JPH09227958A - 無端移動型焼結機の操業方法および高品質焼結鉱 - Google Patents

無端移動型焼結機の操業方法および高品質焼結鉱

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JPH09227958A
JPH09227958A JP3824896A JP3824896A JPH09227958A JP H09227958 A JPH09227958 A JP H09227958A JP 3824896 A JP3824896 A JP 3824896A JP 3824896 A JP3824896 A JP 3824896A JP H09227958 A JPH09227958 A JP H09227958A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無端移動型焼結機で生産性及び成品品質を確
保するための空気への酸素富化率、循環排ガス中酸素含
有量および排ガスの循環率の適正条件を求める。 【解決手段】 酸素富化空気(3) 中の酸素と循環排ガス
(4) 中の酸素とを異なった含有量に調整し、且つ、酸素
富化空気(3) と前記循環排ガス(4) とを焼結機10の異な
った領域(No.2,No.3) に吹き込む。空気の酸素富化率を
4vol.% 未満、且つ循環排ガス中の酸素含有量を15vo
l.% 以上に設定するとよい。また、焼結機10へ装入され
た原料層上部の炭材含有率を大きく、原料層下部の炭材
含有率を小さくする。 【効果】 生産性を確保し、排ガスを安価に処理し、且
つ高品質の焼結鉱を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、広くは金属産業
において、粉状原料を無端移動床型火格子式焼結機を用
いて塊成化し、製錬工程に適した原料を製造する焼結機
の操業方法に関するものであり、特に粉状鉄鉱石を焼結
する際、焼結用空気に酸素を富化し、且つ排出ガスの一
部を循環使用して生産性を維持しながら、系外に排出す
る有害ガスおよび粉塵の総量を抑制する上記焼結機の操
業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無端移動床型火格子式焼結機(以下「焼
結機」という)で塊成鉱(以下「焼結鉱」という)を製
造する場合、粉状鉄鉱石中に配合された微粉コークスを
主とした固体燃料(以下「粉コークス」という)を燃焼
させ、この燃焼熱により粉鉱石を焼き固める操作が焼結
技術の基本となっている。この際、焼結層を通過した空
気は集塵機で除塵された後、排風機により吸引され排ガ
スとなり系外に排出される。一般にこの排ガスには
2 、O2 、CO2 およびCOの他に、僅かではあるが
SOX およびNOX 等の有害ガスが含まれている。更
に、焼結層から発生した微粉粉塵は集塵機を通過する際
に除塵はされるものの完全ではなく、一部は排ガスと共
に系外に排出される。そこで、一貫製鉄所においては焼
結工程よりの粉塵、有害排ガスの排出管理が重要視され
ており各種の検討がなされている。
【0003】例えば特開平5−43951号公報は、焼
結機からの排ガスの一部を再度焼結機に循環した後に系
外に排出する、排ガスおよび粉塵の総量を削減しようと
する下記操業方法(以下、「先行技術1」という)を開
示している。
【0004】図7は、先行技術1に示された焼結機の操
業方法を説明する装置の概略図である。先行技術1の要
旨は、同図において焼結炉の点火炉域2および後部域3
のウインドボックスからの排ガスを循環使用するもので
あり、点火炉2域からの排ガスは焼結機の中後部4に、
そして、後部域3からの排ガスは点火炉2の後の焼結機
の前部9にそれぞれ循環使用すると共に、各循環される
排ガス中の酸素濃度を18vol.% 以上とする焼結操業方
法にある。
【0005】また、特開平5−247546号公報は、
焼結機からの排ガスの一部分にはO 2 を富化させ循環排
ガスとして使用し、焼結機からの上記排ガスの他の部分
は焼結機系外へ排出する焼結機の操業方法において、焼
結機系外へ排出する排ガスの流量としては、焼結機系内
から新たに生成するガス流量と、焼結機系外から入るす
べてのガス流量との和から、焼結によって消費されたO
2 ガス流量値を差し引いた流量に相当する値の排ガスと
し、しかも、上記循環排ガス中のO2 濃度を最大24vo
l.% までO2 を富化させて焼結層に流入させ、空気吹込
みは行なわない焼結機の操業方法(以下、「先行技術
2」という)を開示している。そして、先行技術1と同
様、系外に排出する排ガスと粉塵の総量を抑制する焼結
操業が可能であるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術は、
排ガスの一部循環を行うことによって焼結鉱製造過程で
系外に排出する有害ガスおよび粉塵の総量を減少させる
ことが可能であるという利点を有する。しかしながら上
述した先行技術には、次のような問題がある。
【0007】先行技術1では、排ガス循環に際し循環排
ガス中の酸素濃度を18vol.% 以上と限定している。こ
れは酸素濃度が18vol.% 未満では焼結層内の固体燃料
が安定かつ速やかに燃焼せず、ひいては焼結鉱の生産性
および歩留まりを悪化させることを意味している。従っ
て、焼結鉱の高生産性および高歩留まりを指向するよう
な操業時には、循環排ガス中の酸素濃度が18vol.% 未
満では対応が甚だ困難であるが、先行技術1のように焼
結機の全領域に循環排ガスを吹き込む場合はその酸素濃
度がたとえ18vol.% 以上であっても対応としては未だ
かなり不十分である。
【0008】先行技術2は、先行技術1において問題と
なった課題を解決すべく、循環排ガスの酸素含有量を最
大24vol.% まで富化することにより生産性悪化を抑制
する技術となっている。確かに先行技術2により焼結原
料中のコークスの燃焼性は酸素富化に見合った分だけ改
善され、焼結鉱の生産性および歩留まりの悪化は抑制さ
れる。しかしながらこのように、酸素含有量の低い循環
排ガス全体に酸素を供給し酸素濃度を確保するという方
法では、酸素の供給量が増加し経済性の面からは必ずし
も望ましい方法とは言えない。
【0009】従って、この発明の目的は、従来とは異な
った方法で酸素富化と排ガス循環とを組み合わせること
により上述した問題を解決して、排ガスおよび粉塵とも
にその総量を抑制しつつ焼結鉱製造時の生産性および歩
留まりを確保することができる焼結機の操業方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】焼結鉱の製造は、焼結原
料中に配合された粉コークスの燃焼熱による粉鉱石の溶
融と、吸引排風機によって表層部から焼結層に供給され
る常温空気による溶融焼結鉱層の冷却との調和で成り立
っている。通常、生産性を維持しながら高強度の焼結鉱
を製造するためには、焼結層内において1100℃以上
の高温域を4〜5分以上維持することが必要である。こ
のため、この調和が崩れるような焼結操業法、例えば吸
引空気中の酸素含有量が減少してコークスの燃焼速度が
遅れる場合、或いは吸引空気が過剰または過小であるた
め溶融焼結層の冷却が適正でない場合には、焼結鉱の生
産性および歩留まりは悪化する。更には、焼結機で焼結
鉱を製造する場合のように焼結作用が焼結層内の上部か
ら下部に向かって進むような場合、焼結層形成の熱的適
正条件は焼結層内部の各位置によって異なる。一般に
は、焼結層上部では常温空気の持ち込み顕熱により冷却
比率がコークスの燃焼熱比率より高く強度不足になり、
また下層部ではこの傾向が逆転して焼結速度遅延による
焼結層形成の遅れが発生し易い。
【0011】この発明の焼結機の操業方法は、焼結特有
の上記現象を考慮しつつ、上述した先行技術の問題点を
解決したものであり、無端移動型焼結機からの排ガスの
少なくとも一部を循環させる無端移動型焼結機の操業方
法において、酸素富化空気中の酸素と循環排ガス中の酸
素とを異なった含有量に調整し、且つ、酸素富化空気と
循環排ガスとを、それぞれ無端移動型焼結機の異なった
領域に吹き込むことに特徴を有するものである。ここ
で、空気の酸素富化率を4vol.% 未満(酸素富化しない
場合を含む)とし、且つ、循環排ガス中の酸素含有量を
15vol.% 以上に設定することが望ましい。上記方法に
おいて、更に、無端移動型焼結機へ装入された原料層上
部の炭材含有率を大きく、そして原料層下部の炭材含有
率を小さくすれば一層よい。
【0012】また、この発明の高品質焼結鉱は、無端移
動型焼結機により製造される焼結鉱において、酸素富化
空気中の酸素と循環排ガス中の酸素とを異なった含有量
に調整し、且つ、酸素富化空気と循環排ガスとを、それ
ぞれ無端移動型焼結機の異なった領域に吹き込むことに
より得られる焼結鉱であって、その強度(TI+10mm
が65%超え、還元率(RI)が65%超え、且つ、還
元粉化率(RDI)が45%未満である品質特性を有す
ることに特徴を有するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図1は、この発明の一つの実施態様を
説明する無端移動型焼結機の概略構成図である。図1に
おいて、10は無端移動床型焼結機本体(以下、「焼結
機本体」という)であり無端移動床型火格子(以下、
「火格子」という)11とウィンドボックス12とから
なっている。焼結原料供給槽1から火格子11へ装入さ
れた粉状の焼結原料は、点火炉2で着火された後、上方
の酸素富化供給フード8および排ガス吹込みフード9か
ら供給されるガス、並びに漏引された空気の作用を受け
ると共に、焼結原料層から出てくる排ガスが下部のウィ
ンドボックス12により下方に吸引・排風され、そして
焼結が完了して排鉱される。なお、ここでは火格子11
を図1に示すように、原料装入側から排鉱側に向かって
順に原料装入領域、No.1領域(点火領域)、No.2領
域およびNo.3領域に区分する。
【0014】先ず、焼結の生産性を向上させるために空
気に酸素富化を行なう。この酸素富化は、No.2領域に
示す焼結前部の領域に吹き込む空気に対してのみ行なう
ものであり、酸素富化空気は酸素富化空気ライン3を経
て酸素富化空気供給フード8から焼結層に吹き込む。こ
のNo.2領域は、焼成有効グレート面積(No.1+No.
2+No.3の領域)から点火領域(No.1の領域)を差
し引いた領域(No.2+No.3の領域)に対して前部に
占める70%ないしこれ以下とする。これにより焼結機
の前部で空気に酸素富化をした分に応じて焼結速度が向
上し、焼結原料中の焼結面の降下が速くなる。また、酸
素富化率は4vol.% 未満(酸素富化しない場合を含む)
とする。
【0015】一方、No.3領域の比率は、No.2+No.
3の領域に対して後部に占める30%ないしこれより多
くし、No.3領域には、循環排ガスを吹き込む。そし
て、循環排ガスとしては、No.2およびNo.3領域から
吸引した排ガスを所定の割合で混合したものの一部を循
環させて用いるものとし、循環排ガスの使用量は、No.
1領域(点火領域)、No.2領域およびNo.3領域から
排風される全排ガス量に対する所定割合(以下、「排ガ
ス循環率」という)の排ガスの量とする。ここで、No.
2とNo.3からの排ガスの適正な混合割合、および、循
環排ガスの適正な使用量は、No.2およびとNo.3の各
排ガス中の酸素濃度および温度を考慮して所定の酸素含
有量および温度の循環排ガスを得ること、および生産率
等の操業条件に応じて決める。
【0016】なお、上記No.2領域のグレート面積とN
o.3領域のグレート面積との適正な比率は、コークスの
燃焼条件および生産性を考慮してきめるべきである。こ
の発明において空気への酸素富化率、並びに、循環排ガ
スの温度および酸素含有量を上述した通り限定した理由
について述べる。
【0017】本発明者等は、上述した実施態様に基づき
焼結鉱の製造試験を行なった。空気への酸素富化率、循
環排ガス中の酸素含有量および循環排ガスの温度を変化
させた試験を行ない、各種の操業試験特性を測定した。
【0018】先ず、空気に酸素を富化すると、粉コーク
スの燃焼速度が速くなり焼結速度が向上する。図2およ
び3に、空気への酸素富化率の上昇に伴う焼結時間の短
縮結果を示す。
【0019】図2は、酸素富化をしない通常の空気(O
2 含有量:21vol.% )を燃焼用ガスとして用いた場
合、そして、図3は、空気に9vol.% の酸素富化をしO
2 含有量を30vol.% にした燃焼用ガスを用いた場合で
あって、各図中上段は焼結時間と焼結中焼結鉱の上層
部、中層部および下層部各部の水分および粉コークスの
反応率との関係を示し、また各図中下段は焼結時間と焼
結中焼結鉱の上層部、中層部および下層部の温度推移お
よび焼成ガスの流速(空塔速度)との関係を示すグラフ
である。
【0020】図2および3より、酸素富化率の上昇に伴
い焼結時間が短縮し焼結鉱の生産率(以下、焼結面積1
2 、1時間当たりの焼結鉱生産トン数、単位:t/m
2 hで表わす)が向上していることがわかる。
【0021】次に、酸素富化率を変化させ酸素富化空気
中のO2 含有量を変化させて焼結操業を行なった場合の
試験結果を図4に示す。図4は、酸素富化空気中のO2
含有量と、焼結鉱の生産率、生産率改善率、焼結中焼結
鉱の上層部、中層部および下層部での最高温度および1
100℃以上の温度での保持時間、並びに、焼結時間と
の関係を示すグラフである。
【0022】図4より、下記事項が明らかである。空気
への酸素富化により焼結鉱の生産率が向上する。しかし
ながら、生産率の向上度合いはO2 含有量の上昇につれ
て減少する。これは酸素富化率が高くなり余りにもコー
クスの燃焼速度が速くなると、焼結層内の冷却開始時期
が早まるために、適正な焼結組織形成に必要な1100
℃以上の高温に保持されるべき時間が短かくなることに
起因する。このため、No.2領域に吹き込む空気の酸素
富化率の上限は4vol.% 未満とすることが望ましく、4
vol.% 以上では生産率向上への寄与が小さいだけでなく
焼結組織形成が不完全となり、焼結鉱の歩留まりの悪化
につながることを焼結操業から知見した。
【0023】次に、No.3領域への循環排ガスの適正な
吹込み条件について説明する。図5は、焼結機本体のN
o.3領域へ吹き込む循環排ガス中のO2 含有量と、焼結
が進行中の焼結鉱の上層部、中層部および下層部各部の
最高温度および当該各部が1100℃以上の高温に保持
された時間との関係を示すグラフである。なお、循環排
ガスの温度は20℃、焼結原料中コークス比は3.0w
t.%で一定である。また、同図中には、No.3領域への
吹込みガスとして通常の空気を使用した通常操業時の焼
結鉱上層部、中層部および下層部の試験結果を●、▲、
■でプロットした。
【0024】図5より、循環排ガス中の酸素含有量が減
少するにつれて、原料中コークスの燃焼速度が遅くなる
ために焼結組織形成に必要な温度が確保されず低下する
ことがわかる。その結果、焼結鉱の歩留まりが悪化す
る。ここで、焼結鉱の歩留りを確保するためには循環排
ガス中の酸素含有量は15vol.% 以上必要であることを
焼結操業で知見した。
【0025】図6は、焼結機本体のNo.3領域へ吹き込
む循環排ガスの温度と、焼結が進行中の焼結鉱の上層
部、中層部および下層部各部の温度が1100℃以上の
高温に保持されている時間との関係を示すグラフであ
る。なお、循環排ガス中のO2 含有量は15vol.% 、焼
結原料中コークス比は3.0wt.%で一定である。
【0026】図6より、循環排ガス温度が高くなると焼
結層への持ち込み顕熱が相対的に増加して焼結層の冷却
が遅れて高温保持時間が長くなりことがわかる。その結
果、焼結鉱の生産率の低下につながることが判明した。
この結果より次工程の冷却過程で成品焼結鉱を充分冷却
するを考慮し、循環排ガスの温度は200℃以下とする
ことが生産率維持の面からは望ましい。
【0027】上述したように、この発明の重要な特徴
は、焼結機の操業において、空気への酸素富化を行なっ
て焼結機に供給し、且つ焼結機から出る排ガスの少なく
とも一部を循環利用して焼結機に供給するに際し、循環
排ガスに関しては、例えば先行技術1のように循環排ガ
スの採取領域を点火炉域および後部焼結領域に限定する
のではなく、図1に示したように、No.1領域(点火領
域)を除く焼成有効グレート領域であるNo.2+No.3
領域全体から吸引した排ガスを適正比率で混合し適正な
排ガス循環率で循環させ、循環排ガスはNo.3領域にの
み吹き込み、No.2領域へは酸素富化空気(富化しない
場合を含む)のみを吹き込み、且つ、酸素富化に関して
は、例えば先行技術2のように循環用焼結排ガス全体に
酸素を富化する方法とは異なり、No.2領域に吹き込む
空気のみに酸素富化するものであり、酸素富化空気中の
酸素含有量と循環排ガス中の酸素含有量とを別個に制御
してそれぞれに適正な値で操業するというものである。
【0028】この発明の目的を達成するために、図1中
の酸素富化空気ライン3の酸素含有量を25vol.% 以下
に調整すると共に、排ガス風量調節弁7および7’によ
りNo.2領域からの排ガスとNo.3領域からの排ガスと
を適正比率で混合し、且つ当該混合ガスの全排ガスに対
する適正比率(排ガス循環率)を循環排ガスとすること
により、当該混合排ガス中の酸素含有量を15vol.% 以
上に、且つその温度を200℃以下に調節し、この循環
排ガスをNo.3領域に排ガス吹き込みフード9から吹き
込むことが望ましい。ここで、排ガス中の酸素含有量の
上限は、空気への酸素富化率と、No.2領域とNo.3領
域とからの排ガスの混合比率で決まるものであり、上記
酸素富化率が4vol.% 未満であると通常21vol.% を超
えることはなく、また特に上限を限定する必要もない。
【0029】次に、この発明の方法で製造された高品質
焼結鉱の品質特性は、強度(TI+1 0mm )が65%超
え、還元率(RI)が65%超え、且つ、還元粉化率
(RDI)が45%未満である品質特性を有するもので
ある。強度が65%を超えると搬送過程での崩壊がなく
歩留りがよく、また高炉炉頂から落下装入した場合にも
崩壊しないので高炉操業が安定する。還元率(RI)が
65%を超えると、未還元状態で高炉の下部へくること
がなくなるので還元負荷が軽減され、安定した高炉操業
が可能となる。また、還元粉化率(RDI)が45%未
満であると、高炉炉頂部での粉化によるFe2 3 から
Fe3 4 への変化が少ないので還元性の点から有利で
ある。このように上記品質を有する焼結鉱を用いること
は、高炉操業の安定化を図ることに寄与する。
【0030】
【実施例】次に、この発明を、実施例によって更に説明
する。図1に示した焼結機においてこの発明の具体的効
果を確認するために、各種の操業条件で焼結鉱を製造し
た。
【0031】表1に、本発明の範囲内の焼結機操業方法
(実施例1〜4)、および、本発明の範囲外の焼結機操
業方法(実施例1〜4)の試験条件を示す。
【0032】
【表1】
【0033】ここで、表1に示した以外の主な操業条件
は、主排風機23の吸引負圧:1800mm水柱、焼結
粉コークス比:42kg/t- 焼結鉱、配合原料中シリ
カ含有量:5.2wt.%、同アルミナ含有量:1.7wt.
%、焼結層厚さ:580mmであり、これらはすべての
実施例および比較例に共通の操業条件である。
【0034】上記試験操業で得られた操業実績および焼
結鉱成品の品質試験結果を表1に併記した。成品の強度
(TI+10mm , %)はJIS M−8712、還元性(R
I,%)はJIS M−8713、そして還元粉化性(R
DI,%)は日本鉄鋼協会製銑部会法による測定値であ
る。
【0035】以下に試験操業条件と試験結果との関係を
述べる。 (1) 先ず基準条件による操業として比較例1を行なっ
た。比較例1は、酸素富化および排ガス循環を共に行な
わない場合である。
【0036】(2) 比較例2は、排ガス循環率を30vol.
% とし、循環排ガス全量に酸素を1.0vol.% 富化して
酸素含有量を19vol.% に調整し、No.2およびNo.3
の全焼成領域にこの循環排ガスを吹き込んだ場合であ
る。比較例2の操業方法は、基本的には先行技術2の方
法と同様、循環排ガス全量に酸素を富化した操業であ
り、No.2領域への吹き込みガス中酸素含有量は、比較
例1の21vol.% (空気)に対して、19vol.% に低下
させている。その結果比較例1と比較して、生産率は
0.03t/m2 hだけ低下し、これに対して成品強度
(TI)は生産率の低下分に応じて向上している。更
に、焼結時間の延長により焼結組織が溶融型となり、こ
れによる還元性(RI)および還元粉化性(RDI)の
劣化が認められる。
【0037】(3) 実施例1は、焼成領域をNo.2および
No.3の各焼成領域に分け、それぞれの領域に酸素富化
空気および循環排ガスを吹き込んだ場合である。この場
合の操業は、空気には酸素を1.0vol.% 富化し、一
方、排ガス循環率を30vol.%とし循環排ガスには酸素
を富化せず、それぞれNo.2およびNo.3領域に吹き込
んだ。No.2とNo.3の領域の面積比率は30:70で
ある。この操業では、No.2領域で酸素富化空気の吹き
込みにより焼結反応の大部分を終わらせ、No.3領域で
は循環排ガスの吹き込みにより焼結層下層部の一部未焼
結部を焼結させている。この結果、生産率は比較例2と
比較して0.07t/m2 hの上昇が達成され、また焼
結時間の短縮により成品の還元率(RI)および成品還
元粉化率(RDI)も向上している。
【0038】なお、この場合焼結原料の装入時に焼結層
内上下方向の炭材偏析を強化し、下層部の炭材含有量を
減少させることにより、生産率並びに成品の還元率(R
I)および還元粉化率(RDI)の向上に対して更に効
果があることを確認した。
【0039】(4) 実施例2は、実施例1の排ガス循環率
30vol.% を45vol.% に上昇させた場合である。実施
例1と比較すると、排ガス循環率をこのように増大させ
た結果、循環排ガス中の酸素含有量は18vol.% から1
6vol.% にまで低下し、下層部の未焼結部の焼結時間が
遅延したために生産率は0.03t/m2 hだけ低下し
た。また焼結時間の延長に応じて成品の還元率(RI)
および還元粉化率(RDI)とも実施例1よりも劣化傾
向を示した。しかしながら、比較例1(基準条件の場
合)と比較しても生産率、歩留まり、成品の品質ともに
差がなく、排ガス循環率45vol.% の排ガス循環を達成
することができ、その効果は十分認められた。
【0040】なお、上記結果より、排ガス循環率が45
vol.% 超えの例えば50vol.% 以上では生産性を維持す
ることができず、排ガス循環率の上限値は50vol.% 程
度であることが判明した。
【0041】また、実施例1と同様に原料装入時に炭材
の偏析を強化すれば、生産率、成品の還元率(RI)お
よび粉化還元率(RDI)が更に改善されることを確認
した。
【0042】(5) 実施例3は、実施例2の空気の酸素富
化率1.0vol.% を3.0vol.% に上げた場合である。
実施例2と比較すると、空気の酸素富化率を3.0vol.
% に上げた結果、循環排ガス中の酸素含有量は16vol.
% から19vol.% に上昇し、生産率は0.16t/m2
hだけ上昇した。また高温保持時間が実施例2よりも短
縮されたので、成品の還元率(RI)および還元粉化率
(RDI)とも実施例2よりも改善された。但し、高温
保持時間の短縮により成品強度(TI)は低下したが、
高炉での使用上問題はない。
【0043】(6) 比較例3は、実施例3の空気の酸素富
化率3.0vol.% を5.0vol.% に上げた場合である。
実施例3と比較すると、空気の酸素富化率を5.0vol.
% に上げた結果、コークス燃焼速度が著しく上昇し、生
産率は1.95t/m2 hに向上した。しかしながら、
高温保持時間が短縮されたために成品強度(TI)が低
下し高炉の安定使用に供する焼結鉱の製造は困難であっ
た。
【0044】(7) 比較例4は、実施例2の排ガス循環率
45vol.% を55vol.% に上げた場合である。ところ
が、排ガス循環率を55vol.% に上げた結果、循環排ガ
ス中の酸素含有量が14vol.% まで低下しコークスの燃
焼速度が遅れ、一部未焼のコークスが焼結層内に残存し
焼結反応が十分に行なわれなかった。この結果、焼結鉱
の品質(還元粉化率および強度)、生産率、歩留りとも
に悪化し、操業として成り立たないことが判明した。こ
れより循環排ガス中の酸素含有量が15vol.% 以上、望
ましくは16vol.% 以上となるように排ガス循環率を設
定することが必要であることが判った。
【0045】(8) 実施例4は、図1において、排ガス循
環ライン4および排ガス吹込みフード9を同図中のNo.
2領域に通じるように、そして、酸素富化空気ライン3
および酸素富化空気供給フード8を同図中のNo.3焼成
領域に通じるように移設した焼結設備を構成し、No.2
とNo.3との焼成領域比率を70:30にし、No.3の
焼成領域に1.0vol.% だけ酸素富化した空気(酸素含
有量:22vol.% )を供給し、そしてNo.2領域に循環
排ガスを吹き込んだ。ここで、排ガス循環率を実施例1
と同じ30vol.% に設定したところ、循環排ガス中酸素
含有量は19vol.% になった。
【0046】実施例4を実施例1と比較すると、実施例
4における方が焼結初期に酸素含有量の低いガス(循環
排ガス)を吹き込むことにより、生産率は0.03t/
2hだけ低下した。しかしながら、成品強度(TI)
は0.6%向上した。また排ガスに酸素を富化した比較
例2と比較しても生産率が向上した。
【0047】また、上記操業試験結果より、酸素富化空
気および循環排ガスの各吹込み位置は問わず、燃焼用ガ
スを酸素域と低酸素域との2水準に調節し、それぞれを
焼結機の別々の領域に供給する焼結操業を行なうことに
より、酸素を一律に富化された循環排ガスを供給する操
業よりも操業成績が向上することが明白となった。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
従来の無端移動型焼結機を酸素富化領域と排ガス循環領
域に分離した構成の設備を用いて焼結鉱を製造すること
により、焼結鉱の生産率を向上ないしは維持しつつ、処
理に多大のコストが必要な排ガスを安価に処理すること
が可能となる焼結機の操業方法を提供することができ、
工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施態様を説明する焼結機の
概略構成図である。
【図2】酸素富化をしない空気を燃焼用ガスとして用い
た場合の、焼結時間と焼結鉱中の水分および粉コークス
の反応率、焼結鉱の温度、並びに、焼成ガスの流速(空
塔速度)との関係を示すグラフである。
【図3】9vol.% の酸素富化をした空気を燃焼用ガスと
して用いた場合の、焼結時間と焼結鉱中の水分および粉
コークスの反応率、焼結鉱の温度、並びに、焼成ガスの
流速(空塔速度)との関係を示すグラフである。
【図4】酸素富化空気中のO2 含有量と、焼結鉱の生産
率、生産率改善率、焼結中焼結鉱の最高温度および11
00℃以上の温度での保持時間、並びに、焼結時間との
関係を示すグラフである。
【図5】循環排ガス中のO2 含有量と、焼結中焼結鉱の
最高温度および1100℃以上の高温に保持された時間
との関係を示すグラフである。
【図6】循環排ガスの温度と、焼結中焼結鉱の温度が1
100℃以上の高温に保持されている時間との関係を示
すグラフである。
【図7】先行技術1に開示された焼結機の操業方法を説
明する装置の概略図である。
【符号の説明】
1 焼結原料供給槽 2 点火炉 3 酸素富化空気ライン 4 排ガス循環ライン 5 排ガス供給送風機 6 集塵機 7 排ガス風量調節弁 8 酸素富化空気供給フード 9 排ガス吹込フード 10 焼結機本体 11 無端移動床型火格子 12 ウィンドボックス 13 予熱炉 14 後部域 15 焼結機中央部 16 フード 17 焼結機前部 18 保熱炉 19 フード 20 ブロワー 21 ダンパー 22 煙突 23 主排風機 24 ボイラー 25 ダストキャッチャー 26 ダンパー 27 ブロワー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 武 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 福島 勤 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端移動型焼結機からの排ガスの少なく
    とも一部を循環させる無端移動型焼結機の操業方法にお
    いて、酸素富化空気中の酸素と循環排ガス中の酸素とを
    異なった含有量に調整し、且つ、前記酸素富化空気と前
    記循環排ガスとを、それぞれ前記無端移動型焼結機の異
    なった領域に吹き込むことを特徴とする無端移動型焼結
    機の操業方法。
  2. 【請求項2】 前記酸素富化空気の酸素富化率を4vol.
    % 未満(酸素富化しない場合を含む)とし、且つ、前記
    循環排ガス中の酸素含有量を15vol.% 以上に設定する
    ことを特徴とする請求項1記載の無端移動型焼結機の操
    業方法。
  3. 【請求項3】 前記無端移動型焼結機へ装入された原料
    層上部の炭材含有率を大きく、そして前記原料層下部の
    炭材含有率を小さくすることを特徴とする請求項1また
    は2記載の無端移動型焼結機の操業方法。
  4. 【請求項4】 無端移動型焼結機により製造される焼結
    鉱において、酸素富化空気中の酸素と循環排ガス中の酸
    素とを異なった含有量に調整し、且つ、前記酸素富化空
    気と前記循環排ガスとを、それぞれ前記無端移動型焼結
    機の異なった領域に吹き込むことにより得られる焼結鉱
    であって、その強度(TI+10mm )が65%超え、還元
    率(RI)が65%超え、且つ、還元粉化率(RDI)
    が45%未満である品質特性を有することを特徴とする
    高品質焼結鉱。
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