JPH09234396A - 回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置 - Google Patents

回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置

Info

Publication number
JPH09234396A
JPH09234396A JP8069037A JP6903796A JPH09234396A JP H09234396 A JPH09234396 A JP H09234396A JP 8069037 A JP8069037 A JP 8069037A JP 6903796 A JP6903796 A JP 6903796A JP H09234396 A JPH09234396 A JP H09234396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
bell cup
shaping air
electrostatic coating
minimum value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8069037A
Other languages
English (en)
Inventor
Kayo Kubota
加代 久保田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP8069037A priority Critical patent/JPH09234396A/ja
Publication of JPH09234396A publication Critical patent/JPH09234396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B5/00Electrostatic spraying apparatus; Spraying apparatus with means for charging the spray electrically; Apparatus for spraying liquids or other fluent materials by other electric means
    • B05B5/025Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns
    • B05B5/04Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns characterised by having rotary outlet or deflecting elements, i.e. spraying being also effected by centrifugal forces
    • B05B5/0403Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns characterised by having rotary outlet or deflecting elements, i.e. spraying being also effected by centrifugal forces characterised by the rotating member
    • B05B5/0407Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns characterised by having rotary outlet or deflecting elements, i.e. spraying being also effected by centrifugal forces characterised by the rotating member with a spraying edge, e.g. like a cup or a bell
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B5/00Electrostatic spraying apparatus; Spraying apparatus with means for charging the spray electrically; Apparatus for spraying liquids or other fluent materials by other electric means
    • B05B5/025Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns
    • B05B5/04Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns characterised by having rotary outlet or deflecting elements, i.e. spraying being also effected by centrifugal forces
    • B05B5/0426Means for supplying shaping gas

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】塗着効率を向上させる。 【解決手段】ベルカップ30の背面38からシェーピン
グエアーS1 を供給すると共に、前記ベルカップ30よ
り大径の円周上から第2の外包シェーピングエアーS2
を供給し、被塗物面WにおけるシェーピングエアーS1
と第2の外包シェーピングエアーS2 との合成エアー面
圧が2つの極大値P1 ,P2 と1つの極小値P3 とを有
するように、ベルカップ30の内周面32先端から放出
された霧化塗料Pt を被塗物面Wへ偏向させる回転霧化
静電塗装方法であり、2つの極大値の平均値と極小値と
の差x=(P1 −P2 )/2 −P3 を1.5mmAq
以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転霧化静電塗装
方法及び回転霧化静電塗装装置に関し、特にシェーピン
グエアーの外周から塗料飛散防止用シェーピングエアー
(以下、第2の外包シェーピングエアーともいう)を供
給する回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体又は自動車部品の塗装装置と
して、従来よりベルカップを用いた回転霧化静電塗装装
置が知られている。この種の回転霧化静電塗装装置で
は、−60kV程度の電圧が印加され、35,000r
pm程度で高速回転するベルカップの内周面に塗料を供
給すると、当該塗料は、遠心力によってベルカップの内
周面先端に至り、ここで微粒化及び帯電しながらベルカ
ップの半径方向外方に向かって飛び出すが、当該噴霧さ
れた帯電塗粒を被塗物方向へ集約させ効率良いリング状
塗装パターンを形成するために、ベルカップの背面から
シェーピングエアーが供給される。
【0003】ここで、塗装面の塗り肌や鮮映性等の面品
質は、塗粒の粒径が小さいほど、すなわち微粒化率が高
いほど向上し、この微粒化率はベルカップの回転数を高
めるほど向上することから、塗装面の面品質を向上させ
るためにはベルカップを高速で回転させることが好まし
いとされる。しかしながら、ベルカップを高速回転させ
ると、ベルカップ内周面の中心部が負圧となり、周囲の
空気を巻き込んだのち遠心力によってこの空気を再びカ
ップ内周面先端へ押し出すので、カップ内周面に供給さ
れた塗料は、この空気の流れによりベルカップの半径方
向外方へ飛び出す傾向が強くなる。この場合、ベルカッ
プ背面からのシェーピングエアーを強くして塗粒を前方
へ偏向させようとすると、被塗物面で跳ね返る塗粒が増
加するので、結局、飛散塗料が増加して塗着効率が低下
するという問題があった。
【0004】そこで、ベルカップよりも大径の円周上か
ら塗料飛散防止用エアーを別途吹き出し、ベルカップの
半径方向外方へ飛び出した塗粒を再び前方へ偏向させる
ようにした塗装装置が提案されている(例えば、特開昭
58−104,656号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シェー
ピングエアーとは別に第2の外包シェーピングエアーを
設けても、シェーピングエアーと第2の外包シェーピン
グエアーとの間に乱流が生じ、ベルカップの半径方向外
方へ飛び出した塗粒がガン側へ戻ってしまう現象が観察
された。このため、塗着効率も60%乃至65%まで向
上させるのが限界であった。
【0006】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、塗着効率に優れた回転霧化
静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の本発明の回転霧化静電塗装方法は、
ベルカップの背面からシェーピングエアーを供給すると
共に、前記ベルカップより大径の円周上から第2の外包
シェーピングエアーを供給し、被塗物面における前記シ
ェーピングエアーと前記第2の外包シェーピングエアー
との合成エアー面圧が2つの極大値と1つの極小値とを
有するように、前記ベルカップの内周面先端から放出さ
れた霧化塗料を前記被塗物面へ偏向させる回転霧化静電
塗装方法において、前記2つの極大値の平均値と前記極
小値との差が、1.5mmAq以上であることを特徴と
する。
【0008】第2の外包シェーピングエアーがなくシェ
ーピングエアーのみの回転霧化静電塗装方法では、シェ
ーピングエアーの被塗物面におけるエアー面圧は、ベル
カップ中心で極大値を有するパターンとなるが、この請
求項1記載の回転霧化静電塗装方法においては、シェー
ピングエアーと第2の外包シェーピングエアーとが合成
され、この合成エアーが被塗物面に与える面圧パターン
は、図1に示されるように、ベルカップの中心に相当す
る位置で極小値となり、この極小値の両サイドにそれぞ
れ極大値が現れることとなる。
【0009】そこで、本発明者は、この面圧パターンの
極小値と極大値に着目し、その面圧差と塗着効率の関係
を検証したところ、図2に示されるように、面圧差が大
きくなればなる程、塗着効率が向上するという結果が得
られた。特に、x値が1mmAqから1.5mmAqに
至る間に塗着効率は急昇して、1.5mmAq以上では
塗着効率が70%以上に向上することが確認された。こ
のx値は、2つの極大値P1 ,P2 の平均値と、極小値
3 との差であり、x値が大きいほど塗着効率が向上す
ることを示唆しているので、図1において、実線で示さ
れた面圧パターンより二点鎖線で示された面圧パターン
の方が塗着効率が良いことを示しており、極大値と極小
値との差が大きくなるということは、シェーピングエア
ーと第2の外包シェーピングエアーとの間に乱流が生じ
ることなく層流状態で合成されているものと考えられ
る。このため、極大値と極小値との差が大きくシャープ
に現れるエアー面圧パターンで塗装すると、ベルカップ
からの塗粒が層流に乗って被塗物面に案内され、これに
より飛散塗粒が著しく少なくなるので塗着効率が向上す
るものと推測される。
【0010】このように、請求項1記載の回転霧化静電
塗装方法では、被塗物面における合成エアー面圧の極大
値と極小値との差が大きいことが好ましいとされるが、
シェーピングエアーと第2の外包シェーピングエアーと
の流量バランスを制御すること、又はガン距離を制御す
ることで、この条件を満足させることができる。
【0011】すなわち、請求項2記載の本発明の回転霧
化静電塗装方法は、前記第2の外包シェーピングエアー
の流量を制御することにより、前記2つの極大値の平均
値と前記極小値との差を1.5mmAq以上とすること
を特徴とする。シェーピングエアーの流量又は流速を増
加させると、ベルカップから飛び出す塗粒が当該シェー
ピングエアーの影響を受けて微粒化が進み、これによ
り、塗装面品質が良好となる。したがって、塗装面品質
のみを考慮するのであればシェーピングエアーの流量又
は流速を増加させた方が好ましい。しかし、塗着効率の
向上を狙う場合、シェーピングエアーの流量又は流速を
大きくすると被塗物面で跳ね返る塗粒が増加する一方
で、シェーピングエアーの流量又は流速を小さくすると
ベルカップ半径方向外方へ飛散する塗料が増加する。し
たがって、当該シェーピングエアーの流量又は流速は、
ベルカップ回転数、印加電圧、ガン距離等の塗装条件に
より決定されるある適正範囲に設定する必要がある。こ
のため、請求項1記載の回転霧化静電塗装方法におい
て、シェーピングエアーと第2の外包シェーピングエア
ーとの両エアーの流量を制御することも可能であるが、
シェーピングエアーの流量は一定の制限を受けるので、
この請求項2記載の回転霧化静電塗装方法のように、シ
ェーピングエアーの流量は適正値に固定し、第2の外包
シェーピングエアーの流量を制御することにより、両エ
アーの流量バランスを制御することがより好ましい。こ
の場合、被塗物面における合成エアーの面圧パターンは
ガン距離によっても影響を受けるので、図3に示される
ようにガン距離と第2の外包シェーピングエアーとの関
係を予め検証しておき、このガン距離に応じても第2の
外包シェーピングエアーを制御することがより好まし
い。
【0012】また、請求項3記載の本発明の回転霧化静
電塗装方法は、前記ベルカップと前記被塗物との距離を
制御することにより、前記2つの極大値の平均値と前記
極小値との差を1.5mmAq以上とすることを特徴と
する。
【0013】上述したように、被塗物面における合成エ
アー面圧は、ガン距離に相関するので、第2の外包シェ
ーピングエアーを制御する以外にもガン距離を制御する
ことで、2つの極大値の平均値と極小値との差を1.5
mmAq以上とすることも可能である。ガン距離の制御
は、ガン、すなわちベルカップ側を可動としても、又は
被塗物側を可動としても、或いは両者を可動としても良
い。
【0014】上述した本発明の回転霧化静電塗装方法
は、以下の回転霧化静電塗装装置を使用することにより
実現できる。
【0015】すなわち、請求項4記載の本発明の回転霧
化静電塗装装置は、内周面に塗料が供給される回転可能
なベルカップと、前記ベルカップの背面の周囲に沿って
開口され当該背面から前方に向かってシェーピングエア
ーを供給する第1のエアー吹出口群と、前記第1のエア
ー吹出口群より大径の円周上に沿って開口され前方に向
かって第2の外包シェーピングエアーを吹き出す第2の
エアー吹出口群とを備え、被塗物面における前記第1及
び第2のエアー吹出口群からの合成エアー面圧が2つの
極大値と1つの極小値とを有するように、前記ベルカッ
プの内周面先端から放出された霧化塗料を前記被塗物面
へ偏向させる回転霧化静電塗装装置において、前記2つ
の極大値の平均値と前記極小値との差が、1.5mmA
q以上であることを特徴とする。この請求項4記載の回
転霧化静電塗装装置を用いると、塗着効率を70%以上
に向上させることができる。
【0016】また、請求項5記載の本発明の回転霧化静
電塗装装置は、前記第1のエアー吹出口群と前記第2の
エアー吹出口群との間に前記ベルカップの回転方向に沿
う環状空間が形成されていることを特徴とする。この請
求項5記載の回転霧化静電塗装装置では、第1のエアー
吹出口群と第2のエアー吹出口群との間にベルカップの
回転方向に沿う環状空間が形成されているので、シェー
ピングエアーと第2の外包シェーピングエアーとの間で
生じる乱流を環状空間で抑制することができる。したが
って、シェーピングエアーと第2の外包シェーピングエ
アーとの合成エアーがより好ましい層流状態となり、塗
着効率のより一層の向上が期待できる。
【0017】請求項6記載の本発明の回転霧化静電塗装
装置は、前記第2のエアー吹出口群からの第2の外包シ
ェーピングエアーの流量を制御することにより、前記2
つの極大値の平均値と前記極小値との差を1.5mmA
q以上とすることを特徴とする。一方、請求項7記載の
本発明の回転霧化静電塗装装置は、前記ベルカップと前
記被塗物との距離を制御することにより、前記2つの極
大値の平均値と前記極小値との差を1.5mmAq以上
とすることを特徴とする。請求項6及び請求項7記載の
回転霧化静電塗装装置では、第2の外包シェーピングエ
アー及び/又はガン距離を制御することで、合成エアー
面圧パターンの2つの極大値の平均値と極小値との差を
1.5mmAq以上とすることができるので、塗着効率
を70%以上に向上させることができる。
【0018】
【発明の効果】請求項1記載の回転霧化静電塗装方法及
び請求項4記載の本発明の回転霧化静電塗装装置によれ
ば、従来達成できなかった塗着効率70%以上を実現す
ることができ、塗料コストの低減及び飛散塗料の後処理
作業の低減が達成される。
【0019】また、請求項2記載の回転霧化静電塗装方
法及び請求項6記載の本発明の回転霧化静電塗装装置に
よれば、シェーピングエアーを固定して第2の外包シェ
ーピングエアーで制御するので、請求項1及び請求項4
記載の発明に係る効果に加え、制御回路が簡素となり、
設備費の低減及び保守作業の作業性の向上が期待でき
る。
【0020】一方、請求項3記載の回転霧化静電塗装方
法及び請求項7記載の本発明の回転霧化静電塗装装置に
よれば、ガン距離のみを制御することができるので、エ
アー回路の複雑な制御が不要となり、請求項1及び請求
項4記載の発明に係る効果に加え、請求項2記載の回転
霧化静電塗装方法とは異なる面での設備費の低減及び保
守作業の作業性の向上が期待できる。
【0021】また、請求項5記載の回転霧化静電塗装装
置によれば、シェーピングエアーと第2の外包シェーピ
ングエアーとの間で生じる乱流を環状空間で抑制するこ
とができるので、シェーピングエアーと第2の外包シェ
ーピングエアーとの合成エアーがより好ましい層流状態
となり、塗着効率のより一層の向上が期待できる。これ
により、塗料コストの低減及び飛散塗料の後処理作業の
低減がより一層達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の回転霧化静電塗装装
置の実施形態を示す概念図であり、図中右側に塗装装置
及び被塗物の機械的断面図を示し、図中左側に被塗物に
おけるエアー面圧のグラフを示す。また、図2は合成エ
アー面圧比xと塗着効率との関係を示すグラフ、図3は
ガン距離と第2の外包シェーピングエアー流速との関係
を示すグラフ、図4はシェーピングエアー流量と塗粒径
との関係を示すグラフ、図5は塗粒径と塗膜鮮映値との
関係を示すグラフ、図6は同実施形態の作用を説明する
断面図である。
【0023】図1に示すように、本実施形態の回転霧化
静電塗装装置100は、ハウジング10内に回転軸20
が図外のモータにより回転可能に支持されており、この
回転軸20の先端にベルカップ30がベルハブ部34に
おいてナット22により固定されている。ベルカップ3
0は、塗装時において、例えば35,000rpm程度
の高速で回転される。
【0024】また、ハウジング10とベルカップ30と
の間には環状プレート12が固定されており、環状プレ
ート12のベルカップ側近傍には環状のエアー通路14
が形成されている。このエアー通路14には、シェーピ
ングエアーの入口18が形成され、さらに、ベルカップ
30の背面38に対面する面には、当該ベルカップ30
の背面38の円周上に沿って複数の第1のエアー吹出口
16が開設されている。
【0025】したがって、入口18から導入された圧縮
エアーは、環状のエアー通路14を通って、複数の第1
のエアー吹出口16からなる第1のエアー吹出口群から
ベルカップ30の背面38に向かって、シェーピングエ
アーS1 として吐出することになる。
【0026】また、ベルカップ30の内周面32とベル
ハブ部34との隙間には、複数の塗料孔36が開設され
ており、環状プレート12に固定された塗料ノズル50
からベルハブ部34の裏面に供給された塗料は、これら
の塗料孔36を通ってベルカップ30の内周面32に導
かれることになる。なお、図示は省略したが、ベルカッ
プ30の内周面32の先端には、内周面32に沿って液
膜状に広がった塗料Pt を微粒化するための、微細な凹
凸が形成されている。また、印加電圧回路は回転軸20
に接続され、当該回転軸20を介してベルカップ30に
例えば−60kV程度の直流電圧が印加される。
【0027】ベルカップ30の外周には、これより大径
の円周上に複数の第2のエアー吹出口40が設けられ、
上述したシェーピングエアーS1 とは別の制御回路でエ
アー流量が制御されるようになっている。これら複数の
第2のエアー吹出口40により第2のエアー吹出口群が
構成されるが、これら第2のエアー吹出口40から吐出
された第2の外包シェーピングエアーS2 は、上述した
シェーピングエアーS1 を外側から包み込む、いわゆる
エアーカーテンを形成する。
【0028】また、これら複数の第2のエアー吹出口4
0と第2のエアー吹出口16との間には、環状の空間6
0が形成されており、第1のエアー吹出口16からのシ
ェーピングエアーS1 と第2のエアー吹出口40からの
第2の外包シェーピングエアーS2 とが干渉して乱流が
生じるのを防止する。すなわち、例えば従来例として挙
げた特開昭58−104,656号公報記載の回転霧化
静電塗装装置のように、第1のエアー吹出口16と第2
のエアー吹出口40とを大径のディスクで連結すると、
図6に点線矢印で示されるように、シェーピングエアー
1 と第2の外包シェーピングエアーS2 との間に乱流
(渦流)が生じて、エアーの一部がガン側へ逆流する現
象が起きる。この結果、この逆流エアーに乗った塗粒も
ガン側へ戻るので、結果的に塗着効率の向上を抑制する
こととなる。しかしながら、本実施形態のように、第2
のエアー吹出口40と第1のエアー吹出口16との間に
環状の空間60を形成すると、シェーピングエアーS1
と第2の外包シェーピングエアーS2 の吐出口付近に干
渉物が存在しないので、渦流が生じることなく、適正な
層流状態となって被塗物W側へ吹き出される。なお、環
状空間60の具体的構造は特に限定されず、渦流等の乱
流を防止できる凹部や空間であればよい。
【0029】次に作用を説明する。本実施形態では、ベ
ルカップ30を回転させて、塗料Pt を塗料ノズル50
からベルハブ部34の裏面へ供給すると、ベルカップ3
0の回転遠心力によって、塗料Pt は塗料孔36を通過
してベルカップ30の内周面32を液膜状に広がりなが
ら先端に至る。そして、このベルカップ30の内周面先
端に形成された微細な凹凸により微粒化しながら帯電し
た塗粒がベルカップ30の半径方向外方へ飛び出す。こ
のとき、第1のエアー吹出口16から吹き出されたシェ
ーピングエアーS1 は、ベルカップ30の背面38にそ
って先端に至り、前述した塗粒を被塗物W側へ偏向させ
る。
【0030】このようにベルカップ30の回転遠心力と
シェーピングエアーS1 の流速とのバランスにより、塗
粒の塗装パターンが決定されるが、本実施形態ではシェ
ーピングエアーS1 を包むように第2の外包シェーピン
グエアーS2 を第2のエアー吹出口40から吐出する。
すると、これら2つのシェーピングエアーS1 ,S2
合成され、図1に示されるように、この合成エアー
1 ,S2 の被塗物面Wに作用する面圧パターンは、ベ
ルカップ30の中心に相当する位置で極小値P3 とな
り、この極小値P3 の両サイドにそれぞれ極大値P1
2 が現れることとなる。
【0031】ここで、本実施形態では、この面圧パター
ンの極大値P1 ,P2 と極小値P3に着目し、2つの極
大値をP1 ,P2 、極小値をP3 としたときに、
【数1】 x=(P1 −P2 )/2 −P3 …(1) で定義される合成エアー面圧差xが1.5mmAq以上
となる条件で塗装を行う。つまり、合成エアー面圧差x
と塗着効率の関係を検証してみると、図2に示されるよ
うに、面圧差xが大きくなればなる程、塗着効率が向上
するという結果が得られた。特に、x値が1mmAqか
ら1.5mmAqに至る間に塗着効率は急昇して、この
1.5mmAqで一種の臨界点を示し、1.5mmAq
以上では塗着効率が70%以上に向上することが確認さ
れた。
【0032】上記(1)式で定義されるx値は、2つの
極大値P1 ,P2 の平均値と、極小値P3 との差であ
り、図2に示す結果は、x値が大きいほど塗着効率が向
上することを示唆しているので、結局、図1において、
実線で示された面圧パターンより二点鎖線で示された面
圧パターンの方が塗着効率が良いということである。こ
こで、極大値P1 ,P2 と極小値P3 との差xが大きく
なるということは、シェーピングエアーS1 と第2の外
包シェーピングエアーS2 との間に乱流や渦流が生じる
ことなく、層流状態で合成されているものと考えられ
る。このような理由から、極大値P1 ,P2 と極小値P
3 との差xが大きく、しかもシャープに現れるエアー面
圧パターンで塗装すると、ベルカップ30からの塗粒が
この層流に乗って被塗物面Wに案内され、これにより飛
散塗粒が著しく少なくなるので塗着効率が向上するもの
と推測される。
【0033】このように、被塗物面Wにおける合成エア
ー面圧の極大値P1 ,P2 と極小値P3 との差xが1.
5mmAqであることが好ましいとされるが、これを実
現する手段として、シェーピングエアーS1 と第2の外
包シェーピングエアーS2 との流量バランスを制御する
こと、又はガン距離Lを制御することが考えられる。
【0034】まず、シェーピングエアーS1 と第2の外
包シェーピングエアーS2 との流量バランスを制御する
ことにより、合成エアー面圧差xを1.5mmAqとす
る場合について検討する。
【0035】まず、シェーピングエアーS1 の流量又は
流速を増加させると、ベルカップ30の内周面先端から
飛び出す塗粒が当該シェーピングエアーS1 の影響を受
け、微粒化が進む。これにより、図5に示すように塗装
面品質の一指標である塗膜鮮映値が良好となる。したが
って、シェーピングエアーS1 と塗装面品質との関係か
ら言えばシェーピングエアーS1 の流量又は流速を増加
させた方が、塗装面品質が向上することになる。しかし
ながら、塗着効率からみると、シェーピングエアーS1
の流量又は流速を大きくすると、被塗物面Wで跳ね返る
塗粒が増加する一方で、シェーピングエアーS1 の流量
又は流速を小さくするとベルカップ半径方向外方へ飛散
する塗料が増加する。したがって、これらを総合する
と、当該シェーピングエアーS1 の流量又は流速は、ベ
ルカップ回転数、印加電圧、ガン距離等の塗装条件によ
り決定されるある適正範囲に設定することが望ましい。
【0036】このため、シェーピングエアーS1 と第2
の外包シェーピングエアーS2 との両エアーS1 ,S2
の流量を制御することも可能であるが、シェーピングエ
アーS1 の流量は一定の制限を受けるので、本実施形態
では、当該シェーピングエアーS1 の流量は適正値に固
定し、第2の外包シェーピングエアーS2 の流量又は流
速を制御することとしている。
【0037】この場合、被塗物面Wにおける合成エアー
の面圧パターンは、ガン距離Lによっても影響を受ける
ので、図3に示されるようにガン距離Lと第2の外包シ
ェーピングエアーS2 との関係を予め求めておき、この
ガン距離Lの変動に応じても第2の外包シェーピングエ
アーS2 の流量又は流速を制御することがより好まし
い。
【0038】このように、本実施形態によれば、環状空
間60の存在によってシェーピングエアーS1 と第2の
外包シェーピングエアーS2 との間で生じる乱流、渦流
を抑制することができ、これらの合成エアーが最も好ま
しい層流状態となる。その結果、従来達成できなかった
塗着効率70%以上を実現することができ、塗料コスト
の低減及び飛散塗料の後処理作業の低減が達成される。
また、シェーピングエアーを固定して第2の外包シェー
ピングエアーで制御するので、制御回路が簡素となり、
設備費の低減及び保守作業の作業性の向上が期待でき
る。
【0039】なお、以上説明した実施形態は、本発明の
理解を容易にするために記載されたものであって、本発
明を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技
術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨
である。
【0040】例えば、ベルカップ30と被塗物Wとのガ
ン距離Lを制御することにより、2つの極大値P1 ,P
2 の平均値と前記極小値P3 との差xを1.5mmAq
以上とすることも可能である。ガン距離Lの制御は、ガ
ン、すなわちベルカップ30側を可動としても、又は被
塗物W側を可動としても、或いは両者30,Wを可動と
しても良い。この場合は、ガン距離Lのみを制御するの
で、エアー回路の複雑な制御が不要となり、上記実施形
態とは異なる面での設備費の低減及び保守作業の作業性
の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転霧化静電塗装装置の実施形態を示
す概念図である。
【図2】合成エアー面圧比xと塗着効率との関係を示す
グラフである。
【図3】ガン距離と第2の外包シェーピングエアー流速
との関係を示すグラフである。
【図4】シェーピングエアー流量と塗粒径との関係を示
すグラフである。
【図5】塗粒径と塗膜鮮映値との関係を示すグラフであ
る。
【図6】本発明の回転霧化静電塗装装置の作用を説明す
る断面図である。
【符号の説明】
100…回転霧化静電塗装装置 10…ハウジング 12…環状プレート 14…エアー通路 16…第1のエアー吹出口 18…エアー入口 20…回転軸 30…ベルカップ 32…内周面 36…塗料孔 38…背面 40…第2のエアー吹出口 50…塗料ノズル 60…環状空間 S1 …シェーピングエアー S2 …第2の外包シェーピングエアー Pt …塗料 W…被塗物 P1 ,P2 …極大値 P3 …極小値 L…ガン距離

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベルカップの背面からシェーピングエアー
    を供給すると共に、前記ベルカップより大径の円周上か
    ら第2の外包シェーピングエアーを供給し、被塗物面に
    おける前記シェーピングエアーと前記第2の外包シェー
    ピングエアーとの合成エアー面圧が2つの極大値と1つ
    の極小値とを有するように、前記ベルカップの内周面先
    端から放出された霧化塗料を前記被塗物面へ偏向させる
    回転霧化静電塗装方法において、 前記2つの極大値の平均値と前記極小値との差が、1.
    5mmAq以上であることを特徴とする回転霧化静電塗
    装方法。
  2. 【請求項2】前記第2の外包シェーピングエアーの流量
    を制御することにより、前記2つの極大値の平均値と前
    記極小値との差を1.5mmAq以上とすることを特徴
    とする請求項1記載の回転霧化静電塗装方法。
  3. 【請求項3】前記ベルカップと前記被塗物との距離を制
    御することにより、前記2つの極大値の平均値と前記極
    小値との差を1.5mmAq以上とすることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の回転霧化静電塗装方法。
  4. 【請求項4】内周面に塗料が供給される回転可能なベル
    カップと、前記ベルカップの背面の周囲に沿って開口さ
    れ当該背面から前方に向かってシェーピングエアーを供
    給する第1のエアー吹出口群と、前記第1のエアー吹出
    口群より大径の円周上に沿って開口され前方に向かって
    第2の外包シェーピングエアーを吹き出す第2のエアー
    吹出口群とを備え、被塗物面における前記第1及び第2
    のエアー吹出口群からの合成エアー面圧が2つの極大値
    と1つの極小値とを有するように、前記ベルカップの内
    周面先端から放出された霧化塗料を前記被塗物面へ偏向
    させる回転霧化静電塗装装置において、 前記2つの極大値の平均値と前記極小値との差が、1.
    5mmAq以上であることを特徴とする回転霧化静電塗
    装装置。
  5. 【請求項5】前記第1のエアー吹出口群と前記第2のエ
    アー吹出口群との間に前記ベルカップの回転方向に沿う
    環状空間が形成されていることを特徴とする請求項4記
    載の回転霧化静電塗装装置。
  6. 【請求項6】前記第2のエアー吹出口群からの第2の外
    包シェーピングエアーの流量を制御することにより、前
    記2つの極大値の平均値と前記極小値との差を1.5m
    mAq以上とすることを特徴とする請求項4又は5記載
    の回転霧化静電塗装装置。
  7. 【請求項7】前記ベルカップと前記被塗物との距離を制
    御することにより、前記2つの極大値の平均値と前記極
    小値との差を1.5mmAq以上とすることを特徴とす
    る請求項4乃至6の何れかに記載の回転霧化静電塗装装
    置。
JP8069037A 1996-02-29 1996-02-29 回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置 Pending JPH09234396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8069037A JPH09234396A (ja) 1996-02-29 1996-02-29 回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8069037A JPH09234396A (ja) 1996-02-29 1996-02-29 回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09234396A true JPH09234396A (ja) 1997-09-09

Family

ID=13390993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8069037A Pending JPH09234396A (ja) 1996-02-29 1996-02-29 回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09234396A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007142234A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Tokyo Electron Ltd 塗布膜の成膜方法及びその装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007142234A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Tokyo Electron Ltd 塗布膜の成膜方法及びその装置
JP4493034B2 (ja) * 2005-11-21 2010-06-30 東京エレクトロン株式会社 塗布膜の成膜方法及びその装置
US7926444B2 (en) 2005-11-21 2011-04-19 Tokyo Electron Limited Method for forming thin film and film-forming device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1236346A (en) Method and apparatus for spraying coating material
CN102015115B (zh) 旋转喷雾器和喷涂图案控制方法
US8720797B2 (en) Rotary atomizing head, rotary atomization coating apparatus, and rotary atomization coating method
US9295999B2 (en) Rotary atomizing painting device
TW200900157A (en) Rotary electrostatic atomizer
US20150140235A1 (en) Method for operating a rotary atomizer, spray head, and rotary atomizer with such a spray head
JPH03151071A (ja) 回転噴霧部材を有する塗膜生成物噴霧装置
JPH0899052A (ja) 回転霧化頭型塗装装置
JP2600390B2 (ja) 回転霧化塗装装置
JPH11221498A (ja) 統合した形成用空気を用いる回転式噴霧装置
EP0801992B1 (en) Rotary atomizing electrostatic coating apparatus
JP3755398B2 (ja) 回転霧化静電塗装装置
JPH09234396A (ja) 回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置
JP3870794B2 (ja) 回転霧化塗装装置
JPH09234395A (ja) 回転霧化静電塗装方法及び回転霧化静電塗装装置
JP6973356B2 (ja) ベル型塗装装置
JPH0871455A (ja) 回転霧化静電塗装装置
JP7188845B2 (ja) ベル型塗装装置
JPS58104656A (ja) 回転霧化静電塗装装置
JP4194911B2 (ja) 塗布方法及び塗布装置
JPH10296136A (ja) 回転霧化静電塗装装置および回転霧化静電塗装方法
JP3767361B2 (ja) 回転霧化静電塗装装置
JP2011230013A (ja) 回転霧化塗装機
JPH0899053A (ja) 回転霧化頭型塗装装置
JPS6036359Y2 (ja) 回転霧化静電塗装装置