JPH09221339A - 感光性板ガラスの加工方法、およびこれを利用したインクジェットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法 - Google Patents

感光性板ガラスの加工方法、およびこれを利用したインクジェットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法

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JPH09221339A
JPH09221339A JP2764196A JP2764196A JPH09221339A JP H09221339 A JPH09221339 A JP H09221339A JP 2764196 A JP2764196 A JP 2764196A JP 2764196 A JP2764196 A JP 2764196A JP H09221339 A JPH09221339 A JP H09221339A
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JP
Japan
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plate glass
photosensitive plate
processing
head
photosensitive
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JP2764196A
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English (en)
Inventor
Nobuhisa Ishida
暢久 石田
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Publication date
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  • Glass Compositions (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】感光性板ガラスからインクジェットプリントヘ
ッド用ヘッド基板の如き板状体を製造する場合に、この
板状体の各部に大きな寸法誤差などを生じさせることな
く、多数枚の板状体を効率良く製造する。 【解決手段】第1加工部2と第2加工部3とが形成され
ている板状体1を製造するための方法であって、板状体
1を複数枚取り可能な感光性板ガラス1Aに、板状体1
の複数枚分に相当する第1加工部2の各加工対象領域A
への第1次の露光処理を一括して行い、その後現像処理
およびエッチング処理を施すことにより、感光性板ガラ
ス1Aに板状体1の複数枚分の第1加工部2を形成する
工程と、第1次の露光処理とその現像処理が終了した後
に、感光性板ガラス1Aに、板状体1の複数枚分に相当
する第2加工部3の各加工対象領域Bへの第2次の露光
処理を、これら各加工対象領域Bを複数の領域に分けて
その領域ごとに行い、その後現像処理およびエッチング
処理を施すことにより、感光性板ガラス1Aに板状体1
の複数枚分の第2加工部3を形成する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、感光性板ガラスを利用するこ
とにより、インクジェットプリントヘッド用ヘッド基板
やその他の所定形状の板状体を効率良く製造するための
技術に関する。
【0002】インクジェットプリントヘッド用ヘッド基
板としては、たとえば図9に示すような断面形状のもの
がある。このヘッド基板1は、貫通孔状のインク吐出用
のノズル孔2と、このノズル孔2を含む領域に凹陥状に
形成されたインク流路3とを備えたものである。このヘ
ッド基板1は、上記インク流路3内にインクを供給させ
てから、このインクを上記ノズル孔2を介して外部へ吐
出するためのものである。
【0003】従来において、上記のような断面形状のヘ
ッド基板1を製造する方法として、感光性板ガラスを用
いる方法が試みられている。すなわち、この方法は、感
光性板ガラスに、貫通孔状のノズル孔2をエッチング処
理によって形成し、その後上記凹陥状のインク流路3を
やはりエッチング処理によって形成する方法である。感
光性板ガラスは、その表面に露光処理を施してその現像
処理を行えば、その後希釈フッ酸などのエッチング液に
よって容易にエッチング処理が行えるために、インク流
路3の形状が複雑な場合などであっても、ヘッド基板1
の製造を比較的容易に行うことが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来で
は、次に説明するように、ヘッド基板1の大量生産を効
率良く行うことが困難となっていた。
【0005】すなわち、感光性板ガラスは、露光処理を
終えた後の現像処理を行う場合に、この感光性板ガラス
の屈服点(約515°C)以上に加熱する必要がある。
そして、この現像時には、感光性板ガラスが軟化し、
0.15%程度の割合で収縮変形するという特性があ
る。
【0006】このため、従来では、1枚の感光性板ガラ
スから複数枚のヘッド基板1を形成しようとして、たと
えば図10(a)に示すように、本来のヘッド基板1の
サイズよりも大きなサイズの感光性板ガラス1Bと、こ
れに対応する露光マスク4Cとを用いることによって、
ヘッド基板1の複数枚分に相当するノズル孔2を形成す
るための露光処理を行ったとしても、その後加熱現像処
理がなされると、同図(b)に示すように、上記感光性
板ガラス1Bが収縮し、その全長が若干寸法(L×2)
短くなってしまう。したがって、その後この感光性板ガ
ラス1Bに、インク流路3を形成するための露光処理を
行おうとしても、同図(c)に示すように、その露光マ
スク4Dを、収縮変形している感光性板ガラス1Bに対
して適切に位置決めすることが困難となる。
【0007】また、感光性板ガラス1Bの収縮率は、各
所均一ではなく、多少のばらつきがある。したがって、
感光性板ガラス1Bの収縮率を予め見越した上で、上記
露光マスク4Dのマスク合わせが可能なように製作して
おくことも困難である。
【0008】このように、結局、従来では、1枚の感光
性板ガラス1Bからヘッド基板1を多数枚取りしようと
しても、感光性板ガラス1Bに対する露光マスク4Dの
マスク合わせが適切に行えず、各部の寸法精度が悪くな
る。このような難点は、感光性板ガラス1Bの全体のサ
イズを大きくし、1枚の感光性板ガラス1Bから製造さ
れるヘッド基板1の枚数を多くすればするほど、一層顕
著となる。
【0009】したがって、従来では、ヘッド基板1の各
部の寸法精度を高める手段として、ヘッド基板1の材料
となる感光性板ガラスを、ヘッド基板1と同一外形およ
び同一サイズに予め形成しておくことにより、1枚の感
光性板ガラスから1枚のヘッド基板1を製造する手段を
採用せざるを得なかった。その結果、従来では、ヘッド
基板1の生産性が悪く、その製造コストが高価になると
いう不具合を生じていた。
【0010】なお、上記のような不具合は、インクジェ
ットプリントヘッド用ヘッド基板を製造する場合に限ら
ず、孔状あるいは凹陥状の複数の加工部を有する他の形
状、あるいは他の用途の各種の板状体を感光性板ガラス
から製造する場合においても、同様に生じる。
【0011】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、感光性板ガラスからインクジェ
ットプリントヘッド用ヘッド基板の如き所望形状の板状
体を製造する場合に、この板状体の各部に大きな寸法誤
差などを生じさせることなく、多数枚の板状体を簡易な
作業工程によって効率良く製造できるようにすることを
その課題としている。
【0012】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0013】すなわち、本願発明の第1の側面によれ
ば、孔状または凹陥状の第1加工部と第2加工部とがそ
れぞれ形成されている板状体を、感光性板ガラスから製
造するための感光性板ガラスの加工方法であって、上記
板状体を複数枚取り可能な感光性板ガラスに、上記板状
体の複数枚分に相当する第1加工部の各加工対象領域へ
の第1次の露光処理を一括して行い、その後現像処理お
よびエッチング処理を施すことにより、上記感光性板ガ
ラスに上記板状体の複数枚分の第1加工部を形成する工
程と、上記第1次の露光処理とその現像処理が終了した
後に、上記感光性板ガラスに、上記板状体の複数枚分に
相当する第2加工部の各加工対象領域への第2次の露光
処理を、これら各加工対象領域を複数の領域に分けてそ
の領域ごとに行い、その後現像処理およびエッチング処
理を施すことにより、上記感光性板ガラスに上記板状体
の複数枚分の第2加工部を形成する工程と、を含むこと
を特徴としている。
【0014】本願発明においては、所望の板状体を複数
枚取り可能な感光性板ガラスに、第1加工部の加工対象
領域への第1次の露光処理を行い、さらにその現像処理
を行うと、この時点において上記感光性板ガラスが収縮
変形するが、その後に行われる第2加工部の加工対象領
域への第2次の露光処理については、この加工対象領域
を複数の領域に分けて、その領域ごとに行うために、上
記加工対象領域への露光処理を一括して行う場合とは異
なり、第2次の露光処理に用いられる露光マスクと上記
収縮した感光性板ガラスとの寸法誤差を小さくすること
ができる。すなわち、第1加工部の加工対象領域への第
1次の露光処理とその現像処理が終了した段階では、感
光性板ガラスの全体では大きな収縮変形を生じ、その後
のマスクが合わせが困難になる場合であっても、この感
光性板ガラスを部分的にみればその収縮変形量は小さ
く、部分的なマスク合わせを的確に行うことが可能とな
る。したがって、本願発明では、第1加工部と第2加工
部とを所望の位置へ正確に形成した板状体を得ることが
できる。
【0015】一方、本願発明においては、1枚の感光性
板ガラスに、複数枚分の板状体の第1加工部と第2加工
部とをエッチングによってそれぞれ形成するために、従
来の1枚の感光性板ガラスから1枚の板状体が製造され
るに過ぎない手段と比較すると、感光性板ガラスの加工
能率を格段に向上させることができる。したがって、凹
状または凹陥状の第1加工部と第2加工部とを備えた所
望の板状体の生産性を高め、その製造コストを安価にで
きるという格別な効果が得られる。
【0016】本願発明の第2の側面によれば、貫通孔状
のインク吐出用のノズル孔と、このノズル孔を含む領域
に形成された凹陥状のインク流路とを備えたインクジェ
ットプリントヘッド用ヘッド基板を、感光性板ガラスか
ら製造するためのインクジェットプリントヘッド用ヘッ
ド基板の製造方法であって、上記ヘッド基板を複数枚取
り可能な感光性板ガラスに、上記ヘッド基板の複数枚分
に相当するノズル孔の各加工対象領域への第1次の露光
処理を一括して行い、その後現像処理およびエッチング
処理を施すことにより、上記感光性板ガラスに上記ヘッ
ド基板の複数枚分のノズル孔を形成する工程と、上記第
1次の露光処理とその現像処理が終了した後に、上記感
光性板ガラスに、上記ヘッド基板の複数枚分に相当する
インク流路の各加工対象領域への第2次の露光処理を、
これら各加工対象領域を複数の領域に分けてその領域ご
とに行い、その後現像処理およびエッチング処理を施す
ことにより、上記感光性板ガラスに上記ヘッド基板の複
数枚分のインク流路を形成する工程と、を含むことを特
徴としている。
【0017】本願発明においては、先に述べた本願発明
に係る感光性板ガラスの加工方法の場合と同様に、イン
クジェットプリントヘッド用ヘッド基板を複数枚取り可
能な感光性板ガラスに、ノズル孔の加工対象領域への第
1次の露光処理を行い、さらにその現像処理を行うと、
この時点において上記感光性板ガラスが収縮変形する
が、その後に行われるインク流路の加工対象領域への第
2次の露光処理については、その加工対象領域を複数の
領域に分けて、その領域ごとに行うために、第2次の露
光処理に用いられる露光マスクと上記収縮した感光性板
ガラスとの寸法誤差を小さくし、そのマスクを合わせを
的確に行うことができる。したがって、本願発明では、
ノズル孔とインク流路とを所望の位置へ正確に形成した
インクジェットプリントヘッド用ヘッド基板を得ること
ができる。
【0018】一方、本願発明においては、1枚の感光性
板ガラスから所定のヘッド基板を多数枚取りできるため
に、このヘッド基板の生産性を高めることができ、その
製造コストを安価にできるという効果が得られる。
【0019】本願発明の好ましい実施の形態では、上記
インクジェットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法
において、上記第1次の露光処理を行うときに、上記第
2次の露光処理に用いられる露光マスクを上記感光性板
ガラスに位置決めするためのマーキング用の露光を、上
記感光性板ガラスに施す構成とすることができる。
【0020】このような構成によれば、インク流路の加
工対象領域への第2次の露光処理を行うときに、第1次
の露光処理時に施されたマーキングを基準として、露光
マスクの位置決めを行うことが可能となる。したがっ
て、第2次の露光処理時におけるマスク合わせ作業の容
易化が図れる。また、マスク合わせの精度も高めること
ができるために、第2次の露光処理に基づいて形成され
るインク流路と第1次の露光処理に基づいて形成される
ノズル孔との相対的な位置精度をも高めることができ
る。
【0021】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記第2次の露光処理は、上記感光性板ガラスに上記ノ
ズル孔を形成するためのエッチング処理を施す以前に行
う構成とすることができる。
【0022】このような構成によれば、インク流路の加
工対象領域への第2次の露光処理を適切に行えることと
なる。すなわち、エッチング処理によって形成されるノ
ズル孔は、その内周面がテーパ状となる傾向が強い。し
たがって、上記構成とは反対に、インク流路の加工対象
領域への第2次の露光処理を、ノズル孔の形成後に行う
と、このノズル孔のテーパ状の内周面が露光処理用の光
を反射し、感光性板ガラスに光を透過させない事態を生
じる場合がある。これでは、その部分についてその後の
エッチング処理が困難となってしまう。ところが、上記
構成のように、ノズル孔を形成する以前の段階において
インク流路を形成するための第2次の露光処理を行え
ば、ノズル孔の存在が原因となって感光性板ガラスの一
部の露光処理が困難になるようなことを回避でき、上記
第2次の露光処理部分に対してその後適切なエッチング
処理を行うことが可能となる。
【0023】本願発明の他の好ましい実施の形態では、
上記ノズル孔を形成するためのエッチング処理は、上記
感光性板ガラスの表裏両面から行う構成とすることがで
きる。
【0024】このような構成によれば、感光性板ガラス
の表裏両面からエッチング処理を進めてゆくことによ
り、貫通孔状のノズル孔の形成に要する処理時間が短縮
され、作業性を高めることができる。また、このような
エッチング処理によって形成された貫通孔状のノズル孔
は、両側の開口面積が大きく、感光性板ガラスの厚み方
向の略中央部へ進むにしたがって徐々にその開口面積が
狭まってゆく断面形状となる。その結果、ノズル孔の内
部の流路抵抗を小さくすることができ、インク吐出に適
したものとすることもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。な
お、本実施形態については、先の図9において説明した
ものと同様に、複数のノズル孔2と、これらノズル孔2
を含む領域に凹陥状に形成された複数条のインク流路3
とを備えたインクジェットプリントヘッド用ヘッド基板
1を製造する場合を一例として説明する。
【0026】図1(a)〜(g)は、本願発明に係るイ
ンクジェットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法の
一連の作業工程の一例を示す説明図である。図2は、図
1(a),(b)の作業工程を示す要部平面図である。
図3は、図1(f)の作業工程を示す要部平面図であ
る。
【0027】まず、図1(a)に示すように、ヘッド基
板1の材料となる感光性板ガラス1Aの表面に、露光マ
スク4Aを用いた第1次の露光処理を行う。上記感光性
板ガラス1Aは、ヘッド基板1を複数枚取り可能なもの
であり、その縦横のサイズは、ヘッド基板1の所望枚数
分よりも若干大きめである。また、その厚みt1は、た
とえば1mm程度であり、最終的に得られるヘッド基板
1の厚み(たとえば0.6mm)よりも若干厚肉であ
る。
【0028】上記第1次の露光処理は、図2に示すよう
に、感光性板ガラス1Aの表面のうち、上記ヘッド基板
1のノズル孔2の加工対象領域Aに露光を行う処理であ
る。この露光処理は、ヘッド基板1の複数枚分に相当す
るノズル孔2の各加工対象領域Aに対して一括して行
う。
【0029】また、上記第1次の露光処理時には、後述
する第2次の露光処理に用いられる露光マスク4Bを位
置決めするための複数のマークMを施す露光も同時に行
う。これら複数のマークMは、上記感光性板ガラス1A
からヘッド基板1を1枚ずつ切り出す際のマークとして
の役割を兼用するように、たとえば同図仮想線で示され
ているヘッド基板1の外形の四隅部分に相当する位置に
施す。このマークMは、次工程の現像処理が終了した段
階において、このマークMの箇所を浅くエッチングする
などの処理を施しておくことによって、その認識を一層
確実なものとすることが可能である。上記第1次の露光
処理に用いられる露光マスク4Aは、上記複数の加工対
象領域Aと、複数のマークMとの配置に対応した露光部
A1,M1を備えたものである。
【0030】上記第1次の露光処理を終えた後には、図
1(b)に示すように、上記感光性板ガラス1Aの露光
部分の現像処理を行う。この現像処理は、感光性板ガラ
ス1Aを約515°Cの屈服点以上の温度に加熱して行
う。感光性板ガラス1Aは、この加熱処理によって軟化
し、0.15%程度の割合で収縮することとなる。
【0031】なお、上記現像処理が終了した後には、上
記感光性板ガラス1Aに対し、いわゆるラップ・ポリと
称される研磨加工を施し、感光性板ガラス1Aの表面を
平滑にする。これにより、上記感光性板ガラス1Aの厚
みt2が、たとえば0.8mm程度となる。
【0032】次いで、図1(c)に示すように、上記感
光性板ガラス1Aの表面に、第2次の露光処理を施す。
この第2次の露光処理は、感光性板ガラス1Aの表面の
うち、上記ヘッド基板1のインク流路3の加工対象領域
B(同図(e),(f)参照)に露光を行う処理であ
る。この露光処理は、先の第1次の露光処理とは異な
り、感光性板ガラス1Aの全ての加工対象領域Bに対し
て一括して行うのではなく、たとえばヘッド基板1の1
枚分に相当する領域ごとに行う。すなわち、露光マスク
4Bとしては、ヘッド基板1の1枚分に相当するものを
用い、ヘッド基板1の1枚分の領域の露光処理が終了す
ると、その後上記露光マスク4Bをその隣りの領域に移
動させることにより、この領域の露光処理を行うといっ
た具合に、露光処理を複数回にわたって順次進めてゆ
く。上記露光マスク4Bは、図3に示すインク流路3と
同一パターン形状の露光部B1を備えたものである。
【0033】既述したとおり、上記感光性板ガラス1A
は先の現像処理に原因して収縮変形を生じているが、上
記のようにヘッド基板1の1枚分に相当するサイズの小
さな露光マスク4Bを用いれば、この露光マスク4Bに
対する上記感光性板ガラス1Aの相対的な収縮寸法は小
さい。したがって、上記露光マスク4Bのマスク合わせ
の精度を高めることが可能となり、ノズル孔2の加工対
象領域Aに対するインク流路3の加工対象領域Bの相対
位置の精度を高めることができる。また、上記マスク合
わせを行うときには、感光性板ガラス1Aの表面に施さ
れているマークMを基準として上記露光マスク4Bの位
置決めを図ることができる。したがって、マスク合わせ
の作業を一層正確に、しかも容易に行うことができるこ
ととなる。
【0034】上記第2次の露光処理が終了した後には、
感光性板ガラス1Aをエッチング液に晒す。エッチング
液としては、たとえば5〜7重量%の希釈フッ酸を用い
る。これにより、図1(d)に示すように、現像が終了
している加工対象領域Aをエッチングすることができ、
ヘッド基板1の複数枚分に相当するノズル孔2を一斉に
形成することができる。なお、上記とは別の加工対象領
域Bについては、未だ現像が終了しておらず、エッチン
グはなされない。また、上記マークMの位置は、各ノズ
ル孔2の形成に伴って、同時にエッチングしてもよい
が、この位置にたとえば耐エッチング剤を塗布するなど
して、マークMの位置のエッチング処理を防止してもよ
く、何れであってもよい。
【0035】上記ノズル孔2の形成後においては、図1
(e)に示すように、感光性板ガラス1Aを加熱し、同
図(c)の第2次の露光処理で露光されたインク流路3
の加工対象領域Bの現像処理を行う。そして、この現像
処理が終了すると、その後ラップ・ポリと称される感光
性板ガラス1Aの研磨処理を行う。これにより、感光性
板ガラス1Aの厚みt3を、最終的に製造されるヘッド
基板1と同一のたとえば0.6mmに設定する。
【0036】次いで、上記感光性板ガラス1Aをエッチ
ング液に晒す。これにより、図1(f)に示すように、
加工対象領域Bにエッチングを施すことができ、ヘッド
基板1の複数枚分に相当するインク流路3を一斉に形成
することができる。したがって、図3に示すように、上
記感光性板ガラス1Aには、ヘッド基板1の複数枚分に
相当するノズル孔2とインク流路3とがそれぞれ形成さ
れる。
【0037】その結果、その後感光性板ガラス1Aをそ
の表面に施されているマークMを基準としてカッティン
グすれば、図1(g)に示すように、上記感光性板ガラ
ス1Aからヘッド基板1を複数枚製造することができ
る。このように、1枚の感光性板ガラス1Aからヘッド
基板1を多数枚取りできれば、ヘッド基板1の生産性を
高めることができる。
【0038】上記一連の作業工程において、図1(d)
に示すノズル孔2の形成工程では、感光性板ガラス1A
の表裏両面をエッチング液に晒すようにエッチング処理
を行う。このようなエッチング処理によれば、感光性板
ガラス1Aの表裏両面からエッチングを行うことができ
るために、ノズル孔2の形成に要する時間を短縮するこ
とができる。
【0039】また、上記エッチング処理によって形成さ
れるノズル孔2の断面形状は、たとえば図4に示すよう
な形状となる。すなわち、感光性板ガラス1Aは、その
表裏両面からエッチング液によって浸食されるために、
上記ノズル孔2は、その両端開口部22から感光性板ガ
ラス1Aの厚み方向中央部へ進むほど、その内径が小さ
くなるテーパ状断面となる。これに対し、上記とは異な
り、感光性板ガラス1Aの表面側からのみエッチング処
理を行った場合には、図5に示すように、ノズル孔2
は、感光性板ガラス1Aの表面側から裏面側へ進むほ
ど、その内径が小さくなるテーパ状断面となる。したが
って、図4に示すノズル孔2の方が、その最大開口部と
最小開口部との寸法差Sを、図5に示すノズル孔2の寸
法差Saよりも小さくでき、インクが通過するときの流
路抵抗を小さくするので好都合となる。ただし、本願発
明はこれに限定されず、図5に示すように、感光性板ガ
ラス1Aの片面側からのみノズル孔2を加工するための
エッチング処理を施してもよい。
【0040】さらに、上記一連の作業工程では、図1
(c)に示す第2次の露光処理を、同図(d)に示すエ
ッチングによるノズル孔2の形成作業よりも先に行って
いる。したがって、上記第2次の露光処理は、ノズル孔
2が形成されていない平滑な感光性板ガラス1Aの表面
に対して行うことができ、その処理を適切に行うことが
できる。すなわち、たとえば先の図4に示すようなノズ
ル孔2を先に形成し、その後上記第2次の露光処理を行
うのでは、上記ノズル孔2の内周のテーパ面20が、露
光用の光を反射し、この部分に光が透過しない場合があ
る。また、図5に示す断面形状のノズル孔2について
も、その内周のテーパ面20aが、露光用の光を反射す
る場合がある。このような事態が生じたのでは、ノズル
孔2の内周部分について、その後のエッチング処理が困
難になる。ところが、上記のように、ノズル孔2を形成
する前に、第2次の露光処理を行えば、そのような虞れ
を適切に解消することが可能であり、都合が良い。
【0041】なお、上記のようにして製造されたヘッド
基板1は、たとえば図6〜図8に示すようなインクジェ
ットプリントヘッドHの構成部品となる。すなわち、図
6は、インクジェットプリントヘッドHの正面図であ
る。図7は、図6のX1−X1線要部拡大断面図であ
る。図8は、図7のX2−X2線断面図である。
【0042】図7によく表れているように、このインク
ジェットプリントヘッドHは、ヘッド基板1のインク流
路3を塞ぐように、振動板5を上記ヘッド基板1の片面
に接合した構造であり、上記振動板5に形成された貫通
孔50からインク流路3内へ所望のインクが流入するよ
うになっている。上記振動板5の外面側には、ITO膜
(微量の添加物品を含む酸化スズ膜、あるいは酸化スズ
膜を含む酸化インジウム膜)からなる導電層51が形成
された上で、圧電素子52が実装されており、この圧電
素子52に電圧印加を行うことにより、上記振動板5が
矢印a方向へ撓み変形するようになっている。一方、上
記ヘッド基板1のインク流路3は、図6によく表れてい
るように、放射状に多数条配列された個別インク流路3
aと、これらの個別インク流路3aに繋がった共通イン
ク流路3bとを有しており、プリント用のインクは、上
記貫通孔50から共通インク流路3bに流入した後に、
個別インク流路3a内へ流入するようになっている。上
記圧電素子52は、各個別インク流路3aに対応して設
けられている。
【0043】このインクジェットプリントヘッドHで
は、上記振動板5が撓み変形を行う結果、上記インク流
路3内の容積が一次的に減少することにより、このイン
ク流路3内のインクがノズル孔2を通過し、インク滴と
して外部へ吐出するようになっている。ヘッド基板1の
表面側には、ノズル孔2と連通する貫通孔60を備えた
ノズルプレート6が接着されているが、これは上記ノズ
ル孔2の加工寸法誤差を解消し、ノズル口径を所望の正
確な寸法に矯正する役割を果たす。
【0044】上記実施形態では、図1(c)に示す第2
次の露光処理を行う際に、ヘッド基板1の1枚分の露光
マスク4Bを用いた上で、ヘッド基板1の1枚分に相当
する領域ずつその露光処理を行っているが、本願発明は
必ずしもこれに限定されない。本願発明では、たとえば
ヘッド基板1の2枚分、あるいはそれ以上の枚数分に相
当する露光マスクを用いることによって第2次の露光処
理を行っても構わない。要は、第2次の露光処理は、所
定の複数の加工対象領域Bを一括して処理することな
く、その加工対象領域Bを複数の領域に分けてその領域
ごとに行えばよい。加工対象領域Bを複数の領域に分け
ることによって、露光マスクのマスク面積を小さくすれ
ば、マスク合わせに際し、感光性板ガラス1Aの収縮変
形の影響を小さくできるからである。
【0045】また、上記実施形態では、所定のノズル孔
2とインク流路3とを備えたインクジェットプリントヘ
ッド用ヘッド基板1を製造する場合を一例として説明し
たが、本願発明に係る感光性板ガラスの加工方法はやは
りこれに限定されない。上記実施形態では、ノズル孔2
が第1加工部に、またインク流路3が第2加工部に相当
しているが、第1加工部および第2加工部の具体的な形
態なども問わない。本願発明に係る感光性板ガラスの加
工方法では、感光性板ガラスをエッチングすることによ
り、所望の第1加工部と第2加工部とが形成される板状
体であれば、上記ヘッド基板1とは異なる種類、あるい
は異なる形状の板状体の製造用途などに幅広く適用する
ことが可能である。
【0046】その他、本願発明に係る感光性板ガラスの
加工方法、およびインクジェットプリントヘッド用ヘッ
ド基板の製造方法の各作業工程の具体的な構成は、種々
に変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は、本願発明に係るインクジェ
ットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法の一連の作
業工程の一例を示す説明図。
【図2】図1(a),(b)の作業工程を示す要部平面
図。
【図3】図1(f)の作業工程を示す要部平面図。
【図4】ヘッド基板に形成されるノズル孔の一例を示す
要部断面図。
【図5】ヘッド基板に形成されるノズル孔の他の例を示
す要部断面図。
【図6】インクジェットプリントヘッドの一例を示す正
面図。
【図7】図6のX1−X1線要部拡大断面図。
【図8】図7のX2−X2線断面図。
【図9】ヘッド基板の一例を示す断面図。
【図10】(a)〜(c)は、従来におけるヘッド基板
の製造方法の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1 ヘッド基板(板状体) 1A 感光性板ガラス 2 ノズル孔(第1加工部) 3 インク流路(第2加工部) 4A,4B 露光マスク A 加工対象領域(ノズル孔の) B 加工対象領域(インク流路の) H インクジェットプリントヘッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔状または凹陥状の第1加工部と第2加
    工部とがそれぞれ形成されている板状体を、感光性板ガ
    ラスから製造するための感光性板ガラスの加工方法であ
    って、 上記板状体を複数枚取り可能な感光性板ガラスに、上記
    板状体の複数枚分に相当する第1加工部の各加工対象領
    域への第1次の露光処理を一括して行い、その後現像処
    理およびエッチング処理を施すことにより、上記感光性
    板ガラスに上記板状体の複数枚分の第1加工部を形成す
    る工程と、 上記第1次の露光処理とその現像処理が終了した後に、
    上記感光性板ガラスに、上記板状体の複数枚分に相当す
    る第2加工部の各加工対象領域への第2次の露光処理
    を、これら各加工対象領域を複数の領域に分けてその領
    域ごとに行い、その後現像処理およびエッチング処理を
    施すことにより、上記感光性板ガラスに上記板状体の複
    数枚分の第2加工部を形成する工程と、 を含むことを特徴とする、感光性板ガラスの加工方法。
  2. 【請求項2】 貫通孔状のインク吐出用のノズル孔と、
    このノズル孔を含む領域に形成された凹陥状のインク流
    路とを備えたインクジェットプリントヘッド用ヘッド基
    板を、感光性板ガラスから製造するためのインクジェッ
    トプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法であって、 上記ヘッド基板を複数枚取り可能な感光性板ガラスに、
    上記ヘッド基板の複数枚分に相当するノズル孔の各加工
    対象領域への第1次の露光処理を一括して行い、その後
    現像処理およびエッチング処理を施すことにより、上記
    感光性板ガラスに上記ヘッド基板の複数枚分のノズル孔
    を形成する工程と、 上記第1次の露光処理とその現像処理が終了した後に、
    上記感光性板ガラスに、上記ヘッド基板の複数枚分に相
    当するインク流路の各加工対象領域への第2次の露光処
    理を、これら各加工対象領域を複数の領域に分けてその
    領域ごとに行い、その後現像処理およびエッチング処理
    を施すことにより、上記感光性板ガラスに上記ヘッド基
    板の複数枚分のインク流路を形成する工程と、 を含むことを特徴とする、インクジェットプリントヘッ
    ド用ヘッド基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第1次の露光処理を行うときに、上
    記第2次の露光処理に用いられる露光マスクを上記感光
    性板ガラスに位置決めするためのマーキング用の露光
    を、上記感光性板ガラスに施す、請求項2に記載のイン
    クジェットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第2次の露光処理は、上記感光性板
    ガラスに上記ノズル孔を形成するためのエッチング処理
    を施す以前に行う、請求項2または3に記載のインクジ
    ェットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記ノズル孔を形成するためのエッチン
    グ処理は、上記感光性板ガラスの表裏両面から行う、請
    求項2ないし4のいずれかに記載のインクジェットプリ
    ントヘッド用ヘッド基板の製造方法。
JP2764196A 1996-02-15 1996-02-15 感光性板ガラスの加工方法、およびこれを利用したインクジェットプリントヘッド用ヘッド基板の製造方法 Pending JPH09221339A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014005172A (ja) * 2012-06-25 2014-01-16 Ulvac Seimaku Kk 貫通孔形成方法及び貫通孔付きガラス基板

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