JPH09225452A - 廃棄物最終処分場の浸出水処理設備 - Google Patents

廃棄物最終処分場の浸出水処理設備

Info

Publication number
JPH09225452A
JPH09225452A JP8036820A JP3682096A JPH09225452A JP H09225452 A JPH09225452 A JP H09225452A JP 8036820 A JP8036820 A JP 8036820A JP 3682096 A JP3682096 A JP 3682096A JP H09225452 A JPH09225452 A JP H09225452A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leachate
water
waste
final
exhaust gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8036820A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuteru Shinohara
一照 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP8036820A priority Critical patent/JPH09225452A/ja
Publication of JPH09225452A publication Critical patent/JPH09225452A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸出水を河川に放流することなく処理できる
クローズドシステムの廃棄物最終処分場を構成しうる、
新規な浸出水処理設備を提供する。 【解決手段】 廃棄物最終処分場から浸出した浸出水M
を調整池1に貯留した後、加熱・蒸発手段3によって加
熱、蒸発させ、有害成分を除去し、浄化処理した後、大
気中に放出するとともに、上記浸出水Mを散布手段4に
よって廃棄物最終処分場に散布して、太陽熱あるいは廃
棄物の発酵熱により自然蒸発させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、廃棄物最終処分
場から浸出する浸出水を処理する処理設備に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】可燃性の廃棄物を焼却した際に発生する
焼却灰や、あるいは焼却できない廃棄物のうち政令等で
特別指定されたものについては、管理型の廃棄物最終処
分場にて埋め立て処理しなければならない。廃棄物最終
処分場は、たとえば図5に示すように、山中に巨大な穴
Hを造成し、堰堤Dで仕切るとともに、穴Hの内面にゴ
ムシートRを展張して構成される。
【0003】ゴムシートRは、処分場の上に降り、穴H
内の廃棄物Wに浸透した雨水等の水分に、当該廃棄物W
中の有害物質が溶解する等して発生する汚水が土中へ浸
透することにより、処分場近辺の地下水や土壌等が汚染
されるのを防止するためのものである。ゴムシートRに
よって遮水された汚水は、堰堤Dの下部に設けた排水管
D1を通して、浸出水として穴H外に浸出し、一旦、原
水槽Fに貯えられた後、水質基準を満足する水質となる
ように浄化処理されて、付近の河川に放流される。
【0004】なお、図中の符号Sは、浸出水(汚水)の
発生を抑制すべく、処分場の周囲に降った雨水が穴Hに
流れ込むのを防止するために、当該穴Hの周囲を囲むよ
うに配置された側溝である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水質基準を満
足するように浄化処理されたとはいえ完全に無害でない
浸出水を河川に放流するのは、河川の多くが、その下流
域において水道水や農業用水の水源として利用されてい
ることや、当該河川が、やがては湖沼や海にそそぎ込む
こと等を考慮すると、決して好ましいこととはいえな
い。
【0006】この発明の目的は、浸出水を河川に放流す
ることなく処理できるクローズドシステムの廃棄物最終
処分場を構成しうる、新規な浸出水処理設備を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の廃棄物最終処分場の浸出水処理設備は、
廃棄物最終処分場から浸出した浸出水を貯留する調整池
と、調整池に貯留された浸出水を加熱、蒸発させ、有害
成分を除去し、浄化処理した後、大気中に放出する加熱
・蒸発手段と、調整池に貯留された浸出水を、廃棄物最
終処分場での太陽熱あるいは廃棄物の発酵熱により自然
蒸発させるべく、当該浸出水を廃棄物最終処分場に散布
する散布手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】上記構成からなる、この発明の浸出水処理
設備においては、廃棄物最終処分場から浸出した浸出水
を、加熱・蒸発手段での加熱により強制的に蒸発させる
とともに、散布手段によって廃棄物最終処分場に散布し
て、当該廃棄物最終処分場での太陽熱あるいは廃棄物の
発酵熱により自然蒸発させることができる。よって、か
かるこの発明の浸出水処理設備によれば、浸出水を河川
に放流することなく処理できる、クローズドシステムの
廃棄物最終処分場を構成することが可能となる。
【0009】またこの発明の浸出水処理設備は、上記浸
出水を一旦、調整池に貯留した後、上記加熱・蒸発手
段、散布手段に供給して蒸発処理するものゆえ、当該調
整池の容量を、たとえば廃棄物最終処分場から一定期間
の間(たとえば1日間)に浸出する浸出水の量よりも大
きくとっておけば、主として廃棄物最終処分場に降る雨
の量に応じて変動する浸出水の量に関係なく、上記両手
段による蒸発処理を安定して行うことが可能となる。
【0010】またこの発明では、浸出水を強制的に加熱
し、蒸発させる加熱・蒸発手段と、上記浸出水を自然蒸
発させるための散布手段という、2種類の手段を併用し
ているため、年間を通して安定的に、浸出水を蒸発でき
るという利点もある。すなわち上記加熱・蒸発手段は、
後述するように主として、可燃性の産業廃棄物を燃料と
して運転するのが、石油等の化石燃料を消費しないこと
から、省資源や設備のランニングコストの点ですぐれて
いるが、可燃性の産業廃棄物の量と質は日々変動するた
め、かかる加熱・蒸発手段のみによって浸出水を蒸発し
た場合には、安定的な運転が確保できない。
【0011】そして可燃性の産業廃棄物の収集量が極端
に少なかったり、あるいは全く収集できなかった場合に
は、化石燃料に頼らざるをえないが、そうした場合に
は、前述したように設備のランニングコストが上昇する
結果、設備の経営を圧迫する要因とさえなりかねない。
これに対し、わが国の気象データから年間の日照時間、
気温、降雨の頻度等を検討すると、梅雨時期を除くほと
んど全ての期間で太陽熱を利用できるため、加熱・蒸発
手段と散布手段という2種類の手段を併用したこの発明
の浸出水処理設備によれば、たとえば可燃性の産業廃棄
物の収集量が極端に少なかったり、あるいは全く収集で
きなかった場合には、主として太陽熱を利用して浸出水
を蒸発させ、梅雨時期等、太陽熱をあまり利用できない
期間は、主として加熱・蒸発手段によって浸出水を蒸発
させる等の運転を行うことで、年間を通して安定的に、
浸出水を蒸発できるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の浸出水処理設備
を、その実施の形態の一例を示す図面を参照しつつ説明
する。図1に示すようにこの例の浸出水処理設備は、前
述した、山中に巨大な穴Hを掘り、堰堤Dで仕切るとと
もに、穴Hの内面にゴムシートRを展張して造成された
廃棄物最終処分場において、ゴムシートRによって遮水
され、堰堤Dの下部に設けた排水管D1を通して穴H外
の原水槽Fに貯えられた、廃棄物Wからの浸出水Mを処
理するためのものである。
【0013】かかる浸出水処理設備は、上記原水槽Fか
ら、ポンプP1によって汲み出された浸出水Mを貯留す
る調整池1と、ポンプP2によって調整池1から組み上
げた浸出水Mを浄化処理する水処理手段2と、水処理手
段2で浄化処理された浸出水Mを加熱、蒸発させ、有害
成分を除去し、浄化処理した後、大気中に放出する加熱
・蒸発手段3と、調整池1の浸出水Mをそのままで、あ
るいは水処理手段2で浄化処理した後、廃棄物最終処分
場に散布する散布手段4とを備えている。
【0014】上記のうち調整池1は、前述したようにそ
の容量が、たとえば廃棄物最終処分場から一定期間の間
に浸出する浸出水Mの量よりも大きめに設定されるのが
好ましい。調整池1に貯留された浸出水Mを浄化処理す
る水処理手段2としては、従来同様に、浸出水M中のS
S分や重金属を除去するとともに、当該浸出水Mの生化
学的酸素要求量(B.O.D.)および化学的酸素要求
量(C.O.D.)を下げるべく、生物処理、凝集沈澱
処理、イオン交換処理および活性炭ろ過処理等を行う水
処理設備が採用される。
【0015】かかる水処理手段2で浄化処理された浸出
水Mは、その後の工程で蒸発されるため、その水質をと
くに厳密に管理する必要はないが、もし万が一、処理後
の浸出水Mが系外に漏れた際に環境等に影響を及ぼさな
いようにするために、水質基準を満足する程度まで浄化
処理しておくのが好ましい。上記水処理手段2で浄化処
理した浸出水Mを加熱、蒸発させるための加熱・蒸発手
段3は、浸出水Mを、燃料の燃焼により発生した高温の
ガスとの接触により加熱、蒸発させる蒸発炉31と、蒸
発炉31からの排ガスをさらに高温に加熱して有害成分
を熱分解、高温酸化処理する熱分解炉32と、熱分解炉
32からの排ガスを集じん、浄化処理した後、大気中に
放出する排ガス処理手段33と、そして蒸発炉31で使
用する燃料として使用すべく、高分子系廃棄物を焼却し
て、可燃性の成分を含む排ガスを発生させる焼却炉34
とを備えている。
【0016】上記加熱・蒸発手段3の詳細を、図2に示
す。図2にみるように蒸発炉31は、炉本体31aと、
当該炉本体31aの下部に接続された、バーナb1によ
って焼却炉34からの排ガスを燃焼させて、浸出水Mを
蒸発させるための燃焼熱を発生させる燃焼室31bと、
灯油等により運転される通常のバーナb2と、上記炉本
体31aの上部に接続された、浸出水Mを図中破線で示
すように炉本体31a内に噴霧するための、複数個のノ
ズル31cとを備えている。
【0017】上記のうちバーナb1は、燃焼室31bの
途中に設けた温度センサT1により測定された、当該燃
焼室31bの温度に応じて火力が自動制御されるように
なっており、同様にバーナb2は、炉本体31aの上部
の出口近傍に設けた温度センサT2により測定された、
当該炉本体31aからでる排ガスの温度に応じて火力が
自動制御されるようになっている。
【0018】そして上記両バーナb1、b2の火力を調
整することで、燃焼室31bからでる排ガスの温度を、
約300〜500℃程度、とくに350℃前後に設定す
るのが好ましい。これは、水処理手段2で浄化処理して
も浸出水M中に含まれる可能性のある、昇華、揮散しや
すい重金属類(亜鉛、鉛、カルシウム等)が、浸出水M
の加熱、蒸発にともなって昇華して次工程に送られるの
を防止するためである。つまり、上記設定温度は重金属
類の昇華温度よりも低いために、浸出水M中にもしも重
金属類が含まれていても、それが昇華、揮散して次工程
に送られることがなく、したがって最終的に大気中に放
出される排ガス中に重金属が含まれることが防止され
る。
【0019】焼却炉34からの排ガスを利用するバーナ
b1の他に、通常のバーナb2を設けるのは、蒸発炉3
1の運転を安定化するためである。つまり焼却炉34か
ら送られる排ガスは可燃性の成分が含まれるものの、そ
の濃度は、焼却炉34に投入された高分子系廃棄物PW
の種類や量、形状等によって変動する。このため、もし
可燃性の成分の濃度が低下してバーナb1の火力が落
ち、それによって熱量が不足した際には、このバーナb
2に着火して火力を補うのである。
【0020】また廃棄物最終処分場に持ち込まれる廃棄
物の種類には変動があるため、焼却炉34で焼却可能な
高分子系廃棄物PWが全く手に入らなかったり、あるい
は焼却させる程の量が集まらなかった場合には、バーナ
b2のみで蒸発炉31を運転してもよい。炉本体31a
の上部に接続された複数個のノズル31cに浸出水Mを
供給する経路は、水処理手段2のうち、処理が完了した
浸出水Mを貯留するための処理水槽21から、浸出水M
を汲み上げるためのポンプP5と、ポンプP5で汲み上
げた水を貯留する水槽35と、この水槽35から浸出水
Mを汲み上げ、ヘッダ31dを通して各ノズル31cに
浸出水Mを供給するためのポンプP6とで構成されてい
る。またポンプP5は、水槽35の水位を一定値に保つ
べく、当該水槽35の水位を測定する水位センサLSに
よって自動制御される。
【0021】上記蒸発炉31における浸出水Mの蒸発工
程においては、熱量収支の理論上、ノズル31cにより
炉本体31a内に噴霧された浸出水Mのすべてが蒸発さ
れるはずであるが、実際には炉本体31a内に、熱およ
び物質の移動が速度論的に不安定な箇所があるため、ノ
ズル31cにより噴霧された水滴の大きさや分布、燃焼
ガスとの混合状態等によっては、蒸発せずに炉底に到達
する水滴が存在する。そこで図の場合は、炉本体31a
の炉底を傾斜させ、その最下部に、水抜き口31eを設
けている。そしてこの水抜き口31eから炉外に取り出
された水は、前記水槽35に戻される。
【0022】上記蒸発炉31のバーナb1に、燃料とし
ての排ガスを供給する焼却炉34は、高分子系廃棄物P
Wを収容する炉本体34aと、この炉本体34aに接続
されたバーナb4とを備えている。そして、バーナb4
によって高分子系廃棄物PWに着火し、炉本体34aに
供給される空気量を調整しつつ、高分子系廃棄物PWを
燃焼させると、可燃性の成分を含む、およそ600℃程
度の高温の排ガスが発生し、それが蒸発炉31のバーナ
b1に、燃料として供給される。
【0023】上記蒸発炉31で発生した排ガスは、次工
程である熱分解炉32に送られるのであるが、その前に
熱交換器36に通されて、上記熱分解炉32からの高温
の排ガスとの間で熱交換されて、およそ200〜300
℃程度昇温される。このようにすると、熱分解炉32で
の熱分解の効率が向上するとともに、熱分解炉32から
の排ガスの温度を下げて、次工程である排ガス処理手段
33での処理を容易にできる。
【0024】上記熱分解炉32は、灯油等により運転さ
れる通常のバーナb3の炎により、上記排ガスをおよそ
800℃程度まで加熱して、当該排ガス中に含まれる未
燃分、有機性臭気成分およびBOD成分等を熱分解およ
び高温酸化して無害化するものである。なお上記バーナ
b3は、熱分解炉32の途中に設けた温度センサT3に
より測定された、当該熱分解炉32の温度に応じて火力
が自動制御されるようになっている。
【0025】上記熱分解炉32で熱分解、高温酸化処理
された排ガスが、前記のように熱交換器36で、蒸発炉
31からの排ガスと熱交換された後に供給される排ガス
処理手段33は、当該排ガス中の固形分を除去するため
の集塵機33aと、熱分解炉32では排ガス中から除去
できない塩化水素〔HCl〕や二酸化いおう〔SO2
を化学反応により固形化して除去するための吸収除去装
置33bと、排ガスを、送風機B1から送られる室温の
空気と混合して冷却した後、煙突33cから大気中に放
出するための送風機B2とを備えている。なお図中符号
V1は、送風機B1からの空気量を調整するための流量
調整弁である。
【0026】上記のうち吸収除去装置33bは、高温下
で塩化水素および二酸化いおうと反応して固形化する吸
収除去剤を内蔵したもので、かかる吸収除去剤として
は、これに限定されないがたとえば、酸化カルシウム
〔CaO〕、水酸化カルシウム〔Ca(OH)2 〕およ
び炭酸カルシウム〔CaCO3 〕のうちの少なくとも1
種を主成分とする、粒径5〜20mmφ程度の粒子があ
げられる。
【0027】これらの吸収除去剤により塩化水素が固形
化される反応は、下記のとおりである。 ・酸化カルシウム 2HCl+CaO→CaCl2 +H2 O ・水酸化カルシウム 2HCl+Ca(OH)2 →CaCl2 +2H2 O ・炭酸カルシウム CaCO3 →CaO+CO2 2HCl+CaO→CaCl2 +H2 O 上記の反応により塩化水素は、固形の塩化カルシウム
〔CaCl2 〕となり、排ガス中から回収される。
【0028】また上記各吸収除去剤により二酸化いおう
が固形化される反応は、下記のとおりである。 ・酸化カルシウム SO2 +CaO+1/2 O2 →CaSO4 ・水酸化カルシウム SO2 +Ca(OH)2 +1/2 O2 →CaSO4 +H2
O ・炭酸カルシウム SO2 +CaCO3 +1/2 O2 →CaSO4 +CO2 上記の反応により二酸化いおうは、固形の硫酸カルシウ
ム〔CaSO4 〕となり、排ガス中から回収される。
【0029】なお上記反応に使用する吸収除去剤として
は、前述した酸化カルシウム、水酸化カルシウムまたは
炭酸カルシウム(以下「主剤」と総称する)を、ベント
ナイト、ポルトランドセメント、耐火キャスターまたは
粘土等の固形化剤で固めた粒状のものが好適である。か
かる固形化剤で処理をしていない吸収除去剤は、前記塩
化水素との反応によって生成した塩化カルシウムが、排
ガスの温度付近(およそ200〜300℃程度)での融
解性を有するために、装置の運転中に排ガスの熱で融解
して、排ガスの流路を閉塞してしまう等の事故を発生す
るおそれがある。
【0030】また上記塩化カルシウムは潮解性をも有
し、吸収除去装置33bから取り出すと泥濘状を呈する
ために、投棄が困難であるという問題もある。これに対
し、主剤を固形化剤で処理をした吸収除去剤は、当該固
形化剤の作用によって、反応後も固形を維持するので、
上記のように排ガスの流路が閉塞したりするおそれがな
く、また投棄も容易である。
【0031】上記吸収除去剤は、たとえば主剤と、固形
化剤と、さらに必要に応じて、吸収除去剤の内部まで十
分に反応させるべく、固形化剤を多孔質化するための膨
張剤とを水とともに混練し、粒状に成形したのち乾燥さ
せることで製造するのが好ましい。膨張剤としては、膨
張セメント用として使用される種々の化合物や組成物
が、いずれも使用可能である。
【0032】吸収除去剤の粒径は、吸収除去剤の内部ま
で十分に反応させることと、取り扱いの容易さとを考慮
すると、前述したように直径5〜20mmφ程度である
のが好ましい。また上記吸収除去剤における、各成分の
割合についてもとくに限定されないが、固形化剤は、主
剤100重量部に対して1〜50重量部程度の範囲で配
合するのが好ましい。
【0033】また膨張剤を配合する場合の配合量は、上
記主剤、固形化剤および膨張剤からなる吸収除去剤の総
量中に占める割合で表して、10〜15重量%程度であ
るのが好ましい。図3に、排ガス処理手段33の変形例
を示す。なお図3では、上記排ガス処理手段33以外の
部分、すなわち蒸発炉31、熱分解炉32、焼却炉34
については、図2と同様であるので、同一箇所に同一符
号を付して説明を省略する。
【0034】図3の排ガス処理手段33は、熱分解炉3
2で熱分解、高温酸化処理され、さらに熱交換器36で
熱交換された排ガス中の固形分を除去するための集塵機
33aと、熱分解炉32では排ガス中から除去できない
塩化水素〔HCl〕や二酸化いおう〔SO2 〕を化学反
応により洗浄して除去するための洗浄塔33dと、排ガ
スを、送風機B1から送られ、流量調整弁V1で流量が
調整された室温の空気と混合して冷却した後、煙突33
cから大気中に放出するための送風機B2とを備えてい
る。
【0035】上記のうち洗浄塔33dは縦型の塔本体3
3e内に供給され、当該塔本体33e内を上昇する排ガ
スを、塔本体33eの上端に配置したノズル33fから
噴霧した洗浄液Kによって洗浄して、塩化水素および二
酸化いおうを除去した後、塔本体33eの上部から排出
するものである。なお上記洗浄塔33dの、塔本体33
eの下部には、洗浄後の洗浄液Kを回収するタンク33
gが接続されており、このタンク33gは、いかなる排
水をも系外に流出させないクローズドシステムとすべ
く、洗浄液Kを前述した水槽35に戻すために、当該水
槽35と接続されている。
【0036】また上記洗浄塔33dのノズル33fに洗
浄液Kを供給するための経路は、洗浄液Kの原液を貯蔵
するタンク33hと、このタンク33hから洗浄液Kの
原液を汲み上げて洗浄液槽33iに供給するポンプP7
と、水槽35から浸出水Mを汲み上げて上記洗浄液槽3
3iに供給するポンプP8と、洗浄液槽33iで、上記
のように原液と浸出水Mとが混合されて調整された、所
定の濃度の洗浄液Kを汲み上げて、ノズル33fに供給
するためのポンプP9とで構成されている。
【0037】上記洗浄塔33dに使用される洗浄液Kと
しては、たとえば水酸化ナトリウム〔NaOH〕水溶
液、水酸化カルシウム〔Ca(OH)2 〕懸濁液、水酸
化マグネシウム〔Mg(OH)2 〕懸濁液等があげられ
る。これらの洗浄液Kにより塩化水素が洗浄、除去され
る反応は、下記のとおりである。 ・水酸化ナトリウム HCl+NaOH+H2 O→NaCl+2H2 O ・水酸化カルシウム 2HCl+Ca(OH)2 +H2 O→CaCl2 +3H
2 O ・水酸化マグネシウム 2HCl+Mg(OH)2 +H2 O→MgCl2 +3H
2 O また、上記両洗浄液Kにより二酸化いおうが洗浄、除去
される反応は、下記のとおりである。 ・水酸化ナトリウム SO2 +2NaOH→Na2 SO3 +H2 O SO2 +Na2 SO3 +H2 O→2NaHSO3 ・水酸化カルシウム SO2 +Ca(OH)2 →CaSO3 +H2 O CaSO3 +1/2 O2 →CaSO4 ・水酸化マグネシウム SO2 +Mg(OH)2 →MgSO3 +H2 O MgSO3 +1/2 O2 →MgSO4 上記各部からなる加熱・蒸発手段3による加熱、蒸発と
並行して、廃棄物最終処分場から浸出する浸出水Mを、
廃棄物最終処分場での太陽熱あるいは廃棄物の発酵熱に
より自然蒸発させる散布手段4は、図1および図4に示
すように、廃棄物最終処分場の穴Hに臨ませて配置した
複数個(図では5個)の散布ノズル41と、各散布ノズ
ル41に浸出水Mを供給するための配管42と、調整池
1から浸出水Mを汲み上げて、上記配管42を通して散
布ノズル41から廃棄物最終処分場に散布するためのポ
ンプP3と、水処理手段2で浄化処理した浸出水Mを汲
み上げて、上記配管42を通して散布ノズル41から廃
棄物最終処分場に散布するためのポンプP4とを備えて
いる。
【0038】上記のうち2つのポンプP3、P4は、通
常、水処理手段2による浸出水Mの浄化処理の状況や、
加熱・蒸発手段3による浸出水Mの加熱、蒸発処理の状
況、あるいは調整池1への浸出水Mの貯留量等に応じ
て、いずれか一方を選択して運転するのがよい。たとえ
ば加熱・蒸発手段3による浸出水Mの加熱、蒸発処理
が、水処理手段2による浸出水Mの浄化処理に追いつか
ない場合にはポンプP4を運転し、水処理手段2で浄化
処理した浸出水Mを汲み上げて、上記配管42を通して
散布ノズル41から廃棄物最終処分場に散布すればよ
い。また水処理手段2による浸出水Mの浄化処理が、調
整池1への浸出水Mの貯留量に追いつかない場合にはポ
ンプP3を運転し、調整池1から浸出水Mを汲み上げ
て、上記配管42を通して散布ノズル41から廃棄物最
終処分場に散布すればよい。
【0039】上記のようにして、散布ノズル41から廃
棄物最終処分場に散布された浸出水Mの一部は、太陽熱
を受けて自然蒸発し、また蒸発しなかった浸出水Mは、
廃棄物W中の有機物の発酵熱によって自然蒸発して、そ
れぞれ大気中に放出される。また、それでも蒸発しなか
った浸出水Mは、再び排水管D1を通して穴H外の原水
槽Fに貯えられ、ついで調整池1に送られる。
【0040】なお図1中の符号Sは、浸出水Mの発生を
抑制すべく、処分場の周囲に降った雨水が穴Hに流れ込
むのを防止するために配置された側溝である。この側溝
Sは、図2に示すように、穴Hの周囲を囲むように配置
されており、かかる側溝Sで集められた雨水は、図1に
示すように雨水洪水調整池SPに貯留される。なおこの
発明の廃棄物最終処分場の浸出水処理設備の構成は、以
上で説明した図の例のものには限定されない。
【0041】たとえば図の例では、水処理手段2で浄化
処理した浸出水Mを、加熱・蒸発手段3で加熱、蒸発さ
せていたが、調整池1に貯留された未処理の浸出水M
を、上記加熱・蒸発手段3で加熱、蒸発させるようにし
てもよい。その他、この発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の設計変更を施すことができる。
【0042】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明の浸出水
処理設備によれば、浸出水を河川に放流することなく処
理できるクローズドシステムの廃棄物最終処分場を構成
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の浸出水処理設備の、実施の形態の一
例を示す概略図である。
【図2】図1の浸出水処理設備のうち、加熱・蒸発手段
の概略図である。
【図3】加熱・蒸発手段の他の例を示す概略図である。
【図4】図1の浸出水処理設備のうち、散布手段と、廃
棄物最終処分場との位置関係を示す平面図である。
【図5】この発明の浸出水処理設備が設けられていな
い、従来の廃棄物最終処分場の概略図である。
【符号の説明】
1 調整池 2 水処理手段 3 加熱・蒸発手段 31 蒸発炉 32 熱分解炉 33 排ガス処理手段 34 焼却炉 4 散布手段 M 浸出水 PW 高分子系廃棄物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物最終処分場から浸出した浸出水を貯
    留する調整池と、調整池に貯留された浸出水を加熱、蒸
    発させ、有害成分を除去し、浄化処理した後、大気中に
    放出する加熱・蒸発手段と、調整池に貯留された浸出水
    を、廃棄物最終処分場での太陽熱あるいは廃棄物の発酵
    熱により自然蒸発させるべく、当該浸出水を廃棄物最終
    処分場に散布する散布手段とを備えることを特徴とする
    廃棄物最終処分場の浸出水処理設備。
  2. 【請求項2】加熱・蒸発手段が、炉内に噴霧された浸出
    水を、燃料の燃焼により発生した高温のガスとの接触に
    より加熱、蒸発させる蒸発炉と、蒸発炉からの排ガスを
    さらに高温に加熱して有害成分を熱分解、高温酸化処理
    する熱分解炉と、熱分解炉からの排ガスを集じん、浄化
    処理した後、大気中に放出する排ガス処理手段とを備え
    ている請求項1記載の廃棄物最終処分場の浸出水処理設
    備。
  3. 【請求項3】蒸発炉の燃料として使用すべく、高分子系
    廃棄物を焼却して、可燃性の成分を含む排ガスを発生さ
    せる焼却炉を設けた請求項2記載の廃棄物最終処分場の
    浸出水処理設備。
  4. 【請求項4】加熱・蒸発手段および散布手段に供給され
    る浸出水を浄化処理する水処理手段を備えている請求項
    1ないし3のいずれかに記載の廃棄物最終処分場の浸出
    水処理設備。
JP8036820A 1996-02-23 1996-02-23 廃棄物最終処分場の浸出水処理設備 Pending JPH09225452A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8036820A JPH09225452A (ja) 1996-02-23 1996-02-23 廃棄物最終処分場の浸出水処理設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8036820A JPH09225452A (ja) 1996-02-23 1996-02-23 廃棄物最終処分場の浸出水処理設備

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09225452A true JPH09225452A (ja) 1997-09-02

Family

ID=12480401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8036820A Pending JPH09225452A (ja) 1996-02-23 1996-02-23 廃棄物最終処分場の浸出水処理設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09225452A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100332923B1 (ko) * 1999-12-20 2002-04-20 홍상복 매립가스를 이용한 매립장 침출수의 처리방법
JP2003001213A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Jdc Corp 廃棄物の埋立構造および埋立工法
KR100480658B1 (ko) * 2001-04-13 2005-04-06 히다치 조센 가부시키가이샤 피복형 최종 처분장에서의 침출수 처리 방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100332923B1 (ko) * 1999-12-20 2002-04-20 홍상복 매립가스를 이용한 매립장 침출수의 처리방법
KR100480658B1 (ko) * 2001-04-13 2005-04-06 히다치 조센 가부시키가이샤 피복형 최종 처분장에서의 침출수 처리 방법
JP2003001213A (ja) * 2001-06-25 2003-01-07 Jdc Corp 廃棄物の埋立構造および埋立工法
JP4668465B2 (ja) * 2001-06-25 2011-04-13 日本国土開発株式会社 廃棄物の埋立工法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4762981B2 (ja) 都市固形廃棄物の再生利用方法及びシステム、並びに、固形廃棄物回収燃料の利用方法
KR100949037B1 (ko) 유기성 슬러지 처리시 발생하는 배출가스처리장치
Chen et al. Fate of heavy metals during co-disposal of municipal solid waste incineration fly ash and sewage sludge by hydrothermal coupling pyrolysis process
CN109539272A (zh) 含氯废物高温等离子体资源化回收工艺及系统
CN103994447A (zh) 气固液一体化焚烧系统
JP4270528B2 (ja) 燃焼炉における排ガスの有害物質の除去装置
JP3049527U (ja) 燃焼炉等における排ガス等の有害物質の除去装置
JPH09225452A (ja) 廃棄物最終処分場の浸出水処理設備
JPH11165025A (ja) 燃焼炉等における排ガス等の有害物質の除去方法及びその除去装置
JP2003225643A (ja) 有機汚濁物質処理装置及び有機汚濁物質処理方法
CN108405549B (zh) 利用炉渣与填埋气防治垃圾填埋场结垢堵塞的方法及装置
CN104194861B (zh) 污水处理厂污泥制低热值无烟煤合成
CN115475821A (zh) 一种垃圾焚烧飞灰重金属固化协同烟气净化的方法
JPH10109011A (ja) 焼却炉における排ガスの浄化方法及びその浄化装置
JPH05277465A (ja) 一般及び産業廃棄物の管理型及び安定型最終処分場にお ける浸出水又は処理廃水の完全閉鎖式処理方法
CN109931617A (zh) 一种无害化垃圾焚烧处理工艺
CN209309994U (zh) 含氯废物高温等离子体资源化回收系统
KR100240833B1 (ko) 폐기물처리시스템
JP3501702B2 (ja) 廃棄物処分場からの排水処理方法
CN208495371U (zh) 一种移动式污染废物热脱附的成套设备
JP2006043678A (ja) 埋立地の浸出水スラッジ処理システム及び埋立地の浸出水スラッジ処理方法
CN105953229B (zh) 生活垃圾热处理过程渗滤液处理工艺
CN110186059A (zh) 污泥烘干焚烧一体机
JP3065898B2 (ja) 産業廃棄物の脱塩化水素処理方法及び装置
KR100562512B1 (ko) 흑연이나 악취와 중금속, 비재를 함유하는 유해가스와 소각장치의 바닥에 퇴적하는 바닥재 등의 정화처리물과 이의 정화처리 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050517

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050920