JPH09219586A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

配線基板及びその製造方法

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JPH09219586A
JPH09219586A JP2225996A JP2225996A JPH09219586A JP H09219586 A JPH09219586 A JP H09219586A JP 2225996 A JP2225996 A JP 2225996A JP 2225996 A JP2225996 A JP 2225996A JP H09219586 A JPH09219586 A JP H09219586A
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wiring
wiring board
layer
metal
insulator
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Application number
JP2225996A
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English (en)
Inventor
Kazuto Higuchi
和人 樋口
Takeshi Miyagi
武史 宮城
Masayuki Saito
雅之 斉藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
    • H05K3/4644Manufacturing multilayer circuits by building the multilayer layer by layer, i.e. build-up multilayer circuits
    • H05K3/4673Application methods or materials of intermediate insulating layers not specially adapted to any one of the previous methods of adding a circuit layer
    • H05K3/4676Single layer compositions

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  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波領域で損失の少ない伝送線路を有する
配線基板を提供することを目的とする。 【解決手段】 銅等の低抵抗金属配線層とポリイミド等
の低誘電率を有する有機絶縁体層からなる配線基板にお
いて、前記金属配線と前記有機絶縁体との界面の一部
に、極性ポリマーと前記絶縁体の共重合物である中間層
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は配線基板及びその製
造方法に係り、特に高周波領域で電気的特性に優れた配
線基板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線通信分野においては、従来特
殊な用途にしか用いられていなかった数GHz以上の高
周波領域が次々に民生用に開発されており、高性能で安
価な高周波機器が求められている。
【0003】これにともない数GHzの電波を送受信す
る移動体通信端末では、効率が高く低消費電力なシステ
ムを構築するために、回路基板には伝搬損失の小さい伝
送線路が要求されている このような要求に応えるためには、配線抵抗が低い配線
材料と、誘電率が低く誘電損失が小さい誘電体材料を組
み合わせた配線基板の開発が不可欠である。このような
配線基板として、抵抗率が低い金属である銅、金、銀な
どの金属を配線材料として用い、誘電率が低いエポキ
シ、ポリイミド、ベンゾシクロブテンといった有機物を
誘電体材料として用いた基板が各種開発されてきた。
【0004】しかしながら上記のような金属と誘電体の
組み合わせは、両者の間の接着強度が低い組み合わせで
あり、加工中に金属と絶縁体が剥離しやすいため、基板
を製造するためには金属と誘電体との間の接着強度を増
加させることが重要であり、以下に従来の配線基板を例
にあげる。
【0005】図7(a)は、基板1上に第1の金属配線
2が形成され、有機絶縁体3を介して第2の金属配線5
が形成された配線基板の断面図を示す。また図7(b)
は、図7(a)の丸で囲まれた部分の拡大図である。こ
の例では第2の金属配線5と有機絶縁体3とは、その界
面を凹凸にしてアンカー効果により接着強度を増加させ
ている。この方法は、金属配線5を形成する前段階で有
機絶縁体3表面を機械的研磨やエッチングなどの化学的
処理により、表面に数μm〜数十μmの凸凹を形成した
り、有機絶縁体3に対してエッチング効果を持つガスに
よるプラズマに暴露することにより、表面に数十〜数百
nmの凸凹を形成して、金属配線5と有機絶縁体3との
接着強度を増加できる。
【0006】またスパッタリング法により金属配線5を
有機絶縁体5表面に直接形成する場合は、特に金属配線
5を形成する前段階で有機絶縁体3表面に凹凸を形成し
粗面化しなくても比較的大きな接着強度が得られること
が知られている。これはスパッターによる高エネルギー
粒子が絶縁体に衝突し、金属配線5と有機絶縁体5との
界面に自然に数十〜数百nmの凸凹が形成されるためで
ある。
【0007】また金属配線と有機絶縁体との接着強度の
拡大を図る方法として、金属配線と有機絶縁体との間に
比較的絶縁体との接着強度が大きい金属を中間層として
形成する方法も多く用いられている。図8(a)はこの
ようにして形成された配線基板の断面図である。また図
8(b)は図8(a)の丸で囲まれた部分の拡大図であ
る。有機絶縁体3と第2の金属配線5との間には、比較
的有機絶縁体3と接着力の大きい金属のクロムやチタン
が形成されている。こうすることで約5倍以上の接着強
度が得られる。
【0008】以上のような方法を用いれば、金属配線と
有機絶縁体との間の接着強度を大きくできるため、抵抗
率が低い銅、金、銀、アルミニウム、ニッケル等の金属
と誘電率・誘電損失が小さいエポキシ、テフロン、ポリ
イミド、ベンゾシクロブテン等の有機絶縁体とを組み合
わせた配線基板を製造することができる。しかしなが
ら、このような基板でも数十GHzの高周波領域では、
表皮効果が顕著に現れるため伝搬損失が大きくなるとい
う新たな問題が生じる。
【0009】ここで表皮効果について少し詳しく述べ
る。表皮効果とは高周波において電流が配線表面から配
線内部に向かい指数的に減少する現象を言う。電流が表
面電流の1/eになる深さは表皮厚さ(δ)と呼ばれ、
総電流の60%以上がδ内を通過する。図9に電流の周
波数(MHz)と表皮厚さδ(μm)の関係を示す。
【0010】図9に示すように数GHz〜数十GHzの
信号は配線の表面から数百nm〜数μmの深さの極めて
薄い領域に集中して流れることがわかる。そこで上記し
た有機絶縁体の表面に凹凸を形成する方法や、金属配線
表面に接着層として高抵抗金属を形成する方法では、電
流の流れる金属配線と、有機絶縁体の界面は良好な状態
ではなく損失が極めて大きくなるという問題を生ずる。
【0011】例えば金属配線と有機絶縁体とが接触する
界面に数十〜数百nmの凸凹を形成する場合、数GHz
〜数十GHzの信号を流す際に、凸凹の大きさが電流の
表皮厚さの10%程度になり、インピーダンスの不連続
点が数多く形成され、その結果損失が大きくなってしま
う。
【0012】また接着層として用いるクロムやチタン等
の金属は一般に抵抗率が大きいため、表皮効果により電
流がこの高抵抗の接着層に多く流れてしまい、上層に低
抵抗の金属配線材料を用いても損失が大きくなってしま
う。このように従来の構造では数GHz以上の高周波信
号に対して低損失な伝送線路を有する配線基板を提供で
きないという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】抵抗率が低い金属と誘
電率・誘電損失が小さい有機絶縁体とを組み合わせた高
周波対応の配線基板では、従来のように有機絶縁体表面
に凸凹を形成する構造或いは接着層として高抵抗金属を
設ける構造では、表皮効果により数GHz以上の高周波
領域で伝搬損失が極めて大きいものであった。本発明は
上記問題点に鑑みてなされたもので、高周波領域で損失
の少ない伝送線路を有する配線基板を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明(請求項1)は、金属配線と有機絶縁体からな
る配線基板であり、前記配線と前記絶縁体が接着する界
面の一部に、極性ポリマーと前記絶縁体の共重合物から
なる中間層が形成されていることを特徴とする配線基板
を提供する。
【0015】また本発明(請求項2)は、前記極性ポリ
マーがスルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸
基から選ばれる少なくとも一つの官応基を有することを
特徴とする配線基板を提供する。
【0016】また本発明(請求項3)は、前記中間層の
厚みが1nm以上ないし1μm以下の範囲にあることを
特徴とする配線基板を提供する。この場合、中間層は金
属配線と有機絶縁体との接着強度を増加させるために用
いるもので、中間層が薄い場合には極性ポリマーの密度
が低くなり接着強度が低下するため、中間層は1nm以
上の厚さが必要であり、中間層が厚い場合にはポリマー
自体が破断し接着強度が低下するため、中間層は1μm
以下の厚さが必要である また本発明(請求項4)は、前記中間層の厚みが有機絶
縁体層の厚さの1/10以下であることを特徴とする配
線基板を提供する。
【0017】この場合、中間層の厚みは配線層間の有機
絶縁体層の誘電率や誘電損失といった誘電特性を悪化さ
せないために有機絶縁体層の厚さの1/10以下がよ
い。さらに好ましくは1/20以下がよい。
【0018】また本発明(請求項5)は、前記絶縁体
は、エポキシ、テフロン、ポリイミド、ベンゾシクロブ
テンから選ばれる少なくとも一つの材料から構成される
ことを特徴とする配線基 板を提供する。
【0019】また本発明(請求項6)は、前記配線は、
銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルから選ばれる少な
くとも一つの材料から構成されることを特徴とする配線
基板を提供する。
【0020】また本発明(請求項7)は、有機絶縁層表
面に放射線、紫外線、プラズマのいずれかを照射し、こ
の有機絶縁層表面を活性化する工程と、前記有機絶縁層
表面に極性モノマーを導入し、重合する工程と、この重
合した極性モノマー上に蒸着法、無電解めっき法から選
ばれる少なくとも一つの方法で、金属配線層を形成する
工程とを具備することを特徴とする配線基板の製造方法
を提供する。
【0021】また本発明(請求項8)は、有機絶縁層表
面に放射線、紫外線、プラズマのいずれかを照射し、こ
の有機絶縁層表面を活性化する工程と、前記有機絶縁層
表面に極性モノマーを導入し、重合する工程と、前記極
性モノマーの重合物が形成されたあと、金属イオンを極
性モノマーの重合物表面に吸着させる工程と、前記吸着
した金属イオンを還元して金属膜を形成する工程と、前
記金属膜を下地電極として電気めっきを行い金属配線層
を成長させる工程とを具備することを特徴とする配線基
板の製造方法を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、誘電率が低い有機絶縁体としてエポキ
シ、テフロン、ポリイミド、ベンゾシクロブテン上に、
抵抗の低い金属配線材料として銅、銀、金、アルミニウ
ム、ニッケルを直接形成しても、接着強度を十分なもの
にするために種々検討したところ、有機絶縁体の表面に
例えばスルホン基、カルボキシル基、フェノール性水酸
基などの極性基を有するモノマー(極性モノマー)を共
重合させることにより、前記極性基を有する極性ポリマ
ーと前記絶縁体の共重合物である中間層が形成され、こ
の上に直接、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルなど
の低抵抗金属膜を形成しても、絶縁体と十分な接着強度
が得られることを見出した。
【0023】さらに低抵抗金属配線膜の形成に蒸着法、
無電解めっき法を用いれば接着界面の凸凹を小さくで
き、高周波領域で表皮効果が生じても金属配線界面は良
好な状態を保っているので、損失を最小に抑えることが
できる。
【0024】また、前記極性基のイオン交換能を利用し
て、ポリマー表面に銅イオンなどの金属イオンを吸着・
還元すると有機絶縁体の表面に薄い金属膜を形成でき
る。これを、電気めっきの下地(カソード)電極として
用いて電気めっきを行えば、簡単な設備でしかも短時間
に配線金属を形成できる。
【0025】図1(a)は、本発明の配線基板に用いる
配線構造の断面図である。図1(a)に示すように、配
線基板は基板1の上に配線層が積み上げられて形成され
ている。1層目の金属配線2はBTレジン基板等からな
る基板1上に銅により直接形成されている。この金属配
線2上に10μm厚程度のベンゾシクロブテン(BC
B)による有機絶縁体3が形成され、層間接続のために
ビア穴が形成されている。この有機絶縁体3の表面は、
BCBとアクリル酸との共重合物からなる中間層4にな
っており、その厚さは100nm以下である。
【0026】2層目の金属配線5も1層目と同様に銅で
形成されているが、有機絶縁体3との界面には、BCB
とアクリル酸との共重合物からなる中間層4を介在して
いるため、金属配線5と有機絶縁体3との接着強度は非
常に強い。
【0027】図1(a)では、1層目の金属配線2と2
層目の金属配線5によりマイクロストリップ線路を形成
している。図1(b)は高周波での表皮厚さを示した概
念図である。数GHz以上の高周波領域では、マイクロ
ストリップ線路を流れる電流は互いに対向する配線側の
辺に集中し、表皮厚さδ(図中符号20で示す部分)は
数百nm〜数μm程度になる。図に示されるように、表
皮内には高抵抗な中間層はなく、しかも界面の凸凹は数
nm以内であり表皮厚さδに比べて十分小さい。したが
って、配線抵抗は十分に低く、表面の凹凸によるインピ
ーダンスの不連続点もないため低損失な伝送線路を実現
できる。
【0028】次に図2から図4の(a)から(i)を用
いて、本発明の配線基板の製造方法を説明する。先ず、
図2(a)に示すように例えばBT(ビスマスレイミド
/トリアジン)樹脂、ポリイミド樹脂などを主成分とす
るラミネート基板1上に蒸着法、スパッタリング法、無
電解めっき法などにより3μm厚の銅膜2を形成する。
銅膜の形成前の処理として基板を濃硫酸、クロム酸ある
いはこれらの混酸に浸漬したり、酸素と四フッ化炭素の
混合ガスによるプラズマにより表面を暴露し、基板表面
を改質すると基板と銅膜との接着強度は増加する。この
場合、基板表面には中心粗さ100nm〜1μmの凸凹
ができるが、高周波領域では電流密度が減少する領域で
あるから伝送特性に影響を与えることはない。図1
(b)に示すようにこの界面は表皮効果により電流が減
少する領域である。
【0029】続いて、図2(b)に示すように、基板表
面にレジストを塗布してレジスト膜6を形成し、露光・
現像により必要な形状にパターニングする。そして銅膜
を過硫酸アンモニウム、硫酸、およびエタノールを含む
混合溶液でエッチングし、その後アセトンなどを用いて
レジストを溶解・除去することにより図2(c)に示す
ような1層目の金属配線2を形成する。
【0030】次にこの基板1上に感光基を含有するベン
ゾシクロブテン(BCB)のワニスをスピンコートし、
約15μm厚の塗膜を形成する。この後、80℃で20
分間ベーキングを行い乾燥させ、露光・現像工程により
層間接続用のビア穴を形成する。さらに250℃で60
分間キュアすることにより、図3(d)に示すように膜
厚10μmのBCB有機絶縁体層3を形成する。
【0031】次にこの基板を、増感剤(アントラキノ
ン:0.3%)、極性モノマー(アクリル酸(AA):
10%)を含むアセトン溶液に浸漬し、400Wの高圧
水銀ランプにより60分間紫外線を照射する。このとき
紫外線の他に放射線、プラズマも用いることが可能であ
る。この後、基板を温水でリンスし、ホモポリマーを除
去する。これらの処理によりBCB有機絶縁膜3表面に
は図3(e)に示すようなAAとBCBの共重合層4が
形成される。
【0032】ここで共重合後の重量を調べた結果、重量
増加はほとんど観測できなかったが、水に対する濡れ性
が大幅に改善されたことより、共重合していることが判
明した。
【0033】尚、ビア穴底の銅表面では共重合は生じず
ホモ重合しか起こらないため、リンス工程でのホモポリ
マー除去後、ビア穴底の銅表面には何の残留物も生じな
い。次にこの基板を硫酸銅溶液(硫酸銅5水和物:75
g/L)に3分間浸漬し、銅イオンを吸着させる。カル
ボキシル基はカチオン交換基として知られているが、A
Aのグラフトポリマーにはカルボキシル基が高密度に存
在するため、銅イオンがBCB有機絶縁体3表面を均一
に覆う。
【0034】さらにこの基板を水素化ほう素ナトリウム
溶液(1.5g/L)に5分間浸漬し、銅イオンを還元
すると図3(f)に示すような薄い銅膜7を形成する。
この銅膜7のシート抵抗は約200Ω/□であり、電気
めっきを行うための下地電極として充分用いることがで
きる。
【0035】次に図4(g)に示すように銅膜7上に電
気めっきにより、銅膜5を3μm成長させる。電気めっ
きは通常の矩形水槽を用い、銅膜7をカソードとして液
温25℃、電流密度4.5A/dm2 でめっき液を攪拌
しながら行う。めっき液としては下記の組成の溶液を使
用することができる。
【0036】 硫酸銅5水和物 75g/L 硫酸(比重1.84) 180g/L 塩酸 0.15mL/L ポリエチレングリコール(分子量約400,000) 80ppm チオキサンテート−s−プロパンスルホン酸 40ppm 以上の条件でめっきを行った場合、めっき析出速度は約
1μm/分であるため、所望の膜厚を3分という極めて
短時間で形成できる。
【0037】さらに、図4(h)に示すように、銅膜5
上にレジストを塗布してレジスト膜6を形成し露光・現
像により必要な形状にパターニングする。そして銅膜を
過硫酸アンモニウム、硫酸、およびエタノールを含む混
合溶液でエッチングし、その後アセトンなどを用いてレ
ジストを溶解・除去することにより図4(i)に示すよ
うな2層目の金属配線5を形成する。
【0038】以上のようにして本発明の配線基板を形成
することができる。図5に、こうして得られた本発明に
よる配線基板の2層目の金属配線5のピール強度(90
°ピール)を、他の製法で得られるピール強度と比較し
たグラフを示す。グラフ中のプロセスAはBCB上に直
接銅を蒸着して形成した場合、プロセスBはチタンを接
着層(チタン膜厚:0.1μm)として用いて銅膜を形
成した場合、プロセスCは蒸着前に酸素と四フッ化炭素
の混合ガスのプラズマ処理を行い、BCB表面に凹凸を
形成しこの上に銅膜を形成した場合、プロセスDはBC
B上にスパッタリング法により直接銅膜を形成した場合
をそれぞれ示している。尚、基板の製造上、必要な最低
限のピール強度は約20g/cmであり、これ以下であ
るとめっき膜の内部応力により膜が基板より剥離してし
まう。
【0039】プロセスAではピール強度は約5g/cm
しか得られず、基板製造には不十分である。一方、プロ
セスB、C、Dではいずれも50g/cm以上のピール
強度が得られる。本発明によるBCB上に形成した銅膜
のピール強度は他の方法に比べ最も強い約180g/c
mが得られ、基板製造に対して十分な接着強度を有して
いた。
【0040】図6に、図1(b)に示されるようなマイ
クロストリップ線路をプロセスB、C、Dおよび本発明
による方法で形成し、その高周波における損失を測定・
比較した結果を示す。
【0041】プロセスAでは基板製造中に銅膜がBCB
上から剥離してしまうためマイクロストリップ線路を形
成することはできなかったのでグラフから削除した。
尚、測定周波数は20GHz、線路長さは14mmであ
る。
【0042】図6に示されるように、本発明による線路
の損失は他の方法のいずれよりも低く、他の方法に比べ
28%〜58%改善できた。また、本発明による基板製
造方法では、電気めっき法の下地電極を銅イオンの吸着
・還元工程で形成しているため、蒸着法、スパッタリン
グ法、無電解めっき法に比べ約1/3の時間で形成でき
る。さらに、蒸着法、スパッタリング法で必要な真空設
備や無電解めっき法で必要な付帯設備が必要ないため、
従来にくらべ設備費を大幅に削減でき、基板製造コスト
を減少できる。
【0043】ここで、本発明では半導体チップを搭載す
る回路基板の配線を対象としたが、同様な目的で半導体
チップ上の配線にも適用できる。さらに、金属配線材料
は銅に限らず、金、銀、アルミニウム、ニッケルのいず
れかを少なくとも一つ含む材料を用いることができる。
また、有機絶縁材料としてはBCBに限らず、エポキ
シ、テフロン、ポリイミドのいずれかを少なくとも一つ
含む材料を用いることができる また、絶縁体表面のグラフト化に用いる極性モノマーは
アクリル酸に限らず、スルホン基カルボキシル基、フェ
ノール性水酸基から選ばれる少なくとも一つの官応基を
有する極性ポリマーを用いることができる。加えて、基
板、増感剤、めっき液、めっき装置の材質、寸法、量な
どに関して種々変更して用いることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
抵抗率が低い金属と誘電率・誘電損失が小さい有機絶縁
体とを組み合わせた基板において、前記配線と前記絶縁
体との界面の一部に、極性ポリマーと前記絶縁体の共重
合物である中間層を形成することにより、金属配線と有
機絶縁体との密着強度を向上させ、さらに高周波領域で
損失の少ない伝送線路を有する配線基板を提供すること
を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の配線基板の断面図
【図2】 本発明の配線基板を製造する際の各工程を説
明する断面図
【図3】 本発明の配線基板を製造する際の各工程を説
明する断面図
【図4】 本発明の配線基板を製造する際の各工程を説
明する断面図
【図5】 本発明の配線基板と従来の配線基板における
有機絶縁体上の金属膜のピール強度を示す図
【図6】 本発明の配線基板と従来の配線基板における
高周波での損失を示す図
【図7】 従来の配線基板の断面図
【図8】 従来の配線基板の断面図
【図9】 表皮効果における表皮厚さと周波数の関係を
示す図
【符号の説明】
1…基板 2…金属配線 3…有機絶縁体 4…共重合層 5…金属配線 6…レジスト膜 7…電気めっき用下地金属薄膜 10…接着用金属薄膜 20…表皮効果における表皮厚さ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属配線と有機絶縁体からなる配線基板で
    あり、前記配線と前記絶縁体が接着する界面の一部に、
    極性ポリマーと前記絶縁体の共重合物からなる中間層が
    形成されていることを特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】前記極性ポリマーがスルホン基、カルボキ
    シル基、フェノール性水酸基から選ばれる少なくとも一
    つの官応基を有することを特徴とする請求項1に記載の
    配線基板。
  3. 【請求項3】前記中間層の厚みが1nm以上ないし1μ
    m以下の範囲にあることを特徴とする請求項1、2に記
    載の配線基板。
  4. 【請求項4】前記中間層の厚みが有機絶縁体層の厚さの
    1/10以下であることを特徴とする請求項1、2、3
    に記載の配線基板。
  5. 【請求項5】前記絶縁体は、エポキシ、テフロン、ポリ
    イミド、ベンゾシクロブテンから選ばれる少なくとも一
    つの材料から構成されることを特徴とする請求項1、
    2、3、4に記載の配線基板。
  6. 【請求項6】前記配線は、銅、金、銀、アルミニウム、
    ニッケルから選ばれる少なくとも一つの材料から構成さ
    れることを特徴とする請求項1、2、3、4、5に記載
    の配線基板。
  7. 【請求項7】有機絶縁層表面に放射線、紫外線、プラズ
    マのいずれかを照射し、この有機絶縁層表面を活性化す
    る工程と、 前記有機絶縁層表面に極性モノマーを導入し、重合する
    工程と、 この重合した極性モノマー上に蒸着法、無電解めっき法
    から選ばれる少なくとも一つの方法で、金属配線層を形
    成する工程とを具備することを特徴とする配線基板の製
    造方法。
  8. 【請求項8】有機絶縁層表面に放射線、紫外線、プラズ
    マのいずれかを照射し、この有機絶縁層表面を活性化す
    る工程と、 前記有機絶縁層表面に極性モノマーを導入し、重合する
    工程と、 前記極性モノマーの重合物が形成されたあと、金属イオ
    ンを極性モノマーの重合物表面に吸着させる工程と、 前記吸着した金属イオンを還元して金属膜を形成する工
    程と、 前記金属膜を下地電極として電気めっきを行い金属配線
    層を成長させる工程とを具備することを特徴とする配線
    基板の製造方法。
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