JPH09232526A - 光情報処理素子 - Google Patents

光情報処理素子

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JPH09232526A
JPH09232526A JP8039613A JP3961396A JPH09232526A JP H09232526 A JPH09232526 A JP H09232526A JP 8039613 A JP8039613 A JP 8039613A JP 3961396 A JP3961396 A JP 3961396A JP H09232526 A JPH09232526 A JP H09232526A
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JP
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light
compound
memory
information processing
optical information
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JP8039613A
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Akiteru Fujii
章照 藤井
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも一方が光透過性を有する2層の電
極間に、光電変換層と、所定波長の光照射により変化し
た導電性を光遮断後も持続させる機能を有するメモリー
層とを有する光情報処理素子において、メモリー効果を
より一層高める。 【解決手段】 メモリー層のメモリー性付与機能化合物
として、有機酸系化合物を用いる。 【効果】 光照射により受光感度がアナログ的に大きく
変化する機能を有し、この状態が長時間安定に記憶、保
持され、加熱による可逆的な記憶の消去が可能な光情報
処理素子が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光信号に対する応
答感度を一定波長領域の光により制御することが可能
で、変化した応答感度を素子の内部に長期間記憶させて
おくことができる、メモリー機能付光検出器、パターン
認識等の視覚情報処理システム、ニューロコンピュータ
ー等に適した新規な光情報処理素子に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エレクトロニクス機器やその周辺
装置に使用される素子には、信頼性と耐久性、即ち、同
一条件下で常に安定した特性を保ち、それが長期間、あ
る仕様に定められた動作をし続けることが要求されてき
た。これは、例えば旧来のフォン・ノイマン型コンピュ
ーターの開発においては必要不可欠な特性であり、いか
に素子がある所定の仕様の範囲内で安定に、長期間動作
し続けられるかが、装置全体の信頼性を決定する要因の
一つとなっていた。
【0003】一方、生体、特に動物の脳、神経系におい
ては、素子に相当するニューロンは、逐次その接合部で
あるシナプスと呼ばれる部分の信号伝達効率を変化させ
たり、或いはある一つのニューロンが壊れても他のニュ
ーロン系がそれを代用する、といった機能的にも構造的
にも従来の素子/機器設計の概念にはない、柔軟な特性
を有している。このような柔軟な特性が、現行のノイマ
ン型コンピューターの不得手なパターン認識等の画像処
理や連想記憶等の高度な情報処理能力と密接に関係して
いると言われており、近年、その工学的解明と応用に関
心が高まっている。
【0004】例えば、脳や神経系を光学的にモデル化し
たニューラルネットワークによる情報処理によって、従
来のシステムでは困難であった連想記憶、学習等の、本
来、脳や神経系特有のものと考えられてきた情報処理が
可能になると考えられるようになってきた。そのような
試みは大部分はソフトウエア上で行われているか、或い
は、入/出力部に補助的にハードウエアを使用するもの
であるが、近年、ニューラルネットワークそのものをハ
ードウエアとして実現しようとする試みも多数なされる
ようになってきた。
【0005】ニューラルネットワークの構成単位である
ニューロ素子の開発においては、入力情報に応じて、そ
の1つ1つの入力情報に対して重みづけする、生体の神
経細胞のシナプスに相当する部分が必要となる。更に、
この重みづけの度合いがアナログ的に変更可能で、変更
後は長時間記憶、保持される特性を有することがより望
ましい。ニューロ素子の開発においては上記の生体のシ
ナプス相当部をいかに実現するかが鍵になっており、そ
の一例としては特開平4−5636号公報に見られるよ
うに、空間光変調器によって光の透過率を制御する方法
がある。この方法によれば、光の透過率の大小で重み係
数を変化させることで入力情報の重みづけを行うことが
できる。しかし、この方法では、光の透過率の制御に当
たっては外部からの制御が必要となる、制御した透過率
の値は外部演算装置等によらねば記憶することはできな
い、また、空間光変調器で実現できる学習前後でのコン
トラストには限界がある、といった不具合がある。
【0006】また、特開平4−90015号公報に見ら
れるように、フォトダイオードからなる受光素子に対し
て外部から制御電圧を加えて受光感度、即ち、光信号に
対する電気応答の度合いを変調することによって入力情
報の重みづけを実現する試みも行われているが、この素
子においても記憶機能を有していないため外部演算装置
の併用が不可欠であるという問題がある。
【0007】更に、上記素子に記憶機能を付与したもの
として、「電子技術誌」(1992年1月号)25頁〜
27頁に示された記憶機能内蔵型の素子がある。この素
子においては、金属−ガリウム砒素接合により形成され
た接合部に、制御光を照射することによって形成される
空間電荷の影響によって、信号光に対する検出感度が増
大、保持されると考えられており、この検出感度の変化
を利用して入力情報の重みづけを行っている。しかし、
この素子では、検出感度の増加は高々数倍程度であり、
増大した検出感度は約20分程度でなくなるため、記憶
機能として十分であるとは言いがたい。
【0008】なお、以上のものは、その構成材料につい
ては、ニューロ素子としてSi、GaAs等の無機半導
体材料を用いた、既存の無機半導体素子の延長上のもの
が殆どであった。事実、一般にエレクトロニクス用に使
用されている素子には、一部の補助的な部品等を除いて
は、無機材料の有する機能を利用したものが殆どであっ
た。
【0009】これに対して、近年、有機材料の有する機
能をエレクトロニクス分野に応用する研究が活発に行わ
れている。実用化した例としては、液晶ディスプレイ、
光プリンタ用感光体、コンデンサー等が挙げられる。そ
して、従来、有機材料の欠点とされていた耐久性が、材
料や使用条件の最適化により、無機材料と比べ遜色な
く、場合によっては無機材料よりも優れていることが明
らかにされ、エレクトロニクスの基本部品である素子に
有機材料を用いる研究も更に盛んに行われるようになっ
てきた。無機材料からなる素子の作製にかかるコストや
煩雑さと比較して、有機材料であれば、より容易にかつ
安価に素子の作製が可能な点が大きな利点である。
【0010】このような情況において、本出願人は、特
開平6−130440号公報に記載される通りの、少な
くとも一方の電極が光透過性を有する電極の間に光電変
換層と、一定の波長の光照射により変化した導電性を光
遮断後も持続させる機能を有するメモリー層とを有する
光情報処理素子を提案した。この光情報処理素子によれ
ば、有機材料を用いて、従来作製が困難であった記憶機
能を有する光情報処理素子を作製することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、特開平6
−130440号公報によれば、有機材料を用いた記憶
機能を有する光情報処理素子が提供されるが、より高度
な情報処理を行うためには、学習前後の素子の応答性の
比(コントラスト)をより一層高める必要があり、その
ための素子の改良が必要とされる。
【0012】本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たものであって、有機材料によりメモリー効果の高い光
情報処理素子を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の光情報処理素子
は、少なくとも一方が光透過性を有する2層の電極間
に、光電変換層と、所定波長の光照射により変化した導
電性を光遮断後も持続させる機能を有するメモリー層と
を有する光情報処理素子において、該メモリー層が、有
機酸系化合物を含有することを特徴とする。
【0014】即ち、本発明の光情報処理素子は、光情報
処理素子のメモリー性付与機能化合物として、有機酸系
化合物を用いたものであり、有機酸系化合物によれば、
良好なメモリー効果を得ることができる。
【0015】なお、本発明において、有機酸系化合物と
しては、カルボン酸系化合物又はスルホン酸系化合物が
好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光情報処理素子を
詳細に説明する。
【0017】まず、電極について説明する。
【0018】電極は、一般に、支持体上に導電性薄膜層
として形成される。支持体としては、石英やガラスの
板、金属板又は金属箔、プラスチックのフィルム又はシ
ート等が用いられるが、ガラス板、透明なプラスチック
(例えば、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカ
ーボネート等)板などが好ましい。なお、金属板などの
導電性のものであれば、電極と支持体とを兼ねることが
できる。
【0019】電極を形成する導電性材料としては、通
常、アルミニウム、金、銀、白金、カドミウム、ニッケ
ル、インジウム、パラジウム、テルル等の金属、インジ
ウム及び/又はスズ等の金属の酸化物、ヨウ化銅、カー
ボンブラック、ポリ(3−メチルチオフェン)やポリピ
ロール等の導電性樹脂が用いられる。
【0020】導電性薄膜層は、電極形成材料が金属又は
金属酸化物の場合には、通常、スパッタリング法、真空
蒸着法などにより形成されるが、電極形成材料の種類に
よっては他の方法により形成される。例えば、銀などの
金属微粒子、ヨウ化銅、カーボンブラック、導電性の金
属酸化物微粒子、導電性樹脂粉末などの場合には、適当
なバインダー樹脂溶液に電極形成材料を分散させた後、
支持体上に塗布する方法により形成される。また、導電
性樹脂の場合は、電界重合により、直接支持体上に形成
することもできる。導電性薄膜層は、異なる物質の積層
構造とすることも可能である。
【0021】導電性薄膜層の厚さは、特に制約されない
が、均一な導電性の発現のためには少なくとも50Å以
上とするのが好ましい。一方、光透過性が必要な場合
は、光透過性を損なう膜厚以上にならないようにする必
要がある。膜厚が厚くなる塗布法による場合でも、導電
性薄膜層の膜厚は通常100μm以下とする。
【0022】本発明においては、電極の少なくとも一方
が光透過性であることが必要である。この光透過性は、
必ずしも全波長領域にわたる必要はないが、少なくとも
メモリー層及び光電変換層が吸収する光の波長領域での
光透過性が要求される。光の透過率は、高いほど照射光
の効率上好ましく、透過率は少なくとも10%以上、実
用上は30%以上、好ましくは60%以上であることが
望ましい。
【0023】次に、電極間に形成される光電変換層及び
メモリー層について説明する。
【0024】光電変換層は、光を吸収して正負の電荷分
離により電荷キャリアーを発生させる光導電性材料から
なり、必要により、バインダー樹脂、長鎖アルキル脂肪
酸等の絶縁性材料、芳香族アミン、ヒドラゾン化合物等
のキャリアー輸送材料その他の添加物と共に形成され
る。
【0025】光導電性材料としては電子写真や太陽電池
等に用いられている無機系又は有機系の光導電性材料が
用いられる。無機系の光導電性材料としては無定形セレ
ンやセレン−テルル、セレン−砒素等のセレン合金、無
定形シリコン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等が挙げられ
る。有機系の光導電性材料としては、各種の色素や顔料
が挙げられる。具体的には、下記公知文献等で光電変換
色素、電荷キャリアー生成材料等として知られている下
記化合物が挙げられる。
【0026】文献例 「電子写真技術の基礎と応用」437頁−448頁(電
子写真学会編、コロナ社、1988年) 「色材協会誌(47巻)」594頁−604頁(丸山勝
次、1974年) 「LB膜とエレクトロニクス」193頁−204頁(シ
ーエムシー、1986年) 「有機電子材料」94頁−101頁(応用物理学会編、
オーム社、1990年)化合物例 ポルフィリン系、シアニン系、メロシアニン系、ピリリ
ウム系、チアピリリウム系、トリアリールメタン系、ス
クアリリウム系、アズレニウム系等の色素、ペリレン
系、多環キノン系、ピロロピロール系等の縮合環系色
素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素など。これらの
うち、フタロシアニン系色素としては、無金属フタロシ
アニンと共に銅、パナジウム、インジウム、チタン、ア
ルミニウム、スズ、マグネシウム等の金属配位フタロシ
アニンの各種結晶型が用いられている。アゾ系色素では
主にジスアゾ系、ビスアゾ系、トリスアゾ系色素が顔料
粒子の形で用いられている。
【0027】メモリー層は、通常、分子内に窒素原子を
有する正孔輸送性の低分子化合物や、光の照射により変
化した導電性を光遮断後も持続させるメモリー性付与機
能を有する化合物等を、バインダーポリマー中に分散し
て構成される。
【0028】正孔輸送性の低分子化合物は、メモリー層
の電荷キャリアーである正孔の輸送担体として作用す
る。正孔輸送現象は分子間の電子移動或いは酸化還元反
応と見なすことができ、効果的な正孔輸送のためには、
イオン化ポテンシャルが小さい電子供与性化合物が適し
ている。
【0029】本発明においては、上記の主旨から、正孔
輸送性の低分子化合物として、分子内に1個以上の窒素
原子を有する化合物を用いるのが好ましい。ここで、窒
素原子の形態としては、ジエチルアミノ基のようなジア
ルキルアミノ基、ジフェニルアミノ基のようなジアリー
ルアミン基などにより芳香族炭化水素や芳香族複素環に
直接結合したアミノ基、同様に、芳香族炭化水素や芳香
族複素環に結合したヒドラゾ基、ヒドラゾノ基が挙げら
れ、その他には複素環を構成する窒素原子が挙げられ
る。複素環の例としては、カルバゾール、インドール、
ピラゾール、ピラゾリン、オキサゾール等が挙げられ
る。
【0030】このような正孔輸送性の低分子化合物は、
高分子化合物に比べて製造が容易であり、また、精製に
よる不純物の除去も容易なため、不純物に由来するトラ
ップ形成等によるメモリー特性の低下が少ないといった
利点を有する。更に、低分子化合物は、一般的にバイン
ダーポリマーとの相溶性に優れているため、メモリー層
中の含有量を増やすことにより正孔の移動度を高めるこ
とも容易である。
【0031】本発明においては、正孔輸送性の低分子化
合物として、特に、ヒドラゾン系化合物或いはアリール
アミン系化合物が好適に用いられる。好ましいヒドラゾ
ン系化合物としては、下記の一般式[I] で表される化合
物が用いられる。
【0032】
【化1】
【0033】上記[I] 式中、Aは少なくとも一個の芳香
族炭化水素環又は芳香族複素環を含む1価又は2価の有
機基を表し、そして、これらの環は置換基を有していて
も良い。具体的には次の(a)〜(d)に記載の有機基
が挙げられる。
【0034】(a)少なくとも1個の芳香族炭化水素環
を含む基。例えば、ベンゼン,ナフタリン,ピレン等か
ら誘導される1価又は2価の有機基。
【0035】(b)少なくとも1個の芳香族複素環を含
む基。例えば、ピロール,チオフェン,フラン,カルバ
ゾール等から誘導される1価又は2価の有機基。
【0036】(c)上記の各有機基が直接結合した化合
物(例えば、ビフェニル,ターフェニル,N−フェニル
カルバゾール等)から誘導される1価又は2価の有機
基。
【0037】(d)上記の各有機基が結合基を介して結
合した化合物(例えば、キサンテン,インドリン等)か
ら誘導される1価又は2価の有機基。
【0038】なお、(a)〜(d)における芳香族炭化
水素環及び/又は芳香族複素環が有してもよい置換基と
して、例えば、低級アルキル基,低級アルコキシ基,ア
ラルキル基,アリールオキシ基,アリールアルコキシ
基,アリールビニル基,ジアルキルアミノ基等が挙げら
れる。
【0039】R1 〜R5 は、水素原子、又は、いずれも
置換基を有していてもよいアルキル基,アラルキル基,
芳香族炭化水素基,若しくは複素環基を表す。但し、R
1 はAと一体となって環を形成してもよい。
【0040】R6 及びR7 は、いずれも置換基を有して
いてもよいアルキル基,アラルキル基,アリル基,芳香
族炭化水素基又は複素環基を表す。但し、R6 とR7
一体となって環を形成してもよい。
【0041】R1 〜R7 が有してもよい置換基の例とし
ては、低級アルキル基,低級アルコキシ基,アリールオ
キシ基,アリールアルコキシ基,アリール基,置換アミ
ノ基等が挙げられる。
【0042】また、Sは0又は1、mは0,1又は2、
nは1又は2の整数である。
【0043】各置換基の具体例としては特開平5−96
858号公報記載のものが挙げられる。特に、Aがカル
バゾール環或いはトリフェニルアミン環である化合物が
好ましい。
【0044】好ましいヒドラゾン系化合物の具体例は次
の通りである。
【0045】
【化2】
【0046】
【化3】
【0047】正孔輸送性化合物として用いるアリールア
ミン系化合物の例としては、トリフェニルアミンなどの
トリアリールアミン又はこれに置換基を導入したもの、
或いは、置換されたトリアリールアミン構造を直接又は
複数個結合させたものなどが挙げられる。
【0048】好ましいアリールアミン系化合物の具体例
は次の通りである。
【0049】
【化4】
【0050】本発明では、メモリー層に分散される、メ
モリー性付与機能を有する化合物として、有機酸系化合
物を用いる。この有機酸系化合物としてはカルボン酸系
化合物又はスルホン酸系化合物が好ましく、なかでもス
ルホン酸系化合物が好ましい。
【0051】好ましい有機酸系化合物の具体例は次の通
りである。
【0052】
【化5】
【0053】これらの有機酸系化合物は、一種を単独で
用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。ま
た、上記有機酸系化合物の水和物を用いることもでき
る。
【0054】なお、この有機酸系化合物は、光電変換層
に添加することもできるが、本発明の如く、メモリー層
に添加する方が、格段に優れた効果を得ることができ
る。
【0055】メモリー層のバインダーポリマーとして
は、前記の各化合物との相溶性が良好であり、更に、電
荷キャリアーの層内移動に対して悪影響を及ぼさないポ
リマーが好ましい。例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩
化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステ
ル、ブタジエン等のビニル化合物の重合体又は共重合
体、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリ
ウレタン、セルロースエステル、セルロースエーテル、
アルキド樹脂、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ
樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル
樹脂及びフェノキシ樹脂が好ましく、特に、ポリカーボ
ネート樹脂及びメタクリル樹脂が好ましい。
【0056】本発明において、メモリー層の前記有機酸
系化合物の含有量は0.001〜20重量%、特に0.
01〜10重量%であることが好ましく、また、バイン
ダーポリマーの使用量は、前記正孔輸送性の低分子化合
物に対して0.1〜30重量倍、特に0.3〜10重量
倍の範囲であることが好ましい。
【0057】本発明の光情報処理素子におけるメモリー
層は前述の正孔輸送性の低分子化合物及び有機酸系化合
物を上記バインダーポリマー中に分散させて構成される
が、更に、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、電子吸引性化合物等の添加物を含有
させることができる。
【0058】次に、本発明の光情報処理素子の製造方法
について説明する。
【0059】本発明の光情報処理素子の製造に当って
は、まず、上記のメモリー層の各成分及び必要に応じて
使用される各種の添加物成分を溶剤に溶解して塗布液を
調製し、当該塗布液を電極上に塗布した後乾燥してメモ
リー層を形成する。
【0060】メモリー層の膜厚は、光情報処理素子の動
作に必要な電界強度、電源電圧の範囲により決定される
が通常は100μm以下、好ましくは30μm以下とさ
れる。そして、膜厚の下限は、塗布膜の均一性の確保及
びピンホールの防止の観点から、0.01μm、好まし
くは0.1μm以上とするのがよい。
【0061】メモリー層上に光電変換層を形成する方法
としては、塗布法、真空蒸着法、CVD法の他に、ラン
グミュアー・ブロジェット(LB)法(「LB膜とエレ
クトロニクス」1頁〜15頁,33頁〜46頁(シーエ
ムシー、1986年)を参照)等により単分子層を積層
する方法等が挙げられる。
【0062】光電変換層の形態は、上記製法により様々
であり、セレンやシリコンのように、光導電性材料の無
定形の薄層の他、光導電性材料の微粒子からなる薄層
や、バインダー樹脂中に光導電性材料の粒子が分散又は
溶解したものなどがある。更に、LB法により単分子層
が数層積層したLB膜もある。LB膜の場合には光導電
性色素単独の他、アラキン酸等の絶縁性の長鎖脂肪酸と
の混合膜或いは異なる色素や、混合比の異なる単分子膜
を積層した構成とすることもできる。
【0063】光導電性材料が微粒子としてバインダー樹
脂中に分散した形の光電変換層の場合、バインダー樹脂
としては、微粒子の分散性の良好な水酸基を有するバイ
ンダー樹脂であるブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、フ
ェノール樹脂等の他、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、メタクリル系樹脂等が用いられる。蒸着等によって
光電変換層を形成する場合には必要に応じて、より変換
効率を高めるために溶媒蒸気にさらして結晶型を変える
操作等も行われる。
【0064】また、光電変換層には塗布性、分散安定
性、保存安定性の向上のための添加剤を加えることがで
きる。更に、キャリアー輸送能のある光導電性材料を加
えることもできる。
【0065】光電変換層の厚さは、製法によっても異な
るが、通常、50Å〜数μmであり、一般には1μm以
下の厚さが望ましい。
【0066】メモリー層及び光電変換層の積層形成に際
しては必ずしも上記の順序とする必要はなく、光電変換
層上にメモリー層を上記の方法で形成してもよい。ま
た、メモリー層、光電変換層を別々の電極上に形成した
後に圧着等により一体化させる製造法も採用することも
できる。
【0067】電極の積層は、スパッタリングや蒸着法な
どの他、圧着法によってもよい。
【0068】本発明の光情報処理素子は電極間に電圧を
印加して使用される。その際に、光を照射しない暗状態
では絶縁性で、暗電流は非常に小さい値であるが、光電
変換層の吸収波長領域の光(入力光)を照射中には、導
電性が増大し明電流が観測される。そして、メモリー層
の吸収波長領域の光(制御光)を一定時間照射した後に
観測すると、暗電流値はあまり変化しないが、入力光を
照射すると、制御光を一定時間照射する前に観測された
値と比べて明電流値は増大する。即ち、制御光照射によ
って入力光に対する素子の応答感度が変化し、この変化
した受光感度は安定に保持されることから、この素子は
受光感度の変化という形態で情報を記憶していることに
なる。素子の受光感度は光照射量、照射回数、印加電圧
等によってアナログ的に制御が可能である。
【0069】入力光と制御光は同一波長であっても異な
る波長であってもよく、光の強度も同一でも異なってい
てもよい。また、光は単色光であっても一定の波長幅を
持った光であってもよい。光の入射方向もメモリー層側
からでも光電変換層側からでもよい。ただし、光照射に
当たっては、入力光は光電変換層に吸収されて、メモリ
ー層にできるだけ影響を及ぼさないことが必要で、制御
光はメモリー層に吸収されることが必要である。
【0070】なお、上記の情報記憶現象のメカニズムの
詳細は明かではないが、次のように仮説することができ
る。即ち、メモリー層中の正孔輸送性の低分子化合物と
有機酸系化合物が電荷移動錯体を形成し、制御光照射に
より電荷分離を起こし、入力光照射時の明電流が増加す
る。そして、このような高応答性状態が安定に持続する
ことにより、記憶(メモリー)機能が実現される。
【0071】本発明の光情報処理素子の使用に当り、電
極間に印加される電圧の電界強度としては絶縁破壊を起
こさないことが必要で、一般的には107 V/cm以下
とされ、通常は106 V/cm以下、好ましくは5×1
5 V/cm以下である。
【0072】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0073】実施例1 <光情報処理素子の作製>9−エチルカルバゾール−3
−カルバルデヒドジフェニルヒドラゾン1.0g、有機
酸系化合物として、前記例示化合物(1) 0.125g、
ビスフェノール−A−ポリカーボネート樹脂1.25g
をジオキサン14gに溶解して塗布液を調製した。
【0074】ガラス基板上に形成したITO電極層の上
に上記の塗布液を乾燥後の膜厚が3μmになるように塗
布して乾燥し、メモリー層を形成した。
【0075】次いで、チタニルフタロシアニン2重量
部、ポリビニルブチラール1重量部をn−プロピルアル
コール及びメタノールを重量比60:40で混合した溶
剤に固形分割合が3.4重量%になるように混合して分
散液を調製した。
【0076】この分散液を上記のメモリー層上に、乾燥
後の膜厚が約0.1μmになるように塗布して乾燥し、
光電変換層を形成した。
【0077】更に、光電変換層表面にアルミニウムを素
子の受光電極面積が1cm2 となるように真空蒸着して
対向電極を形成し、光情報処理素子を作製した。
【0078】<光情報処理素子の性能評価>上記の光情
報処理素子にアルミニウム電極側を正極として直流電圧
10Vを印加した後、透明電極(ITO電極)側から出
力100μW/cm2 で波長700nmの単色光を30
秒間照射した。この時観測される電流値をI1 とする。
次に、メモリー層の吸収領域に相当する波長440nm
で出力100μW/cm2 の単色光を透明電極側から6
分間照射し、光遮断3分後、再び700nmの単色光を
透明電極側から30秒間照射した。この時観測される電
流をI2 とする。I2/I1 の値(Fm とする)が大き
いほどメモリー効果が大きいことになる。表1にI1
2 及びFm を示す。表1より明らかなように、本実施
例の光情報処理素子は、Fm =93と良好なメモリー効
果を示した。
【0079】実施例2〜5 前記例示化合物(1) に代えて表1に示す前記例示化合物
(3)、 (4)、 (8)、 (11)を0.125g加えたこと以外は
実施例1と同様にして光情報処理素子を作製し、同様に
評価を行って結果を表1に示した。
【0080】比較例1 前記例示化合物(1) に代えてチオミヒラーズケトン1
2.5mgを加えたこと以外は実施例1と同様にして光
情報処理素子を作製し、同様に評価を行って結果を表1
に示した。
【0081】
【表1】
【0082】実施例6 実施例1で作製した光情報処理素子について、そのFm
の経時変化を測定したところ、表2に示すように長期間
メモリーが保持されることが確認された。また、この後
に100℃で3分間加熱を行ったところ素子機能は元の
状態に復帰し、繰り返し使用が可能であることが確認さ
れた。
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】以下詳述した通り、本発明の光情報処理
素子によれば、光照射により受光感度がアナログ的に大
きく変化する機能を有し、この状態が長時間安定に記
憶、保持され、加熱による可逆的な記憶の消去が可能な
光情報処理素子が提供される。本発明の光情報処理素子
は、主に有機材料を用いて構成されるため、製造が容易
で、大面積化、微小化がともに可能であり、従来のニュ
ーラルネットワーク、ニューロコンピューター用の素子
と比べて実用性が高く、演算処理、視覚情報処理、ニュ
ーロコンピューター、検出器、センサー等各種用途への
応用が期待される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が光透過性を有する2層
    の電極間に、光電変換層と、所定波長の光照射により変
    化した導電性を光遮断後も持続させる機能を有するメモ
    リー層とを有する光情報処理素子において、該メモリー
    層が、有機酸系化合物を含有することを特徴とする光情
    報処理素子。
  2. 【請求項2】 有機酸系化合物がカルボン酸系化合物で
    ある請求項1記載の光情報処理素子。
  3. 【請求項3】 有機酸系化合物がスルホン酸系化合物で
    ある請求項1記載の光情報処理素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005500682A (ja) * 2001-08-13 2005-01-06 アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド メモリセル
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KR20160010217A (ko) * 2014-07-18 2016-01-27 삼성전자주식회사 그래핀 소자와 그 제조 및 동작방법과 그래핀 소자를 포함하는 전자장치

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