JPH09222564A - 正立光学系 - Google Patents

正立光学系

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JPH09222564A
JPH09222564A JP8063626A JP6362696A JPH09222564A JP H09222564 A JPH09222564 A JP H09222564A JP 8063626 A JP8063626 A JP 8063626A JP 6362696 A JP6362696 A JP 6362696A JP H09222564 A JPH09222564 A JP H09222564A
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lens
image
parabolic
optical system
parabolic mirror
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JP8063626A
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Jiro Sekine
二郎 関根
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来の正立光学系と比べて格段に小型で、軽い
本発明の正立光学系の採用により、小型、高性能、安価
な観察光学機器又はカメラを提供できる。小型化の度合
いを光路長で比較するなら従来の48〜54%に短縮さ
れる。 【構成】主光線平行化レンズ3と接眼レンズ7の間のZ
型に折れ曲がる光軸10、11、12の屈折点に、焦点
と軸を大略共有し互いに凹面を向け合う第一、第二の放
物面鏡4、6と、前記焦点付近に配置され、像面湾曲収
差を有する像面制御レンズ5を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は観察光学機器の光学系に
関し、詳細には望遠鏡、双眼鏡、カメラのファインダー
光学系等の観察像正立化手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】望遠鏡、双眼鏡、カメラのフアインダー
光学系等における観察像正立化手段で、光束が入射する
方向と観察する方向が大略一致する正立化手段は下記が
ある。 (1)プリズム(稀に一部を反射鏡で代替)手段 ポロプリズム アッベプリズム ダハ面付きペカンプリズム ダブルアミチ(ドーブ)プリズム ダハ面付き直角プリズム+ペンタプリズム 直角プリズム+ペンタゴナルダハプリズム カールツアイスプリズム ゲルツプリズム リーマンプリズム ▲10▼Bauernfeind複合プリズム (2)レンズ手段 リレイレンズ光学系
【0003】観察光学機器の特性、形態に応じて前記の
各正立光学系手段が選択されているが、一般的には、望
遠鏡、双眼鏡にはポロプリズムまたはダハ面付きペ
カンプリズムが使われ、一眼レフレックスカメラには、
揺動ミラーを含めて考えるなら、直角プリズム+ペン
タゴナルダハプリズムが変形されて使われていると見做
され、映画撮影機やライフルスコープには▲10▼リレ
イレンズ光学系が使われる。撮影光学系とは独立したフ
ァインダー光学系を有し、かつ対物レンズにより生成す
る被写体像を観察する実像式フアインダー光学系を有す
るカメラにあっては、像の正立化手段として、ポロプ
リズム、ダハ面付き直角プリズム+ペンタプリズム、
直角プリズム+ペンタゴナルダハプリズム等が採用さ
れている。
【0004】携帯光学機器に使用する正立光学系は、得
られる像質が高品質であることは当然のこととして、小
型であることが必須条件であり、一般ユーザーが用いる
光学製品の場合には製造原価が安いことがさらに必須条
件として加わる。ガラス製プリズムは、材料の光学ガラ
スが高価であること、プリズムの研磨工程のコストが嵩
むことから、高価である。特にダハ面付きプリズムの研
磨は厳格な精度管理が、また稜線の完全さが要求される
ことからさらに製造コストが大となり、製造原価の観点
からは大きな障害を背負っている。近来、光学材料とし
てプラスチックの発達は著しく、プリズムの製造もプラ
スチックのモールド成形で行なわれることもあるが、望
遠鏡、双眼鏡、一眼レフレックスに使われる大きさのも
のは、モールド成形時のプラスチック材料の冷却時間差
に起因する局所収縮即ち所謂ヒケの発生の影響を大きく
受けるため、実用化に困難が伴う。正立光学系としての
リレイレンズ系は、リレイレンズ及びフィールドレンズ
をプラスチックで安価に成形することが可能ではある
が、長い光路長を必要とすることから、前後に長い本体
を有するライフルスコープや映画撮影機等、使用する範
囲は限定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み従来の望遠鏡、双眼鏡、カメラのファインダー等の
高品質の観察光学機器または観察光学系ユニットを小型
軽量にまとめ、安価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
する光学系は、 (1)被観察像を構成する各像点から、接眼レンズ方向
に向かって放射される、各々の光束内の主光線を平行化
する主光線平行化レンズ (2)被観察像から接眼レンズに向かって放射される全
有効光束の中心に位置する観察光学系の第一の光軸に対
して、放物面軸が平行で、かつ放物面焦点が前記全有効
光束の光路外に位置し、観察光学系の前記第一の光軸を
中心として広がりかつ入射光束に対し凹面側を向ける第
一の放物面鏡 (3)観察光学系の前記第一の光軸が前記第一の放物面
鏡により反射されて生成する観察光学系の第二の光軸上
の、前記第一の放物面鏡の放物面焦点位置に、その第一
主点が位置し、ある場合には観察光学系の前記第二の光
軸と、その光軸が一致しないように配置された像面制御
レンズ (4)前記像面制御レンズの第二主点に放物面焦点が位
置し、第一の放物面鏡の放物面軸と平行な放物面軸を有
し、観察光学系の前記第二の光軸を中心として広がり、
かつ入射光束に対し凹面側を向ける第二の放物面鏡 (5)観察光学系の前記第二の光軸が前記第二の放物面
鏡によって反射され、観察光学系の前記第一の光軸と平
行になるように生成された観察光学系の第三の光軸上に
設けられた接眼レンズを備えたことを特徴とする。
【0007】被観察像は、望遠鏡または双眼鏡の対物レ
ンズ等により生成する物体像でもよいし、一眼レフレッ
クスカメラの撮影レンズにより生成する被写体像であっ
てもよい。撮影光学系とは別の光学系から成るフアイン
ダー光学系を有するカメラにおいては、ファインダー対
物レンズにより生成した被写体像であってもよいし、ま
たある場合には顕微鏡対物レンズよる物体像であっても
よい。被観察像は、前記対物レンズまたは撮影レンズ等
屈折光学系により生成する物体像ばかりではなく、反射
望遠鏡等の反射光学系、さらには反射、屈折混合型のカ
タディオプトリック光学系によって生成される物体像で
あってもよい。即ち、適用される観察像の生成手段、像
の用途、像の種類・性質は一切問わない。
【0008】一般に対物レンズ等により生成する物体像
の光束は結像後、発散光束となるから、接眼レンズの入
射瞳に光束を集めるために、対物レンズの瞳像を接眼レ
ンズの入射瞳位置に生成させるフィールド(視野)レン
ズを、物体像位置付近に設けるのが通例である。本発明
の観察像正立化手段においても、物体像からの光束を接
眼レンズに有効に集めるための光学手段は必要である
が、さらに、もう一つ機能を加える必要がある。
【0009】本来、放物面鏡を像生成手段として使用す
る場合、平行光束に対して球面収差がゼロになる。有限
距離にある被観察像から発する光束中の全ての光線を平
行化することは出来ないが、主光線(被観察像を構成す
る像点のうちのある1点から発し、接眼光学系の入射瞳
に入射する光束の中心に位置する光線)を平行化するこ
とにより、収差を少なくすることが出来る。
【0010】本発明の観察像正立化手段においては、前
記理由により、収差を押さえるために、平行な主光線を
有する光束を第一の放物面鏡に入射させることが望まし
い。主光線を平行化する主光線平行化レンズ(以後平行
化レンズとする)は、物体像位置付近乃至は、物体像と
第一の放物面鏡の間に配置してもよい。物体像を形成す
る光束の主光線が既に大略平行になっている、テレセン
トリックタイプの光学系を対物レンズとして採用するな
ら前記平行化レンズを配置する必要ははない。
【0011】また、ある場合には、一旦像を形成した
後、発散に転じた発散光束を、主光線が平行な(太い)
光束に換える凸の平行化レンズを、被写体像から離れた
第一放物面鏡寄りの位置に設けてもよい。
【0012】第一放物面に比し物体像が大きい場合は、
光束を絞り全体として収斂光束とする第一の凸(正)レ
ンズを物体像位置付近にまず設け、収斂光束を主光線が
平行な(細い)光束に換える凹(負)の第二の平行化レ
ンズを、第一放物面の近傍に設けてもよい。即ち、平行
化レンズは複数枚で構成されてもよい。
【0013】平行化レンズは、射出される主光線が平行
光線になるように配置された、一種のフィールドレンズ
であると云えるし、対物レンズと前記平行化レンズをひ
っくるめて考えるなら、一種のテレセントリック光学系
を形成しているとも云える。
【0014】平行化レンズはガラス製でもよいが、安価
なプラスチック製としてもよいし、また、非球面レンズ
としてもよいし、被観察像の近傍に設けられる場合に
は、フレネルタイプレンズとしてもよい。
【0015】第一放物面鏡は、その焦点を前記第一放物
面に入射する全有効光束の光路外に位置させるようにす
るため、放物面の軸から外れた部分を使う。
【0016】本放物面鏡はプラスチックのモールド等に
よる成形方法で成形し、表面を銀、アルミニウム等で鏡
面処理する製造方法を採用してもよい。また、取り付
け、位置決めのための形状を同時に成形することが望ま
しいが、成形時のヒケ防止のため、放物面鏡の部分は可
能な限り均一な厚さとし、位置決めや取り付けの機能部
は、使用する放物面鏡の範囲から外れたところに設ける
ことも、良好な放物面鏡を得る望ましい手段である。ま
た第一、第二の放物面鏡を同時一体成形することも望ま
しい製造方法である。
【0017】放物面鏡の傷付きを防止するため、表面に
硬い透明物質でコーティングを施すことや、また反射率
を高めるコーティングを施すことも望ましい手段であ
る。
【0018】第一放物面の焦点付近に設けられる像面制
御レンズは、単レンズでもよいし、複数枚の要素から成
る複合レンズでもよい。また全ての面乃至一部の面に非
球面を用いてもよい。レンズ素材は、ガラスでもよい
し、プラスチックでもよい。一般的には像面制御レンズ
の光軸は前記第二の光軸に一致するように設けられる
が、後述するように、前記第二の光軸に対し傾けて設け
てもよい。
【0019】本像面制御レンズは、観察される像の像
面、詳細には第二の放物面により生成する、前記被観察
像の虚像面を平坦化するために、本像面制御レンズに対
して凹の像面湾曲を持たせることも望ましい実施様態の
ひとつである。
【0020】第二の放物面鏡は、放物面軸が第一の放物
面鏡の軸と平行であり、放物面焦点が第一の放物面鏡の
焦点と大略一致、乃至は像面制御レンズの第二主点に一
致し、互いに凹面側を向け合ってて配置され、全有効光
束をカバーする大きさを有する。
【0021】第二の放物面鏡の製造方法、鏡面の処理方
法、取り付け・位置決めのために必要とされる機械的形
状の成形方法等は、前記第一の放物面鏡と基本的に変わ
るところはない。
【0022】本正立光学系の接眼レンズは、一般の観察
光学系に用いられる接眼レンズと、基本的に変わるもの
ではない。但し、放物面反射鏡を使用することから生ず
る特性、例えば第二の放物面によって生ずる虚像の湾曲
を補正することなどが必要な場合があるが、これらに必
要とされる技術は従来の公知の技術で対応できる。
【0023】
【作用】観察光学系における正立光学系の作用は、被観
察像から発する全有効光束を、光軸に対し180度回転
させる作用に他ならない。本発明の作用を、被観察像を
構成する各点から発する主光線の光路について説明す
る。被観察像を構成する各像点から発し、平行化レンズ
により平行光線に整えられた主光線は、第一の放物面鏡
で反射され、第一の放物面鏡の焦点付近に設けられた像
面制御レンズを通過すると同時に交差し、第二の放物面
鏡に入射し反射され、平行光線となり、接眼レンズに到
る。前記の光路を経由することにより、被観察像から発
した主光線の光路は光軸を中心として、180度回転す
る。
【0024】次に本発明の観察光学系において、各光学
要素によるリレイ像の位置と像面について説明する。被
観察像を構成する各像点から発し、平行化レンズを通過
して、主光線が平行化された光束は、第一の放物面鏡に
より反射され、像面制御レンズを通過し、像面制御レン
ズと第二の放物面の間に、被観察像のリレイ像を生成す
る。像面制御レンズの詳細は実施例で述べるが、ここで
は像面制御レンズの像面が、像面制御レンズに対して凹
の像面湾曲(収差)を持たせることにより、第二の放物
面によって生成される虚像面を平坦化できること、及び
像面制御レンズの焦点距離の長短により、前記虚像面の
光軸に対する垂直度(倒れ)を制御できることを述べる
にとどめる。
【0025】前記像面湾曲を有する像面制御レンズを通
過した光束は、像面制御レンズと第二の放物面鏡の間
に、像面が像面制御レンズ側に凹の曲面を有する被観察
像のリレイ像(実像)を形成する。湾曲した前記リレイ
像から発する光束は、第二の放物面鏡により接眼レンズ
に向けて反射されるが、前記リレイ像は、本第二の放物
面鏡により第二の放物面鏡の裏側に虚像として生成す
る。
【0026】第二の放物面鏡により生成する虚像の像面
の平坦度は、像面制御レンズの像面湾曲(収差)の度合
いによって制御できる。詳細は実施例で述べる。また、
像面制御レンズの焦点距離の長さを調節することによ
り、第二放物面によって生成する虚像面の、前記第三の
光軸に対する垂直度(倒れ)を制御することが出来る。
さらにまた、像面制御レンズの光軸を、前記第二の光軸
に対して、僅かに傾け設けることによっても、前記虚像
面の倒れを制御することが出来る。
【0027】以上述べた如く、構成要素としては、2枚
の放物面鏡と1ケの像面制御レンズ、またある場合には
主光線平行化レンズが付加されるだけの構成である。こ
れらの部品はすべて単純な形状で、かつプラスチック成
形によって、容易に必要な精度を出すことができる光学
要素である。
【0028】また、従来の正立光学系の光路長は、最も
短いポロプリズムにおいても、通過する光束の太さの
4.6倍、また頻繁に使用されるアミチプリズム+ペン
タプリズムにおいては5.15〜5.21倍の光路長を
必要とするが、本発明の正立光学系は、後述の実施例の
如く、2.5倍前後の光路長を必要とするに過ぎない。
観察光学機器の正立光学系要素として、本発明の正立光
学系を採用するなら、高精度でかつ小型の観察光学機器
を安価に提供できることになる。
【0029】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
は本発明の光学系第1実施例の斜視図である。図1にお
いて、対物レンズ1は物体像2を生成する(説明の簡単
化のために、水平方向物体像とした)。物体像2を構成
する像点2C(観察光学系第一の光軸上の点像)、2
L、2Rから発する主光線10、10L、10Rは主光
線平行化レンズ3を通過して、平行光線10、10’
L、10’Rになる。主光線平行化レンズ(以後平行化
レンズと呼称)3は、一種のフィールドレンズである
が、射出する主光線が平行になるよう配置される。
【0030】前記平行化レンズ3の配置を詳述するな
ら、平行化レンズ3はその対物側焦点が対物レンズ1の
像側主点と一致するように配置される。また平行化レン
ズ3により、物体像2は有限距離に虚像2’を生成す
る。平行化レンズ3は、前記の如く物体像2から離れた
位置に配置されてもよいし、物体像2の位置に配置され
てもよい。また、ある場合には後述の如く、凹レンズを
用いることもある。要は平行化レンズ3を通過した主光
線が平行光線を成せばよい。
【0031】平行化レンズ3を通過して、主光線10、
10’L、10’Rが平行光線に整えられた全光束は、
光学系に適した太さの光束に調節され、第一の放物面鏡
4に入射する。
【0032】第一の放物面鏡4は、その放物面の軸20
が本観察光学系第一の光軸10(前記主光線10と一
致)と平行であり、またその放物面の焦点0が本第一の
放物面鏡4に入射する光束の外に位置し、その放物面の
大きさは、物体像2からの光束を有効に反射させるよう
に、観察光学の前記光軸10を中心に広がる。
【0033】第一の放物面鏡4により反射され、収斂光
線に変換された主光線11、11L、11Rは、前記第
一の放物面鏡4の焦点0に設けられた像面制御レンズ5
に入射する。説明の簡単化のため、像面制御レンズ5は
肉薄レンズとする。
【0034】像面制御レンズ5を通過するとき、収斂す
る主光線11、11L、11Rは交差し発散光線に換わ
り第二の放物面6に入射する。
【0035】発散する主光線11、11L、11Rは第
二の放物面鏡6により、放物面鏡の軸20に平行に、か
つ互いに平行な主光線12、12L、12Rとして反射
され、接眼レンズ7に入射する。
【0036】図2は、図1に示した第一実施例の放物面
鏡の軸20および光軸10、11、12を含む平面にお
ける断面図である。図2において、両放物面鏡4、6の
一致させた焦点oを原点とするx−y座標面を設定し、
本座標面上に各光学要素の横断面を配置し、光学要素及
び生成像の関係位置を実寸法を与えて説明する。単位は
ミリとする。
【0037】図2等の説明において、実施例説明のため
に数式、数値を与えるが、本発明はここに与えた数値、
数式に限定されるものではない。
【0038】前記放物面の焦点位置0を原点とするx−
y座標において、両放物面鏡4、6の放物面は、放物面
の軸をx=0とし、放物面の式を下記とする。 第一の放物面鏡4の放物面: y= 1/64・x−16 ・・・ 第二の放物面鏡6の放物面: y=−1/40・x+10 ・・・
【0039】従って両放物面の頂点は下記の点に位置す
る。 第一の放物面鏡4の頂点:(0,−16) 第二の放物面鏡6の頂点:(0,10)
【0040】光学系の光軸10、12(光束の中心光線
と一致)は下記とする。 光軸10 : x=18 光軸12 : x=11.3
【0041】主光線10’Lと10’Rの間隔(第一の
放物面4に入射する光束の横幅に大略相当)及び主光線
12’Lと12’Rの間隔(第二の放物面6に入射する
光束の横幅に大略相当)は下記の値とする。 間隔10’L−10’R: 24.4ミリ 間隔12’L−12’R: 15.3ミリ
【0042】焦点距離が29.64ミリの肉薄対物レン
ズ1は、肉薄対物レンズ1の中心が点(18,50)に
位置するように配置され、無限遠物体(図示せず)の肉
薄対物レンズ1による生成像2は、y=20.36上に
生成する。肉薄平行化レンズ3は、焦点距離が43.8
ミリで、肉薄の平行化レンズ3の中心点が点(18,
6.2)に位置するように配置され、物体像2の平行化
レンズ3による虚像2’はy=27.12上に位置す
る。
【0043】像面制御レンズ5を設けない場合、虚像
2’を構成する像点2’C、2’L、2’Rの、放物面
鏡4によるリレイ像は、著しく暴れた面になり、以後収
拾がつかなくなる。図示はしないが、像点2’Lはx−
y座標の第四象限遥か右遠方に虚像を生じ、像点2’
C、2’RはX−Y座標の第二象限に実像を生ずる。
【0044】像面制御レンズ5は、第一の放物面鏡4だ
けでは暴れる像面を、目的に適う像曲面9に整え、接眼
レンズ7から観察される、第二の放物面鏡6により生成
する虚像面8を平坦化し、光軸12に対する倒れを少な
くする機能を持つ。
【0045】図3に、像面が平坦な(像面湾曲収差がな
い)像面制御レンズ5の焦点距離を、7.5ミリ、8.
5ミリ、10ミリの3段階種に変化させた場合の、生成
する虚像の像面8を示す。
【0046】図3において、虚像面8−7.5は7.5
ミリの像面制御レンズを用いた場合の、虚像面8−8.
5は8.5ミリの像面制御レンズを用いた場合の、また
虚像面8−10は10ミリの像面制御レンズを用いた場
合の虚像面を示す。図3から、像面制御レンズ5の焦点
距離が8.5ミリの場合、像面の傾きが少なくなる。即
ち、焦点距離の長短により、像面8の倒れを制御できる
ことが判る。但し、図から明らかなように、各虚像面8
は全て、観察光学系の被観察像面として許容限界を越え
ると思われる、可成り大きい像面湾曲を有している。
【0047】虚像面8の像面湾曲は、像面制御レンズ5
に像面湾曲を持たせることにより平坦化できる。図2に
示す第1実施例は、像面制御レンズ5に像面湾曲を持た
せて、虚像面8を平坦化している。図2に示す第1実施
例における像面制御レンズ5は下記仕様である。 焦点距離 f=8.5ミリ 像面湾曲曲率半径 r=20.1ミリ(像面制御レンズ
6側に凹) 但し、レンズ光軸は、原点0を中心に光軸12に対し、
x−y平面上で0.4゜時計方向に水平に振ってある。
【0048】前記仕様の像面制御レンズ5と、第一の放
物面鏡4により、生成される被観察像2の実像面9は近
似的に下記の放物面上に生成される。 y=−1/19. 6・x+4.9 ・・・
【0049】上記式の放物面上に生成された実像9は
第二の放物面6によりy=20.7の付近に、平坦な像
面を有する虚像8となる。
【0050】前記像面制御レンズ5は、肉薄レンズとし
て記述したが、実際には肉厚レンズになる。図4に、像
面制御レンズ5を肉厚レンズとした場合の、像面制御レ
ンズ5及び第一、第二放物面4、6の配置方法を示す。
第一の放物面鏡4の焦点F1に像面制御レンズの第一主
点H1が配置され、像面制御レンズ5の第二主点H2に
第二の放物面鏡6の焦点F2が配置される。また、平行
化レンズ3も肉薄レンズとして記述したが、実際には肉
厚レンズとして何ら支障はない。
【0051】図1及び図2に示した実施例は、対物レン
ズ1を有する光学装置、例えば撮影光学系とは別のファ
インダー光学系を有するカメラ(所謂コンパクトカメ
ラ)に適用した場合の実施例である。
【0052】次に一眼レフレックスカメラに本発明の正
立光学系を適用した第二の実施例を図5に示す。撮影レ
ンズ21から入射した被写体からの光束は、像観察時に
は光軸34に対して45゜傾けて配置され、撮影時には
撮影光学系光路から退避する揺動ミラー22ににより上
方に反射され、ファインダースクリーン24上に被写体
像を生成するが、これら撮影レンズ21、揺動ミラー2
2、ファインダースクリーン24からなる光学系は、従
来の一眼レフレックスカメラと基本的には変わらない。
【0053】従来、一眼レフレックスカメラは、左右上
下正しい姿勢の被写体像が観察できるように、ファイン
ダースクリーンの上方に、ペンタゴナルダハプリズムを
設け、接眼レンズに光束を導いていた。図5に示す実施
例においては、ペンタゴナルダハプリズムの替わりに、
ミラー25と共に本発明の正立光学系を採用している。
【0054】集光作用を有するファインダースクリーン
24から上方に発した光束は、ミラー25により、後方
に反射され、平行化レンズ3に入射する。図5に示す平
行化レンズ3は、凹(負)レンズであり、ファインダー
スクリーン24により収斂作用を受けた光束中の各主光
線を平行光線に換える。
【0055】平行化レンズ3は、前記第一の実施例で述
べた如く、正レンズの場合もあるし、或いはまた第二の
実施例で述べた如く負レンズの場合もある。
【0056】平行化レンズ3を負レンズとした実施例に
おける光路を図6に示す。図6において被写体像2から
発する主光線10L、10Rは、ファインダースクリー
ンの集光作用を受け(ミラー25省略)平行化レンズ3
に入射し、平行な主光線10’L、10’Rに変わり、
被写体像2の虚像2’を生成する。以後接眼レンズ7ま
での光学系、及び光路は、図2に示す光路と基本的には
変わらない。
【0057】大きく、重く、高価なペンタゴナルダハプ
リズムまたは、Bauernfeind複合プリズムの
替わりに、前記両プリズムに比較し製造が容易かつ安価
で、丈が30パーセント小さく、重さが少なくとも半減
する本発明の正立光学系を採用することにより、小型で
かつ安価な一眼レフレックスカメラが可能になる。
【0058】特に、60ミリ幅の所謂ブローニーフィル
ムを使用する中判カメラに、従来のペンタゴナルダハプ
リズムまたは、Bauernfeind複合プリズムを
採用する場合は前記両プリズムの、大きく、重く、高価
である欠点が著しく現われるが、本発明の正立光学系を
採用するならば、前記欠点が大幅に軽減される。
【0059】次に、フランジバックを顕著に短縮くし
た、超小型の一眼レフレックスカメラに本発明の正立光
学系を採用した実施例を、図7、図8に示す。写真フィ
ルムやCCD等の画像面に生成する被写体像をファイン
ダー光学系に導く技術手段については、U.S.Pat
ent No.5,481,324に詳細に記述されて
いる。ここでは、超小型一眼レフレックスカメラの光学
系について、本発明の正立光学系に導くための手段につ
いて概略を述べるにとどめる。
【0060】図7において、撮影レンズ21から入射
し、プリズム31、及び32を通過した光束は、写真フ
ィルム等の感光面の前面に配置されたフレネルミラー3
3により、上向き前方に反射され、プリズム面32bか
らプリズム32に入射し、プリズム面32aで後方上向
きに全反射され、再びプリズム面32bで上向き前方に
全反射され、銀鏡等の鏡面処理されたプリズム面32c
で後方に反射され、プリズム32から射出される。撮影
時は、フレネルミラー33は撮影光学系から上方へ平行
移動退避し、被写体像は写真フィルム等の感光面に達す
る。
【0061】フレネルミラー33で収斂作用をうけた光
束は、平行化レンズ3により主光線が平行光線となり、
第一の放物面鏡4に入射する。
【0062】図8に、図7における撮影光学系光軸34
を含む垂直断面と、観察光学系光軸12を含む垂直断面
を重ね合わせて示す。図7、図8に示す正立光学系仕様
は図6に示した正立光学系の仕様と大略同一である。但
し後述するように、像面制御レンズ5が設置される姿勢
がわずかながら異なる。
【0063】図8において、平行化レンズ3の後方から
眺めると、倒立した被写体像2”が約12゜手前に傾い
て見える。この傾きは、図6に示した本発明の正立光学
を経由して眺めると、正立した被写体像8’’が後傾し
て見える。この後傾は、ファインダー光学系への光束を
フレネルミラー33により、撮影光学系の光軸34から
外れた方向へ、取り出すことに起因する。
【0064】前記被写体像の後傾は、像面制御レンズ5
の光軸5’を観察光学系の光軸11に対して傾けること
により、改善できる。図8において、前記の像面湾曲を
有する像面制御レンズ5の光軸5’の後方を約7゜持ち
上げるげることにより、第二の放物面6で生成される虚
像面8の後傾をなくし、ひいては接眼レンズ7から眺め
られる被観察像8’の後傾をなくすことができる。
【0065】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の正立光学系を
採用することにより、従来の正立光学系を採用した場合
にに比べ、格段に小さく、軽く、安価な観察光学機器や
カメラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の正立光学系の第1の実施例斜視図であ
る。
【図2】本発明の正立光学系の第1の実施例断面図であ
る。
【図3】本発明の正立光学系の第1の2の実施例断面図
である。
【図4】本発明の正立光学系像面制御レンズの実施例断
面図である。
【図5】本発明の正立光学系の第2の実施例斜視図であ
る。
【図6】本発明の正立光学系の第2の実施例断面図であ
る。
【図7】本発明の正立光学系の第3の実施例斜視断面図
である。
【図8】本発明の正立光学系の第3の実施例断面図であ
る。
【符号の説明】
0 放物面焦点またはx−y軸原点 1 対物レンズ 2 物体像 2’ 物体像の虚像 2” 物体像の虚像 3 平行化レンズ 4 第一の放物面鏡 5 像面制御レンズ 5’像面制御レンズの光軸 6 第二の放物面鏡 7 接眼レンズ 8 第二の放物面鏡により生成される虚像面 8’ 接眼レンズから観察される虚像面 8” 第二の放物面鏡により生成される虚像面 9 像面制御レンズにより生成される実像曲面 10 第一の光軸又は中心主光線 10L 主光線 10’L 主光線 10R 主光線 10’R 主光線 11 第二の光軸又は中心主光線 11L 主光線 11R 主光線 12 第二の光軸又は中心主光線 12L 主光線 12R 主光線 12’L 主光線 12’R 主光線 20 y軸または放物線の軸 21 撮影レンズ 22 揺動ミラー 23 感光面 25 ミラー 31 第一のプリズム 32 第二のプリズム 32a プリズム面 32b プリズム面 32c プリズム面 33 フレネルミラー 34 撮影レンズ光軸
【参考文献】MIL−HDBK−141 13.10
PRISM DATA SHEET科学写真便覧(上)
P300〜303 1960 丸善

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被観察像から放射される光束の中心に位置
    する第一の光軸に対して、放物面軸が平行で、かつ放物
    面焦点が前記光束の光路外に位置し、前記第一の光軸を
    中心として広がり、前記光束に対し凹面側を向ける第一
    の放物面鏡、 前記第一の光軸が前記第一の放物面鏡により反射されて
    生成する第二の光軸上の前記第一の放物面鏡の焦点位置
    に、第一主点が位置する像面制御レンズ、 前記像面制御レンズの第二主点に放物面焦点が位置し、
    第一の放物面鏡の放物面軸と平行な放物面軸を有し、前
    記第二の光軸を中心として広がり、かつ光束に対し凹面
    を向ける第二の放物面鏡、および前記第二の光軸が前記
    第二の放物面鏡によって反射されて生成し、前記第一の
    光軸と平行な第三の光軸上に設けられた接眼レンズを備
    えたことを特徴とする正立光学系。
  2. 【請求項2】被観察像を構成する各像点から放射される
    主光線を平行光線に換える主光線平行化レンズを、前記
    第一放物面の前記被観察像側に備えたことを特長とする
    請求項1記載の正立光学系
  3. 【請求項3】前記像面制御レンズが像面湾曲収差を有す
    ることを特長とする請求項1記載の正立光学系
  4. 【請求項4】前記像面制御レンズの光軸が前記第二の光
    軸に対して傾きを有することを特長とする請求項1記載
    の正立光学系
  5. 【請求項5】前記第一、または第二の放物面鏡がプラス
    チックモールド成形されたことを特長とする請求項1記
    載の正立光学系
  6. 【請求項6】前記第一、または第二の放物面鏡が位置決
    め部材、または取付け固定部材とともに成形されたこと
    を特長とする請求項1記載の正立光学系
  7. 【請求項7】前記第一と第二の放物面鏡が同時一体成形
    されたことを特長とする請求項1記載の正立光学系
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