JPH09230126A - カラーフィルタ用近赤外光感光性着色組成物及びこの組成物を用いたカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ用近赤外光感光性着色組成物及びこの組成物を用いたカラーフィルタの製造方法

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JPH09230126A
JPH09230126A JP3627396A JP3627396A JPH09230126A JP H09230126 A JPH09230126 A JP H09230126A JP 3627396 A JP3627396 A JP 3627396A JP 3627396 A JP3627396 A JP 3627396A JP H09230126 A JPH09230126 A JP H09230126A
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JP
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photosensitive
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acrylic resin
color filter
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JP3627396A
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Koichi Tamura
孝一 田村
Eisaku Nakatani
▲栄▼作 中谷
Daisuke Kojima
大輔 小嶋
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時安定性が良好で、近赤外光による硬化性
が良好で、カラーフィルタ用被膜として優れた性能の被
膜を形成できる感光性着色組成物を得る。 【解決手段】 (a)重合性不飽和基を有する光重合可
能なアクリル樹脂、(b)エチレン性不飽和化合物、
(c)着色顔料、(d)陽イオン染料−ボレート陰イオ
ン錯体及び(e)上記錯体(d)以外の光重合開始剤、
を含有することを特徴とするカラーフィルタ用近赤外光
感光性着色組成物、及びこの感光性着色組成物を使用し
たカラーフィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶などの表示装
置に用いられるカラーフィルタ用の近赤外光感光性着色
組成物及びこの近赤外光感光性着色組成物を用いたカラ
ーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
一般にカラーフィルタ用感光性着色組成物は、塗装など
により被膜形成し、パターンマスクを介して紫外線をパ
ターン状に露光、現像することによって着色パターンを
形成することが行われている。
【0003】しかしながら、この方法は超高圧水銀灯の
ような大型、高価で、取扱いに危険を伴う照射装置を必
要とするという問題があった。また、紫外線は、透過性
に劣るので顔料を含む塗料塗膜、特に黒顔料を含むブラ
ックマトリックス形成用塗料塗膜、の塗膜下層部まで硬
化させることが困難であるという問題があった。
【0004】そこで小型、安価かつ安全な発生装置で照
射可能であり、かつブラックマトリックス塗膜下層部に
おいても硬化性が良好なカラーフィルタ用感光性着色組
成物を得るべく検討を行った。
【0005】近赤外光は、小型、安価かつ安全な発生装
置で照射可能であり、紫外線に比較して透過性にも優れ
る。近赤外光にて硬化する感光性組成物として、例え
ば、ピリリウム系色素と過酸化物との組合せを光重合開
始剤とするものが知られているが、過酸化物を含有する
ため経時安定性に劣る。また、特開平2−4804号公
報には、600乃至900nmの感光波長域を有するカチ
オン性色素増感剤とホウ酸塩との組合せである光重合開
始剤が開示されている。この光重合開始剤は、経時安定
性に優れているが、顔料を含有するカラーフィルタ用塗
料に使用した場合、特にブラックマトリックス塗膜の硬
化性が十分でないという問題がある。
【0006】そこで本発明者らは、経時安定性が良好で
かつ近赤外光による硬化性が良好で、カラーフィルタ用
被膜として優れた性能の被膜を形成できるカラーフィル
タ用近赤外光感光性着色組成物を得るべく鋭意研究を行
った。その結果、光重合可能なアクリル樹脂系におい
て、陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体とその他の光
重合開始剤を併用することにより上記目的を達成できる
ことを見出した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、1.
(a)重合性不飽和基を有する光重合可能なアクリル樹
脂、(b)エチレン性不飽和化合物、(c)着色顔料、
(d)陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体及び(e)
上記錯体(d)以外の光重合開始剤を含有することを特
徴とするカラーフィルタ用近赤外光感光性着色組成物を
提供するものである。
【0008】また本発明は、2.(1)上記項1記載の
着色組成物からの感光性被膜を透明基板上に形成する工
程、(2)感光性被膜に近赤外光をパターン状に露光し
て感光性被膜の露光部を硬化させる工程、(3)次いで
現像処理により非露光部の感光性被膜を除去してカラー
パターンを形成する工程、及び(4)さらに必要に応じ
て加熱する工程を有することを特徴とするカラーフィル
タの製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明組成物は、下記(a)、
(b)、(c)、(d)及び(e)成分を必須成分とす
るカラーフィルタ用感光性着色組成物である。
【0010】重合性不飽和基を有する光重合可能なアク
リル樹脂(a) 樹脂(a)は、活性光線照射により重合(架橋)しうる
重合性不飽和基を含有する光硬化性樹脂であり、光の照
射により重合反応してアルカリ水溶液又は酸水溶液に対
して実質的に不溶ないし難溶となるものであって、露光
しない部分は、現像液に可溶である。例えば、樹脂中に
多くのアニオン性基を有する場合にはアルカリ現像液に
可溶であり、多くのカチオン性基を有する場合には酸現
像液に可溶であり、樹脂中にイオン性基を有さない場合
には有機溶剤に可溶である。
【0011】上記重合性不飽和基は、重合開始剤(d)
の存在下、活性光線照射により重合(架橋)しうる基で
あり、具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイル
基〔CH2 =CR−CO−(式中、Rは、水素原子又は
メチル基を示す)〕、シンナモイル基、アリル基、アジ
ド基、シンナミリデン基などが挙げられる。
【0012】樹脂(a)における重合性不飽和基の量
は、樹脂の種類や分子量などに依存して広い範囲にわた
って変えることができるが、一般には、0.2〜7.0
モル/kg 樹脂、好ましくは0.7〜4.5モル/kg 樹脂
の量で含まれているのが適当である。
【0013】また、樹脂(a)は、一般に1,000〜
100,000、好ましくは5,000〜50,000
の範囲内の数平均分子量を有することができ、そのガラ
ス転移温度(Tg)は0℃以上、特に5〜70℃の範囲
内にあることが塗膜が粘着性を示さないので好適であ
る。
【0014】以下、樹脂(a)の具体例について説明す
る。
【0015】(イ)(メタ)アクリロイル基を含む光硬
化性アクリル樹脂:光硬化性樹脂は、例えば、高酸価ア
クリル樹脂にグリシジル基含有不飽和化合物を付加せし
めることにより製造することができる。その際使用され
る高酸価アクリル系樹脂は、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などの
α,β−エチレン性不飽和酸及び(メタ)アクリル酸の
エステル類、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどを必
須成分とし、必要に応じてスチレン、(メタ)アクリロ
ニトリル、(メタ)アクリルアミドなどのその他の重合
性不飽和単量体を共重合させることにより得られる。こ
こでα,β−エチレン性不飽和酸は、高酸価アクリル樹
脂の酸価が一般に40〜650、好ましくは60〜50
0の範囲になるような量で使用することができる。ま
た、高酸価アクリル樹脂の数平均分子量及びガラス転移
温度(Tg)は、該高酸価アクリル樹脂にグリシジル基
含有(メタ)アクリル酸エステル化合物が付加されて得
られる光硬化性樹脂が前記した数平均分子量及びTgを
有するように適宜調整される。
【0016】一方、上記高酸価アクリル樹脂に付加せし
められるグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル
化合物としては、具体的には、アクリル酸グリシジル、
メタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
【0017】前記した高酸価アクリル樹脂とグリシジル
基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物との付加反応
は、それ自体既知の方法に従い、例えば、テトラエチル
アンモニウムブロマイドなどの触媒を用いて80〜12
0℃で1〜5時間反応させることによって容易に行うこ
とができる。
【0018】また、(メタ)アクリロイル基を含む光硬
化性アクリル樹脂は、ヒドロキシル基含有重合性不飽和
化合物とジイソシアネート化合物との反応物を、ヒドロ
キシル基含有アクリル樹脂に付加させることによっても
製造することができる。
【0019】ヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物と
しては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、N−メチロールアクリルアミドな
どが挙げられ、またジイソシアネート化合物としては、
無黄変型のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが
挙げられる。
【0020】上記ヒドロキシル基含有アクリル樹脂は、
前記α,β−エチレン性不飽和酸及び2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有重合性
不飽和化合物を必須成分とし、必要に応じてヒドロキシ
ル基を有さない(メタ)アクリル酸のエステル類、その
他の重合性不飽和単量体を共重合させることにより得る
ことができる。
【0021】(ロ)重合性不飽和基としてシンナモイル
基を含む光硬化性アクリル樹脂:この樹脂は、例えば、
ヒドロキシル基含有アクリル樹脂と置換もしくは未置換
のケイ皮酸のハライドとを、塩基の存在下、例えば、ピ
リジン溶液中で反応せしめることにより製造することが
できる。その際使用されるヒドロキシル基含有アクリル
系樹脂は、前(イ)項で述べたヒドロキシル基含有アク
リル樹脂と同様のものを使用することができる。
【0022】また、置換もしくは未置換のケイ皮酸ハラ
イドは、一般に上記ヒドロキシル基含有アクリル系樹脂
100重量部当り6〜180重量部、好ましくは30〜
140重量部の範囲内になるような量で使用することが
できる。
【0023】使用しうる置換もしくは未置換のケイ皮酸
ハライドとしては、ベンゼン環上にニトロ基、低級アル
コキシ基などから選ばれる置換基を1〜3個有していて
もよいケイ皮酸ハライドが包含され、より具体的には、
ケイ皮酸クロライド、p−ニトロケイ皮酸クロライド、
p−メトキシケイ皮酸クロライド、p−エトキシケイ皮
酸クロライドなどが挙げられる。
【0024】(ハ)重合性不飽和基としてアリル基を含
む光硬化性アクリル樹脂:この光硬化性樹脂は、例え
ば、前(イ)項で用いた高酸価アクリル系樹脂に、アリ
ルグリシジルエーテル
【0025】
【化1】
【0026】を付加せしめるか又は、前(イ)項で述べ
たヒドロキシル基含有アクリル樹脂に、(メタ)アリル
アルコールと前(イ)項で述べたジイソシアネート化合
物との反応物を付加させることによって製造することが
できる。
【0027】前記した高酸価アクリル樹脂とアリルグリ
シジルエーテルとの付加反応は、前(イ)項に記載した
高酸価アクリル樹脂とグリシジル基含有(メタ)アクリ
ル酸エステルとの反応と同様にして行うことができる。
【0028】また、本発明組成物において、光硬化性ア
クリル樹脂(a)は、カルボキシル基などの酸基を有す
るアニオン性樹脂、アミノ基などとカチオン性基を有す
るカチオン性樹脂、イオン性基を有さない樹脂のいずれ
であってもよい。
【0029】樹脂(a)中におけるイオン性基の量が
0.2〜3.5モル/kg 樹脂の範囲にあると現像時にア
ルカリ現像液又は酸現像液によって現像が可能で、かつ
現像後に残存する着色塗膜の性能を良好なものとするこ
とができる。
【0030】かようなカチオン性樹脂としては、例え
ば、ヒドロキシル基及び3級アミノ基を有するアクリル
樹脂に、ヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物とジイ
ソシアネート化合物との反応物を付加して得られる樹
脂;エポキシ樹脂を2級アミンと反応させた後、残余の
エポキシ基を重合性不飽和モノカルボン酸又はヒドロキ
シ基含有不飽和化合物と反応させて得られる3級アミノ
基含有樹脂;グリシジル基含有不飽和化合物と3級アミ
ノ基含有不飽和化合物を、他の重合性不飽和モノマーと
共重合して得られる樹脂に、重合性不飽和モノカルボン
酸又はヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物を反応さ
せて得られる3級アミノ基含有樹脂;エポキシ樹脂を重
合性不飽和モノカルボン酸又はヒドロキシル基含有不飽
和化合物と反応させ、残余のエポキシ基を3級アミノ化
合物、チオエーテル、ホスフィンなどとカルボン酸の存
在下でオニウム塩化して得られるオニウム塩基含有樹
脂;などを挙げることができる。
【0031】前記イオン性基を有さない樹脂としては、
例えば前記(イ)、(ロ)、(ハ)において、高酸価ア
クリル樹脂に重合性不飽和基を導入する際にアクリル樹
脂中の酸基のすべてに実質的に反応させて酸基を消失さ
せることによって得ることができる。
【0032】樹脂(a)は単独で又は2種以上混合して
使用することができる。
【0033】エチレン性不飽和化合物(b) エチレン性不飽和化合物(b)はその化学構造中にエチ
レン性不飽和二重結合を少なくとも1個、好ましくは2
個以上含有する化合物で、可視光線により露光した際、
付加重合することによって露光部分の不溶化などをもた
らす機能を有するような単量体、2量体、3量体及びそ
の他のオリゴマーが挙げられる。
【0034】以上のようなエチレン性不飽和化合物とし
ては、例えば、不飽和カルボン酸と2価以上の脂肪族も
しくは芳香族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、ジビ
ニルベンゼンなどを挙げることができる。
【0035】不飽和カルボン酸としては、例えば、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−メチルクロト
ン酸、イタコン酸などが挙げられる。
【0036】脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例
えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロ
ピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオールなどの二価アルコール、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、グリセロールなど
の三価アルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトールなどの四価以上のアルコール類が挙げられ
る。
【0037】芳香族ポリヒドロキシ化合物としては、例
えば、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、
ピロガロールなどが挙げられる。
【0038】脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルの具体例としては、例えば、エチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレートなどのアクリル酸エステル類;エ
チレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタ
エリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメ
タクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレ
ートなどのメタクリル酸エステル類;エチレングリコー
ルジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネー
トなどのクロトン酸エステル類;エチレングリコールジ
イタコネート、プロピレングリコールジイタコネートな
どのイタコン酸エステル類;エチレングリコールジマレ
エート、ペンタエリスリトールジマレエート、トリメチ
ロールプロパンジマレエートなどのマレイン酸エステル
類が挙げられる。
【0039】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルの具体例としては、例えば、ハイド
ロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレ
ート、ハイドロキノンジクロトネート、レゾルシノール
ジアクリレート、ピロガロールトリアクリレートなどが
挙げられる。
【0040】着色顔料(c) 着色顔料(c)としては、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤
性、耐液晶性、耐光性に優れた着色顔料が望ましい。さ
らに適性なスペクトル及び透明性が必要とされるため該
顔料は可視光の吸収係数が大きく、かつ平均一次粒子径
が可視光に対して充分小さいものを選択する必要がある
ため、有機顔料が望ましい。該顔料の粒子径は透明性の
点から、95重量%以上の顔料が300nm以下、好まし
くは120nm以下であることが望ましく、サンドミル、
ニーダー或はロールミルなどにより既知の方法で顔料の
粒子径を小さくして透明性及び吸収係数を向上させるこ
とが有効である。
【0041】下記に着色顔料(c)として好適な顔料と
して、諸耐性の優れた材料をカラーインデックス(C.
I.)ナンバーにて示す。
【0042】黄色顔料:C.I.24、83、86、9
3、94、108、109、110、117、125、
137、138、147、153、154、166、1
68 オレンジ顔料:C.I.36、43、51、55、5
9、61 赤色顔料:C.I.97、122、123、149、1
68、177、178、180、187、190、19
2、209、215、216、又は217、220、2
23、224、226、227、228、240 バイオレット顔料:C.I.19、23、29、30、
37、40、50 青色顔料:C.I.15、15:1、15:3、15:
4、15:6、22、60、64 緑色顔料:C.I.7、36 ブラウン顔料:C.I.23、25、26 黒色顔料:C.I.7陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体(d) 陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体は近赤外光を吸収
してラジカルを発生する下記式〔1〕で表わされる錯体
である。
【0043】
【化2】
【0044】(式中、D+は近赤外領域に吸収をもつ陽
イオン色素であり、R1 、R2 、R3 及びR4 は独立的
にアルキル、アリール、アルカリール、アリル、アラル
キル、アルケニル、アルキニル、脂環式及び飽和又は不
飽和複素環式基を示し、R1、R2 、R3 及びR4 の中
の少なくとも1個以上は炭素原子数1〜8個のアルキル
基である。) 上記式〔1〕で表わされる錯体において、有用な陽イオ
ン染料としては、近赤外領域に吸収をもつシアニン、ト
リフェニルメタン、アミニウム、ジインモニウム系色素
が挙げられ、ボレート陰イオンのR1 、R2 、R3 及び
4 は独立的にアルキル、アリール、アルカリール、ア
リル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、脂環式及
び飽和又は不飽和複素環式基を示し、R1 、R2 、R3
及びR4の中の少なくとも1個以上は炭素原子数1〜8
個のアルキル基である。例えば、好ましいボレート陰イ
オンとしてはトリフェニルブチル・ボレート陰イオンと
トリアニシルブチル・ボレート陰イオンを挙げることが
できる。これらは容易に解離してトリフェニルボラン又
はトリアニシルボランとブチルラジカルとなるからであ
る。
【0045】上記錯体(d)以外の光重合開始剤(e) 上記錯体(d)以外の光重合開始剤(e)としては、上
記錯体(d)が近赤外光を吸収して発生したラジカルに
よって活性化されてラジカルを発生する開始剤であれば
特に限定されることなく使用できる。
【0046】上記光重合開始剤(e)としては、例えば
ベンジル、ジアセチルなどのα−ジケトン類;ベンゾイ
ンなどのアシロイン類;ベンゾインメチルエーテル、ベ
ンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テルなどのアシロインエーテル類;チオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチ
オキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸などの
チオキサントン類;ベンゾフェノン、4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス
(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノ
ン類;ミヒラーケトン類;アセトフェノン、2−(4−
トルエンスルホニルオキシ)−2−フェニルアセトフェ
ノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α′−
ジメトキシアセトキシベンゾフェノン、2,2′−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシア
セトフェノン、2−メチル〔4−(メチルチオ)フェニ
ル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェ
ニル)−ブタン−1−オン、α−イソヒドロキシイソブ
チルフェノン、α,α′−ジクロル−4−フェノキシア
セトフェノン、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルア
セトフェノンなどのアセトフェノン類;2,4,6−ト
リメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、
ビス(アシル)フォスフィンオキサイドなどのアシルフ
ォスフィンオキサイド類;アントラキノン、1,4−ナ
フトキノンなどのキノン類;フェナシルクロライド、ト
リハロメチルフェニルスルホン、トリス(トリハロメチ
ル)−s−トリアジンなどのハロゲン化合物;ジ−t−
ブチルパーオキサイドなどの過酸化物などが挙げられ
る。これらは1種又は2種以上の混合物として使用でき
る。
【0047】上記重合開始剤(e)の市販品としては、
例えば、イルガキュア(IRGACURE)−184、同26
1、同500、同651、同907、同CGI−170
0(チバ−ガイギー社製)、ダロキュア(Darocur)−1
173、同1116、同2959、同1664、同40
43(メルクジャパン社製)、カヤキュア(KAYACURE)
−DETX、同MBP、同DMBI、同EPA、同OA
(日本化薬(株)製)、ビキュア(VICURE)−10、同
55〔ストウファー社(STAUFFER Co., LTD.)製〕、ト
リゴナル(TRIGONAL)P1〔アクゾ社(AKZO Co., LT
D.)製〕、サンドレイ(SANDORAY)1000〔サンドズ
社(SANDOZ Co., LTD.)製〕、ディープ(DEAP)〔アプ
ジョン社(APJOHN Co., LTD.)製〕、カンタキュア(QU
ANTACURE)−PDO、同ITX、同EPD〔ウォード
ブレキンソプ社(WARD BLEKINSOP Co., LTD.)製〕など
を挙げることができる。
【0048】上記重合開始剤(e)としては、硬化性、
現像性などの点からチオキサントン類、アセトフェノン
類及びアシルフォスフィンオキシド類の1種又は2種以
上の混合物であることが好ましく、なかでもチオキサン
トン類と、アセトフェノン類及び/又はアシルフォスフ
ィンオキシド類との混合物であることが特に好適であ
る。
【0049】本発明組成物は、上記(a)、(b)、
(c)、(d)及び(e)成分を必須成分とするもので
あり、各成分の配合量は特に限定されるものではない
が、通常、下記範囲内であることが適している。
【0050】すなわち、アクリル樹脂(a)とエチレン
性不飽和化合物(b)との配合割合は、通常、(a)/
(b)の重量比が97/3〜40/60、さらには95
/5〜50/50の範囲内にあることが好ましい。
【0051】着色顔料(c)の配合量は、(a)成分と
(b)成分との合計100重量部に対して、通常、20
〜120重量部、さらには40〜90重量部の範囲内に
あることが形成される着色被膜の着色性、透明性などの
点から適当である。
【0052】陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体
(d)の配合量は、(a)成分と(b)成分との合計1
00重量部に対して、通常、0.1〜15重量部、さら
には1〜10重量部の範囲内にあることが被膜の近赤外
線による感光性及び着色組成物の貯蔵安定性などの点か
ら適当である。
【0053】光重合開始剤(e)の配合量は、(a)成
分と(b)成分との合計100重量部に対して、通常、
0.1〜15重量部、さらには0.2〜10重量部の範
囲内にあることが被膜の感光性及び組成物の貯蔵安定性
などの点から適当である。
【0054】本発明組成物は、必須成分である(a)〜
(e)成分以外に、必要に応じて有機溶剤、顔料分散
剤、塗面調整剤などを含有していてもよい。
【0055】上記有機溶剤は顔料分散時の分散媒の流動
性調整、得られる感光性着色組成物の流動性調整や粘度
調整などの目的で使用される。この有機溶剤としては、
成分(a)を溶解ないしは分散できる有機溶剤であれば
よく、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル類(酢酸
エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、プロピオン酸メ
チルなど)、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタンなど)、セロソルブ類(メチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートな
ど)、アルコール類(エチルアルコール、ベンジルアル
コールなど)、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類な
どが挙げられる。
【0056】前記顔料分散剤は、(c)成分である着色
顔料を効果的に均一に分散させるために使用されるもの
であり、アニオン性、カチオン性もしくはノニオン性の
界面活性剤、着色顔料の分散に有効な置換基を導入した
有機色素誘導体などを挙げることができる。上記界面活
性剤の市販品としては、例えば、ビック・ケミー社製
の、BYK160、BYK161、ゼネカ社製の、ソル
スパース24000などを挙げることができる。
【0057】上記塗面調整剤としては、アクリルオリゴ
マー、シリコーン系調整剤、アミド系調整剤などを挙げ
ることができる。
【0058】本発明組成物の調整は、従来から公知の方
法で行うことができ、例えばアクリル樹脂(a)の一部
及び必要に応じて顔料分散剤、有機溶剤の混合物にて着
色顔料(c)を分散して着色顔料ペーストを作成し、こ
のものと残りの成分を均一に混合すればよい。
【0059】次に本発明のカラーフィルタの製造方法に
ついて説明する。
【0060】本発明のカラーフィルタの製造方法におい
て、工程(1)は、上記カラーフィルタ用感光性着色組
成物から得られる感光性被膜を透明基板上に形成する工
程である。
【0061】感光性被膜を透明基板上に形成する方法と
しては、(イ)感光性着色組成物を透明基板上に、浸漬
法、スプレー法、スピンコート法、シルクスクリーン
法、ロールコート法又はカーテンフローコート法にて塗
布し乾燥させる方法、(ロ)予め易剥離性処理を施した
基板に感光性着色組成物を塗布して乾燥させた後、易剥
離性処理を施した基板上の感光性被膜層を透明基板上に
転写することによって透明基板上に感光性被膜を形成す
る方法などを挙げることができる。
【0062】(イ)方法における透明基板としては、透
明なガラス、透明樹脂基板及び(ロ)方法にも使用でき
る透明導電層を有する透明基板などを挙げることができ
る。上記透明導電層を有する透明基板としては、透明な
金属や酸化インジウム、酸化錫などの薄膜を透明なガラ
スや透明樹脂基板などの透明基板の表面にゾル−ゲル法
やスパッタリング、蒸着法、CVD法などによって形成
して得られる基板を挙げることができる。
【0063】(ロ)方法における易剥離処理を施した基
板において、易剥離処理を施す前の基板としては、表面
が平滑で、易剥離処理を施すことができる基板であれば
よく、ガラス、樹脂基板、金属板などを挙げることがで
きる。この基板の易剥離処理は、シリコーン樹脂、シラ
ンカップリング剤、フッ素系樹脂、フッ素系界面活性剤
など表面エネルギーの非常に小さい被膜を形成する処理
剤にて基板表面に被膜を形成することによって容易に行
うことができる。この処理被膜の厚さは特に制限される
ものではないが、通常、0.001〜0.1μm 程度で
あることが好ましい。被膜形成は浸漬塗装、スピンコー
ティングなど公知の塗装法により行うことができる。易
剥離処理を行うことにより転写をより容易に行うことが
でき、生産性を大幅に向上させることができる。易剥離
性処理被膜を形成した後、必要に応じて加熱、活性光線
照射などによって被膜を硬化させてもよい。
【0064】工程(1)において、感光性着色組成物か
ら得られる感光性被膜を前記(イ)又は(ロ)の方法な
どによって透明基板上に形成する。感光性被膜の膜厚
は、特に限定されるものではないが、通常、0.5〜5
μm の範囲内であることが好ましい。
【0065】また前記(イ)又は(ロ)の方法などにお
いて透明基板上に感光性着色組成物の塗料層を形成した
後、塗料層は次の操作に支障がないように塗料層中の有
機溶剤を除去して指触乾燥程度以上に硬化させることが
必要である。
【0066】(ロ)の方法においては、基板上に、感光
性着色組成物を塗布し乾燥させて感光性被膜層を形成
し、易剥離性処理を施した基板上に形成した感光性被膜
層を透明基板上に転写することによって透明基板上に感
光性被膜層を形成する。この場合、転写により感光性被
膜層を受取る透明基板上に、必要に応じて接着剤層を設
けることにより転写作業をより容易にかつ確実に行うこ
とができ、カラーフィルタ製造における生産性を大幅に
向上できる。
【0067】上記接着剤としては特に制限はなく、従来
公知の熱可塑性、熱硬化性、光硬化性、感圧接着剤など
が使用できる。接着剤はスプレー法、ロールコータ法、
印刷法、スピンコータ法などを用いて透明基板上に、通
常0.1〜3μm 程度塗布することによって接着剤層を
設けることができる。
【0068】本発明方法において、工程(2)は、感光
性被膜に近赤外光をパターン状に露光して感光性被膜の
露光部を硬化させる工程である。上記露光は、公知の方
法によって行うことができ、フォトマスクを介して近赤
外光を照射する方法、近赤外光レーザー走査による直接
描画法などによって行うことができる。
【0069】照射に使用しうる近赤外光としては、70
0〜1,100nmの波長の光が好ましく、その照射量
は、通常0.5〜200J/cm2 、好ましくは1〜150
J/cm2の範囲内が適当である。また上記活性光線の照射
源としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、高圧ナ
トリウムランプ、半導体レーザー、YAGレーザーなど
が挙げられる。
【0070】本発明方法において、工程(3)は、上記
工程(4)によってパターン状に露光、硬化された感光
性被膜を、現像処理により非露光部の感光性被膜を除去
してカラーパターンを形成する工程である。
【0071】現像処理は、非露光部の感光性被膜がアニ
オン性の場合にはアルカリ水溶液を用いて、またカチオ
ン性の場合には酸水溶液を用いて洗い流すことにより行
うことができ、また非露光部の感光性被膜がイオン性、
非イオン性のいずれであっても有機溶剤を用いて洗い流
すことにより行うことができる。
【0072】上記現像処理において、アルカリ水溶液と
しては通常、カセイソーダ、炭酸ソーダ、カセイカリ、
テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、アンモ
ニアなどの塩基性物質の水溶液が使用され、酸水溶液と
しては通常、酢酸、蟻酸、乳酸などの酸の水溶液が使用
され、有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノー
ルなどの極性溶剤を挙げることができる。
【0073】本発明方法において、工程(4)は、上記
工程(3)によって形成されたカラーパターンを加熱し
てさらに硬化させる工程であり、必要に応じて行われ
る。
【0074】上記工程(1)〜(4)によって目的とす
る1色のカラーパターンを形成することができる。本発
明方法において、上記工程(3)又は工程(4)の後、
カラーパターンを形成した透明基板上に、異なる色の感
光性着色組成物を用いて、工程(1)〜(3)又は
(1)〜(4)を必要回数繰り返して多色のカラーパタ
ーンを形成することによりカラーフィルタを製造するこ
とができる。多色のカラーパターンの色としては、赤、
青、緑が一般的であり、それ以外に黒色のブラックマト
リックスが通常、形成される。
【0075】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。実施例中、特にことわらないかぎり「部」及
び「%」はすべて「重量部」及び「重量%」を示す。
【0076】光重合可能なアクリル樹脂の合成 合成例1 メチルメタクリレート40重量部、ブチルアクリレート
40重量部、アクリル酸20重量部及びアゾビスイソブ
チロニトリル2重量部からなる混合液を窒素ガス雰囲気
下において110℃に保持したプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル(親水性溶剤)90重量部中に3時間
を要して滴下した。滴下後、1時間熟成させ、アゾビス
ジメチルバレロニトリル1重量部及びプロピレングリコ
ールモノメチルエーテル10重量部からなる混合液を1
時間要して滴下し、さらに5時間熟成させて高酸価アク
リル樹脂(酸価155)溶液を得た。次に、この溶液に
グリシジルメタクリレート24重量部、ハイドロキノン
0.12重量部及びテトラエチルアンモニウムブロマイ
ド0.6重量部を加えて空気を吹き込みながら110℃
で5時間反応させて光重合可能なアクリル樹脂(樹脂酸
価約50、重合性不飽和基濃度1.35モル/kg 、Tg
点20℃、数平均分子量約20,000)溶液を得た。
この樹脂溶液は固形分含有量が約54%であった。
【0077】合成例2 スチレン60重量部、メチルアクリレート10重量部、
アクリル酸30重量部及びアゾビスイソブチロニトリル
3重量部からなる混合液を窒素ガス雰囲気下において1
20℃に保持したセロソルブ90重量部中に3時間を要
して滴下した。滴下後、1時間熟成させ、アゾビスジメ
チルバレロニトリル1重量部とセロソルブ10重量部か
らなる混合液を1時間要して滴下し、さらに5時間熟成
させて高酸価アクリル樹脂(酸価233)溶液を得た。
次に、この溶液にグリシジルメタクリレート35重量
部、ハイドロキノン0.13重量部及びテトラエチルア
ンモニウムブロマイド0.6重量部を加えて空気を吹き
込みながら110℃で5時間反応させて光重合可能なア
クリル樹脂(樹脂酸価約70、重合性不飽和基濃度1.
83モル/kg 、Tg点45℃、数平均分子量約15,0
00)溶液を得た。この樹脂溶液は固形分含有量が約5
7%であった。
【0078】実施例1 合成例1で得た光重合可能なアクリル樹脂溶液及びその
他の成分を後記表1に示す配合にて均一に分散した、赤
色、緑色、青色及び黒色の各感光性着色組成物を得た。
着色顔料は光重合可能なアクリル樹脂溶液の一部、顔料
分散剤、有機溶剤の一部と混合し、サンドミルで分散し
て顔料ペーストとして配合した。各組成物におけるアク
リル樹脂とエチレン性不飽和化合物との合計は、重合性
不飽和基濃度4.0モル/kg 、カルボキシル基濃度0.
63モル/kg を有する。また各組成物における顔料の平
均粒径は、赤顔料:60nm、緑顔料:90nm、青顔料:
80nm、黒顔料:50nmであり、いずれの顔料も95重
量%以上が粒径120nm以下であった。
【0079】上記のようにして得た赤色の感光性着色組
成物をガラス板(100×100×1.1mm)上に乾燥
膜厚が約2μm となるようにスピンコート法により塗布
し、80℃で10分間乾燥させてガラス板上に赤色感光
性被膜層を形成した。
【0080】次いでこの感光性被膜にハロゲンランプを
用い、露光量3J/cm2 、及び120J/cm2 の2段階の照
射条件でフォトマスクを介してパターン状に露光した。
次いで25℃の0.25%テトラメチルアンモニウムハ
イドロオキサイド水溶液にて30秒間スプレーして現像
を行い水洗し、水切り乾燥し、次いで140℃で60分
間焼付けて赤色のカラーパターンを得た。
【0081】次いで上記赤色のカラーパターンを形成し
たガラス板上に上記緑色の感光性着色組成物からの緑色
感光性被膜層を上記と同様に形成し、露光、現像、水
洗、水切り乾燥、焼付けを行いガラス板上に赤色に加え
て緑色のカラーパターンを得た。
【0082】次いで青色及び黒色の感光性着色組成物を
用いて上記と同様の工程を繰り返し行って赤色、緑色、
青色及び黒色のカラーパターンをガラス板上に形成して
カラーフィルタに適した多色のカラーパターンを得た。
【0083】各色のパターンのライン/スペース(L/
S)は、赤、緑、青のカラーパターンについては、10
0μm /20μm であり、黒のカラーパターン(ブラッ
クマトリックス)については20μm /100μm であ
った。
【0084】実施例2〜6及び比較例1〜6 合成例1又は合成例2で得た光重合可能なアクリル樹脂
溶液及びその他の成分を後記表1に示す配合とする以外
は実施例1と同様にして赤色、緑色、青色及び黒色の各
感光性着色組成物を得た。実施例4の各組成物における
アクリル樹脂とエチレン性不飽和化合物との合計は重合
性不飽和基濃度4.3モル/kg 、カルボキシル基濃度
0.88モル/kg を有する。またいずれの組成物におい
ても顔料の95重量%以上が粒径120nm以下であっ
た。
【0085】各例において、上記各感光性着色組成物を
使用する以外は実施例1と同様に行い多色のカラーパタ
ーンを得た。
【0086】実施例7 膜厚75μm のポリエチレンテレフタレートフィルム
(転写フィルム)上に実施例1で得た赤色の感光性着色
組成物を乾燥膜厚が2μm となるようにロールコート法
により塗布し、80℃で10分間乾燥して転写型の赤色
感光性被膜層を形成した。
【0087】この感光性被膜層面を熱ラミネート法によ
り80℃に加温したガラス板に密着させた後、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを剥離して赤色感光性被膜
をガラス板上に形成した。
【0088】さらにこの感光性被膜にハロゲンランプを
用い露光量3J/cm2 、及び120J/cm2 の2段階の照射
条件でフォトマスクを介してパターン状に露光した。次
いで25℃の0.25%テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド水溶液にて30秒間スプレーして現像を
行い水洗し、水切り乾燥し、次いで140℃で60分間
焼付けて赤色のカラーパターンを得た。
【0089】次に上記赤色の感光性着色組成物のかわり
に実施例1で得た緑色の感光性着色組成物を用いて、転
写フィルム上に転写型の緑色感光性被膜層を形成した。
この緑色感光性被膜層面を、上記赤色のカラーパターン
を有するガラス板に密着させた後、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを剥離して緑色感光性被膜を、赤色の
カラーパターンを有するガラス板上に形成し、上記と同
様に露光、現像、水洗、水切り乾燥して赤色に加えて緑
色のカラーパターンを得た。
【0090】次いで、青色及び黒色の感光性着色組成物
を用いて上記と同様の工程を繰り返し行って赤色、緑
色、青色及び黒色のカラーパターンをガラス板上に形成
してカラーフィルタに適した多色のカラーパターンを得
た。
【0091】実施例1〜7及び比較例1〜6におけるカ
ラーパターン形成の際の各パターンの現像性について下
記基準により評価した。試験結果を後記表1に示す。
【0092】 ○:欠陥のない良好な画線パターンが得られる △:画線パターンの一部剥離が見られる ×:画線パターンが溶解してパターンが得られない また後記表1における(註)はそれぞれ下記の意味を有
する。
【0093】(*1)陽イオン染料−ボレート陰イオン
錯体A:下記式で表わされる錯体である。下記式中、P
hはフェニル基を表わす。
【0094】
【化3】
【0095】(*2)陽イオン染料−ボレート陰イオン
錯体B:下記式で表わされる錯体である。下記式中、P
hはフェニル基を表わす。
【0096】
【化4】
【0097】(*3)BYK160:ビック・ケミー社
製、高分子共重合体である界面活性剤。
【0098】(*4)BYK161:ビック・ケミー社
製、高分子共重合体である界面活性剤。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【発明の効果】本発明組成物は、着色顔料を含有するカ
ラーフィルタ用感光性着色組成物であり、光重合可能な
アクリル樹脂の樹脂系において、陽イオン染料−陰イオ
ン錯体とその他の光重合開始剤とを併用することによっ
て、近赤外光に対する感度が高く、硬化性に優れ、耐現
像性にも優れた組成物とすることができたものである。
本発明組成物からカラーフィルタを作成する際には、被
膜の硬化に用いる活性光線が近赤外光であり透過性が良
いので、被膜の下部まで近赤外光が到達し良好な硬化性
を示す。また近赤外光を照射するので照射源は紫外光に
くらべ小型、安価、安全なものを使用することができ
る。
【0103】本発明組成物からの被膜を露光して得られ
る硬化着色被膜は、多色のカラーフィルタを製造する際
に、繰り返して現像工程で現像液と接触しても良好な耐
現像性を示すことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/031 G03F 7/031 7/033 7/033 7/40 501 7/40 501

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)重合性不飽和基を有する光重合可
    能なアクリル樹脂、 (b)エチレン性不飽和化合物、 (c)着色顔料、 (d)陽イオン染料−ボレート陰イオン錯体及び (e)上記錯体(d)以外の光重合開始剤 を含有することを特徴とするカラーフィルタ用近赤外光
    感光性着色組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂(a)が、高酸価アクリル
    樹脂にグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステルを
    付加したアニオン性アクリル樹脂である請求項1記載の
    感光性着色組成物。
  3. 【請求項3】 上記(d)以外の光重合開始剤(e)
    が、チオキサントン類と、アセトフェノン類及び/又は
    アシルフォスフィンオキサイド類との混合物からなる光
    重合開始剤である請求項1又は2記載の感光性着色組成
    物。
  4. 【請求項4】 (1)請求項1記載の着色組成物からの
    感光性被膜を透明基板上に形成する工程、 (2)感光性被膜に近赤外光をパターン状に露光して感
    光性被膜の露出部を硬化させる工程、 (3)次いで現像処理により非露光部の感光性被膜を除
    去してカラーパターンを形成する工程、及び (4)さらに必要に応じて加熱する工程 を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 (3)カラーパターンを形成する工程、
    及び(4)必要に応じて加熱する工程の後、カラーパタ
    ーンを形成した透明基板上に、異なる色の感光性着色組
    成物を用いて、工程(1)〜(4)を必要回数繰り返し
    て多色のカラーパターンを形成することを特徴とする請
    求項4記載のカラーフィルタの製造方法。
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