JPH09227232A - 炭素質成形体の黒鉛化方法 - Google Patents

炭素質成形体の黒鉛化方法

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JPH09227232A
JPH09227232A JP8056936A JP5693696A JPH09227232A JP H09227232 A JPH09227232 A JP H09227232A JP 8056936 A JP8056936 A JP 8056936A JP 5693696 A JP5693696 A JP 5693696A JP H09227232 A JPH09227232 A JP H09227232A
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carbonaceous
conductive material
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JP8056936A
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Tatsuyoshi Nakatsuka
達嘉 中司
Toru Kida
徹 喜田
Nobuhiko Onuki
伸彦 大貫
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直接黒鉛化工程において、水冷ターミナル電
極に隣接する炭素質成形体に生じる材質欠陥現象の防止
を図り、常に歩留りよく黒鉛化処理を行うことができる
炭素質成形体の黒鉛化方法を提供する。 【解決手段】 多数本の円柱状炭素質成形体を相互の対
向端面間に炭素質導電材を介在させて長尺黒鉛化炉内に
直列状態で配列し、端部を水冷ターミナル電極から通電
して炭素質成形体をジュール発熱させる直接黒鉛化法に
おいて、水冷ターミナル電極2と炭素質成形体4、7の
対向端面間に、炭素質成形体4〜7相互の対向端面間に
介在する炭素質導電材9よりも相対的に高い電気比抵抗
値を有する炭素質導電材8を介在させる炭素質成形体の
黒鉛化方法。炭素質導電材は、炭素質の詰粉または板状
スペーサーとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、とくに電気製鋼用
黒鉛電極を製造する工程において、焼成済の炭素質成形
体を歩留りよく黒鉛化処理するために有効な炭素質成形
体の黒鉛化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気製鋼炉に用いられる人造黒鉛電極
は、通常、コークス粉粒をピッチバインダーと共に捏合
して所定サイズの円柱形状に押出成形し、これを800
〜1500℃の温度域で焼成処理して得られる炭素質成
形体またはこの炭素質成形体にピッチを含浸して600
〜1000℃に再度焼成して得られる炭素質成形体を2
500〜3000℃の高温度により黒鉛化処理すること
により工業的に製造される。焼成済の炭素質成形体を黒
鉛化する手段としては、炭素質成形体を黒鉛化炉に充填
したコークスブリーズ等の詰粉中に間隔を置いて並べ、
ターミナル電極からの通電により詰粉に発生するジュー
ル熱を利用して間接的に炭素質成形体を加熱する機構の
アチソン法が従来から汎用されている。一方、これとは
別に複数本の炭素質成形体相互を端面を接触させた状態
で長尺黒鉛化炉内に直列状態に配置し、両端部に当接し
たターミナル電極を介して直接的に通電加熱する直接黒
鉛化法(LWG法)が知られており、この方法は定型的
な円柱形状の焼成品を黒鉛化処理する場合に電力原単位
の低減や炉回転効率の面から有利であることから、特に
大型黒鉛電極材の黒鉛化処理に実用化されている。
【0003】ところが、直接黒鉛化法の適用に際して
は、通電時、黒鉛化炉内に直列配置する炭素質成形体の
各対向端面間に接触抵抗が生じ、これが昇温過程におけ
る電極自体の膨張・収縮に伴う抵抗値の変動と複雑に絡
み合って、局部的な異常発熱による破損、亀裂あるいは
変形等を招き易い。このため、油圧プッシャーにより昇
温に伴う電極寸法変化に応じた端面圧をかけて接触抵抗
の低下と安定化を図る方法、炭素質成形体の各対向端面
間に黒鉛板や黒鉛フェルト等の板状スペーサーを介在さ
せて接触抵抗を低下させる方法等が提案されている。
【0004】例えば、特開昭50−86494号公報に
は、直接黒鉛化過程で生じる炭素質成形体の収縮に伴う
端面部位の異常発熱を防止するため、各炭素質成形体の
端面を直接または黒鉛スペーサーを介して接触させ、か
つ直列に配置した炭素成形体の両端部より0.5〜50
kg/cm2の圧力を加えて通電する炭素質成形体の黒鉛化方
法が開示されている。また、特公昭63−66766号
公報には配列する各電極の対向接触断面に生じる中心部
と外周部の発熱温度差に基づく材質の破損、亀裂、変質
などの現象を防止するため、各電極の対向端面間に非電
導もしくは低電導の中心部分をもつ高電導スペーサー層
を介設し、圧接した状態で通電加熱する焼成電極の黒鉛
化法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
先行技術による改善手段を施しても、直列配置されてい
る炭素質成形体のうち、ターミナル電極に隣接する炭素
質成形体の電極端面に対向する側の亀裂現象は、他の炭
素質成形体の電極端部に比べて発生し易い傾向にある。
近時の電気製鋼用黒鉛電極は直径が24インチ以上と大
型化しているため、このように黒鉛化過程で両端部に位
置する炭素質成形体の端部での亀裂発生の度合いは更に
大きくなる傾向にある。
【0006】本発明者らはこの亀裂原因について多角的
に検討を行ったところ、炭素質成形体のターミナル電極
に対向する側の端面部分に生じたジュール熱がターミナ
ル電極の水冷作用により奪われて炭素質成形体相互間の
対向端面部に比べて温度低下を引き起こし、特に前記端
面の外周部が極端に温度低下して中心部との温度差を大
きくすることに起因することを解明した。
【0007】本発明が課題とする目的は、上記のような
直接黒鉛化工程において水冷ターミナル電極に隣接する
炭素質成形体に生じる材質欠陥現象の防止を図り、常に
歩留りよく黒鉛化処理を行うことができる炭素質成形体
の黒鉛化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による炭素質成形体の黒鉛化方法は、多数本
の円柱状炭素質成形体を相互の対向端面間に炭素質導電
材を介在させて長尺黒鉛化炉内に直列状態で配列し、端
部を水冷ターミナル電極から通電して炭素質成形体をジ
ュール発熱させる直接黒鉛化法において、水冷ターミナ
ル電極と炭素質成形体の対向端面間に、炭素質成形体相
互の対向端面間に介在する炭素質導電材よりも相対的に
高い電気比抵抗値を有する炭素質導電材を介在させるこ
とを構成上の特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に使用する直接黒鉛
化炉を例示した説明図(平断面略図)で、1は耐火レン
ガにより構築され長尺矩形状に区画された炉体、2は炉
体1の両端部に設置された水冷ターミナル電極で、それ
ぞれ直流電源3と接続している。水冷ターミナル電極2
の間には、黒鉛化処理の対象となる焼成処理済の炭素質
成形体4〜7が端面を各対向する状態に直列して配置さ
れている。直列配置される炭素質成形体の本数は炉の容
量によって異なるが、通常、数本から数10本の単位で
ある。各炭素質成形体3〜7の対向端面間および両端部
に位置する炭素質成形体4、7と水冷ターミナル電極2
との対向端面間には、それぞれ炭素質導電材8、9が介
在されており、図示しない油圧プッシャーにより水冷タ
ーミナル電極2を押圧して接触抵抗を抑制するように設
計されている。炉内には炭素質成形体4〜7を被包する
状態に炭素質詰粉10が充填されており、系内は非酸化
雰囲気に保持される。操業に際しては、直流電源3から
水冷ターミナル電極2を介して炭素質成形体4〜7に通
電し、直接ジュール発熱させて2500〜3000℃に
加熱し黒鉛化処理する。
【0010】上記の直接黒鉛化方式において、各炭素質
成形体4〜7の対向端面間に介在させる炭素質導電材9
および両端部に位置する炭素質成形体4、7と水冷ター
ミナル電極2との対向端面間に介在させる炭素質導電材
8が同じ電気抵抗であると、ターミナル電極2に隣接す
る炭素質成形体4、7の電極端面に対向する側に軸方向
の縦割れ亀裂11が発生する。この局部的な縦割り亀裂
現象は、水冷ターミナル電極2と炭素質成形体4、7の
対向端面間に介在する炭素質導電材8を、炭素質成形体
4〜7相互の対向端面間に介在する炭素質導電材9より
も、相対的に高電気抵抗のものとする本発明の構成を採
ることにより効果的に防止することができる。
【0011】本発明において使用する炭素質導電材8、
9としては、炭素質の詰粉もしくは板状スペーサーが用
いられ、各炭素質成形体の端面と同一面形状に10〜8
0mmの層として介在させる。上述したとおり、縦割り亀
裂11が発生する理由は炭素質成形体4、7のターミナ
ル電極2に対向する側の端面部分に生じたジュール熱が
ターミナル電極2の水冷作用により奪われて炭素質成形
体4〜7相互間の対向端面部に比べて温度低下を引き起
こし、特に前記端面の外周部が極端に温度低下して中心
部との温度差が大きくなって応力の偏りが生じることが
主因となる。すなわち、図2(部分拡大説明図)におい
て、水冷ターミナル電極2と炭素質導電材8を介して隣
接する炭素質成形体4、7の端面におけるA点(断面中
心部)とB点(外周部)の温度差(以下「A−B温度
差」という)が大きいと、熱歪応力により縦割り亀裂現
象11が発生する。発明者らの検討によると、A点とB
点の温度差が160℃以下になるような条件で黒鉛化処
理すると前記の縦割り亀裂は効果的に防止されることが
検証された。
【0012】本発明において、炭素質導電材に詰粉を用
いる場合には、高導電性のものとして黒鉛粉末、黒鉛化
コークス粉末などが、また高電気比抵抗のものとしてカ
ーボンブラック、ガラス状カーボン粉末、仮焼コークス
粉末、籾殻炭粉末、炭素繊維粉末あるいはこれらを黒鉛
粉末や黒鉛化コークス粉末等にブレンドした混合物が適
用される。この際、炭素質詰粉(符号8と9)の電気比
抵抗を調整して、水冷ターミナル電極2とこれに隣接す
る炭素質成形体4、7の対向端面間に、炭素質成形体4
〜7相互の対向端面間に介在する炭素質詰粉(9)に比
べて3〜4倍に相当する電気比抵抗値(常温)の炭素質
詰粉(8)を選択して介在させることが好ましい。前記
の電気比抵抗の比が3倍未満あるいは4倍を越えるとA
−B温度差を160℃以下に抑制することができなくな
り、縦割り亀裂11の発生を防止することが困難とな
る。
【0013】また、炭素質導電材に板状スペーサーを用
いる場合には、高導電性のものとしては天然黒鉛あるい
は人造黒鉛を成形した平板ディスク、黒鉛フェルトまた
は膨張黒鉛シートの円板などを用いることができるが、
このうち加圧に際して適度の変形性を備える黒鉛フエル
トまたは膨張黒鉛シートで形成することが好ましい。ま
た、高電気比抵抗の板状スペーサーとしてはカーボンブ
ラック、樹脂炭あるいは籾殻炭等の難黒鉛化性粉末ある
いはこれらを黒鉛粉末とブレンドして成形した平板ディ
スク、炭素繊維フエルトの円板等で構成される。この
際、板状スペーサー(符号8と9)の電気比抵抗を調整
して、水冷ターミナル電極2と炭素質成形体4、7の対
向端面間に、炭素質成形体4〜7相互の対向端面間に介
在する板状スペーサー(9)に比べて2〜2.5倍に相
当する電気比抵抗値(常温)の板状スペーサー(8)を
選択して介在させることが好ましい。前記の電気比抵抗
の比が2倍未満あるいは2.5倍を越えるとA−B温度
差を160℃以下に抑制することができなくなり、縦割
り亀裂11の発生を防止することが困難となる。
【0014】炉操業時、通電により水冷ターミナル電極
2と隣接する炭素質成形体4、7および炭素質成形体4
〜7には炭素質導電材8、9を介して直流電流が流れ、
直列配置された各炭素質成形体はジュール発熱するが、
両端部に位置する炭素質成形体4、7の水冷ターミナル
電極2に隣接する対向端面部位は水冷作用の影響で発熱
温度が低下する。しかし、水冷ターミナル電極2と炭素
質成形体4、7の対向端面間に介在する炭素質導電材8
の電気比抵抗を、炭素質成形体4〜7相互の対向端面間
に介在する炭素質導電材9よりも相対的に高くしてある
ため、水冷による放熱を補うに十分なジュール発熱を生
じる。この作用で、A−B温度差は縦割り亀裂が発生す
ることのない160℃以下に保たれ、かつ図2のC点と
の温度差も少なくなって均等な温度分布を示す。このた
め、両端部の炭素質成形体はもとより、全ての炭素質成
形体に亀裂や破損等の材質欠陥現象を生じることなく、
常に歩留りのよく黒鉛化処理が完了する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例
の範囲に限定されるものではない。
【0016】実施例1〜2、比較例1〜2 図1に示した構造の直接黒鉛化炉を用い、直径24イン
チ、長さ2.4m の円柱形状を有する焼成済の炭素質成
形体を10本直列に配置し、各炭素質成形体4〜7相互
の対向端面間には炭素質導電材9として電気比抵抗値
(常温)350μΩ・m の黒鉛粉末の詰粉を介在させ、
水冷ターミナル電極2とこれに隣接する炭素質成形体
4、7の対向端面間には炭素質導電材8として電気比抵
抗値(常温)の異なる炭素質の詰粉を介在させ、端部か
ら押圧して各端面間を圧接した。押圧後の各炭素質導電
材の介在厚さは約20mmであった。なお、炭素質導電材
8の炭素質詰粉には仮焼コークス粉と黒鉛粉末との混合
物を用い、仮焼コークス粉の混合割合を変えて電気比抵
抗値を調整した。なお、電気比抵抗値は常温(25℃)
において粉体に単位面積当たり7kg/cm2の圧力を負荷し
た状態で電圧降下法により求めた値である。
【0017】ついで、炉内に炭素質詰粉を充填して炭素
質成形体全体を被包したのち、両端部の水冷ターミナル
電極2から直流電流を送電した。送電後、図2のC点の
温度が1000℃に到達した時点におけるA点およびB
点の温度を熱電対により測定した。その結果を、介在し
た炭素質詰粉(位置8、9)の電気比抵抗値を対比させ
て表1に示した。引き続き、通電発熱を継続し、温度3
000℃で黒鉛化処理を行った。黒鉛化処理後における
ターミナル電極に隣接する炭素質成形体の縦割れ亀裂状
態を観察し、その結果を表1に併載した。
【0018】
【表1】 〔表注〕(1) 「位置9」は図の符号9に介在した炭素質詰粉の常温で7kg/cm2負 荷時における電気比抵抗値である。 (2) 「位置8」は図の符号8に介在した炭素質詰粉の常温で7kg/cm2負 荷時における電気比抵抗値である。
【0019】表1の結果から、水冷ターミナル電極2と
炭素質成形体7の対向端面間(位置8)に介在する炭素
質詰粉の電気比抵抗値を、炭素質成形体4〜7相互の対
向端面間(位置9)に介在した炭素質詰粉の3〜4倍の
範囲内とした実施例1、2においてA−B温度差が16
0℃以下となり、A点、B点およびC点の発熱温度が均
等化して黒鉛化処理後におけるターミナル電極2に隣接
する炭素質成形体7に縦割れ亀裂が発生しないことが認
められた。これに対し、比較例1では位置8と位置9に
介在する炭素質詰粉の電気比抵抗値が同一であり、また
比較例2では位置9に比べて位置8に介在した炭素質詰
粉の電気比抵抗値が極端に高いため、いずれもA−B温
度差が160℃を越え、黒鉛化処理後の炭素質成形体7
の縦割り亀裂が発生した。
【0020】実施例3〜4、比較例3〜4 図1に示した構造の直接黒鉛化炉を用い、直径24イン
チ、長さ2.4m の円柱形状を有する焼成済の炭素質成
形体を10本直列に配置し、各炭素質成形体4〜7相互
の対向端面間には炭素質導電材9として電気比抵抗値
(常温)5.1μΩ・m の黒鉛質の板状スペーサー(板
厚20mm) を介在させ、水冷ターミナル電極2とこれに隣
接する炭素質成形体4、7の対向端面間には炭素質導電
材8として電気比抵抗値(常温)の異なる炭素質の板状
スペーサー (板厚20mm) を介在させ、端部から押圧して
各端面間を圧接した。炭素質導電材8の板状スぺーサー
には仮焼コークス粉と黒鉛粉末との捏合物を焼成して得
た表面平滑な円盤(直径24inch) 用い、仮焼コークス粉
の混合割合を変えて電気比抵抗値を調整した。なお、板
状スペーサー電気比抵抗値は常温(25℃)においてJ
IS R7202電圧降下法により求めた。
【0021】ついで、実施例1と同一条件で直流電力を
送電した。送電後、図2のC点の温度が850〜100
0℃に到達した時点におけるA点およびB点の温度を熱
電対により測定した。その結果を、介在した炭素質板状
スペーサー(位置8、9)の電気比抵抗値を対比させて
表2に示した。引き続き、通電発熱を継続し、温度30
00℃で黒鉛化処理を行った。黒鉛化処理後におけるタ
ーミナル電極に隣接する炭素質成形体の縦割れ亀裂状態
を観察し、その結果を表2に併載した。
【0022】
【表2】 〔表注〕(1) 「位置9」は図の符号9に介在した炭素質板状スペーサーの常温に おける電気比抵抗値である。 (2) 「位置8」は図の符号8に介在した炭素質板状スペーサーの常温に おける電気比抵抗値である。
【0023】表2の結果から、水冷ターミナル電極2と
炭素質成形体7の対向端面間(位置8)に介在する炭素
質板状スペーサーの電気比抵抗値が、炭素質成形体4〜
7相互の対向端面間(位置9)に介在した炭素質板状ス
ペーサーの2〜2.5倍範囲内とした実施例1、2にお
いてA−B温度差が160℃以下となり、A点、B点お
よびC点の発熱温度が均等化して黒鉛化処理後における
ターミナル電極2に隣接する炭素質成形体7に縦割れ亀
裂が発生しないことが認められた。これに対し、比較例
1では位置8と位置9に介在する炭素質板状スペーサー
の電気比抵抗値が同一であり、また比較例2では位置9
に比べて位置8に介在した炭素質板状スペーサーの電気
比抵抗値が極端に高いため、いずれもA−B温度差が1
60℃を越え、黒鉛化処理後の炭素質成形体7の縦割り
亀裂が発生した。
【0024】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば多数本の
円柱状炭素質成形体を直列状態に配列して直接黒鉛化処
理を行うにあたり、水冷ターミナル電極とこれに隣接す
る炭素質成形体との対向端面間に、炭素質成形体相互の
対向端面間に介在する炭素質導電材よりも相対的に高い
電気比抵抗値を有する炭素質導電材を介在させることに
より、A−B温度差は縦割り亀裂が発生することのない
160℃以下に保たれ、かつ炭素質成形体全体の発熱温
度分布も均等化する。
【0025】上記の作用効果は、炭素質導電材を炭素質
の詰粉とした場合に、水冷ターミナル電極と炭素質成形
体の対向端面間に介在する炭素質詰粉の電気比抵抗値
を、炭素質成形体相互の対向端面間に介在するそれの3
〜4倍範囲とし、また炭素質導電材を炭素質の板状スペ
ーサーとした場合には、水冷ターミナル電極と炭素質成
形体の対向端面間に介在する炭素質詰粉の電気比抵抗値
を、炭素質成形体相互の対向端面間に介在するそれの2
〜2.5倍範囲とすることにより、一層有効に達成さ
れ、両端部の炭素質成形体はもとより、全ての炭素質成
形体に亀裂や破損等の材質欠陥現象を生じることなく、
常に歩留りのよく黒鉛化処理を行うことが可能となる。
したがって、特に直径24インチ以上の大型黒鉛電極の
黒鉛化工程に適用して極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する直接黒鉛化炉を例示した説明
図(平断面略図)である。
【図2】図1の部分拡大説明図である。
【符号の説明】
1 炉体 2 水冷ターミナル電極 3 直流電源 4 炭素質成形体 5 炭素質成形体 6 炭素質成形体 7 炭素質成形体 8 炭素質導電材 9 炭素質導電材 10 炭素質詰粉 11 縦割り亀裂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数本の円柱状炭素質成形体を相互の対
    向端面間に炭素質導電材を介在させて長尺黒鉛化炉内に
    直列状態で配列し、端部を水冷ターミナル電極から通電
    して炭素質成形体をジュール発熱させる直接黒鉛化法に
    おいて、水冷ターミナル電極と炭素質成形体の対向端面
    間に、炭素質成形体相互の対向端面間に介在する炭素質
    導電材よりも相対的に高い電気比抵抗値を有する炭素質
    導電材を介在させることを特徴とする炭素質成形体の黒
    鉛化方法。
  2. 【請求項2】 炭素質導電材が炭素質の詰粉であり、水
    冷ターミナル電極と炭素質成形体の対向端面間に、炭素
    質成形体相互の対向端面間に介在する炭素質導電材に比
    べて3〜4倍に相当する電気比抵抗値(常温)の炭素質
    導電材を介在させる請求項1記載の炭素質成形体の黒鉛
    化方法。
  3. 【請求項3】 炭素質導電材が炭素質の板状スペーサー
    であり、水冷ターミナル電極と炭素質成形体の対向端面
    間に、炭素質成形体相互の対向端面間に介在する炭素質
    導電材に比べて2〜2.5倍に相当する電気比抵抗値
    (常温)の炭素質導電材を介在させる請求項1記載の炭
    素質成形体の黒鉛化方法。
  4. 【請求項4】 水冷ターミナル電極と炭素質導電材を介
    して隣接する炭素質成形体の端面における断面中心部と
    外周部との温度差が160℃以下になる条件で黒鉛化処
    理する請求項1、2又は3記載の炭素質成形体の黒鉛化
    方法。
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CN108083271A (zh) * 2017-12-22 2018-05-29 中国平煤神马集团开封炭素有限公司 一种超细颗粒人造石墨石墨化工艺及石墨化炉

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