善する課題としてハロゲンガス、アミン
系の臭気気体の吸着、重金属イオン吸着性の機能が要求
されているが、これらの諸問題を解決できる多用な機能
を持つ合成樹脂材はいまだ提供されていないのが現状で
ある。
機能を改善する課題として、静電気の発生、結露等の障
害の低減を実現すること、農業・漁業用のポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニール、ポリプロピレン等によるフィル
ムや網状成型品について太陽光線や、他の熱源からの熱
エネルギーのより高い効率の利用や、紫外線の吸収遮断
機能の付与を図ること等が挙げられる。更に、農業、園
芸、漁業、建築、建設に関連する技術分野では、合成樹
脂材の機能を改善する課題としてハロゲンガス、アミン
系の臭気気体の吸着、重金属イオン吸着性の機能が要求
されているが、これらの諸問題を解決できる多用な機能
を持つ合成樹脂材はいまだ提供されていないのが現状で
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、従来から省エ
ネルギーの社会的要望の中で、エネルギーの利用効率を
より高めるための素材が求められている。このような素
材としては、例えば、太陽光エネルギー、太陽熱エネル
ギーを有効に利用した融雪効果のある構造物外壁や道
路、上記エネルギーを効果的に活用した農漁業用保温
材、暖房の熱利用効率の向上を図り、室内保温性の向上
等を図る素材である。従来の技術では、太陽光、太陽熱
を吸収蓄熱し、熱線として放出する素材としては、各種
カーボンブラックやグラファイトが使用されている。ま
た、赤外線を吸収し、より波長の長い赤外線として熱放
射する素材として、炭化ジルコニウム(ZrC)が使用
されている。
ネルギーの社会的要望の中で、エネルギーの利用効率を
より高めるための素材が求められている。このような素
材としては、例えば、太陽光エネルギー、太陽熱エネル
ギーを有効に利用した融雪効果のある構造物外壁や道
路、上記エネルギーを効果的に活用した農漁業用保温
材、暖房の熱利用効率の向上を図り、室内保温性の向上
等を図る素材である。従来の技術では、太陽光、太陽熱
を吸収蓄熱し、熱線として放出する素材としては、各種
カーボンブラックやグラファイトが使用されている。ま
た、赤外線を吸収し、より波長の長い赤外線として熱放
射する素材として、炭化ジルコニウム(ZrC)が使用
されている。
【0004】しかしながら、上記の素材は無機物である
ため、合成樹脂とのなじみ難い性質を持っていた。ま
た、炭化ジルコニウム(ZrC)は、比重が大きく且つ
高価格であること等が理由で広範囲の分野での利用が妨
げられているという問題もあった。
ため、合成樹脂とのなじみ難い性質を持っていた。ま
た、炭化ジルコニウム(ZrC)は、比重が大きく且つ
高価格であること等が理由で広範囲の分野での利用が妨
げられているという問題もあった。
【0005】物質による光波長変換機能は、無機物より
有機物の方が優れている。代表的な無機物の光波長変換
材として知られているアンモニウム水素燐酸化合物より
も、4−メチルニトロアミンの方が優れた光活性を示
す。更に、有機物では芳香族化合物が優れた光活性を示
し、芳香族化合物では分子量の大きい高分子ほど高い光
活性を示す。しかしながら、芳香族化合物の合成は、複
雑な工程を要するので、高価なものとなる化合物であ
る。また、芳香族化合物の中には、人体や環境に対し、
有害な影響を与える物質を含むものがあり、このことが
芳香族化合物を人の活動領域において利用することがで
きないという要因となっている。
有機物の方が優れている。代表的な無機物の光波長変換
材として知られているアンモニウム水素燐酸化合物より
も、4−メチルニトロアミンの方が優れた光活性を示
す。更に、有機物では芳香族化合物が優れた光活性を示
し、芳香族化合物では分子量の大きい高分子ほど高い光
活性を示す。しかしながら、芳香族化合物の合成は、複
雑な工程を要するので、高価なものとなる化合物であ
る。また、芳香族化合物の中には、人体や環境に対し、
有害な影響を与える物質を含むものがあり、このことが
芳香族化合物を人の活動領域において利用することがで
きないという要因となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の問題を解決することであり、合成樹脂の優れた作業性
を活かしつつ、また、その比重を増大させることなく、
合成樹脂に吸湿性、低帯電性、従来より大幅に優れた吸
熱性、ハロゲンガスやアミン系の臭気を発するガス、オ
ゾン等の吸着性、金属イオンの吸着性等の機能を持つ合
成樹脂組成物及びそれを用いて作製した応用製品を提供
することである。
の問題を解決することであり、合成樹脂の優れた作業性
を活かしつつ、また、その比重を増大させることなく、
合成樹脂に吸湿性、低帯電性、従来より大幅に優れた吸
熱性、ハロゲンガスやアミン系の臭気を発するガス、オ
ゾン等の吸着性、金属イオンの吸着性等の機能を持つ合
成樹脂組成物及びそれを用いて作製した応用製品を提供
することである。
【0007】この発明は、石炭の熱分解温度以下の温度
範囲で石炭中から分離した芳香族高分子の構造及び前記
芳香族高分子の官能基を保持したままの吸熱性光波長変
換特性及び臭気を発するガスや重金属イオンの吸着特性
を有する粒径5μm以下の微粒子を含む微粒子含有物質
を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニー
ル、ポリウレタン、ポリスチレン、ユリア樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニ
ール、ナイロン樹脂から選択される合成樹脂中に分散含
有させたことを特徴とする合成樹脂組成物に関する。
範囲で石炭中から分離した芳香族高分子の構造及び前記
芳香族高分子の官能基を保持したままの吸熱性光波長変
換特性及び臭気を発するガスや重金属イオンの吸着特性
を有する粒径5μm以下の微粒子を含む微粒子含有物質
を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニー
ル、ポリウレタン、ポリスチレン、ユリア樹脂、フェノ
ール樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニ
ール、ナイロン樹脂から選択される合成樹脂中に分散含
有させたことを特徴とする合成樹脂組成物に関する。
【0008】また、この合成樹脂組成物において、石炭
からの前記微粒子含有物質の分離は、前記石炭を破砕し
て破砕分離や比重分離、石炭中から溶媒抽出分離、石炭
を苛性ソーダや苛性カリ水溶液と混合して加熱反応させ
て石炭粒子中の無機物を減少又は除去する分離から選択
される分離によって達成されるものである。
からの前記微粒子含有物質の分離は、前記石炭を破砕し
て破砕分離や比重分離、石炭中から溶媒抽出分離、石炭
を苛性ソーダや苛性カリ水溶液と混合して加熱反応させ
て石炭粒子中の無機物を減少又は除去する分離から選択
される分離によって達成されるものである。
【0009】また、この吸熱性光波長変換特性を有する
合成樹脂組成物は、網状、多孔状樹脂構造体に作製され
ている。又は、この吸熱性光波長変換特性を有する合成
樹脂組成物は、前記合成樹脂の基材表面に付着させて得
られる網状、多孔状樹脂構造体に作製されている。
合成樹脂組成物は、網状、多孔状樹脂構造体に作製され
ている。又は、この吸熱性光波長変換特性を有する合成
樹脂組成物は、前記合成樹脂の基材表面に付着させて得
られる網状、多孔状樹脂構造体に作製されている。
【0010】また、この合成樹脂組成物は、発泡させて
得られた保温材として作製されている。又は、この合成
樹脂組成物は、発泡させて内部に連続気泡を形成させた
気体又は液体用フィルタとして作製されている。或い
は、この合成樹脂組成物は、前記微粒子含有物質を前記
合成樹脂中に配合して塗料として作製されている。又
は、この合成樹脂組成物は、前記微粒子含有物質を前記
合成樹脂中に配合して接着剤として作製されている。
得られた保温材として作製されている。又は、この合成
樹脂組成物は、発泡させて内部に連続気泡を形成させた
気体又は液体用フィルタとして作製されている。或い
は、この合成樹脂組成物は、前記微粒子含有物質を前記
合成樹脂中に配合して塗料として作製されている。又
は、この合成樹脂組成物は、前記微粒子含有物質を前記
合成樹脂中に配合して接着剤として作製されている。
【0011】この吸熱性光波長変換特性を有する合成樹
脂組成物は、石炭中の天然の高分子は、主として、官能
基を有する芳香族高分子である。石炭中の高分子は、石
炭の熱分解温度である330℃以下、望ましくは250
℃以下の温度で取り出したものであり、熱分解によるコ
ールタールの発生がなく、且つ芳香族高分子の構造と、
官能基を保持した状態の微粒子である。
脂組成物は、石炭中の天然の高分子は、主として、官能
基を有する芳香族高分子である。石炭中の高分子は、石
炭の熱分解温度である330℃以下、望ましくは250
℃以下の温度で取り出したものであり、熱分解によるコ
ールタールの発生がなく、且つ芳香族高分子の構造と、
官能基を保持した状態の微粒子である。
【0012】また、この合成樹脂組成物に用いる前記官
能基を有する高分子微粒子は、ピリジン、N,N’−ジ
メチルホルムアミド等の溶媒によって石炭から抽出した
微粒子である。又は、この微粒子含有物質は、純度の高
い石炭を上記溶媒や、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等低級アルコール、エチルエーテル、テトロヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン等ケトン類、蟻酸、酢酸等低級カル
ボン酸によって膨潤させた微粒子である。
能基を有する高分子微粒子は、ピリジン、N,N’−ジ
メチルホルムアミド等の溶媒によって石炭から抽出した
微粒子である。又は、この微粒子含有物質は、純度の高
い石炭を上記溶媒や、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等低級アルコール、エチルエーテル、テトロヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン等ケトン類、蟻酸、酢酸等低級カル
ボン酸によって膨潤させた微粒子である。
【0013】又は、前記微粒子含有物質は、石炭粒子の
破砕による微粒化と比重選別等の方法による分離等によ
って得られる微粒子である。或いは、前記微粒子含有物
質は、苛性ソーダ、苛性カリ水溶液と混合し、250℃
以下の温度で加熱反応させ、石炭粒子中の無機物を減
少、又は除去した微粒子である。
破砕による微粒化と比重選別等の方法による分離等によ
って得られる微粒子である。或いは、前記微粒子含有物
質は、苛性ソーダ、苛性カリ水溶液と混合し、250℃
以下の温度で加熱反応させ、石炭粒子中の無機物を減
少、又は除去した微粒子である。
【0014】前記微粒子含有物質の微粒子は、合成樹脂
や、バインダー中への均一な分散のため、また、樹脂の
機能を損なわないため、粒径は5μm以下であることが
望ましい。
や、バインダー中への均一な分散のため、また、樹脂の
機能を損なわないため、粒径は5μm以下であることが
望ましい。
【0015】この芳香族高分子微粒子は、代表的吸熱材
とされてきた従来のカーボン、グラファイト等に比較し
てよりすぐれた吸熱特性を示す。前記芳香族高分子の比
重は、石炭の産地や炭種によって異なるが、その比重が
ほぼ0.9〜1.2の間である。また、前記微粒子含有
物質は、約10〜3%の吸水性をもっている。前記微粒
子含有物質の比重と吸水率は、加熱又は溶媒浸漬による
膨潤により調整することができる。
とされてきた従来のカーボン、グラファイト等に比較し
てよりすぐれた吸熱特性を示す。前記芳香族高分子の比
重は、石炭の産地や炭種によって異なるが、その比重が
ほぼ0.9〜1.2の間である。また、前記微粒子含有
物質は、約10〜3%の吸水性をもっている。前記微粒
子含有物質の比重と吸水率は、加熱又は溶媒浸漬による
膨潤により調整することができる。
【0016】前記微粒子含有物質は、上記のように、ピ
リジン、N,N’−ジメチルホルムアミド溶媒によって
最大限(溶媒中容積比)300%程度膨潤させ得るが、
この時の比重は0.7〜0.6程度であり、吸水率は約
8〜20%である。
リジン、N,N’−ジメチルホルムアミド溶媒によって
最大限(溶媒中容積比)300%程度膨潤させ得るが、
この時の比重は0.7〜0.6程度であり、吸水率は約
8〜20%である。
【0017】前記合成樹脂と前記高分子微粒子とは、ほ
ぼ近似の比重であるが、石炭の産地、炭種の選択や膨潤
等により更に両者の比重を近づけることができる。この
ようにして、上記高分子微粒子を合成樹脂材と混合し、
その混合物を溶融成形を行うと、上記高分子微粒子は合
成樹脂材中に均一に分散し、一部の高分子微粒子は成形
品の表面に露出する。これによって、この合成樹脂組成
物は、樹脂材の表面に吸湿性が与えられ、樹脂材の表面
の導電性が増大し、帯電性を低下させることができる。
又は、この合成樹脂組成物は、バインダーによって高分
子微粒子を合成樹脂材に付着させた場合についても同様
の作用が行われる。
ぼ近似の比重であるが、石炭の産地、炭種の選択や膨潤
等により更に両者の比重を近づけることができる。この
ようにして、上記高分子微粒子を合成樹脂材と混合し、
その混合物を溶融成形を行うと、上記高分子微粒子は合
成樹脂材中に均一に分散し、一部の高分子微粒子は成形
品の表面に露出する。これによって、この合成樹脂組成
物は、樹脂材の表面に吸湿性が与えられ、樹脂材の表面
の導電性が増大し、帯電性を低下させることができる。
又は、この合成樹脂組成物は、バインダーによって高分
子微粒子を合成樹脂材に付着させた場合についても同様
の作用が行われる。
【0018】前記高分子微粒子は、微粒化によって表面
積の拡大による表面エネルギーの増大のみでなく、官能
基や分子の表面への露出等により化学的活性は著しく増
大する。このため、高分子微粒子の合成樹脂材やバイン
ダー中への分散は、単に無機物よりも分散性が良いばか
りでなく、合成樹脂やバインダーと分子結合が行われる
ので、合成樹脂組成物の固化物の強度を低下させること
が少ない。
積の拡大による表面エネルギーの増大のみでなく、官能
基や分子の表面への露出等により化学的活性は著しく増
大する。このため、高分子微粒子の合成樹脂材やバイン
ダー中への分散は、単に無機物よりも分散性が良いばか
りでなく、合成樹脂やバインダーと分子結合が行われる
ので、合成樹脂組成物の固化物の強度を低下させること
が少ない。
【0019】この合成樹脂組成物における石炭中の官能
基は、カルボキシル基、メチル基が主であるが、これら
の基、芳香族環の捕獲作用、陽イオン交換作用によっ
て、ハロゲンガスやアミン系の臭気物質、オゾン等を吸
着し分解し、重金属イオンの吸着等の作用を行うことが
できる。
基は、カルボキシル基、メチル基が主であるが、これら
の基、芳香族環の捕獲作用、陽イオン交換作用によっ
て、ハロゲンガスやアミン系の臭気物質、オゾン等を吸
着し分解し、重金属イオンの吸着等の作用を行うことが
できる。
【0020】また、官能基については、種々の化学的操
作によりカルボキシル基を増加させたり、フェノール系
水酸基のような化学官能基を導入することにより、上記
の化学的吸着作用を向上させることが可能である。
作によりカルボキシル基を増加させたり、フェノール系
水酸基のような化学官能基を導入することにより、上記
の化学的吸着作用を向上させることが可能である。
【0021】この発明による合成樹脂組成物は、上記の
ような作用を有するが、それらについて以下に例示す
る。軟質塩化ビニール成形品は、内部より放散する塩素
ガスが成形品自体を老化させたり、電気器具等におい
て、スチロール、アクリル樹脂等、他の樹脂製品等に移
行し、これを劣化させる等の障害を起こすが、この発明
による合成樹脂組成物は、石炭中の芳香族高分子の芳香
環、又は官能基によって塩素が捕獲されて強い結合を行
うので上記障害を防止することが可能となる。
ような作用を有するが、それらについて以下に例示す
る。軟質塩化ビニール成形品は、内部より放散する塩素
ガスが成形品自体を老化させたり、電気器具等におい
て、スチロール、アクリル樹脂等、他の樹脂製品等に移
行し、これを劣化させる等の障害を起こすが、この発明
による合成樹脂組成物は、石炭中の芳香族高分子の芳香
環、又は官能基によって塩素が捕獲されて強い結合を行
うので上記障害を防止することが可能となる。
【0022】従来のポリエチレン、ポリプロピレン等の
合成樹脂は、接着剤、澱粉糊等に対する接着性を持たな
いが、この発明による合成樹脂組成物は、これらの樹脂
を主材とし、その表面に接着剤等の吸収性を有している
ので、適当な接着剤の選択によって前記樹脂の表面に容
易に接着を行うことが可能となる。
合成樹脂は、接着剤、澱粉糊等に対する接着性を持たな
いが、この発明による合成樹脂組成物は、これらの樹脂
を主材とし、その表面に接着剤等の吸収性を有している
ので、適当な接着剤の選択によって前記樹脂の表面に容
易に接着を行うことが可能となる。
【0023】この発明による合成樹脂組成物は、軟質合
成樹脂等を主材とし、網状や多孔状成形品又は石炭の芳
香族高分子微粒子をバインダーによって付着させた網
状、多孔状成形品として作製すれば、該網状、多孔状成
形品は、農業、園芸用として保温効果による生物の成育
促進、結露の防止、魚かす、油かす等の肥料よりトリメ
チルアミン等の臭気の吸着を行うことができるという優
れた効果を有する。
成樹脂等を主材とし、網状や多孔状成形品又は石炭の芳
香族高分子微粒子をバインダーによって付着させた網
状、多孔状成形品として作製すれば、該網状、多孔状成
形品は、農業、園芸用として保温効果による生物の成育
促進、結露の防止、魚かす、油かす等の肥料よりトリメ
チルアミン等の臭気の吸着を行うことができるという優
れた効果を有する。
【0024】また、この発明による合成樹脂組成物は、
漁業関係においては水中の重金属イオンの吸着、保温に
よるノリ等の海草類、魚介類の成育促進という効果を有
する。
漁業関係においては水中の重金属イオンの吸着、保温に
よるノリ等の海草類、魚介類の成育促進という効果を有
する。
【0025】この合成樹脂組成物は、ポリウレタン等を
主材とする組成物の発泡体において、独立気泡をもつ製
品は、合板等の建築材、畳の材料等として、優れた保温
作用を有する。また、この合成樹脂組成物によって作製
された連続気泡を有するものは、吸水性による結露防止
作用、ガスや臭気金属イオンの吸着作用及び保温作用を
有する。
主材とする組成物の発泡体において、独立気泡をもつ製
品は、合板等の建築材、畳の材料等として、優れた保温
作用を有する。また、この合成樹脂組成物によって作製
された連続気泡を有するものは、吸水性による結露防止
作用、ガスや臭気金属イオンの吸着作用及び保温作用を
有する。
【0026】また、この合成樹脂組成物は、空気、水の
浄化フィルターとして作製した場合には、重金属イオ
ン、オゾン、ハロゲンガス、塩素化合物等の吸着作用を
行うことができる。
浄化フィルターとして作製した場合には、重金属イオ
ン、オゾン、ハロゲンガス、塩素化合物等の吸着作用を
行うことができる。
【0027】この合成樹脂組成物によって作製したポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール等を主材
とした組成物のフィルム状、又は網状の成形品は、太陽
光線よりの効率高い吸熱によって、農業・水産関係の分
野において、地表温度、水温の上昇を可能とし、また、
紫外線の遮断、水中の有害重金属イオンの吸着作用を有
している。
エチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール等を主材
とした組成物のフィルム状、又は網状の成形品は、太陽
光線よりの効率高い吸熱によって、農業・水産関係の分
野において、地表温度、水温の上昇を可能とし、また、
紫外線の遮断、水中の有害重金属イオンの吸着作用を有
している。
【0028】この合成樹脂組成物によって作製した石炭
の芳香族高分子微粒子を合成樹脂液中に配した塗料又は
接着剤は、塗料の場合に屋根瓦、道路コンクリート構造
物、水道管等に塗付して被膜を形成できるので、冬期降
雪時の融雪の促進や、凍結による構造物、施設物の破損
の低減又は防止を図ることができる。
の芳香族高分子微粒子を合成樹脂液中に配した塗料又は
接着剤は、塗料の場合に屋根瓦、道路コンクリート構造
物、水道管等に塗付して被膜を形成できるので、冬期降
雪時の融雪の促進や、凍結による構造物、施設物の破損
の低減又は防止を図ることができる。
【0029】この合成樹脂組成物によって作製した接着
剤は、合板の接着における合板への保温性、臭気吸収性
等の機能を付与することができる。
剤は、合板の接着における合板への保温性、臭気吸収性
等の機能を付与することができる。
【0030】この合成樹脂組成物によって作製したポリ
塩化ビニールタイルの目地接着剤は、塩素ガス吸着によ
る目地の劣化防止作用等を行うことが可能となる。
塩化ビニールタイルの目地接着剤は、塩素ガス吸着によ
る目地の劣化防止作用等を行うことが可能となる。
【0031】この合成樹脂組成物によって作製したポリ
エチレン、ポリプロピレン、軟質塩化ビニール樹脂など
主材とする包装材は、内容物の保温、内容物から発生す
るトリメチルアミンの吸着が可能になると共に、包装材
から発生するエチレンガスの吸着が可能となる。
エチレン、ポリプロピレン、軟質塩化ビニール樹脂など
主材とする包装材は、内容物の保温、内容物から発生す
るトリメチルアミンの吸着が可能になると共に、包装材
から発生するエチレンガスの吸着が可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明による合成樹脂組
成物の実施例を説明する。この実施例は、サーモグラフ
ィによる測定によって示されている。また、各試験で測
定に用いた試料はオーストラリア産の一般炭を破砕し微
粒化した後、その微粒子含有物質を比重選別によって、
取り出した高分子であり、無機物(灰分)の含有量2%
の粒径5μ以下の微粒子である。
成物の実施例を説明する。この実施例は、サーモグラフ
ィによる測定によって示されている。また、各試験で測
定に用いた試料はオーストラリア産の一般炭を破砕し微
粒化した後、その微粒子含有物質を比重選別によって、
取り出した高分子であり、無機物(灰分)の含有量2%
の粒径5μ以下の微粒子である。
【0033】〔実施例1〕この発明による合成樹脂組成
物(石炭高分子含有物質)と、従来の代表的な吸熱材と
されてきたカーボン(アセチレンカーボン)粉末とにつ
いて、近赤外線による吸熱特性変化の比較を図1に示
す。また、この発明による吸熱性光波長変換材(石炭高
分子)と、グラファイト粉末とについて、近赤外線によ
る吸熱特性変化の比較を図2に示す。図1及び図2から
分かるように、この発明による石炭高分子の近赤外線吸
熱についての効果は、従来品のものに対して優位である
ことが示されている。
物(石炭高分子含有物質)と、従来の代表的な吸熱材と
されてきたカーボン(アセチレンカーボン)粉末とにつ
いて、近赤外線による吸熱特性変化の比較を図1に示
す。また、この発明による吸熱性光波長変換材(石炭高
分子)と、グラファイト粉末とについて、近赤外線によ
る吸熱特性変化の比較を図2に示す。図1及び図2から
分かるように、この発明による石炭高分子の近赤外線吸
熱についての効果は、従来品のものに対して優位である
ことが示されている。
【0034】〔実施例2〕この発明による合成樹脂組成
物によって作製した加工材A及び加工材Bについて、近
赤外線に対する吸熱、蓄熱及び放熱等の熱特性変化を表
1、表2及び図3に示す。この時、供給熱源は、近赤外
線ランプ(100V、185W、ピーク波長1.275
〜1.126μm)であり、加工材A及び加工材Bの試
料より10cm離して照射した。加工材Aは、この発明
による合成樹脂組成物に含んでいる石炭高分子微粒子で
ある。また、加工材Bは、吸熱効果が最も大きいとされ
る遠赤外線セラミックスの炭化ジルコニウム(ZrC)
粉末であり、それぞれナイロンネットに合成樹脂バイン
ダーにより塗布付着せしめたものである。加工材A及び
加工材B)への近赤外線照射による熱特性変化を、表1
及び表2、並びに図3に示す。
物によって作製した加工材A及び加工材Bについて、近
赤外線に対する吸熱、蓄熱及び放熱等の熱特性変化を表
1、表2及び図3に示す。この時、供給熱源は、近赤外
線ランプ(100V、185W、ピーク波長1.275
〜1.126μm)であり、加工材A及び加工材Bの試
料より10cm離して照射した。加工材Aは、この発明
による合成樹脂組成物に含んでいる石炭高分子微粒子で
ある。また、加工材Bは、吸熱効果が最も大きいとされ
る遠赤外線セラミックスの炭化ジルコニウム(ZrC)
粉末であり、それぞれナイロンネットに合成樹脂バイン
ダーにより塗布付着せしめたものである。加工材A及び
加工材B)への近赤外線照射による熱特性変化を、表1
及び表2、並びに図3に示す。
【表1】
【表2】
【0035】図3は、石炭高分子微粉末による加工材A
と遠赤外線放射セラミック(ZrC)粉末による加工材
Bとに近赤外線を照射した熱特性変化即ち蓄熱性変化の
比較を示すグラフである。表1は蓄熱、断熱及び放熱で
の温度速度変化率を示し、表2はヒストグラムによる温
度比較である。表1では、加工材A及び加工材Bに対し
て、近赤外線ランプを供給熱源として熱特性であり、2
0秒間照射した蓄熱速度変化、断熱及び放熱での温度速
度変化率で、5秒後の放熱速度変化1、及び11秒後の
放熱速度変化2を示している。ここで、蓄熱速度変化率
が高いほど蓄熱性能が大であり、放熱速度変化率が高い
ほど熱降下が大即ち冷め易いことである。ここで、照射
時間と直後の計測時間には多少のタイムラグが有る。ま
た、表2では、加工材A及び加工材Bの蓄熱度を比較し
た平均値Ave、最小値Min及び最大値Maxが示さ
れている。図3、表1及び表2から分かるように、加工
材Aの本発明品は、加工材Bの従来品に比較して、蓄熱
性能が大であり、本発明品の優位性は明らかである。
と遠赤外線放射セラミック(ZrC)粉末による加工材
Bとに近赤外線を照射した熱特性変化即ち蓄熱性変化の
比較を示すグラフである。表1は蓄熱、断熱及び放熱で
の温度速度変化率を示し、表2はヒストグラムによる温
度比較である。表1では、加工材A及び加工材Bに対し
て、近赤外線ランプを供給熱源として熱特性であり、2
0秒間照射した蓄熱速度変化、断熱及び放熱での温度速
度変化率で、5秒後の放熱速度変化1、及び11秒後の
放熱速度変化2を示している。ここで、蓄熱速度変化率
が高いほど蓄熱性能が大であり、放熱速度変化率が高い
ほど熱降下が大即ち冷め易いことである。ここで、照射
時間と直後の計測時間には多少のタイムラグが有る。ま
た、表2では、加工材A及び加工材Bの蓄熱度を比較し
た平均値Ave、最小値Min及び最大値Maxが示さ
れている。図3、表1及び表2から分かるように、加工
材Aの本発明品は、加工材Bの従来品に比較して、蓄熱
性能が大であり、本発明品の優位性は明らかである。
【0036】〔実施例3〕熱風の対流熱をエネルギー供
給源とした場合の、加工材A及び加工材Bの熱特性変化
を図4に示す。また、加工材A及び加工材Bの蓄熱、放
熱速度変化率を表3によって示す。
給源とした場合の、加工材A及び加工材Bの熱特性変化
を図4に示す。また、加工材A及び加工材Bの蓄熱、放
熱速度変化率を表3によって示す。
【表3】
【0037】表3は、加工材A及び加工材Bに対する熱
風の対流熱を供給熱源とした熱特性を示している。加工
材A及び加工材Bに対しては、40℃で20分間に加温
した時の状態であり、従って、加工材A及び加工材Bに
ついて、40℃に蓄熱してからの放熱速度変化率を示し
ている。従って、加工材A及び加工材Bに対しては、同
温レベルからの放熱比較である。ここでは、放熱速度変
化率が低いほど蓄熱性能が良好である。放熱速度変化と
しては、直後、2秒後、4秒後及び6秒後についてのデ
ータである。図4及び表3から分かるように、加工材A
の本発明品は、加工材Bの従来品に比較して蓄熱性能が
良好である優位性は明らかである。
風の対流熱を供給熱源とした熱特性を示している。加工
材A及び加工材Bに対しては、40℃で20分間に加温
した時の状態であり、従って、加工材A及び加工材Bに
ついて、40℃に蓄熱してからの放熱速度変化率を示し
ている。従って、加工材A及び加工材Bに対しては、同
温レベルからの放熱比較である。ここでは、放熱速度変
化率が低いほど蓄熱性能が良好である。放熱速度変化と
しては、直後、2秒後、4秒後及び6秒後についてのデ
ータである。図4及び表3から分かるように、加工材A
の本発明品は、加工材Bの従来品に比較して蓄熱性能が
良好である優位性は明らかである。
【0038】〔実施例4〕太陽光線からの自然光をエネ
ルギー供給源とした場合の、加工材A及び加工材Bの熱
特性変化を図5のグラフで示す。表4はその蓄熱、放熱
速度変化率を示すものである。
ルギー供給源とした場合の、加工材A及び加工材Bの熱
特性変化を図5のグラフで示す。表4はその蓄熱、放熱
速度変化率を示すものである。
【表4】
【0039】表4は、加工材A及び加工材Bに対して太
陽光を供給熱源とした熱特性を示しており、30分間室
温に放置した熱特性を示している。表4では、蓄熱速度
変化として直後のデータを示し、放熱速度変化として2
秒後と4秒後を示している。ここで、蓄熱速度変化率が
高いほど蓄熱性能が大であり、放熱速度変化率が高いほ
ど熱降下が大であって冷め易いことを示している。実施
例4では、照射時間と直後の計測時間には、多少のタイ
ムラグが有る。図5及び表4から分かるように、加工材
Aの本発明品は、加工材Bの従来品に比較して蓄熱特性
に優れていることが分かる。実施例4では、本発明品が
従来品に比較して優位性が顕著であるのは、光波長変換
効果によるものと推定される。
陽光を供給熱源とした熱特性を示しており、30分間室
温に放置した熱特性を示している。表4では、蓄熱速度
変化として直後のデータを示し、放熱速度変化として2
秒後と4秒後を示している。ここで、蓄熱速度変化率が
高いほど蓄熱性能が大であり、放熱速度変化率が高いほ
ど熱降下が大であって冷め易いことを示している。実施
例4では、照射時間と直後の計測時間には、多少のタイ
ムラグが有る。図5及び表4から分かるように、加工材
Aの本発明品は、加工材Bの従来品に比較して蓄熱特性
に優れていることが分かる。実施例4では、本発明品が
従来品に比較して優位性が顕著であるのは、光波長変換
効果によるものと推定される。
【0040】〔実施例5〕この発明による合成樹脂組成
物に含まれている石炭芳香族高分子の重金属イオン吸着
性能の試験結果を以下に示す。予め調整したHgCl標
準水溶液中に粘結炭を微粒化して得た平均粒径3μmの
石炭高分子を所定濃度(7〜8wt%)になるように投
入し、10分間攪拌後の水溶液中の全水銀濃度を測定し
た。測定はJISKO120−1986.66.1に準
じて行った。HgCl標準液の全水溶液0.573pp
m、石炭高分子23.4999g/300mlであり、
10分間攪拌後の全水銀濃度は0.043ppmであっ
た。
物に含まれている石炭芳香族高分子の重金属イオン吸着
性能の試験結果を以下に示す。予め調整したHgCl標
準水溶液中に粘結炭を微粒化して得た平均粒径3μmの
石炭高分子を所定濃度(7〜8wt%)になるように投
入し、10分間攪拌後の水溶液中の全水銀濃度を測定し
た。測定はJISKO120−1986.66.1に準
じて行った。HgCl標準液の全水溶液0.573pp
m、石炭高分子23.4999g/300mlであり、
10分間攪拌後の全水銀濃度は0.043ppmであっ
た。
【0041】〔実施例6〕この発明による合成樹脂組成
物に含まれている石炭芳香族高分子の消臭効果試験は、
テトラーバック内に石炭芳香族高分子から成る加工材A
及び臭いガス濃度の変化を測定した。ガス種はトリメチ
ルアミン、ガス量600ml、ガス濃度26ppm試料
1gであり、また、加工材Aは平均粒径3μmの粘結炭
を微粒化して得た石炭高分子であり、加工材Bは加工材
Aを溶媒N−N’−ジメチルホルムアミド中に8時間浸
漬し、膨潤させたものである。3回の測定の平均吸着率
は、加工材Aは54%であり、加工材Bは97%であっ
た。
物に含まれている石炭芳香族高分子の消臭効果試験は、
テトラーバック内に石炭芳香族高分子から成る加工材A
及び臭いガス濃度の変化を測定した。ガス種はトリメチ
ルアミン、ガス量600ml、ガス濃度26ppm試料
1gであり、また、加工材Aは平均粒径3μmの粘結炭
を微粒化して得た石炭高分子であり、加工材Bは加工材
Aを溶媒N−N’−ジメチルホルムアミド中に8時間浸
漬し、膨潤させたものである。3回の測定の平均吸着率
は、加工材Aは54%であり、加工材Bは97%であっ
た。
【0042】
【発明の効果】この発明による合成樹脂組成物は、上記
のように、石炭中より熱分解させることなく取り出し、
更に純度を高めた固体高分子粉末即ち微粒子含有物質
は、芳香族高分子のπ電子の特性を有効に発揮すること
ができるため、吸熱、蓄熱及び光波長変換に優れた効果
を有すると共に、主材である各種合成樹脂の優れた作業
性を損なうことなく且つ比重を増加させることなく、吸
湿、吸収性による帯電性の低下、結露防止等の効果、保
温効果及びこれによる凍結防止や防霜効果、動植物の成
育促進、臭気性気体、ハロゲンガス、オゾン、重金属イ
オン等の吸着による空気、水等の浄化効果等の効果を有
する。しかも、この合成樹脂組成物は、カルボキシル
基、メチル基等の官能基を保有した高分子であるため、
加工材の合成樹脂への分散性も良好であり、しかも人体
や生物に対して無害であり、環境汚染することなく安全
な材料である。従って、この合成樹脂組成物は、保温
材、フィルタ部材、塗料、接着剤等の各種の応用製品を
作ることができ、その利用範囲が極めて広く、経済効果
は多大である。
のように、石炭中より熱分解させることなく取り出し、
更に純度を高めた固体高分子粉末即ち微粒子含有物質
は、芳香族高分子のπ電子の特性を有効に発揮すること
ができるため、吸熱、蓄熱及び光波長変換に優れた効果
を有すると共に、主材である各種合成樹脂の優れた作業
性を損なうことなく且つ比重を増加させることなく、吸
湿、吸収性による帯電性の低下、結露防止等の効果、保
温効果及びこれによる凍結防止や防霜効果、動植物の成
育促進、臭気性気体、ハロゲンガス、オゾン、重金属イ
オン等の吸着による空気、水等の浄化効果等の効果を有
する。しかも、この合成樹脂組成物は、カルボキシル
基、メチル基等の官能基を保有した高分子であるため、
加工材の合成樹脂への分散性も良好であり、しかも人体
や生物に対して無害であり、環境汚染することなく安全
な材料である。従って、この合成樹脂組成物は、保温
材、フィルタ部材、塗料、接着剤等の各種の応用製品を
作ることができ、その利用範囲が極めて広く、経済効果
は多大である。
【図1】この発明による合成樹脂組成物に含まれる石炭
高分子微粒子と従来のアセチレンカーボンとの吸熱特性
の比較を示すグラフである。
高分子微粒子と従来のアセチレンカーボンとの吸熱特性
の比較を示すグラフである。
【図2】この発明による合成樹脂組成物に含まれる石炭
高分子微粒子と従来のグラファイト微粉末との吸熱特性
の比較を示すグラフである。
高分子微粒子と従来のグラファイト微粉末との吸熱特性
の比較を示すグラフである。
【図3】この発明による合成樹脂組成物(加工材A)と
従来の遠赤外線放射セラミック粉末(加工材B)とに対
して近赤外線を照射した熱特性変化の比較を示すグラフ
である。
従来の遠赤外線放射セラミック粉末(加工材B)とに対
して近赤外線を照射した熱特性変化の比較を示すグラフ
である。
【図4】この発明による合成樹脂組成物(加工材A)と
従来の遠赤外線放射セラミック粉末(加工材B)とに対
して熱風対流源による熱特性速度変化の比較を示すグラ
フである。
従来の遠赤外線放射セラミック粉末(加工材B)とに対
して熱風対流源による熱特性速度変化の比較を示すグラ
フである。
【図5】この発明による合成樹脂組成物(加工材A)と
従来の遠赤外線放射セラミック粉末(加工材B)とに対
して太陽光線下の熱特性変化の比較を示すグラフであ
る。
従来の遠赤外線放射セラミック粉末(加工材B)とに対
して太陽光線下の熱特性変化の比較を示すグラフであ
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 石炭の熱分解温度以下の温度範囲で石炭
中から分離した芳香族高分子の構造及び前記芳香族高分
子の官能基を保持したままの吸熱性光波長変換特性及び
臭気を発するガスや重金属イオンの吸着特性を有する粒
径5μm以下の微粒子を含む微粒子含有物質を、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリウレ
タン、ポリスチレン、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポ
リエステル、エポキシ樹脂、ポリ酢酸ビニール、ナイロ
ン樹脂から選択される合成樹脂中に分散含有させたこと
を特徴とする合成樹脂組成物。 - 【請求項2】 石炭からの前記微粒子含有物質の分離
は、前記石炭を破砕して破砕分離や比重分離、石炭中か
ら溶媒抽出分離、石炭を苛性ソーダや苛性カリ水溶液と
混合して加熱反応させて石炭粒子中の無機物を減少又は
除去する分離から選択される分離によって達成されるこ
とを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂組成物。 - 【請求項3】 網状や多孔状樹脂構造体に作製されてい
ることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記合成樹脂の基材の表面に付着させて
得られる網状や多孔状樹脂構造体に作製されていること
を特徴とする請求項1に記載の合成樹脂組成物。 - 【請求項5】 発泡させて得られた保温材として作製さ
れていることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂組
成物。 - 【請求項6】 発泡させて内部に連続気泡を形成させた
流体用フィルタとして作製されていることを特徴とする
請求項1に記載の合成樹脂組成物。 - 【請求項7】 前記微粒子含有物質を前記合成樹脂中に
配合して塗料として作製されていることを特徴とする請
求項1に記載の合成樹脂組成物。 - 【請求項8】 前記微粒子含有物質を前記合成樹脂中に
配合して接着剤として作製されていることを特徴とする
請求項1に記載の合成樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6742496A JPH09235471A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 合成樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6742496A JPH09235471A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 合成樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09235471A true JPH09235471A (ja) | 1997-09-09 |
Family
ID=13344529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6742496A Pending JPH09235471A (ja) | 1996-02-29 | 1996-02-29 | 合成樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09235471A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999060070A1 (fr) * | 1998-05-19 | 1999-11-25 | Sony Chemicals Corp. | Adhesif et materiau de circuit mettant en application cet adhesif |
CN103951987A (zh) * | 2014-04-23 | 2014-07-30 | 苏州羽帆新材料科技有限公司 | 一种防水硬质沥青材料及其制备方法 |
CN104028224A (zh) * | 2014-06-01 | 2014-09-10 | 何芳玲 | 一种小麦秸秆吸附材料及其制备方法 |
CN104028231A (zh) * | 2014-06-01 | 2014-09-10 | 李�荣 | 一种新型油菜秸秆吸附材料及其制备方法 |
CN104028236A (zh) * | 2014-06-01 | 2014-09-10 | 吴涛 | 燕麦秸秆吸附材料及其制备方法 |
CN104028227A (zh) * | 2014-06-01 | 2014-09-10 | 何芳玲 | 一种玉米秸秆吸附材料及其制备方法 |
JP2014185204A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Doshisha | 熱可塑性樹脂成形品の製造方法 |
-
1996
- 1996-02-29 JP JP6742496A patent/JPH09235471A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999060070A1 (fr) * | 1998-05-19 | 1999-11-25 | Sony Chemicals Corp. | Adhesif et materiau de circuit mettant en application cet adhesif |
KR100875410B1 (ko) * | 1998-05-19 | 2008-12-23 | 소니 케미카루 앤드 인포메이션 디바이스 가부시키가이샤 | 접착제 및 그 접착제를 사용한 회로재 |
JP2014185204A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Doshisha | 熱可塑性樹脂成形品の製造方法 |
CN103951987A (zh) * | 2014-04-23 | 2014-07-30 | 苏州羽帆新材料科技有限公司 | 一种防水硬质沥青材料及其制备方法 |
CN104028224A (zh) * | 2014-06-01 | 2014-09-10 | 何芳玲 | 一种小麦秸秆吸附材料及其制备方法 |
CN104028231A (zh) * | 2014-06-01 | 2014-09-10 | 李�荣 | 一种新型油菜秸秆吸附材料及其制备方法 |
CN104028236A (zh) * | 2014-06-01 | 2014-09-10 | 吴涛 | 燕麦秸秆吸附材料及其制备方法 |
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