JPH09228242A - 抗菌性繊維材料 - Google Patents

抗菌性繊維材料

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JPH09228242A
JPH09228242A JP8089853A JP8985396A JPH09228242A JP H09228242 A JPH09228242 A JP H09228242A JP 8089853 A JP8089853 A JP 8089853A JP 8985396 A JP8985396 A JP 8985396A JP H09228242 A JPH09228242 A JP H09228242A
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antibacterial
fiber material
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Takashi Umeda
隆 梅田
Kotoe Hirose
琴恵 廣瀬
Harukuni Kishioka
晴邦 岸岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、吸水性を低下させる事が無
く、繰り返し洗濯後も抗菌効力を十分保持している抗菌
性繊維材料を提供するにある。 【構成】繊維材料の表面に、有機フォスフォン酸または
その塩と、抗菌性を有する水溶性のカチオン系ポリマー
より選ばれる少なくとも一種を成分とするコンプレック
スを吸着せしめてなる抗菌性繊維材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繰り返し洗濯後も抗菌
性が十分保持される抗菌性繊維材料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその問題点】繊維材料に耐洗濯性のある
抗菌性を付与する方法として、セルロースに対して反応
性のある有機シリコン系四級アンモニウム塩を用いる方
法が良く知られている。この有機シリコン系四級アンモ
ニウム塩はセルロースの第一級水酸基に化学結合するこ
とが出来る為、セルロース繊維材料に対して耐洗濯性の
ある抗菌性を付与することが可能である。しかしながら
水酸基の無い合成繊維などに対しては耐洗濯性のある抗
菌性を付与することは極めて困難である。また該薬剤を
用いて処理した繊維材料は一般に撥水性が大きくなり、
その為水分を吸収する能力(吸水性)が低下する欠点が
指摘されている。
【0003】その他の薬剤としてポリヘキサメチレンビ
グアニジン塩酸塩やクロルヘキシジングルコン酸塩など
が知られている。ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸
塩やクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて繊維材料を
処理した場合、被処理物に対して吸水性を低下させるこ
とは無いが、耐洗濯性のある抗菌性を被処理物に付与す
ることは、通常の方法では困難である。その他、抗菌性
を有する水溶性のカチオン系化合物や両性化合物あるい
はカチオン系ポリマーを用いて繊維材料を処理しても、
矢張り耐洗濯性のある抗菌性を繊維材料に付与するのは
困難である。
【0004】またシアノグアニジンとポリアルキレンポ
リアミンの縮合反応物を用いた場合、かなりの程度耐洗
濯性が向上するが、洗濯回数が増えるに伴い該化合物が
繊維上より徐々に脱落するため抗菌効力が次第に低下す
る傾向にあるので、30回の繰り返し洗濯後は抗菌効力
が無くなる事がわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況のもとで天然繊維材料及び合成繊維材料において、
吸水性を低下させる事がなく、繰り返し洗濯後も抗菌性
が十分保持される抗菌性繊維材料を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機フォスフ
ォン酸またはその塩を含有する水溶液と、抗菌性を有す
るカチオン系ポリマーの水溶液を混合した時生じる水不
溶性のコンプレックス(複合体)が特異的に天然および
合成繊維材料に対して極めて大きな親和性を有し、容易
に繊維表面に吸着固定され、洗濯によっても脱落せず、
しかも抗菌性能も十分保持している事を見出し完成し
た。
【0007】本発明は次の構成からなっている。すなわ
ち繊維材料の表面に、有機フォスフォン酸またはその塩
と、抗菌性を有する水溶性のカチオン系ポリマーより選
ばれる少なくとも一種を成分とするコンプレックスを吸
着せしめてなる抗菌性繊維材料である。
【0008】本発明における抗菌性を有する水溶性のカ
チオン系ポリマーとしては、ジアリルジメチルアンモニ
ウム塩の重合体、ジアリルジメチルアンモニウム塩とそ
の他の重合性モノマーとの共重合体、ポリ[(ジメチル
イミノ)−2−ヒドロキシプロピレンクロライド]、ポ
リ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメ
チルイミノ)エチレンジクロライド]、ポリ[オキシエ
チレン(ジメチルイミノ)ヒドロキシプロピレン(ジメ
チルイミノ)エチレンジクロライド]、ポリ[2−ヒド
ロキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジメチル
イミノ)メチレンジクロライド]、N−メタクリロイル
オキシエチル−N,N,N−トリアルキルアンモニウム
塩の重合体、N−メタクリロイルオキシエチル−N,
N,N−トリアルキルアンモニウム塩とその他の重合性
モノマーとの重合体、N−アクリロイルオキシエチル−
N,N,N−トリアルキルアンモニウム塩の共重合体、
N−アクリロイルオキシエチル−N,N,N−トリアル
キルアンモニウム塩とその他の重合性モノマーとの共重
合体、ジアリルアミン塩の重合体、ジアリルアミン塩と
その他の重合性モノマーとの共重合体、ポリアリルアミ
ン塩、ポリビニルアミン塩、ポリエチレンイミン塩など
が挙げられる。
【0009】上記重合性モノマーとしては、アクリル系
モノマー、メタクリル系モノマー、ビニル系モノマー、
ジアリル系モノマー、二酸化硫黄等から選ばれるが、こ
れ等に限定されるものではない。
【0010】有機フォスフォン酸としては、アミノトリ
(メチレンフォスフォン酸)、エチレンジアミンテトラ
(メチレンフォスフォン酸)、ジエチレントリアミンペ
ンタ(メチレンフォスフォン酸)、1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジフォスフォン酸などが挙げられる。
【0011】本発明の対象になる繊維材料としては、セ
ルロース繊維、天然ポリアミド繊維などの天然繊維材料
および、ポリエステル繊維、合成ポリアミド繊維、アク
リル系繊維或いはポリオレフィン系繊維等の合成繊維材
料が挙げられる。
【0012】抗菌性繊維材料を製造する方法としては、
浸漬法、吸尽法、スプレー法など従来の方法で製造され
る。吸尽法に於いては合成繊維材料に対して従来よりは
るかに高い薬剤吸着率が得られるので、容易に優れた抗
菌性繊維材料が製造出来る。
【0013】以下に抗菌性繊維材料の製造法の例を示
す。 (1)有機フォスフォン酸またはその塩と上記カチオン
系ポリマーを成分とするコンプレックスを0.01〜1
0.0%含有する水性分散液を用いて繊維材料を浸漬
法、吸尽法或いはスプレー法などで処理し必要に応じて
水洗し乾燥する。
【0014】(2)上記カチオン系ポリマーを0.05
〜10%含有する水溶液で繊維材料を浸漬法、あるいは
スプレー法などで処理し必要に応じ乾燥する。次いで有
機フォスフォン酸またはその塩を0.05〜10%含有
する水溶液で浸漬法、スプレー法などで再度処理し乾燥
する。必要に応じて水洗、熱処理などを行なっても良
い。或いは有機フォスフォン酸またはその塩による処理
を先にするなど、処理の順序を逆にしても差し支えな
い。こうして、耐洗濯性良好な抗菌性繊維が製造でき
る。
【0015】吸尽法で処理する場合は、処理液の温度は
通常、常温乃至130℃で、処理時間は通常5分〜60
分間で十分である。処理液のpHは通常3〜10の範囲
であるがpHが低い時はコンプレックスが生成し難いの
で、通常pH5以上が望ましい。乾燥温度は、通常50
〜150℃で格別制限は無い。必要に応じてその後に熱
処理をしても良い。熱処理温度は通常120〜180℃
で処理時間は30秒〜30分間である。
【0016】本発明におけるコンプレックスの吸着量は
通常、繊維重量部に対して0.05〜10%で好ましい
のは通常0.1〜5.0%の範囲である。この範囲より
少ないと十分な抗菌効力は発揮されないし、過剰に吸着
させても何ら益はない。
【0017】有機フォスフォン酸またはその塩を用いる
替わりに、その他の陰イオン性界面活性剤、例えばラウ
リル硫酸ソーダ、高級アルコール硫酸ソーダ、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ、アルキルナフタレンスルホ
ン酸ソーダ、ジアルキルスルホ琥珀酸ソーダ、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸ソーダ、ナフタレンス
ルホン酸ホルマリン縮合物のソーダ塩、ポリカルボン酸
ソーダなどを用いた場合は所期の効果を発現させる事は
出来ない。
【0018】すなわち上記陰イオン性界面活性剤と、本
発明におけるカチオン系ポリマーを成分とするコンプレ
ックスは、既に抗菌性能が殆ど失われている。したがっ
て該コンプレックスを吸着せしめた繊維材料に抗菌効力
を発現させる事は出来ない。また該コンプレックスの水
性分散液は安定性が不良であるので、直ちに沈殿してし
まう為繊維材料に処理する場合は困難を伴う。更に該コ
ンプレックスの繊維材料に対する親和性も大きくないの
で、繊維材料に吸着されたコンプレックスは繰り返し洗
濯により脱落し易い。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0020】実施例1 ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドの0.2
5%水溶液を調製する。ここへジエチレントリアミンペ
ンタ(メチレンフォスフォン酸)の7ソーダ塩を、0.
25%添加し攪拌すると液は白濁してコンプレックスが
生成するのがわかる。アクリルモスリンおよびポリエス
テルジャージをこの水性分散液に浸漬して絞り率100
%で絞り120℃で3分間乾燥し、140℃で、90秒
間熱処理して抗菌性繊維材料を得た。それぞれを抗菌試
験用試験布とし、抗菌性試験を行った。結果を表1およ
び表2に示す。
【0021】実施例2 ポリジアリルアミン塩酸塩の0.25%水溶液を調製す
る。これにアミノトリ(メチレンフォスフオン酸)の5
ソーダ塩を0.25%添加し、蟻酸でpHを5〜6に調
製すると安定なコンプレックスの水性分散液が生成す
る。アクリルモスリンおよびポリエステルジャージをこ
の水性分散液に浸漬し、絞り率100%で絞り120℃
で3分間乾燥し、140℃で、90秒間熱処理して抗菌
性繊維材料を得た。それぞれを抗菌試験用試験布とし抗
菌性試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
【0022】実施例3 ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)エチレン(ジ
メチルイミノ)エチレンジクロライド]の0.5%水溶
液を調製する。ここへジエチレントリアミンペンタ(メ
チレンフォスフォン酸)の7ソーダ塩を0.25%添加
し攪拌するとコンプレックスが生成して液は白濁する。
アクリルモスリンおよびポリエステルジャージをこの水
性分散液に浸漬し、絞り率100%で絞り120℃で3
分間乾燥て更に140℃で、90秒間熱処理して抗菌性
繊維材料を得た。それぞれを抗菌試験用試験布とし抗菌
性試験を行った。その結果を表1および表2に示す。
【0023】比較例として以下の薬剤を用いて同様に同
じ繊維材料を処理した。 (比較例1)ポリジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イドの0.25%水溶液 (比較例2)ポリジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イドとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ塩を0.25
%ずつ含有する水性分散液(分散液の安定性は不良でコ
ンプレックスが沈降し易い為よく攪拌しながら使用す
る)、 (比較例3)ポリジアリルアミン塩酸塩の0.25%水
溶液、 (比較例4)ポリジアリルアミン塩酸塩とポリオキシエ
チレンラウリル硫酸ソーーダ塩を0.25%ずつ含有す
る水性分散液(分散液の安定性不良ででコンプレックス
が沈降し易い為よく攪拌しながら使用する)、 (比較例5)3−(メトキシシリル)プロピルオクタデ
シルジメチルアンモニウムクロライドの0.5%水溶
液、を用いてそれぞれ同様に処理した、アクリルモスリ
ンおよびポリエステルジャージ処理布を比較試験用試験
布とし比較試験を行った。
【0024】洗濯方法 家庭用洗濯機を用い、洗剤としてモノゲンユニ(プロク
ターアンドギャンブル社製)1.5グラム/リットルを
含有する約40℃の水中で5分間洗濯後、2分間濯ぎを
行い、脱水、乾燥する。これを1回として同様の操作を
30回繰り返し行った。
【0025】抗菌性試験方法 繊維製品衛生加工協議会の評価試験法に準じて、菌数測
定法を実施した。試験菌として黄色ブドウ球菌(IFO
12732)を用いた。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】この結果より、本発明におけるカチオン系
ポリマーと有機フォスフォン酸塩のコンプレックスを含
有する水性分散液で処理し、該コンプレックスを吸着せ
しめた繊維材料は、比較例の各処理液で処理して得られ
た繊維材料より著しく耐洗濯性のある抗菌性能を有して
いることがわかる。
【0029】実施例4 ポリジアリルアミン塩酸塩と、エチレンジアミンテトラ
(メチレンフォスフォン酸)の5ソーダ塩を等量混合
し、各薬剤0.5%ずつ含有するコンプレックスの水性
分散液を調製する。この液200グラムを用いて、ナイ
ロンジャージ及びポリエステルジャージの各10グラム
を40℃で30分間吸尽処理する。液の白濁が消えてコ
ンプレックスが完全に繊維材料に吸着されたことが観察
される。処理が終わったら水洗し乾燥し、抗菌性繊維材
料を得た。それぞれを抗菌試験用試験布とし抗菌性試験
を行った。結果を表3および表4に示す。
【0030】実施例5 アミノトリ(メチレンフォスフォン酸)の5ソーダ塩と
ポリ[(ジメチルイミノ)−2−ヒドロキシプロピレン
クロライド]を等量混合し、各薬剤0.025%含有す
るコンプレックスの水分散液を調製し、蟻酸でpHを6
〜7に調整する。この液200グラムを用いて、ナイロ
ンジャージ及びポリエステルジャージの各10グラムを
40℃で30分間吸尽処理する。液の白濁が消えてコン
プレックスが完全に繊維材料に吸着されたことが観察さ
れる。処理が終わったら水洗し乾燥し、抗菌性繊維材料
を得た。それぞれを用いて抗菌性試験を行った。結果を
表3および表4に示す。
【0031】実施例6 アミノトリ(メチレンフォスフォン酸)の5ソーダ塩と
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドを等量混
合し、各薬剤0.025%含有するコンプレックスの水
性分散液を調製し、蟻酸でpHを6〜7に調整する。こ
の液200グラムを用いて、ナイロンジャージ及びポリ
エステルジャージの各10グラムを40℃で30分間吸
尽処理する。液の白濁が消えてコンプレックスが完全に
繊維材料に吸着されたことが観察される。処理が終わっ
たら水洗し乾燥し、抗菌性繊維材料を得た。それぞれを
用いて抗菌性試験を行った結果を表3および表4に示
す。
【0032】比較例として (比較例6)ポリジアリルアミン塩酸塩の0.5%水溶
液、 (比較例7)ポリジアリルアミン塩酸塩とポリオキシエ
チレンラウリル硫酸ソーダを0.5%ずつ含有するコン
プレックスの水性分散液(分散液の安定性不良)、 (比較例8)ポリ[(ジメチルイミノ)−2−ヒドロキ
シプロピレンクロライド]の0.25%水溶液、 (比較例9)ポリ[(ジメチルイミノ)−2−ヒドロキ
シプロピレンクロライド]とドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダを0.25%ずつ含有するコンプレックスの水
性分散液(分散液の安定性不良)、 (比較例10)3−(メトキシシリル)プロピルオクタ
デシルジメチルアンモニウムクロライドの0.5%水溶
液 を用いて同様に処理したナイロンおよびポリエステルジ
ャージ処理布を比較試験用試験布とし、これらを用いて
比較試験を行った。結果を表3、表4に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】この結果より、本発明におけるカチオン系
ポリマーと有機フォスフォン酸塩を成分とするコンプレ
ックスを含有する水性分散液で吸尽処理し吸着せしめた
繊維材料は、比較例の各処理液で処理された繊維材料に
比べて初期の抗菌効力および抗菌効力の耐洗濯性におい
て極めて優れている事がわかる。
【0036】実施例7 エチレンジアミンテトラ(メチレンフォスフォン酸)の
5ソーダ塩とポリエチレンイミン塩酸塩を等量混合し、
各薬剤0.025%を含有する両者のコンプレックスの
水性分散液を調製する。この液200グラムを用いて、
ウールサージ及びアクリルモスリン各10グラムを60
℃で30分間振盪して吸尽処理する。液の白濁が消えて
コンプレックスが完全に繊維材料に吸着されたことが観
察される。処理が終わったら水洗し120℃で乾燥し抗
菌性繊維材料を得た。それぞれを抗菌試験用試験布とし
抗菌性試験を行った。結果を表5および表6に示す。
【0037】実施例8 エチレンジアミンテトラ(メチレンフォスフォン酸)の
5ソーダ塩とポリジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イドを等量混合し、各薬剤0.025%ずつ含有する両
者のコンプレックスの水性分散液を調製する。この液2
00グラムを用いて、ウールサージ及びアクリルモスリ
ン各10グラムを60℃で30分間振盪して吸尽処理す
る。液の白濁が消えてコンプレックスが完全に繊維材料
に吸着されたことが観察される。処理が終わったら水洗
し120℃で乾燥し抗菌性繊維材料を得た。それぞれを
抗菌試験用試験布とし抗菌性試験を行った。結果を表5
および表6に示す。
【0038】実施例9 エチレンジアミンテトラ(メチレンフォスフォン酸)の
5ソーダ塩とポリジアリルアミン塩酸塩を等量混合し、
各薬剤0.025%ずつ含有する両者のコンプレックス
の水性分散液を調製する。この液200グラムを用い
て、ウールサージおよびアクリルモスリン各10グラム
を60℃で30分間振盪して吸尽処理する。液の白濁が
消えてコンプレックスが完全に繊維材料に吸着されたこ
とが観察される。処理が終わったら水洗し120℃で乾
燥し抗菌性繊維材料を得た。それぞれを菌試験用試験布
とし抗菌性試験を行った。結果を表5および表6に示
す。
【0039】実施例10 エチレンジアミンテトラ(メチレンフォスフォン酸)の
5ソーダ塩とポリ[オキシエチレン(ジメチルイミノ)
エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライド]を
等量混合し、各薬剤0.025%ずつ含有する両者のコ
ンプレックスの水性分散液を調製する。この液200グ
ラムを用いて、ウールサージ及びアクリルモスリン各1
0グラムを60℃で30分間振盪して吸尽処理する。液
の白濁が消えてコンプレックスが完全に繊維材料に吸着
されたことが観察される。処理が終わったら水洗し12
0℃で乾燥し抗菌性繊維材料を得た。それぞれを抗菌試
験用試験布とし抗菌性試験を行った。結果を表5および
表6に示す。
【0040】比較例として (比較例9)ポリエチレンイミン塩酸塩の0.025%
水溶液、 (比較例10)ポリジアリルジメチルアンモニウムクロ
ライドとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを0.02
5%ずつ含有するコンプレックスの水性分散液(分散液
の安定性は不良)、 (比較例11)ポリジアリルアミン塩酸塩およびポリオ
キシエチレンラウリル硫酸ソーダを0.025%ずつ含
有する水性分散液(分散液の安定性は不良)、 (比較例12)ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミ
ノ)エチレン(ジメチルイミノ)エチレンジクロライ
ド]とナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のソーダ
塩を0.025%ずつ含有する水性分散液(分散液の安
定性は不良)を用いて同様に処理したウールサージ及び
アクリルモスリン処理布を比較試験用試験布とし、これ
らを用いて抗菌試験を行った。結果を表5、表6に示
す。
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】この結果より、本発明におけるコンプレッ
クスを含有する水性分散液でウール及びアクリル繊維材
料を吸尽法にて処理した場合、該コンプレックスは完全
に繊維材料に吸着されて、繰り返し洗濯後も抗菌効力が
保持された優れた抗菌性繊維材料が製造できるのに対し
て、比較例の各処理液を用いて処理された繊維材料は、
初期および洗濯後の抗菌性能が著しく劣る事がわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明におけるコンプレックスを吸着せ
しめた天然および合成繊維材料は、吸水性の低下が無く
優れた抗菌効力を有しており、30回の繰り返し洗濯後
も十分な抗菌効力が保持される。またこの抗菌性繊維材
料の製造方法は簡単であり、従来の浸漬法、吸尽法、ス
プレー法などで製造出来る。該コンプレックスの繊維材
料に対する親和性が高いので、吸尽法でも従来に比べ極
めて抗菌効力の優れた抗菌性繊維材料が製造出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維材料の表面に、有機フォスフォン酸ま
    たはその塩と、抗菌性を有する水溶性のカチオン系ポリ
    マーより選ばれる少なくとも一種を成分とするコンプレ
    ックスを吸着せしめてなる抗菌性繊維材料。
JP8089853A 1996-02-29 1996-02-29 抗菌性繊維材料 Pending JPH09228242A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001074167A1 (fr) * 2000-03-31 2001-10-11 Nicca Chemical Co., Ltd. Agent antibacterien destine a des fibres, et produit textile antibacterien
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