JPH09226484A - 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法Info
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- JPH09226484A JPH09226484A JP4112296A JP4112296A JPH09226484A JP H09226484 A JPH09226484 A JP H09226484A JP 4112296 A JP4112296 A JP 4112296A JP 4112296 A JP4112296 A JP 4112296A JP H09226484 A JPH09226484 A JP H09226484A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 衝撃緩衝効果が高く、座屈しにくい構造を有
する熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】(1) 長尺の湾曲部と長手方向両端に設けら
れる自動車本体への取付部からなる熱可塑性樹脂製自動
車用衝撃緩衝部材において、湾曲部は長手方向に連通す
る複数の中空部分を有し、各中空部分は自動車の走行面
と略平行な隔壁で仕切られて隣接しており、中空部分の
長手方向に垂直な断面は略矩形又は自動車本体側から前
面部側に向けて狭まるテイパーをなす台形であり、湾曲
部は長手方向に垂直なリブを有しない構造とする。 (2) 上記の自動車用衝撃緩衝部材を製造するにあたり、
衝撃緩衝部材を自動車本体への取付け側の板状部材と断
面櫛状の自動車前面部側部材とで構成し、射出成形法で
製造した自動車前面部側部材と板状部材を接合すること
により製造する。
する熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】(1) 長尺の湾曲部と長手方向両端に設けら
れる自動車本体への取付部からなる熱可塑性樹脂製自動
車用衝撃緩衝部材において、湾曲部は長手方向に連通す
る複数の中空部分を有し、各中空部分は自動車の走行面
と略平行な隔壁で仕切られて隣接しており、中空部分の
長手方向に垂直な断面は略矩形又は自動車本体側から前
面部側に向けて狭まるテイパーをなす台形であり、湾曲
部は長手方向に垂直なリブを有しない構造とする。 (2) 上記の自動車用衝撃緩衝部材を製造するにあたり、
衝撃緩衝部材を自動車本体への取付け側の板状部材と断
面櫛状の自動車前面部側部材とで構成し、射出成形法で
製造した自動車前面部側部材と板状部材を接合すること
により製造する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃緩衝効果が高
く、座屈がない熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及
びその製造方法に関するものである。
く、座屈がない熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及
びその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、バンパー、バンパービーム等の自
動車用衝撃緩衝部材には、金属製のものが多用されてき
たが、強度的には問題ないものの、重量が大きく、腐食
し易い等の欠点があった。そのため、最近では、省資
源、軽量化の観点からプラスチック製のバンパー、バン
パービーム等が採用されるようになってきた。
動車用衝撃緩衝部材には、金属製のものが多用されてき
たが、強度的には問題ないものの、重量が大きく、腐食
し易い等の欠点があった。そのため、最近では、省資
源、軽量化の観点からプラスチック製のバンパー、バン
パービーム等が採用されるようになってきた。
【０００３】このプラスチック製のバンパー、バンパー
ビーム等は、衝撃緩衝を向上する上で、中空構造を有す
る形状とするのが効果的であり、その製造方法として、
ブロー成形による一体成形や射出成形で内部にリブを設
けた台形形状を有する自動車前面部材と自動車本体への
取付け側の板状部材を別々に成形し、それらを二次加工
で張り合わせることにより中空構造の成形品を成形する
方法がある。
ビーム等は、衝撃緩衝を向上する上で、中空構造を有す
る形状とするのが効果的であり、その製造方法として、
ブロー成形による一体成形や射出成形で内部にリブを設
けた台形形状を有する自動車前面部材と自動車本体への
取付け側の板状部材を別々に成形し、それらを二次加工
で張り合わせることにより中空構造の成形品を成形する
方法がある。
【０００４】しかし、ブロー成形で、図６に示すような
中央断面が自動車前面部側に中実部を有し、その両側に
中空部分を有する凹型の形状のものを一体成形が可能で
あるが、生産性に限界があることや形状の自由度が乏し
い等の問題がある。また、射出成形で内部にリブを設け
た二つの隣接した台形形状を有する自動車前面部材と自
動車本体への取付け側の板状部材を別々に成形し、それ
らを二次加工で貼合わせることにより、図７に示すよう
な中空構造の成形品としたものでは、さらに衝撃緩衝及
び座屈強度の向上が望まれている。
中央断面が自動車前面部側に中実部を有し、その両側に
中空部分を有する凹型の形状のものを一体成形が可能で
あるが、生産性に限界があることや形状の自由度が乏し
い等の問題がある。また、射出成形で内部にリブを設け
た二つの隣接した台形形状を有する自動車前面部材と自
動車本体への取付け側の板状部材を別々に成形し、それ
らを二次加工で貼合わせることにより、図７に示すよう
な中空構造の成形品としたものでは、さらに衝撃緩衝及
び座屈強度の向上が望まれている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、衝撃緩衝効
果の高く、座屈しにくい構造を有する自動車用衝撃緩衝
部材及びその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
果の高く、座屈しにくい構造を有する自動車用衝撃緩衝
部材及びその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく種々検討した結果、意外なことに、熱可塑
性樹脂の射出成形において、成形品の剛性や強度を向上
させるための常套手段であるリブを設けるのではなく、
リブをなくした滑らかな中空部分を有するものが応力集
中がなく、軽量で、衝撃緩衝が高く、座屈しにくいこと
を見いだし、本発明を完成した。
を達成すべく種々検討した結果、意外なことに、熱可塑
性樹脂の射出成形において、成形品の剛性や強度を向上
させるための常套手段であるリブを設けるのではなく、
リブをなくした滑らかな中空部分を有するものが応力集
中がなく、軽量で、衝撃緩衝が高く、座屈しにくいこと
を見いだし、本発明を完成した。
【０００７】本発明の要旨は、以下の通りである。 （１）長尺の湾曲部と長手方向両端に設けられる自動車
本体への取付部からなる熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩
衝部材において、湾曲部は長手方向に連通する複数の中
空部分を有し、各中空部分は自動車の走行面と略平行な
隔壁で仕切られて隣接しており、中空部分の長手方向に
垂直な断面は略矩形又は自動車本体側から前面部側に向
けて狭まるテイパーをなす台形であり、湾曲部は長手方
向に垂直なリブを有しないことを特徴とする熱可塑性樹
脂製自動車用衝撃緩衝部材。 （２）各中空部分が略同じ厚さの壁で囲まれている
（１）に記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材。 （３）湾曲部における長手方向に垂直な断面の外郭が、
略矩形又は自動車本体側から離れるにつれて狭まるテイ
パーをなす台形である（１）又は（２）に記載の熱可塑
性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材。
本体への取付部からなる熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩
衝部材において、湾曲部は長手方向に連通する複数の中
空部分を有し、各中空部分は自動車の走行面と略平行な
隔壁で仕切られて隣接しており、中空部分の長手方向に
垂直な断面は略矩形又は自動車本体側から前面部側に向
けて狭まるテイパーをなす台形であり、湾曲部は長手方
向に垂直なリブを有しないことを特徴とする熱可塑性樹
脂製自動車用衝撃緩衝部材。 （２）各中空部分が略同じ厚さの壁で囲まれている
（１）に記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材。 （３）湾曲部における長手方向に垂直な断面の外郭が、
略矩形又は自動車本体側から離れるにつれて狭まるテイ
パーをなす台形である（１）又は（２）に記載の熱可塑
性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材。
【０００８】（４）湾曲部断面の外郭が台形である場合
においてテイパー部の傾斜角度が自動車本体への取付け
面の垂線に対して２〜２０°の範囲にある（１）〜
（３）のいずれかに記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃
緩衝部材。 （５）湾曲部が長手方向に連通する三つの中空部分を有
する（１）〜（４）のいずれかに記載の熱可塑性樹脂製
自動車用衝撃緩衝部材。 （６）上記（１）〜（５）のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であって、衝撃
緩衝部材を自動車本体への取付け側の板状部材と断面櫛
状の自動車前面部側部材とで構成し、射出成形法で製造
した自動車前面部側部材と板状部材を接合することを特
徴とする熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方
法。
においてテイパー部の傾斜角度が自動車本体への取付け
面の垂線に対して２〜２０°の範囲にある（１）〜
（３）のいずれかに記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃
緩衝部材。 （５）湾曲部が長手方向に連通する三つの中空部分を有
する（１）〜（４）のいずれかに記載の熱可塑性樹脂製
自動車用衝撃緩衝部材。 （６）上記（１）〜（５）のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であって、衝撃
緩衝部材を自動車本体への取付け側の板状部材と断面櫛
状の自動車前面部側部材とで構成し、射出成形法で製造
した自動車前面部側部材と板状部材を接合することを特
徴とする熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方
法。
【０００９】なお、本発明において自動車前面部側と
は、自動車の進行方向のみを意味するものではなく、自
動車の外部空間側を意味し、本発明の熱可塑性樹脂製自
動車用衝撃緩衝部材は、車体の前方と後方の両方に適用
できるものである。
は、自動車の進行方向のみを意味するものではなく、自
動車の外部空間側を意味し、本発明の熱可塑性樹脂製自
動車用衝撃緩衝部材は、車体の前方と後方の両方に適用
できるものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。本発明における自動車用衝撃緩衝部材は、中空
部分を有する長尺の湾曲部と、長手方向両端に設けられ
る自動車本体への取付部からなる熱可塑性樹脂製自動車
用衝撃緩衝部材であって、湾曲部は図１〜５に示すよう
に長手方向に連通した少なくとも二つの中空部分を有
し、各中空部分は自動車の走行面と略平行な隔壁で仕切
られて隣接しており、中空部分の長手方向に垂直な断面
は略矩形又は自動車本体側から前面部側に向けて狭まる
テイパーをなす台形であり、湾曲部は長手方向に垂直な
リブを有しないことを特徴とする熱可塑性樹脂製自動車
用衝撃緩衝部材である。各中空部分は略同じ厚さの壁で
囲むことにより形成することができる。このように、湾
曲部内の中空部分はリブのない滑らかなものである。ま
た、従来のブロー成形で成形された湾曲部とは異なる形
状を有し、衝撃緩衝にあまり有効でない周辺部の余分な
肉厚部を減らし、軽量化が図られる。
明する。本発明における自動車用衝撃緩衝部材は、中空
部分を有する長尺の湾曲部と、長手方向両端に設けられ
る自動車本体への取付部からなる熱可塑性樹脂製自動車
用衝撃緩衝部材であって、湾曲部は図１〜５に示すよう
に長手方向に連通した少なくとも二つの中空部分を有
し、各中空部分は自動車の走行面と略平行な隔壁で仕切
られて隣接しており、中空部分の長手方向に垂直な断面
は略矩形又は自動車本体側から前面部側に向けて狭まる
テイパーをなす台形であり、湾曲部は長手方向に垂直な
リブを有しないことを特徴とする熱可塑性樹脂製自動車
用衝撃緩衝部材である。各中空部分は略同じ厚さの壁で
囲むことにより形成することができる。このように、湾
曲部内の中空部分はリブのない滑らかなものである。ま
た、従来のブロー成形で成形された湾曲部とは異なる形
状を有し、衝撃緩衝にあまり有効でない周辺部の余分な
肉厚部を減らし、軽量化が図られる。
【００１１】湾曲部の長手方向に連通した中空部分は、
衝撃緩衝や成形加工等の面から三つが好ましい。湾曲部
の断面形状は、長手方向に垂直な断面の外郭が、略矩形
又は自動車本体側から前面部側に向けて狭まるテイパー
をなす台形とするのが好ましい。図５は、本発明の自動
車用衝撃緩衝部材における湾曲部の典型的な断面形状を
示すものであるが、これに限定されるものではない。
衝撃緩衝や成形加工等の面から三つが好ましい。湾曲部
の断面形状は、長手方向に垂直な断面の外郭が、略矩形
又は自動車本体側から前面部側に向けて狭まるテイパー
をなす台形とするのが好ましい。図５は、本発明の自動
車用衝撃緩衝部材における湾曲部の典型的な断面形状を
示すものであるが、これに限定されるものではない。
【００１２】湾曲部断面の外郭を台形とする場合、テイ
パー部の傾斜角度は自動車本体への取付け面の垂線に対
して２〜２０°の範囲に設定するのが好ましく、より好
ましくは、４〜１０°の範囲である。２°未満では、成
形品の取り出し等成形上の問題があり、２０°を超える
と座屈しやすくなる。また、本発明における自動車用衝
撃緩衝部材は、上述のように、各中空部分を囲むすべて
の壁を略同じ肉厚とすることもできるが、図４に示すよ
うに、台形のテイパー部を形成する側壁の肉厚を、中央
部から長手方向の両端に向けて次第に薄くするか、また
は自動車前面部側から自動車本体への取付け側に向けて
次第に薄くする構造をとることもできる。さらに、テイ
パー部を形成する側壁の肉厚を中央部から長手方向の両
端に向けて次第に薄くし、かつ、自動車前面部側から自
動車本体への取付け側に向けて次第に薄くするものであ
ってもよい。これらの肉厚の絶対値は、自動車の重量、
車幅等の要因や要求される耐荷重、変形量に依存するの
で、それに応じて適宜選定すればよい。
パー部の傾斜角度は自動車本体への取付け面の垂線に対
して２〜２０°の範囲に設定するのが好ましく、より好
ましくは、４〜１０°の範囲である。２°未満では、成
形品の取り出し等成形上の問題があり、２０°を超える
と座屈しやすくなる。また、本発明における自動車用衝
撃緩衝部材は、上述のように、各中空部分を囲むすべて
の壁を略同じ肉厚とすることもできるが、図４に示すよ
うに、台形のテイパー部を形成する側壁の肉厚を、中央
部から長手方向の両端に向けて次第に薄くするか、また
は自動車前面部側から自動車本体への取付け側に向けて
次第に薄くする構造をとることもできる。さらに、テイ
パー部を形成する側壁の肉厚を中央部から長手方向の両
端に向けて次第に薄くし、かつ、自動車前面部側から自
動車本体への取付け側に向けて次第に薄くするものであ
ってもよい。これらの肉厚の絶対値は、自動車の重量、
車幅等の要因や要求される耐荷重、変形量に依存するの
で、それに応じて適宜選定すればよい。
【００１３】さらに、本発明における自動車用衝撃緩衝
部材は、その両端近くに取付け部が設けられている。こ
の取付け部は、自動車本体と勘合するような凹凸を設
け、取付けた衝撃緩衝部材が擦れないようにするのが好
ましい。例えば、図３に示すように、衝撃緩衝部材に凹
部を、自動車本体には凸部を設け、それを挟持できるよ
うにするとよい。また、自動車前面側から取付けられる
ように衝撃緩衝部材に貫通穴を設け、ボルト、リベッ
ト、かしめ用部材等の接合手段により、取付けするとよ
い。以上のような形状とすることで、同一重量の衝撃緩
衝部材において、衝撃緩衝効果が非常に高く、座屈しな
い熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材を提供できる。
部材は、その両端近くに取付け部が設けられている。こ
の取付け部は、自動車本体と勘合するような凹凸を設
け、取付けた衝撃緩衝部材が擦れないようにするのが好
ましい。例えば、図３に示すように、衝撃緩衝部材に凹
部を、自動車本体には凸部を設け、それを挟持できるよ
うにするとよい。また、自動車前面側から取付けられる
ように衝撃緩衝部材に貫通穴を設け、ボルト、リベッ
ト、かしめ用部材等の接合手段により、取付けするとよ
い。以上のような形状とすることで、同一重量の衝撃緩
衝部材において、衝撃緩衝効果が非常に高く、座屈しな
い熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材を提供できる。
【００１４】本発明における自動車用衝撃緩衝部材は、
種々の成形方法によって製造できるが、射出成形法を利
用して製造するのが望ましい。射出成形法を利用する場
合は、断面櫛形の自動車前面部材の形状に対応した金型
構造及び自動車本体への取付け側の板状部材の形状に対
応した金型構造を有する金型を用いて成形するとよい。
これらの部材は一対一で接合されるものであり、寸法精
度、二次加工等を考慮すると、同一の金型で成形するの
が好ましい。形状にもよるが、板状部材は別途成形した
ものを使用してもよい。
種々の成形方法によって製造できるが、射出成形法を利
用して製造するのが望ましい。射出成形法を利用する場
合は、断面櫛形の自動車前面部材の形状に対応した金型
構造及び自動車本体への取付け側の板状部材の形状に対
応した金型構造を有する金型を用いて成形するとよい。
これらの部材は一対一で接合されるものであり、寸法精
度、二次加工等を考慮すると、同一の金型で成形するの
が好ましい。形状にもよるが、板状部材は別途成形した
ものを使用してもよい。
【００１５】使用できる射出成形機としては、上記の金
型を取り付けられ、その金型機能を十分に発揮させ得る
ものであればよい。これに使用できる熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ＡＢＳ、ポリカ
ーボネート、ポリアミド等の熱可塑性樹脂またはこれら
の熱可塑性樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体エ
ラストマー等のエラストマー、タルク、マイカ、炭酸カ
ルシウム、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤を添加
したものであり、主にポリプロピレン系樹脂を使用する
場合が多い。
型を取り付けられ、その金型機能を十分に発揮させ得る
ものであればよい。これに使用できる熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ＡＢＳ、ポリカ
ーボネート、ポリアミド等の熱可塑性樹脂またはこれら
の熱可塑性樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体エ
ラストマー等のエラストマー、タルク、マイカ、炭酸カ
ルシウム、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤を添加
したものであり、主にポリプロピレン系樹脂を使用する
場合が多い。
【００１６】この製造方法は、通常の射出成形と同様
に、金型を閉じ、使用する樹脂を適正な可塑化溶融し
て、金型キャビティ内に充填させる。その充填させる量
は、金型キャビティ容積と最終的な衝撃緩衝部材の形状
により適宜決定される。これを充分に冷却・固化したの
ち、金型を開いて、成形された衝撃緩衝部材を取り出
す。その際、金型より加圧ガスを出し、成形された衝撃
緩衝部材を取り出し易くしてもよい。
に、金型を閉じ、使用する樹脂を適正な可塑化溶融し
て、金型キャビティ内に充填させる。その充填させる量
は、金型キャビティ容積と最終的な衝撃緩衝部材の形状
により適宜決定される。これを充分に冷却・固化したの
ち、金型を開いて、成形された衝撃緩衝部材を取り出
す。その際、金型より加圧ガスを出し、成形された衝撃
緩衝部材を取り出し易くしてもよい。
【００１７】成形された断面櫛形の自動車前面部材と自
動車本体への取付け側の板状部材は、二次加工により接
合し、最終的な衝撃緩衝部材とする。 その接合方法と
しては、接着剤を用いる方法もあるが、加熱により被接
合個所を溶融して圧着する溶着方法がよい。加熱方法と
しては、熱板、熱風、高周波、超音波、インパルス等に
よる方法を採用すればよい。加熱条件、圧着条件、冷却
条件等は、衝撃緩衝部材の肉厚等に依存するので、それ
らに応じて適宜決定すればよい。
動車本体への取付け側の板状部材は、二次加工により接
合し、最終的な衝撃緩衝部材とする。 その接合方法と
しては、接着剤を用いる方法もあるが、加熱により被接
合個所を溶融して圧着する溶着方法がよい。加熱方法と
しては、熱板、熱風、高周波、超音波、インパルス等に
よる方法を採用すればよい。加熱条件、圧着条件、冷却
条件等は、衝撃緩衝部材の肉厚等に依存するので、それ
らに応じて適宜決定すればよい。
【００１８】
（１）成形品の形状 図１〜４に示すような自動車用衝撃緩衝部材で、長さ
１，２００ｍｍ、幅１２５ｍｍ、肉厚 ５．８ｍｍの一
定、総重量 ４．３ｋｇであることを特徴とする。 （２）使用樹脂 出光ポリプロピレン（Ｊ−７８４ＨＰ、ＭＩ＝１５ｇ／
１０分；２３０°Ｃ、２．１６ｋｇｆ）を使用した。 （３）使用金型 上記の自動車用衝撃緩衝部材に対応した金型で、断面櫛
形の自動車前面部材と自動車本体への取付け側の板状部
材を同一の金型で成形できるものである。 （４）使用成形機 三菱重工製射出成形機（８５０ＭＧＷ、型締力８５０ｔ
ｏｎ）を使用した。
１，２００ｍｍ、幅１２５ｍｍ、肉厚 ５．８ｍｍの一
定、総重量 ４．３ｋｇであることを特徴とする。 （２）使用樹脂 出光ポリプロピレン（Ｊ−７８４ＨＰ、ＭＩ＝１５ｇ／
１０分；２３０°Ｃ、２．１６ｋｇｆ）を使用した。 （３）使用金型 上記の自動車用衝撃緩衝部材に対応した金型で、断面櫛
形の自動車前面部材と自動車本体への取付け側の板状部
材を同一の金型で成形できるものである。 （４）使用成形機 三菱重工製射出成形機（８５０ＭＧＷ、型締力８５０ｔ
ｏｎ）を使用した。
【００１９】（５）成形条件 以下の条件で行った。 ａ）樹脂温度：２２０ ℃ ｂ）金型温度： ３０ ℃ ｃ）型締力 ：８５０ ｔｏｎ （６）二次加工 上記で成形したものを熱融着して、最終製品とした。 （７）評価方法 ペンデュラム衝突試験による。 ａ）車重 ：１．１ ｔｏｎ ｂ）衝突条件： ５ マイル 最大変形及び発生荷重は、試験機器にセンサー及びロー
ドセルを取付け測定した。また、取付部（ストッパー
部）及び打撃部の座屈状態は、試験後の成形品外観で評
価した。 （８）評価結果 表１に示すように、座屈がなく、良好な成形品であるこ
とが判った。
ドセルを取付け測定した。また、取付部（ストッパー
部）及び打撃部の座屈状態は、試験後の成形品外観で評
価した。 （８）評価結果 表１に示すように、座屈がなく、良好な成形品であるこ
とが判った。
【００２０】〔実施例２〜５〕表１に示す形状のものを
成形し、上記のように二次加工後、評価した。その結果
も、表１に示した。 〔比較例１〕図１のような断面形状で、肉厚が ５ｍｍ
の一定であり、かつ １００ｍｍおきにリブを有する自
動車前面部材（長さ、幅は上記と同じ。）と自動車本体
への取付け側の板状部材を成形し、上記と同様に熱融着
して、最終製品とした。上記と同様に評価した。その結
果は、表２に示した。 〔比較例２〕図５（ｃ）のような断面形状で、肉厚が
５．５ｍｍの一定であり、かつ １００ｍｍおきにリブ
を有する自動車前面部材（長さ、幅は上記と同じ。）を
上記のように成形し、二次加工後、評価した。その結果
も、表２に示した。
成形し、上記のように二次加工後、評価した。その結果
も、表１に示した。 〔比較例１〕図１のような断面形状で、肉厚が ５ｍｍ
の一定であり、かつ １００ｍｍおきにリブを有する自
動車前面部材（長さ、幅は上記と同じ。）と自動車本体
への取付け側の板状部材を成形し、上記と同様に熱融着
して、最終製品とした。上記と同様に評価した。その結
果は、表２に示した。 〔比較例２〕図５（ｃ）のような断面形状で、肉厚が
５．５ｍｍの一定であり、かつ １００ｍｍおきにリブ
を有する自動車前面部材（長さ、幅は上記と同じ。）を
上記のように成形し、二次加工後、評価した。その結果
も、表２に示した。
【００２１】
【表１】
【００２２】
【表２】
【００２３】
【発明の効果】本発明によれば、湾曲部に特定の断面形
状を採用することにより、衝撃緩衝効果の高く、座屈が
ない自動車用衝撃緩衝部材が得られ、さらにその形状を
有する衝撃緩衝部材の製造方法が提供される。
状を採用することにより、衝撃緩衝効果の高く、座屈が
ない自動車用衝撃緩衝部材が得られ、さらにその形状を
有する衝撃緩衝部材の製造方法が提供される。
【図１】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略断面形状
（中央部の断面Ａ）
（中央部の断面Ａ）
【図２】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略平面図
【図３】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略断面形状
（取付部の断面Ｂ）
（取付部の断面Ｂ）
【図４】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略正面図
【図５】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略断面形状
の類型
の類型
【図６】ブロー成形による自動車用衝撃緩衝部材 (a)
概要図 (b)中央断面図
概要図 (b)中央断面図
【図７】従来の射出成形による自動車用衝撃緩衝部材
１・・・ 自動車用衝撃緩衝部材 ２・・・ 自動車前面部材 ３・・・ 自動車本体への取付け側の板状部材 ４・・・ 熱融着部 ５・・・ 傾斜角度 ６・・・ 取付け穴 ７・・・ 中空部分 ８・・・ リブ ９・・・ 自動車取付部 １０・・・ 中実部
Claims (6)
- 【請求項１】長尺の湾曲部と長手方向両端に設けられる
自動車本体への取付部からなる熱可塑性樹脂製自動車用
衝撃緩衝部材において、湾曲部は長手方向に連通する複
数の中空部分を有し、各中空部分は自動車の走行面と略
平行な隔壁で仕切られて隣接しており、中空部分の長手
方向に垂直な断面は略矩形又は自動車本体側から前面部
側に向けて狭まるテイパーをなす台形であり、湾曲部は
長手方向に垂直なリブを有しないことを特徴とする熱可
塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材。 - 【請求項２】各中空部分が略同じ厚さの壁で囲まれてい
る請求項１に記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部
材。 - 【請求項３】湾曲部における長手方向に垂直な断面の外
郭が、略矩形又は自動車本体側から離れるにつれて狭ま
るテイパーをなす台形である請求項１又は２に記載の熱
可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材。 - 【請求項４】湾曲部断面の外郭が台形である場合におい
てテイパー部の傾斜角度が自動車本体への取付け面の垂
線に対して２〜２０°の範囲にある請求項１〜３のいず
れかに記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材。 - 【請求項５】湾曲部が長手方向に連通する三つの中空部
分を有する請求項１〜４のいずれかに記載の熱可塑性樹
脂製自動車用衝撃緩衝部材。 - 【請求項６】請求項１〜５のいずれかに記載の熱可塑性
樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であって、衝撃
緩衝部材を自動車本体への取付け側の板状部材と断面櫛
状の自動車前面部側部材とで構成し、射出成形法で製造
した自動車前面部側部材と板状部材を接合することを特
徴とする熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4112296A JPH09226484A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4112296A JPH09226484A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09226484A true JPH09226484A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12599656
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4112296A Pending JPH09226484A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09226484A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6099055A (en) * | 1998-08-07 | 2000-08-08 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Bumper reinforcing structural unit |
| EP1052150A1 (en) * | 1999-05-14 | 2000-11-15 | Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha | A bumper beam for a vehicle |
| JP2001199292A (ja) * | 1999-11-11 | 2001-07-24 | Aisin Keikinzoku Co Ltd | バンパリィンホースメント |
| JP2002036983A (ja) * | 2000-05-19 | 2002-02-06 | Sumitomo Chem Co Ltd | バンパ補強部材 |
| JP2002067842A (ja) * | 2000-08-29 | 2002-03-08 | Aisin Seiki Co Ltd | バンパ装置 |
| JP2002137699A (ja) * | 2000-10-31 | 2002-05-14 | Fuji Heavy Ind Ltd | バンパビーム構造 |
| US6467821B2 (en) | 2000-05-19 | 2002-10-22 | Sumitomo Chemical Company, Limited | Bumper reinforcing member |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP4112296A patent/JPH09226484A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JP4529257B2 (ja) * | 2000-08-29 | 2010-08-25 | アイシン精機株式会社 | バンパ装置 |
| JP2002137699A (ja) * | 2000-10-31 | 2002-05-14 | Fuji Heavy Ind Ltd | バンパビーム構造 |
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Effective date: 20050726 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |