JPH09221383A - 単結晶引き上げ用黒鉛部品 - Google Patents

単結晶引き上げ用黒鉛部品

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JPH09221383A
JPH09221383A JP2502596A JP2502596A JPH09221383A JP H09221383 A JPH09221383 A JP H09221383A JP 2502596 A JP2502596 A JP 2502596A JP 2502596 A JP2502596 A JP 2502596A JP H09221383 A JPH09221383 A JP H09221383A
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graphite
pulling
single crystal
graphite crucible
crucible
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JP2502596A
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Masato Kano
正人 鹿野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単結晶引き上げ後の冷却時に黒鉛ルツボと石
英ルツボの収縮量の差に起因して、黒鉛ルツボの半径方
向に引っ張り応力が作用するが、従来の単結晶引き上げ
用黒鉛部品においては、使用回数が増加するに従って嵌
合面の一部がSiC化するため、分割形態の黒鉛ルツボ
においても開口しにくくなり、くびれ部や底部中央の内
面に引っ張り応力が集中して破損が発生し易かった。 【解決手段】 単結晶引き上げ用黒鉛部品11を構成す
る黒鉛ルツボ12の底面17の中央部17aと底面17
の外周部17bとを除く部分にくぼみ14を形成し、か
つ底部外周部近傍に面取りが施されたくびれ部16を形
成し、引っ張り応力がくびれ部16や底部中央の内面1
9に集中するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶引き上げ用黒
鉛部品に関し、より詳細には、チョクラルスキー法(以
下、「CZ法」と記す)等によりシリコン等の単結晶を
引き上げる際に用いられる単結晶引き上げ用黒鉛部品に
関する。
【0002】
【従来の技術】結晶成長法には種々の方法があるが、そ
の一つとして、例えばCZ法に代表される単結晶引き上
げ法が挙げられる。
【0003】図5は、CZ法に用いられる単結晶引き上
げ装置を模式的に示した断面図であり、図中、51はチ
ャンバ63内に配置された単結晶引き上げ用黒鉛部品を
示している。
【0004】単結晶引き上げ用黒鉛部品51は有底円筒
形状の黒鉛ルツボ52とこの黒鉛ルツボ52の底部に嵌
合された黒鉛受け台53とにより構成されており、単結
晶引き上げ用黒鉛部品51は所定の速度で回転する支持
軸55に支持されている。黒鉛ルツボ52の内側には石
英ルツボ54が嵌合されており、黒鉛ルツボ52の外側
には抵抗加熱式のヒータ56が、さらにその外側には黒
鉛製の保温筒57が同心円状に配設されており、石英ル
ツボ54の内部には所定量の結晶用原料をヒータ56に
より溶融させた溶融液58が充填されるようになってい
る。黒鉛ルツボ54の中心軸上には、図中矢印方向に所
定速度で回転する引き上げ棒又はワイヤーからなる引き
上げ軸59が吊設されており、この引き上げ軸59の先
端にシードチャック60を介して種結晶61が取り付け
られるようになっている。
【0005】単結晶62を引き上げる際には、引き上げ
軸59の先に取り付けられた種結晶61を溶融液58の
表面に接触させ、支持軸55と同一軸心で逆方向あるい
は同方向に所定の速度で回転させながら引き上げ軸59
を引き上げることにより、溶融液58を凝固させて単結
晶62を成長させる。
【0006】上記単結晶引き上げ装置において、黒鉛ル
ツボ52内に嵌合された石英ルツボ54は、単結晶引き
上げ中に高温に加熱されるため軟化し、黒鉛ルツボ52
と密着する。黒鉛の熱膨張係数は石英の約10倍である
ため、冷却時における半径方向の収縮は石英ルツボ54
よりも黒鉛ルツボ52の方が大きい。この両者の収縮量
の差に起因し、冷却時に黒鉛ルツボ52は収縮量の少な
い石英ルツボ54より内圧を受け、黒鉛ルツボ52に引
っ張り応力が作用する。
【0007】近年、高収率で単結晶62を得るために単
結晶62の直径は大きくなり、それに伴い石英ルツボ5
4や黒鉛ルツボ52の大型化が進んでいる。この黒鉛ル
ツボ52等の大型化により、単結晶引き上げ後の冷却時
における石英ルツボ54と黒鉛ルツボ52との半径方向
の収縮量の差が大きくなり、黒鉛ルツボ52に作用する
引っ張り応力が増大し、変形、割れ又は欠損等(以下、
破損とも記す)が発生し易くなり、同一の黒鉛ルツボ5
2を繰り返して使用し得る回数が減少してきている。
【0008】上記問題に対処するため、最近では縦割り
に2分割あるいはそれ以上に分割された黒鉛ルツボが使
用されている。
【0009】図6(a)は、縦割りに2分割された黒鉛
ルツボを備えた単結晶引き上げ用黒鉛部品等を模式的に
示した平面図であり、(b)はその断面図である。
【0010】この単結晶引き上げ用黒鉛部品71は、底
部外周近傍にくびれ部76が形成され、かつ分割面73
で2分割された黒鉛ルツボ72(72a、72b)と黒
鉛受け台53とから構成されており、黒鉛ルツボ72の
内側には石英ルツボ54が嵌合される。くびれ部76を
含む黒鉛ルツボ72の底面75は、支持軸55で支持さ
れた黒鉛受け台53の上面53aにしっかりと密着する
ように嵌合している。このように黒鉛ルツボ72はしっ
かりと黒鉛受け台53に密着した状態で嵌合しいるの
で、通常分割された黒鉛ルツボ72a、72bの分割面
73は密接し、石英ルツボ54をしっかりと保持できる
ようになっている。
【0011】単結晶を引き上げた後に冷却されると、図
6に示した単結晶引き上げ用黒鉛部品71にも、図5に
示した単結晶引き上げ用黒鉛部品51の場合と同様、石
英ルツボ54と黒鉛ルツボ72との収縮量の差に起因し
た引っ張り応力が黒鉛ルツボ72の半径方向に作用す
る。しかし、黒鉛ルツボ72は予め2つの黒鉛ルツボ7
2a、72bに分割されているために開口し、発生した
引っ張り応力は開放される。
【0012】図7(a)は、単結晶引き上げ後の冷却時
に開口した黒鉛ルツボ及びその周辺の部材を模式的に示
した平面図であり、(b)はその断面図である。図7に
示したように、黒鉛ルツボ72に作用する引っ張り応力
に起因し、黒鉛ルツボ72は黒鉛受け台53の上面53
aの一部を中心にして図中矢印Aで示した方向に回転し
ながら開口し、底面75の中央部分が浮き上がり、石英
ルツボ54を持ち上げた状態で静止する。
【0013】上述したように黒鉛ルツボ72を分割して
おくことにより、冷却時に黒鉛ルツボ72は分割面73
で開口し、その破損率は減少するが、分割された黒鉛ル
ツボ72を用いてもなお以下のような問題が残る。すな
わち、単結晶62(図5)を引き上げる際、溶融液58
及び石英ルツボ54は高温に加熱されるため、溶融液5
8と石英ルツボ54とが接触面で反応してSiOが発生
する。このSiOは飛散して黒鉛ルツボ72と反応し、
黒鉛はSiCに変化する。黒鉛がSiCに変化すること
により、黒鉛ルツボ72のSiCに変化した部分は体積
が膨張する。SiOは黒鉛ルツボ72の外表面のみなら
ず、黒鉛受け台53の外表面や上面53a、特にくびれ
部76との合せ面にも侵入し、これらの部分は主として
表面がSiCへ変化する。黒鉛ルツボ72の使用回数が
増加するに従い、SiCに変化する領域が拡大するとと
もに、体積膨張も増加する。このため、黒鉛ルツボ72
と黒鉛受け台53との密着度が次第に強くなり、黒鉛受
け台53の黒鉛ルツボ72に対する拘束力も強くなる。
またSiCに変化した黒鉛受け台53の上面53a及び
黒鉛ルツボ72の底面75の相互摩擦係数も増大し、す
べりにくくなる。従って、冷却時に作用する引っ張り応
力による黒鉛ルツボ72の回転運動は阻害され、分割面
73が開口しにくくなり、上記引っ張り応力の開放も阻
害されることとなる。
【0014】そのため、黒鉛ルツボ72に作用する引っ
張り応力は依然としてかなり残存することになり、この
残存した引っ張り応力は、黒鉛ルツボ72のくびれ部7
6、及び黒鉛ルツボ72の底部中央の内面79(石英ル
ツボ54との接触面)に集中する。このため、図8に示
したように、黒鉛ルツボ72のくびれ部76から円周方
向に伸展する割れ77、及び黒鉛ルツボ72の底部中央
の内面79から底面75に至る欠け78が発生し易くな
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このうち、黒鉛ルツボ
72の底部中央の内面79から底面75に至る欠け78
を防止するものとして、本発明者による黒鉛ルツボ(単
結晶引き上げ用黒鉛部品)が先に出願されている(特願
平6−127806号))。
【0016】図9は前記公報に開示された単結晶引き上
げ用黒鉛部品を模式的に示した断面図である。単結晶引
き上げ用黒鉛部品81を構成する黒鉛ルツボ82の底部
中央に突出部84、底部外周にくびれ部86が形成され
ている。従って、黒鉛ルツボ82を黒鉛受け台53に嵌
合させると、黒鉛ルツボ82の突出部84の底面88、
及びくびれ部86の一部のみが黒鉛受け台53の上面5
3aと接触し、突出部84の周囲に空隙85が形成され
る。
【0017】上記構成の単結晶引き上げ用黒鉛部品81
を用いることにより、黒鉛ルツボ82の底部中央の内面
89から底面88に至る欠け(図8に示した欠け78に
相当)が減少し、黒鉛ルツボ82の破損の割合が減少す
るが、依然として下記の課題が残される。
【0018】すなわち、図9に示した構成の黒鉛ルツボ
82においては、黒鉛ルツボ82の開口の際、くびれ部
86への応力集中が生じ、黒鉛ルツボ82のくびれ部8
6から円周方向に伸展する割れ(図8に示した割れ77
に相当)が発生し易いという課題が残される。
【0019】本発明は上記課題に鑑みなされたものであ
り、単結晶の引き上げを繰り返すことにより黒鉛ルツボ
の底部と黒鉛受け台の合せ面付近がSiCに変化した場
合等においても、単結晶引き上げ後の冷却時において黒
鉛ルツボのくびれ部からの割れの発生を防止することが
できる単結晶引き上げ用黒鉛部品を提供することを目的
としている。
【0020】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛部品
(1)は、縦に分割された黒鉛ルツボと該黒鉛ルツボの
底部に嵌合された黒鉛受け台とにより構成される単結晶
引き上げ用黒鉛部品において、前記黒鉛ルツボ底面の中
央部と該底面の外周部を除く部分にくぼみが形成されて
いることを特徴としている。
【0021】上述したように、単結晶引き上げ後の冷却
時に、黒鉛ルツボの開口が阻害されることにより作用す
る引っ張り応力は、黒鉛ルツボのくびれ部(石英ルツボ
を実質的に支持するための嵌合部分)及び底部中央の内
面に集中する。しかし、黒鉛ルツボの底部においても、
前記くびれ部等及び底部中央の内面以外の部分には引っ
張り応力の集中は生ぜず、引っ張り応力の大きさは黒鉛
の強度よりもかなり小さくなる。従って、前記黒鉛ルツ
ボ底面の中央部と該底面の外周部を除く部分にくぼみを
形成してその厚みを減少させると、冷却時の変形がこの
部分で増加し、その結果、上記した破損の発生しやすい
部分に作用する引っ張り応力を減少させることができ
る。
【0022】すなわち単結晶引き上げ用黒鉛部品(1)
によれば、前記黒鉛ルツボ底面の中央部と該底面の外周
部を除く部分にくぼみを形成することにより、破損の発
生し易い底部中央の内面等に作用する引っ張り応力を、
応力集中の小さい部分で吸収させることができ、黒鉛ル
ツボの破損を防止することができる。
【0023】また本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛部
品(2)は、上記単結晶引き上げ用黒鉛部品(1)にお
いて、黒鉛ルツボの底部外周近傍にくびれ部が形成され
ていることを特徴としている。
【0024】上記単結晶引き上げ用黒鉛部品(2)によ
れば、破損の発生し易いくびれ部が形成されていても、
該くびれ部に作用する引っ張り応力を、前記くぼみで吸
収させることができ、黒鉛ルツボの破損を防止すること
ができる。
【0025】また本発明に係る単結晶引き上げ用黒鉛部
品(3)は、上記単結晶引き上げ用黒鉛部品(2)にお
いて、黒鉛ルツボのくびれ部に半径5mm以上の面取り
が施されていることを特徴としている。
【0026】上記単結晶引き上げ用黒鉛部品(3)によ
れば、前記くびれ部に半径の大きな面取りが施されてい
るので、黒鉛ルツボの半径方向に作用する引っ張り応力
がくびれ部の狭い範囲に集中するのを防止するととも
に、黒鉛ルツボの前記くびれ部付近における厚みの減少
を抑制し、前記くびれ部に作用する引っ張り応力を軽減
して、黒鉛ルツボの破損をより効果的に防止することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ用黒鉛部品の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】図1(a)は実施の形態に係る単結晶引き
上げ用黒鉛部品を模式的に示した平面図であり、(b)
はその断面図である。
【0029】この単結晶引き上げ用黒鉛部品11は、分
割面13で縦に2分割された黒鉛ルツボ12(12a、
12b)とこの黒鉛ルツボ12の底部に嵌合された黒鉛
受け台18とにより構成されている。この黒鉛ルツボ1
2の底部外周近傍には、黒鉛受け台18に嵌合してその
内部に挿入される石英ルツボ54及び溶融液58(図
5)をしっかり支持するため、くびれ部16が形成され
ている。また、底面17の中央部17aとくびれ部16
より内側に位置する外周部17bとを除く部分にくぼみ
14が形成されており、このくぼみ14により単結晶引
き上げ後の冷却時に、石英ルツボ54(図5)と黒鉛ル
ツボ12との熱膨張率の差に起因して発生する引っ張り
応力を分散させ、黒鉛ルツボ12のくびれ部16や内面
19の中央部に上記引っ張り応力が集中するのを防止す
る。以下、上記した場合に発生する引っ張り応力を単に
上記引っ張り応力ということにする。また、以下におい
て、くびれ部16やくぼみ14の好ましい形状や寸法等
について説明するが、この場合内径が約310mmの黒
鉛ルツボ12を基準としている。従って、この黒鉛ルツ
ボ12の寸法の変化により、前記部分の寸法もそれに応
じて変化させることになる。
【0030】くぼみ14は、黒鉛ルツボ12の底部中央
の内面19における破損を防止するという観点から、黒
鉛ルツボ12底面の中心からの距離(d1 )が20mm
以上の部分に形成するのが好ましく、40mm以上の部
分に形成するのがより好ましい。またくぼみ14は、く
びれ部16での破損を防止するという観点から、黒鉛ル
ツボ12の底面外周(くびれ部16の下端)からの距離
(d2 )が20mm以上の部分に形成するのが好まし
く、40mm以上の部分に形成するのがより好ましい。
くぼみ14の深さ(t)は深いほど、上記引っ張り応力
の集中を抑制する効果が大きくなるので好ましい。しか
し、くぼみ14の深さ(t1 )が深すぎるとくぼみ14
が形成された部分から割れが発生する可能性が生じる。
このため、くぼみ14の深さ(t1 )は黒鉛ルツボ12
の底部の厚さの最も薄い部分(通常は黒鉛ルツボ12の
底部中央)の2/3以下とすることが望ましい。
【0031】くぼみ14の形状は、図1に示したように
くぼみ14の深さを一定とする必要は特になく、多少変
化させてもよいが、くぼみ14の一部に上記引っ張り応
力が集中しないように、くぼみ14の深さ(t1 )(黒
鉛ルツボ12の底部の厚さ)が急激に変化する形状は好
ましくない。また、くぼみ14は上記引っ張り応力の集
中を防止するという観点から、その端部14a、14b
に十分滑らかな面取りを施すのが好ましく、また、図2
に示したように、分割面23で縦に2分割された黒鉛ル
ツボ22(22a、22b)のくぼみ24の端部24
a、24bに斜め加工を施し、くぼみ24の深さが段々
と深くなるような構造にしてもよい。
【0032】黒鉛ルツボ12、22のくぼみ14、24
は、黒鉛受け台18に嵌合すると、黒鉛受け台18との
間に大きな空隙15、25が形成される。そこで、図3
に示したように、黒鉛受け台38の一部に突部38aを
形成し、黒鉛受け台38と分割面33で縦に2分割され
た黒鉛ルツボ32(32a、32b)とを嵌合させた際
に、黒鉛ルツボ32のくぼみ14の一部に黒鉛受け台3
8の突部38aが挿入されるようにしてもよい。但し、
突部38aはくぼみ14により形成される空間より少し
小さい形状にしておく必要があり、黒鉛受け台38に黒
鉛ルツボ32を嵌合させた場合においても、黒鉛ルツボ
32に形成されたくぼみ14と黒鉛受け台38の突部3
8aとの間に空隙35が形成される必要がある。
【0033】くぼみ14、24は、黒鉛ルツボ12、2
2、32の底面17、27、37の中央部17a、27
a、37aと外周部17b、27b、37bのくびれ部
16、36付近とを除く部分の全体に形成されている必
要はないが、上記の部分全体にくぼみ14、24を形成
した場合、上記引っ張り応力を分散させる効果が最も大
きい。
【0034】くびれ部の形状は、図3に示した黒鉛ルツ
ボ32のくびれ部36のように断面形状が直線で形成さ
れているものでもよいが、図1、図2に示した黒鉛ルツ
ボ12、22のくびれ部16のように断面が曲線(円)
形状になるように面取りされている方が好ましい。ま
た、断面が円形状になるように面取りした場合には、そ
の半径は5mm以上が好ましい。くびれ部16の面取り
の半径が5mm未満であると、上記引っ張り応力がくび
れ部16の狭い範囲に集中し易くなる。
【0035】図1に示した黒鉛ルツボ12においては、
断面が曲線(円)形状の面取りを施しているが、面取り
の形状は曲線に限定されるものではなく、くびれ部が形
成された部分の底面の厚さを確保するため、図4に示し
た黒鉛ルツボ42(42a、42b)のように、くびれ
部46の断面形状の大部分が斜めの直線形状を有するよ
うに加工処理を施したものでもよい。本実施の形態に係
る単結晶引き上げ用黒鉛部品11、21、31、41
は、通常の高密度黒鉛材を加工することにより容易に作
製することができる。
【0036】なお、黒鉛ルツボ12、22、32、42
にくびれ部16、36、46が必ずしも形成されている
必要はなく、底部外周近傍は通常のルツボと同様の形状
でもよいが、その場合には黒鉛受け台18、38、48
の形状をしっかりと黒鉛ルツボ12、22、32、42
を支持することができる形状に変ておく必要がある。ま
た、本実施の形態において、黒鉛ルツボ12、22、3
2、42は2分割されているが、他の実施の形態におい
ては、3分割、4分割あるいはそれ以上に分割されてい
てもよい。
【0037】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る単結晶引き上
げ用黒鉛部品の実施例を図面に基づいて説明する。ま
た、比較例として、従来の図6及び図9に示した単結晶
引き上げ用黒鉛部品を用いた場合についても説明する。
【0038】実施例及び比較例に係るそれぞれの単結晶
引き上げ用黒鉛部品を、図5に示した単結晶引き上げ装
置に配設した後、以下の耐久性試験を行った。
【0039】(1) 用いた単結晶引き上げ用黒鉛部品 各実施例及び比較例における黒鉛ルツボのタイプ、黒鉛
受け台のタイプ、くぼみの寸法、及びくびれ部の面取り
半径を下記の表1に示した。
【0040】黒鉛ルツボ32(図3)、12(図1)、
72(図6)、82(図9)に共通する主要部分の寸法 内径:310mm 底面外周部の直径(底面中心よりくびれ部下端まで距離
×2):約200mm 底部中央の厚さ(l):30mm くびれ部の高さ(h)(底面の延長面よりくびれ部の上
端までの垂直距離):20mm (2) 耐久性試験の内容 黒鉛ルツボ32・・・ に結晶用原料を溶融液とした時、液
面が黒鉛ルツボ32・・・ の深さの1/2となるように充
填して加熱し、溶融させた。その後、単結晶の引き上げ
は行わず、そのまま1時間保持し、その後冷却、凝固さ
せた。溶融液の温度や装置内の雰囲気は通常の単結晶の
引き上げを行う場合と同様の条件とし、上記結晶用原料
の溶融と凝固とを繰り返し行い、黒鉛ルツボ32・・・ の
耐久性を試験した。
【0041】(3) 耐久性試験の結果 耐久性試験の結果を下記の表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】上記表1より明らかなように、比較例1の
場合には、黒鉛ルツボ72(図6)にくぼみが形成され
ていないため、繰返し回数5回で黒鉛ルツボ72の底部
中央での欠けやくびれ部76からの割れが発生して破損
し、使用不能となった。また、比較例2の場合には、黒
鉛ルツボ82(図9)の底部中央に突出部84が形成さ
れているため、突出部84での欠けは発生しなかった
が、くびれ部86からの割れが発生し、繰返し回数4回
で使用不能となった。
【0044】実施例1〜5の場合には、黒鉛ルツボ32
(図3)にくぼみ14が形成されているため、繰返し回
数15回以上まで破損が発生しなかった。また、実施例
6〜9の場合には、黒鉛ルツボ12(図1)にくぼみ1
4が形成され、かつくびれ部16に半径5mm以上の面
取りが施されているので、耐用回数(繰り返し回数)が
さらに増加した。特に、実施例8、9の場合には、黒鉛
ルツボ12のくびれ部16に半径20mm以上の面取り
が施されているので、繰返し回数25回でも割れは発生
せず、さらに継続使用が可能であった。
【0045】上記実施例及び比較例の結果から明らかな
ように、実施例に係る黒鉛ルツボ32、12にあって
は、黒鉛ルツボ32、12の底面37、17の中央部3
7a、17aと該底面の外周部37b、17bとを除く
部分にくぼみ14が形成されているので、黒鉛ルツボ3
2、12のくびれ部36、16や内面39、19の中央
部に上記引っ張り応力が集中するのを防止することがで
きる。従って、黒鉛ルツボ32、12の耐久性が向上
し、長期に亙って黒鉛ルツボ32、12を使用すること
ができ、黒鉛ルツボ32、12の長寿命化を図ることが
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る単結晶引き
上げ用黒鉛部品を模式的に示した平面図であり、(b)
はその断面図である。
【図2】別の実施の形態に係る単結晶引き上げ用黒鉛部
品等を模式的に示した断面図である。
【図3】さらに別の実施の形態に係る単結晶引き上げ用
黒鉛部品等を模式的に示した断面図である。
【図4】さらに別の実施の形態に係る単結晶引き上げ用
黒鉛部品等を模式的に示した断面図である。
【図5】CZ法に用いられる従来の単結晶引き上げ装置
を模式的に示した断面図である。
【図6】(a)は従来の単結晶引き上げ用黒鉛部品に石
英ルツボが嵌合された状態を模式的に示した平面図であ
り、(b)はその断面図である。
【図7】(a)は図6に示した単結晶引き上げ用黒鉛部
品等の冷却時の状態を模式的に示した平面図であり、
(b)はその断面図である。
【図8】従来の黒鉛ルツボにおける割れや欠けの発生位
置を模式的に示した断面図である。
【図9】底部中央に突出部が形成された従来の黒鉛ルツ
ボを模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
11、21、31、41 単結晶引き上げ用黒鉛部品 12、22、32、42 黒鉛ルツボ 13、23、33 分割面 14、24 くぼみ 16、36、46 くびれ部 17、27、37、47 底面(黒鉛ルツボ) 17a、27a、37a 中央部(底面) 17b、27b、37b 外周部(底面) 18、38、48 黒鉛受け台

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦に分割された黒鉛ルツボと該黒鉛ルツ
    ボの底部に嵌合された黒鉛受け台とにより構成される単
    結晶引き上げ用黒鉛部品において、前記黒鉛ルツボ底面
    の中央部と該底面の外周部を除く部分にくぼみが形成さ
    れていることを特徴とする単結晶引き上げ用黒鉛部品。
  2. 【請求項2】 黒鉛ルツボの底部外周近傍にくびれ部が
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の単結晶
    引き上げ用黒鉛部品。
  3. 【請求項3】 黒鉛ルツボのくびれ部に半径5mm以上
    の面取りが施されていることを特徴とする請求項2記載
    の単結晶引き上げ用黒鉛部品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018048041A (ja) * 2016-09-21 2018-03-29 株式会社Sumco 単結晶製造用坩堝及びシリコン単結晶製造装置

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