JPH09221813A - 真空式汚水収集設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空弁の異物を速やかに除去することのでき
る真空式汚水収集設備を提供する。 【構成】 汚水を貯溜する集水桝と、集水桝内に設置さ
れた、真空弁とそのコントローラを含む真空弁ユニット
と、真空弁ユニットに接続された吸気管と、真空弁に接
続された真空配管とを有する真空式汚水収集設備におい
て、コントローラを真空弁から取外した時に真空弁に着
脱自在に装着されるアダプタとそれに連結された三方弁
を介して真空弁と吸気管の一端を接続し、吸気管の他端
に真空発生手段を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家庭や各種施設か
ら排出される汚水を真空を利用して収集する真空式汚水
収集設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】真空式汚水設備は、図３に示すように、
家庭２０から排出される汚水を自然流下管２１を介して
貯溜する集水桝１と、集水桝１中に設置された真空弁ユ
ニット２（図３では省略）と、真空ポンプ２６に接続さ
れた真空タンク２５を備えた真空ステーション２４と、
真空弁ユニット２と真空タンク２５とを連結する真空本
管２３とを有する。真空本管は、真空ステーション２４
から数百ｍ乃至数千ｍにも及びそれに沿って多数の真空
弁ユニット２が配置される。

【０００３】集水桝１の内部には、図４に示すように真
空弁３、真空弁用コントローラ４及び両者をつなぐ連結
管５を含む真空弁ユニット２が設けられている。真空弁
３は吸込管９に接続されると共に、分岐真空配管２２に
接続されている。また集水桝１の上部には大気中に開口
する空気取込管８が接続され、この空気取入管８の内部
に配設された吸気管７は、三方弁１３を介して上記連結
管５の途中に設けられたチーズ６に接続されている。す
なわち真空弁３及びコントローラ４は大気と連通してい
る。なお、水位検出管１０は、三方弁１３を介してコン
トローラ４に連結されている。

【０００４】上述の汚水収集設備によれば、各家庭２０
から排出された汚水が集水桝１内に流入し、水位検出管
１０により一定量溜まったことが検出されると、コント
ローラ４が作動して真空弁３が開き、汚水は吸込管９に
吸込まれ、真空弁３を通過して分岐真空配管２２を経て
真空本管２３に流れる。吸込管９の下端が汚水の表面を
離れると、空気取込管８から流入した空気は、吸込管
９、真空弁３及び分岐真空配管２２を経て真空本管２３
に流入する。真空本管２３に流入した空気は膨張し、汚
水と空気との混相流となって真空ステーション２４に送
られる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上述した真空式汚水収
集設備においては、真空弁３は通常は吸込管９と分岐真
空配管２２との間を遮断し、集水桝１中に一定量の汚水
が流入すると開弁し、集水桝１の汚水水位が下ると閉弁
するようになっている。しかしながら汚水中に種々の物
質が混入しているので、真空弁３に異物が挟まって、真
空弁が開放状態になることがある。この状態が続くと、
真空本管２３に空気が連続して吸引されるので、真空本
管２３内の真空度が低下し、集水桝１内の汚水を正常に
吸引できなくなる上、汚水と空気との混合比が所定の値
を維持できなくなり、汚水の正常な搬送ができなくな
る。

【０００６】そこで異物を除去するために、集水桝１内
に作業者が入り、真空弁ユニット２から真空弁３を取外
し、次いで真空弁３を分解し、そして真空弁３を上記ユ
ニットに装着するといった非常に面倒な作業を行ってい
るのが実情である。

【０００７】したがって、本発明の目的は、上述した従
来技術の問題点を解消し、真空弁の異物の除去を速やか
に行うことのできる真空式汚水収集設備を提供すること
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、汚水を貯溜する集水桝と、集水
桝内に設置された、真空弁とそのコントローラを含む真
空弁ユニットと、真空弁ユニットに接続された吸気管
と、真空弁に接続された真空配管とを有する真空式汚水
収集設備において、コントローラを真空弁から取外した
時に、真空弁に着脱自在に装着されるアダプタとそれに
連結された三方弁を介して真空弁と吸気管の一端を接続
し、吸気管の他端に真空発生手段を接続する、という技
術的手段を採用した。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下本発明の詳細を添付図面によ
り説明する。図１は本発明の一実施例に係る真空式汚水
収集設備の主要部を示す概略図、図２は図１の要部を拡
大した図であり、図３及び図４と同一部分は同一の参照
符号で示す。本発明では、図１及び図２に示すように、
真空弁の異常解除手段として、チーズ６と吸気管７との
間に三方弁１３を設けると共に、真空弁３に着脱自在
で、連結管１２を介して三方弁１３に接続可能なアダプ
タ１１（図１では省略）を準備している点で従来のもの
と異なっている。この場合、三方弁１３はＡ側及びＣ側
を開放し、Ｄ側を閉止しておく。なお図２において、１
５はボール弁、１６は真空仕切弁であり、通常は開放し
ておく。上記構成によれば、家庭２０から排出された汚
水は、自然流下管２１を通って集水桝１内に流入し、吸
込管９、真空弁３及び分岐真空配管２２を通って真空本
管２３に排出される。空気は空気取込管８から集水桝１
内に流入し、集水桝１内の汚水が流出し汚水面が吸込管
９から離れると、集水桝１内の空気は先行する汚水に続
いて吸込管９、真空弁３及び分岐真空配管２２を通って
真空本管２３に出て膨張し、汚水と共に混相流となって
ステーションに搬送される。

【００１０】ここで真空弁３が正常に作動している場合
は、真空弁３及びコントローラ４はチーズ６及び三方弁
１３を介して大気と連通しているので、汚水は上記のよ
うに真空ステーション２４に搬送される。しかるに真空
弁３の弁体３ａと弁座３ｂとの間に異物３０が挟まる
と、真空弁３が開放状態となる。この状態を放置してお
くと、真空本管２３に空気が連続して吸引されてしま
い、真空本管２３内の真空度が低下し、集水桝１内の汚
水を正常に吸引できなくなる上、汚水と空気との混合比
が所定の値を維持できなくなり、汚水の正常な搬送に支
障をきたす。

【００１１】上記の構造によれば、真空弁３に異常が発
生したことが検知された場合［通常は真空ステーション
２４に警報装置（図示せず）を設けておく］には、次の
手順で異常を解除することができる。 （ａ）真空弁用コントローラ４（図中破線で示す）を真
空弁３から取外し、そこに三方弁１３より分岐した連結
管１２を有するアダプタ１１を装着する。 （ｂ）連結管１２の先端（Ｄ側）と吸気管７の先端（Ａ
側）が三方弁１３に接続されていることを確認する。こ
こで三方弁１３はＡ及びＤ側は開放し、Ｃ側は閉止して
おき、吸気管７を通して負圧を真空弁３に伝える。 （Ｃ）吸気管７の他端（Ｂ側）に真空発生部材１４を装
着した後、真空弁３を開にする。

【００１２】上記作業により真空発生ステーション２４
にて発生した真空は真空弁３の手前まで到達しているの
で、真空弁３が開くことにより、異物３０は矢印方向に
移動し次いで分岐真空配管２２を介して真空本管２３に
吸引される。このようにして真空弁３が正常な状態に復
帰した後は、上記アダプタ１１を真空弁３から取外し、
そこに真空弁用コントローラ４を装着し、再び元の状態
（図２に破線で示す）に戻せばよい。上記実施例によれ
ば、真空弁３に着脱自在なアダプタ１１を準備し、真空
弁用コントローラ４の代りにこのアダプタ１１を真空弁
３に装着するのみの簡単な作業を行うのみで、真空弁ユ
ニット２外から操作することにより真空弁３の異常を解
消することが可能となる。

【００１３】

【発明の効果】以上に記述の如く、本発明によれば、真
空弁に異常が発生した場合に、真空弁を外部から作動さ
せるので、メンテナンス効率が向上するという効果を奏
し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る真空式汚水収集設備の
概略構成図である。

【図２】図１の要部を示す拡大図である。

【図３】従来の真空式汚水収集設備の概略構成図であ
る。

【図４】図３の要部を示す概略図である。

【符号の説明】

１ 集水桝、 ２ 真空弁ユニット、 ３ 真空弁、４
真空弁コントローラ、 １１ アダプタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 汚水を貯溜する集水桝と、集水桝内に設
   置された、真空弁とそのコントローラを含む真空弁ユニ
   ットと、真空弁ユニットに接続された吸気管と、真空弁
   に接続された真空配管とを有する真空式汚水収集設備に
   おいて、コントローラを真空弁から取外した時に真空弁
   に着脱自在に装着されるアダプタとそれに連結された三
   方弁を介して真空弁と吸気管の一端を接続し、吸気管の
   他端に真空発生手段を接続することを特徴とする真空式
   汚水収集設備。