JPH09228313A - 吊橋橋桁の水平保持方法およびその装置 - Google Patents

吊橋橋桁の水平保持方法およびその装置

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JPH09228313A
JPH09228313A JP3767496A JP3767496A JPH09228313A JP H09228313 A JPH09228313 A JP H09228313A JP 3767496 A JP3767496 A JP 3767496A JP 3767496 A JP3767496 A JP 3767496A JP H09228313 A JPH09228313 A JP H09228313A
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JP
Japan
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bridge girder
angle
attack
bridge
hanger
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Pending
Application number
JP3767496A
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English (en)
Inventor
Shinji Kato
真志 加藤
Takuya Murakami
琢哉 村上
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09228313A publication Critical patent/JPH09228313A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吊橋橋桁のフラッターおよびダイバージェン
スを防止する。 【解決手段】 吊橋のケーブル1に一端部が取付けられ
たハンガー2の他端部を、橋桁3の下面を通過させても
う一方のケーブル1に取付ける。橋桁3とハンガー2
は、動力滑車5を経由して取付けられており、橋桁3に
設置された風向風速計6および傾斜計7の信号により、
所定値より風速が大となったときに、動力滑車5を作動
させ、ハンガー2を手繰ることにより橋桁3を水平に戻
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横風によって生じ
る橋桁のねじれ変形を防止した吊橋橋桁の水平保持方法
およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5(横断面図)に示すように、ケーブ
ル1およびハンガー2の張力により支えられている吊橋
の橋桁3は、風速Vの横風を受けると、水平風軸方向の
抗力D、鉛直方向の揚力L、橋桁3を転倒させようとす
る空力モーメントMの三成分の風荷重を受ける。
【0003】吊橋は撓み易い構造物であるため、橋桁3
は横風Vを受けると変形し、図6(横断面図)に示すよ
うに、有限量の水平変位Δ、鉛直変位H、ねじれ角θ、
が生じた状態で釣合い状態になる。
【0004】このとき、例えば、水平方向の釣合いに着
目すると、変形後のハンガー張力Tの水平成分T′と、
橋桁3の曲げ剛性による総反力が部材内力となり、これ
が抗力Dと等しくなることによって釣合い状態を保持し
ている。
【0005】つまり、吊橋の橋桁3は、構造自体が保有
している剛性と、内部張力を有している部材の変形後の
張力の双方を利用し、これらを復原力として風荷重に抵
抗している。
【0006】橋桁3にねじれ角θが付くことによって、
耐風設計上問題視される空力的不安定現象は、ダイバー
ジェンス現象とフラッタ現象である。
【0007】図7(横断面図)によりダイバージェンス
現象について説明すると、橋桁3を想定した構造物3′
がねじり剛性のバネSで支持され、迎角αmeanで風速V
を受けるとする。また、構造物3′の空力モーメント係
数CM は、CM =CM0+St ・α で表される。
【0008】ここで、 CM0:迎角αが0°の場合の空力モーメント係数 St :空力モーメント係数の迎角に対する勾配 α :迎角 即ち、迎角αが0°の場合の空力モーメント係数が、迎
角αの増加に対して勾配St をもって増加するとする。
【0009】このとき、作用するねじりモーメントM0
は、単位長さあたり、M0 =ρV2 2 /2・(CM0
t ・α) となる。
【0010】ここで、ρ:空気密度 b:構造物3′の幅値 一般に、バネSの剛性K↓φは、有限であるため、迎角
はαよりα0 =M0 /K↓φだけ増加する。
【0011】この迎角の増加α0 により空力モーメント
はさらに、 M1 =ρV2 2 /2・St ・α0 増加し、それがまた迎角の増加を生む。
【0012】この循環現象によって、結局構造物3′の
最終的な迎角αの増加量αx は、 αx =α0 +(ρV2 t 2 /2K↓φ)α0 +(ρ
2 t 2 /2K↓φ)α0 +・・・・ となる。
【0013】この無限等比級数は、ρV2 t 2 /2
K↓φ<1 ならば、収束して有限な迎角になるが、逆
に、ρV2 t 2 /2K↓φ>1ならば、ダイバージ
ェンスと呼ばれる現象によって発散する。
【0014】尚、ダイバージェンスの限界風速は、次式
で与えられる。 V=(2K↓φ/ρSt 2 1/2
【0015】一般の橋桁では、桁のねじれ剛性とハンガ
ー張力による復原力を合わせた総ねじれ剛性K↓φが十
分に大きく、空力モーメント係数CM の迎角αに対する
勾配St が必ずしも大きくないこと等によって、ダイバ
ージェンスが問題になることはあまり無いが、スパンが
非常に長くなってくると、設計風速を大きく下回るダイ
バージェンスの限界風速が問題となってくる。
【0016】図8は、迎角が付いた場合のフラッター特
性を表したグラフで、各迎角で、●印で示されるフラッ
ター発振風速が、斜線で囲まれた部分に入り込まなけれ
ば、耐風設計を満足する性能を有すると判断するもので
ある。
【0017】迎角0°では、設計風速(正確には設計風
速×1.2)を越えるフラッター発振風速であっても、
正の迎角(場合によっては負の迎角)が付くことによっ
て、フラッター特性が悪化する現象は、風洞実験におい
て頻繁に見られる傾向である。
【0018】構造力学的に空力モーメントによるねじれ
角θを減少させる発明として、特開平5ー287708
号公報が開示されている。
【0019】前記発明は、図9に示すように、吊橋にお
けるハンガーの取付け位置において、従来が桁面上部A
であったものを、空力モーメントを生じない空力中心の
高さ位置Bとしたものである。この方法により、空力中
心高さから、抗力Dがδなる距離だけズレた場合のDδ
の付加モーメントは、作用しないため、ねじれ角θの発
生を防止せんとするものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平5ー287708号公報で開示された発明では、迎
角0°で空力モーメントが発生しないようにしたもので
あるが、吊橋のような撓み性構造物では、抗力および揚
力が作用し、橋桁が水平および鉛直に変位することによ
って、迎角が生じることがある。
【0021】従って、例え、迎角0°で空力モーメント
を消去させたとしても、水平、鉛直変位後の幾何学的非
線形による迎角の変化までは消去できないケースもあり
うるという問題がある。
【0022】本発明は、風荷重によって橋桁が変形によ
る移動をした後でも、橋桁の迎角を常に0°に保持し、
ダイバージェンスによる橋桁の崩壊やフラッター発振風
速の低下が起きない水平保持方法およびその装置を提供
することを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決する第
一の手段は、両端が各々左右のケーブルに固着されたハ
ンガーの上に、左右に移動自在に載置された橋桁を、横
風により橋桁が捩じれようとするときに、左右に駆動さ
せることにより、前記橋桁を水平状に保持させることを
特徴とする吊橋橋桁の水平保持方法である。
【0024】前述の第一の手段によれば、橋桁は風速お
よび橋桁の傾斜を検知し、駆動滑車が作動することによ
りハンガーを手繰り、橋桁を水平状態に設定する。
【0025】従って、初期迎角α、空力モーメントによ
る迎角の増加α0 が常に0°に戻され、空力モーメント
とねじれ角の循環現象が起きず、ダイバージェンスを引
き起こすことはない。
【0026】また、迎角を常に0°に戻すので、風の流
れが橋桁から剥がれにくくなるため、フラッター等の振
動現象を抑える作用がある。
【0027】前述の課題を解決する第二の手段は、一端
が一方のケーブルに固着され中間が橋桁の下方を巻回し
他端が他方のケーブルに固着されたハンガーと、前記ハ
ンガーに沿って橋桁を移動させるために橋桁に設置され
た駆動機構と、前記橋桁に設置された風向風速計および
傾斜計と、前記風向風速計および傾斜計とからの測定値
により前記駆動機構を制御する制御機構と、からなる吊
橋橋桁の水平保持装置である。
【0028】前述の第二の手段によれば、風向風速計お
よび傾斜計の信号で橋桁の迎角を検知し、該検知信号に
より駆動機構、即ち、駆動滑車のモータが作動し、駆動
滑車により橋桁は水平状態に設定される。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面によ
り説明する。
【0030】図1は、本発明の吊橋橋桁の水平保持方法
およびその装置を説明する横断面図である。
【0031】図1において、1、1は橋桁2の上方に設
けられたケーブルで、2、2はケーブル1から吊り下げ
られ橋桁3を支持するハンガーであり、該ケーブル1に
係止されたハンガー2の一端は、橋桁3に取付けられた
補助滑車4、4介して同じく橋桁3に取付けられた駆動
滑車5、5を経由して、橋桁3の下方を通過させ、他端
がもう一方のケーブル1に固着されている。
【0032】図2は、図1のA部拡大図で、橋桁3には
風向風速計6、傾斜計7および制御機構8が、ケーブル
9を介して駆動機構、即ち、モータ10およびブレーキ
機構を備えたストッパー11に接続されている。
【0033】12は、駆動機構の一部で、前記モータ1
0から駆動滑車5に回転を伝えるための中間駆動滑車で
ある。
【0034】前記ストッパー11は、駆動滑車5を作動
させないときに使用される。本発明は、風向風速計6の
検知する風速が低い場合は、ダイバージェンスもフラッ
ターも生じない。
【0035】また、ねじれ角αも微小量であるため、駆
動滑車5、5は作動させない。図3(横断面図)のよう
に、風向風速計6の検知した風速が所定値より大で、有
害なねじれ角αが生じた場合は、傾斜計7の示すねじれ
角(迎角)がゼロ、即ち、水平状態に橋桁3が戻るま
で、モータ10を駆動させ駆動滑車5、5を矢印方向に
回転させてハンガー2を手繰ることによって、図4の水
平状態にする。
【0036】また、暴風時に橋桁3を水平にした場合
は、図4のようにケーブル1の位置は左右対象の位置に
ならない。従って、この状態で風速が所定値より低くな
ると、橋桁3が傾いたままになるので、その場合には、
前述と逆のプロセスで橋桁3を水平状態にし、ストッパ
ー11で、ハンガー2の位置を固定する。
【0037】尚、駆動滑車5は、橋軸方向に数ハンガー
毎に設けてもよい。その場合、駆動を持たないハンガー
位置では、駆動滑車5に替えて、フリーの滑車が使用さ
れる。
【0038】また、傾斜計7は複数の駆動滑車をユニッ
トとした単位で設置して、制御してもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以下の効果が得られる。 (1)横風によるねじれ変形を防止できるので、従来必
要であった所要のねじれ剛性を確保する必要がない。従
って、設計の自由度が広がり、鋼材重量を低減すること
ができる。 (2)常に迎角を0°に保持できるため、ダイバージェ
ンスの発生を防止することができる。 (3)フラッター特性は、迎角が生じた場合に悪化する
ことが多いが、本発明では、迎角を常に0°に保持でき
るため、迎角0°における高い耐フラッター特性のみを
有効に使うことができ、迎角0°以外で耐フラッター特
性が悪化しても、それは問題とならない。 (4)風洞実験の際に、迎角が付いた場合のフラッター
特性を満足する橋桁断面を見つけだすのに、多くの日数
を必要としていたが、本発明は迎角ゼロを形成できるの
で、迎角がついた場合のフラッター特性を照査する必要
がなく、風洞実験に要する時間を大幅に削減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す横断面図
【図2】図1のA部拡大図
【図3】本発明の作用を示した横断面図
【図4】本発明の作用を示した横断面図
【図5】横風による吊橋の橋桁における荷重を示した横
断面図
【図6】横風による吊橋の橋桁における静的変形を示し
た横断面図
【図7】横風による吊橋の橋桁における挙動(ダイバー
ジェンス現象)を示した横断面図
【図8】横風迎角とフラッー発振風速の関係(フラッタ
ー現象)を示したグラフ
【図9】従来技術(特開平5ー287708号)の横断
面図
【符号の説明】
1 ケーブル 2 ハンガー 3 橋桁 4 補助滑車 5 駆動滑車 6 風向風速計 7 傾斜計 8 制御機構 9 ケーブル 10 モータ 11 ストッパー 12 中間駆動滑車

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端が各々左右のケーブルに固着されたハ
    ンガーの上に、左右に移動自在に載置された橋桁を、横
    風により橋桁が捩じれようとするときに、左右に駆動さ
    せることにより、前記橋桁を水平状に保持させることを
    特徴とする吊橋橋桁の水平保持方法。
  2. 【請求項2】一端が一方のケーブルに固着され中間が橋
    桁の下方を巻回し、他端が他方のケーブルに固着された
    ハンガーと、 前記ハンガーに沿って橋桁を移動させるために橋桁に設
    置された駆動機構と、 前記橋桁に設置された風向風速計および傾斜計と、 前記風向風速計および傾斜計とからの測定値により前記
    駆動機構を制御する制御機構と、 からなる吊橋橋桁の水平保持装置。
JP3767496A 1996-02-26 1996-02-26 吊橋橋桁の水平保持方法およびその装置 Pending JPH09228313A (ja)

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JP (1) JPH09228313A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107100090A (zh) * 2017-05-23 2017-08-29 王燏斌 一种用于悬索桥的架桥机及其施工法
CN108571061A (zh) * 2018-03-19 2018-09-25 中建三局基础设施建设投资有限公司 一种大型公共建筑悬挂式廊桥结构

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