JPH09220600A - 固液分離装置 - Google Patents

固液分離装置

Info

Publication number
JPH09220600A
JPH09220600A JP8053927A JP5392796A JPH09220600A JP H09220600 A JPH09220600 A JP H09220600A JP 8053927 A JP8053927 A JP 8053927A JP 5392796 A JP5392796 A JP 5392796A JP H09220600 A JPH09220600 A JP H09220600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
tubular body
discharged
solid
screw conveyor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8053927A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Sasaki
正昌 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amukon KK
Original Assignee
Amukon KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amukon KK filed Critical Amukon KK
Priority to JP8053927A priority Critical patent/JPH09220600A/ja
Publication of JPH09220600A publication Critical patent/JPH09220600A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筒状体内の汚泥をスクリューコンベアで移動
させながら、その汚泥から水分を分離し、含水量の減少
した汚泥を筒状体外に排出させ、そのとき筒状体の出口
開口に設けた規制部材によって汚泥の排出量を規制する
固液分離装置において、筒状体から排出された汚泥を堆
肥化しやすい形状にする。 【解決手段】 規制部材40に排出孔41を設け、ここ
を通して汚泥を排出し、排出された汚泥を細紐状にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多量の水分を含ん
だ汚泥を脱水し、その汚泥から水分を分離する固液分離
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般家庭、食品加工工場、養豚場又はホ
テルなどからは大量の廃水が排出される。このような廃
水は水処理された後、上述した固液分離装置によって脱
水され、水分の少なくなった汚泥に処理される。
【0003】従来の固液分離装置は、筒状体と、その内
部空間に配置されたスクリューコンベアを有し、当該コ
ンベアをその中心軸線のまわりに回転駆動することによ
って、筒状体の軸線方向一端側の入口開口から筒状体の
内部に流入した汚泥を筒状体の軸線方向他端側の出口開
口へ向けて移動させるように構成されている。このと
き、筒状体の出口開口に設けた規制部材によって筒状体
の内部から排出される量を規制し、筒状体内の汚泥に加
えられる圧力を高めることによって、筒状体内を移動す
る汚泥から効率よく水分を分離することができる。この
ようにして分離された水分は、筒状体に形成されたろ液
排出スリットを通して筒状体外へ排出される。そして含
水量の減少した汚泥は、筒状体の出口開口から規制部材
を通して筒状体外へ排出される。
【0004】上述のようにして脱水処理された汚泥の含
水量は、例えば80重量%前後となっているが、最近、
このような汚泥を単に廃棄するのではなく、これを堆肥
化し、これを肥料として再利用することが広く行われる
ようになってきた。固液分離装置で脱水した汚泥を乾燥
装置で乾燥し、これをコンポスト装置を用いて微生物に
よる処理を施すことにより、汚泥を堆肥化するのであ
る。
【0005】ところで、従来の固液分離装置において用
いられる前述の規制部材は、筒状体の出口開口に近接し
て固定配置された板状体から成り、かかる規制部材と筒
状体との間の微小ギャップを通して、筒状体内の汚泥を
外部に押し出すように構成されている。このため、規制
部材を通して筒状体外に排出された汚泥は、ケーキ状、
ないしはせんべい状の平たいかたまりとなっている。こ
のような汚泥を堆肥化するため、これを乾燥させると、
その内部まで充分に乾操させるのに長い時間を必要とす
る。しかも乾操後の汚泥をコンポスト装置において微生
物による処理を施すときも長い処理時間を必要とする。
このように、平たいかたまり状の汚泥を堆肥化するには
長い時間を必要とし、その処理効率が極めて低いものと
なっていたのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、効率
よく短時間で堆肥化させることのできる汚泥を得ること
の可能な固液分離装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、筒状体の内部空間に配置されたスクリュー
コンベアを、その中心軸線のまわりに回転駆動すること
により、前記筒状体の軸線方向一端側の入口開口から当
該筒状体の内部空間に流入した汚泥を、筒状体の軸線方
向他端側の出口開口へ向けて移動させると共に、該出口
開口に設けた規制部材によって筒状体の内部から排出さ
れる汚泥の量を規制することにより、筒状体内の汚泥に
加えられる圧力を高め、筒状体内を移動する汚泥から分
離された水分を、筒状体に形成されたろ液排出スリット
を通して筒状体外に排出させ、含水量の減少した汚泥
を、筒状体の出口開口から前記規制部材を通して筒状体
外へ排出させる固液分離装置において、前記規制部材を
通して筒状体の内部から外部へ排出された汚泥が細紐状
をなすように、筒状体の内部から外部へ向けて貫通して
いて、筒状体内の汚泥が外部へ排出されるときに通る複
数の排出孔を前記規制部材に設け、その各排出孔の最も
小なる直径部分の直径を2乃至10mmに設定したことを
特徴とする固液分離装置を提案する。
【0008】その際、排出孔が、筒状体の内部側から外
部側へ向けて漸次径を縮小したテーパ状に形成されてい
ると特に有利である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に従って説明し、併せて、従来の問題点を図面に即して
より具体的に明らかにする。
【0010】図1は、一般家庭、食品加工工場、養豚場
又はホテルなどから大量に排出された廃水を水処理した
後の汚泥を脱水し、これを含水量の少なくなった汚泥と
水分とに分離する固液分離装置の一例を示す縦断面図で
ある。ここに示した固液分離装置は、入口部材1、出口
部材2、その両者の間に配置された中間支持部材3を有
している。
【0011】入口部材1は一方に端壁4を有し、他方が
開放された筒状の本体7と、その本体7の上部に一体に
接続された入口管11とを有し、この入口管11によっ
て、多量の水分を含んだ汚泥用の流入口12が構成され
ている。本体7の開放部側に一体に設けられたフランジ
13はその一部が下方に延び、その下端部が、固液分離
装置の図示していない前後一対の本体側板に固着された
ステー14に固定され、これによって入口部材1が本体
側板に不動に支持されている。
【0012】出口部材2は、その水平断面がほぼロの字
形に形成され、上部と下部が開口し、その下部の開口
が、脱水された汚泥が排出される排出口15を構成して
いる。出口部材2の一方の側壁16は下方に延び、その
下端部が前述の本体側板に固着されたステー17に固定
され、これによって出口部材2が本体側板に不動に支持
されている。
【0013】入口部材1と出口部材2の中間に配置され
た中間支持部材3は、ほぼ円筒状に形成され、その軸線
方向各端部にフランジ18,19が一体に形成され、一
方のフランジ19は下方に延び、その下端部が、本体側
板に固着されたステー20に固定され、これによって中
間支持部材3が本体側板に対して不動に支持されてい
る。
【0014】入口部材1と中間支持部材3との間、及び
中間支持部材3と出口部材2との間には固液分離部5が
設けられ、前述の流入口12から入口部材1の内部に流
入した水分を多量に含んだ汚泥は、両固液分離部5の内
部を順次移動し、ここで脱水処理を受けて水分を分離さ
れ、含水量の減少した汚泥が排出口15から排出され
る。
【0015】固液分離部5は、図2に示す如き固定リン
グ6を複数個有しており、これらの固定リング6は、図
1、図3及び図4に示すように、同心状に配列され、各
固定リング6の間にはスペーサ9が挟み込まれ、各固定
リング6の耳6aに形成された孔8とスペーサ9にはボ
ルト10が挿通されている。この例では4本のボルト1
0が用いられ、これらが同一円周上に配列されている。
各ボルト10は、入口部材1のフランジ13と、中間支
持部材3の両フランジ18,19と、出口部材2の一方
の側壁16にそれぞれ形成された孔を貫通し、これら
に、ボルト10に螺合したナット32によって固定され
ている。
【0016】このように、複数の固定リング6は、スペ
ーサ9により互いに所定の間隙をあけて、その軸線方向
に配列され、かつボルト10とナット32とによって互
いに一体的に固定され、入口部材1、中間支持部材3及
び出口部材2に対して不動に固定されている。各固定リ
ング6にスペーサ9と同様な突部を一体に付設し、これ
によって各固定リングの間に間隙を形成してもよい。
【0017】各固定リング6の間の間隙には、図1乃至
図4に示すように遊動リング30がそれぞれ配置されて
いる。図4に示すように、各遊動リング30の厚さT
は、各固定リング間の間隙幅Gより小さく設定され(T
<G)、各固定リング6の端面と、これに対向する遊動
リング30の端面の間には微小なギャップより成るろ液
排出スリットgが形成される。例えば、間隙幅Gが6m
m、遊動リング30の厚さTが5mmに設定されていると
き、これらの間の各ろ液排出スリットgは0.5mmとな
る。かかるろ液排出スリットgは、後述するように汚泥
から分離された水分、すなわちろ液を通過させるもので
ある。また各遊動リング30の外径D1は、そのまわり
に位置する4本のスペーサ9の内側面により形成される
円C(図2)の径D2よりも小さく、しかも各固定リン
グ6の内径D3よりも大きく設定されている。この構成
により、各遊動リング30は、各固定リング6の間から
離脱することなく、その半径方向に可動であり、しかも
中心軸線まわりを回転可能となる。このように、遊動リ
ング30は各固定リング間の間隙に遊動可能に配置され
ているのである。
【0018】上述のようにして、複数の固定リング6
と、複数の遊動リング30とによって筒状体21が形成
され、図1に示した例では中間支持部材3を間に挟んだ
2個の筒状体部分21a,21bによって筒状体21の
全体が構成されている。かかる筒状体21の内部には、
図3及び図4に示すように空間Sが区画され、その内部
空間Sには、筒状体21の軸線方向に延びるスクリュー
コンベア31が配置されている。このような筒状体21
にろ液排出スリットgが形成されているのである。
【0019】本例のスクリューコンベア31は、図1に
示すように、それぞれ別々に駆動される第1コンベア2
2と第2コンベア23とに分割され、第1コンベア22
の軸部24の一方の端部は、入口部材1の端壁4を貫通
し、その端壁4に固定支持された第1モータ26に駆動
連結されている。またこの軸部24の他方の端部は、中
間支持部材3に固定された軸受部材28に回転自在に支
持されている。第2コンベア22の軸部25の一方の端
部は、上記軸受部材28に回転自在に支持され、他方の
端部は、出口部材2の一方の側壁16に形成された開口
29を通り、出口部材2の他方の側壁33を貫通し、そ
の側壁33に固定支持された第2モータ27に駆動連結
されている。このように、本例では、同一軸線上に配置
された第1及び第2コンベア22,23より成るスクリ
ューコンベア31が用いられているが、複数に分割され
ていない1つのスクリューコンベア31を用いることも
できる。
【0020】次に固液分離装置の作用の詳細を説明しな
がら、他の構成について明らかにする。
【0021】図示していない導管を通して、図1に矢印
Aで示すように、流入口12から入口部材1の本体7内
に、水処理された汚泥(図示せず)が流入する。この汚
泥は、これに予め混入された凝集剤によってフロックが
形成されたものとなっていて、水分中に多数のフロック
が浮遊した状態となっている。処理前の汚泥の含水率
は、例えば99重量%程度である。
【0022】このとき、スクリューコンベア31は、そ
の中心軸線のまわりに回転駆動されており、これにより
入口部材1の本体7内に流入した汚泥は、その本体7の
開放端側から流出し、複数の固定リング6と遊動リング
30によって構成された筒状体21の軸線方向一端側の
入口開口34から、その筒状体21の内部空間Sに流入
する。図示した例では、スクリューコンベア31が第1
及び第2コンベア22,23から成るので、これらのコ
ンベア22,23が第1及び第2モータ26,27によ
ってそれぞれ回転駆動される。
【0023】入口開口34から筒状体21の内部空間に
流入した多量の水分を含む汚泥は、スクリューコンベア
31がその中心軸線のまわりに回転駆動されることによ
り、中間支持部材3の内部空間を通り、筒状体21の軸
線方向他端側の出口開口35へ向けて移動する。先にも
説明したように、第1及び第2コンベア22,23の軸
部24,25の互いに対向した側の各端部は、図1に示
した軸受部材28に回転自在に支持されているが、この
軸受部材28は、そのフランジ部28aが、図6に示す
ように、中間支持部材3の円周面からその中心側に突出
した突部43にねじ止めされて固定され、各突部43の
間、及び軸受部材28と中間支持部材3の内周面との間
には、汚泥が通過できるのに充分な大きさの隙間が確保
されている。このようにして、汚泥は支障なく中間支持
部材3内を通過することができる。
【0024】上述のように、汚泥が筒状体21の内部を
移動するとき、汚泥中から分離された水分が各固定リン
グ6と遊動リング30との間の微小ギャップより成るろ
液排出スリットgを通して筒状体外に排出される。図1
に矢印C1,C2で示すように、筒状体21から流下した
水分は、前述の本体側板に固定された第1及び第2受皿
36,37のそれぞれに受け止められ、その各排出口3
8,39を通して排出される。
【0025】上述のようにして筒状体21内の汚泥の含
水率が下げられ、含水量の減少した汚泥は筒状体21の
出口開口35から排出され、出口部材2の側壁16に形
成された開口29と、次に説明する規制部材40の排出
孔41を通して、図1に矢印Bで示すように出口部材2
内に排出され、次いで本体側板に固定されたシュータ4
2に案内されながら下方に落下して回収される。このよ
うにして脱水処理された後の汚泥の含水率は、例えば8
0重量%前後である。
【0026】筒状体21の出口開口35に設けられた規
制部材40は、図5及び図7にも示すように、中央部に
スクリューコンベア31の軸部25が貫通するボス部4
2を備えた円板状に形成されている。その円板45の外
径は、出口部材2の側壁16に形成された開口29より
も大きく、かかる円板45が、開口29の全体を筒状体
21の外側から塞いだ状態で、出口部材2の側壁16に
対して極く近接し、ないしは密接した状態で位置してい
る。規制部材40の円板45には、その中心のまわり
に、先に説明した複数の排出孔41が穿設され、ボス部
42がスクリューコンベア31、本例ではその第2コン
ベア23の軸部25にねじ44によって固定されてい
る。かかる構成により、スクリューコンベア31が回転
すると、規制部材40も側壁16に摺接しながら、或い
はその側壁16に対して極く近接した状態を維持しなが
ら回転する。各排出孔41は、側壁16の開口29に対
向して位置する。
【0027】規制部材40は上述のように構成されてい
るので、前述の如く筒状体21内で脱水処理された汚泥
は、規制部材40の排出孔41を通して矢印Bで示すよ
うに外部に排出される。その際、汚泥は規制部材40の
排出孔41を通るので、筒状体21から外部に排出され
る汚泥の量が制限されて規制され、これによって筒状体
21内の汚泥に加えられる圧力が、その出口開口35に
近づくに従って高められる。また図示した例では、図1
に示すように、スクリューコンベア31のスクリュー羽
根のピッチが、筒状体21の入口開口34の側から出口
開口35の側に向けて漸次小さくなっていて、筒状体2
1の内部空間の有効容積が出口開口35に近づくに従っ
て小さくなっている。これによっても、筒状体21内の
汚泥に加えられる圧力が出口開口35に近づくに従って
順次大きくなり、汚泥に対する水分の絞り効果が高めら
れる。このようにして汚泥に対して効率よく脱水でき、
脱水済みの汚泥の含水量を、前述のように低いものにす
ることができるのである。
【0028】上述のように、図示した固液分離装置にお
いては、筒状体21の出口開口35に設けた規制部材4
0によって、筒状体21の内部から排出される汚泥の量
を規制し、これによって筒状体21内の汚泥に加えられ
る圧力を高め、筒状体内を移動する汚泥から分離された
水分を、筒状体21に形成されたろ液排出スリットgを
通して筒状体外に排出させ、含水量の減少した汚泥を、
筒状体21の出口開口35から規制部材40を通して筒
状体外へ排出するのである。
【0029】上述のようにして、連続的に流入口12に
水分を多量に含んだ汚泥を供給し、スクリューコンベア
31を回転させることによって、安定状態で、脱水した
汚泥を得ることができる。
【0030】このようにして得られた脱水済みの汚泥
は、先にも説明したように堆肥化される。すなわち、固
液分離装置から排出された汚泥を図示していない乾操装
置で乾操し、次いでこれを、同じく図示していないコン
ポスト装置において微生物による処理を施すことによ
り、汚泥を堆肥化するのである。その際、従来の固液分
離装置によって得られた脱水済みの汚泥を堆肥化すると
き、その処理に多大な時間を必要とし、その処理効率が
著しく低いものとなっていた。この点は既に説明したと
ころであるが、本発明の理解のため、以下にこの点をよ
り具体的に明らかにする。
【0031】図10は、従来の固液分離装置の規制部材
40aを示している。この規制部材40aも筒状体21
の出口開口35に設けられているが、この規制部材40
aには排出孔は形成されておらず、その円板45aが出
口開口35、より正確には出口部材2の側壁16に対
し、例えば1乃至3mmの微小ギャップDをあけて位置
し、そのボス部42aがねじ44aによってスクリュー
コンベア31の軸部25に固定されている。筒状体21
内の脱水済み汚泥は、上述の微小ギャップDを通して矢
印Baで示すように筒状体外に押し出され、これによっ
て筒状体内の汚泥に加えられる圧力を高めることができ
る。ところが、汚泥は、微小ギャップDを通して排出さ
れるので、排出された汚泥はケーキ状ないしはせんべい
状の平たいかたまりとなっている。このような汚泥を図
示していない乾操装置で乾操し、次いでこれを図示して
いないコンポスト装置において微生物による処理を施す
とき、多大な時間を必要とするのである。
【0032】本発明者は、このような情況下で、汚泥の
堆肥化を効率よく短時間で行えるようにするには、固液
分離装置によって脱水処理された汚泥の形態がいかなる
ものであればよいかにつき、多数の実験を繰り返しなが
ら検討した。その結果、固液分離装置の筒状体から排出
される汚泥が細紐状をなしていることが最も望ましいこ
とが判明した。かかる細紐状の汚泥は、固液分離装置か
ら排出されるときに受ける衝撃などによって短かくちぎ
れ、多数のペレット状となる。このようなペレット状の
汚泥を乾操させれば、その単位重量当りの表面積が、平
たいかたまり状の汚泥に比べてはるかに大きいので、短
時間で内部まで乾操させることができる。しかも、コン
ポスト装置においても、ペレット状の汚泥は、その表面
積が大きいので、空気に触れる機会が多くなり、短時間
で微生物による処理を施すことが可能となる。
【0033】図1乃至図7に示した固液分離装置は、上
述した新規な認識に基づき構成されており、先に説明し
た如く、規制部材40に、筒状体21の内部から外部へ
向けて貫通している複数の排出孔41が設けられ、筒状
体21内の汚泥が外部へ排出されるとき、これらの排出
孔41を通るように構成されている。このため、図7に
鎖線で示したように、規制部材40の各排出孔41を通
して筒状体21の内部から外部に排出された汚泥は、細
紐状をなしている。このような細紐状の汚泥は、これが
図1に示したシュータ42上に落ち、さらにその下方に
落下する際に受ける衝撃によって短かくちぎれ、図8に
示したように、8乃至15mm程の長さLのペレット状と
なる。このようなペレット状の小片となった汚泥は、先
に説明したように単位重量当りの表面積が大きくなるた
め、これを短時間で乾操し、かつ短時間で微生物による
処理を施すことができる。短時間で汚泥を堆肥化するこ
とができるのである。
【0034】また本発明者の検討したところによると、
図8に示したペレット状汚泥の直径d1が2乃至10mm
であると、最も効率よくこれを堆肥化することが明らか
となっている。かかる観点から、図7に示すように、規
制部材40に形成された各排出孔41の最も小なる直径
部分の直径d2が、2乃至10mmに設定されている。こ
れにより理想的な直径d1のペレット状汚泥を得ること
ができる。特に、直径d2を5mmに設定し、これとほぼ
同径のペレット状汚泥を形成すると好ましい結果が得ら
れた。
【0035】規制部材40に設ける排出孔41は、処理
すべき汚泥の種類に応じて適宜変えればよく、その数は
2以上の適数に設定される。
【0036】また、排出孔41の縦断面形状も適宜設定
でき、図9に示すように、排出孔41の径をその全長に
亘って一定にしてもよい。ただ、このように排出孔41
を形成すると、ここを通して排出される汚泥中に、例え
ば果物の種子や、人髪などの異物が混入していると、か
かる異物が排出孔41のエッジ部41aに引掛かって、
これが排出されなくなるおそれがある。
【0037】このような観点から、図1及び図7に示し
た例のように、排出孔41が筒状体21の内部側から外
部側へ向けて漸次径を縮小したテーパ状に形成されてい
ると有利である。図7に示した例では、筒状体21の内
部側の排出孔41の径d3が最大となっていて、これが
筒状体外部側の最小の径d2へ向けて漸次縮径し、その
全体がほぼ円錐形をなしている。かかる形状の排出孔4
1によると、その筒状体21の内部側に角ばったエッジ
部がなくなるので、汚泥中に異物が混入していても、こ
れが円滑に排出孔41に押し込まれ、スムースに排出孔
41から排出される。
【0038】以上、筒状体21を固定リング6とその間
に配置された遊動リング30によって構成し、その固定
リング6と遊動リング30との間にできる微小ギャップ
によって、汚泥から分離された水分を筒状体21外に排
出させるろ液排出スリットgを形成した固液分離装置を
示したが、本発明はこのような形式以外の固液分離装置
にも広く適用できるものである。例えば、全体が一体の
剛体板より成る筒状体にろ液排出スリットを形成し、そ
の内部のスクリューコンベアによって汚泥を移動させ、
このとき分離された水分をろ液排出スリットから排出さ
せる固液分離装置や、特公平6−42928号公報に開
示されているように、多数の固定リングを筒状に配列し
て筒状体を構成し、その内部に配置されたスクリューコ
ンベアにより汚泥を搬送し、このとき分離された水分
を、各固定リング間に形成されたろ液排出スリットを通
して外部に排出させる固液分離装置などにも広く適用で
きる。また、先にも述べたように、スクリューコンベア
を複数に分割せず、1本のスクリューコンベアを用いた
固液分離装置にも適用可能であり、この場合には、図2
に示した中間支持部材3を省略し、筒状体21の全体を
連続したものに構成することもできる。このような固液
分離装置は、前述の特公平6−42928号公報のほか
に、特公平7−10440号公報にも開示されている。
【0039】ただ、本例のように複数の固定リング6と
遊動リング30を用いて筒状体を構成すると、次のよう
な目詰まり防止効果も得られ、特に有利である。
【0040】すなわち、汚泥の水分と固形分を分離する
際、各固定リング6と遊動リング30との間のろ液排出
スリットgに固形分の一部がわずかに入り込むことは避
けられず、これを放置すると、そのスリットgが目詰ま
りを起こし、スリットgを通しての水分の流下が不能と
なる。ところが、各固定リング6の間に配置された遊動
リング30は、その軸線のまわりと、その半径方向に遊
動可能であるため、各遊動リング30の端面が、これに
対向する固定リング6の端面に対して運動し、この掻動
作用によってろ液排出スリットgに入り込んだ固形分
を、該スリットgから効率よく排出させることができ
る。スリットgを、装置の作動自体によって清掃でき、
その目詰まりを防止し、該スリットgを通して確実に水
分を排出させることができるのである。
【0041】その際、図4に示す如くスクリューコンベ
ア31の外径D4は、その回転が阻害されないように、
固定リング6の内径D3よりもわずかに小なる大きさに
設定されるが、遊動リング30の内径D5は、スクリュ
ーコンベア31の外径D4よりも小さく設定されてい
る。図4における符号Pは、遊動リング30の内周面
と、スクリューコンベア31のスクリュー羽根エッジと
の接触点を示している。このような構成により、スクリ
ューコンベア31の回転によって、各遊動リング30
は、スクリューコンベア31から外力を受け、固定リン
グ6に対して、これとほぼ平行な方向に積極的に相対運
動し、スリットgに対するクリーニング効率を高めるこ
とができる。すなわち、スクリューコンベア31の外径
4と遊動リング30の内径D5とに差(D4−D5)があ
るため、スクリューコンベアが回転すると、各遊動リン
グ30は、その中心軸線がスクリューコンベア31の中
心軸線に対して積極的に相対運動するのである。このよ
うな運動を各遊動リング30がそれぞれ行うので、各遊
動リング30と各固定リング6との間の微小幅のスリッ
トgに入り込んだ固形分を極めて効率よくスリット外に
排出させ、目詰まりを効果的に阻止することができる。
【0042】さらに、スクリューコンベア31を2つの
第1及び第2コンベア22,23によって構成すると、
次のような利点も得られる。
【0043】すなわち、筒状体21内の汚泥の移動方向
に関して上流側に位置する第1コンベア22を、それよ
りも下流側に位置する第2コンベア23よりも高速で回
転駆動するのである。第1コンベア22によって運ばれ
る汚泥中には未だ大量の水分が含まれているので、この
ときは第1コンベア23を高速で回転させ、これによっ
て作動する遊動リング30の動きを速め、遊動リング3
0と固定リング6の間のろ液排出スリットgに入り込ん
だ固形分を迅速に排出させ、このスリットgを通して短
時間に多量の水分を排出させる。これにより、第1コン
ベア22が位置する筒状体21内の領域S1に多量の汚
泥を送り込んで効率よくその水切り処理を行い、かつ含
水量の少なくなった汚泥を多量に第2コンベア23の側
へ送り込むことができる。このとき、筒状体21内の領
域S2に位置する第2コンベア23を低速で回転させて
遊動リング30の作動速度を下げ、このコンベア23の
位置する筒状体内に多量の汚泥を詰め込み、その汚泥が
ここに滞留する時間を長くし、かかる汚泥に対して、ゆ
っくりと時間をかけて、その汚泥に大きな絞り力を加え
る。このようにして、その汚泥水から効果的に水分を絞
り出すことができ、前述のように脱水済みの汚泥の含水
率を、容易に、80重量%前後の低いものにすることが
できる。
【0044】汚泥が筒状体21内に流入した初期の段階
では、これに多量の水分が含まれているので、このとき
第1コンベア22の回転数を上げ、遊動リング30を激
しく作動させてその汚泥から迅速に多量の水分を分離す
る一方、第2コンベア23の領域に運ばれた汚泥の含水
量は少なくなっているので、このときは第2コンベアを
低速で回転させ、ゆっくりと時間をかけながらその汚泥
から水分を分離するのである。このようにして、筒状体
21の全体に亘る脱水効率を高めることができる。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載の固液分離装置によれ
ば、筒状体内から規制部材を通して排出される汚泥を細
紐状にすることができるので、これを短時間で効率よく
堆肥化することができる。
【0046】請求項2に記載の固液分離装置によれば、
筒状体内の汚泥に異物が混入していても、これを円滑に
排出孔を通して筒状体外に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固液分離装置の縦断面図である。
【図2】1つの固定リングと、1つの遊動リングと、ス
ペーサとを示す斜視図である。
【図3】固液分離部の分解斜視図である。
【図4】固液分離部の断面図である。
【図5】図1のV−V線方向に見た断面図である。
【図6】図1のVI−VI線方向に見た断面図である。
【図7】規制部材の拡大断面図である。
【図8】ペレット状の汚泥を示す斜視図である。
【図9】排出孔の他の形態を示す断面図である。
【図10】従来の規制部材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
21 筒状体 31 スクリューコンベア 34 入口開口 35 出口開口 40 規制部材 41 排出孔 d2 直径 g ろ液排出スリット S 内部空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状体の内部空間に配置されたスクリュ
    ーコンベアを、その中心軸線のまわりに回転駆動するこ
    とにより、前記筒状体の軸線方向一端側の入口開口から
    当該筒状体の内部空間に流入した汚泥を、筒状体の軸線
    方向他端側の出口開口へ向けて移動させると共に、該出
    口開口に設けた規制部材によって筒状体の内部から排出
    される汚泥の量を規制することにより、筒状体内の汚泥
    に加えられる圧力を高め、筒状体内を移動する汚泥から
    分離された水分を、筒状体に形成されたろ液排出スリッ
    トを通して筒状体外に排出させ、含水量の減少した汚泥
    を、筒状体の出口開口から前記規制部材を通して筒状体
    外へ排出させる固液分離装置において、 前記規制部材を通して筒状体の内部から外部へ排出され
    た汚泥が細紐状をなすように、筒状体の内部から外部へ
    向けて貫通していて、筒状体内の汚泥が外部へ排出され
    るときに通る複数の排出孔を前記規制部材に設け、その
    各排出孔の最も小なる直径部分の直径を2乃至10mmに
    設定したことを特徴とする固液分離装置。
  2. 【請求項2】 前記排出孔が、筒状体の内部側から外部
    側へ向けて漸次径を縮小したテーパ状に形成されている
    請求項1に記載の固液分離装置。
JP8053927A 1996-02-18 1996-02-18 固液分離装置 Pending JPH09220600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8053927A JPH09220600A (ja) 1996-02-18 1996-02-18 固液分離装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8053927A JPH09220600A (ja) 1996-02-18 1996-02-18 固液分離装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09220600A true JPH09220600A (ja) 1997-08-26

Family

ID=12956370

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8053927A Pending JPH09220600A (ja) 1996-02-18 1996-02-18 固液分離装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09220600A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5496020A (en) * 1991-11-07 1996-03-05 Kabushiki Kaisha Ace Denken Bank note transporting apparatus in game machine island
JP2005169322A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Amukon Kk 固液分離装置
JP2012000532A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 脱水装置
JP2016022436A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 ジャステック株式会社 固液分離装置
JP2018103388A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 株式会社タジリ 廃棄物の圧縮成型機

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5496020A (en) * 1991-11-07 1996-03-05 Kabushiki Kaisha Ace Denken Bank note transporting apparatus in game machine island
JP2005169322A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Amukon Kk 固液分離装置
JP4669217B2 (ja) * 2003-12-12 2011-04-13 アムコン株式会社 固液分離装置
JP2012000532A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd 脱水装置
JP2016022436A (ja) * 2014-07-22 2016-02-08 ジャステック株式会社 固液分離装置
JP2018103388A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 株式会社タジリ 廃棄物の圧縮成型機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3938434A (en) Sludge dewatering
EP3261742B1 (en) Multi-zoned paddle screen apparatus
KR101358885B1 (ko) 음식물 쓰레기 처리용 일체형 파쇄, 고액 분리 및 압축 탈수 장치
CN201050927Y (zh) 螺杆式挤压脱水机
US6451213B2 (en) Methods and apparatus for de-watering sludge
KR100916032B1 (ko) 축산폐수 침전 슬러지 탈수용 원심탈수기
JP2826991B2 (ja) 固液分離装置
CN201055805Y (zh) 倾斜式可腐有机垃圾的破碎与脱水装置
KR101276389B1 (ko) 저속 원심 탈수장치
JPH09220600A (ja) 固液分離装置
KR20030067632A (ko) 협잡물과 슬러지 처리 복합 원심분리기
JP2826990B2 (ja) 固液分離装置
JP2009195829A (ja) 遠心脱水装置
US5240599A (en) Apparatus for treatment of waste water sludge
JP3152648B2 (ja) 脱水機
CN211284112U (zh) 污泥干化装置
JP2954939B1 (ja) ペレット化装置
JP2009154068A (ja) 連続脱水ろ過装置
KR102369292B1 (ko) 슬러지 탈수 시스템
JP2003265908A (ja) 固液分離装置
CN215403764U (zh) 一种预浓缩式污泥压滤脱水设备
JP4669217B2 (ja) 固液分離装置
KR100495982B1 (ko) 원통형 필터프레스식 탈수장치
KR100216480B1 (ko) 폐액속에 함유된 미세협잡물 처리기
JP3739771B2 (ja) 固液分離装置