JPH09234225A - 介護用汚物処理機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被介護者の糞便から生じる、異臭等の不快感
から解放され、おしめの交換時、介護者の負担を軽減す
ると共に、被介護者の人肌を清潔に、かつ肌に付着した
糞便等をスムーズに除去するための汚物処理機を提供す
る。 【解決手段】 吸込み口２の先端縁部の筒状壁２７に、
複数ヶの切込み凹形部７を形成し、該切込凹形部の上縁
に複数ヶの噴出口６を設け、前記切込み凹形部の周縁か
ら、貯水ケース１５からヒーター１８を経て送られた温
湯等が噴出して人肌に付着した汚物を除去して人肌を洗
浄し、該汚物は吸引ホース１０を介して汚物ケース１１
に自動的に送られ貯溜される。この際噴出水は、噴出洗
浄と同時に吸引１０に吸引されるので、外部への漏水の
恐れはない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、被介護者のおしめ
交換介護に使用する介護用汚物処理機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、病気、老齢化等で、自分自身では
寝床から歩いて移動する事が出来ない老人や病人の被介
護者に、おしめを使用する事が多く、そのおしめの交換
の際、介護者が肌に付着した糞便を、布、紙等で拭き取
るようにしていた。

【０００３】実開平６−３８９８７号公報によると、被
介護者のお尻の下に携帯の便座を入れてシャワーで洗浄
を行い、その汚物と汚水を該便座を介して吸引タンク内
に吸込んで貯蔵する装置が提案されている。しかしなが
ら便座を被介護者のお尻の下に入れたり、シャワー器具
の使用で肌の洗浄等、介護者、被介護者ともに労苦、不
快感の大きいものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、おしめ
の交換介護をする事は、介護者にとって、又糞便の処理
は、特に不快臭や、人肌に付着した状態は不潔感を与
え、介護者の負担が気分的にも一層重いものとなる。ま
た、拭き取るとしても、被介護者の肌に、アンモニア等
臭気分が少しは残り、ただれたりする原因となり、介護
者にとって大変な労苦であり、被介護者も快適なもので
はない。

【０００５】そこで本発明は、被介護者の肌に付着した
糞便を、携帯自在な処理機によって、温湯等で洗浄しな
がら同時に吸込む事が出来る介護用汚物処理機の提供を
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する為
に、本発明の介護用汚物処理機は、吸込み口の先端縁部
の筒状壁に、複数ヶの切込み凹形部を形成し、その切込
み凹形部の上縁に噴出口を設け、該切込み凹形部の周辺
に温湯等が噴出する様に構成したものである。

【０００７】また、前記切込み凹形部を介して、温湯等
と人肌に付着した糞便が、本処理機の吸引力により、外
部に水や汚物を漏らすことなく同時に吸い込まれ、その
際、人肌に吸込み口が吸付かない様に切込み凹形部を形
成したものである。

【０００８】尚、前記吸込み口と人肌との接触面を人肌
に優しい丸味を帯びた形状に形成し、人肌との接触を柔
軟にしたものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき、本発明を説明する。

【００１０】図１乃至図３は、本発明に係る一実施例を
示す側面の説明図で被介護者の人肌３に付着した糞便９
を除去する介護用汚物処理機の一実施例を示す側面の説
明図で、以下説明するそれぞれの使用状態を示し、図７
は吸込み口２の他の実施例を示す拡大説明図である。

【００１１】図１に於いて、吸込み用の送風機８の作動
により、弁２５が閉じ、吸込み口２から排風口２０に向
かって気流が発生し、よって吸込み口２からの気流に乗
って、人肌に付着した糞便９が、温湯等と共に人肌から
剥がされ、汚物ケース１１に吸込まれるよう構成されて
いる。

【００１２】また、吸込み作動の際に図５、図６に示す
接触部４が、人肌３に吸付かない様、吸込み口２に複数
ヶの舌片５と切込み凹形部７を形成し、また該舌片５は
人肌３との接触面が肌に優しい丸味を帯びさせ、なお、
吸込汚物の通過を容易にする為の空隙を残した状態に先
端部を形成している。

【００１３】吸込み口２の切込み凹形部７の上部に、吸
込口の内側へ向かって形成した噴出口６から、温湯等が
人肌３に向かって噴出し、人肌面に付着している糞便等
の汚物を除去しながら、もっぱら人肌を清潔にして、介
護作業がスムーズに果たせるよう構成されている。

【００１４】上述の作業は、洗浄の為に噴射した温水
と、肌３に付着した糞便９は、吸込み口２から気体と同
時に吸込まれ、重量のある糞便９等は、貯蔵用の汚物ケ
ース１１に分離貯蔵され、気体は排気口２０より外部に
排出される。

【００１５】屈伸屈曲自在な吸引ケース１０の先端に取
り付けた着脱自在な吸込み口２を、汚物除去が終了の際
も、該吸込み口を吸込口収納室２１へ納める迄、吸込み
の動作をつづけ、収納室内の水を吸い上げながら、自動
的に吸込口先端部の洗浄が行われる様構成されている。

【００１６】一方、汚物ケース１１の外側下部に取り付
けた排出ホース１２の先端部１３は、汚物ケース１１の
天頂に位置する排風口２０添いに形成した排出ホース収
納部１４に収納する。また、汚物ケース１１より汚物を
投棄する際には、貯水ケース１５の天頂に設けた給水口
２２へ水道等から給水しながら、同時に吸込み口２を吸
込口収納室２１に納めたまま、排出ホース１２を横に倒
すと、汚水は排出ホース先端部１３より放出され、その
水流により本体１の内部全体を洗浄することができる。

【００１７】前記給水口２２より、給水される水３０
は、貯水ケース１５の内部で水位を上げ、内部オーバー
フロー弁３１（図３参照）より、汚物ケース１１へ流れ
込み、該水流により、吸込口収納室２１とともに本発明
の介護用汚物処理機の内部全体の洗浄が自動的に行われ
る。

【００１８】また、人肌３の清浄に使用される水は、貯
水ケース１５内に貯蔵され、該貯水ケースの底部近くへ
パイプを介して吊設した水中ポンプ１６の作動で、パイ
プ上部のヒーターに接続し、かつ吸引ホース１０に内蔵
されたホース１７を介して―温湯の場合はヒーター１８
で温水化される―吸込み口２の凹部面に穿設した噴出口
６（図５参照）より温湯等が噴出されるよう構成されて
いる。

【００１９】吸込口収納室２１の底部から、連通する貯
水ケース１５との間に配設した水流弁１９は、吸込み口
２の周縁を清掃するための水を供給するが、吸込口収納
室２１内の汚水は貯水ケース内に逆流しないよう形成さ
れている。

【００２０】吸込み口の先端部の清浄のみの場合は、
吸込み口収納室２１内の水のみを吸い上げ、その際に生
じる水流により、吸込み口周縁が清掃される。なお、
糞便９の除去及び人肌３の洗浄と本体内の汚物投棄と
清掃の三つの目的を達するよう構成されたものである。

【００２１】洗浄及び清掃作業は、全て本実施例の汚物
ケース１１から吸込口２に至る吸引ホース１０の中間部
に取り付けた手元スイッチ２３で行うよう構成されてい
る。

【００２２】使用後の吸込み口２の先端周縁の汚物での
汚れを、他への接触による付着防止の為に、目隠しも兼
ねた昇降自在で吸込口２の先端部を蔽うことができるカ
バー２８の作用で、清潔な介護作業が出来るよう形成
し、かつ該筒状のカバーの中間位置に、カバースライド
ストッパー３３を適宜取り付けてある。

【００２３】また、前記吸込み口２の先端部を、交換部
品に形成し、脱着自在な部品とするのが好ましい。

【００２４】吸込口２の他の実施例を図７に基づいて説
明する。２本の金属線或いは合成樹脂製の細棒又は細管
を吸込口の先端に於いて、互いに中央で交叉するよう半
円形に湾曲させた湾曲杆２９を形成し、人肌と吸込口先
端の間隙を一定に保持し、汚物の吸入をスムーズに行え
るよう形成することによって前記実施例の吸込口２と同
一の効果を得ることが出来る。

【００２５】本発明の介護用汚物処理機は、吸込み口２
の口径が３０ミリ乃至５０ミリ程度が好適で、全体の大
きさは、汚物が満杯でも介護者の携行負担の少ない程度
の重量と、その容積は家庭用電気掃除機よりやや大きい
程度に設定可能であり、汚物の投棄及び清掃は、１日１
回程度のいずれも扱い易い設計である。

【００２６】

【発明の効果】本発明の介護用汚物処理機は、既述のと
おり被介護者の肌に付着した糞便を簡単かつ迅速に除去
すると共に、外部に水等を漏らすことなく人肌に柔軟に
接触して、快適に洗浄することができる。

【００２７】また、介護者においても、簡単かつ迅速に
汚物に直接手を触れる事なく、完全に肌に付着した糞便
の除去処理が出来る。

【００２８】なお、前記の貯水ケース１５内に、消臭
剤、消毒剤その他適宜の薬剤を投入する事によって、お
しめ交換の際の異臭を断ち切る事が出来るほか、衛生上
すべて満足できる効果が達成され、また製作費も比較的
安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の介護用汚物処理機の一実施例を示す側
面の説明図で、使用時を示す。

【図２】図１に同じく、説明図で、自動清掃時を示す。

【図３】図１に同じく、ホース先端部を格納した状態を
示す説明図である。

【図４】本発明の介護用汚物処理機の平面図である。

【図５】吸込み口の拡大斜視図である。

【図６】吸込み口における作動状態を示す拡大説明図で
ある。

【図７】吸込み口の他の実施例を示す拡大説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 吸込み口 ３ 人肌 ４ 接触部 ５ 舌片 ６ 噴出口 ７ 切り込み凹形部 ８ 送風機 ９ 糞便 １０ 吸引ホース １１ 汚物ケース １２ 排出ホース １３ 排出ホース先端部 １４ 排出ホース収納部 １５ 貯水ケース １６ 水中ポンプ １７ ホース １８ ヒーター １９ 水流弁 ２０ 排風筒 ２１ 吸込口収納室 ２２ 給水口 ２３ 手元スイッチ ２３Ａ 電線 ２３Ｂ プラグ ２４ 汚物 ２５ 空気弁 ２６ 気流 ２７ 筒状壁 ２８ カバー ２９ 湾曲杆 ３０ 水 ３１ 内部オーバーフロー口弁 ３２ カバー上下スライドガイド ３３ カバースライドストッパー ３４ 受水継ぎ手 ３５ 汚物弁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596040909 伊志嶺 みつ江 大阪府泉南郡岬町淡輪2577−８ (72)発明者 鈴木 信男 大阪府泉南郡岬町深日1971−２

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部オーバーフロー口弁３１を介して貯
   水ケース１５と汚物ケース１１とを互いに隣接して本体
   １を一体的に形成し、前記貯水ケース１５の外側には隔
   壁底部に設けた水流弁１９を介して連通し、かつ人肌３
   から糞便を吸込む役割を果たす吸込口２を含む吸引ホー
   ス１０の先端を洗浄し格納するための吸込口収納室２１
   を添設してあり、更に前記汚物ケース１１には天頂中央
   寄りに送風機８を吊設した円筒形の排風筒２０を立設
   し、かつ複数の切り込み凹形部７を先端に形成した筒状
   壁２７を着脱自在に嵌着するとともに、前記各切り込み
   凹形部７に噴出口６を穿設し、更に前記貯水ケース１５
   の底部近くまで吊設した水中ポンプ１６より、該貯水ケ
   ースの室外上部のヒーター１８を経て前記噴出口６に達
   するホース１７を内蔵した屈曲自在な吸引ホース１０を
   天頂適宜の位置に固設してなる前記汚物ケース１１に於
   いて、該汚物ケース１１の外側下部に汚物弁３５を介し
   て屈曲自在な汚物排出用の排出ホース１２を固設し、該
   排出ホースの先端は、前記排風筒２０の外側縁に添設す
   るとともに、底部に空気弁２５を介して汚物ケースに連
   通してなる排出ホース収納部１４に収納し保持するよう
   形成したことを特徴とする介護用汚物処理機。
2. 【請求項２】 吸込み口２を形成する筒状壁２７を形成
   する舌片５の先端縁の接触部４は、人肌３に優しく接触
   するよう丸味を帯びた凸形に形成し、人肌３と前記接触
   部４との間に、一定間隔の隙間を保持させたことを特徴
   とする請求項１記載の介護用汚物処理機。
3. 【請求項３】 吸込み口２を形成する筒状壁２７の先端
   縁に、互いに直交する半円形の２本の湾曲杆２９を垂設
   するとともに、複数ヶの温湯等の噴出口６を適宜間隔に
   配設したことを特徴とする請求項１記載の介護用汚物処
   理機。