JPH09227378A - 抗癌性組成物 - Google Patents

抗癌性組成物

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JPH09227378A
JPH09227378A JP8031098A JP3109896A JPH09227378A JP H09227378 A JPH09227378 A JP H09227378A JP 8031098 A JP8031098 A JP 8031098A JP 3109896 A JP3109896 A JP 3109896A JP H09227378 A JPH09227378 A JP H09227378A
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JP
Japan
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group
compound
ion
carbon atoms
ring
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Application number
JP8031098A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ikegawa
昭彦 池川
Yoichi Matsumoto
洋一 松本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 癌細胞に対して有効な医薬組成物を提供する
こと。 【解決手段】 分子内に重合度が2〜6のポリアルキレ
ンオキシド基を有する下記式によって示される化合物又
はその類縁体を含有する医薬組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬組成物、多く
の異なったタイプの癌、特に癌腫または黒色腫の治療に
有用な医薬組成物に関する。より詳細には、本発明は、
癌の治療において有用な精選されたクラスのシアニン染
料を含有する医薬組成物に関する。
【従来の技術】癌は、全世界における健康上の重大な課
題である。そのためヒトの癌の治癒及び症状の軽減に適
した治療方法を開発するために多くの研究が行われてき
た。化学療法の分野では、さまざまなタイプの癌に有効
な抗腫瘍剤を開発するための研究が行われ、癌細胞に有
効な抗腫瘍剤が見出されてきた。しかしながら、それら
の多くは、不運にも正常細胞に有毒であり、これを癌治
療を必要とする患者に投与した場合、頭髪の抜け、悪
心、体重減少、嘔吐、幻覚、疲労、掻痒、食欲減退等を
引き起こすとの問題があった。更に、従来から用いられ
ている化学療法剤は、望まれている程度の効果を有さな
いかまたは望まれている程度には異なるタイプの癌に幅
広く効果を有さない。そのため、癌に対してより大きな
有効性を有し、かつ、正常な健康細胞には全く作用しな
いかまたは最小限の作用しかせずに癌細胞を殺す、より
高い選択性を有する化学療法剤が望まれている。特に、
結腸、膀胱、前立腺、胃、膵臓、乳房、肺、肝臓、脳、
睾丸、卵巣、頚、皮膚、陰門、小腸等の器官の癌に対し
て、高い有効性と選択性を有する抗腫瘍剤が望まれてい
る。これらのうちでも、結腸癌や黒色腫のような癌に対
する抗腫瘍剤は、現在特に有効な治療法が存在しないの
で、特に望まれているものである。
【0002】これまでに、一定のタイプのシアニン系染
料が抗腫瘍活性を有するものとして開示されている(例
えば、特開昭54−151133号公報、同55−31
024号公報、同55−69513号公報、同55−1
00318号公報、特公平1−54325号公報及び
E.P.No. 286252A2を参照)。しかしなが
ら、これらシアニン系染料は、癌細胞だけでなく健康な
細胞にも高い毒性を有するので、ヒトの治療に使用する
ことができない。更に、これらシアニン系染料は、ヒト
への投与に使用できる希釈剤に対する溶解性が乏しい場
合が多い。尚、本発明で用いるシアニン系染料は、特開
平6−24144号公報に記載されているように、既に
光記録ディスク用色素として知られているが、医薬品と
して使用された例はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、癌細胞に対して有効な医薬組成物を提供することに
ある。本発明の更なる目的は、癌の治療に有用で、先行
技術として見出された抗腫瘍剤よりも癌細胞に対して高
い選択性を有する抗腫瘍剤を提供することにある。本発
明のなお更なる目的は、腫瘍及び黒色腫に対する治療に
有効で、先行技術での取扱いでは特別に有効であること
が見出されていなかった抗腫瘍剤を提供することにあ
る。本発明のより更なる目的は、ヒトの如き哺乳動物に
対し癌の治療及び症状の軽減に有効な医薬組成物を提供
することにある。本発明のいま一つの目的は、ヒトへの
投与に適した水性希釈剤に対し高い溶解性を有するシア
ニン系染料を含有する医薬組成物を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】広範囲に研究を行った結
果、本発明の上記目的は、特定のシアニン系色素によっ
て達成されることがわかった。これらのシアニン系色素
は、癌または腫瘍の治療に効果的で、特に癌腫および黒
色腫に効果的である。また、ヒトへの投与に適した水性
希釈剤に対する溶解性が高い。一つの態様においては、
本発明は一般式(1)の化合物からなる群から選ばれた
治療学上有効量のシアニン化合物を含有する医薬組成物
を提供するものである。
【0005】
【化3】
【0006】(式中、X1 及びX2 は、同一であっても
異なってもよく、O、S、Se、-NR3-、-(CH=CH)- 、ま
たは -C(R4)2- であり;Z1 及びZ2 は、同一であって
も異なってもよく、また置換基を有してもよく、または
他の環と縮合環を形成してもよい飽和または不飽和の5
員または6員環を形成するのに必要な原子群を表し;L
1 、L2 及びL3 は同一であっても異なってもよく、そ
れぞれメチン基または置換メチン基を表し、置換メチン
基である場合にはL1 とR1 及び/またはL3 とR2
結合して飽和または不飽和の5員または6員環を形成し
てもよく;Q- は薬学的に許容し得るアニオンを表し;
kは分子全体の電荷を0に調整するのに必要な数を表わ
し;n1 及びn2 は0または1を表わす。R1 、R2
3 及びR 4 は、同一であっても異なってもよく、アル
キル基を表わし、少なくとも1つは重合度が2〜6のポ
リアルキレンオキシドであって末端が疎水基により封鎖
された基を表わす。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の具体的態様では、本発明
の医薬組成物は薬学的に許容し得るキャリアーまたは希
釈剤と共に一般式(1)で表される化合物からなる群か
ら選ばれたシアニン化合物を含む抗癌剤組成物である。
より詳細には、一般式(1)において、X1 及びX
2 は、それぞれ同一であっても異なってもよく、O、
S、Se、-NR3- 、-(CH=CH)- 、または -C(R4)2- である
が、好ましくはO、S、Se、-(CH=CH)- 、 -C(R4)2- で
あり、最も好ましくはSである。Z1 及びZ2 は、同一
であっても異なってもよく、Z1 は−N(R1 )−(C
H=CH)n1−Cと一緒になって、又Z2 は−N+ (R
2 )−(CH=CH)n2−Cと一緒になって、それぞれ
置換基を有してもよくまたは他の環と縮合環を形成して
もよい飽和または不飽和の5員または6員環を形成する
のに必要な原子群を表すが、このような5員または6員
環の例としては、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾ
ール、チアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾー
ル、ベンゾセレナゾール、ナフトセレナゾール、キノリ
ン及びインドレニンが挙げられるが、好ましくはベンゾ
オキサゾール、ナフトオキサゾール、チアゾール、ベン
ゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾセレナゾー
ル、キノリン及びインドレニンであり、最も好ましくは
ベンゾチアゾール及びナフトチアゾールである。
【0008】L1 、L2 およびL3 は同一であっても異
なってもよく、それぞれメチン基または置換されたメチ
ン基を表し、置換メチン基である場合には、L1 とR1
および/またはL3 とR2 が結合して飽和または不飽和
の5員または6員環を形成してもよいが、そのような5
員または6員環の例としては、飽和または不飽和のオイ
サジン環、ピラン環またはピリジン環が挙げられる。L
1 、L2 、およびL3 に存在し得る置換基の好適な例と
しては、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル、
エチル、ブチル基)、炭素数6〜12のアリール基(例
えば、フェニル基、トリル基)、ハロゲン原子(例え
ば、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素)、または炭素数
1〜6のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ
基)が挙げられる。Q- は「薬学的に許容し得るアニオ
ン」を表すが、この用語は、該化合物を宿主に投与した
場合に無毒でかつ上記の化合物を水性系に溶解させるイ
オンを意味する。例としてハロゲン化物イオン(塩化物
イオン、ヨウ化物イオン、臭化物イオン等)、硫酸イオ
ン、炭酸イオン、有機酸イオン(酢酸イオン、プロピオ
ン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンス
ルホン酸イオン、酒石酸イオン、コハク酸イオン、乳酸
イオン、吉草酸イオン、クエン酸イオン、マレイン酸イ
オン、フマル酸イオン等)が挙げられるが、好ましくは
塩化物イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオ
ンであり、最も好ましくは塩化物イオンまたは酢酸イオ
ンである。
【0009】R1 、R2 、R3 、およびR4 はアルキル
基を表わし、少なくとも1つは重合度が2〜6のポリア
ルキレンオキシドであって末端が疎水基により封鎖され
た基を表わすが、アルキル基を表わす場合、炭素数が1
〜10のものが好ましく、より好ましくは1〜4であ
り、最も好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、
またはブチル基が挙げられ、ポリアルキレンオキシドを
表わす場合は重合度は2〜4が好ましく、より好ましく
は重合度3または4のエチレンオキシドであり、末端の
疎水基としては炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、
最も好ましくはメチル基またはエチル基であり、置換基
全体として最も好ましい例としてメトキシエトキシエト
キシエチル基またはメトキシエトキシエトキシエトキシ
エチル基が挙げられる。
【0010】Z1 およびZ2 により形成される5員また
は6員環は置換基を有してもよく、置換基の例としては
ハロゲン(例えば塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素
数1〜10のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、トリフルオロメチ
ル基)、炭素数1〜10のアルコキシ基(例えばメトキ
シ基、エトシキ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ジオキ
シメチレン基)、ニトロ基、炭素数1〜10のアシル基
(例えばアセチル基、ベンゾイル基)、炭素数10以下
のアリール基(例えばフェニル基、トリル基)、炭素数
10以下のアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチ
ル基)、炭素数10以下のアミノ基(例えばジメチルア
ミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、アミノ基)、炭
素数10以下のスクファモイル基(例えば、メタンスル
ホニルアミノ基、スルファモイル基)、炭素数10以下
のカルバモイル基(例えばメチルアミノカルボニル基、
カルバモイル基、アセチルアミノ基)、ヘテロ環残基
(例えばピリジル基、フラニル基)が挙げられる。上記
一般式(1)で表される化合物のうち、下記一般式
(2)で表される化合物が好ましい。
【0011】
【化4】 (式中、X11は、O、S、Se、-(CH=CH)- 、 -C(R4)2-
であり、好ましくは、S、Se、 -C(R4)2- であり、最も
好ましくはSである。X12はO、S、Se、-NR3-、-(CH=
CH)- 、 -C(R4)2- であり、好ましくは、S、Se、-NR3-
、 -C(R4)2- であり、最も好ましくはSである。尚、
3 及びR4 は上記と同じ意味である。R 11及びR
12は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基(好ましく
は1〜4のアルキル基)又は、−(CH2 CH2 O)m
−Rで表される基(ここで、mは2〜6、Rは炭素数1
〜4のアルキル基である。)であるが、R11及びR12
少なくとも1つが−(CH2 CH2 O)m −Rで表され
る基である。R15は、水素原子又は炭素数1〜4のアル
キル基、R16及びR19は、それぞれ水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキル基、ハロ
ゲン原子(好ましくは塩素原子)又はフェニル基であ
り、R17、R1820及びR21はそれぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子(好ましくは塩素原子)、炭素数1〜4のア
ルキル基であり、R17とR18は一緒になってベンゼン環
を形成してもよく、又R20及びR21は一緒になってベン
ゼン環を形成してもよい。Q- は、塩化物イオン、硫酸
イオン、酢酸イオン、シュウ酸イオンであり、好ましく
は塩化物イオンまたは酢酸イオンである。)
【0012】本発明の一般式(1)で表される化合物
は、エフ・エム・ハーマー(F. M. Harmer) 著「ヘテロ
サイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド
・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compoun
ds-Cyanine Dyes and RelatedCompounds)」、ジョン・
ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニ
ューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・ス
ターマー(D. M. Sturmer)著「ヘテロサイクリック・コ
ンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン、ヘテロサ
イクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-S
pecial topics inheterocyclic chemistry)」、第18
章、第14節、第482から515項、ジョン・ウィリ
ー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社−ニューヨ
ーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリ
ー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry
of Carbon Compounds) 」2nd. Ed. vol. IV. partB.
1977刊、第15章、第369頁から第422頁、エ
ルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・イン
ク(Elsevier Science Publishing Company Inc.) 社
刊、ニューヨーク、などに記載の方法に基づいて合成す
ることができる。一般式(1)の化合物の典型的な例と
しては以下の化合物が挙げられる。しかしながら、本発
明はこれらの化合物を使用する場合に限定されるものと
して解釈されるべきではない。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】上記の一般式(1)の化合物を含有する本
発明の医薬組成物は、黒色腫、肝癌、神経膠腫、神経芽
細胞腫、肉腫及び肺、結腸、乳房、膀胱、卵巣、精巣、
前立腺、頚部、膵臓、胃、小腸、その他の器官の癌を包
含する多様なタイプの癌の治療に有効に使用できる。本
発明の医薬組成物は、上記の一般式(1)の化合物を一
種又は二種以上の混合物として含有してもよく、もし望
ましいのであれば、当該技術分野において従来から用い
られている公知の抗腫瘍剤を含む他の治療薬と組み合わ
せて使用してもよい。かかる従来から用いられている抗
腫瘍剤の好適な例としてはアドリアマイシン、シスプラ
チン、コルヒチン、CCNU(Lomastine)、BCNU
(Carmustine) 、アクチノマイシンD、5−フルオロウ
ラシル、チオテパ、サイトシンアラビノシド、シクロホ
スファミド、マイトマイシンC等の一種又は二種以上の
混合物が挙げられる。
【0020】一般式(1)の化合物と組み合わせて、本
発明の医薬組成物に用いてもよい医薬キャリアーまたは
希釈剤の好適な例としてはグルコース;サッカロース;
ラクトース;エチルアルコール;グリセリン;マンニト
ール;ソルビトール;ペンタエリスリトール;ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール400、他のポリエチレン
グリコール;トリラウリン酸グリセリル、モノステアリ
ン酸グリセリル、トリステアリン酸グリセリル及びジス
テアリン酸グリセリルの如き飽和脂肪酸のモノ、ジ及び
トリグリセリド;ペクチン;でんぷん;アルギニン酸;
キシロース;タルク;石松子;オリーブ油、ピーナッツ
油、ヒマシ油、コーン油、小麦麦芽油、ゴマ油、綿実
油、ヒマワリ油及びタラ肝油の如き油脂;ゼラチン;レ
シチン;シリカ;セルロース;メチルヒドロキシプロピ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロースの如きセルロース誘導体;ステアリン酸カルシ
ウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸マグネシウ
ム、パルミチン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウム及び
ステアリン酸マグネシウム等の12〜22の炭素原子を
有する脂肪酸のマグネシウム塩またはカルシウム塩;シ
クロデキストリン類;例えば、α−シクロデキストリ
ン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリ
ン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒド
ロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ジヒドロキ
シプロピル−β−シクロデキストリン、カルボキシメチ
ルエチル−β−シクロデキストリン及びジメチル−β−
シクロデキストリン;乳化剤;例えば、2〜22、特に
10〜18の炭素原子を有する飽和及び不飽和の脂肪酸
と一価の脂肪族アルコール(例えば、アルカノールの如
き1〜20の炭素原子を有するもの)またはグリコー
ル、グリセリン、ジエチレングリコール、ペンタエリス
リトール、エチルアルコール、ブチルアルコール、オク
タデシルアルコールの如き多価アルコールとのエステ
ル;及びジメチルポリシロキサンの如きシリコーンが挙
げられる。また、医薬組成物に従来から用いられてきた
他のキャリアーも本発明に適したものということができ
る。
【0021】使用できる一般式(1)の化合物の薬学的
な有効量及び投与方法または投与手段は、癌の性質、治
療方針、病気の重さ、悪性の度合い、転移の程度、腫瘍
の量、全般的な健康状態、体重、年齢、性別、及び患者
の(遺伝的)人種的背景に依存するであろう。しかしな
がら、一般に好適な投与方法としては、例えば、一般式
(1)の化合物を、例えば、5%グルコース水溶液に溶
かした形で或いは上記のような他の適当なキャリアーま
たは希釈剤を伴った形で、静脈内、動脈内、直腸内、腹
腔内、筋肉内、腫瘍内または膀胱内注射する方法や経口
投与、経皮投与、坐剤等の方法が挙げられる。医薬組成
物中における一般式(1)の化合物の好適な治療学的有
効量は、組成物の重量を基準として約0.01〜約10重
量%、より一般的には0.1〜約1重量%である。
【0022】上記で特に言及したように、薬学的有効量
は、一般に、臨床上観察される症状、病気の進行の度合
い等の要因に基づいて開業医によって決定されるであろ
うが、一般式(1)の化合物の好適な治療学的有効量
は、一般に、体重70kgに対して1日当たり、10〜3
000mg、より一般的には100〜500mgの範囲で投
与し得、1回で服用しても複数回に分けて服用してもよ
く、必要とされる治療に適当とされるに応じて決定され
る。一般式(1)の化合物及びその医薬組成物の有効性
を明らかにするために、以下に実施例を示し、本発明の
組成物に用いられた上記一般式(1)の多くの化合物の
有効性及び選択性の値を、比較化合物について得られた
値と共に明らかにした。
【0023】
【実施例】次ぎに示す合成例は一般式(1)に含まれる
具体的な化合物についての典型的な合成法をより詳細に
説明するものである。特に指定する場合を除いて、全て
の%、比率等は重量を基準とするものである。合成例(化合物1) (1)メトキシエトキシエトキシエチル=ベンゼンスル
ホナートの合成 2Lの三ッ口フラスコにベンゼンスルホニルクロリド1
76.6g、メトキシエトキシエトキシエタノール180.
6gおよび塩化メチレン500mLを仕込み、氷水で冷却
しながらトリエチルアミン111.3gを内温15℃に保
ちながら滴下する。その後、氷水冷却下のまま、3時間
反応させる。この反応混合物を塩化メチレン1.0L/水
1.0Lで分液し、塩化メチレン層を水1.0Lで1回洗浄
する。この塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧濃縮すると薄褐色の油状物として標記化合物が
282.7g得られる。収率92.9%
【0024】(2)メトキシエトキシエトキシエチル=
ヨージドの合成 還流冷却管を備えた1Lの三ッ口フラスコに、メトキシ
エトキシエトキシエチル=ベンゼンスルホナート60.9
g、ヨウ化ナトリウム33.0g、およびアセトン400
mLを仕込み、、蒸気浴上で1時間攪拌しながら還流させ
る。反応液を室温まで冷却した後、析出する結晶を吸引
濾過により除き、アセトン50mLで2回洗浄した。この
濾液および洗液を減圧濃縮すると褐色の油状物として標
記化合物61.0gが得られる。収率〜100%(3)5−メトキシ−3−メトキシエトキシエトキシエ
チル−2−メチルベンゾチアゾリウム=ヨージドの合成 メトキシエトキシエトキシエチル=ヨージド10.9gと
5−メトキシ−2−メチルベンゾチアゾールを110℃
の油浴中で7時間攪拌する。反応液にアセトン5mLおよ
び酢酸エチル50mLを加え室温で攪拌する。結晶を吸引
濾過し、酢酸エチルにて洗浄し、減圧乾燥すると標記化
合物が9.0g灰白色結晶として得られる。収率50%
【0025】(4)化合物1の合成 5−メトキシ−3−メトキシエトキシエトキシエチル−
2−メチルベンゾチアゾリウム=ヨージド1.36g、フ
ェニルアミノメチリデンアニリン0.294gおよびアセ
トニリトル10mLを蒸気浴上で攪拌し、無水酢酸0.47
mLおよびトリエチルアミン0.70mLを添加して1時間加
熱還流する。反応液に酢酸エチルおよびヘキサンを加え
て結晶を析出させ、吸引濾過する。この粗結晶をメタノ
ールに溶解し、酢酸エチルを加えて結晶を析出させる。
この操作を3回繰り返す。更にシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(クロロホルム−メタノール)にて精製す
る。この結晶をメタノールに溶解し、三菱化学製ダイヤ
イオンPA−318を充填したカラムクロマトグラフィ
ーを行う。溶出液を濃縮し、酢酸エチルを加えて結晶を
析出させ、吸引濾別して乾燥させると化合物1が57mg
得られる。収率5.4% NMRデータ δ(CDCl3) 7.65 (dd, 1H) 、7.47 (d, 4H)、7.06 (s,
2H)、6.40 (d, 2H)、4.63-4.50 (m, 4H) 、4.20-4.00
(m, 4H) 、3.43 (s, 6H)、3.72-3.38 (m, 10H)、3.37
(s, 6H)
【0026】実施例1 ヒト上顎癌KB細胞を96−穴プラスチック培養プレー
トに配置し(5,000細胞/穴)、37℃で24時間培
養した。被試験化合物を1.1mg/mLの濃度になるように
5%グルコース水溶液に溶解し、更にこの溶液を5%グ
ルコースで100〜0.01μg/mLに段階的に希釈し
て、それぞれの穴に加えた。コントロールには5%グル
コースのみを加えた。細胞を被試験化合物により、37
℃で72時間処理した。リン酸緩衝液で2回軽く洗浄し
た後、MTT溶液0.5mg/mLを添加し、37℃で4時間
処理した。上清を除去し、析出したホルマザンの結晶を
0.04M塩酸/イソプロパノール/1%SDS溶液によ
り溶解した。これをマイクロプレートリーダーで吸光度
(570nm) とコントロール(100%)の吸光度の値
を比較することにより、それぞれの穴の比吸光度を求
め、作用させた被試験化合物の濃度(IC50)を求め
た。結果を表1に示す。
【0027】
【表1】 表1 化合物No. IC50(KB細胞)〔μg/mL〕 1 0.34 2 0.08 3 0.21 4 0.12 5 0.61 8 0.13 9 0.08
【0028】実施例2 ヒト肺癌A549を96−穴プラスチック培養プレート
に配置し(2,000細胞/穴)、37℃で24時間培養
した。被試験化合物のジメチルスルホキシド溶液を5%
グルコース水溶液で100〜0.001μg/mLに段階的
に希釈してそれぞれの穴に加えた。細胞を被試験化合物
により、37℃で48時間処理した。リン酸緩衝液で洗
浄した後、RPMI100μLおよびWST−1(3.2
6mg/mL)10μLを添加し、37℃で3時間処理し
た。これをマイクロプレートリーダーで吸光度(415
nm) とコントロール(100%)の吸光度の値を比較す
ることにより、それぞれの穴の比吸光度を求め、作用さ
せた被試験化合物の濃度(IC50)を求めた。結果を表
2に示す。尚、比較用化合物S−1〜S−3として次ぎ
のものを用いた。
【0029】
【化11】
【0030】
【表2】 表2 化合物No. IC50(A549)〔μg/mL〕 2(本発明) 1.0 4(本発明) 0.7 6(本発明) 0.1 7(本発明) 0.035 S−1(比較化合物) 0.25 S−2(比較化合物) 0.7 S−3(比較化合物) 0.04
【0031】実施例3 ヒト肺癌A549の代わりに正常細胞モデル(ヒト線維
芽細胞(HDF))を用いた以外は、実施例2と同様の
実験を行った。結果を表3に示す。
【表3】 表3 化合物No. IC50(HDF)〔μg/mL〕 2(本発明) 1.0 3(本発明) 0.35 S−1(比較化合物) 0.15 4(本発明) 0.3 5(本発明) 0.3 S−2(比較化合物) 0.09 6(本発明) 0.015 S−3(比較化合物) <0.001
【0032】表2と表3に示された結果の比較から明ら
かなように、本発明の医薬用組成物は、比較化合物を用
いた場合に比べて、正常細胞に対する毒性が少なく、癌
細胞を選択的に攻撃することがわかる。実施例4 被試験化合物の5%グルコース水溶液に対する溶解度を
測定した。結果を表4に示す。
【0033】
【表4】 表4 化合物No. 溶解度(5%グルコース水溶液) 2(本発明) >1.1 mg/mL 3(本発明) >1.1 4(本発明) >1.1 5(本発明) >1.1 8(本発明) >1.1 9(本発明) >1.1 S−1(比較化合物) <1.1 S−2(比較化合物) <1.1 S−3(比較化合物) <1.1
【0034】表4の結果から、本発明の医薬組成物は溶
解性に優れていることがわかる。以上の様に、一般式
(1)の化合物を用いることにより癌細胞に対して有効
な抗腫瘍剤を提供することが可能であり、先行技術とし
て見出されたシアニン系の抗腫瘍剤よりも正常細胞に対
する毒性の低い抗腫瘍剤を提供できる。また先行技術と
して見出されたシアニン系の抗腫瘍剤では困難であっ
た、ヒトへの投与に適した水性希釈剤に対する高い溶解
性を有するシアニン系抗腫瘍剤を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/555 A61K 31/555 C07D 209/14 C07D 209/14 215/12 215/12 235/20 235/20 263/56 263/56 277/64 277/64 277/84 277/84 293/12 293/12 417/06 215 417/06 215 263 263 513/04 301 513/04 301 //(C07D 417/06 263:56 277:64) (C07D 417/06 215:12 277:84) (C07D 513/04 277:28 317:48)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)によって示される化合物を
    含有することを特徴とする医薬組成物。 【化1】 (式中、X1 及びX2 は、同一であっても異なってもよ
    く、O、S、Se、-NR3-、-(CH=CH)- 、または -C(R4)2-
    であり;Z1 及びZ2 は、同一であっても異なっても
    よく、また置換基を有してもよく、または他の環と縮合
    環を形成してもよい飽和または不飽和の5員または6員
    環を形成するのに必要な原子群を表し;L 1 、L2 及び
    3 は同一であっても異なってもよく、それぞれメチン
    基または置換メチン基を表し、置換メチン基である場合
    にはL1 とR1 及び/またはL3 とR2 が結合して飽和
    または不飽和の5員または6員環を形成してもよく;Q
    - は薬学的に許容し得るアニオンを表し;kは分子全体
    の電荷を0に調整するのに必要な数を表わし;n1 及び
    2 は0または1を表わす。R1 、R2 、R3 及びR 4
    は、同一であっても異なってもよく、アルキル基を表わ
    し、少なくとも1つは重合度が2〜6のポリアルキレン
    オキシドであって末端が疎水基により封鎖された基を表
    わす。)
  2. 【請求項2】 癌または腫瘍を治療するために使用する
    請求項1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で表わされる化合物を含有
    する請求項1又は2記載の医薬組成物。 【化2】 (式中、X11は、O、S、Se、-(CH=CH)- 、 -C(R4)2-
    、X12はO、S、Se、-NR3- 、-(CH=CH)- 、 -C(R4)2-
    、R3 及びR4 は一般式(1)におけると同じ意味で
    あり、R11及びR12は、それぞれ炭素数1〜10のアル
    キル基又は−(CH 2 CH2 O)m −Rで表される基
    (ここで、mは2〜6、Rは炭素数1〜4のアルキル基
    である)であるが、R11及びR12の少なくとも1つが−
    (CH2 CH2O)m −Rで表される基である。R
    15は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R16
    びR19は、それぞれ水素原子、炭素数1〜4のアルキル
    基、炭素数1〜4のアルコキル基、ハロゲン原子又はフ
    ェニル基であり、R17、R1820及びR21はそれぞれ
    水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基で
    あり、R17とR18は一緒になってベンゼン環を形成して
    もよく、又R20及びR21は一緒になってベンゼン環を形
    成してもよい。Q- は、塩化物イオン、硫酸イオン、酢
    酸イオン又はシュウ酸イオンである。)
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