JPH09222672A - フィルム処理装置 - Google Patents

フィルム処理装置

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JPH09222672A
JPH09222672A JP5420696A JP5420696A JPH09222672A JP H09222672 A JPH09222672 A JP H09222672A JP 5420696 A JP5420696 A JP 5420696A JP 5420696 A JP5420696 A JP 5420696A JP H09222672 A JPH09222672 A JP H09222672A
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JP
Japan
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film
electrode
electrodes
motion picture
signal
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Application number
JP5420696A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Shirasu
俊行 白須
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム処理装置に関し、例えばテレシネ装
置、映画フィルムの映写装置において、複数の電極を配
置して位置ずれを検出する際に、位置ずれ検出精度の低
下を有効に回避する。 【解決手段】電極121を導電性のセラミックス材によ
り形成し、又は電極121を潤滑コーティングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルム処理装置
に関し、例えばテレシネ装置、映画フィルムの映写装置
において、電極を配置して位置ずれを検出する際に、こ
の電極を導電性のセラミックス材により形成することに
より、又は電極を潤滑コーティングすることにより、位
置ずれ検出精度の低下を有効に回避する。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルム処理装置においては、フ
ィルム走行系の方式として、連続送り方式と間欠送り方
式とがあり、テレシネ装置においては、一般に連続送り
方式が適用され、映写装置においては、間欠送り方式が
適用されるようになされている。
【0003】すなわち連続送り方式は、キャプスタンに
より映画フィルムを等速度で走行させる方式であり、こ
の方式が適用されるテレシネ装置は、この映画フィルム
の走行方向に対して垂直に、1次元的な走査を繰り返す
照明光により映画フィルムを照明する。さらにこのテレ
シネ装置では、この照明結果を受光素子により受光し、
これによりラスタ走査の順序で映画フィルム上の各コマ
を撮像する。
【0004】これに対して間欠送り方式は、映画フィル
ムの長手方向に形成された矩形形状の開口(すなわちパ
ーフォレーションでなる)を利用して、映画フィルムを
1コマずつコマ送りすることにより、映画フィルムを間
欠的に走行させる方式である。この方式が適用される映
写装置においては、カム機構によりレジストーションピ
ンを駆動し、このレジストーションピンをパーフォレー
ションに挿入して映画フィルムを間欠送りする。さらに
この映画フィルムの間欠送りに同期して光源からの照明
光を映画フィルムに間欠的に照射し、映画フィルムの透
過光をスクリーンに投影するようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで連続送り方式
においては、フィルムに加わる負担が少ない反面、照明
光の走査と映画フィルムの走行とを完全に同期させるこ
とが困難で、フィルムの長手方向にジッタが発生した
り、またフリッカが発生する欠点がある。さらに照明光
を射出するフライングスポットスキャナー等について、
定期的なメンテナンスが必要なことから、保守点検が煩
雑な欠点もある。
【0006】これに対して従来の間欠送り方式において
は、光学系、フィルム走行系の構成を簡略化できる反
面、レジストーションピンをパーフォレーションに挿入
して映画フィルムを位置決めすることにより、パーフォ
レーションに対してレジストーションピンを正しく位置
調整する必要があり、この調整作業が煩雑な欠点があ
る。またレジストーションピンが正しく位置調整されて
いない場合は、レジストーションピンにより映画フィル
ムを傷つける欠点もあり、さらには機械騒音が大きい欠
点もある。
【0007】また従来の間欠送り方式においては、連続
送り方式に比して、ジッタ、フリッカを低減できるもの
の、スクリーン上に投影された映像が徐々に又は急激に
変位する現象(以下、このような装置の処理結果でなる
映像の変位を画ぶれと呼ぶ)を完全に防止できない欠点
もある。因みに、映写装置において、この画ぶれは、ス
クリーン上に投影された映像の品位を低下させ、視聴者
に疲労を与え、また映像の安定感を劣化させることにな
る。
【0008】この問題を解決する1つの方法として、モ
ータ駆動のスプロケットにより映画フィルムを間欠送り
する方法が考えられる。すなわちスプロケットにより映
画フィルムを間欠送りすれば、構成を簡略化でき、保守
点検作業も簡略化できると考えられる。また映画フィル
ムの損傷も低減できると考えられる。ところがスプロケ
ットによる間欠送りでは、映画フィルムの位置決め精度
が劣る欠点がある。従ってスプロケットによる間欠送り
をテレシネ装置に適用して高品位の処理結果を出力する
場合、何らかの位置ずれ補正手段を設けることが必要に
なる。この前提として高い精度で位置ずれを検出するこ
とが必要になる。
【0009】この場合に、映画フィルムのパーフォレー
ションが間を横切るように複数の電極を配置し、この複
数電極の静電容量を検出して位置ずれを検出する方法が
考えられる。ところがこのように映画フィルムのパーフ
ォレーションが間を横切るよう電極を配置すると、長時
間の使用により電極が偏磨耗し、位置ずれ検出精度が低
下する問題がある。
【0010】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、複数の電極を配置して位置ずれを検出する際に、検
出精度の低下を有効に回避することができるフィルム処
理装置を提案しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、電極を導電性のセラミックス材に
より形成し、又は表面をコーティングする。
【0012】導電性のセラミックス材においては、耐磨
耗性が高く、これにより長時間の使用による電極の磨耗
が低減される。またコーティング加工においては、潤滑
コーティングにより滑りが良くなり、またセラミックス
コーティングにより耐磨耗性が向上し、これによっても
電極の磨耗が低減される。従って電極の磨耗による検出
精度の低下が有効に回避される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、適宜図面を参照しながら本
発明の実施の形態を詳述する。
【0014】(1)全体構成 図2は、本発明の実施の形態に係るテレシネ装置の概略
構成を示すブロック図である。このテレシネ装置1は、
35〔mm〕の映画フィルム2の各コマを撮像して映像
信号S1を出力する。
【0015】ここで図3に示すように、映画フィルム2
は、幅方向の両縁部に、パーフォレーション3が所定ピ
ッチで配置されるようになされている。また中央部分に
は、このパーフォレーション3を基準にして画像が順次
記録されてコマ4が配置され、35〔mm〕の映画フィ
ルム2では、1コマ当たり4個のパーフォレーション3
が割り当てられるようになされている。さらにこのコマ
4と一方のパーフォレーション3との間には、サウンド
トラック5が配置され、このサウンドトラック5に音声
信号が記録されるようになされている。
【0016】この映画フィルム2は、アセテート又はポ
リエステルでなるベース材に感光性の乳剤を積層した構
造でなり、乳剤側が外周側になるように、供給リール7
(図2)又は巻き取りリール8に巻き付けられてテレシ
ネ装置1に供給され、又テレシネ装置1より取り出され
るようになされている。
【0017】テレシネ装置1において、フィルム走行機
構9は、フィルム走行系10とこのフィルム走行系10
のモーター等を駆動する駆動系11とにより構成され
る。フィルム走行機構9は、システム制御回路12より
出力される制御信号SCに応動して動作を切り換え、フ
ィルム走行系10により映画フィルム2をループ状に保
持した状態で、供給リール7側から巻き取りリール8側
に、又はこれとは逆方向に、映画フィルム2を間欠送り
する。また必要に応じて供給リール7側及び巻き取りリ
ール8間で、映画フィルム2を早送り又は巻き戻しす
る。この間欠送りにおいて、フィルム走行機構9は、タ
イミングジェネレータ13より出力されるタイミング信
号を基準にしてフィルム走行系10を動作させ、これに
より35〔mm〕映画フィルム2について規定された1
秒間に24コマの速度で映画フィルム2を間欠送りす
る。
【0018】光源15は、ランプ部と回転型シャッター
部により構成され、タイミングジェネレータ13より出
力されるタイミング信号を基準にして動作し、フィルム
走行機構9による間欠送りに同期して、映画フィルム2
を間欠的に照明する。
【0019】画ぶれ補正機構16は、位置ずれ検出機構
17と光軸補正機構18とにより構成され、光源15に
より照明される映画フィルム2の透過光を光軸補正機構
18を介してテレビジョンカメラ19に射出する。この
とき画ぶれ補正機構16は、位置ずれ検出機構17によ
り映画フィルム2の停止位置における各コマの位置ずれ
を検出し、この位置ずれ検出結果に基づいて光軸補正機
構18により透過光の光路を可変し、これにより画ぶれ
を補正する。さらに画ぶれ補正機構16は、フィルム走
行方向の位置ずれ検出信号S3をフィルム走行機構9に
出力し、これによりフィルム走行機構9における間欠送
りの送り量を補正する。
【0020】テレビジョンカメラ19は、画ぶれ補正機
構16を介して映画フィルム2の透過光を受けることに
より、光源15によって照明された映画フィルム2の各
コマを撮像する。このときテレビジョンカメラ19は、
タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング
信号を基準にして動作することにより、映画フィルム2
の各コマに対応して映像信号S1のフィールドを形成す
るように、映画フィルム2の間欠送りに同期して映画フ
ィルム2を撮像し、その撮像結果を映像信号S1として
出力する。
【0021】タイミングジェネレータ13は、このテレ
シネ装置1の動作に必要な各種タイミング信号を生成し
て出力する。システム制御回路12は、操作子20の操
作に応動して各回路ブロックに制御信号SCを出力し、
これにより映画フィルム2を早送り、巻き戻し、さらに
は映画フィルム2を間欠送りしてテレビジョンカメラ1
9より映像信号S1を出力する。
【0022】(2)フィルム走行機構 (2−1)フィルム走行系及び光源 図4は、フィルム走行機構9におけるフィルム走行系を
示す正面図である。このフィルム走行系10は、映画フ
ィルム2を間欠送りする間欠送り動作部21と、供給リ
ール7から間欠送り動作部21に映画フィルム2を等速
度で供給する供給側連続送り部22と、間欠送り動作部
21からの映画フィルム2を巻き取りリール8に等速度
で巻き取る巻き取り側連続送り部23とにより構成され
る。
【0023】このうち供給側連続送り部22は、リール
モーター24の回転軸に供給リール7を保持する。供給
側連続送り部22は、この供給リール7より引き出され
る映画フィルム2をガイドローラー25に引っ掛けた
後、テンションアーム26に保持されたガイドローラー
27により緩やかに折り返し、続くガイドローラー28
を介して供給側送りスプロケット29に導く。テンショ
ンアーム26は、ガイドローラー27が供給側送りスプ
ロケット29から離間するように、バネ30により付勢
され、このバネ30のテンションをセンサ31により検
出できるようになされている。これによりフィルム走行
系10では、駆動系11によりこのセンサ31の出力信
号をモニタし、映画フィルム2が弛んで保持されている
場合等には、映画フィルム2の走行を停止するようにな
されている。
【0024】これに対して巻き取り側連続送り部23
は、供給側連続送り部22と対称に構成される。すなわ
ち巻き取り側連続送り部23は、リールモーター32の
回転軸に巻き取りリール8を保持し、ガイドローラー3
3を介して、この巻き取りリール8に映画フィルム2を
導く。このとき巻き取り側連続送り部23は、テンショ
ンアーム34に保持されたガイドローラー35により映
画フィルム2を緩く折り返してガイドローラー33に導
き、ガイドローラー35に対しては、ガイドローラー3
6を介して巻き取り側送りスプロケット37より映画フ
ィルム2を導く。テンションアーム34は、ガイドロー
ラー35が巻き取り側送りスプロケット37から離間す
るように、バネ38により付勢され、このバネ38のテ
ンションをセンサ39により検出できるようになされて
いる。
【0025】これによりフィルム走行系10では、駆動
系11によりこのセンサ39の出力信号をモニタし、供
給側と同様に、映画フィルム2が弛んで保持されている
場合等には、映画フィルム2の走行を停止するようにな
されている。また供給側連続送り部22と巻き取り側連
続送り部23とを対称に構成したことにより、映画フィ
ルム2を何れの方向に走行させる場合でも、同一の条件
により走行させることができるようになされている。
【0026】供給側送りスプロケット29及び巻き取り
側送りスプロケット37は、タイミングベルト40を介
して、連続送りモーター42により連動して回転駆動さ
れる。これによりフィルム走行系10は、間欠送り動作
部21における間欠送りの動作を停止制御した状態で、
巻き取り側のリールモーター32とこの連続送りモータ
ー42とを回転駆動して、供給リール7より巻き取りリ
ール8に映画フィルム2を高速度で巻き取ることができ
るようになされている。またこれとは逆に、間欠送り動
作部21における間欠送りの動作を停止制御した状態
で、供給側のリールモーター24とこの連続送りモータ
ー42とを回転駆動して、巻き取りリール8より供給リ
ール7に映画フィルム2を高速度で巻き戻すことができ
るようになされている。
【0027】これに対して映画フィルム2を撮像して映
像信号S1を出力する場合は、間欠送り動作部21にお
ける間欠送りの速度及び方向に対応して、リールモータ
ー24又は32を回転駆動すると共に、連続送りモータ
ー42の回転方向及び回転速度を設定して、間欠送り動
作部21に対して映画フィルム2を等速度で供給し、ま
た間欠送り動作部21より送出される映画フィルム2を
巻き取りリール8又は供給リール7に等速度で巻き取る
ことができるようになされている。
【0028】このようにして映画フィルム2を送出する
供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロ
ケット37は、周囲に形成された歯に映画フィルム2の
パーフォレーション3を引っ掛けて映画フィルム2を送
出し、この歯がパーフォレーション3に比して小さな形
状に形成されるようになされている。これにより供給側
送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット
37においては、映画フィルム2が伸縮した場合でも、
映画フィルム2を傷つけないようになされている。フィ
ルム走行系10では、このように歯を小さく形成した供
給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケ
ット37に対して、テンションアーム26、34により
映画フィルム2にテンションが与えられ、これにより確
実に映画フィルム2を送り出せるようになされている。
【0029】間欠送り動作部21は、映画フィルム2を
ループ形状に保持して間欠送りする。すなわち間欠送り
動作部21は、供給側送りスプロケット29の回転中心
と巻き取り側送りスプロケット37の回転中心とを結ぶ
直線に垂直な、仮想の基準線に対して、ほぼ対称形状に
4個のガイドローラー44〜47が配置される。ここで
この4個のガイドローラー44〜47は、長方形形状の
ほぼ頂点に配置されるようになされ、ベース材側より映
画フィルム2をガイドして映画フィルム2の乳剤側の損
傷を有効に回避する。
【0030】さらに間欠送り動作部21は、図面にて、
これらガイドローラー44〜47の下方において、仮想
の基準線に対して対称に2個のガイドローラー48及び
49を配置し、この2個のガイドローラー48及び49
により、4個のガイドローラー44〜47でガイドされ
た映画フィルム2を寄せ集める。これによりこの実施の
形態においてガイドローラー44〜47は、映画フィル
ム2をベース材側よりガイドしてループ形状に保持する
間欠送りガイド部を構成する。
【0031】間欠送り動作部21は、この2個のガイド
ローラー48及び49により寄せ集めた映画フィルム2
を間欠送りスプロケット50により間欠送りする。ここ
で図5に拡大して示すように、間欠送りスプロケット5
0は、ループ形状を形成する映画フィルム2の根元部分
において、両側面に配置されたスプロケットシュー51
〜56により供給側及び巻き取り側の側面に映画フィル
ム2が押圧される。さらに間欠送りスプロケット50
は、ステッピングモーター58の回転軸に直結して保持
され、これによりこのステッピングモーター58に供給
する駆動パルスのパルス数及び極性に応じて、ループ形
状を形成する映画フィルム2を、所定の送り量だけ、供
給側より巻き取り側へ、又は巻き取り側から供給側へ走
行させることができるようになされている。
【0032】このようにして映画フィルム2を間欠送り
する間欠送りスプロケット50は、周囲に形成された歯
に映画フィルム2のパーフォレーション3を引っ掛けて
映画フィルム2を走行させ、この歯がパーフォレーショ
ン3に比して小さな形状に形成されるようになされてい
る。これにより間欠送りスプロケット50においては、
映画フィルム2のパーフォレーション3を傷つけないよ
うになされている。
【0033】ここでこの実施の形態において、ステッピ
ングモーター58は、駆動系11により間欠的に駆動パ
ルスが印加され、これにより映画フィルム2を間欠送り
する。さらに映画フィルム2を早送り、巻き戻しする場
合は、いわゆるフリーの状態に保持され、自由に回転で
きるようになされている。これによりこの実施の形態に
おいて、間欠送りスプロケット50、スプロケットシュ
ー51〜56、ステッピングモーター58は、間欠送り
ガイド部の映画フィルム2を間欠送りするフィルム送り
部を構成する。
【0034】さらに間欠送り動作部21は、間欠送りス
プロケット50と供給側送りスプロケット29の間で、
映画フィルム2を弛むように保持し、これにより供給側
連続送り部22及び間欠送り動作部21の緩衝部を形成
する。また同様に、間欠送りスプロケット50と巻き取
り側送りスプロケット37との間で、映画フィルム2を
弛むように保持し、巻き取り側連続送り部23及び間欠
送り動作部21の緩衝部を形成する。
【0035】これらの緩衝部は、それぞれ3つのガイド
ローラー60〜62、63〜65を保持する可動部材6
6及び67を、破線で示す所定位置に配置した状態で映
画フィルム2をこのフィルム走行系10にセットした
後、矢印A及びBで示すように、この可動部材66及び
67を映画フィルム2の経路より退避させて形成され
る。これによりフィルム走行系10は、間欠送りにおけ
る急激なテンションの変動が、供給側連続送り部22及
び巻き取り側連続送り部23に及ばないようにし、その
分ガイドローラー28等による映画フィルム2の損傷を
有効に回避し、また確実に映画フィルム2を走行させる
ことができるようになされている。
【0036】このようにして形成されるフィルム走行経
路において、ガイドローラー45及び46間の中間位置
には、ゲート部70が配置される。ここでこのゲート部
70は、このテレシネ装置1のベースに固定された固定
側ピクチャーゲート71と、映画フィルム2を間に挟ん
で、固定側ピクチャーゲート71に対向する可動側ピク
チャーゲート72により形成される。
【0037】可動側ピクチャーゲート72は、映画フィ
ルム2を固定側ピクチャーゲート71に所定の押圧力で
押圧するように形成され、後述する画ぶれ補正機構16
の光学系73と一体に、図示しないハンドルを操作して
上方向に移動するようになされている。これによりこの
フィルム走行系10では、映画フィルム2を固定側ピク
チャーゲート71にセットした後、このハンドルを操作
して矢印Cで示すように可動側ピクチャーゲート72を
可動して、映画フィルム2をゲート部70にセットでき
るようになされている。
【0038】さらに固定側ピクチャーゲート71及び可
動側ピクチャーゲート72は、それぞれ映画フィルム2
のコマに対応する開口を有し、映画フィルム2をセット
した状態で、この開口を介してテレビジョンカメラ19
より映画フィルム2を撮像できるようになされている。
間欠送り動作部21は、ゲート部70の開口に対してゲ
ート部70を含めて、供給側及び巻き取り側で対称形状
に形成し、これにより映画フィルム2の走行方向を切り
換えても、同一の条件により間欠送りできるようになさ
れている。
【0039】この固定側ピクチャーゲート71の下方、
映画フィルム2のループ形状の内側には、光源15が配
置される。ここで光源15は、ゲート部70の開口に向
けてランプ81より照明光を射出する。このランプ81
及びゲート部70間には、円盤状の回転シャッター82
が配置され、光源15は、タイミングジェネレータ13
(図2)より出力されるタイミング信号を基準にしてこ
の回転シャッター82を回転駆動する。これにより光源
15は、フィルム走行系10の間欠送りに同期してゲー
ト部70に保持された映画フィルム2を間欠的に照明す
る。
【0040】これによりこのテレシネ装置1では、映画
フィルム2の乳剤側より各コマを撮像して、ベース側よ
り撮像する場合に比して、高品質の映像信号S1を出力
できるようになされている。特に、このように映画フィ
ルム2のループ形状の内側に光源15を配置すれば、大
型のテレビジョンカメラ19を配置する際の自由度を向
上することもできる。さらに併せて映画フィルム2の画
ぶれを補正することによっても高品質の映像信号S1を
出力することができる。
【0041】かくしてこの実施の形態において、テレビ
ジョンカメラ19は、映画フィルム2を撮像する光学処
理手段を構成するようになされている。
【0042】(2−2)ガイドローラー44、47 図6は、フィルム走行系10において、映画フィルム2
をループ形状に保持する領域を拡大して示す平面図であ
る。フィルム走行系10では、このループ形状を形成す
る4つのガイドローラー44〜47のうち、間欠送りス
プロケット50側の2つのガイドローラー44及び47
の動作を切り換えて、何れの方向に映画フィルム2を間
欠送りして映像信号S1を出力する場合でも、確実に映
画フィルム2を間欠送りできるようになされている。
【0043】すなわちガイドローラー44及び47は、
それぞれ制御アーム90及び91の一端に回転自在に保
持される。この制御アーム90及び91は、他端の回動
軸を支点にして回動自在にテレシネ装置1のシャーシに
固定され、矢印Dで示す映画フィルム2のループ形状を
大きくする方向に、それぞれバネ92及び93により付
勢されるようになされている。さらに制御アーム90及
び91は、回動軸に電磁ブレーキ93及び94が配置さ
れる。フィルム走行系10では、供給側より巻き取り側
に映画フィルム2を間欠送りする場合は、駆動系11に
より電磁ブレーキ94を駆動して巻き取り側となる制御
アーム91の回動を停止し、この制御アーム91に保持
されたガイドローラー47を一定位置に保持する。また
これとは逆に巻き取り側より供給側に映画フィルム2を
間欠送りする場合、同様に駆動系11により電磁ブレー
キ93を駆動して供給側でなる制御アーム90の回動を
停止し、この制御アーム90に保持されたガイドローラ
ー44を一定位置に保持する。
【0044】さらに制御アーム90及び91は、それぞ
れエアーダンパ96及び97が接続され、このエアーダ
ンパ96及び97により、ループ形状を小さくする方向
にはガイドローラー44、47が急激に変位しないよう
になされている。これによりフィルム走行系10では、
送り、停止を繰り返して映画フィルム2を間欠送りする
につき、映画フィルム2が走行している期間の間は、バ
ネ92又は93によりフィルム走行側に映画フィルム2
を与圧した状態で、ガイドローラー44又は47を一定
位置に保持する。すなわちフィルム走行により映画フィ
ルム2のテンションが急激に変化した場合でも、この変
動に追従してループ形状が急激に変動しないようにす
る。
【0045】これに対して映画フィルム2が停止する
と、バネ92又は93による一定テンションによってル
ープ形状が大きくなる方向に与圧する。これによりフィ
ルム走行系10では、映画フィルム2の送り方向に、映
画フィルム2を与圧し、パーフォレーション3に対して
歯の小さな間欠送りスプロケット50により間欠送りす
る場合でも、バックラッシュを有効に回避して精度良く
間欠送りできるようになされている。また経時変化、温
度、湿度等により映画フィルム2が伸縮した場合にはガ
イドローラー44、47の移動によりこの伸縮を吸収し
て、精度良く間欠送りできるようになされている。
【0046】すなわちパーフォレーション3のピッチ
は、標準値が4.75〔mm〕でなることから、間欠送
りスプロケット50より出発して戻るまでの映画フィル
ム2のパーフォレーション数をNとおくと、間欠送りス
プロケット50より出発して戻るまでの映画フィルム2
の長さ(間欠送りスプロケット50の供給側から巻き取
り側までのかみ合い長さでなる)Lの標準値は、4.7
5×N〔mm〕で表すことができ、符号E及びFで示す
ように、それぞれ映画フィルム2が縮んだ場合と、映画
フィルム2が伸びた場合とで制御アーム90又は91を
回動させて、この標準の長さLを補正することができ
る。これによりフィルム走行系10では、映画フィルム
2の伸縮を吸収して間欠送りの精度を維持できるように
なされている。
【0047】かくしてこの実施の形態において、バネ9
2、93は、ガイドローラ44、47を変位させて映画
フィルム2を与圧する与圧手段を構成し、エアーダンパ
96、97は、ガイドローラ44、47の急激な変位を
制限する変位制限手段を構成する。
【0048】(2−3)駆動系11 図7は、フィルム走行機構9の駆動系11について、ス
テッピングモーター58の駆動系を示すブロック図であ
る。フィルム走行機構9では、この駆動系11によりゲ
ート部70における映画フィルム2の位置ずれの累積を
有効に回避し、映画フィルム2の位置決め精度を向上す
る。
【0049】すなわち駆動系11において、モーター制
御回路100は、タイミングジェネレータ13よりコマ
送りの周期で出力されるタイミング信号ST1をトリガ
にして、位置ずれ演算回路105に保持された送り量デ
ータD1の分だけ、連続するパルス信号SPをカウント
して出力する。これによりモーター制御回路100は、
ステッピングモーター58の駆動に必要な駆動パルス信
号SP1を生成する。
【0050】モーター駆動回路102は、このモーター
制御回路100より出力される駆動パルス信号SP1に
よりステッピングモーター58を駆動し、これによりタ
イミング信号ST1に同期したタイミングで間欠送りス
プロケット50を回転させて、映画フィルム2を間欠送
りする。
【0051】位置ずれ演算回路101は、このテレシネ
装置1の起動時、システム制御回路12より出力される
送り量データD1を内蔵のレジスタ101Aにロード
し、この送り量データD1をモータ制御回路100に出
力する。さらに位置ずれ検出回路101は、位置ずれ検
出機構17より出力される位置ずれ検出信号S3を基準
にして、続く映画フィルム2の間欠送りの送り量補正デ
ータD5を生成する。すなわち位置ずれ演算回路101
において、補正データ生成回路105は、ステッピング
モーター58の分解能に対応する量子化ステップサイズ
により位置ずれ検出信号S3をアナログディジタル変換
処理することにより、ステッピングモーター58のパル
ス数に対応する送り量補正データD5を生成し、この送
り量補正データD5によりレジスタ101Aに保持した
送り量データD1を補正する。これにより駆動系11で
は、直前のコマ送り結果を続くコマ送りの送り量に反映
して、映画フィルム2の位置決め精度を向上するように
なされている。
【0052】すなわち直前のコマ送りにおいて、ステッ
ピングモーター58の1パルス分に相当する送り量だ
け、コマ送り量が多すぎた場合、続くコマ送りにおいて
は、直前のコマ送り量よりこの1パルス分の送り量を減
じたコマ送り量により映画フィルム2を走行させる。こ
れとは逆に、直前のコマ送りにおいて、ステッピングモ
ーター58の1パルス分に相当する送り量だけ、コマ送
り量が少ない場合、続くコマ送りにおいては、直前のコ
マ送り量よりこの1パルス分の送り量を加算したコマ送
り量により映画フィルム2を走行させる。これによりフ
ィルム走行機構9では、映画フィルム2が伸縮した場合
等でも、ゲート部70における位置ずれの累積を有効に
回避し、高精度で間欠送りできるようになされている。
【0053】(3)画ぶれ補正機構 (3−1)位置ずれ検出機構 位置ずれ検出機構17は、図8に断面を取って略線的に
示すように、ゲート部70において、固定側ピクチャー
ゲート71に配置した複数電極の、可動側ピクチャーゲ
ート72に対する静電容量を基準にして、映画フィルム
2の位置を検出する。
【0054】(3−1−1)ガイドシュー110 このためゲート部70においては、図1に示すガイドシ
ュー110を固定側ピクチャーゲート71のベース材に
配置し、このガイドシュー110に対して、可動側ピク
チャーゲート72より映画フィルム2を押圧してガイド
する。
【0055】すなわちガイドシュー110は、全体とし
て供給側と巻取り側とが対称形状に形成され、ステンレ
ス等の導電性部材を加工した枠体112に対して、接着
により電極部113及び114を配置して形成される。
枠体112は、ほぼ映画フィルム2の幅で延長し、長手
方向の中央部分に幅方向の膨らみが形成され、この膨ら
んだ部分に電極部113及び114が配置される。
【0056】さらに枠体112は、図面にて電極部11
3及び114の左右に広がる開口116が形成され、こ
の開口116を間に挟んでネジ孔119が形成されるよ
うになされている。これによりガイドシュー110は、
このネジ孔119により固定側ピクチャーゲート71の
ベース材に固定され、さらにこの固定された際に、この
開口116を介して光源15からの照明光を映画フィル
ム2に導くようになされている。
【0057】電極部113及び114は、絶縁性のセラ
ミックス材により形成されたベース材120の凹部に、
導電性のセラミックス材により形成された電極121を
接着により配置した後、表面を研磨して滑らかに加工し
て形成される。すなわちセラミックス材においては、磨
耗に強いことにより、ガイドシュー110は、このよう
に絶縁性のセラミック材と導電性のセラミック材とで電
極部113及び114を形成して、電極部113及び1
14の耐磨耗性を向上するようになされている。また断
面を取って図1(B)に示すように、各電極121にお
いては、ベース材120の貫通孔を介して、端子122
が接続され、この端子122を介して位置ずれ検出機構
の回路ブロックと接続されるようになされている。
【0058】このようにして形成されるガイドシュー1
10は、35〔mm〕の標準の映画フィルム2に対し
て、図9に示すように各電極が配置される。すなわち光
軸補正機構18により何ら画ぶれを補正しない状態で、
テレビジョンカメラ19により撮像したコマ4の画像が
映像信号S1をモニタして正しい位置により表示される
場合、この映画フィルム2の位置が位置ずれしていない
正しい停止位置となる。
【0059】この正しい停止位置に映画フィルム2が停
止した状態で、この撮像対象のコマ4に対応する両端、
4つのパーフォレーションP1A〜P4A及びP1B〜
P4Bに対して、1方の電極部113においては、最も
巻き取り側に位置するパーフォレーションP4Aの下部
に切り欠き125が形成され、また他方の電極部114
においては、最も供給側に位置するパーフォレーション
P1Bの下部に切り欠き125が形成されるようになさ
れている。これによりゲート部70においては、この切
り欠き125を介して光源15により間欠的にパーフォ
レーションP4A及びP1Bを照明できるように形成さ
れ、この間欠的に照明されるパーフォレーションP4A
及びP1Bを目視確認して画ぶれの状況を簡易に確認で
きるようになされている。
【0060】これに対して残りのパーフォレーションP
1A〜P3A及びP2B〜P4Bに対して、電極部11
3及び114は、それぞれ1対の電極H1A及びH1B
が配置されるようになされている。ここでこれら1対の
電極H1A及びH1Bは、同一形状に形成され、かつ正
しい停止位置における各パーフォレーションP1A〜P
3A及びP2B〜P4Bに対して、フィルム走行方向に
対称に配置されるようになされている。これにより1対
の電極H1A及びH1Bは、映画フィルム2が正しい停
止位置に停止している場合には、供給側の電極H1Aと
可動側ピクチャーゲート72との間の静電容量と、巻き
取り側電極H1Bと可動側ピクチャーゲート72との間
の静電容量とが等しい値に保持され、正しい停止位置よ
り映画フィルム2が変位すると、変位量に応じてこの2
つの静電容量に差が生じるようになされている。
【0061】これにより電極部113及び114は、1
対の電極H1A及びH1Bにより形成される静電容量の
差を検出して、映画フィルム2の長手方向について位置
ずれを検出できるようになされている。なおこのよう
に、映画フィルム2の長手方向に各3対の電極H1A及
びH1Bをパーフォレーション3の標準ピッチで配置
し、また映画フィルム2の両端に等しい数を対称に振り
分けるようにすれば、これら電極H1A及びH1Bによ
る静電容量の差を総合的に検出して、長手方向及び幅方
向に映画フィルム2が伸縮した場合でも、正確に長手方
向の位置ずれを検出することができ、その分位置ずれ検
出精度を向上して高品位の処理結果を出力することがで
きる。
【0062】電極部113は、これら4つのパーフォレ
ーションP1A〜P4Aより供給側及び巻き取り側の、
各2つのパーフォレーションP1C〜P4Cに対して、
パーフォレーションP1C及びP2Cとパーフォレーシ
ョンP3C及びP4Cとをそれぞれ跨ぐように、2つの
電極H2Aが形成され、さらにこの電極H2Aの外側に
同一形状の電極H2Dがそれぞれ形成される。また他方
の電極部114においては、同様にパーフォレーション
P1D及びP2DとパーフォレーションP3D及びP4
Dとをそれぞれ跨ぐように、2つの電極H2Cが形成さ
れ、さらにこの電極H2Cの外側に同一形状の電極H2
Dがそれぞれ形成される。
【0063】ここで内側の電極H2A及びH2Cは、こ
の正しい停止位置で、パーフォレーションP1C〜P4
Cの外側エッジがほぼ中心を横切るように形成され、外
側の電極H2B及びH2Dは、映画フィルム2の外側エ
ッジがほぼ中心を横切るように形成される。これにより
電極部113及び114は、映画フィルム2が幅方向に
変位すると、対応する電極H2A及びH2C、H2B及
びH2Dにおいて、可動側ピクチャーゲート72との間
の静電容量が相補的に変化し、映画フィルム2が正しい
停止位置に保持されている場合、これらの静電容量が等
しい値になるようになされている。
【0064】これにより電極部113及び114は、映
画フィルム2の変位方向に対応する電極H2A及びH2
Dと電極H2B及びH2Cとにより形成される静電容量
の差を検出して、映画フィルム2の幅方向について位置
ずれを検出できるようになされている。なおこのよう
に、コマ4の前後、左右に4対の電極H2A〜H2Cを
対称に振り分けて配置すれば、これら4対の電極H2A
〜H2Cによる静電容量の差を総合的に検出して、長手
方向及び幅方向に映画フィルム2が伸縮した場合でも、
正しい停止位置を基準にして幅方向の位置ずれを検出で
き、その分位置ずれ検出精度を向上して高品位の処理結
果を出力することができる。
【0065】(3−1−2)可動側ピクチャーゲート 可動側ピクチャーゲート72は、ハンドルの操作により
上下するベース材131にフィルム押え130を保持
し、このフィルム押え130をバネ132によりガイド
シュー110に押圧する。すなわちフィルム押え130
は、ガイドシュー110の開口116(図1)を避け
て、この開口116の巻き取り側及び供給側に、それぞ
れ配置される。さらにフィルム押え130は、ガイドシ
ュー110の枠体112に対応して、幅方向の断面形状
が凹形状に形成され、これによりコマ4、サウンドトラ
ック5の損傷を有効に回避するようになされている。
【0066】これによりフィルム押え130は、バネ1
32の伸縮によって映画フィルム2の厚さに応じて変位
し、例えばパーフォレーション3の周囲が変形している
場合、ゴミの付着等により映画フィルム2の厚さが局所
的に変化している場合でも、この変化を吸収できるよう
になされている。またガイドシュー110に対して映画
フィルム2を押圧して、ガイドシュー110の電極部1
13及び114に対する映画フィルム2の厚さ方向の変
位を低減するようになされている。
【0067】さらに可動側ピクチャーゲート72は、フ
ィルム押え130とは別体に、ガイドシュー110の電
極部113及び114に対向するように電極部材134
を保持する。ここで電極部材134は、ガイドシュー1
10の電極121に対して、全体が対向電極を形成する
ように金属材料で形成され、ベース材131を介して接
地される。さらに電極部材134は、ベース材131に
形成した凸部136により、映画フィルム2に対して微
小な空間Gを形成して可動側ピクチャーゲート72に保
持される。これにより可動側ピクチャーゲート72は、
フィルム押え130と電極部材134とを分離して、ゴ
ミ、変形したパーフォレーションによりフィルム押え1
30が上下動した場合でも、対向する電極121に対し
て電極部材134を一定間隔に保持して静電容量が変化
しないようになされ、その分局所的な厚さの変化に伴う
位置ずれ検出精度の低下を有効に回避できるようになさ
れている。
【0068】さらに電極部材134は、バネ135によ
り映画フィルム2側に押圧されて可動側ピクチャーゲー
ト72に保持される。これにより可動側ピクチャーゲー
ト72は、例えば映画フィルム2の繋ぎ目等において
は、電極部材134が浮き上がるようにし、映画フィル
ム2の損傷を有効に回避するようになされている。
【0069】(3−1−3)位置ずれ検出機構の回路構
成 図10は、位置ずれ検出機構の回路ブロックを示すブロ
ック図である。位置ずれ検出機構17は、映画フィルム
2の長手方向に対を形成する電極H1A及びH1Bにつ
いて、供給側の電極H1Aと巻き取り側の電極H1Bと
をそれぞれ纏めて結線する。これにより複数の供給側の
電極H1Aと電極部材134とにより第1のコンデンサ
C1Aを形成し、また複数の巻き取り側の電極H1Bと
電極部材134とにより第2のコンデンサC1Bを形成
し、電極H1A及びH1Bによる静電容量の差を総合的
に検出する。
【0070】位置ずれ検出機構17は、差分信号生成回
路139において、この第1及び第2のコンデンサC1
A及びC1Bをそれぞれ抵抗R1及びR2に直列接続
し、この抵抗R1及びR2をそれぞれ発振回路140及
び141に接続する。これにより位置ずれ検出機構17
は、第1のコンデンサC1Aと抵抗R1との分圧回路に
より、発振回路140の発振出力を分圧し、第1のコン
デンサC1Aの容量変化に応じて信号レベルの変化する
分圧出力信号S11を生成する。また同様に、位置ずれ
検出機構17は、第2のコンデンサC1Bと抵抗R2と
の分圧回路により、発振回路141の発振出力を分圧
し、第2のコンデンサC1Bの容量に応じて信号レベル
の変化する分圧出力信号S12を生成する。
【0071】ここで発振回路140及び141は、位相
が逆相で、信号レベルがほぼ等しい発振信号を出力す
る。抵抗R1及びR2は、同一の抵抗値に選定されるよ
うになされている。これにより加算回路142は、分圧
出力信号S11及びS12を加算して、第1及び第2の
コンデンサC1A及びC1Bの容量差に応じてエンベロ
ープの変化する出力信号S13を出力する。
【0072】同期検出回路143は、この加算回路14
2の出力信号S13を発振回路141の出力信号で同期
検波し、これにより第1及び第2のコンデンサC1A及
びC1Bの容量差に応じて信号レベルの変化する出力信
号S14を出力する。ローパスフィルタ(LPF)14
4は、この出力信号S14より不要な高調波成分を除去
して出力する。ここで第1及び第2のコンデンサC1A
及びC1Bにおいては、供給側の電極H1A及び巻き取
り側の電極H1Bに対してパーフォレーション3が変位
すると、容量差が変化することから、出力信号S14
は、電極H1A及びH1Bに対するパーフォレーション
3の相対位置を表すことになり、映画フィルム2が停止
している場合は、停止位置を表すことになる。これによ
り位置ずれ検出機構17は、この出力信号S14を基準
にして映画フィルム2の走行方向についての位置ずれ検
出信号S3を生成する。
【0073】同様にして位置ずれ検出機構17は、映画
フィルム2の幅方向に対を形成する電極H2A〜H2D
について、映画フィルム2の横方向の変位に対応するよ
うに、電極H2A、H2Cを纏めて結線して、これら電
極H2A、H2Cと電極部材134とにより第3のコン
デンサC2Aを形成する。また電極H2B、H2Dを纏
めて結線して、これら電極H2B、H2Dと電極部材1
34とにより第4のコンデンサC2Bを形成する。これ
により位置ずれ検出機構17は、幅方向についても、電
極H2A、H2C及びH2B、H2Dによる静電容量の
差を総合的に検出するようになされている。
【0074】さらに位置ずれ検出機構17は、この第3
及び第4のコンデンサC2A及びC2Bをそれぞれ抵抗
R3及びR4に直列接続し、この抵抗R3及びR4をそ
れぞれ発振回路145及び146に接続する。これによ
り第3のコンデンサC2Aの容量変化に応じて信号レベ
ルの変化する分圧出力信号S21と、第4のコンデンサ
C2Bの容量に応じて信号レベルの変化する分圧出力信
号S22を生成する。
【0075】発振回路145及び146は、位相が逆相
で、信号レベルがほぼ等しい発振信号を出力し、抵抗R
3及びR4は、同一の抵抗値に選定されるようになされ
ている。これにより加算回路147は、分圧出力信号S
21及びS22を加算して、第3及び第4のコンデンサ
C2A及びC2Bの容量差に応じてエンベロープの変化
する出力信号S23を出力する。
【0076】同期検出回路148は、この加算回路14
7の出力信号S23を発振回路146の出力信号で同期
検波し、これにより第3及び第4のコンデンサC2A及
びC2Bの容量差に応じて信号レベルの変化する出力信
号S24を出力する。ローパスフィルタ149は、この
出力信号S24より不要な高調波成分を除去して出力す
る。ここで第3及び第4のコンデンサC2A及びC2B
においては、電極H2A、H2Cと電極H2B、H2D
に対して映画フィルム2が変位すると、容量差が変化す
ることから、出力信号S24は、映画フィルム2の幅方
向の位置を表すことになり、映画フィルム2が停止して
いる場合は、幅方向の停止位置を表すことになる。これ
により位置ずれ検出機構17は、この出力信号S24を
基準にして映画フィルム2の幅方向についての位置ずれ
検出信号S4を生成する。
【0077】すなわち続く材質補正回路150は、映画
フィルム2の材質等により変化する出力信号S14及び
S24の信号レベルを補正して出力し、位置ずれ信号検
出回路151は、映画フィルム2が停止しているタイミ
ングでそれぞれ材質補正回路150の出力信号S43及
びS44をサンプルホールドして位置ずれ検出信号S3
及びS4を生成する。
【0078】(3−1−3−1)材質補正回路の構成 図11は、材質補正回路の構成を示すブロック図であ
り、図12は、この材質補正回路150により信号レベ
ルを補正する出力信号S14を表す信号波形図である。
すなわち出力信号S14においては、映画フィルム2が
走行している走行期間の間、電極H1A及びH1Bに対
するパーフォレーション3の位置が周期的に変化するこ
とにより、映画フィルム2の誘電率等により決まる振幅
で正弦波状に信号レベルが変化する。これにより材質補
正回路150は、この走行期間における出力信号S14
の振幅、直流レベルにより、出力信号S14及びS24
について、続く停止期間の信号レベルを補正し、映画フ
ィルム2の材質等による位置ずれ検出信号S3及びS4
の変化を補正する。
【0079】すなわち材質補正回路150は、停止期間
の間、可変利得増幅回路153及び154により出力信
号S14及びS24の振幅を補正し、減算回路155及
び156により出力信号S14及びS24の直流レベル
を補正して出力する。このとき材質補正回路150は、
走行期間の間、補正信号生成回路157により送り方向
の出力信号S14から補正信号S5及びS6を生成し、
この補正信号S5及びS6により出力信号S14及びS
24の振幅及び直流レベルを補正する。
【0080】補正信号生成回路157は、正側ピーク検
波回路159及び負側ピーク検波回路160に減算回路
155の出力信号S43を与え、タイミングジェネレー
タ13より出力されるタイミング信号S7を基準にし
て、走行期間の間、それぞれ出力信号S43の正側ピー
ク及び負側ピークを順次検出する。
【0081】ローパスフィルタ161及び162は、そ
れぞれ正側ピーク検波回路159及び負側ピーク検波回
路160の出力信号を帯域制限し、これにより正側ピー
ク検波回路159及び負側ピーク検波回路160におけ
るピーク検出結果をそれぞれ平均値化して出力する。す
なわち映画フィルム2には、1コマ当たり4つのパーフ
ォレーション3が割り当てられていることにより、出力
信号S43においては、1回の走行期間で正弦波状の脈
動が4周期繰り返されることになる。これによりピーク
検出結果を平均値化してノイズ、映画フィルム2の上下
動等による位置ずれ検出精度の低下を有効に回避する。
【0082】ホールド回路163及び164は、タイミ
ングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を
基準にして走行期間が終了する時点で、それぞれローパ
スフィルタ161及び162の出力信号をサンプルホー
ルドして出力する。
【0083】減算回路166は、走行期間においては、
標準の利得制御信号を補正信号S5として出力するのに
対し、停止期間においては、ホールド回路163及び1
64より出力されるサンプルホールド結果を減算して補
正信号S5を出力する。これにより補正信号生成回路1
57は、可変利得増幅回路153及び154の利得を出
力信号S43の振幅Wを一定値に設定する利得に設定し
て、停止期間の間、出力信号S43の信号レベルを補正
する。
【0084】加算回路167は、走行期間においては、
補正信号S6の出力を中止するのに対し、停止期間にお
いては、ホールド回路163及び164より出力される
サンプルホールド結果を加算して補正信号S6として出
力する。これにより補正信号生成回路157は、出力信
号S43の直流レベルを一定の直流レベルL1に設定す
るオフセット電圧を、停止期間の間、減算回路155及
び156に供給して、出力信号S43及びS44の信号
レベルを補正する。
【0085】(3−1−3−2)位置ずれ信号検出回路 図13に示すように、位置ずれ信号検出回路151は、
タイミング信号生成回路170により生成したタイミン
グ信号MM2を基準にして、停止期間の開始のタイミン
グで出力信号S43及びS44をサンプルホールドし、
出力信号S43及びS44より位置ずれ検出信号S3及
びS4を生成して出力する。
【0086】すなわち図14に示すように、位置ずれ信
号検出回路151は、タイミング信号MM2によりオン
動作するスイッチ回路171及び172を介して、出力
信号S43及びS44(図14(A)及び(B))をサ
ンプルホールドコンデンサ173及び174に出力し、
各サンプルホールドコンデンサ173及び174の端子
電圧をボルテージフォロワ回路構成の演算増幅回路17
5及び176より位置ずれ検出信号S3及びS4として
出力する。
【0087】タイミング信号生成回路170は、出力信
号S44に比して振幅の大きな出力信号S43を比較回
路(COM)180に入力し、ここで所定の比較基準と
の比較結果を得ることにより、出力信号S43の脈動に
応動して信号レベルが切り換わる比較信号COM1(図
14(C))を生成する。続くモノマルチバイブレータ
(MM)181は、リトリガブルのモノマルチバイブレ
ータで形成され、比較信号COM1の信号レベルの立ち
上がりに同期して信号レベルが立ち上がった後、この立
ち上がりより一定期間T1経過して比較信号COM1の
信号レベルが立ち下がっていると、信号レベルの立ち下
がるタイミング信号MM1(図14(D))を生成す
る。これによりモノマルチバイブレータ181は、出力
信号S43の脈動が繰り返されなくなると、タイミング
信号MM1の信号レベルを立ち下げるようになされてい
る。
【0088】続くモノマルチバイブレータ(MM)18
2は、このタイミング信号MM1の立ち下がりより一定
期間T2だけ信号レベルの立ち上がるタイミング信号M
M2(図14(E))を生成し、スイッチ回路171及
び172は、このタイミング信号MM2の立ち上がりに
同期してオン動作する。これによりタイミング信号生成
回路170では、実際の映画フィルム2の走行結果よ
り、停止期間の開始を示すタイミング信号MM2を生成
するようになされている。
【0089】これにより位置ずれ信号検出回路151
は、このタイミング信号MM2の立ち上がりのタイミン
グで出力信号S43及びS44をそれぞれサンプルホー
ルドしてなる位置ずれ検出信号S3及びS4(図14
(F)及び(G))を出力する。なおこの実施の形態に
おいて、タイミングジェネレータ13は、このタイミン
グ信号MM2の立ち下がりのタイミングを基準にして、
照明光の照射のタイミング、テレビジョンカメラ19の
撮像のタイミングを指示するタイミング信号T4(図1
4(H))を生成するようになされ、これにより映画フ
ィルム2が確実に停止した状態で各コマを撮像するよう
になされている。
【0090】(3−2)光軸補正機構 図15は、光軸補正機構18の光学系73を示す斜視図
であり、この光学系73では透明板状部材でなる板ガラ
ス190及び191の傾きを変化させて、映画フィルム
2より得られる透過光Lの光軸を可変する。すなわち板
ガラス190及び191は、テレビジョンカメラ19の
光学系の光軸に対して、入出射面が直交する位置を基準
位置として、透過光Lの光路上に配置される。
【0091】このうちゲート部70側の板ガラス190
は、映画フィルム2により形成される画像に対して、垂
直方向に延長する軸棒192が両端面に取り付けられ、
この軸棒192を回動軸にしてモーター193により矢
印Hで示すように回動するようになされている。またテ
レビジョンカメラ19側の板ガラス191は、映画フィ
ルム2により形成される画像に対して、水平方向に延長
する軸棒194が両端面に取り付けられ、この軸棒19
4を回動軸にしてモーター195により矢印Iで示すよ
うに回動するようになされている。
【0092】これにより光軸補正機構18は、モーター
193及び195を駆動して板ガラス190及び191
を傾けて、板ガラス190及び191が基準位置より傾
いた分、透過光Lの光軸を変位させることができるよう
になされ、その分テレビジョンカメラ19により撮像さ
れる画像の位置を変位させることができるようになされ
ている。
【0093】モーター193及び195は、それぞれ角
度センサ197及び198を有し、この角度センサ19
7及び198により基準位置からの傾きを表す傾き検出
信号θ4及びθ3を出力する。
【0094】図16に示すように、光軸補正機構18
は、サーボループを形成し、位置ずれ検出信号S3及び
S4に対応して透過光Lの光軸を補正する。すなわち光
軸補正機構18は、位置ずれ検出信号S3を増幅回路2
00に与え、ここで一定利得で増幅した後、減算回路2
01に出力する。減算回路201は、増幅回路202を
介して傾き検出信号θ3を受け、位置ずれ検出信号S3
より減算して誤差信号ER3を生成する。増幅回路20
3は、この誤差信号ER3を増幅してモーター195の
ドライブ回路204に出力する。これにより光軸補正機
構18は、誤差信号ER3が0レベルになるように、板
ガラス191を傾けて、垂直方向の画ぶれを補正する。
【0095】また光軸補正機構18は、位置ずれ検出信
号S4を増幅回路205に与え、ここで一定利得で増幅
した後、減算回路206に出力する。減算回路206
は、増幅回路207を介して傾き検出信号θ4を受け、
位置ずれ検出信号S4より減算して誤差信号ER4を生
成する。増幅回路208は、この誤差信号ER3を増幅
してモーター193のドライブ回路209に出力する。
これにより光軸補正機構18は、誤差信号ER4が0レ
ベルになるように、板ガラス190を傾けて、水平方向
の画ぶれを補正する。
【0096】(4)実施の形態の動作 以上の構成において、供給リール7及び巻き取りリール
8に保持された映画フィルム2は(図4)、映画フィル
ム2の送り方向に応じて、それぞれテンションアーム2
6及び34により付勢されるガイドローラー27、35
により与圧を受けた状態で、パーフォレーション3(図
3)に比して歯を小型形状に形成した送り側連続送りス
プロケット29又は37により等速度で間欠送り動作部
21に送出される。
【0097】この間欠送り動作部21において、映画フ
ィルム2は、連続送りと間欠送りとの緩衝部を形成する
所定の弛みを経た後、パーフォレーション3に比して歯
を小型形状に形成した間欠送りスプロケット50の一側
面により、ガイドローラー44〜47により形成される
ループ形状のフィルム走行経路に間欠的に送り出され、
間欠送りスプロケット50の他の側面によりこのフィル
ム走行経路より引き出された後、同様の緩衝部を介して
連続送り側に送出される。これにより映画フィルム2
は、ループ形状の根元部分において1の間欠送りスプロ
ケット50により間欠送りされ、レジストーションピン
により間欠送りする場合のような損傷が有効に回避され
る。またテレシネ装置1の構成を全体として保守点検の
容易な簡易な構成とすることができる。
【0098】このループ形状のフィルム走行経路におい
て、映画フィルム2は、処理位置でなるゲート部70に
対して、走行側及び巻き取り側が対称形状に形成された
フィルム走行経路を走行する。またガイドローラー44
〜47のうちの、間欠送りスプロケット50側に配置さ
れたガイドローラー44、47(図6)が電磁ブレーキ
93及び94により映画フィルム2の送り方向に応じ
て、常時固定されたガイドローラーに動作を切り換える
ことにより、フィルム走行方向に対してゲート部70の
手前側で与圧が加えられる。これにより映画フィルム2
は、巻き取り側、供給側の何れの方向に走行する場合で
も、同一の条件により走行する。
【0099】さらに映画フィルム2は、このようにして
走行するループ形状のフィルム走行経路において、ガイ
ドローラー44〜47によりベース材側からガイドさ
れ、これにより乳剤側の損傷が有効に回避される。さら
に映画フィルム2は、ループ形状の内側より、間欠送り
に同期したタイミングで光源15により間欠的に照明さ
れ、映画フィルム2を透過する透過光がループ形状の外
側に配置したテレビジョンカメラ19により受光され
る。これによりテレシネ装置1は、テレビジョンカメラ
19により映画フィルム2を乳剤側から撮像でき、簡易
な構成により高品位の映像信号S1を出力することがで
きる。
【0100】さらに映画フィルム2は、この光源15に
より照明される停止位置の位置ずれが位置ずれ検出機構
17(図2)により検出され、この検出結果より光軸補
正機構18により透過光の光軸が補正され、これにより
画ぶれが補正されて高品位の映像信号S1を出力するこ
とができる。
【0101】この一連の間欠送りと映画フィルム2の処
理において、映画フィルム2は、ループ形状を形成する
ガイドローラー44〜47のうちの、間欠送りスプロケ
ット側のガイドローラー44及び47(図6)がそれぞ
れバネ92及び94によりループ形状を大きくする方向
に付勢され、さらにエアーダンパ96及び97によりル
ープ形状を小さくする方向には急激に変位されないよう
に保持されていることにより、コマ送り時の急激なテン
ションの変化に対しては電磁ブレーキ93又は94が解
除されて動作状態にあるガイドローラ44又は47によ
りループ形状を大きくする方向に与圧を受けた状態で、
一定位置に保持されたこれらガイドローラ44又は47
によりガイドされて走行し、走行を停止した状態では、
動作状態にあるガイドローラ44又は47によりループ
形状を大きくする方向に与圧を受ける。これにより映画
フィルム2は、間欠送りによる映画フィルム2の急激な
テンションの変化には応答しないように保持されたガイ
ドローラ44、47によりガイドされて、また経時変
化、温度、湿度等により伸縮した場合には、このガイド
ローラ44又は47の変位により伸縮が吸収されて、何
ら伸縮していない映画フィルム2と同一の条件により間
欠送りされる。また歯の小さな間欠送りスプロケット5
0によっても、ガイドローラ44、47による与圧によ
りバックラッシュを有効に回避して確実に間欠送りさ
れ、これらのことから映画フィルム2が伸縮している場
合でも、この伸縮による位置決め精度の劣化が有効に回
避される。
【0102】また間欠送りするステッピングモーター5
8(図7)に関して、位置ずれ検出機構17により検出
された走行方向の位置ずれ検出信号S3から、補正デー
タ生成回路105においてステッピングモーター58の
パルス数に対応する送り量補正データD5が生成され、
この送り量補正データD5によりレジスタ101Aに保
持された送り量データD1が補正されることにより、映
画フィルム2においては、直前のコマ送りによる位置ず
れ検出結果により続くコマ送り量が補正される。これに
より映画フィルム2では、連続するコマ送りにおいて、
直前のコマ送り結果が続くコマ送りに反映されて、各コ
マ4の停止位置が基準位置に近づくように、送り量が順
次補正される。従って伸縮した映画フィルム2において
は、停止位置のおける位置ずれの累積が解消されて位置
決め精度が向上し、また伸縮していない映画フィルムに
ついても、コマ送りのばらつきが解消されて位置決め精
度が向上される。
【0103】この位置ずれの検出は(図9)、映画フィ
ルム2の走行方向と幅方向とに対応してガイドシュー1
10に配置された複数の電極H1A〜H2Dと、映画フ
ィルム2を間に挟んでこのガイドシュー110と対向す
る可動側ピクチャーゲート72(図8)の電極部材13
4とにより複数のコンデンサC1A〜C2B(図10)
を形成し、映画フィルム2の変位に伴うこれらのコンデ
ンサC1A〜C2Bの容量変化を検出して実行される。
すなわちこれらのコンデンサC1A〜C2Bと抵抗R1
〜R4によりそれぞれ形成される分圧回路の出力電圧S
12〜S22より、映画フィルム2の変位方向に対応し
て信号レベルの変化する変位信号S13、S14を生成
した後、この変位信号S13、S14より停止位置にお
ける信号レベルを検出して位置ずれが検出される。これ
により簡易な構成で、かつ高い精度で位置ずれ検出で
き、その分精度良く画ぶれを補正して高品位の映像信号
S1を出力することができる。
【0104】この位置ずれ検出に使用される電極121
(図1)は、絶縁性のセラミックス材に導電性のセラミ
ックス材を配置して形成され、これらセラミックス材に
おいては磨耗に強いことにより、これにより長時間の使
用による電極の磨耗が低減され、その分電極121の偏
磨耗による検出精度の劣化が有効に回避される。また表
面を研磨して滑らかにしたことによっても、映画フィル
ム2の滑りが良くなり、その分電極121の磨耗が低減
される。また1コマに対応する4つのパーフォレーショ
ンに対して、一部電極に代えて形成された切り欠き12
5を介して、映画フィルム2の停止期間で光源15より
パーフォレーション3が照明され、このパーフォレーシ
ョン3が停止して観察されるとき、映画フィルム2は正
しく間欠送りされていると判断することができる。これ
により簡易に映画フィルム2の画ぶれの状況を観察する
ことができる。
【0105】これらの電極121が配置されるゲート部
70において(図8)、フィルム走行方向に延長するガ
イドシュー110に対して、このガイドシュー110の
両側にて、フィルム押え130がバネ132によりガイ
ドシュー110側に押圧されてベース材131に保持さ
れていることにより、映画フィルム2は、ガイドシュー
110上を走行する際に、フィルム押え130によりガ
イドシュー110に押圧されて保持される。これにより
電極121を走行する際に、映画フィルム2は、厚さ方
向の変位が低減され、その分位置ずれ検出精度の劣化が
有効に回避される。また映画フィルムの繋ぎ目、ゴミ等
については、映画フィルム2を押圧し続けた状態でバネ
132が収縮してフィルム押え130が変位することに
より、これら映画フィルム2の繋ぎ目、ゴミ等があって
も映画フィルム2は傷つくことなくフィルム押え130
を通過する。
【0106】さらにこのゲート部70において、電極1
21の対向電極が電極部材134により形成され、ベー
ス材131に形成された凸部136により、この電極部
材134の電極121側への変位が制限された状態で、
バネ135によりこの電極部材134が電極121側に
押圧される。これにより、映画フィルム2の繋ぎ目にお
いて、バネ132が収縮して電極部材134が変位し、
映画フィルム2の損傷が有効に回避される。またゴミ、
変形したパーフォレーション等によりフィルム押え13
0が変位しても電極部材134がガイドシュー110の
電極121に対して一定間隔に保持され、これによりゴ
ミ等による静電容量の変化が有効に回避され、その分高
い精度で位置ずれを検出することができる。
【0107】このようにして映画フィルム2を間に挟ん
で対向する電極の静電容量により検出される検出結果
は、この静電容量を変化させる要因でなる映画フィルム
2の誘電率、厚さ等によっても変化することになる。こ
のため映画フィルム2の位置ずれの時間経過を表してな
る差分信号生成回路139(図10)の出力信号S14
及びS24は、材質補正回路150において(図11及
び図12)、走行期間の信号が可変利得増幅回路153
及び154により一定利得で増幅された後、減算回路1
55及び156により何ら処理を受けることなく出力さ
れ、補正信号生成回路157において、この期間の振幅
及び直流レベルが検出される。この検出結果でなる補正
信号S5及びS6より、続く停止期間の出力信号S14
及び24は、可変利得増幅回路153及び154により
走行期間の振幅が所定値になる利得で増幅された後、続
く減算回路155及び156において走行期間の直流レ
ベルが0レベルになるように直流レベルが補正されて出
力される。これにより材質等による位置ずれ検出精度の
劣化が有効に回避される。
【0108】このとき補正信号S5及びS6は、振幅の
大きな出力信号S14より生成され、また走行期間の4
回の脈動に対応する正側及び負側ピーク検波結果がロー
パスフィルタ161及び162により平均値化されて生
成され、これらによっても位置ずれ検出精度の劣化が有
効に回避される。
【0109】このようにして利得、直流レベルが補正さ
れた出力信号S43及びS44は(図14及び図1
5)、続く位置ずれ信号検出回路151において、停止
期間の開始のタイミングでサンプルホールドされて(1
71〜176)、それぞれフィルム走行方向及びフィル
ム幅方向の位置ずれ検出信号S3及びS4が生成され
る。このとき振幅の大きな出力信号S14は、タイミン
グ信号生成回路170において、脈動に同期した2値信
号に変換された後、この2値信号より脈動が停止してな
る停止期間の開始のタイミングが検出され、この検出し
たタイミングにより出力信号S43及びS44がサンプ
ルホールドされて位置ずれ検出信号S3及びS4が生成
される。これにより別途映画フィルム2の走行停止を検
出する検出手段等を設けなくても、映画フィルム2の走
行停止を確実に検出して位置ずれ検出信号S3及びS4
を生成することができる。
【0110】このようにして検出された位置ずれ検出信
号S3及びS4は、光軸補正機構18(図15及び図1
6)において、映画フィルム2からの透過光の光路上に
配置たガラス板190及び191の傾きを制御するサー
ボループ(198、202〜204)及び(197、2
07〜209)に制御目標として供給され、これにより
位置ずれを補正するように透過光の光軸が補正されてテ
レビジョンカメラ19より処理結果でなる映像信号S1
が出力される。
【0111】(5)実施の形態の効果 以上の構成によれば、電極及びベース材をセラミックス
材で形成し、また研磨加工することにより、映画フィル
ムの滑りを良くすると共に耐磨耗性を向上でき、これに
より電極の偏磨耗を有効に回避して位置ずれ検出精度の
低下を有効に回避することができる。
【0112】(6)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、電極及びベース材を
セラミックス材で形成した場合について述べたが、本発
明はこれに限らず、実用上十分な範囲で、電極だけをセ
ラミックス材で形成してもよい。この場合ベース材とし
てガラス材、樹脂等の種々の絶縁材料を広く適用するこ
とができる。
【0113】また上述の実施の形態においては、電極及
びベース材をセラミックス材で形成すると共に、研磨加
工する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
実用上十分な範囲で、研磨加工を省略してもよい。
【0114】また上述の実施の形態においては、電極を
セラミックス材で形成することにより耐磨耗性を向上
し、研磨により滑りを良くするについて述べたが、本発
明はこれに限らず、コーティング加工により耐磨耗性を
向上し、また滑りを良くしてもよい。すなわちフッソ樹
脂、グラファイト系、二硫化モリブデン系の樹脂による
潤滑コーティングにより滑りを良くすることができ、ま
たセラミックスコーティングにより耐磨耗性を向上する
ことができる。なおこのようにコーティング加工による
場合、電極として銅板等の金属材料を適用することがで
き、またベース材としてガラス、エポキシ樹脂等の種々
の絶縁材料を使用することができる。
【0115】さらに上述の実施の形態においては、撮像
対称のコマを中心にした連続する各8個のパーフォレー
ションに対して電極と開口とを割り当てる場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、必要に応じて開口を
省略してもよく、またパーフォレーションに対する電極
の割り当て、配置等を種々に変更設定した場合にも広く
適用することができる。
【0116】また上述の実施の形態においては、対向電
極をベース材134により一体に形成した場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、個別に形成してもよ
く、この場合に可動ピクチャーゲート側にも同様の構成
を適用してもよい。また可動ピクチャーゲートと固定ピ
クチャーゲート側との構成を入れ換えてもよい。
【0117】さらに上述の実施の形態においては、位置
ずれ検出結果より透過光の光軸を補正して画ずれを補正
する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種
々の補正手段により画ぶれを補正する場合に広く適用す
ることができ、さらにはこの種の画ぶれ補正処理を実行
しない、単にフィルムを走行させてフィルムの形状等を
検査するフィルム処理装置にも広く適用することができ
る。
【0118】さらに上述の実施の形態においては、電極
と対向電極とにより形成されるコンデンサと抵抗とで分
圧回路を形成し、この分圧回路の分圧電圧より位置ずれ
を検出する場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、種々の静電容量の検出手法を適用して電極と対向電
極とにより形成される静電容量より位置ずれを検出する
場合に広く適用することができる。
【0119】さらに上述の実施の形態においては、本発
明をテレシネ装置に適用した場合について述べたが、本
発明はこれに限らず、例えば映写装置、電子露光装置等
にも適用することができる。
【0120】また上述の実施の形態においては、映画フ
ィルムを光学処理する場合について述べたが、本発明は
これに限らず、フィルムを間欠送り、連続送りして処理
する種々のフィルム処理装置に広く適用することができ
る。
【0121】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、複数の電
極を配置して位置ずれを検出する際に、この電極を導電
性のセラミックス材により形成することにより、又は電
極を潤滑コーティング加工することにより、電極の偏磨
耗を低減することができ、これにより位置ずれ検出精度
の低下を有効に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るテレシネ装置のガイ
ドシューの構成を示す図である。
【図2】テレシネ装置の全体構成を示すブロック図であ
る。
【図3】映画フィルム2の詳細を示す平面図である。
【図4】図2のテレシネ装置のフィルム走行系を示す平
面図である。
【図5】図4のフィルム走行系の間欠送り動作部を示す
平面図である。
【図6】図4のフィルム走行系の間欠送り動作部を詳細
に示す平面図である。
【図7】図2のフィルム走行機構における駆動系を示す
ブロック図である。
【図8】ベース部を示す断面図である。
【図9】図1のガイドシューの開口の近傍を詳細に示す
平面図である。
【図10】図2の位置ずれ検出機構を示すブロック図で
ある。
【図11】図10の材質補正回路を示すブロック図であ
る。
【図12】図11の材質補正回路の動作の説明に供する
信号波形図である。
【図13】図10の位置ずれ信号検出回路を示すブロッ
ク図である。
【図14】図13の位置ずれ信号検出回路の動作の説明
に供する信号波形図である。
【図15】図2の光軸補正機構の光学系を示す斜視図で
ある。
【図16】図2の光軸補正機構を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1……テレシネ装置、2……映画フィルム、3……パー
フォレーション、4……コマ、7……供給側リール、8
……巻き取り側リール、9……フィルム走行機構、10
……フィルム走行系、15……光源、16……画ぶれ補
正機構、17……位置ずれ検出機構、18……光軸補正
機構、19……テレビジョンカメラ、25、27、2
8、33、35、36、44〜49……ガイドローラ
ー、50……間欠送りスプロケット、70……ゲート
部、91、92……バネ、93、94……電磁ブレー
キ、96、97……エアーダンパ、120……ベース
材、121……電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムを走行させて前記フィルムを処
    理するフィルム処理装置において、 前記フィルムの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段を
    有し、 前記位置ずれ検出手段は、 前記フィルムを間に挟んで対向電極に対向するように電
    極を保持し、 前記電極の前記対向電極に対する静電容量を基準にし
    て、前記位置ずれを検出し、 前記電極は、 導電性のセラミックス材により形成されたことを特徴と
    するフィルム処理装置。
  2. 【請求項2】 前記電極は、絶縁性のベース材に保持さ
    れ、 前記ベース材は、前記フィルムの開口に対応して、一部
    に切り欠きを有することを特徴とする請求項1に記載の
    フィルム処理装置。
  3. 【請求項3】 撮像手段及び補正手段を有し、 前記撮像手段は、前記フィルムの処理位置において、照
    明手段により照明される前記フィルムを撮像して映像信
    号を出力し、 前記補正手段は、前記位置ずれの検出結果に基づいて、
    前記映像信号における位置ずれを補正することを特徴と
    する請求項1に記載のフィルム処理装置。
  4. 【請求項4】 フィルムを走行させて前記フィルムを処
    理するフィルム処理装置において、 前記フィルムの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段を
    有し、 前記位置ずれ検出手段は、 前記フィルムを間に挟んで対向電極に対向するように電
    極を保持し、 前記電極の前記対向電極に対する静電容量を基準にし
    て、前記位置ずれを検出し、 前記電極は、 コーティング加工されたことを特徴とするフィルム処理
    装置。
  5. 【請求項5】 前記電極は、絶縁性のベース材に保持さ
    れ、 前記ベース材は、前記フィルムの開口に対応して、一部
    に切り欠きを有することを特徴とする請求項4に記載の
    フィルム処理装置。
  6. 【請求項6】 撮像手段及び補正手段を有し、 前記撮像手段は、前記フィルムの処理位置において、照
    明手段により照明される前記フィルムを撮像して映像信
    号を出力し、 前記補正手段は、前記位置ずれの検出結果に基づいて、
    前記映像信号における位置ずれを補正することを特徴と
    する請求項4に記載のフィルム処理装置。
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