JPH0922568A - ヘッドアーム用双安定磁気ラッチング装置 - Google Patents

ヘッドアーム用双安定磁気ラッチング装置

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Publication number
JPH0922568A
JPH0922568A JP17066195A JP17066195A JPH0922568A JP H0922568 A JPH0922568 A JP H0922568A JP 17066195 A JP17066195 A JP 17066195A JP 17066195 A JP17066195 A JP 17066195A JP H0922568 A JPH0922568 A JP H0922568A
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JP
Japan
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latching
coil
arm
permanent magnet
magnetic
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Application number
JP17066195A
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English (en)
Inventor
Masahiro Mita
正裕 三田
Shigeo Endo
重郎 遠藤
Jiyooji Watsuson Ken
ジョージ ワッソン ケン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハードディスクドライブ装置を搭載している
可搬形のコンピューター等で要請の多い、小型軽量で、
保持パワーの強いラッチング装置を提供する。 【構成】 ロッキングアームの一方の端部に、舌部を設
けて、ヘッド−アーム装置に設けられたスロットを係止
する。アームの、もう一方の端部に、永久磁石かコイル
のどちらかを装着し、残る方を、その端部を取り囲むハ
ウジング内部に装着する。更に、低磁気抵抗素子を、ア
ームの両側に、先に取り付けた永久磁石かコイルと隣接
するように配設したので、強い磁場内に置かれると、成
極作用によって磁極が誘起される構成とした。 【効果】 電源断時でもラッチングして、電源を切った
状態で、小型コンピューターを搬送中に、不測の振動を
受けてもラッチが外れて、データを破損する心配が無
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばディスクドライ
ブ装置のヘッドアーム等に類する、可動アームのラッチ
ング及び非ラッチング装置に関するもので、特に詳しく
は、供給電源が遮断もしくは消失した時の機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ディスクドライブ装置が正常に運転して
いる間は、読み込み/書き込みヘッドは、ディスクの回
転に伴うディスクメディアの表面の相対的空気速度に由
来する空気力学的浮力によって、1インチの数百万分の
1程度、ディスクメディアの表面から浮上する。従っ
て、電源が消失したり、意図的に電源を遮断した時に
は、ヘッドをディスクのデータ記録面の上から、データ
記録が無い安全地帯もしくは、「パーキング(駐車)」
位置に移動させることが重要である。何故なら、もし、
ヘッドがデータメディアの表面と物理的に接触すること
になると、その接触した部分のデータは、確実にと言っ
て良い程に高い確率で破壊されたり、消失したりするか
らである。
【0003】更に重要なことは、ディスクドライブ装置
が使用されていない時には、ヘッドは安全なパーキング
位置に保持されていなければならないと言うことであ
る。ハードディスクドライブ装置を搭載している、可搬
形、ラップトップ形、等の小型コンピューターでは、特
に、このヘッド−メディアの接触が問題となる。何故な
ら、これらは持ち運びされたり、自動車の中等の使用環
境の下で使用されることも有るので、ぶつかったり、が
たがた揺れたり、と言った類の外力を受けるからであ
る。この種の外力を受けた時に、ヘッドがラディアル方
向に動き、もしも、データ記録面と接触したりすると、
メディアの磁性面は恐らく損傷するであろう。更に、ヘ
ッド−アーム装置自身もこのような手荒な扱いを受けた
時に、自由に動くことが出来る状態であれば、恐らく損
傷するであろう。このようなデータもしくはヘッド−ア
ーム装置の損傷を避けるために、ヘッド−アーム装置
は、安全位置に固定されなければならない。
【0004】歴史的には、大型コンピューターの場合、
特別な電源装置が接続されていて、停電が起こると、非
常予備電源に切り替わるようになっていた。この予備電
源の間に、緊急シャットダウンプログラムを起動して、
データ処理部を保護すると共に、ヘッド−アーム装置を
安全パーキング位置に移動させてからコンピューターシ
ステムを停止する手順となっていた。しかし、現代のコ
ンピューターユーザーは、このような「無停電電源装
置」を備え付ける考えは持っていない。 可搬形コンピ
ューターのユーザーであれば、比較的に重たい、そのよ
うな特別製の電源を持ち運ぶよりも、むしろ持ち運ばな
い方を選択するであろう。
【0005】机上形及び可搬形のコンピューターの重量
と消費電力を低減しようとする努力の中で、回転してい
るデータディスクの慣性、もっと正確には、運動エネル
ギーを有効利用して、ヘッド−アーム装置をパーキング
させるために必要な力を確保しようとする試みが展開さ
れている。それらの試みの一つとして、電圧検出回路が
停電を感知すると、直ちにディスクのスピンドルモータ
ーの制御回路を切り替えて、スピンドルモーターが発電
機となるようにする技術が既に知られている。ディスク
回転の減速に伴って発電が行われ、電圧が発生するの
で、この電圧を利用してヘッド−アーム装置を安全位置
に移動させることになる。そして、更にアームのラッチ
ングにも利用して、ヘッド−アーム装置を安全位置に確
保しようとするものである。(この場合には、その位置
に到達していなければ駄目であることは、勿論である)
【0006】このような切り替え回路方式では、通常、
スピンドルモーター制御回路は数個のトランジスタース
イッチ回路を経由してスピンドルモーターに電流を送っ
ており、第1状態(モーターモード)と第2状態(発電
機モード)が切り替えられるように設計されている。第
1状態では、これらのトランジスターはディスクドライ
ブ装置の電源から電圧を受け取っており、モーター及び
取り付けられたディスクは、スピンドルモーターの速度
検出手段を備えたスピンドルモーター制御回路によっ
て、動作速度まで加速され、その速度を維持するように
制御されている。
【0007】電源電圧が消失したり、あるいは意図的に
遮断された時には、これらのトランジスタースイッチ回
路は、「ノーマル」状態、即ち第2状態に切り替わり、
スピンドルモーターのリード線は、パーキング及びラッ
チング回路に接続される。第1状態から第2状態への切
り替えは、かくして、電圧の消失によって行われる。
(このことは、リレー回路において、励磁コイルの回路
を開いた時の「正常終了」と相似している)
【0008】パーキング及びラッチング回路は、通常、
簡単なトランジスタースイッチ回路で構成され、今、現
在高速回転しているスピンドルモーター及びディスクに
よって得られ、スピンドルモーターのリード線に存在す
る電圧によって動作しており、両者は何れも、高い慣性
モーメントを有しているので、高速回転時には十分に大
きな運動エネルギーを保持することになって、その少な
くとも一部分を他に使用する電力に変換することが出来
るのである。このパーキング及びラッチング回路は、ヘ
ッド−アーム装置のアクチュエーターに電流を送り、ア
クチュエーターをラッチングの方向に切り替える。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】普通に行われているラ
ッチング装置は、小さな磁石から成っており、ヘッド−
アーム装置の、通常、励磁コイルが装着されている基板
取り付け部分に近い端部二取り付けられた、磁性鉄片を
吸着する構成となっている。この方法の利点は、安価
で、組み立てが簡単なことである。一方、この方法の欠
点は、その一つを挙げると、ラッチングする力が弱いこ
とで、運搬したりすると、ヘッド−アーム装置のラッチ
ングがガタついて緩み易いことである。
【0010】この従来方法のもう一つの欠点を挙げる
と、ラッチング装置から出ている磁界の影響をヘッド−
アーム装置自身が受けることが有ることで、ラッチング
してはならない時でも、ヘッド−アーム装置がこのラッ
チング装置に近づくと、ラッチングすることが有る。こ
の磁気的に惹起される力の変化を補償するために、アク
チュエーターサーボシステムに特別な回路を付加するこ
とが、しばしば行われている。
【0011】3番目の欠点は、ヘッド−アーム装置自身
が正常な起動時や運転時に、アクチュエーターをラッチ
ング状態から解放するために与えられている力は、元々
限定されていることで、この事実は逆に、ヘッド−アー
ム装置をラッチングする力が限定されることを意味して
いる。磁性鉄片と永久磁石が相互に惹き付け合う力が強
ければ強いほど、ヘッド−アーム装置を起動時に「解
放」するために、より大きな力を必要とする。そこで、
或るシステムでは、「スタック」と呼ばれる棚を設けて
収納するようにしたものも出ているが、バッテリー電圧
が低下した状態、例えば、長時間充電せずに使用した後
等、に使用しようとすると、非ラッチング状態に出来な
い問題に悩まされることが多いことが知られている。
【0012】この他に、純粋に機械要素だけでラッチン
グ装置を構成したものも知られている。この種の機構装
置は、スプリング、スロープ、バネ付きクリップ、その
他のものを備えており、アームを、いわゆる「自縄自
縛」させようとするもので、基本的には、ヘッド−アー
ム装置が「安全位置」に向かって加速された時のアーム
の速度に依存している。しかし、このような機構を有す
る装置は信頼性が無いことが知られており、しかも、組
み立て時の調整が難しい。一例を挙げると、もし、クリ
ップが堅すぎたり、幅が狭すぎたりすると、アームは、
安全位置に確実に入ることが出来なかったり、逆に一度
「自縄自縛」すると、こんどは、解放する時に余分な力
を必要とすることになる。そして、逆に、クリップが緩
みすぎたり、開きっぱなしになると、確実に保持するこ
とが出来ないばかりか、自然解放する結果となることも
考えられる。
【0013】この他に、従来技術のラッチング装置とし
て、中間連結子もしくはレバーを設けて、磁気ラッチン
グ装置をアクチュエーター励磁コイルやディスクの近く
から遠ざけるように構成するものがある。この連結子に
関連して、電磁石を採用した機構で、永久磁石を内臓し
ていて、停電時には、連結子をその場所に固定するもの
もある。この方法は、他の従来方法よりも、概して信頼
性は良いが、比較的にコスト高であり、工場での組み立
て時に、適切な保持力を持たせるための調整が必要とな
る可能性がある。このような連結子方式は、特に、電磁
石を採用したりすると、比較的多くの可動部品を使用す
ることになって、機構が複雑化するばかりで無く、コス
ト高となり、故障の危険性も高くなる。更には、この種
のラッチング装置は、上述の単純な磁石方式よりも、貴
重なディスクドライブ装置の内部を占有してしまう、こ
とになると言う問題があった。
【0014】このため、ディスクドライブ装置の産業界
では、以下の要件を満足するヘッド−アームラッチング
装置の開発が要請されている。
【0015】1.ヘッド−アーム装置は、電源が切って
ある時でも、安全位置に留まって、固定されていなけれ
ばならない、とする思想を適用したシステムであって、
ヘッド−アーム装置をガタつかせるような外力が加わっ
ても、ヘッド−アーム装置がその位置から飛び出す心配
が全くないこと。しかも、そのためのディスクドライブ
装置の電力消費が皆無であること。
【0016】2.パワーアップすること、によって、ヘ
ッド−アーム装置のラッチング状態からの解放が容易に
行われること。このラッチング状態からの解放動作時に
は、短時間電力消費量が比較的に増大することは許容さ
れること。
【0017】3.ディスクドライブ装置が正常動作中
は、ラッチング装置は、電力消費無しで、無防備のまま
の状態を維持していなければならない。ラッチング装置
がこの状態に入るために、殆ど力を必要としないこと。
ヘッド−アーム装置がラッチング装置から解放された後
では、ヘッド−アーム装置がラッチング装置の近くに在
っても、その受ける影響が極小化(ミニマイズ)されて
いること。この動作モードに在る時、ディスクドライブ
装置の運転に全く影響を及ぼさないこと。但し、ラッチ
ング装置が防備状態に在り、実質的に捕縛されている状
態に在る時は、衝撃対策として許容される。この捕縛状
態が不便であるなら、シーク動作を再試行(リトライ)
することによって素早く改善出来ること。
【0018】4.停電の時、ラッチング装置は、防備状
態に入り、ヘッド−アーム装置が安全位置に待避した時
に機構的に捕縛しなければならない。この動作に対する
電力消費は、比較的に少なく、しかも短時間(数ミリ
秒)であること。
【0019】ラッチング装置の動作効率については、特
に触れていないが、ラッチング装置に可動部分が在る場
合には、ベアリングを使用して、長寿命化と高速化を計
り、最新式のディスクドライブ装置として、極限的な縮
小化に挑戦するものであることが望ましい。更には、可
動部分のベアリング疲労によって生成される微粒子の量
を最低限に抑え、望ましくは、微粒子の発生を皆無とし
たい。これによって、汚染が減少し、ラッチング動作が
スムースに行われることが約束される。
【0020】本発明は上記に鑑みなされたものであり、
その目的は、これらの要請に適合するラッチング装置を
提供するものである。また、本発明は、特にディスクド
ライブ装置のヘッド−アーム装置をラッチングするラッ
チング装置として適合するものであるが、それ以外の多
くの計測器や装置に使用される高感度部品をラッチング
したい時に有効である。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る、ヘッド
アーム用双安定磁気ラッチング装置は、上記の課題を解
決するために以下の手段が講じられていることを特徴と
するものである。
【0022】即ち、ディスクドライブ装置のヘッドアー
ムをラッチング状態及び非ラッチングの状態に設定する
装置において、アームロック装置であって、アームを形
成して延びるアーム構成部品と、第1のラッチング素子
と、第1の磁気ラッチングアクチュエーターとから成
り、前記アーム構成部品上の第1及び第2の相互に離間
した位置に前記第1のラッチング素子並びに前記第1の
磁気ラッチングアクチュエーターがそれぞれに装着さ
れ、前記アーム構成部品の重心位置が前記アーム構成部
品上の前記第1及び第2の位置と離間して、それらの前
記第1と第2の位置の中間に位置しているように構成す
る手段と、前記アーム構成部品を枢軸によって軸支する
回動支持装置であって 前記アーム構成部品が前記重心
位置を中心として、その周りを回動自在に支持され、第
1のラッチング素子を、相互に離間したラッチング位置
と非ラッチング位置の間で、振り子運動させるように構
成する手段と、ヘッドアームに装設された第2のラッチ
ング素子であって、このラッチング素子の協調動作によ
って、第1のラッチング素子がラッチング位置に在る時
に、ヘッドアームが安全パーキング位置から移動するこ
とを阻止する手段と、磁気ラッチングアクチュエーター
の第2の構成部品であって、前記重心に軸支された前記
アーム構成部品を振り子運動させ、第1のラッチング素
子が前記第1と第2の位置間で行う振り子運動に、協調
するように構成する手段と、前記第1のラッチング素子
と第2のラッチング素子の何れか1方が、コイルによっ
て構成され、そのコイルに通電することによって、第1
と第2の付勢状態の何れか一方を二者択一的に選択する
手段と、前記第1のラッチング素子と第2のラッチング
素子の他の一方が、永久磁石で構成される手段と、前記
コイルと前記永久磁石とを、磁力線が前記アームロック
装置と鎖交するように配設し、前記アームロック装置上
の、前記第3の位置から開離した位置において、両者が
一対となって、十分なピュアトルクを発生するトルク対
を生成する手段と、前記トルク対は、前記コイルが第1
の付勢状態にある時には、前記第1のラッチング装置を
ラッチング位置に向かわせ、第1の方向の回転力を発生
し、且つ、前記コイルがその第2の付勢状態にある時に
は、前記第1のラッチング装置を非ラッチング位置に向
かわせる、逆方向の回転力を発生させる手段と、前記コ
イルを前記第1の状態にも、また、前記第2の状態に
も、選択的に付勢することが可能な、ラッチング制御装
置と、ディスクドライブ装置に供給される電源電力が遮
断された事を検出する電力検出装置と、電源電力を貯蔵
し、且つ供給する装置であって、前記電力検出装置と接
続しており、電力検出装置が、前記電源電力が遮断され
たことを検出すると、前記ラッチング制御装置を経由し
て、コイルを前記第1の付勢状態に付勢する電流を供給
する手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0023】また、前記コイルが付勢されていない状態
において、第1のラッチング素子が、そのラッチング位
置に在り、且つ、コイルが付勢されていない状態に在る
時、永久磁石を惹き付ける位置に装着された第1の低磁
気抵抗素子と、第1のラッチング素子が、その非ラッチ
ング位置に在り、且つ、コイルが付勢されていない状態
に在る時、永久磁石を惹き付ける位置に装着された第2
の低磁気抵抗素子と、前記コイルが、その第1の付勢状
態に在る時に、第1の磁束方向を有し、その第2の付勢
状態に在る時に、逆向きの磁束方向を有するように構成
する手段と、永久磁石の成極作用が、本質的に、コイル
の第1と第2の磁束方向と垂直に鎖交するように配設す
る手段と、コイルが、第1の磁束方向を有する時に、第
1ラッチング素子のラッチング位置から、非ラッチング
位置へ向かい、そして、コイルが、第2の磁束方向を有
する時に、非ラッチング位置から、ラッチング位置へ向
かうトルクを、ロッキングアーム装置が、受ける手段
と、を設けたことを特徴とする。
【0024】また、コイルの磁界内に位置するように搭
載され、そのコイルが、一つの状態に付勢された時に、
磁極が誘起されるようにした、第1と第2の低磁気抵抗
素子と、第1のラッチング素子がラッチング位置に在る
時、コイルの磁束が第1の方向に向き、誘起された第1
の低磁気抵抗素子の磁極が、永久磁石によって反発され
て、ロッキングアーム装置をラッチング位置から、非ラ
ッチング位置に追い立て、誘起された第2の低磁気抵抗
素子の磁極が、永久磁石によって惹き付けられて、ロッ
キングアーム装置をラッチング位置から、非ラッチング
位置に追い立てる手段と、第1のラッチング素子が非ラ
ッチング位置に在る時、コイルの磁束が第2の方向に向
き、誘起された第1の低磁気抵抗素子の磁極が、永久磁
石によって惹き付けられて、ロッキングアーム装置を非
ラッチング位置から、ラッチング位置に追い立て、誘起
された第2の低磁気抵抗素子の磁極が、永久磁石によっ
て反発されて、ロッキングアーム装置をラッチング位置
から、非ラッチング位置に追い立てる手段と、を備えた
みとを特徴とする。
【0025】また、低磁気抵抗素子が、鉄分を含んだ素
材から成る、鉄系素子であることを特徴とする。
【0026】また、 低磁気抵抗素子が、コイルに隣接
して搭載されていることを特徴とする。
【0027】また、第1のラッチング素子が非ラッチン
グ位置に在る時、永久磁石が、第2の低磁気抵抗素子に
対する位置よりも、第1のラッチング素子がラッチング
位置に在る時に、永久磁石が、第1の低磁気抵抗素子
に、より近づくようにする手段と、これによって、永久
磁石と、それぞれの低磁気抵抗素子に働く惹き付け力
が、第1のラッチング素子が、非ラッチング位置に在る
時よりも、ラッチング位置に在る時の方が、より大きく
なるようにする手段と、を備えたことを特徴とする。
【0028】また、第1のラッチング素子が、ロッキン
グアームのアウトボード端から延伸した舌部であり、且
つ、第2のラッチング素子が、ヘッド−アーム装置のス
ロットである、ことを特徴とする。
【0029】また、可動部品を、ラッチング位置と非ラ
ッチング位置に設定する、ラッチング機構であって、ラ
ッチング位置と、そのラッチング位置から開離した空間
に位置する非ラッチング位置、の間を移動することが可
能な、ロッキング装置と、前記ロッキング装置は、第1
のロッキング素子と、前記可動部品上の第2のロッキン
グ素子と、から成り、前記ロッキング装置が、そのラッ
チング位置に在る時、相互に協調して、前記可動部品の
移動を阻止する手段と、コイルと、前記コイルが、第1
の付勢状態に在る時に、第1の方向の磁束を発生し、第
2の付勢状態に在る時に、第2の方向の磁束を発生する
手段と、前記第2の方向が、前記第1の方向と逆向きで
あって、且つ、平行である時速を発生するための電気的
接続を行う手段と、永久磁石磁束を発生する永久磁石
と、前記永久磁石と、前記コイルとを、前記永久磁石磁
束の方向が、前記コイルの磁束の、第1の方向と、第2
の方向とに、整列しないように配置する手段と、前記コ
イル、もしくは、前記永久磁石のいずれかを、前記ロッ
キング装置に搭載する手段と、前記ロッキング装置が、
コイルが、第1の付勢状態に在る時に、そのラッチング
位置から、その非ラッチング位置まで、また、コイル
が、その第2の付勢状態に在る時には、その非ラッチン
グ位置から、そのラッチング位置まで、回転するための
本質的なピュアトルクに基づくトルクを受ける手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0030】また、前記ロッキング装置が、主軸の経線
方向に伸びる、アームから成ることを特徴とする。
【0031】また、前記アームが、ベアリングによって
回転自在に軸支され、その支軸の周りで振り子運動をす
るように構成する手段と、前記振り子運動が、前記主軸
を横切り、前記支軸の周りの回転角度によって、配置さ
れた、前記ラッチング位置と非ラッチング位置の間で行
われるように設定する手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0032】また、前記支軸が、前記主軸と垂直に交差
していることを特徴とする。
【0033】また、 前記永久磁石が、前記ロッキング
装置に搭載されていることを特徴とする。
【0034】また、 前記コイルが、前記ロッキング装
置に搭載されていることを特徴とする。
【0035】また、 前記永久磁石が、前記アームに搭
載されていることを特徴とする。
【0036】また、前記永久磁石と前記コイルを、それ
ぞれの磁束の第1と第2の方向が、前記アームが延伸す
る方向と一致するように装着したことを特徴とする。
【0037】また、前記可動部品が、ディスクドライブ
装置のヘッド−アーム装置であることを特徴とする。
【0038】また、前記アームが、静力学的に平衡して
いることを特徴とする。
【0039】
【作用】ラッチング装置、特にディスクドライブ装置に
使用するもので、枢軸の周りを回動するロッキングアー
ムから成り、舌状部または、他のロッキング素子を持っ
ており、スロットもしくは可動部品の他の連れ合い部品
と係合しており、この可動部品をロックして固定するも
のであって、即ちディスクドライブ装置のヘッド−アー
ム装置である。固定コイル方式の例を説明すると、コイ
ル巻線の内部に置かれているロッキングアームの、コイ
ルの中に在る方の端部に、永久磁石が装着されている。
低磁気抵抗の、望ましくは、複数の鉄系の素子が、コイ
ルの巻線の近く、望ましくは、コイルとロッキングアー
ムの枢軸との中間に、装着されている。これらの鉄片が
永久磁石を惹き付けることによって、ラッチング状態、
非ラッチング状態の何れの場合にも確実に保持してい
る。
【0040】コイルを励磁すると、それぞれの鉄系素子
に磁極が誘起され、一方の鉄片の磁極は永久磁石の磁極
を反発して、永久磁石が取り付けられているロッキング
アームを現在の位置から向こう側の位置へ押しやろうと
し、他方の鉄系素子は永久磁石を惹き付けようとするの
で、ロッキングアームが惹き付けられて、結局反対側に
位置を変えることになる。コイルが作る磁界は、同時に
ピュアトルクとして永久磁石に作用するので、確実にロ
ッキングアームにその作用が及ぶことになる。このトル
クは、ロッキングアームを回動させるように作用するの
で、アームは位置を反対側に変えるのである。ラッチン
グ時、非ラッチング時を問わず、このロッキングアーム
の位置を保持するための外力は一切不要である。ロッキ
ングアームがどちら側にあるかは、コイルに最後に流し
た電流の方向によって決定される。
【0041】ラッチング時における永久磁石と隣接する
鉄系素子との距離は、非ラッチング時の永久磁石ともう
一つの鉄系素子との距離よりも短くなるようにするのが
望ましい。 このようにすると、ロッキングアームをラ
ッチング状態に切り替える際に必要な力が、ロッキング
アームを非ラッチング状態に切り替える際に必要な力よ
りも、より少なくて済む。
【0042】可動コイル方式の例では、コイルは、ロッ
キングアームのインボード(ヘッド側でない方)側の端
部に装着される。そして、永久磁石が、ロッキングアー
ムの両側面に取り付けられる。この永久磁石はハウジン
グの中に入れておくのが望ましく、また、このハウジン
グが鉄系の材料であれば、シールドとして作用し、種々
の漏洩磁界の影響を低減出来、特にコイルに電流を流し
た時に効果が有る。
【0043】本発明の望ましい実施例として、ロッキン
グアームはその質量中心(重心)で支持される。コイル
は、ロッキングアームにピュアトルクとして作用する
が、このピュアトルクは、支点に対する質量中心の回転
力として変換されるので、質量中心を支点としておけ
ば、ベアリング部分に無意味な反作用による力が加わら
ないので、ベアリングの寿命が増大する。
【0044】本発明の更なる例を挙げると、ロッキング
アームのロッキング素子に角度もしくは或形状を与え
て、可動構成部品のスロット、もしくは、連れ合い素子
との接触面に働く力の方向が、ロッキングアームの回転
軸の方向に向かうようにすることによって、ヘッド−ア
ーム装置がラッチングされる時には、より堅くラッチン
グが掛かって、予め定められたトルクの方向に対抗す
る。
【0045】
【実施例】本発明の一実施例について、以下に図面を参
照して説明する。
【0046】
【望ましい実施例】ディスクドライブ装置に使用される
ヘッド−アーム装置のラッチングについての応用例を参
照して、以下に本発明を説明する。 本発明は本明細書
に従うのが最も効果的であるが、ここに例示するのはや
はり、その一例に過ぎない。何故なら、本発明に基づく
ラッチングの機構は、可動部品が素早く、且つ 、確実
に停止し、固定されなければならない、他の多くのシス
テムに適用することが可能であるからである。
【0047】図1を参照すると、ディスクドライブ装置
のヘッド−アーム装置は、符号10で示されている。ヘ
ッド−アーム装置は、外側端部のアクチュエーター1
2、と反対側である内側端部の、読み込み/書き込みヘ
ッド14から成っている。ヘッド−アーム装置10は、
枢軸16によって、回動自在に枢支されている。
【0048】図1では、また、ディスク18を示し、こ
れは、ハブ20で示された、ディスクマウント装置上で
回転する。ディスクは、図示しない従来公知のスピンド
ルモーターによって駆動される。ディスクドライブ装置
は、また、停電保護回路装置を備えており、これは、制
御装置22に含まれたものとして示されている。この回
路装置は、公知のセンサー23から成り、停電や電源断
を検知すると、「パワー断」の信号を発信する。
【0049】また、図示しないが、ディスクドライブ装
置は、また、ヘッド−アームアクチュエーターを備えて
おり、これは、アームを枢軸16の周りで回動させる。
ディスク18の表面上におけるヘッド14の動きは、
へっど14からディスクマウント装置のハブ20まで延
びる点線によって示されている。
【0050】制御装置22は、望ましくは、接続回路2
4、電力貯蔵装置25、アクチュエーターパーキング回
路26、及びラッチング制御回路27、を備えている。
スピンドルモーターへの接続回路24は、図示のよう
に、スピンドルモーターのリード線を接続するタイプの
ものが望ましく、ディスクドライブ用のモーターを、電
動機動作から、発電機動作に切り替える。この切り替え
は、接続回路24が、センサー23からの「パワー断」
の信号を検知した時に行われる。しかし、この構成は、
本発明にとって、必ずしも必要なものでは無い。それ
は、本発明にに基づくラッチング装置の機構を、例え
ば、直接制御することも可能で、電力貯蔵装置や特別な
切り替え回路を必要としない、他の応用も可能だからで
ある。
【0051】ディスクドライブ装置に適用する場合にお
いても、電力貯蔵装置25は、スピンドルモーターや、
それに取り付けられたディスクの回転運動の中に蓄えら
れた、運動エネルギーであると、考えることが出来る。
しかし、そのようなことは、一般に、電流を蓄積するタ
イプの、例えば、系統電力が利用出来る時の容量性、も
しくは、それに類する回路、のように、どのような装置
についても言えることであって、小型の普通の蓄電池で
あっても、充電式バッテリーであっても良く、要する
に、そのシステムに電源から電力が供給されて動作して
いる間に、アームを車庫に戻し、施錠するに必要な電力
量を受領し、保存することが出来さえすれば、それで良
いのである。スピンドルモーターのリード線の接続装置
24が、スピンドルモーターのリード線の切り替えを行
わない場合には、恐らく、電力貯蔵装置25からの電流
を切り替えて、次段のヘッド−アーム装置及びラッチン
グ制御回路に通電することになるであろう。本発明に係
る、ラッチング装置の機構は、確実に高感度に構成する
ことが出来るために、ディスクドライブ装置以外の、回
転しているディスクのような、運動エネルギーを殆ど蓄
積出来ない可動部分を有する他のシステムにおいても、
適用出来ることを留意して置くべきである。
【0052】アクチュエーターパーキング回路26は、
ヘッド−アーム装置のアクチュエーターを回転させて、
ヘッドがディスクの表面上に無いか、少なくともディス
クのデータ記録部分に接触する虞が無い、パーキングも
しくは、安全位置に待避させる機能を有している。図1
では、ヘッド14は、ディスクマウント装置のハブ20
の近くのパーキング位置に置かれているが、この位置
は、通常、スピンドルモーターの回転中枢部分であり、
説明の便宜上のものであることを断っておく。
【0053】或ディスクドライブ装置では、ヘッド−ア
ーム装置がパーキング位置に在る時、その場所を、いわ
ゆる「ホームポジション」と呼んでいるが、これは、ホ
ームデータトラックの用語に由来するものである。 ま
た、或他のディスクドライブ装置では、ヘッド14がデ
ィスク18の周辺部もしくは、ディスク18の外側スロ
ープの周辺部に在る時に、ヘッド−アーム装置はパーキ
ング位置に在る、と言っている。本発明の目的から考え
ると、「パーキング」位置であれ、「安全」位置であ
れ、「ホーム」位置であっても良く、ヘッド−アーム装
置10の可動構成部品の位置を角度で決めたものでも、
直線距離で決めたものでも良い。さらには、可動構成部
品をラッチングするために、必ずしもパーキング位置を
設ける必要の無い計測装置やシステム(または、パーキ
ングを指令するための独立した回路を持っているシステ
ム)においては、本発明を適用して可動構成部品をラッ
チングすることは可能であるが、アクチュエーターパー
キング回路26は不要である。
【0054】ラッチング制御装置27は、接続回路24
を介して電源と接続し、導線28を介して、本発明に係
るラッチング装置のコイル30に電流を供給している。
ラッチング装置は符号32で示されている。ラッチング
装置32は、また、ロッキングアーム34から成り、本
実施例では、ベアリング38によって支持された軸36
を枢軸としている。ロッキングアーム34は、アームに
取り付けられているすべての素子は、アームの慣性モー
メントに影響を与えるので、その回転軸はその質量中心
(重心)を通るようにするのが望ましい。参考文献によ
れば、ロッキングアームは、主として、経線方向に腕を
伸ばす、とされており、また、ディスクドライブ装置の
プラットホームもしくは台座に関する参考文献では、ロ
ッキングアームは、放射状(ラディアル)に伸びるとな
っているが、望ましくは、軸36、もしくは枢軸から両
側に伸ばすのが良い。
【0055】少なくとも1つの停止素子21が必要であ
る。これは、時には、「クラッシュストップ」とも呼ば
れる、一種の止めくぎで、運動エネルギーを吸収する素
材、または、弾性素材のものをディスクドライブ装置の
可動部、非可動部に設けて、ヘッドが設定限界を越えな
いようにする。停止素子21を設ける位置は、どのよう
なタイプの素子を使用するかによって、容易に決定する
ことが可能で、ディスクドライブ装置の遊び空間を利用
することも可能である。 一般的には、ヘッド−アーム
装置10が動く両方に、飛び出し防止素子として設置さ
れるのが普通であるが、ここでは、簡単化のために、1
個のみを図示するに止めた。
【0056】図2について説明すると、ロッキングアー
ム装置の端部(外側端:アウトボード端)は、ヘッド−
アーム装置10のアクチュエーター12に最も近接する
部分で、この部分に舌部40を設けるのが望ましく、こ
れは、ヘッド−アーム装置の対応するくぼみ、もしく
は、スロット42と係止する。図1においては、この舌
部40は、スロット42と係止しており、ヘッド−アー
ム装置はロッキングされた状態となって回動を停止して
いる。図2では、舌部40は、ヘッド−アーム装置10
から離れており、ヘッド−アーム装置は自由に回動す
る。他のロッキングのやり方も種々可能である。例え
ば、舌部40をヘッド−アーム装置の一部分として形成
しておき、ロッキングアーム34をフォーク状にしてお
いて、この舌部と係止することも出来る。また、連れ合
いとなる溝と歯であっても、ピンとスロットであっても
良く、また、高摩擦部分とロッキング素子、ロッキング
アーム34の一部分とヘッド−アーム装置10との組み
合わせであっても良いのである。とは言っても、摩擦を
利用したロッキング方式は、一般的には、機械的にがっ
ちりと噛み合う、舌部とスロットの係止方式の確実性に
及ばないであろう。
【0057】本発明は、磁性材料特有の物理的性質の幾
つかを利用しているので、以下の事項を記憶に止めてお
くと役に立つであろう。先ず第1は、周知のことである
が、磁石は、殆どの鉄系物質で出来た素子を惹き付ける
ことで、この事実は、相手が永久磁石であろうと無かろ
うと問題としないこと。第2に、磁石の異極性は相互に
惹き付け合い、同極性は相互に相手を退け合う。第3
は、鉄系素子を十分強い磁界の中に入れると、その素子
が南北両極を有する磁石に変化する。第4に、他の磁界
の中に置かれた磁石は、自らの磁力線がその場の磁力線
の方向と極性に適合するように、整列しようとする性質
が有る。
【0058】以下の説明中に、「アウトボード」と言う
用語を使用しているが、これは、ロッキングアームのア
ウトボード端、とは、ディスクドライブ装置のヘッド−
アーム装置の場合、ロッキングアームが可動構成部品、
即ち、ヘッド−アーム装置と接触する方の端部を指して
いる。例えば、図1では、舌部40は、ロッキングアー
ムのアウトボード(外側)端に在る。「インボード(内
側)」端はアウトボード端の反対側である。多くの明細
書で、インボード端とアウトボード端は、ベアリング3
8の両側に位置する端部となっている。しかし、両腕が
ベアリングの一方から出ていることもあって、この場
合、ロッキングアームの最もベアリングに近い側が、イ
ンボード端となる。
【0059】図3は、ラッチング装置の固定コイル方式
による実施例の断面説明図で、ロッキングアームの移動
平面と平行した平面(回転軸に対しては垂直)で切りと
った平面図としてある。図面の煩雑化を避けるため、断
面図の斜線は省略してある。また、コイル30部分の電
気的状態を示すために、「サークル−クロス」と「サー
クル−ドット」を使用しているが、前者は、電流が紙面
に入り込む方向に、また、後者は、電流が紙面から出て
くる方向に流れていることを示している。サークルのマ
ークが何も無い(クロスマークがコイル部分の端まで伸
びているだけ)場合には、コイルには電流が流れていな
いことを示している。
【0060】図3に示されているように、永久磁石44
が、ロッキングアーム34のインボード端部に装着され
ている。従って、コイル30は、この永久磁石44を取
り囲んでいる。 永久磁石がコイルの磁心となっている
ことになる。これは、図1及び図2でも同様であるが、
ロッキングアーム10がロッキングされるためには、舌
部40がスロット42と係止していなければならないの
で、コイルの磁心部分を十分に大きくしておいて、しか
も、永久磁石44は、コイルの下側部分に最近接してい
なければならない(図1と図3とは同じ状態を示してい
る)。しかし、舌部がスロットから離れている時は、永
久磁石は、コイルの上側部分と最近接することになる
(図2の場合)。
【0061】コイルの断面の形状は、一般に、円形であ
っても、矩形であっても、その他の従来の形状で構わな
いが、本発明によって、唯一必要とされるのは、コイル
の内側を通る磁力線が本質的に永久磁石の極性方向と垂
直になっていなければならないことである。後に説明す
る可動コイル方式の実施例では、2もしくはそれ以上の
永久磁石が使用されるが、この条件に対する関係は、そ
のまま保存される。与えられたロッキングアームの長さ
に対する適正なコイルの断面寸法は、簡単な計算によっ
て求められ、その逆の場合も同様である。注目すべき
は、この計算は一度やっておけば良く、従来のバネ付き
クリップ方式その他の方式で必要とされた、各ラッチン
グ時の校正は不要である。
【0062】図3のロッキング位置に在る時の永久磁石
44は、コイル30の中心軸と、主として平行となるよ
うに伸びているのが望ましい。永久磁石の両磁極はそれ
ぞれ、慣例に従ってN及びSで示されており、永久磁石
44の磁束ベクトルは、BMで示されている。ロッキン
グアーム自体、もしくは、少なくともそのインボード端
部の部分は、コイルの磁心部に置かれた永久磁石44の
磁束を側流しないように、非磁性体で構成するのが望ま
しい。
【0063】本発明に係るラッチング装置は、また、望
ましくは、磁気抵抗が小さい第1と第2の低磁気抵抗素
子46,48を、コイル30に隣接して備えている。こ
れらの素子は、いずれも、低磁気抵抗特性を有している
ので、磁石に容易に惹き付けられ、容易に磁極を誘起生
成するので、磁界内に置かれると過渡的な磁石として作
用し、磁界が無い時には、磁石とはならない。鉄分を含
む、鉄系素子で構成すれば、これらの鉄系素子は強い誘
起磁極を生成するので、入手し易く、加工が容易で、安
価な素材で構成するのが望ましいが、必要な性能を満た
すものであれば、別の材料を使用しても良い。
【0064】コイル30と、低磁気抵抗の、望ましくは
鉄分を含む素材で構成した鉄系素子46,48は、望ま
しくは、ブラケットフレームもしくは、ハウジング50
にによって支持されるのが良い。もし、ハウジングを採
用するのであれば、外側を非磁性体で囲み、その内側表
面に、コイルと鉄系素子を取り付けるのが望ましい。ま
た、内部フレームを採用することも可能で、その場合に
は、非磁性体で構成して、永久磁石44と鉄系素子4
6,48の相互作用を弱めること無く、また、コイル3
0の磁界を側流しないようにしなければならない。
【0065】しかし、ハウジングを鉄系の素材で構成す
るなら、それも、また、可能であって、その場合、ハウ
ジングはシールドとして作用し、コイルが付勢された時
の漏洩磁束を低減することが出来る。この場合、ハウジ
ングは、磁気的には、また、物理的にも、2つの低磁気
抵抗素子46,48の延長されたものとして作用するこ
とになる。しかし、もし、このような鉄系素材から成る
ハウジングが、非常に永久磁石44と接近して設置され
たなら、ハウジングと永久磁石との間に働く惹き付け力
は大きなものとなるので、ハウジング無しの条件で設定
されたコイルの磁力では、この惹き付け力に逆らって十
分なトルクを永久磁石に与えることが出来なくなる。こ
のことを念頭に置いて、従来から、計算と実験によって
鉄系ハウジングの適正な寸法を決定するのが慣習となっ
ている。
【0066】コイル30の内部寸法もしくは、鉄系素子
46,48との距離は、望ましくは、ロッキングアーム
34のアウトボード端に在る、舌部40もしくは他のロ
ッキング素子を動かして、ヘッド−アーム装置10を完
全に解放して、非ラッチング位置に移行させることが出
来ることが必要で、且つ、ラッチング時には、スロット
42と確実に係止することが出来れば十分である。この
距離を最小限に保つことによって、また、切り替え状態
にある時には、ロッキングアームのインボード端部はカ
バーとの距離が最短となるので、ラッチング装置の切り
替え速度が向上する。
【0067】図3において、コイルが付勢される(既定
の手順によってラッチング制御装置が起動して、コイル
に電流が供給される)と、コイルを流れる電流は、図の
左側から見て、時計廻りの方向(図示のように、コイル
の上側部分では、紙面から出てくる方向に、また、コイ
ルの下側部分では、紙面に向かう方向)に流れる。付勢
されたコイルの磁力線は、コイルを貫通する長い矢印で
示され、この磁力線の磁極は、コイルのCを下付けした
CとSCで示されている。 この、コイル磁界は、コイ
ルの磁心に在って、本質的に永久磁石44の磁界と垂直
に鎖交していることに注目されたい。
【0068】電磁気學理論によって良く知られているよ
うに、図3に示されたように付勢されたコイルの磁力線
は、ループ矢印で示されたB1とB2と、コイルの中心部
を通る長い矢印で示したものとなる。低磁気抵抗素子4
6,48は、磁性材料が元々、作られた時から有してい
る磁気に対する性質から、磁力線の密度を高めたり、低
めたりする。ループ矢印で示されたB1とB2の磁力線に
よって、両素子のそれぞれの表面にN*極が生成された
所では、矢印線は「粗(リーブ)」となり、一方、両素
子のそれぞれの表面にS*極が生成された所では、「密
(エンター)」となる。低磁気抵抗素子46,48は、
コイルによって生成された磁界の影響を受け易い位置に
配置されている。その素材が有している磁束集中力の結
果として、強力な磁極が、図3に示されるように、生成
されるのである(誘起された磁極は、上付き*で示して
いる)。
【0069】ここで重要なことは、複数の磁気力が登場
していることである。図3に示す電気的、磁気的状態図
において、第1の鉄系素子46に誘起された北極N*
永久磁石の北極Nを排斥しようとする。この反発力は、
永久磁石44を上向きに押し上げる力となつて作用(図
3参照)し、その結果として、ロッキングアーム34
を、反時計廻り(CCW)に回転するように作用するこ
とになる。同時に、第2の鉄系素子48に誘起された北
極N*は、永久磁石44の南極Sを惹き付ける。この惹
き付け力は、また、永久磁石44を上向けに動かすよう
に作用するので、ロッキングアーム34を反時計廻りに
回転させる力が益々増大することになるのである。
【0070】永久磁石には、また、反時計廻りのピュア
トルクが加えられるので、それが取り付けられたロッキ
ングアームが回転することになる。このピュアトルクを
理解するためには、アンペールとマクスウエルによって
記述された、磁気モーメントに関する基礎理論を思い出
すと良いであろう。ベクトルmで、均一な磁界、ベクト
ルHに置かれた、大きさmを有する磁気モーメントを表
し、ベクトルTで永久磁石に働くトルクを表すことにす
る。すると、ベクトルT=ベクトルmxベクトルH(x
はベクトル積を表す)と、表される。簡単な式に書き直
すと、永久磁石は、経験的に、積 m・H・sinα
に等しいトルクを持っている、と言うことになる。ここ
で、α は、2つの磁化力が存在する座標軸平面におい
て、その2つの磁化力の方向が成す角度である。
【0071】更に判り易い言葉に直すと、均一な磁界の
中に在る永久磁石には、ピュアトルクが与えられ、その
トルクは、永久磁石の南極を「入」矢印の磁束によって
整列させようとする力に変換されて作用し、且つ、その
北極を「出」矢印の磁束によって整列させようとする。
別の言葉で言うと、磁石内部の磁束の方向は、その磁石
を取り囲む磁束の方向と一致する。良く知られているこ
とであるが、全ての物理的システムは、その内部エネル
ギーが、最小となるように移行しようとするが、この位
置構成(コイルと永久磁石の磁束の)こそが、このシス
テムの最小内部エネルギー状態を具現したものである。
この現象は、日常使用されている羅針盤の主たる原理で
ある。図3に戻って、図示されたコイルの磁束の方向か
ら、永久磁石44に、それを反時計廻りの方向に回転さ
せようとするピュアトルクが与えられることを知ること
が出来る。
【0072】既に知られている機構學上の法則から、ピ
ュアトルクは、自由物体に作用して、その物体をその重
心の廻りに回転させようとする。もし、その物体が軸に
よって支持されて、その軸の廻りに回転出来るように構
成されていれば、その物体に、場所は何処であれ、軸に
対して垂直な平面上でピュアトルクが与えられると、そ
の物体は、あたかも、その軸によって回転トルクを与え
られたかのように回転しようとする。もし、その回転軸
が、その物体の重心を貫通するものでなかったんらば、
他因子による力、たとえば、その物体の慣性モーメント
が作用することになって、結果として余分な力がその回
転軸に加わることになる。
【0073】本発明が目的とする所は、このような無用
な機械力の変化を排除し、ロッキングアームが存在する
平面上の、どの位置で、ロッキングアームの回転軸に対
して垂直に働くトルクを与えられても、あたかも、その
トルクが、その回転軸によって与えられたかのように作
動するロッキングアーム装置を提供することに在る。そ
の過程において、ロッキングアームに装着された磁石
に、その磁石を取り巻くコイル内部の磁界によってピュ
アトルクが生起され、そのピュアトルクによって、ロッ
キングアームは、その回転軸を枢軸として回動すること
が出来るようになるのである。
【0074】この事実は、ロッキングアームが、望まし
くは、その質量中心で枢軸によって支持されていなけれ
ばならない理由となっている。ロッキングアームは、コ
イルの磁界からピュアトルクを生起されるので、このト
ルクを枢軸36の廻りに関するトルクに変換するのであ
る(この枢軸が、望ましくは、アームの質量中心を貫通
する位置に設けられなければならない)。このことは、
無用な反作用に基づく力がベアリングに加えられること
を意味するから、トルクのみが加わるようにすれば、ベ
アリングの寿命を大きく伸ばすことが出来るであろう。
ガタつきや不正確な動きを無くすために、しばしば行わ
れることであるが、ベアリングに予め予備負荷を掛けて
おき、これによって、反作用に基づく力を吸収させるこ
とも出来るが、しかし、その予備負荷や反作用自体が、
ベアリングにストレスを与え、その寿命を縮めるのであ
る。それ故にこそ、本発明に係る、ロッキングアームの
ピュアトルクアクチュエーターを採用することによっ
て、ベアリングの損耗が、従来の機種と比較して、大き
く低減されるのである。このことは、また、本発明に係
るベアリングは、従来装置よりも、微粒子ゴミを出し難
いことを意味するものと言えるであろう。
【0075】本発明によれば、ロッキングアーム34
は、その質量中心において搭載される必要は無い。ディ
スクドライブ装置の小型化を計るために、例えば、ロッ
キングアームの先端に角度を持たせたり、曲線部を持た
せることが出来、また、そうするのが望ましいが、その
アームを、その質量中心で搭載することは、必ずしも必
要としない。しかし、そのような場合でも、本発明に係
るラッチング装置は、上記の1−4に掲げられた全ての
要件を満足するものとなるであろう。
【0076】図4は、本発明に係るラッチング装置が、
ロックされて、ラッチング位置に在る時の説明図であ
る。ロックされた位置では、コイル30には電流は流れ
ていない。そして、永久磁石44と、第1の低磁気抵抗
素子、望ましくは鉄系素子46、との間には、自然のま
まの惹き付け力が作用している。図4は図1と同一のも
のである。ロッキングアームは、比較的に長いアーム
(これは、その形状と、ディスクドライブ装置のハウジ
ングにおける利用可能なスペースの如何によって決定さ
れるが)とすることが出来るので、ラッチング装置のモ
ールントアームを長目としているので、スロット42と
係止している舌部40のラッチング力がそれに従って増
大している。
【0077】更に、適切な永久磁石を選ぶことによっ
て、簡単にラッチング力を強化することが出来るので、
ユーザーが、コンピューターを持ち運んだり、操作した
りする時に遭遇する可能性が有る、ガタつきや振動程度
では、その惹き付け力を上廻る程に強くは無いと思われ
る程に、アームはラッチングされるであろう。従って、
本発明は、ラッチング装置に要求される、上記第1の要
件を満足している。
【0078】図5は、ラッチング装置の、機械的、電気
的、磁気的構成を示す説明図で、コイル30が付勢され
た直後の状態を示している。上記図3の説明と併せて説
明する。ロッキングアーム34は、その回転中心点、即
ち枢軸の廻りに、反時計廻りのトルクを受けており、こ
のために、舌部40は、スロット42から開離する。こ
のアーム34は、反時計廻りの方向に回転し続け、コイ
ル30か、内部カバーか何かの、このアームの反時計廻
りの回転を制限するために設置された素子と当たる迄停
止しない。図6は、丁度、この当たった時の状態を示し
ている。
【0079】図6について説明すると、ロッキングアー
ムは、既に、設計上許容される機械的回転限界まで、反
時計廻りに回転してしまっている。 しかし、コイル巻
線には、依然として、電流が同じ方向に流れていること
になる。ここで、第2の鉄系素子48に誘起された磁極
を見てみると、相変わらずロッキングアーム34の永久
磁石44を惹き付けようとしている。通常、この電流
は、ヘッド−アーム装置がロッキングアーム34の先端
にある舌部40から解放されたことを検出する、従来か
ら使用されているサーボ機構(図示していない)によっ
て、直ちに遮断されるので、心配無用である。
【0080】図7について説明すると、ロッキングアー
ムは、第2の鉄系素子48とロッキングアーム上の永久
磁石44の間に働く力によって、非ラッチング状態もし
くは、解放状態に保持されていることが判る。この状態
では、コイル30には、電流は流れていない。この状態
は、図2のそれと同一である。 第2の鉄系素子48と
永久磁石44の間の距離は、図4もしくは、図5に図示
された距離よりも、幾分か大きいことに注意されたい。
この、幾分か大きい距離は、ラッチング装置の設計上、
意図的に付加されたもので、その方法は、幾つか有る
が、ロッキングアーム34と第2の鉄系素子48との間
に働く惹き付け力を減少させる働きが有る。この違いの
理由を以下に説明する。
【0081】図8は、ラッチング装置が、丁度、図2に
示した解放された位置から、図1に示した、ラッチング
された、もしくは、ロックされた状態に、移行しようと
している時の状態を図示したものである。コイル30に
流れる電流の向きが、ラッチング装置がラッチングされ
た位置から非ラッチング位置に切り替わる時の電流の向
きと、逆向きになっていることに注目されたい。
【0082】上に説明したように、ディスクドライブ装
置に供給されていた電気が停電すると、スピンドルモー
ターの駆動装置と電気的に接続されていた、ラッチング
コイル駆動回路やヘッド−アーム駆動回路(これらは、
特に図示していないが、従来装置において、ヘッド−ア
ームを駆動する、アームアクチュエーターとして良く知
られている装置である)も停電するので、本来なら、ヘ
ッド−アーム装置に起動命令を出して、ラッチング位置
に向かわせることなどは出来ないはずである。ところ
が、本構成では、停電と同時に、コイル30を付勢し
て、ロッキングアーム34の回転を起動して、図1もし
くは、図4に示したラッチング位置もしくは、ロックさ
れた位置に導くことが出来る。
【0083】再び、鉄系素子46,48に戻って、これ
らは、それぞれに磁極N*と磁極S*を持ってはいるが、
これらは、何れも、鉄系素子46,48に誘起された磁
極であって、図2、図5及び図6に示すように、相対的
に逆極性になり得ることに注目されたい。このために、
第2の鉄系素子48は、ヘッド−アーム装置の時計廻り
の回転を起動する時に、永久磁石44を反発する(磁極
Sと磁極S*は相互に反発する)。しかし、第1の鉄系
素子46の、隣接する誘起磁極S*は、今や、永久磁石
44を惹き付けている(磁極Nと磁極S*は、相互に惹
き付け合う)。
【0084】前述のように、永久磁石44には、その磁
束とコイル30との相互作用によって、ピュアトルクが
生成され、作用することが、経験的に確認されている。
しかし、図8に示すように、コイル30に流れる電流の
向きが、図3に説明した状態から逆転すると、コイルの
磁束の向きも逆転する。 一方、永久磁石44の極性
は、勿論、変化しない。このために、トルクの向きは、
前の向きから反転することになる。言い替えると、アー
ムが、ロックされる時のロッキングアームに作用するピ
ュアトルクは、時計廻り方向のトルクである(図示通
り)。
【0085】既に述べた、スピンドルモーターが発電機
として動作している時に得られる電圧は、比較的低電圧
で、しかも、スピンドルモーターが減速するので、利用
出来る程度の電圧を維持する時間は、かなり短時間であ
る。この限られた時間内で、利用出来る電圧によって、
ヘッド−アーム装置と、ロッキングアーム装置34を、
図1に示したラッチング位置まで移動させねばならな
い。この手順の本質的性格と利用可能電圧の限界から、
ロッキングアーム34を第2の鉄系素子48の惹き付け
力から解放するために必要なエネルギーは、起動時にア
ームが自由になる、もしくは、解放される時に必要なエ
ネルギーよりも、いくらか少な目となるようにしておか
なけねばならない。これは、平常時の起動には、通常、
十分大きな電力を使用することが出来るからである。
【0086】図4と図7を比較すると、永久磁石44
は、ラッチング位置に在る時には、第1の鉄系素子46
と、より近い位置関係にあり、非ラッチング時の第2の
鉄系素子48との距離は、より離れた位置関係にあるこ
とが理解されるであろう。このことから、永久磁石44
と、第2の鉄系素子48との間の惹き付け合う力は、よ
り小さく、そして、その力に打ち勝って仕事をするため
に必要なエネルギーも、当然小さくなる。ロッキングア
ーム34がラッチング位置に動く時には、この関係が常
に成立しているのである。また、このことは、設計や工
場組立を簡単化するのに効果があり、これらの第1と第
2の鉄系素子は、本質的に同一のもので良いことを示し
ている。また、同一の効果を、第1の鉄系素子を第2の
素子よりも大きくしたり、第1の鉄系素子の磁気抵抗
を、第2の素子のそれよりも、低めに設定することによ
って達成することも可能であって、その他、これらの2
つの鉄系素子の搭載方法を変えることも、また、可能で
あろう。
【0087】特に注目すべきは、図1から図8に示すよ
うに、固定コイル方式の実施例における、誘起された磁
極の反発力/惹き付け力は、常に、永久磁石と付勢され
たコイル30の磁束の間に作用する相互作用によって拡
大されて、アームに加えられると言う事実である。この
事実によって、アームがそれまで在った位置から弾き出
される初期速度が加速され、切り替え速度が向上する。
【0088】図1から図8に示すように、鉄系素子4
6,48は、望ましくは、コイル30と一体に纏めて、
ブラケットもしくは、壁がん49に入れ、コイル30と
ロッキングアームのベアリングの間に位置するように配
置するのが良いが、しかし、これは、必ずしも必要では
無い。また、鉄系素子を、コイルのインボード端の最端
部に置くことも可能で、この場合、コイルは、鉄系素子
と、ベアリングの間に位置することになる。
【0089】コイルが付勢されていない時の、ロッキン
グアームの「保持パワー」を増加させるために、「モー
メントアーム」を付加する構成も、また、可能である。
一方、コイルが付勢された時に、低磁気抵抗素子46,
48に誘起される磁極は、希望する向きとは逆の方向の
磁場の中に置かれたことになり、コイル磁場によって磁
石に加えられるトルクは、誘起された磁極と、永久磁石
の間に働く、惹き付け力を克服しなければならなくな
る。言葉を変えて言うと、低磁気抵抗素子をコイルのイ
ンボード端に移動すると、コイルが付勢されていない時
に、ロッキングアームの「モーメントアーム」は増加す
る、しかし、より強いコイル磁場を必要とし(電流容量
の増大が必要)、また、切り替え時の加速性に若干の犠
牲を払うことが必要となる。
【0090】設計者は、また、他の方法によっても、ラ
ッチング装置の保持パワーを増大させることが可能であ
る。例えば、ラッチング位置における、永久磁石44
と、第1の低磁気抵抗素子46との距離を減少させるこ
とが出来る。また、永久磁石44自体の磁力を大きくし
たり、容積を増やすことによっても可能であるが、その
場合には、設計者は、停電時に利用出来る電圧によっ
て、コイル30に与える電流パルスが、十分に強力な磁
界を発生して、永久磁石44と、第2の鉄系素子との間
に働く引き付け力を十分に克服出来ることを確認して置
かなければならない。
【0091】最後に、図8に示すように、ロッキングア
ーム34は、最初の機械的行き止まり地点に到達する
迄、時計廻りに回転して、図4に示す状態となる。コイ
ル巻線を流れる電流は、スピンドルモーターが減速しな
がらも回転を続けている間は、流れ続けることが出来
る。この電流は、ヘッド−アーム装置10とロッキング
アーム装置34図1に示す位置に保持する役割を担って
いる。やがて、電流が停止すると、ラッチングの状態
は、最初に図4を参照して説明したようになるであろう
(これは、また、図1の状態と同一である)。
【0092】図9は、本発明に係るラッチング装置の可
動コイル方式による一実施例を示す説明図である。本例
においては、ロッキングアーム装置34のインボード端
部を取り囲んでコイル52が巻かれているので、その磁
気軸は、本質的に、ロッキングアームのラディアル方向
に伸びている。このことは、ロッキングアームの回転軸
と交差しているか、少なくとも、その近くを通ってお
り、主としてロッキングアームの動作平面の中に在るこ
とを示している。
【0093】第1及び第2の永久磁石が、ロッキングア
ーム34のインボード端部の両側に位置する、ケーシン
グもしくは、ヨーク58の上に装着されている。ケーシ
ングもしくは、ヨーク58は、ロッキングアームの、ベ
アリング38に対向する面を除く、全ての側面を包み込
むように取り囲んでおり、しかも、望ましくは、鉄系の
素材で構成されているので、種々の漏洩磁束をシールド
する効果を有しており、特に、コイルが付勢された時に
有効である。
【0094】ラッチング制御回路27(図1を参照のこ
と)は、導体59,60を介して、電気的にコイル52
に接続されている。これらの導体59,60は、ロッキ
ングアーム34と接続される部分で、ロッキングアーム
34が枢軸36の周りの自由な回転を妨害しないよう
に、幾分余裕を持たせて、回転に追従出来るようにしな
ければならない。導体を、例えば、フレキシブルコード
にしても良く、また、ベアリングを既に公知の摺動子方
式とすることも可能である。これらの導体に流れる電流
の極性によって、コイル52に流れる電流の方向が決定
さりる。
【0095】本発明の可動コイル方式による実施例にお
いても、また、低磁気抵抗素子、望ましくは鉄系素子4
6,48をアームの、コイルに対してインボード側にな
る位置に装着しており、ロッキングアームの端部61に
分離して配置される。
【0096】永久磁石54,56は、それらの内部磁束
が同一の向きとなるように装着される。図9では、内部
磁束の向きは、図上で「上」向きとなり、本質的に、ロ
ッキングアーム34のラディアル方向と垂直に交差する
ものとなっている。 永久磁石54,56の磁極は、慣
例通りに、N極とS極で示されている。永久磁石の間に
働く磁束ベクトルは、コイル52の移動空間であるギャ
ップの間に、BMで示されている。ロッキングアーム
は、少なくとも、そのインボード端部分を非磁性体で構
成して、永久磁石54,56の間に働く磁束を側流しな
いようにするのが望ましい。望ましい実施例では、ケー
シングを鉄系のヨーク58で形成し、このヨーク58
は、永久磁石54,56の磁束を集中させた時計廻り
(図9上で)の通路を形成して、第2の永久磁石の北極
から第1の永久磁石54の南極に到る磁気回路を完成し
ている。
【0097】永久磁石54,56の距離は、ロッキング
アーム34のアウトボード端に位置する舌部40もしく
は、その他のロッキング素子が、非ラッチング位置にお
いて、十分に、ヘッド−アーム装置10から解放されて
自由となるために丁度必要であるが、ラッチング位置に
おいては、スロット42と確実に係止することが出来る
程度にしておくのが望ましい。この距離を最小限に止め
ることによって、ラッチング装置の切り替え速度を増大
することが出来るので、切り替え状態の時に、ロッキン
グアームのインボード端とカバーとの距離が最短となる
ように構成してある。
【0098】図9に見られるように、コイル52が付勢
されると、電流iが縦矢印で示した方向に巻線の中を流
れる(ロッキングアーム34のインボード端側から枢軸
36の方に向かって見た時、電流iの流れは、時計廻り
となる)。付勢されたコイルの北極NCは、従って、そ
のアウトボード端(枢軸36に関して)に在り、その南
極SCは、そのインボード端に在ることになる。
【0099】図9に見られるように、コイル52の内部
磁束は、右側から左側に向かっている。従って、コイル
の外部磁束は、コイル52と第1の永久磁石54の間で
は、反時計廻りとなり、コイル52と第2の永久磁石5
6の間では、時計廻りとなる。また、コイル52と各永
久磁石54,56の間に在るコイル磁束BCは、それぞ
れの永久磁石の磁束BMに対して、実質的に垂直に交差
している。 鉄系素子46,48は、付勢されたコイル
52の磁界内部に位置しているので、各素子46,48
の表面に北極N*が誘起されており、そこから、磁束ベ
クトルBCが「出」て行き、また、各素子46,48の
表面に南極S*が誘起されており、そこに、磁束ベクト
ルBCが「入」り込んでいる。
【0100】既に、良く知られているように、コイル5
2(と、それが装着されているロッキングアーム34)
は、永久磁石54,56の内部磁界内に置かれると、自
らの磁界を、その内部磁界に合わせて、整列しようとす
る性質が有る。従って、図9に見られるように、コイル
52は、整列しようとして時計廻りに回転する(本質的
にはピュアトルクである)。固定コイル方式における実
施例と同様に、ロッキングアームは、枢軸36がロッキ
ングアーム(と、他の全部品、即ち、コイル、鉄系素子
等、ロッキングアームと共に動くもの)の質量中心を貫
通するように搭載されている。従って、コイルに生起さ
れるピュアトルクは、ロッキングアームを、非ラッチン
グ位置から、ラッチング位置迄、枢軸36の周りに回転
させるトルクに変換される。勿論、例え、枢軸36が質
量中心から逸れていたとしても、ロッキングアームに
は、依然として、時計廻りのトルクは与えられるであろ
う、しかし、ベアリングには反作用に基づく力が加えら
れることになるであろう。
【0101】固定コイル方式の実施例と同様に、低磁気
抵抗素子46,48に誘起される磁極は、永久磁石5
4,56と、付勢されたコイル52との相互作用によっ
て、アームに加えられるトルクを増大させる働きがあ
る。図9に示した例では、第2の鉄系素子48に誘起さ
れた南極S*は、隣接する第2の永久磁石56の南極S
によって反発され、一方、第1の鉄系素子46に誘起さ
れた北極S*は、隣接する第1の永久磁石54の北極N
によって惹き付けられる。
【0102】図10は、可動コイル方式の実施例の、ラ
ッチング位置における状態の説明図である。この状態に
あっては、コイル52は付勢されていない、しかし、第
1の永久磁石54は、第1の鉄系素子46(と、第2の
鉄系素子48を、より少ない力で)を惹き付けて、ロッ
キングアームを保持している。本実施例における鉄系素
子46,48は、望ましくは、ロッキングアームのイン
ボード端の最先端に設置されるので、ロッキングアーム
のモーメントアーム及び「保持パワー」は、最大のもの
となる。
【0103】図11では、コイル52は、図9に示され
た電流の向きとは逆向きの電流によって付勢されてい
る。従って、その磁束の方向も、また、反転し(インボ
ード端で、北極NCとなる)、鉄系素子46,48の極
性と同じになる。 しかし、永久磁石54,56の磁束
は、同方向(上向き:UP、図9及び図11参照)、で
あるため、コイル52を介してロッキングアーム34に
加えられるピュアトルクは、反時計廻りである。このこ
とは、ロッキングアーム34は、ラッチングされた状態
から、非ラッチング位置に回転するトルクを与えられる
ことを意味している。
【0104】注目すべきは、固定コイル方式の実施例で
は、低磁気抵抗素子46,48に誘起される磁極は、永
久磁石54,56と、付勢されたコイル52との相互作
用によって、アームに加えられるトルクを増大させる働
きがある。しかし、両実施例において、重要なのは、永
久磁石と、コイルが付勢された時の鉄系素子との間での
相互作用によって惹起された力は、永久磁石の磁界と付
勢されたコイルの間での相互作用によって惹起された力
よりも、かなり弱いと言う事実である。また、鉄系素子
と、永久磁石との間に働く力は、ベアリング38に及ぼ
す反作用を少なくすることが出来るので、ロッキングア
ーム34に最大級の影響を与えるのは、従って、依然と
して、付勢されたコイルの磁界と、永久磁石の磁界との
間に作用する相互作用に基づくピュアトルクであると言
う事実である。
【0105】実用性の見地からすると、鉄系素子46,
48は、上記の磁気的特性を変えること無く、1個の鉄
系部品で置き換えることが出来ると言うことである。こ
の単一素子の実施例では、コイル磁界が図11に示す極
性の時に、コイルに最も近い部分に、明白に南極が現
れ、北極N*が図示のように、その周辺部に現れる。従
って、鉄系部品内部の磁束は曲線状とらる。但し、図で
は、鉄系部品を、説明の簡素化のために、単一部品の位
置に、分割された鉄系素子の形で表してある。
【0106】図11に示すように電流が流れると、ロッ
キングアーム34は、反時計廻りのトルクを与えられ
て、非ラッチング位置まで、一杯に回転し、その位置
で、第2の永久磁石56、もしくは、カバーの何処か、
もしくは、アームの反時計廻りの反時計廻りの回転運動
を制限するために設けられた、何等かの停止用素子に接
触する。図12は、この接触の直後の状態を示したもの
である。コイル52には、電流が流れていないにも拘ら
ず、ロッキングアーム34は、第2の永久磁石56と、
第2の鉄系素子48(と、より小さい程度ながら、第1
の鉄系素子)との間の惹き付け力によって、非ラッチン
グ位置に保持されている。
【0107】ロッキングアームを非ラッチング位置化
ら、ラッチング位置まで切り替えるために、図13に示
すように、コイルを付勢するための電流iが流される。
この状態は、だいたい図9の説明と同じで、既に説明し
たように、ロッキングアーム34は、時計廻りのトルク
を与えられて、ラッチング位置まで、一杯に回転し、そ
の位置で、第1の永久磁石54、もしくは、カバーの何
処か、もしくは、アームの反時計廻りの時計廻りの回転
運動を制限するために設けられた、何等かの停止用素子
に接触する。図10は、この接触の直後の状況を示して
いる。
【0108】永久磁石54,56と鉄系素子46,48
が惹き付け合う力が大きければ大きいほど、ラッチング
装置がラッチング位置もしくは非ラッチング位置におけ
る、アーム保持力は強くなるであろう。従って、固定コ
イルの実施例において前に述べたように、設計者は、形
状、寸法、搭載方法、永久磁石の磁気特性、低磁気抵抗
素子等々を変えることが出来る。また、同様に、コイル
の巻線、コイルの切り替え時の通電電流量を変えて期待
するロッキングアームの加速度や保持パワーを達成した
りすることも可能であろう。例えば、永久磁石54,5
6の1つもしくは両方と、鉄系素子の1つか両方、の間
に働く惹き付け力を減らす一つの方法として、鉄系素子
の1つか両方をロッキングアームのインボード端に持っ
て行くことも出来ないことは無い。そのようにすれば、
永久磁石とそれぞれの鉄系素子との距離を当然大きくす
ることが出来るのである。
【0109】本発明の固定方式実施例と比較すると、可
動コイル方式では、可動コイルを付勢するための導体
を、ロッキングアームの自由な回転を不必要に束縛しな
いようにしたことである。ロッキングアームへの接続点
において、導体の堅さや弾性が少しでも有ると、ロッキ
ングアームの自由な回転に悪影響を与えるので、この影
響を最小限に抑えるための注意が必要である。一方、コ
イル巻線に十分なパルス電流を流して必要な加速度を与
え、ロッキングアームに高速性を持たせた可動コイル方
式では、一般に、固定コイル方式よりも、永久磁石の重
量を小さくすることが出来る。詰まる所、コイルを選ぶ
か、永久磁石を選ぶかによって、ロッキングアームのイ
ンボード端に装着する重量が決定され、可動コイル方式
の実施例の方が固定コイル方式の実施例よりも、重量が
小さくなると言うことである。
【0110】一般に、可動コイル方式の方が、可動永久
磁石方式(固定コイル方式)よりも軽量となるので、与
えられた磁場の強さと与えられたコイル及び永久磁石に
おいて、ロッキングアームの加速性は高くなる。更に、
可動コイル方式の実施例に示した固定永久磁石の採用に
よって、ロッキングアームの可動部の重量や慣性モーメ
ントを増やさないで強化することが出来、かくして、別
の方法によって、しかも、コイルの電流定格を増大する
必要も無く、ロッキングアームの反応時間の高速化が達
成されるのである。
【0111】再度図1について言及すると、今、もし、
このコンピューターもしくはシステム全体(ディスクド
ライブ装置、ヘッド−アーム装置10、ラッチング装
置、制御装置22、ロッキングアーム34、等)が、時
計廻りのトルクを受けたらヘッド−アーム装置10、も
ロッキングアーム34も、反時計廻りに回転しようとす
るに違い無い。また、ロッキングアーム34が、ヘッド
−アーム装置よりも速く回転したら、舌部40はスロッ
ト42を離れて、ヘッド−アーム装置は非ラッチング状
態になるであろう。この回転の傾向故に、一層注意を喚
起したい所で、ヘッド−アーム装置10とロッキングア
ーム34は、両方併せて、静力学的に平衡していること
が望ましい、即ち、両方併せた質量中心の周りを回転す
るように搭載されるのが望ましいのである。外部から加
えられるトルクが荒ければ荒いほど、ヘッド−アーム装
置が偶発的に非ラッチング位置となる危険性は大きくな
るのである。
【0112】本発明によれば、ディスクドライブ装置の
台座が回転トルクを受けた時に、偶発的に非ラッチング
位置となる問題には、次の1つ、もしくは、両方に該当
する場合であり、何れも低減もしくは消去が可能であ
る。第1は、上記のように、ロッキングアームは望まし
くは、その質量中心の周りを回転するように搭載され
る、と言うことは、言葉を変えると、静力学的に平衡さ
せることである。ロッキングアームが静力学的に平衡す
ると、ディスクドライブ装置の台座に加えられる力(ト
ルクに対抗する)は、決してロッキングアームを、その
枢軸36の周りに回転させようとはしない。(力は、ロ
ッキングアームの質量中心に作用する、しかし、ロッキ
ングアームは、望ましくは、その回転中心において支持
されているので、これらの力に基づくモーメントアーム
は零となる。従ってロッキングアームには、全く回転ト
ルクは発生しないのである。)
【0113】機械工学の剛体力学によって良く知られて
いるように、ロッキングアーム34においては、T=J
・ベクトルθ である。ここに、Tは、加えられたトル
ク、Jは、物体の慣性モーメント、ベクトルθは、物体
の角加速度 である。 言い替えると、物体に或量のト
ルクが与えられると、物体の慣性質量が大きければ大き
い程、回転を始める時間(角加速度)が遅くなる。
【0114】本発明によると、ロッキングアームは慣性
竿とした方が有利である、と言うことになる。この意味
は、静力学的に平衡したロッキングアームは、十分大き
な慣性質量(従って慣性モーメント)を与えられるの
で、例え荒っぽく外部からトルクをディスクドライブ装
置の台座に与えられても、耐えることが出来る、と言う
ことである。これは、また、従来から良く知られている
方法によって達成することが出来る。即ち、ロッキング
アームの寸法、材質、質量分布を変えて、慣性モーメン
トJを十分大きくして、ロッキングアームの角加速度
が、与えられた、予め設定された値を越えない大きさの
外部トルクによって、舌部がスロットから離れる大きさ
よりも、大きくならないようにすれば良い。ロッキング
アームの慣性モーメントは、例えば、ロッキングアーム
の本体をより小さいものに変えるが、その端部により大
きな質量を持たせる(ことによって、アームの重量を増
やさずに慣性モーメントを大きくする)。このために
は、アーム部分の板厚を変える等、従来の方法で出来る
のである。
【0115】ロッキングアームを慣性竿として設計する
場合、ヘッド−アーム装置は、外部からディスクドライ
ブ装置の台座に加えられたトルクの影響を受けて、ロッ
キングアームよりも速くなるように加速(角度的に)さ
れるので、舌部40は、スロット42から滑り出ること
は無い。ディスクドライブ装置にかかる外部トルクは、
一般に、ユーザーが持ち運ぶ時に、ぶつけたり、ガタガ
タと振動させたりした場合に与えられる。従って、期待
最大外部トルクは、最近の最先端を行く耐久性試験によ
って評価、決定することが可能である。上記の式(T=
J・ベクトルθ)を使用して、ベアリングの摩擦を考慮
に入れて、与えられた最大期待トルクTmaxに対するヘ
ッド−アーム装置とロッキングアームの期待角加速度を
決定することが出来、また、予測される外部トルクの影
響下にあっても、舌部がスロットから滑り出さない、ロ
ッキングアームの慣性モーメントを設計することが出来
るのである。
【0116】図14は、ディスクドライブ装置の台座
が、トルクを受けた時に、ヘッド−アーム装置が偶発的
に、非ラッチング位置に移行する危険性を低減もしく
は、消去するための、第2の実施例の説明図である。図
14において、ヘッド−アーム装置10は、ラッチング
位置にパーキングしている。図14に示されているよう
に、このラッチング位置で、舌部40はスロット42と
係止している。本発明によれば、舌部40は、ヘッド−
アーム装置の方向に曲がっており、スロットは、舌部4
0とスロット42の接触の力、もしくは、その接触面に
おける法線方向の力線FNの方向が、ロッキングアーム
34と、ヘッド−アーム装置10の枢軸16の間に向か
うように形成されている。
【0117】図14によれば、今、もし、ディスクドラ
イブ装置の台座に、時計廻りの外部トルク(もっと荒っ
ぽい、ガタつきであっても良い)が加えられたとする。
ヘッド−アーム装置10と、ロッキングアーム34の
慣性のために、これらの両アームは、反時計廻りに回転
しようとする。しかし、接触の力FNは、ロッキングア
ームを時計廻りに回転させようとするトルクとなるよう
に方向付けされているので、ヘッド−アーム装置10が
舌部40に向かって押せば押すほど、より強い接触力F
Nが得られる。その結果、本構成によれば、舌部40
は、台座が時計廻りのトルクを受けた時、スロット42
から滑り出ようとしないばかりか、むしろ、更に堅くス
ロット42の中に押し込んで、ヘッド−アーム装置10
をより確実にラッチングしようとする。
【0118】今度は逆に、ディスクドライブ装置の台座
に、反時計廻りの外部トルク(もっと荒っぽい、ガタつ
きであっても良い)が加えられたとする(図14を参
照)。ヘッド−アーム装置10と、ロッキングアーム3
4の慣性は、これらの両アームを、時計廻りに回転させ
ようとする。しかし、この回転は、単に、ヘッド−アー
ム装置をラッチング位置に保持し、より堅く、停止用素
子21に押し付けているに過ぎない、そして、舌部40
をより堅くスロット42の中に押し込んでいる。 それ
故に、外部トルクの方向に拘らず、ロッキングアーム3
4は、確実にヘッド−アーム装置10をパーキング位置
にラッチングする。
【0119】本発明は、上記望ましい実施例に限定され
るものでは無い。例えば、単一コイル方式、マルチコイ
ル方式等の方式によれば、また、多くの場合、更に効率
的なものが出来るかも知れない。特に、アームをラッチ
ング位置にする時に、1つのコイルを付勢する、そし
て、ロッキングアームを非ラッチング位置に動かす時に
は、もう1つの、逆向きの巻線としてあるコイルを付勢
することも出来る。異なる強さの磁場を作るための、コ
イル巻線の数は、同じであっても、また、異なっていて
も、構わない。このような方法によれば、コイルに供給
する電流の極性を切り替えるための極性制御回路は必要
では無くなるであろう。1つのコイルからもう1つのコ
イルに切り替える方が、むしろ、簡単に行えるであろ
う。
【0120】また、ラッチング機構も、他の、何らかの
可動素子を使用してラッチングすることが可能である。
例えば、リニヤーアクチュエーターを使用すると仮定し
よう、舌部40、もしくは、他のロッキング用素子(例
えば、歯)は、相手がスロットであれ、タブであれ、ラ
ック等であろうと、とにかく、直線状に動く、シャフト
なり、ロッドなり、他の構成部品なりの上で、それと係
止するのである。
【0121】更に言えば、図上に示した磁極の極性は、
一実施例のみについてのものである。もし、永久磁石、
低磁気抵抗素子、コイルの全ての極性を反転したとして
も、これらの、永久磁石、低磁気抵抗素子、コイルの間
に作用する相互作用は、全く同様の効果をもたらすであ
ろう。
【0122】注目すべきことは、ロッキングアームを、
ラッチング位置、もしくは、非ラッチング位置のどちら
であっても、保持するための電力は、全く必要としない
ことである。電力を消費しない、永久磁石44(固定コ
イル方式実施例)、もしくは、永久磁石54,56(可
動コイル方式実施例)、及び、それぞれに対応する鉄系
素子46,48、の方が、むしろ、十分な保持パワーを
発揮するのである。従って、ラッチングは「双安定」と
なる。この双安定状態では、ロッキングアームは、ラッ
チング位置、もしくは、非ラッチング位置に留まり、外
部からの力を全く必要としない状態となるのである。ロ
ッキングアームは、コイル30(固定コイル方式実施
例)、もしくは、コイル52(可動コイル方式実施例)
に、所用な極性のパルス電流を送るだけで、敏速、且
つ、効率的に、簡単に、それらの双つの安定状態のどち
らかに変化する。
【0123】本発明に基づくロッキングアームは、例え
ば、非ラッチング位置、もしくは、「自由」位置から、
ラッチング位置、もしくは、ロッキング位置に切り替わ
ることが出来るが、この切り替えは、通常、非常に短時
間に、数ミリ秒のオーダー、で、予め貯蔵されていた電
力、もしくは、ディスクが減速する間に変換された電力
の何れかによって得られた、無停電電源装置の電圧を利
用して行われる。
【0124】更なる注目点は、本発明の、何れの実施例
においても、ラッチング機構が、その高速性、及び、高
保持パワー性を、ただ一つの枢軸36と、ただ一つの可
動体を必要とする(ロッキングアームとその付属部品)
だけで達成していることである。この事実は、工場組立
工程における煩雑さと製造コストの低減ばかりで無く、
可動部分及びそのベアリングの疲労と、発生する微粒子
による汚染に伴う事故の可能性の低減にも、大きく貢献
している。
【0125】ロッキングアームのインボード端に永久磁
石もしくは、コイルを搭載した場合の利点は、ロッキン
グアームのトルクアームが、しっかりと保持されること
が出来ることで、これがまた、連れ合う舌部とスロット
(もしくは、他の連れ合いロッキング素子)の結合力を
増大している。しかし、ロッキングアームの、ベアリン
グの舌部側に、アームを取り巻くコイルを搭載して、舌
部と同様な働きをさせることも、また、可能である。
【0126】固定コイル方式の実施例の同例として、ア
ームの何処か適切な場所、例えば、コイルの内側とか、
鉄系素子と隣接する場所とかに、永久磁石が装着された
り、搭載されたりすることが有る。可動コイル方式の他
の一実施例として、ロッキングアームの、ベアリングと
舌部の中間部分にコイルを巻くことも可能であり、ま
た、鉄系素子をそのコイルに隣接して搭載したり、装着
することも可能である。ハウジングもしくは、ヨーク5
8は、しっかりしたC形溝形鋼板を使用し、その両腕を
ロッキングアーム(及びコイル52)の両側に下ろし、
その中央部分にロッキングアームを囲い込むように構成
するのが望ましい。永久磁石54,56は、ヨークの両
腕の下側に、図9に示したと同様に取り付けることが出
来る(更に、永久磁石の磁束は、ロッキングアームのイ
ンボード端の周りと言うよりも、その上を覆うように取
り囲むことになる)。
【0127】コイルを枢軸36と舌部40等のロッキン
グ素子との間に取り付けることは、或場合には、ロッキ
ングアームに加えられるトルクを減少させることがあ
る、しかし、もし、このような構成が、許容されるもの
であれば、そのような構成として、ロッキングアームを
短小化することによって、装置小型化の要請に対応出来
るかも知れない。しかし、このような構成では、ロッキ
ングアームを、その質量中心で軸支するように搭載する
ことは、実用性に乏しいものとするかも知れない、しか
し、また、この構成も、ロッキングアームのベアリング
の反対側にカウンターウエイトを設置することによっ
て、やろうと思えば、尚、実現出来ないことでは無いの
である。
【0128】本発明は、また、永久磁石(群)とコイル
(群)の他の構成についても考察を進めている。発明の
多数の実施例の中の、最も一般的な一側面は、しかし、
永久磁石の成極作用は、本質的にコイル磁束と垂直に鎖
交しており、永久磁石の磁束とコイル磁束の相互作用の
第1領域中に在ると言うことである。
【0129】可動コイル方式実施例(図9参照)の図示
しない変形例は、例えば、コイルはロッキングアーム3
4のインボード端に置かれ、コイルの磁気軸は、主とし
て、ロッキングアームの正切方向に在る。(正切方向
は、回転軸とロッキングアームのラディアル方向の両方
に垂直に鎖交している。図9では、例えば、正切方向と
は、紙面に対して垂直方向となる)。コイル巻線は、例
えば、ロッキングアームの中の「空き地」に設置する。
永久磁石54,56は、環状磁石(円形でも四角形で
も、閉曲線で出来ていれば良い)、に置換され、コイル
を囲い込む、そして、その磁気軸は、本質的にラディア
ル方向にある。 環状磁石の外表面は、鉄系のヨークに
よって、漏洩磁束を減少させることが出来る。
【0130】この環状磁石の実施例においては、インボ
ード端(もしくは、少なくともロッキングアームのコイ
ルが巻かれている部分)は、環状磁石の内部を動く、つ
まり、環状磁石の内部磁界の内部を動くことになる。環
状磁石の中の内部磁界は、磁力線が主としてラディアル
方向に伸びており、本質的に、コイルの内部磁界と垂直
に鎖交している。コイルが付勢されると、以前と同様
に、自ら整列しようとする、この性質によって、ロッキ
ングアームは、コイルによって誘起された磁極の方向に
従った回転トルクを受けることになる。
【0131】1つ(もしくは、1以上)の鉄系素子を、
コイルのインボード端もしくはアウトボード端のどちら
か(もしくは、どちらの側にも1つずつ)搭載すること
が出来る、そして、磁石の極性に応じて、鉄系素子は、
アームに与えられたトルクを増大させる。他の実施例で
は、鉄系素子は、ラッチング位置もしくは、非ラッチン
グ位置においても、尚、永久磁石(環状磁石の内側表
面)に惹き付けられている。
【0132】
【効果】本発明は、上記に説明したように、ロッキング
アームと称するアームの一端に舌状の部分を設け、この
部分でヘッド−アーム装置のスロットを係止する。アー
ムの、他の一端に、磁気ラッチング装置として、永久磁
石、コイル、低磁気抵抗素子、の中から選択した部品
を、主として組み合わせて搭載し、アームそのものは、
両端の部品を含めた重心位置で、ベアリングによって支
持されている構成である。従って、大きく、この3つの
部分についての新技術を開示している。
【0133】スロットと係止する舌状部は、アームに対
して或角度を持たせることが重要で、この角度によっ
て、スロットとの接触面における、法線方向の分力が、
ロッキングアームとヘッド−アーム装置の回転軸の間に
向かうようにしている。これによって、係止は更に強固
なものとなるので、本装置を他と叔母、携帯用コンピュ
ーターのディスクドライブ装置に採用した場合、ユーザ
ーが、多少手荒な操作をしても、また、車内の振動等の
ガタつきがあつても、ラッチングが外れる心配が無くな
る、と言う効果が得られている。
【0134】磁気ラッチング装置部分では、永久磁石と
コイルの組み合わせに、低磁気抵抗素子を加えた点が重
要で、この低磁気抵抗素子を鉄系の部品で構成すること
によって、双安定性を実現しており、電源断時のラッチ
ング保持力を強化している。、また、特別な回路等を必
要としないので、安価に構成出来、純機構品のように、
工場組立時の調整作業も必要としないコスト低減の利点
が有り、また、装置全体の小型化と高信頼性化が計れる
ので、ハードディスクを搭載した可搬形、ラップトップ
形等に適用出来る効果がある。
【0135】ロッキングアームをその重心部で支持する
ので、平衡が保たれ、耐衝撃性が向上すると共に、ベア
リングに反作用による無用のトルクが零となるので、回
転部が長寿命化され、摩耗による微粒子ゴミの発生と汚
染を防ぐ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラッチング装置の説明図で、標準
的なハードディスクドライブ装置のヘッド−アーム装置
に適用したもので、ヘッド−アーム装置が安全なラッチ
ング位置に在ることを示している。
【図2】本発明に係るラッチング装置の説明図で、ヘッ
ド−アーム装置が、解放された、非ラッチング位置に在
ることを示している。
【図3】ラッチング装置の固定コイル方式による実施例
の拡大説明図で、同じく、ラッチング装置が、ラッチン
グ位置から非ラッチング位置に切り替わろうとする時の
主要部の電気的、磁気的状態を示したものである。
【図4】本発明に係るラッチング装置の固定コイル方式
による実施例における時間的過程の説明図で、同じく、
ラッチング位置から非ラッチング位置に切り替わる時の
主要部の電気的、磁気的状態を示したものである、
【図5】本発明に係るラッチング装置の固定コイル方式
による実施例における時間的過程の説明図で、同じく、
ラッチング位置から非ラッチング位置に切り替わる時の
主要部の電気的、磁気的状態を示したものである、
【図6】本発明に係るラッチング装置の固定コイル方式
による実施例における時間的過程の説明図で、同じく、
ラッチング位置から非ラッチング位置に切り替わる時の
主要部の電気的、磁気的状態を示したものである、
【図7】本発明に係るラッチング装置の固定コイル方式
による実施例における時間的過程の説明図で、同じく、
ラッチング位置から非ラッチング位置に切り替わる時の
主要部の電気的、磁気的状態を示したものである、
【図8】非ラッチング位置からラッチング位置に切り替
わろうとする時の電気的、磁気的状態を示した説明図で
ある。
【図9】ラッチング装置の可動コイル方式による実施例
の拡大説明図、及び、非ラッチング位置からラッチング
位置に切り替わる時の主要部の電気的、磁気的状態を示
したものである。
【図10】本発明に係るラッチング装置の可動コイル方
式による実施例における、ラッチング位置から非ラッチ
ング位置に切り替わる時の説明図、及び主要部の電気
的、磁気的状態を示したものである。
【図11】本発明に係るラッチング装置の可動コイル方
式による実施例における、ラッチング位置から非ラッチ
ング位置に切り替わる時の説明図、及び主要部の電気
的、磁気的状態を示したものである。
【図12】本発明に係るラッチング装置の可動コイル方
式による実施例における、ラッチング位置から非ラッチ
ング位置に切り替わる時の説明図、及び主要部の電気
的、磁気的状態を示したものである。
【図13】非ラッチング位置からラッチング位置に切り
替わろうとする時の電気的、磁気的状態を示した説明図
である。
【図14】アーム上のロッキング装置及び可動構成部品
上のスロットの配置説明図で、可動構成部品が、偶発的
に非ラッチング状態にならないように、予め定められた
方向にトルクが掛かっている状況を示す配置説明図であ
る。
【符号の説明】
10 ヘッド−アーム装置、12 アクチュエーター、
14 読み込み/書き込みヘッド、16 枢軸、18
ディスク、20 ハブ、21 停止素子、22制御装
置、23 センサー、24 接続回路、25 電力貯蔵
装置、26 アクチュエーターパーキング回路、27
ラッチング制御回路、28 導線、30固定コイル、3
2 ラッチング装置、34 ロッキングアーム、36
軸(枢軸)、38 ベアリング、40 舌部、42 ス
ロット、44 永久磁石 46低磁気抵抗素子、48
低磁気抵抗素子、49 壁がん、50 ハウジング、5
2 可動コイル、54 永久磁石、56 永久磁石、5
8 ヨーク、59 導体、60 導体。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクドライブ装置のヘッドアームを
    ラッチング状態及び非ラッチングの状態に設定する装置
    において、 アームロック装置であって、アームを形成して延びるア
    ーム構成部品と、第1のラッチング素子と、第1の磁気
    ラッチングアクチュエーターとから成り、前記アーム構
    成部品上の第1及び第2の相互に離間した位置に前記第
    1のラッチング素子並びに前記第1の磁気ラッチングア
    クチュエーターがそれぞれに装着され、前記アーム構成
    部品の重心位置が前記アーム構成部品上の前記第1及び
    第2の位置と離間して、それらの前記第1と第2の位置
    の中間に位置しているように構成する手段と、 前記アーム構成部品を枢軸によって軸支する回動支持装
    置であって 前記アーム構成部品が前記重心位置を中心
    として、その周りを回動自在に支持され、第1のラッチ
    ング素子を、相互に離間したラッチング位置と非ラッチ
    ング位置の間で、振り子運動させるように構成する手段
    と、 ヘッドアームに装設された第2のラッチング素子であっ
    て、このラッチング素子の協調動作によって、第1のラ
    ッチング素子がラッチング位置に在る時に、ヘッドアー
    ムが安全パーキング位置から移動することを阻止する手
    段と、磁気ラッチングアクチュエーターの第2の構成部
    品であって、前記重心に軸支された前記アーム構成部品
    を振り子運動させ、第1のラッチング素子が前記第1と
    第2の位置間で行う振り子運動に、協調するように構成
    する手段と、前記第1のラッチング素子と第2のラッチ
    ング素子の何れか1方が、コイルによって構成され、そ
    のコイルに通電することによって、第1と第2の付勢状
    態の何れか一方を二者択一的に選択する手段と、 前記第1のラッチング素子と第2のラッチング素子の他
    の一方が、永久磁石で構成される手段と、 前記コイルと前記永久磁石とを、磁力線が前記アームロ
    ック装置と鎖交するように配設し、前記アームロック装
    置上の、前記第3の位置から開離した位置において、両
    者が一対となって、十分なピュアトルクを発生するトル
    ク対を生成する手段と、 前記トルク対は、前記コイルが第1の付勢状態にある時
    には、前記第1のラッチング装置をラッチング位置に向
    かわせ、第1の方向の回転力を発生し、且つ、前記コイ
    ルがその第2の付勢状態にある時には、前記第1のラッ
    チング装置を非ラッチング位置に向かわせる、逆方向の
    回転力を発生させる手段と、 前記コイルを前記第1の状態にも、また、前記第2の状
    態にも、選択的に付勢することが可能な、ラッチング制
    御装置と、 ディスクドライブ装置に供給される電源電力が遮断され
    た事を検出する電力検出装置と、 電源電力を貯蔵し、且つ供給する装置であって、前記電
    力検出装置と接続しており、電力検出装置が、前記電源
    電力が遮断されたことを検出すると、前記ラッチング制
    御装置を経由して、コイルを前記第1の付勢状態に付勢
    する電流を供給する手段と、を備えたことを特徴とす
    る、ヘッドアーム用双安定磁気ラッチング装置。
  2. 【請求項2】 前記コイルが付勢されていない状態にお
    いて、 第1のラッチング素子が、そのラッチング位置に在り、
    且つ、前記コイルが付勢されていない状態に在る時、永
    久磁石を惹き付ける位置に装着された第1の低磁気抵抗
    素子と、 第1のラッチング素子が、その非ラッチング位置に在
    り、且つ、前記コイルが付勢されていない状態に在る
    時、永久磁石を惹き付ける位置に装着された第2の低磁
    気抵抗素子と、 前記コイルが、その第1の付勢状態に在る時に、第1の
    磁束方向を有し、その第2の付勢状態に在る時に、逆向
    きの磁束方向を有するように構成する手段と、 永久磁石の成極作用が、本質的に、前記コイルの第1と
    第2の磁束方向と垂直に鎖交するように配設する手段
    と、 前記コイルが、第1の磁束方向を有する時に、第1ラッ
    チング素子のラッチング位置から、非ラッチング位置へ
    向かい、そして、 前記コイルが、第2の磁束方向を有する時に、非ラッチ
    ング位置から、ラッチング位置へ向かうトルクを、ロッ
    キングアーム装置が、受ける手段と、を設けたことを特
    徴とする、請求項1記載の、ヘッドアーム用双安定磁気
    ラッチング装置。
  3. 【請求項3】 コイルの磁界内に位置するように搭載さ
    れ、前記コイルが、一つの状態に付勢された時に、磁極
    が誘起されるようにした、第1と第2の低磁気抵抗素子
    と、 第1のラッチング素子がラッチング位置に在る時、前記
    コイルの磁束が第1の方向に向き、誘起された第1の低
    磁気抵抗素子の磁極が、永久磁石によって反発されて、
    ロッキングアーム装置をラッチング位置から、非ラッチ
    ング位置に追い立て、誘起された第2の低磁気抵抗素子
    の磁極が、前記永久磁石によって惹き付けられて、ロッ
    キングアーム装置をラッチング位置から、非ラッチング
    位置に追い立てる手段と、 第1のラッチング素子が非ラッチング位置に在る時、前
    記コイルの磁束が第2の方向に向き、誘起された第1の
    低磁気抵抗素子の磁極が、永久磁石によって惹き付けら
    れて、ロッキングアーム装置を非ラッチング位置から、
    ラッチング位置に追い立て、誘起された第2の低磁気抵
    抗素子の磁極が、前記永久磁石によって反発されて、ロ
    ッキングアーム装置をラッチング位置から、非ラッチン
    グ位置に追い立てる手段と、を備えたことを特徴とす
    る、請求項2記載のヘッドアーム用双安定磁気ラッチン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 低磁気抵抗素子が、鉄分を含んだ素材か
    ら成る、鉄系素子であることを特徴とする、請求項2記
    載のヘッドアーム用双安定磁気ラッチング装置。
  5. 【請求項5】 低磁気抵抗素子が、コイルに隣接して搭
    載されていることを特徴とする、請求項3記載のヘッド
    アーム用双安定磁気ラッチング装置。
  6. 【請求項6】 第1のラッチング素子が非ラッチング位
    置に在る時、永久磁石が、第2の低磁気抵抗素子に対す
    る位置よりも、第1のラッチング素子がラッチング位置
    に在る時に、永久磁石が、第1の低磁気抵抗素子に、よ
    り近づくようにする手段と、 これによって、 永久磁石と、それぞれの低磁気抵抗素子に働く惹き付け
    力が、第1のラッチング素子が、非ラッチング位置に在
    る時よりも、ラッチング位置に在る時の方が、より大き
    くなるようにする手段と、を備えたことを特徴とする、
    請求項3記載のヘッドアーム用双安定磁気ラッチング装
    置。
  7. 【請求項7】 第1のラッチング素子が、ロッキングア
    ームのアウトボード端から延伸した舌部であり、且つ、 第2のラッチング素子が、ヘッド−アーム装置のスロッ
    トである、ことを特徴とする、請求項1記載のヘッドア
    ーム用双安定磁気ラッチング装置。
  8. 【請求項8】 可動部品を、ラッチング位置と非ラッチ
    ング位置に設定する、ラッチング機構であって、 ラッチング位置と、そのラッチング位置から開離した空
    間に位置する非ラッチング位置、の間を移動することが
    可能な、ロッキング装置と、 前記ロッキング装置は、第1のロッキング素子と、前記
    可動部品上の第2のロッキング素子と、から成り、 前記ロッキング装置が、そのラッチング位置に在る時、
    相互に協調して、前記可動部品の移動を阻止する手段
    と、 コイルと、 前記コイルが、第1の付勢状態に在る時に、第1の方向
    の磁束を発生し、 第2の付勢状態に在る時に、第2の方向の磁束を発生す
    る手段と、 前記第2の方向が、前記第1の方向と逆向きであって、
    且つ、平行である磁束を発生するための電気的接続を行
    う手段と、 永久磁石磁束を発生する永久磁石と、 前記永久磁石と、前記コイルとを、前記永久磁石磁束の
    方向が、前記コイルの磁束の、第1の方向と、第2の方
    向とに、整列しないように配置する手段と、 前記コイル、もしくは、前記永久磁石のいずれかを、前
    記ロッキング装置に搭載する手段と、 前記ロッキング装置が、コイルが、第1の付勢状態に在
    る時に、そのラッチング位置から、その非ラッチング位
    置まで、 また、コイルが、その第2の付勢状態に在る時には、そ
    の非ラッチング位置から、そのラッチング位置まで、回
    転するための本質的なピュアトルクに基づくトルクを受
    ける手段と、を備えたことを特徴とする、ラッチング機
    構。
  9. 【請求項9】 前記ロッキング装置が、主軸の経線方向
    に伸びる、アームから成ることを特徴とする、請求項8
    記載のラッチング機構。
  10. 【請求項10】 前記アームが、ベアリングによって回
    転自在に軸支され、その支軸の周りで振り子運動をする
    ように構成する手段と、 前記振り子運動が、前記主軸を横切り、前記支軸の周り
    の回転角度によって、配置された、前記ラッチング位置
    と非ラッチング位置の間で行われるように設定する手段
    と、を備えたことを特徴とする、請求項8記載のラッチ
    ング機構。
  11. 【請求項11】 前記支軸が、前記主軸と垂直に交差し
    ていることを特徴とする、請求項8記載のラッチング機
    構。
  12. 【請求項12】 前記永久磁石が、前記ロッキング装置
    に搭載されていることを特徴とする、請求項8記載のラ
    ッチング機構。
  13. 【請求項13】 前記コイルが、前記ロッキング装置に
    搭載されていることを特徴とする、請求項8記載のラッ
    チング機構。
  14. 【請求項14】 前記永久磁石が、前記アームに搭載さ
    れていることを特徴とする、請求項9記載のラッチング
    機構。
  15. 【請求項15】 前記永久磁石と前記コイルを、それぞ
    れの磁束の第1と第2の方向が、前記アームが延伸する
    方向と一致するように装着したことを特徴とする、請求
    項14記載のラッチング機構。
  16. 【請求項16】 前記可動部品が、ディスクドライブ装
    置のヘッド−アーム装置であることを特徴とする、請求
    項8記載のラッチング機構。
  17. 【請求項17】 前記アームが、静力学的に平衡してい
    ることを特徴とする、請求項10記載のラッチング機
    構。
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