JPH09227370A - ヘリコバクターピロリ用抗菌剤 - Google Patents

ヘリコバクターピロリ用抗菌剤

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JPH09227370A
JPH09227370A JP4233096A JP4233096A JPH09227370A JP H09227370 A JPH09227370 A JP H09227370A JP 4233096 A JP4233096 A JP 4233096A JP 4233096 A JP4233096 A JP 4233096A JP H09227370 A JPH09227370 A JP H09227370A
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JP
Japan
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helicobacter pylori
carboxylic acid
cooh
formula
group
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Pending
Application number
JP4233096A
Other languages
English (en)
Inventor
Osanori Numao
長徳 沼尾
Akiyo Iwabori
明代 岩堀
Ruriko Sanpei
るり子 三瓶
Yumiko Hirota
裕己子 廣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新しいタイプでかつ菌特異性の高い抗ヘリコバ
クターピロリ剤の提供。 【解決手段】下記一般式 R1-Y-COOH (式中、R1は水素原子、あるいは置換若しくは未置換
のフェニル基、インドリル基、ナフチル基を表す。Yは
炭素数1〜30のポリメチレン基を表す。)で表される
カルボン酸を有効成分とする抗ヘリコバクターピロリ
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定のカルボン酸を
有効成分とする特異的な抗ヘリコバクターピロリ剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】ヘリコバクターピロリは1983年にWarren
とMarshall(Lancet i : 1273-1275,1983)によって発
見され、現在ではヒトに慢性胃炎や消化性潰瘍を起こさ
せる病原菌として注目を集めている。そこで近年では、
ヘリコバクターピロリを原因菌とする疾患に対する薬剤
の開発が盛んに行われている。ヘリコバクターピロリに
対してはマクロライド系又はβ−ラクタム系抗生物質と
ランソプラゾールやオメロプゾール等のプロトンポンプ
阻害剤との併用治療法が挙げられる。しかしながら、抗
生物質には耐性菌の出現やペニシリンに代表されるアナ
フィラキシーショック等の問題点がある。
【0003】カルボン酸には、洗浄作用や殺菌作用等の
活性が知られているが、ヘリコバクターピロリに対する
特異的な抗菌活性は報告されていない。例えば、ヘリコ
バクターピロリの細胞質膜による酸化基質としてカルボ
ン酸が知られているが、カルボン酸そのものの特異的な
抗ヘリコバクターピロリ活性は報告されていない(FEMS
Microbiology Letters 129, 33 (1995))。また、Khul
usi等(J. Med. Microbiol., 42, 276 (1995))はリノ
レン酸、オレイン酸あるいはアラキドン酸のヘリコバク
ターピロリに対する増殖阻止活性を報告しているが、飽
和カルボン酸については記載はなく、また特異的抗菌活
性については一切言及していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新し
いタイプの抗ヘリコバクターピロリ剤を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、探索の結
果、入手の容易なカルボン酸が特異的にヘリコバクター
ピロリに対し強い抗菌活性を示すことを見い出し、本発
明を完成した。
【0006】すなわち本発明は下記一般式 R1-Y-COOH (式中、R1は水素原子、あるいは置換若しくは未置換
のフェニル基、インドリル基、ナフチル基を表す。Yは
炭素数1〜30のポリメチレン基を表す。)で表される
カルボン酸を有効成分とする抗ヘリコバクターピロリ剤
に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、フェニル基、イ
ンドリル基、ナフチル基、低級アルキル基上の置換基と
してはハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基
等を例示することができる。また、カルボン酸は生理学
的に許容される塩として形成されていてもよい。例え
ば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム
等の塩あるいは一級、二級、三級アミン等の塩として用
いてももよい。Yで表されるポリメチレン基に於て、1
〜30の炭素数は、側鎖として存在しうる低級アルキル
基の炭素数を含まない数を意味する。ヘリコバクターピ
ロリに対する特異的抗菌活性が強い点で、全炭素数が6
以上であることが好ましく、特に全炭素数が8〜25で
あることが好ましい。
【0008】本発明に係わるカルボン酸は、一部市販さ
れており、あるいは公知の方法に従い化学合成するか、
又は天然物より単離、精製することにより得ることがで
きる。
【0009】本発明に係わるカルボン酸の具体例を以下
に示す。 CH3(CH2)5COOH(化合物1) CH3(CH2)6COOH(化合物2) CH3(CH2)7COOH(化合物3) CH3(CH2)8COOH(化合物4) CH3(CH2)9COOH(化合物5) CH3(CH2)10COOH(化合物6) CH3(CH2)11COOH(化合物7) CH3(CH2)12COOH(化合物8)
【0010】X1(CH2)nCOOH(化合物9) (式中、X1 はフェニル基、インドリル基、ナフチル基
を表し、これらは上記の置換基を有していてもよく、n
は1〜30の整数を表す。)
【0011】本発明に係るカルボン酸は、遊離酸以外
に、その薬理学的および製剤学的に許容される塩の形態
であってもよい。これらの塩としては、ナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、トリエチ
ルアミン塩、エタノールアミン塩、ピリジン塩、ピコリ
ン塩などを挙げることができる。
【0012】本発明におけるカルボン酸又はそれらの塩
は、治療のために通常経口的に投与される。
【0013】経口投与剤としては散剤、顆粒剤、カプセ
ル剤、錠剤などの固形製剤あるいはシロップ剤、エリキ
シル剤などの液状製剤とすることができる。これらの製
剤は活性成分に薬学的に認容である製造助剤を加えるこ
とにより常法に従って製造される。更に公知の技術によ
り持続性製剤とすることも可能である。
【0014】経口投与用の固形製剤を製造するには活性
成分と賦形剤、例えば乳糖、デンプン、結晶セルロー
ス、乳酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウ
ム、無水ケイ酸などとを混合して散剤とするか、更に必
要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ
ビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの
崩壊剤などを加えて湿式又は乾式造粒して顆粒剤とす
る。錠剤を製造するにはこれらの散剤及び顆粒剤をその
ままあるいはステアリン酸マグネシウム、タルクなどの
滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒または錠
剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、
メタアクリル酸、メタアクリル酸メチルコポリマーなど
の腸溶性基剤で被覆して腸溶性製剤、あるいはエチルセ
ルロース、カルナウバロウ、硬化油などで被覆して持続
性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造す
るには散剤又は顆粒剤をなどの硬カプセルに充填する
か、活性成分をグリセリン、ポリエチレングリコール、
ゴマ油、オリーブ油などに溶解したのちゼラチン膜で被
覆し軟カプセルとすることができる。
【0015】経口投与用の液状製剤を製造するには活性
成分と 白糖、ソルビトール、グリセリンなどの甘味剤
とを水に溶解して透明なシロップ剤、更に精油、エタノ
ールなどを加えてエリキシル剤とするか、アラビアゴ
ム、トラガント、ポリソルベート80、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウムなどを加えて乳剤又は懸濁剤と
してもよい。これらの液状製剤には所望により矯味剤、
着色剤、保存剤などを加えてもよい。
【0016】本発明のカルボン酸の投与量は患者の年
齢、体重および病態によって異なるが、通常1日約1mg
〜500mgであり、1乃至数回に分けて投与することが
望ましい。
【0017】以下、本発明を参考例及び実施例により、
更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0018】
【実施例】
実施例1 抗ヘリコバクターピロリ活性の測定 日本化学療法学会が定めた微量液体希釈による最少成育
阻止濃度(MIC)測定法(微量液体希釈法)(Chemother
apy Vol.38 No.1 102-105 (1990))に基づいて以下の
ように行った。対象菌株としてはヘリコバクターピロリ
(H. pyloriATCC43579)大腸菌(E. coli ATCC25922)
黄色ブドウ球菌(S. aureus ATCC25923)カビ(A. terr
eus IFO6365)を用いた。試験薬剤のコントロールとし
てエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、及びア
ラキドン酸を用いた。
【0019】寒天培地プレート上に培養した被検菌体を
滅菌生理食塩水に0.5Mc Farland(約108 CFU/ml)相当
に懸濁し、これを滅菌生理食塩水で10倍に希釈(約107
CFU/ml)した。試験薬剤(カルボン酸又はそのナトリウ
ム塩)をミューラーヒントン培地を用いて1μg/mlを中
心とした2倍希釈系列に溶解し、96ウェルプレートに調
製した。但しA. terreus についてはサブロー培地、H.
pyloriにはミューラーヒントン培地に5%ウシ胎児血清
を添加したものを用いた。各ウェルに菌液を約0.005ml
接種し、最終接種菌量を約104 CFU/ウェルとした。なお
各プレートには薬剤不含有培地を1プレートにつき1〜2
ウェルに分注しておき、菌の発育の対照とした。培養
は、E. coli、S. aureusは37℃で24時間、A. terreus
は30℃で48時間培養、H. pyloriは37℃で48時間行い、M
ICの判定を行った。結果を表1に示す。
【0020】
【表1】 表1. 各種菌株に対する抗菌活性 MIC(μg/ml) 化合物番号 H. pylori E. coli S. aureus A. terreus (ATCC43579 ) (ATCC25922) (ATCC25923) (IFO6365) 1 512 >2048 >2048 >2048 2 128 >2048 >2048 >2048 3 64 >2048 >2048 >2048 4 64 >2048 2048 >2048 5 32 >2048 512 >2048 6 32 >256 256 >256 7 32 >128 >128 >256 8 32 >128 >128 >128 エイコサヘ゜ンタエン酸 64 >128 64 >128 ト゛コサヘ゜ンタエン酸 32 >128 128 >128 アラキドン酸 64 >128 >128 −
【0021】以上の結果から本発明に係るカルボン酸が
特異的な抗ヘリコバクターピロリ活性を有していること
が確認された。
【0022】
【発明の効果】本発明の抗ヘリコバクターピロリ剤は、
ヘリコバクターピロリに対して特異的な抗菌活性を示
す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式 R1-Y-COOH (式中、R1は水素原子、あるいは置換若しくは未置換
    のフェニル基、インドリル基、ナフチル基を表す。Yは
    炭素数1〜30のポリメチレン基を表す。)で表される
    カルボン酸を有効成分とする抗ヘリコバクターピロリ
    剤。
JP4233096A 1996-02-29 1996-02-29 ヘリコバクターピロリ用抗菌剤 Pending JPH09227370A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016051767A1 (en) * 2014-09-30 2016-04-07 The Kitasato Institute Narrow-spectrum antibacterial antibiotics targeting specific types of bacteria that synthesizes menaquinone through an alternative pathway via futalosine or 6-aminodeoxyfutalosine as an intermediate.

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016051767A1 (en) * 2014-09-30 2016-04-07 The Kitasato Institute Narrow-spectrum antibacterial antibiotics targeting specific types of bacteria that synthesizes menaquinone through an alternative pathway via futalosine or 6-aminodeoxyfutalosine as an intermediate.

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