JPH1181228A - 吊橋ダイバージェンスの防止方法及びその吊橋 - Google Patents

吊橋ダイバージェンスの防止方法及びその吊橋

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JPH1181228A
JPH1181228A JP24062697A JP24062697A JPH1181228A JP H1181228 A JPH1181228 A JP H1181228A JP 24062697 A JP24062697 A JP 24062697A JP 24062697 A JP24062697 A JP 24062697A JP H1181228 A JPH1181228 A JP H1181228A
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sag
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Shinji Kato
真志 加藤
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静的変位によるねじれ変位を積極的に利用し
て、鋼重を増加させることなく、ダイバージェンスが耐
風設計上の照査風速以内で発生しない安定な吊橋を実現
できるようにする。 【解決手段】 予め横風によって橋桁1加わる空カモー
メントの方向を解析し、風上側の桁端が頭上げとなる空
カモーメントが生ずる場合は、吊橋が建設される地域に
おける高風速の発現頻度の高い方向の側のケーブルのサ
グS3を、風下側のケーブルサグS4よりも大きく設定
して、橋桁1の水平変位に伴うねじれ変位を空カモーメ
ントとは逆の頭下げ方向に発生させることにより、空カ
モーメントを相殺させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、風力によって橋桁
に生ずるねじれ静的変形を抑制して、ダイバージェンス
を防止する吊橋ダイバージェンスの防止方法及びその吊
橋に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は吊橋に作用する風力と釣合を説明
する図で、図9(a)は変形前の状態、図9(b)は変
形後の状態を示している。図9(a)に示すように吊橋
の橋桁1は、ケーブル2とハンガー3の張力により支え
られており、風速Vの横風を受けると、水平風軸方向の
抗力D、鉛直方向の揚力L、橋桁を転倒させようとする
空カモーメントMの3種類の風荷重を受ける。
【0003】吊橋は撓み易い構造物であるため、横風を
受けると橋桁1が変形し、図9(b)に示すように有限
量の水平変位4、鉛直変位5、ねじれ角6が生じた状態
で釣合状態になる。この時、例えば水平方向の釣合に着
目すると、変形後のハンガー張力7の水平成分8と、橋
桁1の曲げ剛性による総反力が構造系の内力となり、こ
れが抗力Dと等しくなることによって釣合状態を保持し
ている。つまり、吊橋の橋桁1は、構造自体が保有して
いる剛性と、内部張力を有している部材の変形後の張力
の双方を利用し、これらを復元力として風荷重に抵抗し
ている。
【0004】構造力学的に空カモーメントによるねじれ
角を減少させる従来技術として、例えば特開平5−28
7708号公報に示されているものを挙げることができ
る。この従来技術は、これまでの吊橋においてハンガー
と橋桁との接続位置は図10に示すように橋桁上面高さ
位置11にあったが、これを空力中心の高さ位置12に
設定変更したものである。
【0005】このように、ハンガー3と橋桁1との接続
位置を空力中心の高さ位置12とすることにより、空カ
モーメントが発生するのを防止することができる。つま
り、水平風軸方向の抗力D(図10中の左側に矢印で示
す)が、空力中心高さ位置12から距離δずれた場合に
発生していたような付加モーメントDδは作用しないた
め、ねじれ角の発生を抑制できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】吊橋の耐風設計上重要
な空力不安定現象の1つにダイバージェンスがある。ダ
イバージェンスとは、図11に示すように風速Vが迎角
αで吹いた場合に、この迎角αにおける空カモーメント
MによってさらにΔαの迎角増分が生じ、このα+Δα
の迎角における空カモーメントがさらに新たな迎角増分
を生み出す結果、ねじれ変位が発散してしまう空力的不
安定現象のことである。一般の橋桁では、桁のねじれ剛
性とハンガー張力(図9の符号7参照)による復元力が
十分に大きく、耐風設計上の照査風速以内で、このよう
なダイバージェンスが生ずることはない。しかし、橋が
長くなってくると、相対的に桁のねじれ剛性が低下し、
ダイバージェンスが耐風設計上の照査風速以下で生ずる
ようになってくる(松田,樋上,宇野:超長大橋の設計
上考慮すべき対風応答と新形式橋梁の提案〜その1設計
上考慮すべき対風応答〜,土木学会第49回年次学術講
演会,平成6年9月)。そして、これに対処するために
ねじれ剛性を増加させると、鋼重が増加するという新た
な問題が発生する。
【0007】本発明の技術的課題は、静的変位によるね
じれ変位を積極的に利用して、鋼重を増加させることな
く、ダイバージェンスが耐風設計上の照査風速以内で発
生しない安定な吊橋を実現できるようにすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の吊橋
ダイバージェンスの防止方法は、少なくとも2つの主塔
に架設された2本のケーブルからハンガーを垂設し、こ
れらハンガーを介して橋桁の両側を吊下支持する吊橋に
おいて、予め横風によって橋桁に加わる空カモーメント
の方向を解析し、風上側の桁端が頭上げとなる空カモー
メントが生ずる場合は、吊橋が建設される地域における
高風速の発現頻度の高い方向の側のケーブルのサグを、
風下側のケーブルサグよりも大きく設定して、橋桁の水
平変位に伴うねじれ変位を空カモーメントとは逆の頭下
げ方向に発生させることにより、空カモーメントを相殺
させることを特徴としている。
【0009】また、本発明に係る第2の吊橋ダイバージ
ェンスの防止方法は、少なくとも2つの主塔に架設され
た2本のケーブルからハンガーを垂設し、これらハンガ
ーを介して橋桁の両側を吊下支持する吊橋において、予
め横風によって橋桁に加わる空カモーメントの方向を解
析し、風上側の桁端が頭下げとなる空カモーメントが生
ずる場合は、吊橋が建設される地域における高風速の発
現頻度の高い方向の側のケーブルのサグを、風下側のケ
ーブルサグよりも小さく設定して、橋桁の水平変位に伴
うねじれ変位を空カモーメントとは逆の頭上げ方向に発
生させることにより、空カモーメントを相殺させること
を特徴としている。
【0010】また、前記第1の吊橋ダイバージェンスの
防止方法に係る吊橋は、横風によって風上側の桁端が頭
上げとなる空カモーメントが生ずる橋桁の場合、当該吊
橋が建設される地域における高風速の発現頻度の高い方
向の側のケーブルのサグを、風下側のケーブルのサグよ
りも大きく設定したものであり、第2の吊橋ダイバージ
ェンスの防止方法に係る吊橋は、横風によって風上側の
桁端が頭下げとなる空カモーメントが生ずる橋桁の場
合、当該吊橋が建設される地域における高風速の発現頻
度の高い方向の側のケーブルのサグを、風下側のケーブ
ルのサグよりも小さく設定したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図示実施形態により本発明
を説明するが、その前に本発明の基本原理を図5乃至図
8に基づき説明する。一般的な吊橋は、図5及び図6に
示すように2本のケーブル2,2からハンガー3,3を
介して橋桁1の断面の両端を吊す形態をとっており、各
ケーブル2,2が形成する凹形懸垂曲線の下り勾配から
登り勾配の接続によってできる谷の部分であるケーブル
サグ(以下、単にサグという)の形状が、吊橋側方(図
5の図面に垂直方向)より見て同一となるように設定さ
れ、主塔11A,11Bにおけるケーブル固定位置O
A,OB間を結ぶ仮想直線上の位置Oa,Obから、垂
れ下がったケーブル2,2の最下端位置までの長さであ
るサグ長S1,S2が同一長さとなるように設定されて
いる。換言すれば、ここでいうサグ長S1,S2とは、
垂れ下がったケーブル2,2の最下端位置をとおる鉛直
線がケーブル2,2と交差する点と前記ケーブル固定位
置OA,OB間を結ぶ仮想直線と交差する点Oa,Ob
(吊橋側方より見て同一位置である)との間の距離をい
う。後述のサグ長S3,S4,S5,S6についても同
様である。
【0012】次に、このようにサグ長S1,S2が同一
長さに設定されたものにおける橋桁1の水平変位に伴う
ねじれ変形が生じる過程について図6に基づき説明する
が、ここでは説明の都合上、左右のケーブル2,2の位
置B1,b1は、それぞれ位置Oa,Obを中心とする
半径ベクトルOaB1、Obb1で描かれる軌跡上を変
位するものとし、またハンガー3,3は、橋桁1の変位
後も鉛直を保つものとする。
【0013】まず、無風時にA1であった風上の桁端が
水平方向にδ変位し、A2に達したとする。この時、ベ
クトルA1a1で示す桁は、 半径ベクトルOaB1=半径ベクトルObb1 ハンガーベクトルB1A1=ハンガーベクトルb1a1 ハンガーベクトルB1A1=ハンガーベクトルB2A2 ハンガーベクトルb1a1=ハンガーベクトルb2a2 なので、ケーブル位置B1は、半径ベクトルOaB1で
描かれる円弧上の位置B2に、またケーブル位置b1
は、半径ベクトルObb1で描かれる円弧上の位置b2
に、それぞれ変位し、桁ベクトルA1a1が水平を保ち
桁ベクトルA2a2に至る。
【0014】しかし、橋桁1には、その断面形状によっ
て、風上側の桁端を上方に上げようとするいわゆる頭上
げという空カモーメント、あるいは風上側の桁端を下方
に下げようとするいわゆる頭下げという空カモーメント
が作用するので、実際には桁ベクトルA2a2は水平を
保つことがなく、橋桁には水平変位に伴うねじれ変形が
生じる。
【0015】ところで、空カモーメントの作用が、頭上
げあるいは頭下げのいずれの方向に作用するかは、予め
風洞実験により解析されており、更に吊橋が架設される
地域における高風速の発現頻度の高い方向がいずれの方
向であるかは気象データから得ることができる。
【0016】したがって、横風(発現頻度の高い方向よ
り吹く高風速)を受けた場合、橋桁の水平変位に伴う空
カモーメントの作用によって引き起こされるねじれ変形
と逆向きにねじれ変位を生じさせることができれば、こ
の逆向きのねじれ変位によって空カモーメントを相殺さ
せることができて、空カモーメントの作用により起こる
ねじれ変形を抑制することが可能となり、ダイバージェ
ンスを防止することができる。
【0017】図7は横風(発現頻度の高い方向より吹く
高風速)により頭上げの空カモーメントが作用する橋桁
に、その水平変位に伴い頭下げ方向のねじれ変位を惹起
させる原理の説明図であり、風上側のサグ長S3が風下
側のサグ長S4よりも長くなるように各ケーブル2A,
2Bのサグを設定したものである。なお、ここでも説明
の都合上、左右のケーブル2A,2Bの位置B3,b3
は、それぞれ位置Oa,Obを中心とする半径ベクトル
OaB3、Obb3で描かれる軌跡上を変位するものと
し、またハンガー3A,3Bは、橋桁1の変位後も鉛直
を保つものとする。
【0018】まず、無風時にA3であった風上の桁端が
水平方向にδ変位してA4に達し、この時、ベクトルA
3a3で示す桁が水平を保ち破線で示すベクトルA4a
4に至ったと仮定すると、 半径ベクトルOaB3>半径ベクトルObb3 ハンガーベクトルb3a3=ハンガーベクトルb4a4 なので、右側のケーブル2Bの変位後の位置b4(破線
で示す)は、半径ベクトルObb3で描かれる円弧より
も下側にくることになる。しかし、実際にはケーブル2
Bの変位後の位置は、位置Obを中心とする半径ベクト
ルObb3で描かれる軌跡上の位置b5にあり、また風
下の桁端の位置は、位置b5の鉛直下で位置A4を中心
とする半径ベクトルA4a4で描かれる円弧上の位置a
5にあり、かつこれら変位後の右側のケーブル2Bの位
置b5と風下の桁端の位置a5は、 ハンガーベクトルb3a3=ハンガーベクトルb5a5 を満たす位置関係にあるので、桁ベクトルA4a5(想
像線で示す)は桁ベクトルA3a3(実線で示す)に対
し頭下げとなる。
【0019】したがって、横風を受けた場合、この図7
の橋桁では水平変位に伴う空カモーメントが頭上げ方向
に作用するが、この頭上げ方向の空カモーメントを、風
上側のサグ長S3を風下側のサグ長S4よりも長く設定
することにより引き起こされる逆向き(頭下げ方向)の
ねじれ変位によって相殺させ、抑制することができる。
このため、耐風設計上の照査風速以内でダイバージェン
スが発生するのを防止することができる。
【0020】図8は横風(発現頻度の高い方向より吹く
高風速)により頭下げの空カモーメントが作用する橋桁
に、その水平変位に伴い頭上げ方向のねじれ変位を惹起
させる原理の説明図であり、風上側のサグ長S5が風下
側のサグ長S6よりも短くなるなるように各ケーブル2
C,2Dのサグを設定したものである。なお、ここでも
説明の都合上、左右のケーブル2C,2Dの位置B5,
b6は、それぞれ位置Oa,Obを中心とする半径ベク
トルOaB5、Obb6で描かれる軌跡上を変位するも
のとし、またハンガー3C,3Dは、橋桁1の変位後も
鉛直を保つものとする。
【0021】まず、無風時にA5であった風上の桁端が
水平方向にδ変位してA6に達し、この時、ベクトルA
5a6で示す桁が水平を保ち破線で示すベクトルA6a
7に至ったと仮定すると、 半径ベクトルOaB5<半径ベクトルObb6 ハンガーベクトルb6a6=ハンガーベクトルb7a7 なので、右側のケーブル2Dの変位後の位置b7(破線
で示す)は、半径ベクトルObb6で描かれる円弧より
も上側にくることになる。しかし、実際にはケーブル2
Dの変位後の位置は、位置Obを中心とする半径ベクト
ルObb6で描かれる軌跡上の位置b8にあり、また風
下の桁端の位置は、位置b8の鉛直下で位置A6を中心
とする半径ベクトルA6a7で描かれる円弧上の位置a
8にあり、かつこれら変位後の右側のケーブル2Dの位
置b8と風下の桁端の位置a8は、 ハンガーベクトルb6a6=ハンガーベクトルb8a8 を満たす位置関係にあるので、桁ベクトルA6a8(想
像線で示す)は桁ベクトルA5a6(実線で示す)に対
し頭上げとなる。
【0022】したがって、横風を受けた場合、この図8
の橋桁では水平変位に伴う空カモーメントが頭下げ方向
に作用するが、この頭下げ方向の空カモーメントを、風
上側のサグ長S5を風下側のサグ長S6よりも短く設定
することにより引き起こされる逆向き(頭上げ方向)の
ねじれ変位によって相殺させ、抑制することができる。
このため、耐風設計上の照査風速以内でダイバージェン
スが発生するのを防止することができる。
【0023】図1は本発明のダイバージェンスの防止方
法を適用した吊橋の一実施形態を示す概略側面図、図2
はその正面断面図である。ここに例示する吊橋は、両端
をアンカー(図示せず)に固定され、主塔11A,11
Bに架設された2本のケーブル2A,2Bから多数のハ
ンガーを垂設し、両側のハンガー3A,3Bによって橋
桁1の両側を支持する構成であり、橋桁1の重量はハン
ガー3A,3Bを介してケーブル2A,2Bから主塔1
1A,11Bに伝えられるようになっている。また橋桁
1は、予め風洞実験によって横風(発現頻度の高い方向
より吹く高風速)に対する空カモーメントの方向が解析
され、頭上げの空カモーメントM1が作用するものであ
ることが解っている。
【0024】本実施形態では、主塔11A,11Bにお
ける風上側のケーブル2Aの固定位置OA,OBを、風
下側のケーブル2Bの固定位置OC,ODよりも高位置
に設定することにより、風上側のサグ長S3がこれと吊
橋側方よりみて同一位置となる風下側のサグ長S4より
も長くなるように各ケーブル2A,2Bのサグを設定し
ている。
【0025】このように、風上側のサグ長S3を風下側
のサグ長S4よりも長く設定することにより、前述の図
7で説明した原理に基づき、橋桁1の水平変位に伴い頭
下げ方向のねじれ変位を発生させることができる。この
ため、水平変位に伴う頭上げの空カモーメントM1を、
前記逆向き(頭下げ方向)のねじれ変位によって相殺さ
せ、抑制することができ、耐風設計上の照査風速以内で
ダイバージェンスが発生するのを防止することができ
る。
【0026】図3は本発明のダイバージェンスの防止方
法を適用した吊橋の他の実施形態を示す概略側面図、図
4はその正面断面図である。ここに例示する吊橋は、両
端をアンカー(図示せず)に固定され、主塔11A,1
1Bに架設された2本のケーブル2C,2Dから多数の
ハンガーを垂し、両側のハンガー3C,3Dによって橋
桁1Aの両側を支持する構成であり、橋桁1Aの重量は
ハンガー3C,3Dを介してケーブル2C,2Dから主
塔11A,11Bに伝えられるようになっている。また
橋桁1Aは、予め風洞実験によって横風(発現頻度の高
い方向より吹く高風速)に対する空カモーメントの方向
が解析され、頭下げの空カモーメントM2が作用するも
のであることが解っている。
【0027】この実施形態では、主塔11A,11Bに
おける風上側のケーブル2Cの固定位置と風下側のケー
ブル2Dの固定位置を、いずれも同一の高さとなる位置
OA,OBに設定してあるが、風上側のケーブル2Cの
サグ、つまり風上側のケーブル2Cが形成する凹形懸垂
曲線の勾配を、風下側のケーブル2Dのそれよりも緩や
かに設定することにより、風上側のサグ長S5がこれと
吊橋側方よりみて同一位置となる風下側のサグ長S6よ
りも長くなるように各ケーブル2C,2Dのサグを設定
している。
【0028】このように、風上側のサグ長S5を風下側
のサグ長S6よりも短く設定することにより、前述の図
8で説明した原理に基づき、橋桁1Aの水平変位に伴い
頭上げ方向のねじれ変位を発生させることができる。こ
のため、水平変位に伴う頭下げの空カモーメントM2
を、前記逆向き(頭上げ方向)のねじれ変位によって相
殺させ、抑制することができ、耐風設計上の照査風速以
内でダイバージェンスが発生するのを防止することがで
きる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、横
風による橋桁の水平変位に伴い頭上げの空カモーメント
が生ずる場合、発現頻度の高い方向より吹く高風速の風
に対して風上側となるサグ長を風下側のサグ長よりも長
く設定したので、橋桁の水平変位に伴い頭上げの空カモ
ーメントが生じても、吊橋にこの空カモーメントとは逆
の頭下げ方向のねじれ変位を発生させて、空カモーメン
トを相殺させ、これを抑制することができる。このため
鋼重を増加させることなく、耐風設計上の照査風速以内
でダイバージェンスが発生するのを防止することができ
る。
【0030】また、本発明によれば、横風による橋桁の
水平変位に伴い頭下げの空カモーメントが生ずる場合、
発現頻度の高い方向より吹く高風速の風に対して風上側
となるサグ長を風下側のサグ長よりも短く設定したの
で、橋桁の水平変位に伴い頭下げの空カモーメントが生
じても、吊橋にこの空カモーメントとは逆の頭上げ方向
のねじれ変位を発生させて、空カモーメントを相殺さ
せ、これを抑制することができる。このため鋼重を増加
させることなく、耐風設計上の照査風速以内でダイバー
ジェンスが発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイバージェンスの防止方法に係る吊
橋の一実施形態を示す概略側面図である。
【図2】図1の吊橋の正面断面図である。
【図3】本発明のダイバージェンスの防止方法に係る吊
橋の他の実施形態を示す概略側面図である。
【図4】図3の吊橋の正面断面図である。
【図5】本発明の基本原理の説明図である。
【図6】本発明の基本原理の説明図である。
【図7】本発明の基本原理の説明図である。
【図8】本発明の基本原理の説明図である。
【図9】吊橋に作用する風力と釣合の説明図である。
【図10】従来のダイバージェンスの防止方法に係る吊
橋の例を示す概略側面図である。
【図11】ダイバージェンスの発生メカニズムの説明図
である。
【符号の説明】
1,1A 橋桁 2A,2B,2C,2D ケーブル 3A,3B,3C,3D ハンガー 11A,11B 主塔 S3,S5 風上側のサグ長 S4,S6 風下側のサグ長

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの主塔に架設された2本
    のケーブルからハンガーを垂設し、これらハンガーを介
    して橋桁の両側を吊下支持する吊橋のダイバージェンス
    を防止する方法において、 予め横風によって橋桁に加わる空カモーメントの方向を
    解析し、 風上側の桁端が頭上げとなる空カモーメントが生ずる場
    合は、吊橋が建設される地域における高風速の発現頻度
    の高い方向の側のケーブルのサグを、風下側のケーブル
    サグよりも大きく設定して、橋桁の水平変位に伴うねじ
    れ変位を前記空カモーメントとは逆の頭下げ方向に発生
    させることにより、空カモーメントを相殺させることを
    特徴とする吊橋ダイバージェンスの防止方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも2つの主塔に架設された2本
    のケーブルからハンガーを垂設し、これらハンガーを介
    して橋桁の両側を吊下支持する吊橋のダイバージェンス
    を防止する方法において、 予め横風によって橋桁に加わる空カモーメントの方向を
    解析し、 風上側の桁端が頭下げとなる空カモーメントが生ずる場
    合は、吊橋が建設される地域における高風速の発現頻度
    の高い方向の側のケーブルのサグを、風下側のケーブル
    サグよりも小さく設定して、橋桁の水平変位に伴うねじ
    れ変位を前記空カモーメントとは逆の頭上げ方向に発生
    させることにより、空カモーメントを相殺させることを
    特徴とする吊橋ダイバージェンスの防止方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも2つの主塔に架設された2本
    のケーブルと、これらケーブルから垂設するハンガー
    と、ハンガーの下端に連結され、かつ横風によって風上
    側の桁端が頭上げとなる空カモーメントが生ずる橋桁と
    からなる吊橋において、 当該吊橋が建設される地域における高風速の発現頻度の
    高い方向の側のケーブルのサグを、風下側のケーブルの
    サグよりも大きく設定したことを特徴とする吊橋。
  4. 【請求項4】 少なくとも2つの主塔に架設された2本
    のケーブルと、これらケーブルから垂設するハンガー
    と、これらハンガーの下端に連結され、かつ横風によっ
    て風上側の桁端が頭下げとなる空カモーメントが生ずる
    橋桁とからなる吊橋において、 当該吊橋が建設される地域における高風速の発現頻度の
    高い方向の側のケーブルのサグを、風下側のケーブルの
    サグよりも小さく設定したことを特徴とする吊橋。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103900785A (zh) * 2014-04-14 2014-07-02 东南大学 一种确定大跨桥梁结构主梁横向动位移的方法
CN103900784A (zh) * 2014-04-14 2014-07-02 东南大学 一种确定大跨桥梁结构主梁横向静位移的方法
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