JPH09220524A - 塗膜用被覆剤 - Google Patents
塗膜用被覆剤Info
- Publication number
- JPH09220524A JPH09220524A JP2920696A JP2920696A JPH09220524A JP H09220524 A JPH09220524 A JP H09220524A JP 2920696 A JP2920696 A JP 2920696A JP 2920696 A JP2920696 A JP 2920696A JP H09220524 A JPH09220524 A JP H09220524A
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- JP
- Japan
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- oxide powder
- wax
- coating film
- coating
- base material
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ワックス皮膜を改質することで親油性の汚れ物
質の付着を防止し、かつ水洗により汚れが容易に洗い落
とされるようにする。 【解決手段】ロウ成分を主成分とする母材中に光触媒作
用を有する金属酸化物粉末を分散混合する。日光による
被覆剤皮膜表面の金属酸化物粉末の光触媒作用により、
皮膜表面が酸化されて親水性化する。したがって親油性
の汚れ物質が付着しにくくなり、雨や放水などで容易に
除去することができる
質の付着を防止し、かつ水洗により汚れが容易に洗い落
とされるようにする。 【解決手段】ロウ成分を主成分とする母材中に光触媒作
用を有する金属酸化物粉末を分散混合する。日光による
被覆剤皮膜表面の金属酸化物粉末の光触媒作用により、
皮膜表面が酸化されて親水性化する。したがって親油性
の汚れ物質が付着しにくくなり、雨や放水などで容易に
除去することができる
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車外板塗膜な
どに被覆されて塗膜を保護する塗膜用被覆剤に関する。
本発明の塗膜用被覆剤により形成された皮膜は親水性を
有し、親油性の汚れが付着しにくくなる。したがって自
動車外板塗膜などに適用すれば、洗車やワックスがけの
工数を低減することができる。
どに被覆されて塗膜を保護する塗膜用被覆剤に関する。
本発明の塗膜用被覆剤により形成された皮膜は親水性を
有し、親油性の汚れが付着しにくくなる。したがって自
動車外板塗膜などに適用すれば、洗車やワックスがけの
工数を低減することができる。
【0002】
【従来の技術】自動車外板塗膜など屋外で雨や風にさら
される塗膜には、工場や自動車から排出される汚れ物
質、鳥の糞、あるいは樹液や花粉などの種々の汚れ物質
が付着する。これらの汚れは塗膜に化学的に影響を与
え、塗膜の劣化を促進すると考えられている。
される塗膜には、工場や自動車から排出される汚れ物
質、鳥の糞、あるいは樹液や花粉などの種々の汚れ物質
が付着する。これらの汚れは塗膜に化学的に影響を与
え、塗膜の劣化を促進すると考えられている。
【0003】また近年、ディーゼルエンジンなどから排
出されるディーゼルパティキュレートによる自動車外板
塗膜の汚れが目立っている。このディーゼルパティキュ
レートは、未燃焼で一部又はほとんどが炭化したカーボ
ン状で親油性の有機物が主成分である。そこで従来よ
り、塗膜表面にワックス皮膜を形成し、塗膜を酸性雨、
紫外線、鳥糞、樹液などから保護することが行われてい
る。そのために用いられている市販のワックス剤は、皮
膜を形成し撥水性を付与するロウ成分と、光沢を与え拭
き取りを容易にするシリコーン成分と、これらの溶媒や
分散媒として機能する有機系溶剤などから構成されてい
る。そして、このワックス剤をスポンジなどで塗膜表面
に塗布し、過剰のワックス剤を拭き取って柔らかい布で
磨き上げることでワックス皮膜を形成している。
出されるディーゼルパティキュレートによる自動車外板
塗膜の汚れが目立っている。このディーゼルパティキュ
レートは、未燃焼で一部又はほとんどが炭化したカーボ
ン状で親油性の有機物が主成分である。そこで従来よ
り、塗膜表面にワックス皮膜を形成し、塗膜を酸性雨、
紫外線、鳥糞、樹液などから保護することが行われてい
る。そのために用いられている市販のワックス剤は、皮
膜を形成し撥水性を付与するロウ成分と、光沢を与え拭
き取りを容易にするシリコーン成分と、これらの溶媒や
分散媒として機能する有機系溶剤などから構成されてい
る。そして、このワックス剤をスポンジなどで塗膜表面
に塗布し、過剰のワックス剤を拭き取って柔らかい布で
磨き上げることでワックス皮膜を形成している。
【0004】このワックス皮膜により光沢が増し、塗膜
の外観品質が向上する。またその撥水作用により水性の
汚れ物質の付着が防止され、塗膜を劣化から保護するこ
とができる。
の外観品質が向上する。またその撥水作用により水性の
汚れ物質の付着が防止され、塗膜を劣化から保護するこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところがワックス皮膜
を形成した塗膜であっても、ワックス皮膜形成後すぐに
煤状の汚れが付着したり、降雨後タレ筋状の汚れが付着
し、ワックス皮膜の汚れ防止効果が得られない場合があ
った。分析によれば、この煤状又はタレ筋状の汚れはカ
ーボン状物質であり、ディーゼルパティキュレートが主
成分であると考えられる。つまりワックス皮膜はロウ成
分が中心であり、ロウは長鎖脂肪酸と長鎖アルコールの
エステル化合物である場合が多く、親油性を示す。また
ディーゼルパティキュレートも親油性である。したがっ
てディーゼルパティキュレートはワックス皮膜に付着し
やすく、このような汚れとなりやすいと考えられる。
を形成した塗膜であっても、ワックス皮膜形成後すぐに
煤状の汚れが付着したり、降雨後タレ筋状の汚れが付着
し、ワックス皮膜の汚れ防止効果が得られない場合があ
った。分析によれば、この煤状又はタレ筋状の汚れはカ
ーボン状物質であり、ディーゼルパティキュレートが主
成分であると考えられる。つまりワックス皮膜はロウ成
分が中心であり、ロウは長鎖脂肪酸と長鎖アルコールの
エステル化合物である場合が多く、親油性を示す。また
ディーゼルパティキュレートも親油性である。したがっ
てディーゼルパティキュレートはワックス皮膜に付着し
やすく、このような汚れとなりやすいと考えられる。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ワックス皮膜を改質することで親油性の汚
れ物質の付着を防止し、かつ水洗により汚れが容易に洗
い落とされるようにすることを目的とする。
ものであり、ワックス皮膜を改質することで親油性の汚
れ物質の付着を防止し、かつ水洗により汚れが容易に洗
い落とされるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の塗膜用被覆剤の特徴は、ロウ成分を主成分と
する母材と、母材中に分散された光触媒作用を有する金
属酸化物粉末と、からなることにある。また上記塗膜用
被覆剤をさらに改良する請求項2記載の塗膜用被覆剤の
特徴は、金属酸化物粉末は酸化チタン粉末であることに
ある。
項1記載の塗膜用被覆剤の特徴は、ロウ成分を主成分と
する母材と、母材中に分散された光触媒作用を有する金
属酸化物粉末と、からなることにある。また上記塗膜用
被覆剤をさらに改良する請求項2記載の塗膜用被覆剤の
特徴は、金属酸化物粉末は酸化チタン粉末であることに
ある。
【0008】そして請求項2記載の塗膜用被覆剤をさら
に改良する請求項3記載の塗膜用被覆剤の特徴は、酸化
チタン粉末は母材の不揮発分に対して5〜30重量%含
まれていることにある。さらにまた、請求項2又は請求
項3記載の塗膜用被覆剤をさらに改良する請求項4記載
の塗膜用被覆剤の特徴は、酸化チタン粉末は平均粒径が
5〜30nm、比表面積が50〜400m2 /gである
ことにある。
に改良する請求項3記載の塗膜用被覆剤の特徴は、酸化
チタン粉末は母材の不揮発分に対して5〜30重量%含
まれていることにある。さらにまた、請求項2又は請求
項3記載の塗膜用被覆剤をさらに改良する請求項4記載
の塗膜用被覆剤の特徴は、酸化チタン粉末は平均粒径が
5〜30nm、比表面積が50〜400m2 /gである
ことにある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の塗膜用被覆剤は、ロウ成
分を主成分とする母材と、金属酸化物粉末とから構成さ
れる。母材の主成分はロウ成分であり、このロウ成分と
してはカルナウバロウ、蜜ロウ、パラフィンロウ、ポリ
エチレンワックスなどが例示される。また母材中の他の
成分としては、ジメチルシリコーンオイルを代表とする
有機変性シリコーンなどのシリコーンオイル、ケロシ
ン、ナフサ、ミネラルスピリットなどの有機溶剤、ケイ
ソウ土、タルク、カオリンなどの研磨材などが例示され
る。他に紫外線吸収剤、酸化防止剤などを含んでもよ
い。
分を主成分とする母材と、金属酸化物粉末とから構成さ
れる。母材の主成分はロウ成分であり、このロウ成分と
してはカルナウバロウ、蜜ロウ、パラフィンロウ、ポリ
エチレンワックスなどが例示される。また母材中の他の
成分としては、ジメチルシリコーンオイルを代表とする
有機変性シリコーンなどのシリコーンオイル、ケロシ
ン、ナフサ、ミネラルスピリットなどの有機溶剤、ケイ
ソウ土、タルク、カオリンなどの研磨材などが例示され
る。他に紫外線吸収剤、酸化防止剤などを含んでもよ
い。
【0010】なお、母材中の各成分の含有量は一般に用
いられているワックス剤と同様でよく、ロウ成分が5〜
30重量%、シリコーンオイルが0.5〜10重量%、
有機溶剤が90〜40重量%、研磨材が0〜20重量%
などとすることができる。本発明の特色をなす金属酸化
物粉末は、光によって励起されて触媒作用を示す光触媒
作用を有するものであり、酸化チタン粉末、酸化ジルコ
ニウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化鉄粉末などが例示
される。中でもアナターゼ型結晶の酸化チタン粉末は、
伝導帯レベルが深いのでエネルギー順位が低く、酸化力
が強いため特に好ましい材料である。
いられているワックス剤と同様でよく、ロウ成分が5〜
30重量%、シリコーンオイルが0.5〜10重量%、
有機溶剤が90〜40重量%、研磨材が0〜20重量%
などとすることができる。本発明の特色をなす金属酸化
物粉末は、光によって励起されて触媒作用を示す光触媒
作用を有するものであり、酸化チタン粉末、酸化ジルコ
ニウム粉末、酸化セリウム粉末、酸化鉄粉末などが例示
される。中でもアナターゼ型結晶の酸化チタン粉末は、
伝導帯レベルが深いのでエネルギー順位が低く、酸化力
が強いため特に好ましい材料である。
【0011】この金属酸化物粉末の形状としては、平均
粒径が5〜30nm、比表面積が50〜400m2 /g
の範囲のものが好ましい。平均粒径が5nm未満である
と粒径が小さすぎて母材中に均一に分散することが困難
となり、部分的に汚れ物質が付着しやすくなる場合があ
る。しかし平均粒径が30nmより大きくなると、被覆
剤皮膜の透明性が損なわれるため塗膜の美観を向上させ
るという被覆剤の初期の目的の達成が困難となる。また
比表面積が50m2 /g未満であると触媒活性に劣るた
め汚れ物質が付着しやすくなり、400m2 /gを超え
ると活性が強すぎて被覆剤皮膜自体に変色が生じる場合
がある。
粒径が5〜30nm、比表面積が50〜400m2 /g
の範囲のものが好ましい。平均粒径が5nm未満である
と粒径が小さすぎて母材中に均一に分散することが困難
となり、部分的に汚れ物質が付着しやすくなる場合があ
る。しかし平均粒径が30nmより大きくなると、被覆
剤皮膜の透明性が損なわれるため塗膜の美観を向上させ
るという被覆剤の初期の目的の達成が困難となる。また
比表面積が50m2 /g未満であると触媒活性に劣るた
め汚れ物質が付着しやすくなり、400m2 /gを超え
ると活性が強すぎて被覆剤皮膜自体に変色が生じる場合
がある。
【0012】金属酸化物粉末は、母材中の不揮発成分に
対して5〜30重量%の範囲で混合することが好まし
い。金属酸化物粉末の量が5重量%未満であると光触媒
作用が不十分となり、汚れが付着しやすくなる。また3
0重量%を超えて混合すると、被覆剤皮膜の透明性や平
滑性が低下し、塗膜の美観を向上させるという被覆剤の
初期の目的の達成が困難となる。
対して5〜30重量%の範囲で混合することが好まし
い。金属酸化物粉末の量が5重量%未満であると光触媒
作用が不十分となり、汚れが付着しやすくなる。また3
0重量%を超えて混合すると、被覆剤皮膜の透明性や平
滑性が低下し、塗膜の美観を向上させるという被覆剤の
初期の目的の達成が困難となる。
【0013】本発明の塗膜用被覆剤の形態としては、固
形、液状など特に制限されない。そして従来のワックス
剤と同様に、塗膜表面に塗布され過剰の被覆剤を拭き取
ることにより皮膜が形成される。形成された被覆剤皮膜
では、日光による被覆剤皮膜表面の金属酸化物粉末の光
触媒作用により、皮膜表面が酸化されて親水性化する。
したがって親油性であるディーゼルパティキュレートな
どの汚れ物質が付着しにくくなり、雨や放水などで容易
に除去することができる。さらに、一度付着してしまっ
た親油性の汚れ物質も、被覆剤皮膜と汚れ物質との間の
バインダとなっている油分が金属酸化物粉末の光触媒作
用により酸化分解されるため、除去されやすくなる。
形、液状など特に制限されない。そして従来のワックス
剤と同様に、塗膜表面に塗布され過剰の被覆剤を拭き取
ることにより皮膜が形成される。形成された被覆剤皮膜
では、日光による被覆剤皮膜表面の金属酸化物粉末の光
触媒作用により、皮膜表面が酸化されて親水性化する。
したがって親油性であるディーゼルパティキュレートな
どの汚れ物質が付着しにくくなり、雨や放水などで容易
に除去することができる。さらに、一度付着してしまっ
た親油性の汚れ物質も、被覆剤皮膜と汚れ物質との間の
バインダとなっている油分が金属酸化物粉末の光触媒作
用により酸化分解されるため、除去されやすくなる。
【0014】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 (実施例1)カルナウバロウ20重量%、ジメチルシリ
コーンオイル5重量%、脂肪族系炭化水素系の有機溶剤
75重量%よりなる固形ワックスの母材と、母材中のカ
ルナウバロウに対して3重量%の量の酸化チタン粉末と
を、ボールミルを用いて均一に混合し、本実施例の被覆
剤を調製した。酸化チタン粉末の平均粒径は10nmで
あり、比表面積は250m2 /gである。
的に説明する。 (実施例1)カルナウバロウ20重量%、ジメチルシリ
コーンオイル5重量%、脂肪族系炭化水素系の有機溶剤
75重量%よりなる固形ワックスの母材と、母材中のカ
ルナウバロウに対して3重量%の量の酸化チタン粉末と
を、ボールミルを用いて均一に混合し、本実施例の被覆
剤を調製した。酸化チタン粉末の平均粒径は10nmで
あり、比表面積は250m2 /gである。
【0015】(実施例2〜8)酸化チタン粉末の添加量
を、母材中のカルナウバロウに対してそれぞれ5重量
%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量
%、30重量%及び40重量%としたこと以外は実施例
1と同様にして実施例2〜実施例8の被覆剤を調製し
た。
を、母材中のカルナウバロウに対してそれぞれ5重量
%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量
%、30重量%及び40重量%としたこと以外は実施例
1と同様にして実施例2〜実施例8の被覆剤を調製し
た。
【0016】(実施例9)カルナウバロウ10重量%、
ジメチルシリコーンオイル0.5重量%、脂肪族系炭化
水素系の有機溶剤90重量%よりなる液状ワックスの母
材に、実施例1と同様の酸化チタン粉末を母材中のカル
ナウバロウに対して5重量%均一に混合したこと以外は
実施例1と同様にして、実施例9の被覆剤を調製した。
ジメチルシリコーンオイル0.5重量%、脂肪族系炭化
水素系の有機溶剤90重量%よりなる液状ワックスの母
材に、実施例1と同様の酸化チタン粉末を母材中のカル
ナウバロウに対して5重量%均一に混合したこと以外は
実施例1と同様にして、実施例9の被覆剤を調製した。
【0017】(実施例10)酸化チタン粉末の添加量
を、母材中のカルナウバロウに対して30重量%とした
こと以外は実施例9と同様にして、実施例10の被覆剤
を調製した。 (実施例11)平均粒径50nm、比表面積50m2 /
gの酸化チタン粉末を用いたこと以外は実施例2と同様
にして、実施例11の被覆剤を調製した。
を、母材中のカルナウバロウに対して30重量%とした
こと以外は実施例9と同様にして、実施例10の被覆剤
を調製した。 (実施例11)平均粒径50nm、比表面積50m2 /
gの酸化チタン粉末を用いたこと以外は実施例2と同様
にして、実施例11の被覆剤を調製した。
【0018】(実施例12)平均粒径10nm、比表面
積500m2 /gの酸化チタン粉末を用いたこと以外は
実施例2と同様にして、実施例12の被覆剤を調製し
た。 (実施例13)平均粒径30nm、比表面積30m2 /
gの酸化チタン粉末を用いたこと以外は実施例2と同様
にして、実施例13の被覆剤を調製した。
積500m2 /gの酸化チタン粉末を用いたこと以外は
実施例2と同様にして、実施例12の被覆剤を調製し
た。 (実施例13)平均粒径30nm、比表面積30m2 /
gの酸化チタン粉末を用いたこと以外は実施例2と同様
にして、実施例13の被覆剤を調製した。
【0019】(比較例)酸化チタン粉末を混合せず、母
材のみを比較例の被覆剤とした。 (試験)上記した被覆剤を、それぞれ150mm×70
mm×0.8mmの白色塗板(アクリル−メラミン焼付
塗装板)表面に4g乗せ、清浄な布片を用いて10往復
程度磨いて塗膜全面に塗布し20〜30分間放置した。
その後清浄な布片を用いて十分光沢が出るまで磨き上
げ、試験片とした。
材のみを比較例の被覆剤とした。 (試験)上記した被覆剤を、それぞれ150mm×70
mm×0.8mmの白色塗板(アクリル−メラミン焼付
塗装板)表面に4g乗せ、清浄な布片を用いて10往復
程度磨いて塗膜全面に塗布し20〜30分間放置した。
その後清浄な布片を用いて十分光沢が出るまで磨き上
げ、試験片とした。
【0020】それぞれの試験片を屋外に1カ月間暴露
し、暴露前後の試験片表面の色差(ΔE)を測定した結
果を表1に示す。また暴露後のそれぞれの試験片表面に
対する水の接触角を測定し、表1に示す。
し、暴露前後の試験片表面の色差(ΔE)を測定した結
果を表1に示す。また暴露後のそれぞれの試験片表面に
対する水の接触角を測定し、表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(評価)表1より、各実施例の被覆剤によ
り形成された皮膜は、実施例8と実施例12を除いて比
較例の皮膜に比べて色差が小さく、汚れ物質が付着しに
くいことがわかる。これは水の接触角が実施例の方が比
較例より小さいことから、親水性が向上したことに起因
すると考えられる。
り形成された皮膜は、実施例8と実施例12を除いて比
較例の皮膜に比べて色差が小さく、汚れ物質が付着しに
くいことがわかる。これは水の接触角が実施例の方が比
較例より小さいことから、親水性が向上したことに起因
すると考えられる。
【0023】なお、実施例8では酸化チタン粉末の含有
量が40重量%と多すぎるために、透明性が失われ色差
の測定が困難であった。また実施例1では、他の実施例
に比べて色差が大きいが、これは酸化チタン粉末の含有
量が3重量%と少なすぎるため酸化活性が低く、皮膜の
親水性化が不十分となって汚れ物質が付着しやすくなっ
ていると考えられる。したがって酸化チタン粉末の含有
量は、母材の不揮発分に対して5〜30重量%が適切で
あることがわかる。
量が40重量%と多すぎるために、透明性が失われ色差
の測定が困難であった。また実施例1では、他の実施例
に比べて色差が大きいが、これは酸化チタン粉末の含有
量が3重量%と少なすぎるため酸化活性が低く、皮膜の
親水性化が不十分となって汚れ物質が付着しやすくなっ
ていると考えられる。したがって酸化チタン粉末の含有
量は、母材の不揮発分に対して5〜30重量%が適切で
あることがわかる。
【0024】また、実施例11では酸化チタン粉末の平
均粒径が50nmと大きすぎるために、透明性が失われ
色差の測定が困難であった。そして実施例12では酸化
チタン粉末の比表面積が500m2 /gと高すぎるため
に、酸化活性が強すぎて被覆剤皮膜に黄変が生じ色差が
やや大きくなっている。一方実施例13では、酸化チタ
ン粉末の比表面積が30m2 /gと小さすぎるため酸化
活性が低く、皮膜の親水性化が不十分となって汚れ物質
が付着しやすくなり色差がやや大きくなっている。した
がって酸化チタン粉末の平均粒径は50nm未満の範囲
が望ましく、比表面積は30m2 /gを超え、500m
2 /g未満の範囲が望ましいことがわかる。
均粒径が50nmと大きすぎるために、透明性が失われ
色差の測定が困難であった。そして実施例12では酸化
チタン粉末の比表面積が500m2 /gと高すぎるため
に、酸化活性が強すぎて被覆剤皮膜に黄変が生じ色差が
やや大きくなっている。一方実施例13では、酸化チタ
ン粉末の比表面積が30m2 /gと小さすぎるため酸化
活性が低く、皮膜の親水性化が不十分となって汚れ物質
が付着しやすくなり色差がやや大きくなっている。した
がって酸化チタン粉末の平均粒径は50nm未満の範囲
が望ましく、比表面積は30m2 /gを超え、500m
2 /g未満の範囲が望ましいことがわかる。
【0025】
【発明の効果】すなわち本発明の塗膜用被覆剤によれ
ば、形成される皮膜の表面が光の照射により親水性化さ
れるため、親油性の汚れ物質が付着しにくくなり、汚れ
物質が付着しても容易に除去できるので、塗膜の美麗な
外観を長期間維持することができる。
ば、形成される皮膜の表面が光の照射により親水性化さ
れるため、親油性の汚れ物質が付着しにくくなり、汚れ
物質が付着しても容易に除去できるので、塗膜の美麗な
外観を長期間維持することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ロウ成分を主成分とする母材と、該母材
中に分散された光触媒作用を有する金属酸化物粉末と、
からなることを特徴とする塗膜用被覆剤。 - 【請求項2】 前記金属酸化物粉末は酸化チタン粉末で
あることを特徴とする請求項1記載の塗膜用被覆剤。 - 【請求項3】 前記酸化チタン粉末は前記母材の不揮発
分に対して5〜30重量%含まれていることを特徴とす
る請求項2記載の塗膜用被覆剤。 - 【請求項4】 前記酸化チタン粉末は平均粒径が5〜3
0nm、比表面積が50〜400m2 /gであることを
特徴とする請求項2又は請求項3記載の塗膜用被覆剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2920696A JPH09220524A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 塗膜用被覆剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2920696A JPH09220524A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 塗膜用被覆剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09220524A true JPH09220524A (ja) | 1997-08-26 |
Family
ID=12269729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2920696A Withdrawn JPH09220524A (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 塗膜用被覆剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09220524A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6242046B1 (en) | 1998-04-21 | 2001-06-05 | Basf Nof Coatings Company, Limited | Stainproof-treating agent, method for stainproof-treating and stainproof-treated article |
WO2001048109A1 (fr) * | 1999-12-27 | 2001-07-05 | Taiho Industries, Co., Ltd. | Agent de traitement de surface dure, agent anti-salissures et procede de traitement de surface |
US7700159B2 (en) | 2001-09-25 | 2010-04-20 | Daikin Industries, Ltd. | Hydrophilizing wax composition |
-
1996
- 1996-02-16 JP JP2920696A patent/JPH09220524A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
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