JPH09220482A - メタルハニカム体 - Google Patents

メタルハニカム体

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JPH09220482A
JPH09220482A JP8048474A JP4847496A JPH09220482A JP H09220482 A JPH09220482 A JP H09220482A JP 8048474 A JP8048474 A JP 8048474A JP 4847496 A JP4847496 A JP 4847496A JP H09220482 A JPH09220482 A JP H09220482A
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corrugated
honeycomb body
metal honeycomb
strip
region
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JP8048474A
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Yuuzou Tsukiide
雄三 月出
Yasuji Sakamoto
保司 坂本
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱疲労性に優れるとともに経済性に優れた
排気ガス浄化用メタル担体、特にその主要な構成要素で
ある新しい構造のメタルハニカム体を提供する。 【解決手段】 薄肉鋼板製の平板状帯材と波板状帯材を
交互に当接するように重積して製作したハニカム構造の
排気ガス浄化用触媒を担持させるためのメタルハニカム
体において、前記メタルハニカム体の軸方向(排気ガス
の流入、流出方向)にみて、前記波板状帯材が、(1)
少なくとも一方の端部及びその近傍部位の領域の波形構
造が、前記平板状帯材に当接する波高の波形を有するも
ので構成され、(2)前記部位以外の領域の波形構造
が、前記平板状帯材に非当接となる波高の波形を有する
もので構成され、かつ、(3)前記平板状帯材に当接す
る波高の波形構造が、その頂部(山部及び谷部)におい
て、頂部領域に形成された所望高さの突状部を有するも
ので構成されたものである、ことを特徴とするメタルハ
ニカム体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に自動車の排
気ガスの浄化手段として排気系統の途中に介装されて使
用される排気ガス浄化用メタル担体の主要な構成エレメ
ントであるハニカム構造のメタルハニカム体に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、ハニカム構造の
排気ガス浄化用触媒を担持するためのメタルハニカム体
と前記メタルハニカム体を収容する金属製ケーシングと
から成る排気ガス浄化用のメタル担体において、前記メ
タルハニカム体の新規な構造に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の排気ガス浄化用のメタル担体は、
平板状帯材と波形構造を有する波板状帯材で構成される
ハニカム構造の排気ガス浄化用触媒(例えばPt,R
h,Pdなどを使用した触媒系)を担持するための金属
製のメタルハニカム体(以下、メタルハニカム体とい
う。)、及び前記メタルハニカム体を内部に収容し、固
定するための金属製のケーシング(以下、金属製ケーシ
ングという。)、とから構成されるものである。前記メ
タル担体は、当業界においては、メタルサポート(Metal
Support) またはメタルサブストレート(Metal Substr
ate)といわれており、略記号(MS)で表示される場合
がある。本発明の以下の説明においても、前記略記号
(MS)が使用される。また、メタルハニカム体は、ハ
ニカム構造(Honeycomb Structure )に因んで略記号
(H)が使用される。なお、本発明と従来技術を区別す
るために、従来技術のものはダッシュ付き記号(H´)
で示される。更に、金属製ケーシングはケーシング(Ca
sing)に因んで略記号(C)が使用される。
【0004】前記したメタル担体(MS)の主要な構成
要素である従来のメタルハニカム体(H´)として、種
々のハニカム構造のものが提案されている。例えば、本
発明を説明するために使用される後述の図2に示される
ハニカム構造のメタルハニカム体(H)は、巻回タイプ
と称されるものである。
【0005】後述するように、本発明の巻回タイプのメ
タルハニカム体(H)は、従来の同種構造(巻回タイ
プ)のメタルハニカム体(H´)とは全く異質のもので
ある。しかしながら、本発明は、従来の前記した巻回タ
イプのものはもとより、従来より提案されている各種ハ
ニカム構造のメタルハニカム体(H´)の新規な改良に
関するものである。その意味において、ここで従来から
提案されているこれら各種のメタルハニカム体(H´)
について概説する。
【0006】前記した従来の巻回タイプのメタルハニカ
ム体(H´)は、例えば100μm以下(好ましくは5
0μm以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる所望幅の平板
状帯材と、前記薄肉鋼板を波付加工して調製した波板状
帯材とを、相互に当接部を有するように重積し、これを
一括巻き状に巻回成形して軸方向に排気ガス通路のため
の多数の網目状通気孔路(セル)を持つハニカム構造の
メタルハニカム体(H´)としたものである。
【0007】このほか、当業界において、この種のメタ
ルハニカム体として、前記した巻回タイプのもの以外
に、平板状帯材と波板状帯材からメタルハニカム体を製
造する方法の相違により、各種の構造のものが知られて
いる。例えば、両帯材を階層状に積層した階層タイプ
(後述する図16参照)のもの、このほか、特開昭62
−273050号、特開昭62−273051号、特開
平1−218637号、特公表3−502660号、特
開平4−227855号などに開示されている放射状タ
イプ(後述の図17参照)、S字状タイプ(後述の図1
8参照)、巴状タイプ(後述の図19参照)、及びX−
ラップ(卍状)タイプ(後述の図20参照)のメタルハ
ニカム体が知られている。
【0008】従来の典型的な排気ガス浄化用のメタル担
体(MS)は、その主要な構成要素である前記したハニ
カム構造のメタルハニカム体(H´)を金属製ケーシン
グ(C)内に配設して構成されるものである。そして、
メタル担体(MS)は、排気ガス系統という厳しい熱的
環境の条件のもとで使用されるため、前記メタルハニカ
ム体(H´)と金属製ケーシング(C)は強固に固着さ
れて製造されるものである。これは、メタルハニカム体
(H´)と金属製ケーシング(C)が、排気ガス自体の
高温度及び排気ガスと排気ガス浄化用触媒との発熱反応
により発生する高温度にさらされ、このような高温雰囲
気下のもとで各要素に大きな熱応力が印加されるためで
あり、両部材(メタルハニカム体と金属製ケーシング)
は、熱応力に耐え得るようにろう接合や溶接などの固着
方式により強固に固着される。なお、メタルハニカム体
(H´)と金属製ケーシング(C)の境界面の固着にお
いて、両要素の離体を防止する観点などから、境界面の
特定部位を固着するという方式が提案されている(例え
ば、実開昭62−19443号参照)。
【0009】一方、メタルハニカム体(H´)自体も、
前記した過酷な使用条件下における耐久性の確保という
観点から、その構成部材である平板状帯材と波板状帯材
の当接部も、種々の方法及び方式により固着される。例
えば、メタルハニカム体内部の所定部位の平板状帯材と
波板状帯材との当接部をろう接合や溶接などにより固着
する方式が提案されている(例えば特公昭63−444
66号、特開昭2−218442号参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
の排気ガス浄化用のメタル担体(MS)は、その主要な
構成要素であるメタルハニカム体(H´)の構成部材
(平板状帯材と波板状帯材)の固着、更にはメタルハニ
カム体(H´)と金属製ケーシング(C)の固着に際し
て、ろう接合や溶接などの固着手段が適用されて製造さ
れるものである。なお、前記固着手段としては、生産性
や固着の確実性などの観点から、一般にろう接合方式が
採用されている。しかしながら、従来技術によるメタル
担体(MS)の製造において、前記したようにメタル担
体(MS)の耐久性を考慮してメタルハニカム体(H
´)部の固着(メタルハニカム体の構成部材間の固
着)、またはメタルハニカム体(H´)と金属製ケーシ
ング(C)の当接面における固着において種々の固着方
式が提案されているが、長期の耐久性という観点からみ
ると未だ不十分なものである。
【0011】また、メタル担体(MS)の製造におい
て、前記したように固着手段としてろう接合方式が広く
採用されており、前記ろう接合方式に適用されるろう材
は、メタル担体の高温雰囲気下での使用ということか
ら、例えばNi系、Ni−Cr系などの極めて高価な高
温用ろう材が使用されている。このため、経済性の観点
から、その使用量の低減化が強く求められているが、未
だ不十分なものである。更には、従来のろう接合を前提
としたメタルハニカム体(H´)は、その構成部材であ
る平板状帯材と波板状帯材の当接部にろう材のフィレッ
トが形成されるため、触媒コート層の形成領域が減少し
てしまい、両帯材の全表面積の20〜30%が排気ガス
浄化に寄与しないという大きな問題点を有するものであ
り、その解決がまたれている。
【0012】本発明は、前記した従来技術にみられる課
題を解決するために創案されたものである。本発明者ら
は、前記した従来技術にみられる種々の課題を解消する
べく、第一義的には、メタル担体(MS)の耐久性を向
上させる方策について、また、第二義的には経済的性に
優れたメタル担体(MS)を開発する方策について、鋭
意、検討を加えた。
【0013】その結果、本発明者らは、排気ガス浄化用
のメタル担体(MS)の耐久性の大幅な向上のために
は、メタル担体(MS)の主要な構成要素である従来の
メタルハニカム体(H´)部の構造を新しい構造のもの
に置換すること、特に、従来のメタルハニカム体(H
´)の構成部材である単純構造の波板状帯材にかえて、
新しい構造の波板状帯材を採用することが極めて有効で
ある、という知見を得た。即ち、本発明者らは、(i).メ
タルハニカム体の軸方向(排気ガスの流入、流出方向)
にみて、波形構造を有する波板状帯材として、その少な
くとも一方の端部及びその近傍部位が主体的に平板状帯
材に当接し、その他の部位においては前記平板状帯材に
当接しないか、あるいは小さい領域で当接する構造のも
のを採用することが極めて有効であること、(ii).更に
また、前記特殊構造の波板状帯材の使用により、単位体
積当たりの触媒担持量を増大させたり、あるいは、高価
な高温用ろう材の使用量を大幅に低減させることが出来
ること、という知見を見い出し、先に提案した(特願平
6−281507号)。
【0014】本発明は、その後も前記したメタルハニカ
ム体の構成部材として使用される特殊構造の波板状帯材
の改良について検討を加えた。前記した検討過程の中
で、本発明者らは、前記特殊構造の波板状帯材におい
て、特に波形の頂部(山部及び谷部)の構造を改善する
ことにより、頂部領域でのろう材フィレットの形成によ
るろう材使用量の増大が防止され、更には、触媒担持に
関連するウォッシュコート処理時にみられる頂部領域の
ウォッシュコート材による閉塞(これは触媒担持量の低
下をもたらしたり、背圧抵抗を高めたりするものであ
る。)が防止される、という重要な知見を見い出した。
【0015】本発明は、前記知見をベースにして完成さ
れたものであり、本発明により排気ガス浄化用のメタル
担体(MS)の主要な構成エレメントであるメタルハニ
カム体(H)として、耐久性(耐熱疲労性)はもとよ
り、過度なろう材やウォッシュコート材によるフィレッ
トの形成が防止され、かつ経済性に優れたメタルハニカ
ム体(H)が提供される。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、薄肉鋼板製の平板状帯材と波板状帯材を交互に
当接するように重積して製作したハニカム構造の排気ガ
ス浄化用触媒を担持させるためのメタルハニカム体にお
いて、前記メタルハニカム体の軸方向(排気ガスの流
入、流出方向)にみて、前記波板状帯材が、 (1).少なくとも一方の端部及びその近傍部位の領域の波
形構造が、前記平板状帯材に当接する波高の波形を有す
るもので構成されたものであり、かつ、 (2).前記部位以外の領域の波形構造が、(2)-(i).前記平
板状帯材に非当接となる波高の波形を有するもので構成
されたものであるか、または、(2)-(ii). 前記平板状帯
材に対して大きい領域において非当接であるが小さい領
域において当接する波高の波形を有するもので構成され
たものであり、更に、 (3).前記平板状帯材に当接する波高の波形構造が、その
頂部(山部及び谷部)において、頂部領域に形成された
所望高さの突状部を有するもので構成されたものであ
る、ことを特徴とするメタルハニカム体に関するもので
ある。
【0017】本発明のメタル担体(MS)の主要な構成
要素であるメタルハニカム体(H)は、前記したように
メタルハニカム体(H)を構成する波板状帯材の構造に
特徴を有するものである。
【0018】前記メタルハニカム体(H)の構成部材で
ある波板状帯材の第一の特徴点は、平板状帯材との当接
関係で規定される特定の波形構造を有する点にある。よ
り具体的には、本発明のメタルハニカム体(H)の構成
部材である波板状帯材は、メタルハニカム体(H)の軸
方向(排気ガスの流入、流出方向)にみて、(1)少な
くとも一方の端部及びその近傍部位の領域において、前
記平板状帯材に当接する波高の波形を有するもので構成
されるとともに、(2)前記部位以外の領域において、
前記平板状帯材に非当接となる波高の波形を有するもの
で構成されたものであるか、または前記平板状帯材に大
きい領域において非当接となるが小さい領域において当
接する波高の波形を有するもので構成される、という点
に特徴点を有する。
【0019】次に、前記メタルハニカム体(H)の構成
部材である波板状帯材の第二の特徴点は、波板状帯材が
平板状帯材と当接する部位の構造、即ち頂部(山部及び
谷部)の構造の点にある。即ち、前記頂部構造は、平板
状帯材と波板状帯材の頂部の当接部位において、ろう材
の過剰(余分)なフィレット形成を防止したり、あるい
は排気ガス浄化用触媒の担持に関連するウォッシュコー
ト処理時にみられる波の頂部の閉塞を防止することがで
きる構造のものである。より具体的には、前記頂部構造
は、頂部領域に形成された所望高さの突状部で構成され
るものである。
【0020】本発明において、前記特殊構造の波板状帯
材において、その波形形状は、特に制約を受けるもので
はない。例えば、後述する実施態様に示されるように、
前記波板状帯材の波形形状は、平板状帯材に当接する領
域で、かつ前記頂部を除く領域の波形形状が略正弦波形
で構成され、かつ平板状帯材と非当接の領域の波形形状
が矩形波形のもので構成されたものであってもよい。な
お、本発明において、前記略正弦波形の波形形状は、三
角波形を含むように広義に解釈されるべきである。
【0021】次に、前記した特殊構造の波板状帯材、及
び前記特殊構造の波板状帯材と組み合わされる平板状帯
材の具体的な組合わせの態様を説明する。 (a)波板状帯材が、少なくとも一方の端部及びその近
傍部位の領域において、平板状帯材と当接する波高の波
形を有するとともに、前記部位以外の領域において前記
平板状部材に非当接となる波高の波形を有するもので構
成される場合。前記波板状帯材と組み合わされる平板状
帯材は、(a-1)平板状帯材が、メタルハニカム体の軸
方向にみて、波板状帯材と略同一の幅を有するもので構
成される場合と、(a-2)平板状帯材が、メタルハニカ
ム体の軸方向にみて、前記平板状帯材と当接関係にある
波板状帯材の部位(少なくとも一方の端部及びその近傍
部位)幅と略同一の幅を有するストリップ材で構成され
る場合がある。
【0022】(b)また、前記波板状帯材が、 ・ 少なくとも一方の端部及びその近傍部位の領域にお
いて、平板状帯材に当接する波高の波形を有するもので
構成され、かつ、 ・ 少なくとも一方の端部及びその近傍部位以外の領域
において、平板状帯材に大きい領域の範囲で非当接とな
る波高の波形を有するとともに、平板状帯材に小さい領
域の範囲で当接する波高の波形を有するもので構成され
る場合。前記波板状帯材と組合わされる平板状帯材は、
(b-1)平板状帯材が、メタルハニカム体の軸方向にみ
て、波板状帯材と略同一の幅を有するもので構成される
場合と、(b-2)平板状帯材が、メタルハニカム体の軸
方向にみて、波板状帯材の少なくとも一方の端部及びそ
の近傍部位の領域において、平板状帯材と当接関係にあ
る波板状帯材の部位の幅と略同一の幅を有するストリッ
プ材、及び波板状帯材の前記部位以外の領域において平
板状帯材と当接関係にある波板状帯材の部位の幅と略同
一の幅を有するストリップ材、とで構成される場合があ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の技術的構成及び実
施態様を図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明
は図示のものに限定されないことはいうまでもないこと
である。
【0024】図1〜図8は、本発明の第一実施態様のメ
タルハニカム体(H)を説明する図である。図1は、本
発明の第一実施態様のメタルハニカム体(H)を使用し
て製造されたメタル担体(MS)の斜視図である。図2
は、図1に示されるメタル担体(MS)の正面図であ
る。図1〜図2に示されるように、本発明の第一実施態
様のメタルハニカム体(H)は、排気ガス浄化用メタル
担体(MS)の主要な構成要素として使用されるもので
ある。なお、図1〜図2に示される第一実施態様のメタ
ルハニカム体(H)の構造は、巻回タイプのものであ
る。
【0025】図3は、図1に示されるメタル担体(M
S)の軸方向の一部断面図であり、本発明の第一実施態
様のメタルハニカム体(H)の構造を説明する図であ
る。図4は、図3のA線矢視図(一部)である。なお、
図4は、図示明確化のために、波板状帯材(2)の波形
構造において三角波形(21)の部分のみが示されてい
る。図5は、図3のB−B線断面図(一部)である。な
お、図5は、平板状帯材(1)に対して非当接の関係に
ある波板状帯材(2)の矩形波形(22)の部分を示す
ものである。図6は、図3のA線矢視図の一部拡大図で
ある。なお、図6は前記図4の詳細図にあたるものであ
る。即ち、図6は、波板状帯材(2)の波形構造におい
て、その三角波形(21)と矩形波形(22)を同時に
示している。図7は、図6に示される波板状帯材(2)
の一部拡大斜視図である。特に、図7は、波板状帯材
(2)の三角波形(21)の領域において、その頂部
(山部及び谷部)に配設される突状部(2a)を説明す
る図である。図8は、第一実施態様のメタルハニカム体
(H)を構成する波板状帯材(2)の製造用フォーミン
グギア(波付加工ギア)(5)の一部斜視図である。
【0026】図示されるように(図3〜図7参照)、本
発明の平板状帯材(1)と波板状帯材(2)から構成さ
れるメタルハニカム体(H)において、最大の特徴とす
る点は、波板状帯材(2)の構造の点にある。本発明の
第一実施態様のメタルハニカム体(H)に適用される波
板状帯材(2)の第一の特徴点は、平板状帯材(1)と
の当接関連で規定すると、メタルハニカム体(H)の軸
方向にみて、(1)両端部及びのその近傍部位の領域に
おいて、即ち、図3のW1 及びW3 の領域において、平
板状帯材(1)と当接する波高の波形を有するもので構
成され(図3と図4参照)、かつ、(2)前記部位以外
の領域において、即ち、図3の領域(W2 )において、
平板状帯材(1)と当接しない(非当接の)波高の波形
を有するもので構成されるものである(図3及び図5参
照)。なお、前記領域W1 ,W2 ,W3 は、それぞれが
同じ記号で示されるW1 ,W2 ,W3 の幅を有するもの
と解釈されるべきである。
【0027】図示されるように、第一実施態様のメタル
ハニカム体(H)に適用される波板状帯材(2)は、平
板状帯材(1)に対して当接する領域(W1 ,W3 )は
三角波形(21)を有するもので構成され、かつ平板状
帯材(1)に対して当接しない領域(W2 )は矩形波形
(22)を有するもので構成される。
【0028】本発明において、前記領域(W2 )の大き
さは、両帯材(1,2)の非当接関係により達成しよう
とする効果、具体的には、 ・メタルハニカム体(H)内部に発生する大きな熱応力
に基づく変形力の吸収・緩和能の改善、 ・両帯材(1,2)の非当接部(W2 )における排気ガ
スの混合、攪拌、乱流化の効果(排気ガス浄化能の向
上)、 ・排気ガス浄化用触媒を担持させるための両帯材表面の
有効利用の増大化(逆にいえば、両帯材の使用量の低減
化)、 ・触媒担持量の増大化(従来の当接構造のものと比較し
て)、 ・当接部領域(W1 ,W3 )に適用される高価な高温ろ
う材の使用量の低減化、などを勘案して適宜に決めれば
よい。
【0029】図3及び図5に示されるように、前記領域
(W2 )において、両帯材(1,2)の非当接関係によ
り、空間部(4)が形成され、これが前記した作用効果
の達成の上で重要な意義をなすものである。いうまでも
ないことであるが、従来技術においては、前記領域(W
2 )で両帯材(1,2)が当接配置され、かつろう材に
より固着されるため、また当接部近傍にろう材のフィレ
ットが形成されるため、多量の高価なろう材を必要とす
るものである。更に、従来技術においては、前記領域
(W2 )の両帯材(1,2)の表面に排気ガス浄化用の
触媒(Pt,Rh,Pdなど)を担持するためのウォッ
シュコート層を形成する時に、両帯材の当接部及びその
近傍部位にウォッシュコート材のフィレットが形成され
るために、多量の高価な触媒金属を必要とするものであ
る。
【0030】本発明の第一実施態様のメタルハニカム体
(H)に適用される波板状帯材(2)の第二の特徴点
は、平板状帯材(1)と当接する部位にある波板状帯材
(2)の頂部構造の点にある。即ち、波板状帯材(2)
が平板状帯材(1)と当接する三角波形(21)部分の
頂部構造にある。図6〜図7に示されるように、波板状
帯材(2)の三角波形(21)部分の頂部構造は、三角
波形の頂部領域を圧漬して形成された高さが(h1 )の
板状突状物(2A)で構成されるものである。
【0031】本発明において、図6に示されるように、
三角波形(21)部分は、前記板状突状物(2A)によ
り平板状帯材(1)に当接することになる。別言すれ
ば、三角波形(21)部分の本体部、即ち前記板状突状
物(2A)を除いた三角波形(21)部分の本体部は、
平板状帯材(1)と距離(h1 )を置いて配設されるこ
とになる。
【0032】本発明において、平板状帯材(1)と三角
波形(21)部分を前記突状物(2A)を介して当接さ
せる理由は、(i).当接部位のろう接合において、当接部
位にみられる過度のろう材フィレットの形成を防止する
こと(高価な高温用ろう材の使用量を適切に維持するこ
と。)、(ii).触媒担持に関連したウォッシュコート処
理において、波板状帯材(2)の頂部にみられる閉塞状
態を防止すること(別言すれば、触媒担持量の増大、背
圧抵抗の減少を図ること。)、にある。前記したことか
ら、波板状帯材(2)の三角波形(21)部分の頂部に
前記板状突状物(2A)を配設する意義は重要なもので
ある。
【0033】本発明において、前記した目的を達成する
ために、前記板状突状物(2A)の配設態様及び高さ
(h1 )を所望に設定すればよい。例えば、前記板状突
状物(2A)を、波板状帯材(2)の三角波形(21)
の頂部の全てに配設してもよいし、あるいは一部に配設
してもよい。なお、本発明において、前記突状部として
の板状突状物(2A)は、一例であり、後述する他の実
施態様に示されるように種々の構造のものであってもよ
いことはいうまでもないことである。また、前記板状突
状物(2A)の高さ(h1 )は、一般的には0.2mm
〜0.5mm以上の高さで好ましい結果が得られる。な
お、高さ(h1 )は、ろう材スラリーやウォッシュコー
ト処理液の組成、粘度などに依存するため、前記設定数
値に限定されず、所望に設定すればよい。一般的なメタ
ルハニカム体(H)において、平板状帯材(1)と平板
状帯材(1)の間の間隔(h2 )(図6参照)は、1.
0mm〜1.8mmである。前記した間隔(h2 )の大
きさとの関連において、前記板状突状物(2A)の高さ
(h1 )、波板状帯材(2)の三角波形(21)及び矩
形波形(22)の波高を所望に設定すればよい。
【0034】前記したように、本発明の第一実施態様の
メタルハニカム体(H)に適用される波板状帯材(2)
の構造、特に前記領域(W2 )において平板状帯材
(1)に対して非当接関係を実現する波板状帯材(2)
の構造は重要である。また、前記領域(W1 ,W3 )に
おいて平板状帯材(1)に対して特殊構造の頂部を介し
て当接関係を実現する波板状帯材(2)の構造も重要で
ある。前記した特殊な波形構造を有する本発明の波板状
帯材(2)は、所望の態様により製造すればよい。以
下、この点について説明する。前記した特殊な波形構造
を有する波板状帯材(2)は、例えば、図8に示される
フォーミングギア(5)を使用し、平板状帯材(1)を
波付加工し、次いで調製された波板状帯材(2)の頂部
を圧漬して製作すればよい。
【0035】図8に示されるフォーミングギア(5)に
おいて、(51)は、三角波形(21)の形成部を示
し、(52)は矩形波形(22)の形成部を示してい
る。前記波板状帯材(2)の製作において、波板状帯材
(2)の波形構造として平板状帯材(1)に当接する領
域の三角波形(21)と非当接領域の矩形波形(22)
が略同一の展開長をもつようにするとき、波付加工が容
易に行なえるので好ましいことはいうまでもないことで
ある。なお、前記波付加工は一段で行なってもよいし、
あるいは多段工程で行なってもよいことはいうまでもな
いこどある。
【0036】本発明の波板状帯材(2)の波形形状にお
いて、前記三角波形(21)と矩形波形(22)の境界
部(図8の5a,5b,5cの部位参照)の波形形状
は、前記境界部において、鋭く三角波形(21)と矩形
波形(22)が区分されるものであってもよいし、ある
いは、漸次、三角波形(21)から矩形波形(22)に
変化(移行)するものであってもよい。更にまた、本発
明の波板状帯材(2)において、前記境界部、即ち、図
8の5a,5b,5cの部位の少なくとも一つが穴あき
のものであってもよいものである。なお、前記図8の5
a,5b,5cの部位を穴あきとするには、平板状帯材
(1)を波付加工して波板状帯材(2)を調製するとき
の波付加工と同時に行なってもよいし、事後的に穴あき
加工を行なってもよいものである。
【0037】次に、前記特殊構造の波板状帯材(2)と
ともに併用される平板状帯材(1)について説明する。
本発明の前記第一実施態様のメタルハニカム体(H)に
おいて、図示されるように平板状帯材(1)は、メタル
ハニカム体(H)の軸方向にみて、前記波板状帯材
(2)と略同一の幅を有するものである(図3参照)。
本発明において、平板状帯材(1)の幅は、後述する実
施態様に示されるように、前記した波板状帯材(2)と
略同一の幅のものに限定されない。本発明において、波
板状帯材(2)の両端部及びその近傍部位の領域
(W1 ,W3 )の大きさは、前記した非当接領域
(W2 )の設定内容に従って適宜に設定すればよい。ま
た、メタルハニカム体(H)の前側の幅(W1 )と後側
の幅(W3 )は、同じであってもよいし、あるいは前側
部分の固着強度を高くするためにW1 >W3の関係で設
定するなど、その幅は異なっていてもよいことはいうま
でもないことである。
【0038】本発明の前記第一実施態様のメタルハニカ
ム体(H)、即ち、前記図1〜図2に示される巻回タイ
プのメタルハニカム体(H)は、波板状帯材(2)とし
て前記した特殊構造のものを使用する以外は、公知の方
法で製造されるものである。即ち、本発明の前記第一実
施態様のメタルハニカム体(H)は、耐熱性の薄肉鋼板
からなる平板状帯材(1)と、前記特殊構造の波板状帯
材(2)とを交互に重積し、これを一括渦巻状に巻回成
形して製作されるものであり、前記巻回成形により軸方
向に排気ガス通路のため多数の網目状通気路(セル)
(3)が自動的に形成される。
【0039】本発明において、前記第一実施態様の巻回
タイプのメタルハニカム体(H)を製造するために使用
される平板状帯材(1)と波板状帯材(2)は、通常の
メタルモノリスタイプのメタルハニカム体を製作すると
きに使用されている帯材、例えばクロム鋼(クロム13
%〜25%)、Fe−Cr 20%−A1 5%などの
耐熱性ステンレス鋼、あるいはこれに耐高温酸化性を改
善するために希土類金属(CeやYなどのREM)を加
えた耐熱性のステンレス鋼など、厚さが20μm〜10
0μm程度の帯材が使用される。特に、平板状帯材
(1)と波板状帯材(2)にA1を含有させたもの、あ
るいはその表面にA1層を設けたものを熱処理して、そ
の表面にウィスカー状もしくはマッシュルーム状のアル
ミナ(A12 3 )層を析出させたものが好ましい。前
記ウィスカー状などのアルミナ層は、Pt,Pd,Rh
などの排気ガス浄化用触媒を担持するためのウォッシュ
コート層を強固に保持することができるので好ましいも
のである。
【0040】図9は、本発明の第二実施態様のメタルハ
ニカム体(H)に適用される波板状帯材(2)の一部斜
視図である。なお、図9は前記第一実施態様に関係する
図7に対応する図である。第二実施態様のメタルハニカ
ム体(H)に適用される波板状帯材(2)が前記第一実
施態様に関係するものと大きく異なる点は、平板状帯材
(1)に当接する部位の波形形状が略正弦波形(前記第
一実施態様のものは三角波形)(21)である点、及
び、突状部(2B)の構成の点にあり、その他は実質的
に同様のものである。前記突状部(2B)は、略正弦波
形(21)の頂部領域において、かつ波の進行方向に平
行な領域において、切起し形成された一対の切起し片で
構成される。この種の切起し片から成る突状部(2B)
も、前記第一実施態様のものと同様の作用効果を達成す
ることができる。
【0041】図10は、本発明の第三実施態様のメタル
ハニカム体(H)に適用される波板状帯材(2)の一部
斜視図である。なお、図10は、前記第一実施態様に関
係する図7に対応する図である。第三実施態様のメタル
ハニカム体(H)に適用される波板状帯材(2)が前記
第一実施態様に関係するものと大きく異なる点は、平板
状帯材(1)に当接する部位の波形形状が略正弦波形
(前記第一実施態様のものは三角波形)(21)である
点、及び突状部(2C)の構成の点にあり、その他は実
質的に同様のものである。前記突状部(2C)は、略正
弦波形(21)の頂部領域おいて、かつ波の進行方向に
直交する領域において、切起形成された一対の切起し片
で構成される。
【0042】図11は、本発明の第四実施態様のメタル
ハニカム体(H)に適用される波板状帯材(2)の一部
斜視図である。なお、図11は、前記第一実施態様に関
係する図7に対応する図である。第四実施態様のメタル
ハニカム体(H)に適用される波板状帯材(2)が前記
第一実施態様に関係するものと大きく異なる点は、平板
状帯材(1)に当接する部位の波形形状が略正弦波形
(前記第一実施態様のものは三角波形)(21)である
点、及び突状部(2D)の構成の点にあり、その他は実
質的に同様のものである。前記突状部(2D)は、略正
弦波形(21)の頂部領域において、バーリング加工に
より形成されたバーリング片により構成される。なお、
本発明において、前記突状部(2D)は、図示しない
が、バーリング状になっていない単純な凸部のもので構
成されてもよく、あるいは排気ガス流に直交する方向
(波の山部から谷部の方向)に凸部を連接させたもの、
別言すれば凸条のもので構成されてもよい。更にまた、
本発明において、前記突状部(2D)は前記凸条に加え
て、前記凸条に平行な凹条を配設したもので構成されて
もよいものである。
【0043】次に、本発明の他の実施態様、即ち前記波
板状帯材(2)の頂部領域に形成される突状部(2A〜
2D)の構成に関する実施態様を除いた他の実施態様に
ついて説明する。
【0044】図12は、本発明の第五実施態様のメタル
ハニカム体(H)の軸方向の断面図であり、前記第一実
施態様に関係する図3に対応する図である。第五実施態
様が前記第一実施態様と大きく異なる点は、平板状帯材
(1)の構成の点にあり、その他は実質的に同一であ
る。前記平板状帯材(1)は、波板状帯材(2)の両端
部及びその近傍部位の領域(W1 ,W3 )においてのみ
配設されるストリップ材で構成される。即ち、平板状帯
材(1)は、幅W1 のストリップ材と幅W3 の2本のス
トリップ材で構成される。第五実施態様のメタルハニカ
ム体(H)は、前記領域(W1 ,W3 )以外の領域(W
2 )に平板状帯材(1)を配設しないため、前記第一実
施態様のものよりもメタルハニカム体(H)の内部に大
きな空間部(4)を形成することができる。前記第五実
施態様のメタルハニカム体(H)に適用される波板状帯
材(2)は、平板状帯材(1)に当接する領域におい
て、その頂部は突状部(2A)を有するもので構成され
ることはいうまでもないことである。この点は、以下の
実施態様についても同様である。
【0045】図13は、本発明の第六実施態様のメタル
ハニカム体(H)の軸方向の縦断面図であり、前記第一
実施態様に関係する図3に対応する図である。第六実施
態様が前記第一実施態様と大きく異なる点は、波板状帯
材(2)の構成の点にある。即ち、波板状帯材(2)
は、領域W1 、及びW3 のほかに、領域W2 (波板状帯
材の両端部及びその近傍部位を除いた領域)の小領域に
おいても平板状帯材(1)と当接する波高の波形(2
a)を有するもので構成される。本発明において、前記
波形(2a)の形成領域(W4 )の大きさは、前記した
空間部(4)に関連した諸々の効果が発現される範囲で
適宜に設定すればよい。一般的には、領域(W2 )に対
して前記領域(W4 )は十分に小さく(小領域に)設定
されることが好ましい。この意味において、本発明がい
う波板状帯材が当該領域(W2 )において、「平板状帯
材に対して大きい領域で非当接となるが、小さい領域で
当接する」という用語が解釈されるべきである。
【0046】図14は、本発明の第七実施態様のメタル
ハニカム体(H)の軸方向の縦断面図であり、前記第一
実施態様に関係する図3に対応する図である。第七実施
態様が、前記第一実施態様と大きく異なる点は、 ・ 波板状帯材(2)が、領域(W2 )(両端部及びそ
の近傍部位を除いた領域)の小領域において、前記第五
実施態様と同様に平板状帯材(1)に当接する波高の波
形(2a)をもつ領域(W4 )を有するもので構成され
るとともに、 ・ 平板状帯材(1)の構成を、波板状帯材(2)の両
端部及びその近傍部位の領域(W1 ,W3 )、及び前記
波形(2a)の形成領域(W4 )の幅に略等しい幅の三
本のストリップ材(1,1,1a)で構成した点にあ
る。
【0047】図15は、本発明の第八実施態様のメタル
ハニカム体(H)の軸方向の縦断面図であり、前記第一
実施態様に関係する図3に対応する図である。第八実施
態様の特徴とする点は、メタルハニカム体(H)の両端
部に注目すると、前記第一実施態様のものと比較して、
一方の端部において平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)が非当接構造とされる点にある。即ち、 ・ 波板状帯材(2)は、一方の端部(W1 )で平板状
帯材(1)と当接するが、他方の端部(W3 )で平板状
帯材(1)と当接しない構造のものとされ、かつ、 ・ 波板状帯材(2)は、領域(W2 )(両端部及びそ
の近傍部位を除いた領域)の小領域(W4 )において平
板状帯材(1)に当接する波高の波形(2a)を有する
もので構成され、 ・ 一方、平板状帯材(1)は、前記領域(W1 )から
領域(W4 )に至る幅広のストリップ材で構成され、領
域(W3 )で波板状帯材(2)と非当接とされる。 第八実施態様において、波板状帯材(2)の他端部(W
3 )は、前記したように平板状帯材(1)と当接せず、
かつ空間部(4)を形成するように配設されるため、即
ち、他端部(W3 )が解放端となるため、前記部位での
熱応力の吸収、緩和能が高められる。
【0048】本発明のメタルハニカム体(H)の構成
は、以下に説明するように、種々の変形例が可能であ
る。まず、波板状帯材(2)の変形例について説明す
る。本発明において、前記領域(W2 )(両端部及びそ
の近傍部位を除いた領域)における波板状帯材(2)の
構造は、前記第六実施態様(図13参照)で示した平板
状帯材(1)と当接する波形(2a)を有する領域(W
4 )を1個配設する態様に加えて、複数個有するもので
あってもよいものである。
【0049】次に、平板状帯材(1)の変形例について
説明する。本発明の平板状帯材(1)は、前記波板状帯
材(2)の変形例に対応して、波形(2a)の形成領域
(W4 )の数に適合した複数本のストリップ材で構成さ
れてもよいことはいうまでもないことである。更に、前
記複数本の平板状ストリップ材において、その幅は、そ
れぞれの波形(2a)の形成領域(W4 )と同じ幅のも
ので構成されたものであってもよいし、あるいは、2以
上にまたがる異なる幅のもので構成されたものであって
もよいことはいうまでもないことである。
【0050】更にまた、本発明の平板状帯材(1)は、
前記第一〜第八実施態様において使用された単純な平坦
な構造のものに限定されない。本発明において、平板状
帯材(1)として、メタルハニカム体(H)の内部にお
いて排気ガスを混合、攪拌、乱流化を促進する構造のも
のを使用することができることはいうまでもないことで
ある。この種の平板状帯材(1)として、凸部、凹部、
凹凸部、穴部、切起し部、あるいはこれらを併有するも
の、更には小さな波形(マイクロコルゲーション)を有
するものなど、例えばパンチングメタル、エキスパンド
メタル、金属製ワイヤー材を織成した調製したメッシュ
板、マイクロコルゲーション板などの平板材を使用する
ことができる。なお、本発明において、前記特殊構造の
波板状帯材(2)として、前記した排気ガスの混合、攪
拌、乱流化を促進する手段を講じたものを使用すること
ができることはいうまでもないことである。
【0051】次に、本発明のメタルハニカム体(H)の
構造の変形例について説明する。本発明において、メタ
ル担体(MS)の構成要素として使用されるメタルハニ
カム体(H)の構造は、前記第一実施態様の巻回タイプ
のメタルハニカム体(H)(図1〜図2参照)に限定さ
れず、異種の構造のものであってもよい。以下、前記し
た巻回タイプ以外の各種の構造のメタルハニカム体
(H)について説明する。
【0052】図16は、前記図2に対応する図であり、
メタルハニカム体(H)の構造が、積層(階層)タイプ
であることを示している。図17は、前記図2に対応す
る図であり、メタルハニカム体(H)の構造が、放射状
タイプであることを示している。図18は、前記図2に
対応する図であり、メタルハニカム体(H)の構造が、
S字状タイプであることを示している。図19は、前記
図2に対応する図であり、メタルハニカム体(H)の構
造が、巴状タイプであることを示している。図20は、
前記図2に対応する図であり、メタルハニカム体(H)
の構造が、卍字状のX−ラップタイプであることを示し
ている。
【0053】前記した各種構造のメタルハニカム体
(H)において、図16に示される積層(階層)タイプ
のメタルハニカム体(H)は、薄肉金属板製の平板状帯
材(1)と波板状帯材(2)を相互に当接するように階
層状に積層(重積)して製造されるものである。
【0054】図17に示される放射タイプのメタルハニ
カム体(H)は、平板状帯材(1)と波板状帯材(2)
からなる浄化エレメントの所望数を用い、前記浄化エレ
メントの一端部を固定軸(中心軸)に固定するととも
に、前記固定軸から各浄化エレメントを外延させ(放射
させ)て製造されるものである。なお、図を明確にする
ため一部の浄化エレメントしか図示されていない。
【0055】図18〜図19に示されるS字状または巴
状タイプのメタルハニカム体(H)は、以下のようにし
て製造されるものである。即ち、平板状帯材(1)と波
板状帯材(2)を交互に所望段数に積層して形成したス
タック(stack)の所望数を使用して製造されるも
のであり、各スタックのそれぞれの平板状帯材(1)と
波板状帯材(2)の両端部が外包する金属製ケーシング
(C)の内壁面に当接した構造のものである。前記した
製造方法において、一個のスタックを使用するときは図
18に示されるように中心部位において構成部材がS字
状に湾曲したS字状タイプのものが、また三個のスタッ
クを使用するときは図19に示されるように中心部位に
おいて三つのスタックが三つ巴状になった巴状タイプの
ものが得られる。なお、図を明確にするために一部の帯
材(1,2)しか示されていない。
【0056】図20に示されるX−ラップタイプのメタ
ルハニカム体(H)は、平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)を交互に所望段数に積層し形成したスタック(s
tack)四つ(X1 〜X4 )を使用し、前記各スタッ
クを一端の当接端部で相互に当接させるとともに、該当
接端部を中心に同一方向に巻回成形して製造されるもの
であり、各スタックの各平板状帯材(1)と波板状帯材
(2)の一端部が外包する金属製ケーシング(C)の内
壁面に当接した構造のものである。前記した製造方法に
おいて、図20に示されるようにメタルハニカム体
(H)の中心部位においてスタックがX字(十文字)状
に組合わせられ、前記中心部位を中心にして巻回成形さ
れることから、当業界においてこの種のメタルハニカム
体(H)をX−ラップタイプと俗称している。なお、図
を明確にするために、一部の帯材(1,2)しか示され
ていない。
【0057】次に、本発明のメタルハニカム体(H)の
正面(断面)形状の変形例について説明する。本発明に
おいて、メタル担体(MS)を構成するメタルハニカム
体(H)の正面(断面)形状は、図2に示される円形の
ものに限定されない。例えば、自動車の排気ガス浄化装
置に利用される場合、車体下部の空間スペースに適合さ
せて、メタルハニカム体(H)の正面(断面)形状が、
レーストラック形状、楕円形状、多角形状、その他の異
形形状のものであってもよい。
【0058】
【発明の効果】本発明において、排気ガス浄化用のメタ
ル担体(MS)の主要な構成要素であるメタルハニカム
体(H)は、平板状帯材と特殊構造の波板状帯材を使用
して構成されるものである。本発明において、メタルハ
ニカム体(H)の構成部材として採用する前記した特殊
構造の波板状帯材は、 (1).他方の構成部材である平板状帯材との当接関係で規
定すると、(i). 波板状帯材の少なくとも一方の端部及
びその近傍部位の領域において平板状帯材と当接する波
形構造を有し、かつ、(ii). 前記部位以外の領域におい
ては、平板状帯材と非当接となるか、または小さい領域
において当接する波形構造のもので構成され、更に、 (2).平板状帯材に対する当接部位の波形構造で規定する
と、(iii). 波板状帯材は、その波形の頂部に形成され
た所望高さの突状部を介して平板状帯材に当接するよう
に構成される、ことに特徴を有する。
【0059】本発明のメタルハニカム体(H)は、前記
した特殊構造の波板状帯材と平板状帯材を使用して構成
されるものであり、以下に示すように優れた作用効果を
奏する。まず、両帯材(平板状帯材と特殊構造の波板状
帯材)の間の前記当接構造により、本発明の、メタルハ
ニカム体(H)の内部には、その軸方向にみて非当接領
域が形成され、これにより、次のような優れた効果を実
現することができる。 (i).メタルハニカム体(H)の内部に発生する熱応力に
基づく大きな変形力を効果的に吸収、緩和させることが
できる。 (ii).両帯材間に非当接領域があることから、両帯材表
面が触媒担持表面として有効に活用され、単位体積当た
りの担持触媒量を増大させることができる(高い排気ガ
ス浄化能の達成とメタルハニカム体の小型化、コンパク
ト化が図れる)。 (iii).非当接領域において形成される空間部は、排気ガ
スの相互撹拌、乱流化を促進するため、排気ガスの浄化
能を向上させることが出来る(メタルハニカム体の小形
化、コンパクト化が図れる)。 (iv).前記(ii)〜(iii) と関連して、メタルハニカム体
(H)用の高価な帯材(平板状帯材と波板状帯材)の使
用量を大幅に低減化することができる。 (v).両帯材が非当接状態にあることから、両帯材の固着
に適用される高価なNi 系ろう材などの高温用ろう材の
使用量を低減化することができる(経済的なメタルハニ
カム体を提供することができる)。
【0060】また、波板状帯材が平板状帯材に当接する
部位において、前記した波板状帯材の頂部領域に形成さ
れた突状部の存在により、次のような優れた効果を得る
ことができる。 (vi).過剰なろう材によるフィレットの形成と当接部位
の閉塞状態を防止することができる。即ち、高価なろう
材の使用量の増大を防止し、かつ当接部での大きなフィ
レット形成や閉塞による背圧の増大を防止することがで
きる。 (vii).触媒担持に関連するウォッシュコート処理時にみ
られる頂部領域の閉塞が防止される。即ち、前記突状部
がない場合、波の頂部及びその近傍部位に過大なウォッ
シュコート塊(フィレット)が形成されるが、本発明は
これを防止することができる。 前記効果は、別言すれば触媒担持量を増大させ、かつ背
圧抵抗を低下させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施態様のメタルハニカム体
(H)(巻回タイプ)を使用して製造したメタル担体
(MS)の斜視図である。
【図2】 図1のメタル担体(MS)の正面図である。
【図3】 本発明の第一実施態様のメタルハニカム体
(H)の軸心を通る一部断面図である。
【図4】 図3のA線矢視図である。
【図5】 図3のB−B線断面図である。
【図6】 図3のA線矢視図の一部拡大図である。
【図7】 本発明の第一実施態様のメタルハニカム体
(H)に適用される波板状帯材(2)の一部斜視図であ
る。
【図8】 本発明の第一実施態様のメタルハニカム体
(H)を構成する波板状帯材(2)の製造用フォーミン
グギア装置の一部斜視図である。
【図9】 本発明の第二実施態様のメタルハニカム体
(H)に適用される波板状帯材(2)の一部斜視図であ
る。図7に対応する図である。
【図10】 本発明の第三実施態様のメタルハニカム体
(H)に適用される波板状帯材(2)の一部斜視図であ
る。図7に対応する図である。
【図11】 本発明の第四実施態様のメタルハニカム体
(H)に適用される波板状帯材(2)の一部斜視図であ
る。図7に対応する図である。
【図12】 本発明の第五実施態様のメタルハニカム体
(H)の断面図であり、図3に対応する図である。
【図13】 本発明の第六実施態様のメタルハニカム体
(H)の断面図であり、図3に対応する図である。
【図14】 本発明の第七実施態様のメタルハニカム体
(H)の断面図であり、図3に対応する図である。
【図15】 本発明の第八実施態様のメタルハニカム体
(H)の断面図であり、図3に対応する図である。
【図16】 本発明のメタルハニカム体(H)の構造の
第一変形例(積層・階層タイプ)の正面図である。
【図17】 本発明のメタルハニカム体(H)の構造の
第二変形例(放射タイプ)の正面図である。
【図18】 本発明のメタルハニカム体(H)の構造の
第三変形例(S字状タイプ)の正面図である。
【図19】 本発明のメタルハニカム体(H)の構造の
第四変形例(巴状タイプ)の正面図である。
【図20】 本発明のメタルハニカム体(H)の構造の
第五変形例(X−ラップタイプ)の正面図である。
【符号の説明】
MS………… メタル担体 H ………… メタルハニカム体 C ………… 金属製ケーシング 1 ………… 平板状帯材 2 ………… 波板状帯材 21 ………… 三角波形部分 22 ………… 矩形波形部分 2A,2B,2C,2D ………… 突状部 h1 ………… 突状部の高さ 3 ………… セル 4 ………… 平板状帯材と波板状帯材の非当接部領域
が形成する空間部 5 ………… 波板状帯材の製作用フォーミングギア W1 ,W3 … 波板状帯材の両端部及びその近傍部位の
領域 W2 ………… 波板状帯材の両端部及びその近傍部位を
除いた領域 W4 ………… 領域W2 内での平板状帯材と波板状帯材
の当接部領域

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄肉鋼板製の平板状帯材と波板状帯材を
    交互に当接するように重積して製作したハニカム構造の
    排気ガス浄化用触媒を担持させるためのメタルハニカム
    体において、前記メタルハニカム体の軸方向(排気ガス
    の流入、流出方向)にみて、前記波板状帯材が、 (1)少なくとも一方の端部及びその近傍部位の領域の
    波形構造が、前記平板状帯材に当接する波高の波形を有
    するもので構成され、 (2)前記部位以外の領域の波形構造が、前記平板状帯
    材に非当接となる波高の波形を有するもので構成され、
    かつ、 (3)前記平板状帯材に当接する波高の波形構造が、そ
    の頂部(山部及び谷部)において、頂部領域に形成され
    た所望高さの突状部を有するもので構成されたものであ
    る、ことを特徴とするメタルハニカム体。
  2. 【請求項2】 突状部が、波板状帯材の頂部領域を圧漬
    して形成した板状突状物である請求項1に記載のメタル
    ハニカム体。
  3. 【請求項3】 突状部が、波板状帯材の頂部領域を切起
    して形成した切起片である請求項1に記載のメタルハニ
    カム体。
  4. 【請求項4】 突状部が、波板状帯材の頂部領域をバー
    リング加工して形成したバーリング片である請求項1に
    記載のメタルハニカム体。
  5. 【請求項5】 突状部が、波板状帯材の頂部領域の全域
    又は一部の領域に配設されたものである請求項1に記載
    のメタルハニカム体。
  6. 【請求項6】 突状部の高さが、0.15mm〜0.7
    mmである請求項1に記載のメタルハニカム体。
  7. 【請求項7】 波板状帯材の波形構造が、 (i).平板状帯材に頂部が当接する領域で、かつ前記頂部
    を除く領域の波形構造が略正弦波形であり、かつ、 (ii).平板状帯材に頂部が非当接の領域の波形構造が矩
    形波形である、請求項1に記載のメタルハニカム体。
  8. 【請求項8】 平板状帯材が、メタルハニカム体の軸方
    向にみて、波板状帯材と略同一の幅を有するものである
    請求項1に記載のメタルハニカム体。
  9. 【請求項9】 平板状帯材が、メタルハニカム体の軸方
    向にみて、平板状帯材と当接関係にある波板状帯材の部
    位の幅と略同一の幅を有するストリップ材で構成された
    ものである請求項1に記載のメタルハニカム体。
  10. 【請求項10】 薄肉鋼板製の平板状帯材と波板状帯材
    を交互に当接するように重積して製作したハニカム構造
    の排気ガス浄化用触媒を担持させるためのメタルハニカ
    ム体において、前記メタルハニカム体の軸方向(排気ガ
    スの流入、流出方向)にみて、前記波板状帯材が、 (i).少なくとも一方の端部及びその近傍部位の領域にお
    いて、前記平板状帯材に当接する波高の波形を有するも
    ので構成され、 (ii).前記部位以外の領域において、前記平板状帯材に
    大きい領域で非当接となるが小さい領域で当接する波高
    の波形を有するもので構成され、かつ、 (iii).前記平板状帯材に当接する波高の波形構造におい
    て、その頂部(山部及び谷部)が、頂部領域に形成され
    た所望高さの突状部を有するもので構成されたものであ
    る、ことを特徴とするメタルハニカム体。
  11. 【請求項11】 平板状帯材が、メタルハニカム体の軸
    方向にみて、波板状帯材と略同一の幅を有するものであ
    る請求項10に記載のメタルハニカム体。
  12. 【請求項12】 平板状帯材が、メタルハニカム体の軸
    方向にみて、平板状帯材と当接関係にある波板状帯材の
    部位の幅と略同一の幅を有するストリップ材で構成され
    たものである請求項10に記載のメタルハニカム体。
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