JP3758093B2 - フィルム処理装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム処理装置に関し、例えばテレシネ装置、映画フィルムの映写装置において、フィルムを間に挟んで配置した電極の静電容量により位置ずれを検出する際に、静電容量に応じて信号レベルが変化する検出信号の脈動を基準にして、フィルムの走行又は停止を検出することにより、簡易な構成で確実にフィルムの走行又は停止を検出することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルム処理装置においては、フィルム走行系の方式として、連続送り方式と間欠送り方式とがあり、テレシネ装置においては、一般に連続送り方式が適用され、映写装置においては、間欠送り方式が適用されるようになされている。
【0003】
すなわち連続送り方式は、キャプスタンにより映画フィルムを等速度で走行させる方式であり、この方式が適用されるテレシネ装置は、この映画フィルムの走行方向に対して垂直に、1次元的な走査を繰り返す照明光により映画フィルムを照明する。さらにこのテレシネ装置では、この照明結果を受光素子により受光し、これによりラスタ走査の順序で映画フィルム上の各コマを撮像する。
【0004】
これに対して間欠送り方式は、映画フィルムの長手方向に形成された矩形形状の開口(すなわちパーフォレーションでなる)を利用して、映画フィルムを1コマずつコマ送りすることにより、映画フィルムを間欠的に走行させる方式である。この方式が適用される映写装置においては、カム機構によりレジストーションピンを駆動し、このレジストーションピンをパーフォレーションに挿入して映画フィルムを間欠送りする。さらにこの映画フィルムの間欠送りに同期して光源からの照明光を映画フィルムに間欠的に照射し、映画フィルムの透過光をスクリーンに投影するようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで連続送り方式においては、フィルムに加わる負担が少ない反面、照明光の走査と映画フィルムの走行とを完全に同期させることが困難で、フィルムの長手方向にジッタが発生したり、またフリッカが発生する欠点がある。さらに照明光を射出するフライングスポットスキャナー等について、定期的なメンテナンスが必要なことから、保守点検が煩雑な欠点もある。
【0006】
これに対して従来の間欠送り方式においては、光学系、フィルム走行系の構成を簡略化できる反面、レジストーションピンをパーフォレーションに挿入して映画フィルムを位置決めすることにより、パーフォレーションに対してレジストーションピンを正しく位置調整する必要があり、この調整作業が煩雑な欠点がある。またレジストーションピンが正しく位置調整されていない場合は、レジストーションピンにより映画フィルムを傷つける欠点もあり、さらには機械騒音が大きい欠点もある。
【0007】
また従来の間欠送り方式においては、連続送り方式に比して、ジッタ、フリッカを低減できるものの、スクリーン上に投影された映像が徐々に又は急激に変位する現象(以下、このような装置の処理結果でなる映像の変位を画ぶれと呼ぶ)を完全に防止できない欠点もある。因みに、映写装置において、この画ぶれは、スクリーン上に投影された映像の品位を低下させ、視聴者に疲労を与え、また映像の安定感を劣化させることになる。
【0008】
この問題を解決する1つの方法として、モータ駆動のスプロケットにより映画フィルムを間欠送りする方法が考えられる。すなわちスプロケットにより映画フィルムを間欠送りすれば、構成を簡略化でき、保守点検作業も簡略化できると考えられる。また映画フィルムの損傷も低減できると考えられる。ところがスプロケットによる間欠送りでは、映画フィルムの位置決め精度が劣る欠点がある。従ってスプロケットによる間欠送りをテレシネ装置に適用して高品位の処理結果を出力する場合、何らかの位置ずれ補正手段を設けることが必要になる。この前提として映画フィルムが停止したことを簡易な構成により確実に検出して位置ずれを検出することが必要になる。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、フィルムを間欠送りして処理する際に、簡易な構成で確実にフィルムの走行、停止を検出することができるフィルム処理装置を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、電極間の静電容量に応じて信号レベルの変化する検出信号について、この検出信号の脈動を基準にして、フィルムの走行又は停止を検出する。
【0011】
フィルムが走行する期間は、このフィルムに形成されたパーフォレーションが周期的に電極を通過することにより、電極間の静電容量が脈動し、検出信号は、変位可能な最大振幅で脈動することになる。これに対してフィルムが停止すると、停止位置に対応した信号レベルに保持されることになる。これにより検出信号の脈動を基準にして、フィルムの走行又は停止を確実に検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)全体構成
図2は、本発明の実施の形態に係るテレシネ装置の概略構成を示すブロック図である。このテレシネ装置1は、35〔mm〕の映画フィルム2の各コマを撮像して映像信号S1を出力する。
【0014】
ここで図3に示すように、映画フィルム2は、幅方向の両縁部に、パーフォレーション3が所定ピッチで配置されるようになされている。また中央部分には、このパーフォレーション3を基準にして画像が順次記録されてコマ4が配置され、35〔mm〕の映画フィルム2では、1コマ当たり4個のパーフォレーション3が割り当てられるようになされている。さらにこのコマ4と一方のパーフォレーション3との間には、サウンドトラック5が配置され、このサウンドトラック5に音声信号が記録されるようになされている。
【0015】
この映画フィルム2は、アセテート又はポリエステルでなるベース材に感光性の乳剤を積層した構造でなり、乳剤側が外周側になるように、供給リール7(図2)又は巻き取りリール8に巻き付けられてテレシネ装置1に供給され、又テレシネ装置1より取り出されるようになされている。
【0016】
テレシネ装置1において、フィルム走行機構9は、フィルム走行系10とこのフィルム走行系10のモーター等を駆動する駆動系11とにより構成される。フィルム走行機構9は、システム制御回路12より出力される制御信号SCに応動して動作を切り換え、フィルム走行系10により映画フィルム2をループ状に保持した状態で、供給リール7側から巻き取りリール8側に、又はこれとは逆方向に、映画フィルム2を間欠送りする。また必要に応じて供給リール7側及び巻き取りリール8間で、映画フィルム2を早送り又は巻き戻しする。この間欠送りにおいて、フィルム走行機構9は、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にしてフィルム走行系10を動作させ、これにより35〔mm〕映画フィルム2について規定された1秒間に24コマの速度で映画フィルム2を間欠送りする。
【0017】
光源15は、ランプ部と回転型シャッター部とで構成され、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にして動作し、フィルム走行機構9による間欠送りに同期して、映画フィルム2を間欠的に照明する。
【0018】
画ぶれ補正機構16は、位置ずれ検出機構17と光軸補正機構18とにより構成され、光源15により照明される映画フィルム2の透過光を光軸補正機構18を介してテレビジョンカメラ19に射出する。このとき画ぶれ補正機構16は、位置ずれ検出機構17により映画フィルム2の停止位置における各コマの位置ずれを検出し、この位置ずれ検出結果に基づいて光軸補正機構18により透過光の光路を可変し、これにより画ぶれを補正する。さらに画ぶれ補正機構16は、フィルム走行方向の位置ずれ検出信号S3をフィルム走行機構9に出力し、これによりフィルム走行機構9における間欠送りの送り量を補正する。
【0019】
テレビジョンカメラ19は、画ぶれ補正機構16を介して映画フィルム2の透過光を受けることにより、光源15によって照明された映画フィルム2の各コマを撮像する。このときテレビジョンカメラ19は、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にして動作することにより、映画フィルム2の各コマに対応して映像信号S1のフィールドを形成するように、映画フィルム2の間欠送りに同期して映画フィルム2を撮像し、その撮像結果を映像信号S1として出力する。
【0020】
タイミングジェネレータ13は、このテレシネ装置1の動作に必要な各種タイミング信号を生成して出力する。システム制御回路12は、操作子20の操作に応動して各回路ブロックに制御信号SCを出力し、これにより映画フィルム2を早送り、巻き戻し、さらには映画フィルム2を間欠送りしてテレビジョンカメラ19より映像信号S1を出力する。
【0021】
(2)フィルム走行機構
(2−1)フィルム走行系及び光源
図4は、フィルム走行機構9におけるフィルム走行系を示す正面図である。このフィルム走行系10は、映画フィルム2を間欠送りする間欠送り動作部21と、供給リール7から間欠送り動作部21に映画フィルム2を等速度で供給する供給側連続送り部22と、間欠送り動作部21からの映画フィルム2を巻き取りリール8に等速度で巻き取る巻き取り側連続送り部23とにより構成される。
【0022】
このうち供給側連続送り部22は、リールモーター24の回転軸に供給リール7を保持する。供給側連続送り部22は、この供給リール7より引き出される映画フィルム2をガイドローラー25に引っ掛けた後、テンションアーム26に保持されたガイドローラー27により緩やかに折り返し、続くガイドローラー28を介して供給側送りスプロケット29に導く。テンションアーム26は、ガイドローラー27が供給側送りスプロケット29から離間するように、バネ30により付勢され、このバネ30のテンションをセンサ31により検出できるようになされている。これによりフィルム走行系10では、駆動系11によりこのセンサ31の出力信号をモニタし、映画フィルム2が弛んで保持されている場合等には、映画フィルム2の走行を停止するようになされている。
【0023】
これに対して巻き取り側連続送り部23は、供給側連続送り部22と対称に構成される。すなわち巻き取り側連続送り部23は、リールモーター32の回転軸に巻き取りリール8を保持し、ガイドローラー33を介して、この巻き取りリール8に映画フィルム2を導く。このとき巻き取り側連続送り部23は、テンションアーム34に保持されたガイドローラー35により映画フィルム2を緩く折り返してガイドローラー33に導き、ガイドローラー35に対しては、ガイドローラー36を介して巻き取り側送りスプロケット37より映画フィルム2を導く。テンションアーム34は、ガイドローラー35が巻き取り側送りスプロケット37から離間するように、バネ38により付勢され、このバネ38のテンションをセンサ39により検出できるようになされている。
【0024】
これによりフィルム走行系10では、駆動系11によりこのセンサ39の出力信号をモニタし、供給側と同様に、映画フィルム2が弛んで保持されている場合等には、映画フィルム2の走行を停止するようになされている。また供給側連続送り部22と巻き取り側連続送り部23とを対称に構成したことにより、映画フィルム2を何れの方向に走行させる場合でも、同一の条件により走行させることができるようになされている。
【0025】
供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37は、タイミングベルト40を介して、連続送りモーター42により連動して回転駆動される。これによりフィルム走行系10は、間欠送り動作部21における間欠送りの動作を停止制御した状態で、巻き取り側のリールモーター32とこの連続送りモーター42とを回転駆動して、供給リール7より巻き取りリール8に映画フィルム2を高速度で巻き取ることができるようになされている。またこれとは逆に、間欠送り動作部21における間欠送りの動作を停止制御した状態で、供給側のリールモーター24とこの連続送りモーター42とを回転駆動して、巻き取りリール8より供給リール7に映画フィルム2を高速度で巻き戻すことができるようになされている。
【0026】
これに対して映画フィルム2を撮像して映像信号S1を出力する場合は、間欠送り動作部21における間欠送りの速度及び方向に対応して、リールモーター24又は32を回転駆動すると共に、連続送りモーター42の回転方向及び回転速度を設定して、間欠送り動作部21に対して映画フィルム2を等速度で供給し、また間欠送り動作部21より送出される映画フィルム2を巻き取りリール8又は供給リール7に等速度で巻き取ることができるようになされている。
【0027】
このようにして映画フィルム2を送出する供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37は、周囲に形成された歯に映画フィルム2のパーフォレーション3を引っ掛けて映画フィルム2を送出し、この歯がパーフォレーション3に比して小さな形状に形成されるようになされている。これにより供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37においては、映画フィルム2が伸縮した場合でも、映画フィルム2を傷つけないようになされている。フィルム走行系10では、このように歯を小さく形成した供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37に対して、テンションアーム26、34により映画フィルム2にテンションが与えられ、これにより確実に映画フィルム2を送り出せるようになされている。
【0028】
間欠送り動作部21は、映画フィルム2をループ形状に保持して間欠送りする。すなわち間欠送り動作部21は、供給側送りスプロケット29の回転中心と巻き取り側送りスプロケット37の回転中心とを結ぶ直線に垂直な、仮想の基準線に対して、ほぼ対称形状に4個のガイドローラー44〜47が配置される。ここでこの4個のガイドローラー44〜47は、長方形形状のほぼ頂点に配置されるようになされ、ベース材側より映画フィルム2をガイドして映画フィルム2の乳剤側の損傷を有効に回避する。
【0029】
さらに間欠送り動作部21は、図面にて、これらガイドローラー44〜47の下方において、仮想の基準線に対して対称に2個のガイドローラー48及び49を配置し、この2個のガイドローラー48及び49により、4個のガイドローラー44〜47でガイドされた映画フィルム2を寄せ集める。これによりこの実施の形態においてガイドローラー44〜47は、映画フィルム2をベース材側よりガイドしてループ形状に保持する間欠送りガイド部を構成する。
【0030】
間欠送り動作部21は、この2個のガイドローラー48及び49により寄せ集めた映画フィルム2を間欠送りスプロケット50により間欠送りする。ここで図5に拡大して示すように、間欠送りスプロケット50は、ループ形状を形成する映画フィルム2の根元部分において、両側面に配置されたスプロケットシュー51〜56により供給側及び巻き取り側の側面に映画フィルム2が押圧される。さらに間欠送りスプロケット50は、ステッピングモーター58の回転軸に直結して保持され、これによりこのステッピングモーター58に供給する駆動パルスのパルス数及び極性に応じて、ループ形状を形成する映画フィルム2を、所定の送り量だけ、供給側より巻き取り側へ、又は巻き取り側から供給側へ走行させることができるようになされている。
【0031】
このようにして映画フィルム2を間欠送りする間欠送りスプロケット50は、周囲に形成された歯に映画フィルム2のパーフォレーション3を引っ掛けて映画フィルム2を走行させ、この歯がパーフォレーション3に比して小さな形状に形成されるようになされている。これにより間欠送りスプロケット50においては、映画フィルム2のパーフォレーション3を傷つけないようになされている。
【0032】
ここでこの実施の形態において、ステッピングモーター58は、駆動系11により間欠的に駆動パルスが印加され、これにより映画フィルム2を間欠送りする。さらに映画フィルム2を早送り、巻き戻しする場合は、いわゆるフリーの状態に保持され、自由に回転できるようになされている。これによりこの実施の形態において、間欠送りスプロケット50、スプロケットシュー51〜56、ステッピングモーター58は、間欠送りガイド部の映画フィルム2を間欠送りするフィルム送り部を構成する。
【0033】
さらに間欠送り動作部21は、間欠送りスプロケット50と供給側送りスプロケット29の間で、映画フィルム2を弛むように保持し、これにより供給側連続送り部22及び間欠送り動作部21の緩衝部を形成する。また同様に、間欠送りスプロケット50と巻き取り側送りスプロケット37との間で、映画フィルム2を弛むように保持し、巻き取り側連続送り部23及び間欠送り動作部21の緩衝部を形成する。
【0034】
これらの緩衝部は、それぞれ3つのガイドローラー60〜62、63〜65を保持する可動部材66及び67を、破線で示す所定位置に配置した状態で映画フィルム2をこのフィルム走行系10にセットした後、矢印A及びBで示すように、この可動部材66及び67を映画フィルム2の経路より退避させて形成される。これによりフィルム走行系10は、間欠送りにおける急激なテンションの変動が、供給側連続送り部22及び巻き取り側連続送り部23に及ばないようにし、その分ガイドローラー28等による映画フィルム2の損傷を有効に回避し、また確実に映画フィルム2を走行させることができるようになされている。
【0035】
このようにして形成されるフィルム走行経路において、ガイドローラー45及び46間の中間位置には、ゲート部70が配置される。ここでこのゲート部70は、このテレシネ装置1のベースに固定された固定側ピクチャーゲート71と、映画フィルム2を間に挟んで、固定側ピクチャーゲート71に対向する可動側ピクチャーゲート72により形成される。
【0036】
可動側ピクチャーゲート72は、映画フィルム2を固定側ピクチャーゲート71に所定の押圧力で押圧するように形成され、後述する画ぶれ補正機構16の光学系73と一体に、図示しないハンドルを操作して上方向に移動するようになされている。これによりこのフィルム走行系10では、映画フィルム2を固定側ピクチャーゲート71にセットした後、このハンドルを操作して矢印Cで示すように可動側ピクチャーゲート72を可動して、映画フィルム2をゲート部70にセットできるようになされている。
【0037】
さらに固定側ピクチャーゲート71及び可動側ピクチャーゲート72は、それぞれ映画フィルム2のコマに対応する開口を有し、映画フィルム2をセットした状態で、この開口を介してテレビジョンカメラ19より映画フィルム2を撮像できるようになされている。間欠送り動作部21は、ゲート部70の開口に対してゲート部70を含めて、供給側及び巻き取り側で対称形状に形成し、これにより映画フィルム2の走行方向を切り換えても、同一の条件により間欠送りできるようになされている。
【0038】
この固定側ピクチャーゲート71の下方、映画フィルム2のループ形状の内側には、光源15が配置される。ここで光源15は、ゲート部70の開口に向けてランプ81より照明光を射出する。このランプ81及びゲート部70間には、円盤状の回転シャッター82が配置され、光源15は、タイミングジェネレータ13(図2)より出力されるタイミング信号を基準にしてこの回転シャッター82を回転駆動する。これにより光源15は、フィルム走行系10の間欠送りに同期してゲート部70に保持された映画フィルム2を間欠的に照明する。
【0039】
これによりこのテレシネ装置1では、映画フィルム2の乳剤側より各コマを撮像して、ベース側より撮像する場合に比して、高品質の映像信号S1を出力できるようになされている。特に、このように映画フィルム2のループ形状の内側に光源15を配置すれば、大型のテレビジョンカメラ19を配置する際の自由度を向上することもできる。さらに併せて映画フィルム2の画ぶれを補正することによっても高品質の映像信号S1を出力することができる。
【0040】
かくしてこの実施の形態において、テレビジョンカメラ19は、映画フィルム2を撮像する光学処理手段を構成するようになされている。
【0041】
(2−2)ガイドローラー44、47
図6は、フィルム走行系10において、映画フィルム2をループ形状に保持する領域を拡大して示す平面図である。フィルム走行系10では、このループ形状を形成する4つのガイドローラー44〜47のうち、間欠送りスプロケット50側の2つのガイドローラー44及び47の動作を切り換えて、何れの方向に映画フィルム2を間欠送りして映像信号S1を出力する場合でも、確実に映画フィルム2を間欠送りできるようになされている。
【0042】
すなわちガイドローラー44及び47は、それぞれ制御アーム90及び91の一端に回転自在に保持される。この制御アーム90及び91は、他端の回動軸を支点にして回動自在にテレシネ装置1のシャーシに固定され、矢印Dで示す映画フィルム2のループ形状を大きくする方向に、それぞれバネ92及び93により付勢されるようになされている。さらに制御アーム90及び91は、回動軸に電磁ブレーキ93及び94が配置される。フィルム走行系10では、供給側より巻き取り側に映画フィルム2を間欠送りする場合は、駆動系11により電磁ブレーキ94を駆動して巻き取り側となる制御アーム91の回動を停止し、この制御アーム91に保持されたガイドローラー47を一定位置に保持する。またこれとは逆に巻き取り側より供給側に映画フィルム2を間欠送りする場合、同様に駆動系11により電磁ブレーキ93を駆動して供給側でなる制御アーム90の回動を停止し、この制御アーム90に保持されたガイドローラー44を一定位置に保持する。
【0043】
さらに制御アーム90及び91は、それぞれエアーダンパ96及び97が接続され、このエアーダンパ96及び97により、ループ形状を小さくする方向にはガイドローラー44、47が急激に変位しないようになされている。これによりフィルム走行系10では、送り、停止を繰り返して映画フィルム2を間欠送りするにつき、映画フィルム2が走行している期間の間は、バネ92又は93によりフィルム走行側に映画フィルム2を与圧した状態で、ガイドローラー44又は47を一定位置に保持する。すなわちフィルム走行により映画フィルム2のテンションが急激に変化した場合でも、この変動に追従してループ形状が急激に変動しないようにする。
【0044】
これに対して映画フィルム2が停止すると、バネ92又は93による一定テンションによってループ形状が大きくなる方向に与圧する。これによりフィルム走行系10では、映画フィルム2の送り方向に、映画フィルム2を与圧し、パーフォレーション3に対して歯の小さな間欠送りスプロケット50により間欠送りする場合でも、バックラッシュを有効に回避して精度良く間欠送りできるようになされている。また経時変化、温度、湿度等により映画フィルム2が伸縮した場合にはガイドローラー44、47の移動によりこの伸縮を吸収して、精度良く間欠送りできるようになされている。
【0045】
すなわちパーフォレーション3のピッチは、標準値が4.75〔mm〕でなることから、間欠送りスプロケット50より出発して戻るまでの映画フィルム2のパーフォレーション数をNとおくと、間欠送りスプロケット50より出発して戻るまでの映画フィルム2の長さ(間欠送りスプロケット50の供給側から巻き取り側までのかみ合い長さでなる)Lの標準値は、4.75×N〔mm〕で表すことができ、符号E及びFで示すように、それぞれ映画フィルム2が縮んだ場合と、映画フィルム2が伸びた場合とで制御アーム90又は91を回動させて、この標準の長さLを補正することができる。これによりフィルム走行系10では、映画フィルム2の伸縮を吸収して間欠送りの精度を維持できるようになされている。
【0046】
かくしてこの実施の形態において、バネ92、93は、ガイドローラ44、47を変位させて映画フィルム2を与圧する与圧手段を構成し、エアーダンパ96、97は、ガイドローラ44、47の急激な変位を制限する変位制限手段を構成する。
【0047】
(2−3)駆動系11
図7は、フィルム走行機構9の駆動系11について、ステッピングモーター58の駆動系を示すブロック図である。フィルム走行機構9では、この駆動系11によりゲート部70における映画フィルム2の位置ずれの累積を有効に回避し、映画フィルム2の位置決め精度を向上する。
【0048】
すなわち駆動系11において、モーター制御回路100は、タイミングジェネレータ13よりコマ送りの周期で出力されるタイミング信号ST1をトリガにして、位置ずれ演算回路105に保持された送り量データD1の分だけ、連続するパルス信号SPをカウントして出力する。これによりモーター制御回路100は、ステッピングモーター58の駆動に必要な駆動パルス信号SP1を生成する。
【0049】
モーター駆動回路102は、このモーター制御回路100より出力される駆動パルス信号SP1によりステッピングモーター58を駆動し、これによりタイミング信号ST1に同期したタイミングで間欠送りスプロケット50を回転させて、映画フィルム2を間欠送りする。
【0050】
位置ずれ演算回路101は、このテレシネ装置1の起動時、システム制御回路12より出力される送り量データD1を内蔵のレジスタ101Aにロードし、この送り量データD1をモータ制御回路100に出力する。さらに位置ずれ検出回路101は、位置ずれ検出機構17より出力される位置ずれ検出信号S3を基準にして、続く映画フィルム2の間欠送りの送り量補正データD5を生成する。すなわち位置ずれ演算回路101において、補正データ生成回路105は、ステッピングモーター58の分解能に対応する量子化ステップサイズにより位置ずれ検出信号S3をアナログディジタル変換処理することにより、ステッピングモーター58のパルス数に対応する送り量補正データD5を生成し、この送り量補正データD5によりレジスタ101Aに保持した送り量データD1を補正する。これにより駆動系11では、直前のコマ送り結果を続くコマ送りの送り量に反映して、映画フィルム2の位置決め精度を向上するようになされている。
【0051】
すなわち直前のコマ送りにおいて、ステッピングモーター58の1パルス分に相当する送り量だけ、コマ送り量が多すぎた場合、続くコマ送りにおいては、直前のコマ送り量よりこの1パルス分の送り量を減じたコマ送り量により映画フィルム2を走行させる。これとは逆に、直前のコマ送りにおいて、ステッピングモーター58の1パルス分に相当する送り量だけ、コマ送り量が少ない場合、続くコマ送りにおいては、直前のコマ送り量よりこの1パルス分の送り量を加算したコマ送り量により映画フィルム2を走行させる。これによりフィルム走行機構9では、映画フィルム2が伸縮した場合等でも、ゲート部70における位置ずれの累積を有効に回避し、高精度で間欠送りできるようになされている。
【0052】
(3)画ぶれ補正機構
(3−1)位置ずれ検出機構
位置ずれ検出機構17は、図8に断面を取って略線的に示すように、ゲート部70において、固定側ピクチャーゲート71に配置した複数電極の、可動側ピクチャーゲート72に対する静電容量を基準にして、映画フィルム2の位置を検出する。
【0053】
(3−1−1)ガイドシュー110
このためゲート部70においては、図9に示すガイドシュー110を固定側ピクチャーゲート71のベース材に配置し、このガイドシュー110に対して、可動側ピクチャーゲート72より映画フィルム2を押圧してガイドする。
【0054】
すなわちガイドシュー110は、全体として供給側と巻取り側とが対称形状に形成され、ステンレス等の導電性部材を加工した枠体112に対して、接着により電極部113及び114を配置して形成される。枠体112は、ほぼ映画フィルム2の幅で延長し、長手方向の中央部分に幅方向の膨らみが形成され、この膨らんだ部分に電極部113及び114が配置される。
【0055】
さらに枠体112は、図面にて電極部113及び114の左右に広がる開口116が形成され、この開口116を間に挟んでネジ孔119が形成されるようになされている。これによりガイドシュー110は、このネジ孔119により固定側ピクチャーゲート71のベース材に固定され、さらにこの固定された際に、この開口116を介して光源15からの照明光を映画フィルム2に導くようになされている。
【0056】
電極部113及び114は、絶縁性のセラミックス材により形成されたベース材120の凹部に、導電性のセラミックス材により形成された電極121を接着により配置した後、表面を研磨して滑らかに加工して形成される。すなわちセラミックス材においては、磨耗に強いことにより、ガイドシュー110は、このように絶縁性のセラミック材と導電性のセラミック材とで電極部113及び114を形成して、電極部113及び114の耐磨耗性を向上するようになされている。また断面を取って図9(B)に示すように、各電極121においては、ベース材120の貫通孔を介して、端子122が接続され、この端子122を介して位置ずれ検出機構の回路ブロックと接続されるようになされている。
【0057】
このようにして形成されるガイドシュー110は、35〔mm〕の標準の映画フィルム2に対して、図10に示すように各電極が配置される。すなわち光軸補正機構18により何ら画ぶれを補正しない状態で、テレビジョンカメラ19により撮像したコマ4の画像が映像信号S1をモニタして正しい位置により表示される場合、この映画フィルム2の位置が位置ずれしていない正しい停止位置となる。
【0058】
この正しい停止位置に映画フィルム2が停止した状態で、この撮像対象のコマ4に対応する両端、4つのパーフォレーションP1A〜P4A及びP1B〜P4Bに対して、1方の電極部113においては、最も巻き取り側に位置するパーフォレーションP4Aの下部に切り欠き125が形成され、また他方の電極部114においては、最も供給側に位置するパーフォレーションP1Bの下部に切り欠き125が形成されるようになされている。これによりゲート部70においては、この切り欠き125を介して光源15により間欠的にパーフォレーションP4A及びP1Bを照明できるように形成され、この間欠的に照明されるパーフォレーションP4A及びP1Bを目視確認して画ぶれの状況を簡易に確認できるようになされている。
【0059】
これに対して残りのパーフォレーションP1A〜P3A及びP2B〜P4Bに対して、電極部113及び114は、それぞれ1対の電極H1A及びH1Bが配置されるようになされている。ここでこれら1対の電極H1A及びH1Bは、同一形状に形成され、かつ正しい停止位置における各パーフォレーションP1A〜P3A及びP2B〜P4Bに対して、フィルム走行方向に対称に配置されるようになされている。これにより1対の電極H1A及びH1Bは、映画フィルム2が正しい停止位置に停止している場合には、供給側の電極H1Aと可動側ピクチャーゲート72との間の静電容量と、巻き取り側電極H1Bと可動側ピクチャーゲート72との間の静電容量とが等しい値に保持され、正しい停止位置より映画フィルム2が変位すると、変位量に応じてこの2つの静電容量に差が生じるようになされている。
【0060】
これにより電極部113及び114は、1対の電極H1A及びH1Bにより形成される静電容量の差を検出して、映画フィルム2の長手方向について位置ずれを検出できるようになされている。なおこのように、映画フィルム2の長手方向に各3対の電極H1A及びH1Bをパーフォレーション3の標準ピッチで配置し、また映画フィルム2の両端に等しい数を対称に振り分けるようにすれば、これら電極H1A及びH1Bによる静電容量の差を総合的に検出して、長手方向及び幅方向に映画フィルム2が伸縮した場合でも、正確に長手方向の位置ずれを検出することができ、その分位置ずれ検出精度を向上して高品位の処理結果を出力することができる。
【0061】
電極部113は、これら4つのパーフォレーションP1A〜P4Aより供給側及び巻き取り側の、各2つのパーフォレーションP1C〜P4Cに対して、パーフォレーションP1C及びP2CとパーフォレーションP3C及びP4Cとをそれぞれ跨ぐように、2つの電極H2Aが形成され、さらにこの電極H2Aの外側に同一形状の電極H2Dがそれぞれ形成される。また他方の電極部114においては、同様にパーフォレーションP1D及びP2DとパーフォレーションP3D及びP4Dとをそれぞれ跨ぐように、2つの電極H2Cが形成され、さらにこの電極H2Cの外側に同一形状の電極H2Dがそれぞれ形成される。
【0062】
ここで内側の電極H2A及びH2Cは、この正しい停止位置で、パーフォレーションP1C〜P4Cの外側エッジがほぼ中心を横切るように形成され、外側の電極H2B及びH2Dは、映画フィルム2の外側エッジがほぼ中心を横切るように形成される。これにより電極部113及び114は、映画フィルム2が幅方向に変位すると、対応する電極H2A及びH2C、H2B及びH2Dにおいて、可動側ピクチャーゲート72との間の静電容量が相補的に変化し、映画フィルム2が正しい停止位置に保持されている場合、これらの静電容量が等しい値になるようになされている。
【0063】
これにより電極部113及び114は、映画フィルム2の変位方向に対応する電極H2A及びH2Dと電極H2B及びH2Cとにより形成される静電容量の差を検出して、映画フィルム2の幅方向について位置ずれを検出できるようになされている。なおこのように、コマ4の前後、左右に4対の電極H2A〜H2Cを対称に振り分けて配置すれば、これら4対の電極H2A〜H2Cによる静電容量の差を総合的に検出して、長手方向及び幅方向に映画フィルム2が伸縮した場合でも、正しい停止位置を基準にして幅方向の位置ずれを検出でき、その分位置ずれ検出精度を向上して高品位の処理結果を出力することができる。
【0064】
(3−1−2)可動側ピクチャーゲート
可動側ピクチャーゲート72は、ハンドルの操作により上下するベース材131にフィルム押え130を保持し、このフィルム押え130をバネ132によりガイドシュー110に押圧する。すなわちフィルム押え130は、ガイドシュー110の開口116(図9)を避けて、この開口116の巻き取り側及び供給側に、それぞれ配置される。さらにフィルム押え130は、ガイドシュー110の枠体112に対応して、幅方向の断面形状が凹形状に形成され、これによりコマ4、サウンドトラック5の損傷を有効に回避するようになされている。
【0065】
これによりフィルム押え130は、バネ132の伸縮によって映画フィルム2の厚さに応じて変位し、例えばパーフォレーション3の周囲が変形している場合、ゴミの付着等により映画フィルム2の厚さが局所的に変化している場合でも、この変化を吸収できるようになされている。またガイドシュー110に対して映画フィルム2を押圧して、ガイドシュー110の電極部113及び114に対する映画フィルム2の厚さ方向の変位を低減するようになされている。
【0066】
さらに可動側ピクチャーゲート72は、フィルム押え130とは別体に、ガイドシュー110の電極部113及び114に対向するように電極部材134を保持する。ここで電極部材134は、ガイドシュー110の電極121に対して、全体が対向電極を形成するように金属材料で形成され、ベース材131を介して接地される。さらに電極部材134は、ベース材131に形成した凸部136により、映画フィルム2に対して微小な空間Gを形成して可動側ピクチャーゲート72に保持される。これにより可動側ピクチャーゲート72は、フィルム押え130と電極部材134とを分離して、ゴミ、変形したパーフォレーションによりフィルム押え130が上下動した場合でも、対向する電極121に対して電極部材134を一定間隔に保持して静電容量が変化しないようになされ、その分局所的な厚さの変化に伴う位置ずれ検出精度の低下を有効に回避できるようになされている。
【0067】
さらに電極部材134は、バネ135により映画フィルム2側に押圧されて可動側ピクチャーゲート72に保持される。これにより可動側ピクチャーゲート72は、例えば映画フィルム2の繋ぎ目等においては、電極部材134が浮き上がるようにし、映画フィルム2の損傷を有効に回避するようになされている。
【0068】
(3−1−3)位置ずれ検出機構の回路構成
図11は、位置ずれ検出機構の回路ブロックを示すブロック図である。位置ずれ検出機構17は、映画フィルム2の長手方向に対を形成する電極H1A及びH1Bについて、供給側の電極H1Aと巻き取り側の電極H1Bとをそれぞれ纏めて結線する。これにより複数の供給側の電極H1Aと電極部材134とにより第1のコンデンサC1Aを形成し、また複数の巻き取り側の電極H1Bと電極部材134とにより第2のコンデンサC1Bを形成し、電極H1A及びH1Bによる静電容量の差を総合的に検出する。
【0069】
位置ずれ検出機構17は、差分信号生成回路139において、この第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bをそれぞれ抵抗R1及びR2に直列接続し、この抵抗R1及びR2をそれぞれ発振回路140及び141に接続する。これにより位置ずれ検出機構17は、第1のコンデンサC1Aと抵抗R1との分圧回路により、発振回路140の発振出力を分圧し、第1のコンデンサC1Aの容量変化に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S11を生成する。また同様に、位置ずれ検出機構17は、第2のコンデンサC1Bと抵抗R2との分圧回路により、発振回路141の発振出力を分圧し、第2のコンデンサC1Bの容量に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S12を生成する。
【0070】
ここで発振回路140及び141は、位相が逆相で、信号レベルがほぼ等しい発振信号を出力する。抵抗R1及びR2は、同一の抵抗値に選定されるようになされている。これにより加算回路142は、分圧出力信号S11及びS12を加算して、第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bの容量差に応じてエンベロープの変化する出力信号S13を出力する。
【0071】
同期検出回路143は、この加算回路142の出力信号S13を発振回路141の出力信号で同期検波し、これにより第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bの容量差に応じて信号レベルの変化する出力信号S14を出力する。ローパスフィルタ(LPF)144は、この出力信号S14より不要な高調波成分を除去して出力する。ここで第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bにおいては、供給側の電極H1A及び巻き取り側の電極H1Bに対してパーフォレーション3が変位すると、容量差が変化することから、出力信号S14は、電極H1A及びH1Bに対するパーフォレーション3の相対位置を表すことになり、映画フィルム2が停止している場合は、停止位置を表すことになる。これにより位置ずれ検出機構17は、この出力信号S14を基準にして映画フィルム2の走行方向についての位置ずれ検出信号S3を生成する。
【0072】
同様にして位置ずれ検出機構17は、映画フィルム2の幅方向に対を形成する電極H2A〜H2Dについて、映画フィルム2の横方向の変位に対応するように、電極H2A、H2Cを纏めて結線して、これら電極H2A、H2Cと電極部材134とにより第3のコンデンサC2Aを形成する。また電極H2B、H2Dを纏めて結線して、これら電極H2B、H2Dと電極部材134とにより第4のコンデンサC2Bを形成する。これにより位置ずれ検出機構17は、幅方向についても、電極H2A、H2C及びH2B、H2Dによる静電容量の差を総合的に検出するようになされている。
【0073】
さらに位置ずれ検出機構17は、この第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bをそれぞれ抵抗R3及びR4に直列接続し、この抵抗R3及びR4をそれぞれ発振回路145及び146に接続する。これにより第3のコンデンサC2Aの容量変化に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S21と、第4のコンデンサC2Bの容量に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S22を生成する。
【0074】
発振回路145及び146は、位相が逆相で、信号レベルがほぼ等しい発振信号を出力し、抵抗R3及びR4は、同一の抵抗値に選定されるようになされている。これにより加算回路147は、分圧出力信号S21及びS22を加算して、第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bの容量差に応じてエンベロープの変化する出力信号S23を出力する。
【0075】
同期検出回路148は、この加算回路147の出力信号S23を発振回路146の出力信号で同期検波し、これにより第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bの容量差に応じて信号レベルの変化する出力信号S24を出力する。ローパスフィルタ149は、この出力信号S24より不要な高調波成分を除去して出力する。ここで第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bにおいては、電極H2A、H2Cと電極H2B、H2Dに対して映画フィルム2が変位すると、容量差が変化することから、出力信号S24は、映画フィルム2の幅方向の位置を表すことになり、映画フィルム2が停止している場合は、幅方向の停止位置を表すことになる。これにより位置ずれ検出機構17は、この出力信号S24を基準にして映画フィルム2の幅方向についての位置ずれ検出信号S4を生成する。
【0076】
すなわち続く材質補正回路150は、映画フィルム2の材質等により変化する出力信号S14及びS24の信号レベルを補正して出力し、位置ずれ信号検出回路151は、映画フィルム2が停止しているタイミングでそれぞれ材質補正回路150の出力信号S43及びS44をサンプルホールドして位置ずれ検出信号S3及びS4を生成する。
【0077】
(3−1−3−1)材質補正回路の構成
図12は、材質補正回路の構成を示すブロック図であり、図13は、この材質補正回路150により信号レベルを補正する出力信号S14を表す信号波形図である。すなわち出力信号S14においては、映画フィルム2が走行している走行期間の間、電極H1A及びH1Bに対するパーフォレーション3の位置が周期的に変化することにより、映画フィルム2の誘電率等により決まる振幅で正弦波状に信号レベルが変化する。これにより材質補正回路150は、この走行期間における出力信号S14の振幅、直流レベルにより、出力信号S14及びS24について、続く停止期間の信号レベルを補正し、映画フィルム2の材質等による位置ずれ検出信号S3及びS4の変化を補正する。
【0078】
すなわち材質補正回路150は、停止期間の間、可変利得増幅回路153及び154により出力信号S14及びS24の振幅を補正し、減算回路155及び156により出力信号S14及びS24の直流レベルを補正して出力する。このとき材質補正回路150は、走行期間の間、補正信号生成回路157により送り方向の出力信号S14から補正信号S5及びS6を生成し、この補正信号S5及びS6により出力信号S14及びS24の振幅及び直流レベルを補正する。
【0079】
補正信号生成回路157は、正側ピーク検波回路159及び負側ピーク検波回路160に減算回路155の出力信号S43を与え、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号S7を基準にして、走行期間の間、それぞれ出力信号S43の正側ピーク及び負側ピークを順次検出する。
【0080】
ローパスフィルタ161及び162は、それぞれ正側ピーク検波回路159及び負側ピーク検波回路160の出力信号を帯域制限し、これにより正側ピーク検波回路159及び負側ピーク検波回路160におけるピーク検出結果をそれぞれ平均値化して出力する。すなわち映画フィルム2には、1コマ当たり4つのパーフォレーション3が割り当てられていることにより、出力信号S43においては、1回の走行期間で正弦波状の脈動が4周期繰り返されることになる。これによりピーク検出結果を平均値化してノイズ、映画フィルム2の上下動等による位置ずれ検出精度の低下を有効に回避する。
【0081】
ホールド回路163及び164は、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にして走行期間が終了する時点で、それぞれローパスフィルタ161及び162の出力信号をサンプルホールドして出力する。
【0082】
減算回路166は、走行期間においては、標準の利得制御信号を補正信号S5として出力するのに対し、停止期間においては、ホールド回路163及び164より出力されるサンプルホールド結果を減算して補正信号S5を出力する。これにより補正信号生成回路157は、可変利得増幅回路153及び154の利得を出力信号S43の振幅Wを一定値に設定する利得に設定して、停止期間の間、出力信号S43の信号レベルを補正する。
【0083】
加算回路167は、走行期間においては、補正信号S6の出力を中止するのに対し、停止期間においては、ホールド回路163及び164より出力されるサンプルホールド結果を加算して補正信号S6として出力する。これにより補正信号生成回路157は、出力信号S43の直流レベルを一定の直流レベルL1に設定するオフセット電圧を、停止期間の間、減算回路155及び156に供給して、出力信号S43及びS44の信号レベルを補正する。
【0084】
(3−1−3−2)位置ずれ信号検出回路
図1に示すように、位置ずれ信号検出回路151は、タイミング信号生成回路170により生成したタイミング信号MM2を基準にして、停止期間の開始のタイミングで出力信号S43及びS44をサンプルホールドし、出力信号S43及びS44より位置ずれ検出信号S3及びS4を生成して出力する。
【0085】
すなわち図14に示すように、位置ずれ信号検出回路151は、タイミング信号MM2によりオン動作するスイッチ回路171及び172を介して、出力信号S43及びS44(図14(A)及び(B))をサンプルホールドコンデンサ173及び174に出力し、各サンプルホールドコンデンサ173及び174の端子電圧をボルテージフォロワ回路構成の演算増幅回路175及び176より位置ずれ検出信号S3及びS4として出力する。
【0086】
タイミング信号生成回路170は、出力信号S44に比して振幅の大きな出力信号S43を比較回路(COM)180に入力し、ここで所定の比較基準との比較結果を得ることにより、出力信号S43の脈動に応動して信号レベルが切り換わる比較信号COM1(図14(C))を生成する。続くモノマルチバイブレータ(MM)181は、リトリガブルのモノマルチバイブレータで形成され、比較信号COM1の信号レベルの立ち上がりに同期して信号レベルが立ち上がった後、この立ち上がりより一定期間T1経過して比較信号COM1の信号レベルが立ち下がっていると、信号レベルの立ち下がるタイミング信号MM1(図14(D))を生成する。これによりモノマルチバイブレータ181は、出力信号S43の脈動が繰り返えされなくなると、タイミング信号MM1の信号レベルを立ち下げるようになされている。
【0087】
続くモノマルチバイブレータ(MM)182は、このタイミング信号MM1の立ち下がりより一定期間T2だけ信号レベルの立ち上がるタイミング信号MM2(図14(E))を生成し、スイッチ回路171及び172は、このタイミング信号MM2の立ち上がりに同期してオン動作する。これによりタイミング信号生成回路170では、実際の映画フィルム2の走行結果より、停止期間の開始を示すタイミング信号MM2を生成するようになされている。
【0088】
これにより位置ずれ信号検出回路151は、このタイミング信号MM2の立ち上がりのタイミングで出力信号S43及びS44をそれぞれサンプルホールドしてなる位置ずれ検出信号S3及びS4(図14(F)及び(G))を出力する。なおこの実施の形態において、タイミングジェネレータ13は、このタイミング信号MM2の立ち下がりのタイミングを基準にして、照明光の照射のタイミング、テレビジョンカメラ19の撮像のタイミングを指示するタイミング信号T4(図14(H))を生成するようになされ、これにより映画フィルム2が確実に停止した状態で各コマを撮像するようになされている。
【0089】
(3−2)光軸補正機構
図15は、光軸補正機構18の光学系73を示す斜視図であり、この光学系73では透明板状部材でなる板ガラス190及び191の傾きを変化させて、映画フィルム2より得られる透過光Lの光軸を可変する。すなわち板ガラス190及び191は、テレビジョンカメラ19の光学系の光軸に対して、入出射面が直交する位置を基準位置として、透過光Lの光路上に配置される。
【0090】
このうちゲート部70側の板ガラス190は、映画フィルム2により形成される画像に対して、垂直方向に延長する軸棒192が両端面に取り付けられ、この軸棒192を回動軸にしてモーター193により矢印Hで示すように回動するようになされている。またテレビジョンカメラ19側の板ガラス191は、映画フィルム2により形成される画像に対して、水平方向に延長する軸棒194が両端面に取り付けられ、この軸棒194を回動軸にしてモーター195により矢印Iで示すように回動するようになされている。
【0091】
これにより光軸補正機構18は、モーター193及び195を駆動して板ガラス190及び191を傾けて、板ガラス190及び191が基準位置より傾いた分、透過光Lの光軸を変位させることができるようになされ、その分テレビジョンカメラ19により撮像される画像の位置を変位させることができるようになされている。
【0092】
モーター193及び195は、それぞれ角度センサ197及び198を有し、この角度センサ197及び198により基準位置からの傾きを表す傾き検出信号θ4及びθ3を出力する。
【0093】
図16に示すように、光軸補正機構18は、サーボループを形成し、位置ずれ検出信号S3及びS4に対応して透過光Lの光軸を補正する。すなわち光軸補正機構18は、位置ずれ検出信号S3を増幅回路200に与え、ここで一定利得で増幅した後、減算回路201に出力する。減算回路201は、増幅回路202を介して傾き検出信号θ3を受け、位置ずれ検出信号S3より減算して誤差信号ER3を生成する。増幅回路203は、この誤差信号ER3を増幅してモーター195のドライブ回路204に出力する。これにより光軸補正機構18は、誤差信号ER3が0レベルになるように、板ガラス191を傾けて、垂直方向の画ぶれを補正する。
【0094】
また光軸補正機構18は、位置ずれ検出信号S4を増幅回路205に与え、ここで一定利得で増幅した後、減算回路206に出力する。減算回路206は、増幅回路207を介して傾き検出信号θ4を受け、位置ずれ検出信号S4より減算して誤差信号ER4を生成する。増幅回路208は、この誤差信号ER3を増幅してモーター193のドライブ回路209に出力する。これにより光軸補正機構18は、誤差信号ER4が0レベルになるように、板ガラス190を傾けて、水平方向の画ぶれを補正する。
【0095】
(4)実施の形態の動作
以上の構成において、供給リール7及び巻き取りリール8に保持された映画フィルム2は(図4)、映画フィルム2の送り方向に応じて、それぞれテンションアーム26及び34により付勢されるガイドローラー27、35により与圧を受けた状態で、パーフォレーション3(図3)に比して歯を小型形状に形成した送り側連続送りスプロケット29又は37により等速度で間欠送り動作部21に送出される。
【0096】
この間欠送り動作部21において、映画フィルム2は、連続送りと間欠送りとの緩衝部を形成する所定の弛みを経た後、パーフォレーション3に比して歯を小型形状に形成した間欠送りスプロケット50の一側面により、ガイドローラー44〜47により形成されるループ形状のフィルム走行経路に間欠的に送り出され、間欠送りスプロケット50の他の側面によりこのフィルム走行経路より引き出された後、同様の緩衝部を介して連続送り側に送出される。これにより映画フィルム2は、ループ形状の根元部分において1の間欠送りスプロケット50により間欠送りされ、レジストーションピンにより間欠送りする場合のような損傷が有効に回避される。またテレシネ装置1の構成を全体として保守点検の容易な簡易な構成とすることができる。
【0097】
このループ形状のフィルム走行経路において、映画フィルム2は、処理位置でなるゲート部70に対して、走行側及び巻き取り側が対称形状に形成されたフィルム走行経路を走行する。またガイドローラー44〜47のうちの、間欠送りスプロケット50側に配置されたガイドローラー44、47(図6)が電磁ブレーキ93及び94により映画フィルム2の送り方向に応じて、常時固定されたガイドローラーに動作を切り換えることにより、フィルム走行方向に対してゲート部70の手前側で与圧が加えられる。これにより映画フィルム2は、巻き取り側、供給側の何れの方向に走行する場合でも、同一の条件により走行する。
【0098】
さらに映画フィルム2は、このようにして走行するループ形状のフィルム走行経路において、ガイドローラー44〜47によりベース材側からガイドされ、これにより乳剤側の損傷が有効に回避される。さらに映画フィルム2は、ループ形状の内側より、間欠送りに同期したタイミングで光源15により間欠的に照明され、映画フィルム2を透過する透過光がループ形状の外側に配置したテレビジョンカメラ19により受光される。これによりテレシネ装置1は、テレビジョンカメラ19により映画フィルム2を乳剤側から撮像でき、簡易な構成により高品位の映像信号S1を出力することができる。
【0099】
さらに映画フィルム2は、この光源15により照明される停止位置の位置ずれが位置ずれ検出機構17(図2)により検出され、この検出結果より光軸補正機構18により透過光の光軸が補正され、これにより画ぶれが補正されて高品位の映像信号S1を出力することができる。
【0100】
この一連の間欠送りと映画フィルム2の処理において、映画フィルム2は、ループ形状を形成するガイドローラー44〜47のうちの、間欠送りスプロケット側のガイドローラー44及び47(図6)がそれぞれバネ92及び94によりループ形状を大きくする方向に付勢され、さらにエアーダンパ96及び97によりループ形状を小さくする方向には急激に変位されないように保持されていることにより、コマ送り時の急激なテンションの変化に対しては電磁ブレーキ93又は94が解除されて動作状態にあるガイドローラ44又は47によりループ形状を大きくする方向に与圧を受けた状態で、一定位置に保持されたこれらガイドローラ44又は47によりガイドされて走行し、走行を停止した状態では、動作状態にあるガイドローラ44又は47によりループ形状を大きくする方向に与圧を受ける。これにより映画フィルム2は、間欠送りによる映画フィルム2の急激なテンションの変化には応答しないように保持されたガイドローラ44、47によりガイドされて、また経時変化、温度、湿度等により伸縮した場合には、このガイドローラ44又は47の変位により伸縮が吸収されて、何ら伸縮していない映画フィルム2と同一の条件により間欠送りされる。また歯の小さな間欠送りスプロケット50によっても、ガイドローラ44、47による与圧によりバックラッシュを有効に回避して確実に間欠送りされ、これらのことから映画フィルム2が伸縮している場合でも、この伸縮による位置決め精度の劣化が有効に回避される。
【0101】
また間欠送りするステッピングモーター58(図7)に関して、位置ずれ検出機構17により検出された走行方向の位置ずれ検出信号S3から、補正データ生成回路105においてステッピングモーター58のパルス数に対応する送り量補正データD5が生成され、この送り量補正データD5によりレジスタ101Aに保持された送り量データD1が補正されることにより、映画フィルム2においては、直前のコマ送りによる位置ずれ検出結果により続くコマ送り量が補正される。これにより映画フィルム2では、連続するコマ送りにおいて、直前のコマ送り結果が続くコマ送りに反映されて、各コマ4の停止位置が基準位置に近づくように、送り量が順次補正される。従って伸縮した映画フィルム2においては、停止位置のおける位置ずれの累積が解消されて位置決め精度が向上し、また伸縮していない映画フィルムについても、コマ送りのばらつきが解消されて位置決め精度が向上される。
【0102】
この位置ずれの検出は(図10)、映画フィルム2の走行方向と幅方向とに対応してガイドシュー110に配置された複数の電極H1A〜H2Dと、映画フィルム2を間に挟んでこのガイドシュー110と対向する可動側ピクチャーゲート72(図8)の電極部材134とにより複数のコンデンサC1A〜C2B(図11)を形成し、映画フィルム2の変位に伴うこれらのコンデンサC1A〜C2Bの容量変化を検出して実行される。すなわちこれらのコンデンサC1A〜C2Bと抵抗R1〜R4によりそれぞれ形成される分圧回路の出力電圧S12〜S22より、映画フィルム2の変位方向に対応して信号レベルの変化する変位信号S13、S14を生成した後、この変位信号S13、S14より停止位置における信号レベルを検出して位置ずれが検出される。これにより簡易な構成で、かつ高い精度で位置ずれ検出でき、その分精度良く画ぶれを補正して高品位の映像信号S1を出力することができる。
【0103】
この位置ずれ検出に使用される電極121(図9)は、絶縁性のセラミックス材に導電性のセラミックス材を配置して形成され、これらセラミックス材においては磨耗に強いことにより、これにより長時間の使用による電極の磨耗が低減され、その分電極121の偏磨耗による検出精度の劣化が有効に回避される。また表面を研磨して滑らかにしたことによっても、映画フィルム2の滑りが良くなり、その分電極121の磨耗が低減される。また1コマに対応する4つのパーフォレーションに対して、一部電極に代えて形成された切り欠き125を介して、映画フィルム2の停止期間で光源15よりパーフォレーション3が照明され、このパーフォレーション3が停止して観察されるとき、映画フィルム2は正しく間欠送りされていると判断することができる。これにより簡易に映画フィルム2の画ぶれの状況を観察することができる。
【0104】
これらの電極121が配置されるゲート部70において(図8)、フィルム走行方向に延長するガイドシュー110に対して、このガイドシュー110の両側にて、フィルム押え130がバネ132によりガイドシュー110側に押圧されてベース材131に保持されていることにより、映画フィルム2は、ガイドシュー110上を走行する際に、フィルム押え130によりガイドシュー110に押圧されて保持される。これにより電極121を走行する際に、映画フィルム2は、厚さ方向の変位が低減され、その分位置ずれ検出精度の劣化が有効に回避される。また映画フィルムの繋ぎ目、ゴミ等については、映画フィルム2を押圧し続けた状態でバネ132が収縮してフィルム押え130が変位することにより、これら映画フィルム2の繋ぎ目、ゴミ等があっても映画フィルム2は傷つくことなくフィルム押え130を通過する。
【0105】
さらにこのゲート部70において、電極121の対向電極が電極部材134により形成され、ベース材131に形成された凸部136により、この電極部材134の電極121側への変位が制限された状態で、バネ135によりこの電極部材134が電極121側に押圧される。これにより、映画フィルム2の繋ぎ目において、バネ132が収縮して電極部材134が変位し、映画フィルム2の損傷が有効に回避される。またゴミ、変形したパーフォレーション等によりフィルム押え130が変位しても電極部材134がガイドシュー110の電極121に対して一定間隔に保持され、これによりゴミ等による静電容量の変化が有効に回避され、その分高い精度で位置ずれを検出することができる。
【0106】
このようにして映画フィルム2を間に挟んで対向する電極の静電容量により検出される検出結果は、この静電容量を変化させる要因でなる映画フィルム2の誘電率、厚さ等によっても変化することになる。このため映画フィルム2の位置ずれの時間経過を表してなる差分信号生成回路139(図11)の出力信号S14及びS24は、材質補正回路150において(図12及び図13)、走行期間の信号が可変利得増幅回路153及び154により一定利得で増幅された後、減算回路155及び156により何ら処理を受けることなく出力され、補正信号生成回路157において、この期間の振幅及び直流レベルが検出される。この検出結果でなる補正信号S5及びS6より、続く停止期間の出力信号S14及び24は、可変利得増幅回路153及び154により走行期間の振幅が所定値になる利得で増幅された後、続く減算回路155及び156において走行期間の直流レベルが0レベルになるように直流レベルが補正されて出力される。これにより材質等による位置ずれ検出精度の劣化が有効に回避される。
【0107】
このとき補正信号S5及びS6は、振幅の大きな出力信号S14より生成され、また走行期間の4回の脈動に対応する正側及び負側ピーク検波結果がローパスフィルタ161及び162により平均値化されて生成され、これらによっても位置ずれ検出精度の劣化が有効に回避される。
【0108】
このようにして利得、直流レベルが補正された出力信号S43及びS44は、続く位置ずれ信号検出回路151において(図13及び図14)、停止期間の開始のタイミングでサンプルホールドされて(171〜176)、それぞれフィルム走行方向及びフィルム幅方向の位置ずれ検出信号S3及びS4が生成される。このとき振幅の大きな出力信号S14は、タイミング信号生成回路170において、脈動に同期した2値信号に変換された後、この2値信号より脈動が停止してなる停止期間の開始のタイミングが検出され、この検出したタイミングにより出力信号S43及びS44がサンプルホールドされて位置ずれ検出信号S3及びS4が生成される。これにより別途映画フィルム2の走行停止を検出する検出手段等を設けなくても、映画フィルム2の走行停止を確実に検出して位置ずれ検出信号S3及びS4を生成することができる。
【0109】
このようにして検出された位置ずれ検出信号S3及びS4は、光軸補正機構18(図15及び図16)において、映画フィルム2からの透過光の光路上に配置たガラス板190及び191の傾きを制御するサーボループ(198、202〜204)及び(197、207〜209)に制御目標として供給され、これにより位置ずれを補正するように透過光の光軸が補正されてテレビジョンカメラ19より処理結果でなる映像信号S1が出力される。
【0110】
(5)実施の形態の効果
以上の構成によれば、電極121、134の静電容量に応じて信号レベルが変化する出力信号S43の脈動を基準にして、映画フィルムの走行停止を検出することにより、簡易な構成で、確実に映画フィルムの走行停止を検出することができる。従ってその分確実に映画フィルム2が停止した状態で位置ずれを検出することができ、位置ずれ検出精度を向上することができる。またフィルム走行系等とは独立して映画フィルムの停止を検出できることにより、その分タイミング調整等の保守点検を簡略化することができる。
【0111】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、映画フィルムの走行停止を検出して位置ずれ検出信号を生成し、またテレビジョンカメラ19、光源15のタイミングを制御する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、走行停止の検出結果は、種々のタイミング制御に使用することができ、例えば上述の実施の形態では、材質補正回路のタイミング信号に利用することもできる。
【0112】
また上述の実施の形態においては、検出信号の脈動を基準にして映画フィルムの走行停止を検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは逆に映画フィルムの実際の走行を検出して種々に利用してもよい。
【0113】
さらに上述の実施の形態においては、電極と対向電極とにより形成されるコンデンサと抵抗とで分圧回路を形成し、この分圧回路の分圧電圧より位置ずれを検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、抵抗に代えてコンデンサとの組み合わせにより分圧回路を形成する場合、さらにはコイルとの組み合わせにより共振周波数の変位により位置ずれを検出する場合等、種々の検出手法によって得られる静電容量に応じて信号レベルが変化する検出信号を処理する場合にを広く適用することができる。
【0114】
また上述の実施の形態においては、位置ずれ検出結果より透過光の光軸を補正して画ぶれを補正する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の画ぶれ補正手段を広く適用することができ、さらにはこの種の画ぶれ補正処理を実行しない単にフィルムを間欠的に走行させてフィルムの形状等を検査するフィルム処理装置にも広く適用することができる。
【0115】
また上述の実施の形態においては、フィルム走行経路をループ状に形成し、1の間欠送りスプロケットにより映画フィルムを間欠送りする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々のフィルム走行経路により、また複数のスプロケットにより映画フィルムを間欠送りする場合等にも広く適用することができる。
【0116】
さらに上述の実施の形態においては、本発明をテレシネ装置に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば映写装置、電子露光装置等にも適用することができる。
【0117】
また上述の実施の形態においては、映画フィルムを光学処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、フィルムを間欠送りして処理する種々のフィルム処理装置に広く適用することができる。
【0118】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、フィルムを間に挟んで配置した電極の静電容量により位置ずれを検出する際に、電極の静電容量に応じて信号レベルが変化する検出信号の脈動を基準にしてフィルムの走行又は停止を検出することにより、簡易な構成で確実にフィルムの走行又は停止を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るテレシネ装置の位置ずれ信号検出回路を示すブロック図である。
【図2】テレシネ装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】映画フィルム2の詳細を示す平面図である。
【図4】図2のテレシネ装置のフィルム走行系を示す平面図である。
【図5】図4のフィルム走行系の間欠送り動作部を示す平面図である。
【図6】図4のフィルム走行系の間欠送り動作部を詳細に示す平面図である。
【図7】図2のフィルム走行機構における駆動系を示すブロック図である。
【図8】ベース部を示す断面図である。
【図9】ガイドシューの構成を示す図である。
【図10】図9のガイドシューの開口の近傍を詳細に示す平面図である。
【図11】図2の位置ずれ検出機構を示すブロック図である。
【図12】材質補正回路を示すブロック図である。
【図13】図12の材質補正回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図14】図1の位置ずれ信号検出回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図15】図2の光軸補正機構の光学系を示す斜視図である。
【図16】図2の光軸補正機構を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……テレシネ装置、2……映画フィルム、3……パーフォレーション、4……コマ、7……供給側リール、8……巻き取り側リール、9……フィルム走行機構、10……フィルム走行系、15……光源、16……画ぶれ補正機構、17……位置ずれ検出機構、18……光軸補正機構、19……テレビジョンカメラ、50……間欠送りスプロケット、70……ゲート部、71……固定側ピクチャーゲート、73……可動側ピクチャーゲート、120……電極、134……電極部材、150……材質補正回路、170……タイミング信号生成回路、180……比較回路、181、182……モノマルチバイブレーター
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム処理装置に関し、例えばテレシネ装置、映画フィルムの映写装置において、フィルムを間に挟んで配置した電極の静電容量により位置ずれを検出する際に、静電容量に応じて信号レベルが変化する検出信号の脈動を基準にして、フィルムの走行又は停止を検出することにより、簡易な構成で確実にフィルムの走行又は停止を検出することができるようにする。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルム処理装置においては、フィルム走行系の方式として、連続送り方式と間欠送り方式とがあり、テレシネ装置においては、一般に連続送り方式が適用され、映写装置においては、間欠送り方式が適用されるようになされている。
【0003】
すなわち連続送り方式は、キャプスタンにより映画フィルムを等速度で走行させる方式であり、この方式が適用されるテレシネ装置は、この映画フィルムの走行方向に対して垂直に、1次元的な走査を繰り返す照明光により映画フィルムを照明する。さらにこのテレシネ装置では、この照明結果を受光素子により受光し、これによりラスタ走査の順序で映画フィルム上の各コマを撮像する。
【0004】
これに対して間欠送り方式は、映画フィルムの長手方向に形成された矩形形状の開口(すなわちパーフォレーションでなる)を利用して、映画フィルムを1コマずつコマ送りすることにより、映画フィルムを間欠的に走行させる方式である。この方式が適用される映写装置においては、カム機構によりレジストーションピンを駆動し、このレジストーションピンをパーフォレーションに挿入して映画フィルムを間欠送りする。さらにこの映画フィルムの間欠送りに同期して光源からの照明光を映画フィルムに間欠的に照射し、映画フィルムの透過光をスクリーンに投影するようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで連続送り方式においては、フィルムに加わる負担が少ない反面、照明光の走査と映画フィルムの走行とを完全に同期させることが困難で、フィルムの長手方向にジッタが発生したり、またフリッカが発生する欠点がある。さらに照明光を射出するフライングスポットスキャナー等について、定期的なメンテナンスが必要なことから、保守点検が煩雑な欠点もある。
【0006】
これに対して従来の間欠送り方式においては、光学系、フィルム走行系の構成を簡略化できる反面、レジストーションピンをパーフォレーションに挿入して映画フィルムを位置決めすることにより、パーフォレーションに対してレジストーションピンを正しく位置調整する必要があり、この調整作業が煩雑な欠点がある。またレジストーションピンが正しく位置調整されていない場合は、レジストーションピンにより映画フィルムを傷つける欠点もあり、さらには機械騒音が大きい欠点もある。
【0007】
また従来の間欠送り方式においては、連続送り方式に比して、ジッタ、フリッカを低減できるものの、スクリーン上に投影された映像が徐々に又は急激に変位する現象(以下、このような装置の処理結果でなる映像の変位を画ぶれと呼ぶ)を完全に防止できない欠点もある。因みに、映写装置において、この画ぶれは、スクリーン上に投影された映像の品位を低下させ、視聴者に疲労を与え、また映像の安定感を劣化させることになる。
【0008】
この問題を解決する1つの方法として、モータ駆動のスプロケットにより映画フィルムを間欠送りする方法が考えられる。すなわちスプロケットにより映画フィルムを間欠送りすれば、構成を簡略化でき、保守点検作業も簡略化できると考えられる。また映画フィルムの損傷も低減できると考えられる。ところがスプロケットによる間欠送りでは、映画フィルムの位置決め精度が劣る欠点がある。従ってスプロケットによる間欠送りをテレシネ装置に適用して高品位の処理結果を出力する場合、何らかの位置ずれ補正手段を設けることが必要になる。この前提として映画フィルムが停止したことを簡易な構成により確実に検出して位置ずれを検出することが必要になる。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、フィルムを間欠送りして処理する際に、簡易な構成で確実にフィルムの走行、停止を検出することができるフィルム処理装置を提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、電極間の静電容量に応じて信号レベルの変化する検出信号について、この検出信号の脈動を基準にして、フィルムの走行又は停止を検出する。
【0011】
フィルムが走行する期間は、このフィルムに形成されたパーフォレーションが周期的に電極を通過することにより、電極間の静電容量が脈動し、検出信号は、変位可能な最大振幅で脈動することになる。これに対してフィルムが停止すると、停止位置に対応した信号レベルに保持されることになる。これにより検出信号の脈動を基準にして、フィルムの走行又は停止を確実に検出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)全体構成
図2は、本発明の実施の形態に係るテレシネ装置の概略構成を示すブロック図である。このテレシネ装置1は、35〔mm〕の映画フィルム2の各コマを撮像して映像信号S1を出力する。
【0014】
ここで図3に示すように、映画フィルム2は、幅方向の両縁部に、パーフォレーション3が所定ピッチで配置されるようになされている。また中央部分には、このパーフォレーション3を基準にして画像が順次記録されてコマ4が配置され、35〔mm〕の映画フィルム2では、1コマ当たり4個のパーフォレーション3が割り当てられるようになされている。さらにこのコマ4と一方のパーフォレーション3との間には、サウンドトラック5が配置され、このサウンドトラック5に音声信号が記録されるようになされている。
【0015】
この映画フィルム2は、アセテート又はポリエステルでなるベース材に感光性の乳剤を積層した構造でなり、乳剤側が外周側になるように、供給リール7(図2)又は巻き取りリール8に巻き付けられてテレシネ装置1に供給され、又テレシネ装置1より取り出されるようになされている。
【0016】
テレシネ装置1において、フィルム走行機構9は、フィルム走行系10とこのフィルム走行系10のモーター等を駆動する駆動系11とにより構成される。フィルム走行機構9は、システム制御回路12より出力される制御信号SCに応動して動作を切り換え、フィルム走行系10により映画フィルム2をループ状に保持した状態で、供給リール7側から巻き取りリール8側に、又はこれとは逆方向に、映画フィルム2を間欠送りする。また必要に応じて供給リール7側及び巻き取りリール8間で、映画フィルム2を早送り又は巻き戻しする。この間欠送りにおいて、フィルム走行機構9は、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にしてフィルム走行系10を動作させ、これにより35〔mm〕映画フィルム2について規定された1秒間に24コマの速度で映画フィルム2を間欠送りする。
【0017】
光源15は、ランプ部と回転型シャッター部とで構成され、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にして動作し、フィルム走行機構9による間欠送りに同期して、映画フィルム2を間欠的に照明する。
【0018】
画ぶれ補正機構16は、位置ずれ検出機構17と光軸補正機構18とにより構成され、光源15により照明される映画フィルム2の透過光を光軸補正機構18を介してテレビジョンカメラ19に射出する。このとき画ぶれ補正機構16は、位置ずれ検出機構17により映画フィルム2の停止位置における各コマの位置ずれを検出し、この位置ずれ検出結果に基づいて光軸補正機構18により透過光の光路を可変し、これにより画ぶれを補正する。さらに画ぶれ補正機構16は、フィルム走行方向の位置ずれ検出信号S3をフィルム走行機構9に出力し、これによりフィルム走行機構9における間欠送りの送り量を補正する。
【0019】
テレビジョンカメラ19は、画ぶれ補正機構16を介して映画フィルム2の透過光を受けることにより、光源15によって照明された映画フィルム2の各コマを撮像する。このときテレビジョンカメラ19は、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にして動作することにより、映画フィルム2の各コマに対応して映像信号S1のフィールドを形成するように、映画フィルム2の間欠送りに同期して映画フィルム2を撮像し、その撮像結果を映像信号S1として出力する。
【0020】
タイミングジェネレータ13は、このテレシネ装置1の動作に必要な各種タイミング信号を生成して出力する。システム制御回路12は、操作子20の操作に応動して各回路ブロックに制御信号SCを出力し、これにより映画フィルム2を早送り、巻き戻し、さらには映画フィルム2を間欠送りしてテレビジョンカメラ19より映像信号S1を出力する。
【0021】
(2)フィルム走行機構
(2−1)フィルム走行系及び光源
図4は、フィルム走行機構9におけるフィルム走行系を示す正面図である。このフィルム走行系10は、映画フィルム2を間欠送りする間欠送り動作部21と、供給リール7から間欠送り動作部21に映画フィルム2を等速度で供給する供給側連続送り部22と、間欠送り動作部21からの映画フィルム2を巻き取りリール8に等速度で巻き取る巻き取り側連続送り部23とにより構成される。
【0022】
このうち供給側連続送り部22は、リールモーター24の回転軸に供給リール7を保持する。供給側連続送り部22は、この供給リール7より引き出される映画フィルム2をガイドローラー25に引っ掛けた後、テンションアーム26に保持されたガイドローラー27により緩やかに折り返し、続くガイドローラー28を介して供給側送りスプロケット29に導く。テンションアーム26は、ガイドローラー27が供給側送りスプロケット29から離間するように、バネ30により付勢され、このバネ30のテンションをセンサ31により検出できるようになされている。これによりフィルム走行系10では、駆動系11によりこのセンサ31の出力信号をモニタし、映画フィルム2が弛んで保持されている場合等には、映画フィルム2の走行を停止するようになされている。
【0023】
これに対して巻き取り側連続送り部23は、供給側連続送り部22と対称に構成される。すなわち巻き取り側連続送り部23は、リールモーター32の回転軸に巻き取りリール8を保持し、ガイドローラー33を介して、この巻き取りリール8に映画フィルム2を導く。このとき巻き取り側連続送り部23は、テンションアーム34に保持されたガイドローラー35により映画フィルム2を緩く折り返してガイドローラー33に導き、ガイドローラー35に対しては、ガイドローラー36を介して巻き取り側送りスプロケット37より映画フィルム2を導く。テンションアーム34は、ガイドローラー35が巻き取り側送りスプロケット37から離間するように、バネ38により付勢され、このバネ38のテンションをセンサ39により検出できるようになされている。
【0024】
これによりフィルム走行系10では、駆動系11によりこのセンサ39の出力信号をモニタし、供給側と同様に、映画フィルム2が弛んで保持されている場合等には、映画フィルム2の走行を停止するようになされている。また供給側連続送り部22と巻き取り側連続送り部23とを対称に構成したことにより、映画フィルム2を何れの方向に走行させる場合でも、同一の条件により走行させることができるようになされている。
【0025】
供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37は、タイミングベルト40を介して、連続送りモーター42により連動して回転駆動される。これによりフィルム走行系10は、間欠送り動作部21における間欠送りの動作を停止制御した状態で、巻き取り側のリールモーター32とこの連続送りモーター42とを回転駆動して、供給リール7より巻き取りリール8に映画フィルム2を高速度で巻き取ることができるようになされている。またこれとは逆に、間欠送り動作部21における間欠送りの動作を停止制御した状態で、供給側のリールモーター24とこの連続送りモーター42とを回転駆動して、巻き取りリール8より供給リール7に映画フィルム2を高速度で巻き戻すことができるようになされている。
【0026】
これに対して映画フィルム2を撮像して映像信号S1を出力する場合は、間欠送り動作部21における間欠送りの速度及び方向に対応して、リールモーター24又は32を回転駆動すると共に、連続送りモーター42の回転方向及び回転速度を設定して、間欠送り動作部21に対して映画フィルム2を等速度で供給し、また間欠送り動作部21より送出される映画フィルム2を巻き取りリール8又は供給リール7に等速度で巻き取ることができるようになされている。
【0027】
このようにして映画フィルム2を送出する供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37は、周囲に形成された歯に映画フィルム2のパーフォレーション3を引っ掛けて映画フィルム2を送出し、この歯がパーフォレーション3に比して小さな形状に形成されるようになされている。これにより供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37においては、映画フィルム2が伸縮した場合でも、映画フィルム2を傷つけないようになされている。フィルム走行系10では、このように歯を小さく形成した供給側送りスプロケット29及び巻き取り側送りスプロケット37に対して、テンションアーム26、34により映画フィルム2にテンションが与えられ、これにより確実に映画フィルム2を送り出せるようになされている。
【0028】
間欠送り動作部21は、映画フィルム2をループ形状に保持して間欠送りする。すなわち間欠送り動作部21は、供給側送りスプロケット29の回転中心と巻き取り側送りスプロケット37の回転中心とを結ぶ直線に垂直な、仮想の基準線に対して、ほぼ対称形状に4個のガイドローラー44〜47が配置される。ここでこの4個のガイドローラー44〜47は、長方形形状のほぼ頂点に配置されるようになされ、ベース材側より映画フィルム2をガイドして映画フィルム2の乳剤側の損傷を有効に回避する。
【0029】
さらに間欠送り動作部21は、図面にて、これらガイドローラー44〜47の下方において、仮想の基準線に対して対称に2個のガイドローラー48及び49を配置し、この2個のガイドローラー48及び49により、4個のガイドローラー44〜47でガイドされた映画フィルム2を寄せ集める。これによりこの実施の形態においてガイドローラー44〜47は、映画フィルム2をベース材側よりガイドしてループ形状に保持する間欠送りガイド部を構成する。
【0030】
間欠送り動作部21は、この2個のガイドローラー48及び49により寄せ集めた映画フィルム2を間欠送りスプロケット50により間欠送りする。ここで図5に拡大して示すように、間欠送りスプロケット50は、ループ形状を形成する映画フィルム2の根元部分において、両側面に配置されたスプロケットシュー51〜56により供給側及び巻き取り側の側面に映画フィルム2が押圧される。さらに間欠送りスプロケット50は、ステッピングモーター58の回転軸に直結して保持され、これによりこのステッピングモーター58に供給する駆動パルスのパルス数及び極性に応じて、ループ形状を形成する映画フィルム2を、所定の送り量だけ、供給側より巻き取り側へ、又は巻き取り側から供給側へ走行させることができるようになされている。
【0031】
このようにして映画フィルム2を間欠送りする間欠送りスプロケット50は、周囲に形成された歯に映画フィルム2のパーフォレーション3を引っ掛けて映画フィルム2を走行させ、この歯がパーフォレーション3に比して小さな形状に形成されるようになされている。これにより間欠送りスプロケット50においては、映画フィルム2のパーフォレーション3を傷つけないようになされている。
【0032】
ここでこの実施の形態において、ステッピングモーター58は、駆動系11により間欠的に駆動パルスが印加され、これにより映画フィルム2を間欠送りする。さらに映画フィルム2を早送り、巻き戻しする場合は、いわゆるフリーの状態に保持され、自由に回転できるようになされている。これによりこの実施の形態において、間欠送りスプロケット50、スプロケットシュー51〜56、ステッピングモーター58は、間欠送りガイド部の映画フィルム2を間欠送りするフィルム送り部を構成する。
【0033】
さらに間欠送り動作部21は、間欠送りスプロケット50と供給側送りスプロケット29の間で、映画フィルム2を弛むように保持し、これにより供給側連続送り部22及び間欠送り動作部21の緩衝部を形成する。また同様に、間欠送りスプロケット50と巻き取り側送りスプロケット37との間で、映画フィルム2を弛むように保持し、巻き取り側連続送り部23及び間欠送り動作部21の緩衝部を形成する。
【0034】
これらの緩衝部は、それぞれ3つのガイドローラー60〜62、63〜65を保持する可動部材66及び67を、破線で示す所定位置に配置した状態で映画フィルム2をこのフィルム走行系10にセットした後、矢印A及びBで示すように、この可動部材66及び67を映画フィルム2の経路より退避させて形成される。これによりフィルム走行系10は、間欠送りにおける急激なテンションの変動が、供給側連続送り部22及び巻き取り側連続送り部23に及ばないようにし、その分ガイドローラー28等による映画フィルム2の損傷を有効に回避し、また確実に映画フィルム2を走行させることができるようになされている。
【0035】
このようにして形成されるフィルム走行経路において、ガイドローラー45及び46間の中間位置には、ゲート部70が配置される。ここでこのゲート部70は、このテレシネ装置1のベースに固定された固定側ピクチャーゲート71と、映画フィルム2を間に挟んで、固定側ピクチャーゲート71に対向する可動側ピクチャーゲート72により形成される。
【0036】
可動側ピクチャーゲート72は、映画フィルム2を固定側ピクチャーゲート71に所定の押圧力で押圧するように形成され、後述する画ぶれ補正機構16の光学系73と一体に、図示しないハンドルを操作して上方向に移動するようになされている。これによりこのフィルム走行系10では、映画フィルム2を固定側ピクチャーゲート71にセットした後、このハンドルを操作して矢印Cで示すように可動側ピクチャーゲート72を可動して、映画フィルム2をゲート部70にセットできるようになされている。
【0037】
さらに固定側ピクチャーゲート71及び可動側ピクチャーゲート72は、それぞれ映画フィルム2のコマに対応する開口を有し、映画フィルム2をセットした状態で、この開口を介してテレビジョンカメラ19より映画フィルム2を撮像できるようになされている。間欠送り動作部21は、ゲート部70の開口に対してゲート部70を含めて、供給側及び巻き取り側で対称形状に形成し、これにより映画フィルム2の走行方向を切り換えても、同一の条件により間欠送りできるようになされている。
【0038】
この固定側ピクチャーゲート71の下方、映画フィルム2のループ形状の内側には、光源15が配置される。ここで光源15は、ゲート部70の開口に向けてランプ81より照明光を射出する。このランプ81及びゲート部70間には、円盤状の回転シャッター82が配置され、光源15は、タイミングジェネレータ13(図2)より出力されるタイミング信号を基準にしてこの回転シャッター82を回転駆動する。これにより光源15は、フィルム走行系10の間欠送りに同期してゲート部70に保持された映画フィルム2を間欠的に照明する。
【0039】
これによりこのテレシネ装置1では、映画フィルム2の乳剤側より各コマを撮像して、ベース側より撮像する場合に比して、高品質の映像信号S1を出力できるようになされている。特に、このように映画フィルム2のループ形状の内側に光源15を配置すれば、大型のテレビジョンカメラ19を配置する際の自由度を向上することもできる。さらに併せて映画フィルム2の画ぶれを補正することによっても高品質の映像信号S1を出力することができる。
【0040】
かくしてこの実施の形態において、テレビジョンカメラ19は、映画フィルム2を撮像する光学処理手段を構成するようになされている。
【0041】
(2−2)ガイドローラー44、47
図6は、フィルム走行系10において、映画フィルム2をループ形状に保持する領域を拡大して示す平面図である。フィルム走行系10では、このループ形状を形成する4つのガイドローラー44〜47のうち、間欠送りスプロケット50側の2つのガイドローラー44及び47の動作を切り換えて、何れの方向に映画フィルム2を間欠送りして映像信号S1を出力する場合でも、確実に映画フィルム2を間欠送りできるようになされている。
【0042】
すなわちガイドローラー44及び47は、それぞれ制御アーム90及び91の一端に回転自在に保持される。この制御アーム90及び91は、他端の回動軸を支点にして回動自在にテレシネ装置1のシャーシに固定され、矢印Dで示す映画フィルム2のループ形状を大きくする方向に、それぞれバネ92及び93により付勢されるようになされている。さらに制御アーム90及び91は、回動軸に電磁ブレーキ93及び94が配置される。フィルム走行系10では、供給側より巻き取り側に映画フィルム2を間欠送りする場合は、駆動系11により電磁ブレーキ94を駆動して巻き取り側となる制御アーム91の回動を停止し、この制御アーム91に保持されたガイドローラー47を一定位置に保持する。またこれとは逆に巻き取り側より供給側に映画フィルム2を間欠送りする場合、同様に駆動系11により電磁ブレーキ93を駆動して供給側でなる制御アーム90の回動を停止し、この制御アーム90に保持されたガイドローラー44を一定位置に保持する。
【0043】
さらに制御アーム90及び91は、それぞれエアーダンパ96及び97が接続され、このエアーダンパ96及び97により、ループ形状を小さくする方向にはガイドローラー44、47が急激に変位しないようになされている。これによりフィルム走行系10では、送り、停止を繰り返して映画フィルム2を間欠送りするにつき、映画フィルム2が走行している期間の間は、バネ92又は93によりフィルム走行側に映画フィルム2を与圧した状態で、ガイドローラー44又は47を一定位置に保持する。すなわちフィルム走行により映画フィルム2のテンションが急激に変化した場合でも、この変動に追従してループ形状が急激に変動しないようにする。
【0044】
これに対して映画フィルム2が停止すると、バネ92又は93による一定テンションによってループ形状が大きくなる方向に与圧する。これによりフィルム走行系10では、映画フィルム2の送り方向に、映画フィルム2を与圧し、パーフォレーション3に対して歯の小さな間欠送りスプロケット50により間欠送りする場合でも、バックラッシュを有効に回避して精度良く間欠送りできるようになされている。また経時変化、温度、湿度等により映画フィルム2が伸縮した場合にはガイドローラー44、47の移動によりこの伸縮を吸収して、精度良く間欠送りできるようになされている。
【0045】
すなわちパーフォレーション3のピッチは、標準値が4.75〔mm〕でなることから、間欠送りスプロケット50より出発して戻るまでの映画フィルム2のパーフォレーション数をNとおくと、間欠送りスプロケット50より出発して戻るまでの映画フィルム2の長さ(間欠送りスプロケット50の供給側から巻き取り側までのかみ合い長さでなる)Lの標準値は、4.75×N〔mm〕で表すことができ、符号E及びFで示すように、それぞれ映画フィルム2が縮んだ場合と、映画フィルム2が伸びた場合とで制御アーム90又は91を回動させて、この標準の長さLを補正することができる。これによりフィルム走行系10では、映画フィルム2の伸縮を吸収して間欠送りの精度を維持できるようになされている。
【0046】
かくしてこの実施の形態において、バネ92、93は、ガイドローラ44、47を変位させて映画フィルム2を与圧する与圧手段を構成し、エアーダンパ96、97は、ガイドローラ44、47の急激な変位を制限する変位制限手段を構成する。
【0047】
(2−3)駆動系11
図7は、フィルム走行機構9の駆動系11について、ステッピングモーター58の駆動系を示すブロック図である。フィルム走行機構9では、この駆動系11によりゲート部70における映画フィルム2の位置ずれの累積を有効に回避し、映画フィルム2の位置決め精度を向上する。
【0048】
すなわち駆動系11において、モーター制御回路100は、タイミングジェネレータ13よりコマ送りの周期で出力されるタイミング信号ST1をトリガにして、位置ずれ演算回路105に保持された送り量データD1の分だけ、連続するパルス信号SPをカウントして出力する。これによりモーター制御回路100は、ステッピングモーター58の駆動に必要な駆動パルス信号SP1を生成する。
【0049】
モーター駆動回路102は、このモーター制御回路100より出力される駆動パルス信号SP1によりステッピングモーター58を駆動し、これによりタイミング信号ST1に同期したタイミングで間欠送りスプロケット50を回転させて、映画フィルム2を間欠送りする。
【0050】
位置ずれ演算回路101は、このテレシネ装置1の起動時、システム制御回路12より出力される送り量データD1を内蔵のレジスタ101Aにロードし、この送り量データD1をモータ制御回路100に出力する。さらに位置ずれ検出回路101は、位置ずれ検出機構17より出力される位置ずれ検出信号S3を基準にして、続く映画フィルム2の間欠送りの送り量補正データD5を生成する。すなわち位置ずれ演算回路101において、補正データ生成回路105は、ステッピングモーター58の分解能に対応する量子化ステップサイズにより位置ずれ検出信号S3をアナログディジタル変換処理することにより、ステッピングモーター58のパルス数に対応する送り量補正データD5を生成し、この送り量補正データD5によりレジスタ101Aに保持した送り量データD1を補正する。これにより駆動系11では、直前のコマ送り結果を続くコマ送りの送り量に反映して、映画フィルム2の位置決め精度を向上するようになされている。
【0051】
すなわち直前のコマ送りにおいて、ステッピングモーター58の1パルス分に相当する送り量だけ、コマ送り量が多すぎた場合、続くコマ送りにおいては、直前のコマ送り量よりこの1パルス分の送り量を減じたコマ送り量により映画フィルム2を走行させる。これとは逆に、直前のコマ送りにおいて、ステッピングモーター58の1パルス分に相当する送り量だけ、コマ送り量が少ない場合、続くコマ送りにおいては、直前のコマ送り量よりこの1パルス分の送り量を加算したコマ送り量により映画フィルム2を走行させる。これによりフィルム走行機構9では、映画フィルム2が伸縮した場合等でも、ゲート部70における位置ずれの累積を有効に回避し、高精度で間欠送りできるようになされている。
【0052】
(3)画ぶれ補正機構
(3−1)位置ずれ検出機構
位置ずれ検出機構17は、図8に断面を取って略線的に示すように、ゲート部70において、固定側ピクチャーゲート71に配置した複数電極の、可動側ピクチャーゲート72に対する静電容量を基準にして、映画フィルム2の位置を検出する。
【0053】
(3−1−1)ガイドシュー110
このためゲート部70においては、図9に示すガイドシュー110を固定側ピクチャーゲート71のベース材に配置し、このガイドシュー110に対して、可動側ピクチャーゲート72より映画フィルム2を押圧してガイドする。
【0054】
すなわちガイドシュー110は、全体として供給側と巻取り側とが対称形状に形成され、ステンレス等の導電性部材を加工した枠体112に対して、接着により電極部113及び114を配置して形成される。枠体112は、ほぼ映画フィルム2の幅で延長し、長手方向の中央部分に幅方向の膨らみが形成され、この膨らんだ部分に電極部113及び114が配置される。
【0055】
さらに枠体112は、図面にて電極部113及び114の左右に広がる開口116が形成され、この開口116を間に挟んでネジ孔119が形成されるようになされている。これによりガイドシュー110は、このネジ孔119により固定側ピクチャーゲート71のベース材に固定され、さらにこの固定された際に、この開口116を介して光源15からの照明光を映画フィルム2に導くようになされている。
【0056】
電極部113及び114は、絶縁性のセラミックス材により形成されたベース材120の凹部に、導電性のセラミックス材により形成された電極121を接着により配置した後、表面を研磨して滑らかに加工して形成される。すなわちセラミックス材においては、磨耗に強いことにより、ガイドシュー110は、このように絶縁性のセラミック材と導電性のセラミック材とで電極部113及び114を形成して、電極部113及び114の耐磨耗性を向上するようになされている。また断面を取って図9(B)に示すように、各電極121においては、ベース材120の貫通孔を介して、端子122が接続され、この端子122を介して位置ずれ検出機構の回路ブロックと接続されるようになされている。
【0057】
このようにして形成されるガイドシュー110は、35〔mm〕の標準の映画フィルム2に対して、図10に示すように各電極が配置される。すなわち光軸補正機構18により何ら画ぶれを補正しない状態で、テレビジョンカメラ19により撮像したコマ4の画像が映像信号S1をモニタして正しい位置により表示される場合、この映画フィルム2の位置が位置ずれしていない正しい停止位置となる。
【0058】
この正しい停止位置に映画フィルム2が停止した状態で、この撮像対象のコマ4に対応する両端、4つのパーフォレーションP1A〜P4A及びP1B〜P4Bに対して、1方の電極部113においては、最も巻き取り側に位置するパーフォレーションP4Aの下部に切り欠き125が形成され、また他方の電極部114においては、最も供給側に位置するパーフォレーションP1Bの下部に切り欠き125が形成されるようになされている。これによりゲート部70においては、この切り欠き125を介して光源15により間欠的にパーフォレーションP4A及びP1Bを照明できるように形成され、この間欠的に照明されるパーフォレーションP4A及びP1Bを目視確認して画ぶれの状況を簡易に確認できるようになされている。
【0059】
これに対して残りのパーフォレーションP1A〜P3A及びP2B〜P4Bに対して、電極部113及び114は、それぞれ1対の電極H1A及びH1Bが配置されるようになされている。ここでこれら1対の電極H1A及びH1Bは、同一形状に形成され、かつ正しい停止位置における各パーフォレーションP1A〜P3A及びP2B〜P4Bに対して、フィルム走行方向に対称に配置されるようになされている。これにより1対の電極H1A及びH1Bは、映画フィルム2が正しい停止位置に停止している場合には、供給側の電極H1Aと可動側ピクチャーゲート72との間の静電容量と、巻き取り側電極H1Bと可動側ピクチャーゲート72との間の静電容量とが等しい値に保持され、正しい停止位置より映画フィルム2が変位すると、変位量に応じてこの2つの静電容量に差が生じるようになされている。
【0060】
これにより電極部113及び114は、1対の電極H1A及びH1Bにより形成される静電容量の差を検出して、映画フィルム2の長手方向について位置ずれを検出できるようになされている。なおこのように、映画フィルム2の長手方向に各3対の電極H1A及びH1Bをパーフォレーション3の標準ピッチで配置し、また映画フィルム2の両端に等しい数を対称に振り分けるようにすれば、これら電極H1A及びH1Bによる静電容量の差を総合的に検出して、長手方向及び幅方向に映画フィルム2が伸縮した場合でも、正確に長手方向の位置ずれを検出することができ、その分位置ずれ検出精度を向上して高品位の処理結果を出力することができる。
【0061】
電極部113は、これら4つのパーフォレーションP1A〜P4Aより供給側及び巻き取り側の、各2つのパーフォレーションP1C〜P4Cに対して、パーフォレーションP1C及びP2CとパーフォレーションP3C及びP4Cとをそれぞれ跨ぐように、2つの電極H2Aが形成され、さらにこの電極H2Aの外側に同一形状の電極H2Dがそれぞれ形成される。また他方の電極部114においては、同様にパーフォレーションP1D及びP2DとパーフォレーションP3D及びP4Dとをそれぞれ跨ぐように、2つの電極H2Cが形成され、さらにこの電極H2Cの外側に同一形状の電極H2Dがそれぞれ形成される。
【0062】
ここで内側の電極H2A及びH2Cは、この正しい停止位置で、パーフォレーションP1C〜P4Cの外側エッジがほぼ中心を横切るように形成され、外側の電極H2B及びH2Dは、映画フィルム2の外側エッジがほぼ中心を横切るように形成される。これにより電極部113及び114は、映画フィルム2が幅方向に変位すると、対応する電極H2A及びH2C、H2B及びH2Dにおいて、可動側ピクチャーゲート72との間の静電容量が相補的に変化し、映画フィルム2が正しい停止位置に保持されている場合、これらの静電容量が等しい値になるようになされている。
【0063】
これにより電極部113及び114は、映画フィルム2の変位方向に対応する電極H2A及びH2Dと電極H2B及びH2Cとにより形成される静電容量の差を検出して、映画フィルム2の幅方向について位置ずれを検出できるようになされている。なおこのように、コマ4の前後、左右に4対の電極H2A〜H2Cを対称に振り分けて配置すれば、これら4対の電極H2A〜H2Cによる静電容量の差を総合的に検出して、長手方向及び幅方向に映画フィルム2が伸縮した場合でも、正しい停止位置を基準にして幅方向の位置ずれを検出でき、その分位置ずれ検出精度を向上して高品位の処理結果を出力することができる。
【0064】
(3−1−2)可動側ピクチャーゲート
可動側ピクチャーゲート72は、ハンドルの操作により上下するベース材131にフィルム押え130を保持し、このフィルム押え130をバネ132によりガイドシュー110に押圧する。すなわちフィルム押え130は、ガイドシュー110の開口116(図9)を避けて、この開口116の巻き取り側及び供給側に、それぞれ配置される。さらにフィルム押え130は、ガイドシュー110の枠体112に対応して、幅方向の断面形状が凹形状に形成され、これによりコマ4、サウンドトラック5の損傷を有効に回避するようになされている。
【0065】
これによりフィルム押え130は、バネ132の伸縮によって映画フィルム2の厚さに応じて変位し、例えばパーフォレーション3の周囲が変形している場合、ゴミの付着等により映画フィルム2の厚さが局所的に変化している場合でも、この変化を吸収できるようになされている。またガイドシュー110に対して映画フィルム2を押圧して、ガイドシュー110の電極部113及び114に対する映画フィルム2の厚さ方向の変位を低減するようになされている。
【0066】
さらに可動側ピクチャーゲート72は、フィルム押え130とは別体に、ガイドシュー110の電極部113及び114に対向するように電極部材134を保持する。ここで電極部材134は、ガイドシュー110の電極121に対して、全体が対向電極を形成するように金属材料で形成され、ベース材131を介して接地される。さらに電極部材134は、ベース材131に形成した凸部136により、映画フィルム2に対して微小な空間Gを形成して可動側ピクチャーゲート72に保持される。これにより可動側ピクチャーゲート72は、フィルム押え130と電極部材134とを分離して、ゴミ、変形したパーフォレーションによりフィルム押え130が上下動した場合でも、対向する電極121に対して電極部材134を一定間隔に保持して静電容量が変化しないようになされ、その分局所的な厚さの変化に伴う位置ずれ検出精度の低下を有効に回避できるようになされている。
【0067】
さらに電極部材134は、バネ135により映画フィルム2側に押圧されて可動側ピクチャーゲート72に保持される。これにより可動側ピクチャーゲート72は、例えば映画フィルム2の繋ぎ目等においては、電極部材134が浮き上がるようにし、映画フィルム2の損傷を有効に回避するようになされている。
【0068】
(3−1−3)位置ずれ検出機構の回路構成
図11は、位置ずれ検出機構の回路ブロックを示すブロック図である。位置ずれ検出機構17は、映画フィルム2の長手方向に対を形成する電極H1A及びH1Bについて、供給側の電極H1Aと巻き取り側の電極H1Bとをそれぞれ纏めて結線する。これにより複数の供給側の電極H1Aと電極部材134とにより第1のコンデンサC1Aを形成し、また複数の巻き取り側の電極H1Bと電極部材134とにより第2のコンデンサC1Bを形成し、電極H1A及びH1Bによる静電容量の差を総合的に検出する。
【0069】
位置ずれ検出機構17は、差分信号生成回路139において、この第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bをそれぞれ抵抗R1及びR2に直列接続し、この抵抗R1及びR2をそれぞれ発振回路140及び141に接続する。これにより位置ずれ検出機構17は、第1のコンデンサC1Aと抵抗R1との分圧回路により、発振回路140の発振出力を分圧し、第1のコンデンサC1Aの容量変化に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S11を生成する。また同様に、位置ずれ検出機構17は、第2のコンデンサC1Bと抵抗R2との分圧回路により、発振回路141の発振出力を分圧し、第2のコンデンサC1Bの容量に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S12を生成する。
【0070】
ここで発振回路140及び141は、位相が逆相で、信号レベルがほぼ等しい発振信号を出力する。抵抗R1及びR2は、同一の抵抗値に選定されるようになされている。これにより加算回路142は、分圧出力信号S11及びS12を加算して、第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bの容量差に応じてエンベロープの変化する出力信号S13を出力する。
【0071】
同期検出回路143は、この加算回路142の出力信号S13を発振回路141の出力信号で同期検波し、これにより第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bの容量差に応じて信号レベルの変化する出力信号S14を出力する。ローパスフィルタ(LPF)144は、この出力信号S14より不要な高調波成分を除去して出力する。ここで第1及び第2のコンデンサC1A及びC1Bにおいては、供給側の電極H1A及び巻き取り側の電極H1Bに対してパーフォレーション3が変位すると、容量差が変化することから、出力信号S14は、電極H1A及びH1Bに対するパーフォレーション3の相対位置を表すことになり、映画フィルム2が停止している場合は、停止位置を表すことになる。これにより位置ずれ検出機構17は、この出力信号S14を基準にして映画フィルム2の走行方向についての位置ずれ検出信号S3を生成する。
【0072】
同様にして位置ずれ検出機構17は、映画フィルム2の幅方向に対を形成する電極H2A〜H2Dについて、映画フィルム2の横方向の変位に対応するように、電極H2A、H2Cを纏めて結線して、これら電極H2A、H2Cと電極部材134とにより第3のコンデンサC2Aを形成する。また電極H2B、H2Dを纏めて結線して、これら電極H2B、H2Dと電極部材134とにより第4のコンデンサC2Bを形成する。これにより位置ずれ検出機構17は、幅方向についても、電極H2A、H2C及びH2B、H2Dによる静電容量の差を総合的に検出するようになされている。
【0073】
さらに位置ずれ検出機構17は、この第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bをそれぞれ抵抗R3及びR4に直列接続し、この抵抗R3及びR4をそれぞれ発振回路145及び146に接続する。これにより第3のコンデンサC2Aの容量変化に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S21と、第4のコンデンサC2Bの容量に応じて信号レベルの変化する分圧出力信号S22を生成する。
【0074】
発振回路145及び146は、位相が逆相で、信号レベルがほぼ等しい発振信号を出力し、抵抗R3及びR4は、同一の抵抗値に選定されるようになされている。これにより加算回路147は、分圧出力信号S21及びS22を加算して、第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bの容量差に応じてエンベロープの変化する出力信号S23を出力する。
【0075】
同期検出回路148は、この加算回路147の出力信号S23を発振回路146の出力信号で同期検波し、これにより第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bの容量差に応じて信号レベルの変化する出力信号S24を出力する。ローパスフィルタ149は、この出力信号S24より不要な高調波成分を除去して出力する。ここで第3及び第4のコンデンサC2A及びC2Bにおいては、電極H2A、H2Cと電極H2B、H2Dに対して映画フィルム2が変位すると、容量差が変化することから、出力信号S24は、映画フィルム2の幅方向の位置を表すことになり、映画フィルム2が停止している場合は、幅方向の停止位置を表すことになる。これにより位置ずれ検出機構17は、この出力信号S24を基準にして映画フィルム2の幅方向についての位置ずれ検出信号S4を生成する。
【0076】
すなわち続く材質補正回路150は、映画フィルム2の材質等により変化する出力信号S14及びS24の信号レベルを補正して出力し、位置ずれ信号検出回路151は、映画フィルム2が停止しているタイミングでそれぞれ材質補正回路150の出力信号S43及びS44をサンプルホールドして位置ずれ検出信号S3及びS4を生成する。
【0077】
(3−1−3−1)材質補正回路の構成
図12は、材質補正回路の構成を示すブロック図であり、図13は、この材質補正回路150により信号レベルを補正する出力信号S14を表す信号波形図である。すなわち出力信号S14においては、映画フィルム2が走行している走行期間の間、電極H1A及びH1Bに対するパーフォレーション3の位置が周期的に変化することにより、映画フィルム2の誘電率等により決まる振幅で正弦波状に信号レベルが変化する。これにより材質補正回路150は、この走行期間における出力信号S14の振幅、直流レベルにより、出力信号S14及びS24について、続く停止期間の信号レベルを補正し、映画フィルム2の材質等による位置ずれ検出信号S3及びS4の変化を補正する。
【0078】
すなわち材質補正回路150は、停止期間の間、可変利得増幅回路153及び154により出力信号S14及びS24の振幅を補正し、減算回路155及び156により出力信号S14及びS24の直流レベルを補正して出力する。このとき材質補正回路150は、走行期間の間、補正信号生成回路157により送り方向の出力信号S14から補正信号S5及びS6を生成し、この補正信号S5及びS6により出力信号S14及びS24の振幅及び直流レベルを補正する。
【0079】
補正信号生成回路157は、正側ピーク検波回路159及び負側ピーク検波回路160に減算回路155の出力信号S43を与え、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号S7を基準にして、走行期間の間、それぞれ出力信号S43の正側ピーク及び負側ピークを順次検出する。
【0080】
ローパスフィルタ161及び162は、それぞれ正側ピーク検波回路159及び負側ピーク検波回路160の出力信号を帯域制限し、これにより正側ピーク検波回路159及び負側ピーク検波回路160におけるピーク検出結果をそれぞれ平均値化して出力する。すなわち映画フィルム2には、1コマ当たり4つのパーフォレーション3が割り当てられていることにより、出力信号S43においては、1回の走行期間で正弦波状の脈動が4周期繰り返されることになる。これによりピーク検出結果を平均値化してノイズ、映画フィルム2の上下動等による位置ずれ検出精度の低下を有効に回避する。
【0081】
ホールド回路163及び164は、タイミングジェネレータ13より出力されるタイミング信号を基準にして走行期間が終了する時点で、それぞれローパスフィルタ161及び162の出力信号をサンプルホールドして出力する。
【0082】
減算回路166は、走行期間においては、標準の利得制御信号を補正信号S5として出力するのに対し、停止期間においては、ホールド回路163及び164より出力されるサンプルホールド結果を減算して補正信号S5を出力する。これにより補正信号生成回路157は、可変利得増幅回路153及び154の利得を出力信号S43の振幅Wを一定値に設定する利得に設定して、停止期間の間、出力信号S43の信号レベルを補正する。
【0083】
加算回路167は、走行期間においては、補正信号S6の出力を中止するのに対し、停止期間においては、ホールド回路163及び164より出力されるサンプルホールド結果を加算して補正信号S6として出力する。これにより補正信号生成回路157は、出力信号S43の直流レベルを一定の直流レベルL1に設定するオフセット電圧を、停止期間の間、減算回路155及び156に供給して、出力信号S43及びS44の信号レベルを補正する。
【0084】
(3−1−3−2)位置ずれ信号検出回路
図1に示すように、位置ずれ信号検出回路151は、タイミング信号生成回路170により生成したタイミング信号MM2を基準にして、停止期間の開始のタイミングで出力信号S43及びS44をサンプルホールドし、出力信号S43及びS44より位置ずれ検出信号S3及びS4を生成して出力する。
【0085】
すなわち図14に示すように、位置ずれ信号検出回路151は、タイミング信号MM2によりオン動作するスイッチ回路171及び172を介して、出力信号S43及びS44(図14(A)及び(B))をサンプルホールドコンデンサ173及び174に出力し、各サンプルホールドコンデンサ173及び174の端子電圧をボルテージフォロワ回路構成の演算増幅回路175及び176より位置ずれ検出信号S3及びS4として出力する。
【0086】
タイミング信号生成回路170は、出力信号S44に比して振幅の大きな出力信号S43を比較回路(COM)180に入力し、ここで所定の比較基準との比較結果を得ることにより、出力信号S43の脈動に応動して信号レベルが切り換わる比較信号COM1(図14(C))を生成する。続くモノマルチバイブレータ(MM)181は、リトリガブルのモノマルチバイブレータで形成され、比較信号COM1の信号レベルの立ち上がりに同期して信号レベルが立ち上がった後、この立ち上がりより一定期間T1経過して比較信号COM1の信号レベルが立ち下がっていると、信号レベルの立ち下がるタイミング信号MM1(図14(D))を生成する。これによりモノマルチバイブレータ181は、出力信号S43の脈動が繰り返えされなくなると、タイミング信号MM1の信号レベルを立ち下げるようになされている。
【0087】
続くモノマルチバイブレータ(MM)182は、このタイミング信号MM1の立ち下がりより一定期間T2だけ信号レベルの立ち上がるタイミング信号MM2(図14(E))を生成し、スイッチ回路171及び172は、このタイミング信号MM2の立ち上がりに同期してオン動作する。これによりタイミング信号生成回路170では、実際の映画フィルム2の走行結果より、停止期間の開始を示すタイミング信号MM2を生成するようになされている。
【0088】
これにより位置ずれ信号検出回路151は、このタイミング信号MM2の立ち上がりのタイミングで出力信号S43及びS44をそれぞれサンプルホールドしてなる位置ずれ検出信号S3及びS4(図14(F)及び(G))を出力する。なおこの実施の形態において、タイミングジェネレータ13は、このタイミング信号MM2の立ち下がりのタイミングを基準にして、照明光の照射のタイミング、テレビジョンカメラ19の撮像のタイミングを指示するタイミング信号T4(図14(H))を生成するようになされ、これにより映画フィルム2が確実に停止した状態で各コマを撮像するようになされている。
【0089】
(3−2)光軸補正機構
図15は、光軸補正機構18の光学系73を示す斜視図であり、この光学系73では透明板状部材でなる板ガラス190及び191の傾きを変化させて、映画フィルム2より得られる透過光Lの光軸を可変する。すなわち板ガラス190及び191は、テレビジョンカメラ19の光学系の光軸に対して、入出射面が直交する位置を基準位置として、透過光Lの光路上に配置される。
【0090】
このうちゲート部70側の板ガラス190は、映画フィルム2により形成される画像に対して、垂直方向に延長する軸棒192が両端面に取り付けられ、この軸棒192を回動軸にしてモーター193により矢印Hで示すように回動するようになされている。またテレビジョンカメラ19側の板ガラス191は、映画フィルム2により形成される画像に対して、水平方向に延長する軸棒194が両端面に取り付けられ、この軸棒194を回動軸にしてモーター195により矢印Iで示すように回動するようになされている。
【0091】
これにより光軸補正機構18は、モーター193及び195を駆動して板ガラス190及び191を傾けて、板ガラス190及び191が基準位置より傾いた分、透過光Lの光軸を変位させることができるようになされ、その分テレビジョンカメラ19により撮像される画像の位置を変位させることができるようになされている。
【0092】
モーター193及び195は、それぞれ角度センサ197及び198を有し、この角度センサ197及び198により基準位置からの傾きを表す傾き検出信号θ4及びθ3を出力する。
【0093】
図16に示すように、光軸補正機構18は、サーボループを形成し、位置ずれ検出信号S3及びS4に対応して透過光Lの光軸を補正する。すなわち光軸補正機構18は、位置ずれ検出信号S3を増幅回路200に与え、ここで一定利得で増幅した後、減算回路201に出力する。減算回路201は、増幅回路202を介して傾き検出信号θ3を受け、位置ずれ検出信号S3より減算して誤差信号ER3を生成する。増幅回路203は、この誤差信号ER3を増幅してモーター195のドライブ回路204に出力する。これにより光軸補正機構18は、誤差信号ER3が0レベルになるように、板ガラス191を傾けて、垂直方向の画ぶれを補正する。
【0094】
また光軸補正機構18は、位置ずれ検出信号S4を増幅回路205に与え、ここで一定利得で増幅した後、減算回路206に出力する。減算回路206は、増幅回路207を介して傾き検出信号θ4を受け、位置ずれ検出信号S4より減算して誤差信号ER4を生成する。増幅回路208は、この誤差信号ER3を増幅してモーター193のドライブ回路209に出力する。これにより光軸補正機構18は、誤差信号ER4が0レベルになるように、板ガラス190を傾けて、水平方向の画ぶれを補正する。
【0095】
(4)実施の形態の動作
以上の構成において、供給リール7及び巻き取りリール8に保持された映画フィルム2は(図4)、映画フィルム2の送り方向に応じて、それぞれテンションアーム26及び34により付勢されるガイドローラー27、35により与圧を受けた状態で、パーフォレーション3(図3)に比して歯を小型形状に形成した送り側連続送りスプロケット29又は37により等速度で間欠送り動作部21に送出される。
【0096】
この間欠送り動作部21において、映画フィルム2は、連続送りと間欠送りとの緩衝部を形成する所定の弛みを経た後、パーフォレーション3に比して歯を小型形状に形成した間欠送りスプロケット50の一側面により、ガイドローラー44〜47により形成されるループ形状のフィルム走行経路に間欠的に送り出され、間欠送りスプロケット50の他の側面によりこのフィルム走行経路より引き出された後、同様の緩衝部を介して連続送り側に送出される。これにより映画フィルム2は、ループ形状の根元部分において1の間欠送りスプロケット50により間欠送りされ、レジストーションピンにより間欠送りする場合のような損傷が有効に回避される。またテレシネ装置1の構成を全体として保守点検の容易な簡易な構成とすることができる。
【0097】
このループ形状のフィルム走行経路において、映画フィルム2は、処理位置でなるゲート部70に対して、走行側及び巻き取り側が対称形状に形成されたフィルム走行経路を走行する。またガイドローラー44〜47のうちの、間欠送りスプロケット50側に配置されたガイドローラー44、47(図6)が電磁ブレーキ93及び94により映画フィルム2の送り方向に応じて、常時固定されたガイドローラーに動作を切り換えることにより、フィルム走行方向に対してゲート部70の手前側で与圧が加えられる。これにより映画フィルム2は、巻き取り側、供給側の何れの方向に走行する場合でも、同一の条件により走行する。
【0098】
さらに映画フィルム2は、このようにして走行するループ形状のフィルム走行経路において、ガイドローラー44〜47によりベース材側からガイドされ、これにより乳剤側の損傷が有効に回避される。さらに映画フィルム2は、ループ形状の内側より、間欠送りに同期したタイミングで光源15により間欠的に照明され、映画フィルム2を透過する透過光がループ形状の外側に配置したテレビジョンカメラ19により受光される。これによりテレシネ装置1は、テレビジョンカメラ19により映画フィルム2を乳剤側から撮像でき、簡易な構成により高品位の映像信号S1を出力することができる。
【0099】
さらに映画フィルム2は、この光源15により照明される停止位置の位置ずれが位置ずれ検出機構17(図2)により検出され、この検出結果より光軸補正機構18により透過光の光軸が補正され、これにより画ぶれが補正されて高品位の映像信号S1を出力することができる。
【0100】
この一連の間欠送りと映画フィルム2の処理において、映画フィルム2は、ループ形状を形成するガイドローラー44〜47のうちの、間欠送りスプロケット側のガイドローラー44及び47(図6)がそれぞれバネ92及び94によりループ形状を大きくする方向に付勢され、さらにエアーダンパ96及び97によりループ形状を小さくする方向には急激に変位されないように保持されていることにより、コマ送り時の急激なテンションの変化に対しては電磁ブレーキ93又は94が解除されて動作状態にあるガイドローラ44又は47によりループ形状を大きくする方向に与圧を受けた状態で、一定位置に保持されたこれらガイドローラ44又は47によりガイドされて走行し、走行を停止した状態では、動作状態にあるガイドローラ44又は47によりループ形状を大きくする方向に与圧を受ける。これにより映画フィルム2は、間欠送りによる映画フィルム2の急激なテンションの変化には応答しないように保持されたガイドローラ44、47によりガイドされて、また経時変化、温度、湿度等により伸縮した場合には、このガイドローラ44又は47の変位により伸縮が吸収されて、何ら伸縮していない映画フィルム2と同一の条件により間欠送りされる。また歯の小さな間欠送りスプロケット50によっても、ガイドローラ44、47による与圧によりバックラッシュを有効に回避して確実に間欠送りされ、これらのことから映画フィルム2が伸縮している場合でも、この伸縮による位置決め精度の劣化が有効に回避される。
【0101】
また間欠送りするステッピングモーター58(図7)に関して、位置ずれ検出機構17により検出された走行方向の位置ずれ検出信号S3から、補正データ生成回路105においてステッピングモーター58のパルス数に対応する送り量補正データD5が生成され、この送り量補正データD5によりレジスタ101Aに保持された送り量データD1が補正されることにより、映画フィルム2においては、直前のコマ送りによる位置ずれ検出結果により続くコマ送り量が補正される。これにより映画フィルム2では、連続するコマ送りにおいて、直前のコマ送り結果が続くコマ送りに反映されて、各コマ4の停止位置が基準位置に近づくように、送り量が順次補正される。従って伸縮した映画フィルム2においては、停止位置のおける位置ずれの累積が解消されて位置決め精度が向上し、また伸縮していない映画フィルムについても、コマ送りのばらつきが解消されて位置決め精度が向上される。
【0102】
この位置ずれの検出は(図10)、映画フィルム2の走行方向と幅方向とに対応してガイドシュー110に配置された複数の電極H1A〜H2Dと、映画フィルム2を間に挟んでこのガイドシュー110と対向する可動側ピクチャーゲート72(図8)の電極部材134とにより複数のコンデンサC1A〜C2B(図11)を形成し、映画フィルム2の変位に伴うこれらのコンデンサC1A〜C2Bの容量変化を検出して実行される。すなわちこれらのコンデンサC1A〜C2Bと抵抗R1〜R4によりそれぞれ形成される分圧回路の出力電圧S12〜S22より、映画フィルム2の変位方向に対応して信号レベルの変化する変位信号S13、S14を生成した後、この変位信号S13、S14より停止位置における信号レベルを検出して位置ずれが検出される。これにより簡易な構成で、かつ高い精度で位置ずれ検出でき、その分精度良く画ぶれを補正して高品位の映像信号S1を出力することができる。
【0103】
この位置ずれ検出に使用される電極121(図9)は、絶縁性のセラミックス材に導電性のセラミックス材を配置して形成され、これらセラミックス材においては磨耗に強いことにより、これにより長時間の使用による電極の磨耗が低減され、その分電極121の偏磨耗による検出精度の劣化が有効に回避される。また表面を研磨して滑らかにしたことによっても、映画フィルム2の滑りが良くなり、その分電極121の磨耗が低減される。また1コマに対応する4つのパーフォレーションに対して、一部電極に代えて形成された切り欠き125を介して、映画フィルム2の停止期間で光源15よりパーフォレーション3が照明され、このパーフォレーション3が停止して観察されるとき、映画フィルム2は正しく間欠送りされていると判断することができる。これにより簡易に映画フィルム2の画ぶれの状況を観察することができる。
【0104】
これらの電極121が配置されるゲート部70において(図8)、フィルム走行方向に延長するガイドシュー110に対して、このガイドシュー110の両側にて、フィルム押え130がバネ132によりガイドシュー110側に押圧されてベース材131に保持されていることにより、映画フィルム2は、ガイドシュー110上を走行する際に、フィルム押え130によりガイドシュー110に押圧されて保持される。これにより電極121を走行する際に、映画フィルム2は、厚さ方向の変位が低減され、その分位置ずれ検出精度の劣化が有効に回避される。また映画フィルムの繋ぎ目、ゴミ等については、映画フィルム2を押圧し続けた状態でバネ132が収縮してフィルム押え130が変位することにより、これら映画フィルム2の繋ぎ目、ゴミ等があっても映画フィルム2は傷つくことなくフィルム押え130を通過する。
【0105】
さらにこのゲート部70において、電極121の対向電極が電極部材134により形成され、ベース材131に形成された凸部136により、この電極部材134の電極121側への変位が制限された状態で、バネ135によりこの電極部材134が電極121側に押圧される。これにより、映画フィルム2の繋ぎ目において、バネ132が収縮して電極部材134が変位し、映画フィルム2の損傷が有効に回避される。またゴミ、変形したパーフォレーション等によりフィルム押え130が変位しても電極部材134がガイドシュー110の電極121に対して一定間隔に保持され、これによりゴミ等による静電容量の変化が有効に回避され、その分高い精度で位置ずれを検出することができる。
【0106】
このようにして映画フィルム2を間に挟んで対向する電極の静電容量により検出される検出結果は、この静電容量を変化させる要因でなる映画フィルム2の誘電率、厚さ等によっても変化することになる。このため映画フィルム2の位置ずれの時間経過を表してなる差分信号生成回路139(図11)の出力信号S14及びS24は、材質補正回路150において(図12及び図13)、走行期間の信号が可変利得増幅回路153及び154により一定利得で増幅された後、減算回路155及び156により何ら処理を受けることなく出力され、補正信号生成回路157において、この期間の振幅及び直流レベルが検出される。この検出結果でなる補正信号S5及びS6より、続く停止期間の出力信号S14及び24は、可変利得増幅回路153及び154により走行期間の振幅が所定値になる利得で増幅された後、続く減算回路155及び156において走行期間の直流レベルが0レベルになるように直流レベルが補正されて出力される。これにより材質等による位置ずれ検出精度の劣化が有効に回避される。
【0107】
このとき補正信号S5及びS6は、振幅の大きな出力信号S14より生成され、また走行期間の4回の脈動に対応する正側及び負側ピーク検波結果がローパスフィルタ161及び162により平均値化されて生成され、これらによっても位置ずれ検出精度の劣化が有効に回避される。
【0108】
このようにして利得、直流レベルが補正された出力信号S43及びS44は、続く位置ずれ信号検出回路151において(図13及び図14)、停止期間の開始のタイミングでサンプルホールドされて(171〜176)、それぞれフィルム走行方向及びフィルム幅方向の位置ずれ検出信号S3及びS4が生成される。このとき振幅の大きな出力信号S14は、タイミング信号生成回路170において、脈動に同期した2値信号に変換された後、この2値信号より脈動が停止してなる停止期間の開始のタイミングが検出され、この検出したタイミングにより出力信号S43及びS44がサンプルホールドされて位置ずれ検出信号S3及びS4が生成される。これにより別途映画フィルム2の走行停止を検出する検出手段等を設けなくても、映画フィルム2の走行停止を確実に検出して位置ずれ検出信号S3及びS4を生成することができる。
【0109】
このようにして検出された位置ずれ検出信号S3及びS4は、光軸補正機構18(図15及び図16)において、映画フィルム2からの透過光の光路上に配置たガラス板190及び191の傾きを制御するサーボループ(198、202〜204)及び(197、207〜209)に制御目標として供給され、これにより位置ずれを補正するように透過光の光軸が補正されてテレビジョンカメラ19より処理結果でなる映像信号S1が出力される。
【0110】
(5)実施の形態の効果
以上の構成によれば、電極121、134の静電容量に応じて信号レベルが変化する出力信号S43の脈動を基準にして、映画フィルムの走行停止を検出することにより、簡易な構成で、確実に映画フィルムの走行停止を検出することができる。従ってその分確実に映画フィルム2が停止した状態で位置ずれを検出することができ、位置ずれ検出精度を向上することができる。またフィルム走行系等とは独立して映画フィルムの停止を検出できることにより、その分タイミング調整等の保守点検を簡略化することができる。
【0111】
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、映画フィルムの走行停止を検出して位置ずれ検出信号を生成し、またテレビジョンカメラ19、光源15のタイミングを制御する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、走行停止の検出結果は、種々のタイミング制御に使用することができ、例えば上述の実施の形態では、材質補正回路のタイミング信号に利用することもできる。
【0112】
また上述の実施の形態においては、検出信号の脈動を基準にして映画フィルムの走行停止を検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これとは逆に映画フィルムの実際の走行を検出して種々に利用してもよい。
【0113】
さらに上述の実施の形態においては、電極と対向電極とにより形成されるコンデンサと抵抗とで分圧回路を形成し、この分圧回路の分圧電圧より位置ずれを検出する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、抵抗に代えてコンデンサとの組み合わせにより分圧回路を形成する場合、さらにはコイルとの組み合わせにより共振周波数の変位により位置ずれを検出する場合等、種々の検出手法によって得られる静電容量に応じて信号レベルが変化する検出信号を処理する場合にを広く適用することができる。
【0114】
また上述の実施の形態においては、位置ずれ検出結果より透過光の光軸を補正して画ぶれを補正する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々の画ぶれ補正手段を広く適用することができ、さらにはこの種の画ぶれ補正処理を実行しない単にフィルムを間欠的に走行させてフィルムの形状等を検査するフィルム処理装置にも広く適用することができる。
【0115】
また上述の実施の形態においては、フィルム走行経路をループ状に形成し、1の間欠送りスプロケットにより映画フィルムを間欠送りする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、種々のフィルム走行経路により、また複数のスプロケットにより映画フィルムを間欠送りする場合等にも広く適用することができる。
【0116】
さらに上述の実施の形態においては、本発明をテレシネ装置に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば映写装置、電子露光装置等にも適用することができる。
【0117】
また上述の実施の形態においては、映画フィルムを光学処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、フィルムを間欠送りして処理する種々のフィルム処理装置に広く適用することができる。
【0118】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、フィルムを間に挟んで配置した電極の静電容量により位置ずれを検出する際に、電極の静電容量に応じて信号レベルが変化する検出信号の脈動を基準にしてフィルムの走行又は停止を検出することにより、簡易な構成で確実にフィルムの走行又は停止を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るテレシネ装置の位置ずれ信号検出回路を示すブロック図である。
【図2】テレシネ装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】映画フィルム2の詳細を示す平面図である。
【図4】図2のテレシネ装置のフィルム走行系を示す平面図である。
【図5】図4のフィルム走行系の間欠送り動作部を示す平面図である。
【図6】図4のフィルム走行系の間欠送り動作部を詳細に示す平面図である。
【図7】図2のフィルム走行機構における駆動系を示すブロック図である。
【図8】ベース部を示す断面図である。
【図9】ガイドシューの構成を示す図である。
【図10】図9のガイドシューの開口の近傍を詳細に示す平面図である。
【図11】図2の位置ずれ検出機構を示すブロック図である。
【図12】材質補正回路を示すブロック図である。
【図13】図12の材質補正回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図14】図1の位置ずれ信号検出回路の動作の説明に供する信号波形図である。
【図15】図2の光軸補正機構の光学系を示す斜視図である。
【図16】図2の光軸補正機構を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……テレシネ装置、2……映画フィルム、3……パーフォレーション、4……コマ、7……供給側リール、8……巻き取り側リール、9……フィルム走行機構、10……フィルム走行系、15……光源、16……画ぶれ補正機構、17……位置ずれ検出機構、18……光軸補正機構、19……テレビジョンカメラ、50……間欠送りスプロケット、70……ゲート部、71……固定側ピクチャーゲート、73……可動側ピクチャーゲート、120……電極、134……電極部材、150……材質補正回路、170……タイミング信号生成回路、180……比較回路、181、182……モノマルチバイブレーター
Claims (3)
- パーフォレーションを備えたフィルムを間欠的に走行させて処理するフィルム処理装置において、
前記フィルムを間に挟んで対向する電極と、
前記電極間の静電容量に応じて信号レベルの変化する検出信号を出力する検出手段と、
前記検出信号の脈動を基準にして、前記フィルムの走行又は停止を検出してタイミング信号を出力するタイミング検出手段とを備える
ことを特徴とするフィルム処理装置。 - 前記タイミング信号検出手段は、
前記検出信号を2値化信号に変換する比較手段と、
前記2値化信号を基準にして所定パルス幅のパルス信号を生成する第1のパルス信号生成手段と、
前記パルス信号を基準にして前記タイミング信号を生成する第2のパルス信号生成手段とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルム処理装置。 - 前記タイミング信号を基準にして前記検出信号をサンプリングして、前記フィルムの位置ずれ検出信号を出力する位置ずれ信号検出手段と、
前記位置ずれ検出信号に基づいて、前記フィルムの位置ずれを補正する位置ずれ補正手段と、
前記タイミング信号に基づいて、照明手段により照明される前記フィルムを撮像して映像信号を出力する撮像手段とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルム処理装置。
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---|---|---|---|
JP05420796A JP3758093B2 (ja) | 1996-02-17 | 1996-02-17 | フィルム処理装置 |
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JPH09222673A JPH09222673A (ja) | 1997-08-26 |
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Family
ID=12964117
Family Applications (1)
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JP (1) | JP3758093B2 (ja) |
-
1996
- 1996-02-17 JP JP05420796A patent/JP3758093B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09222673A (ja) | 1997-08-26 |
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