JPH09217764A - クラッチ装置 - Google Patents

クラッチ装置

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Publication number
JPH09217764A
JPH09217764A JP4819096A JP4819096A JPH09217764A JP H09217764 A JPH09217764 A JP H09217764A JP 4819096 A JP4819096 A JP 4819096A JP 4819096 A JP4819096 A JP 4819096A JP H09217764 A JPH09217764 A JP H09217764A
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JP
Japan
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rotary plate
oil
drive
hydraulic chamber
driven
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Application number
JP4819096A
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English (en)
Inventor
Yuzo Aoyanagi
友三 青柳
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Hino Motors Ltd
Original Assignee
Hino Motors Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルクコンバータを用いることなく、極めて
簡単かつコンパクトな機構によってエンジンの高トルク
回転域においてクラッチを接続できるようにして車輛、
特にインタクーラターボ車の発進加速性能を大幅に向上
させ、車輛の運転性能を向上させることができる画期的
なクラッチ装置を提供する。 【解決手段】 クランクシャフト13に固定されて回転
する駆動回転板2と、該駆動回転板2に対向して配設さ
れた被駆動回転板3とによって高粘度の作動油18を貯
溜する油圧室15を構成し、該油圧室15内に作動油1
8を排出又は供給することにより、被駆動回転板3を駆
動回転板2に接近又は離間させて駆動回転板2の回転力
を被駆動回転板3に伝達するようにし、作動油18の粘
性によって駆動回転板2の回転力を被駆動回転板3に徐
々に伝達し、最後に該駆動回転板2と該被駆動回転板3
とを密着させてクラッチを接続するようにした構成を特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として車輛用の
クラッチ装置に係り、特に油圧室を構成するように駆動
回転板及び被駆動回転板を対向して配設し、該油圧室内
に高粘度の作動油を供給又は排出することによって駆動
回転板及び被駆動回転板を互いに接近又は離間させて駆
動回転板の回転力を被駆動回転板に伝達するように構成
し、トルクコンバータを用いることなく、極めて簡単か
つコンパクトな機構によってエンジンの高トルク回転域
においてクラッチを接続できるようにして車輛の発進加
速性能を大幅に向上させるようにした画期的なクラッチ
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のクラッチ装置には、車輛の発進性
能を向上させてクラッチ接続時のエンジンストップを防
止すると共に、発進操作を容易に行うことができるよう
にするために、エンジンの発生トルクがかなり高くなる
回転域においてクラッチを接続してエンジンの回転力を
トランスミッションに伝達する装置とし流体式トルクコ
ンバータが使用されているが、該流体式トルクコンバー
タは構造が複雑で大型となるため、搭載スペースに制限
があり、また製作に多くの工数と費用を要するという欠
点があった。
【0003】また機械式クラッチや、油圧圧着式クラッ
チ等各種のものが提案され、実用化されているが、機械
式クラッチでは、クラッチの接続がエンジントルクの大
きい回転域において行われるとクラッチ板の早期摩耗と
いう問題が生じ、またターボエンジンでは低回転域でク
ラッチの接続が行われると、ブースト圧が未だ小さいの
で滑らかな接続を行い難く、時にはエンジンストップを
起こすこともある。また油圧圧着式クラッチではクラッ
チの接続のタイミングも自由にとることができ、接続も
十分に滑らかに行うことができるが、構造が非常に複
雑、かつ高価となり、重量も大きくなる等の欠点があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来技術の欠点を除くためになされたものであって、その
目的とするところは、エンジンのクランクシャフトに固
定されて回転する駆動回転板と該駆動回転板に対向して
配設された被駆動回転板とによって高粘度の作動油を貯
溜する油圧室を構成し、該作動油を油圧室から排出又は
供給することにより、被駆動回転板を駆動回転板に接近
させながら作動油の粘性によって駆動回転板の回転力を
被駆動回転板に徐々に伝達し、最後に該駆動回転板と該
被駆動回転板とを直結できるようにすることであり、ま
たこれによって駆動回転板と被駆動回転板とを徐々に接
続して車輛を滑らかに発進させることができるようにす
ることであり、またエンジンのトルクが大きくなった回
転域においてクラッチを接続できるようにして、トルク
コンバータを用いた場合と同様に車輛の発進性能を向上
させることである。
【0005】また他の目的は、上記構成によるクラッチ
装置を、低回転域での発生トルクが小さいインタクーラ
ターボエンジンに搭載することにより、エンジン回転数
の低い領域では作動油の粘性で徐々にクラッチ装置を接
続し、ターボの作用が有効となり発生トルクが大きくな
ったエンジンの回転域でクラッチ装置を完全に接続する
ことができるようにしてインタクーラターボエンジン搭
載車の発進性能を大幅に向上させることである。
【0006】更に他の目的は、電磁石を備え、電磁力に
よって駆動回転板と被駆動回転板とを密着させることに
よって駆動回転板と被駆動回転板とを直結させることで
あり、またこれによって作動油の粘性により徐々にクラ
ッチを接続した後、ロスなく確実にエンジンの回転力を
伝達できるようにすることである。
【0007】また他の目的は、駆動回転板の半径方向に
複数の排油溝を形成し、被駆動回転板に対向させて配設
して高粘度の作動油を貯溜する油圧室を構成することに
よって、駆動回転板を高速回転させることにより作動油
に遠心力を付与して排油溝を介して油圧室から排出し、
特別の排油装置を用いることなく次第に被駆動回転板を
駆動回転板に接近させて駆動回転板の回転力を被駆動回
転板に伝達できるようにすることであり、またこれによ
ってクラッチ装置の機構を簡素化し、信頼性の高いクラ
ッチ装置を安価に提供できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】要するに本発明(請求項
1)は、エンジンのクランクシャフトに固定され該クラ
ンクシャフトと共に回転して油圧室内に貯溜された高粘
度の作動油を介して前記エンジンの回転力を伝達する駆
動回転板と、該駆動回転板に対向して配設され該駆動回
転板との間に前記油圧室を構成しかつトランスミッショ
ンのインプットシャフトに形成されたスプライン軸に軸
方向に摺動自在に嵌合する被駆動回転板と、前記油圧室
内に貯溜された前記作動油を該油圧室から排出する排油
装置と、前記油圧室内に前記作動油を供給して前記駆動
回転板と前記被駆動回転板とを離間させる給油装置とを
備え、前記排油装置によって前記油圧室内から前記作動
油を排出して前記被駆動回転板を移動させて前記駆動回
転板に接近させながら前記作動油の粘性によって前記駆
動回転板の回転力を前記被駆動回転板に徐々に伝達し、
最後に該駆動回転板と該被駆動回転板とを直結するよう
に構成したことを特徴とするものである。
【0009】また本発明(請求項2)は、エンジンのク
ランクシャフトに固定され該クランクシャフトと共に回
転して油圧室内に貯溜された高粘度の作動油を介して前
記エンジンの回転力を伝達する駆動回転板と、該駆動回
転板に対向して配設され該駆動回転板との間に前記油圧
室を構成しかつトランスミッションのインプットシャフ
トに形成されたスプライン軸に軸方向に摺動自在に嵌合
する被駆動回転板と、前記油圧室内に貯溜された前記作
動油を該油圧室から排出する排油装置と、前記油圧室内
に前記作動油を供給して前記駆動回転板と前記被駆動回
転板とを離間させる給油装置と、コイルに通電すること
により生じる電磁力の作用によって前記被駆動回転板を
前記駆動回転板に当接させる電磁石とを備え、前記排油
装置によって前記油圧室内から前記作動油を排出して前
記被駆動回転板を前記駆動回転板に接近させ前記作動油
の粘性によって前記駆動回転板の回転力を前記被駆動回
転板に伝達すると共に前記電磁石の前記電磁力によって
前記被駆動回転板を前記駆動回転板に密着させて直結
し、前記駆動回転板の回転力を前記被駆動回転板に伝達
するように構成したことを特徴とするものである。
【0010】また本発明(請求項3)は、エンジンのク
ランクシャフトに固定され該クランクシャフトと共に回
転して油圧室内に貯溜された高粘度の作動油を介して前
記エンジンの回転力を伝達する駆動回転板と、該駆動回
転板に対向して配設され該駆動回転板との間に前記油圧
室を構成しかつトランスミッションのインプットシャフ
トに形成されたスプライン軸に軸方向に摺動自在に嵌合
する被駆動回転板と、前記油圧室内に前記作動油を供給
して前記駆動回転板と前記被駆動回転板とを離間させる
給油装置と、コイルに通電して電磁力の作用により前記
被駆動回転板を前記駆動回転板に当接させる電磁石とを
備え、かつ前記駆動回転板の前記油圧室側の側面に半径
方向に複数の排油溝を形成し、前記駆動回転板を高速で
回転させて前記作動油に遠心力を付与し前記排油溝によ
って該作動油を前記油圧室から排出して前記被駆動回転
板を前記駆動回転板に接近させると共に前記電磁石の前
記電磁力によって前記被駆動回転板を前記駆動回転板に
密着させて直結し、前記駆動回転板の回転力を前記被駆
動回転板に伝達するように構成したことを特徴とするも
のである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施例に
基いて説明する。本発明に係るクラッチ装置1は、図1
から図4において、駆動回転板2と、被駆動回転板3
と、給油装置4と、電磁石6とを備え、駆動回転板2に
は排油装置の一部を構成する排油溝5を形成してある。
【0012】クラッチ装置1は、図1及び図2におい
て、エンジン7とトランスミッション8との間に配設さ
れ、エンジン7の回転力を断接(遮断又は接続)しなが
らトランスミッション8に伝達するためのものであっ
て、ボルト10によって2つのケース9a,9bが油漏
れのないように密閉状態に締結されたケーシング9中に
駆動回転板2及び被駆動回転板3が回動自在に収納され
て構成されている。
【0013】駆動回転板2は、エンジン7の回転力を被
駆動回転板3に伝達するためのものであって、図1、図
3及び図4において、円板12の外周に一端が開放され
た円筒部11が固定されて構成されている。
【0014】円板12は、鋼鉄等の耐摩耗性に優れた磁
性体で製作されており、オイルシール(図示せず)によ
って嵌合部17からの油漏れが防止されてケーシング9
に回動自在に嵌合するクランクシャフト13にボルト1
4によって固定され、ケーシング9内で該クランクシャ
フト13と共に回転するように構成されている。
【0015】円筒部11は、円板12及び後述する被駆
動回転板3と共に油圧室15の一部を構成し、内径は被
駆動回転板3がわずかな隙間で回動自在に嵌合するよう
に精密に仕上げられ、また油圧室15とケーシング室1
6とを連通させて油圧室15から高粘度の作動油18を
ケーシング室16に排出させる排油穴11aが半径方向
に形成されている。
【0016】被駆動回転板3は、駆動回転板2から回転
力を伝達されてトランスミッション8に伝達するための
ものであって、中心部に雌スプライン3aが形成されて
おり、インプットシャフト19の一端に形成された雄ス
プライン19aに軸方向に摺動自在に嵌合している。
【0017】なお、駆動回転板2と、被駆動回転板3と
の結合を確実にするため、これら両部材の結合面は、台
形歯のかみ合いクラッチ(図示せず)とする場合もあ
る。
【0018】インプットシャフト19は、軸受20によ
ってケーシング9に回動自在に軸支されると共に、ケー
シング9にボルト21によって固定されたポンプ台22
にOリング23によって封止されてケーシング室16か
らの作動油18の漏れを防止するようになっている。
【0019】またインプットシャフト19には、油圧室
15と連通する給油路19bが軸方向及び半径方向に形
成されており、ポンプ台22に形成された給油穴22a
と連通して配設されている。
【0020】給油装置4は、油圧室15内に作動油18
を供給するためのものであって、給油ポンプ24及びス
トレーナ25とからなり、給油ポンプ24の給油口(図
示せず)はポンプ台22の給油穴22aに接続され、該
給油ポンプ24によってケーシング室16内の作動油1
8を該ストレーナ25から吸引して加圧し、油圧室15
に圧送するようになっている。
【0021】排油溝5は、油圧室15内の作動油18を
ケーシング室16に排出するためのものであって、駆動
回転板2の油圧室側の側面に半径方向に形成された複数
の溝であり、駆動回転板2を回転させることによって作
動油18に遠心力を付与し、該排油溝5中を流動させて
排油穴11aからケーシング室16に排出するように構
成されている。
【0022】排油溝5は、駆動回転板2の回転方向と逆
の方向にわずかに湾曲した形状に形成されており、駆動
回転板2の回転によって効率よく作動油18に遠心力を
付与することができるよう配慮されている
【0023】電磁石6は、駆動回転板2と被駆動回転板
3とを確実に密着させるためのものであって、図1及び
図5において、コイル26が被駆動回転板3に配設され
ており、該コイル26にはインプットシャフト19に絶
縁されて配設された導電線28(図1においては、図を
分かり易くするために中間部を省略して図示した)を介
してケーシング9の外部に配設されたスリップリング2
9に電気的に接続され、該スリップリング29には電源
30、スイッチ31が電線32によって直列に接続され
ている。
【0024】そして、スイッチ31を接続状態にして電
源30からの電気をスリップリング29、導電線28を
介してコイル26に供給して該コイル26を励起させ、
円板12との間に電磁力を作用させて被駆動回転板3を
駆動回転板2に密着させるようになっている。
【0025】本発明は、上記のように構成されており、
以下その作用について説明する。図5において、駆動回
転板2と被駆動回転板3とは離間し、該駆動回転板2と
被駆動回転板3との間の油圧室15内には作動油18が
充満した状態となっており、またケーシング室16内の
下部にも余分の作動油18が貯溜されている。
【0026】図6において、クランクシャフト13を矢
印A方向に回転させて駆動回転板2を回転させると、油
圧室15内の作動油18は粘性によって駆動回転板2に
より連れ回わられ、遠心力が付与されて排油溝5中を矢
印B方向に流れ、排油穴11aからケーシング室16に
矢印C方向に排出される。
【0027】これに伴い、被駆動回転板3は矢印D方向
に移動して駆動回転板2に次第に接近し、駆動回転板2
により連れ回わられる高粘度の作動油18によって回転
力が伝達されるが、伝達される回転力の強さは、駆動回
転板2と被駆動回転板3との距離に反比例して大きくな
り、被駆動回転板3が駆動回転板2に接近するに従って
次第に大きな回転力がインプットシャフト19に伝達さ
れる。
【0028】即ち、図9において、二点鎖線で示すトル
ク曲線はインタクーラターボエンジンのものを示すが、
エンジン7の回転数がアイドリング状態から毎分700
回転程度の低トルク域では、駆動回転板2と被駆動回転
板3とは離間しており、駆動回転板2の回転力は作動油
18の粘度によってわずかにインプットシャフト19に
伝達される半クラッチ状態にあり、車輛のブレーキを解
除するとゆっくりと発進するが、これはいわゆるクリー
プ現象の段階である。
【0029】エンジン7の回転数が上昇すると、次第に
被駆動回転板3が駆動回転板2に接近し、高トルク域で
ある800から1000rpmになると、油圧室15内
の作動油18は遠心力によりほとんど排出され、被駆動
回転板3と駆動回転板2とはわずかな隙間で対向して回
転力を伝達している。
【0030】図7において、エンジン7の回転数が高ト
ルク域に達し、被駆動回転板3が十分に駆動回転板2に
接近したとき、スイッチ31を接続すると電源30から
の電気がスリップリング29、導電線28を介してコイ
ル26に供給される。
【0031】コイル26が励起すると、円板12との間
に電磁力が作用して被駆動回転板3を更に矢印D方向に
移動させ、被駆動回転板3を駆動回転板2に完全に密着
させてクランクシャフト13の回転力はロスなくインプ
ットシャフト19に伝達されて該インプットシャフト1
9を矢印E方向に回転させ、クラッチが接続された状態
となる。このときエンジン7の回転は、図9に示すよう
に、例えば1200rpmに達し、クラッチの接続が完
了する。
【0032】駆動回転板2と被駆動回転板3との接続を
遮断するには、図8において、スイッチ31を遮断して
コイル26の励起を解除すると共に、給油ポンプ24を
作動させてケーシング室16内の作動油18をストレー
ナ25から矢印F方向に吸引して加圧し、給油穴22
a、給油路19bを介して矢印G方向に圧送し、油圧室
15に矢印H方向に流入させる。
【0033】油圧室15に圧送された作動油18により
押圧されて被駆動回転板3は、駆動回転板2から離間す
る方向に移動し、このときアクセルペダル(図示せず)
の踏込みは解除されているので、エンジン7の回転はア
イドリング状態となって低速回転しているので、作動油
18による被駆動回転板3の連れ回りは最小となり、ク
ラッチが遮断される。
【0034】
【発明の効果】本発明は、上記のようにエンジンのクラ
ンクシャフトに固定されて回転する駆動回転板と該駆動
回転板に対向して配設された被駆動回転板とによって高
粘度の作動油を貯溜する油圧室を構成し、該作動油を油
圧室から排出又は供給するようにしたので、被駆動回転
板を駆動回転板に接近させながら作動油の粘性によって
駆動回転板の回転力を被駆動回転板に徐々に伝達し、最
後に該駆動回転板と該被駆動回転板とを直結できるよう
にすることができ、またこの結果駆動回転板と被駆動回
転板とを徐々に接続して車輛を滑らかに発進させること
ができる効果があり、またエンジンのトルクが大きくな
った回転域においてクラッチを接続できるため、トルク
コンバータを用いた場合と同様に車輛の発進性能を向上
させることができる効果がある。
【0035】また上記構成によるクラッチ装置を、低回
転域での発生トルクが小さいインタクーラターボエンジ
ンに搭載することにより、エンジン回転数の低い領域で
は作動油の粘性で徐々にクラッチ装置を接続し、ターボ
の作用が有効となり発生トルクが大きくなったエンジン
の回転域でクラッチ装置を完全に接続することができる
ため、インタクーラターボエンジン搭載車の発進性能
を、トルクコンバータを用いることなく大幅に向上させ
ることができる効果がある。
【0036】更には、電磁石を備え、電磁力によって駆
動回転板と被駆動回転板とを密着させるようにしたの
で、駆動回転板と被駆動回転板とを直結させることがで
き、またこの結果作動油の粘性により徐々にクラッチを
接続した後、ロスなく確実にエンジンの回転力を伝達で
きるという効果がある。
【0037】また駆動回転板の半径方向に複数の排油溝
を形成し、被駆動回転板に対向させて配設して高粘度の
作動油を貯溜する油圧室を構成したので、駆動回転板を
高速回転させることにより作動油に遠心力を付与して排
油溝を介して油圧室から排出し、特別の排油装置を用い
ることなく次第に被駆動回転板を被駆動回転板に接近さ
せて駆動回転板の回転力を被駆動回転板に伝達できる効
果があり、またこの結果クラッチ装置の機構を簡素化し
得、信頼性の高いクラッチ装置を安価に提供できるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラッチ装置の縦断面図である。
【図2】クラッチ装置とエンジン及びトランスミッショ
ンとの位置関係を示す側面図である。
【図3】駆動回転板と被駆動回転板の部分破断斜視図で
ある。
【図4】駆動回転板の正面図である。
【図5】油圧室に作動油が貯溜されている状態を示すク
ラッチ装置の縦断面図である。
【図6】油圧室から作動油が排出された状態を示すクラ
ッチ装置の縦断面図である。
【図7】駆動回転板と被駆動回転板とが直結された状態
を示すクラッチ装置の縦断面図である。
【図8】油圧室に作動油が供給されて駆動回転板と被駆
動回転板との接続が遮断される状態を示すクラッチ装置
の縦断面図である。
【図9】エンジンのトルク曲線図である。
【符号の説明】
1 クラッチ装置 2 駆動回転板 3 被駆動回転板 4 給油装置 5 排油装置の一部をなす排油溝 6 電磁石 7 エンジン 8 トランスミッション 15 油圧室 13 クランクシャフト 18 作動油 19 インプットシャフト 19a スプライン軸 26 コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのクランクシャフトに固定され
    該クランクシャフトと共に回転して油圧室内に貯溜され
    た高粘度の作動油を介して前記エンジンの回転力を伝達
    する駆動回転板と、該駆動回転板に対向して配設され該
    駆動回転板との間に前記油圧室を構成しかつトランスミ
    ッションのインプットシャフトに形成されたスプライン
    軸に軸方向に摺動自在に嵌合する被駆動回転板と、前記
    油圧室内に貯溜された前記作動油を該油圧室から排出す
    る排油装置と、前記油圧室内に前記作動油を供給して前
    記駆動回転板と前記被駆動回転板とを離間させる給油装
    置とを備え、前記排油装置によって前記油圧室内から前
    記作動油を排出して前記被駆動回転板を移動させて前記
    駆動回転板に接近させながら前記作動油の粘性によって
    前記駆動回転板の回転力を前記被駆動回転板に徐々に伝
    達し、最後に該駆動回転板と該被駆動回転板とを直結す
    るように構成したことを特徴とするクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 エンジンのクランクシャフトに固定され
    該クランクシャフトと共に回転して油圧室内に貯溜され
    た高粘度の作動油を介して前記エンジンの回転力を伝達
    する駆動回転板と、該駆動回転板に対向して配設され該
    駆動回転板との間に前記油圧室を構成しかつトランスミ
    ッションのインプットシャフトに形成されたスプライン
    軸に軸方向に摺動自在に嵌合する被駆動回転板と、前記
    油圧室内に貯溜された前記作動油を該油圧室から排出す
    る排油装置と、前記油圧室内に前記作動油を供給して前
    記駆動回転板と前記被駆動回転板とを離間させる給油装
    置と、コイルに通電することにより生じる電磁力の作用
    によって前記被駆動回転板を前記駆動回転板に当接させ
    る電磁石とを備え、前記排油装置によって前記油圧室内
    から前記作動油を排出して前記被駆動回転板を前記駆動
    回転板に接近させ前記作動油の粘性によって前記駆動回
    転板の回転力を前記被駆動回転板に伝達すると共に前記
    電磁石の前記電磁力によって前記被駆動回転板を前記駆
    動回転板に密着させて直結し、前記駆動回転板の回転力
    を前記被駆動回転板に伝達するように構成したことを特
    徴とするクラッチ装置。
  3. 【請求項3】 エンジンのクランクシャフトに固定され
    該クランクシャフトと共に回転して油圧室内に貯溜され
    た高粘度の作動油を介して前記エンジンの回転力を伝達
    する駆動回転板と、該駆動回転板に対向して配設され該
    駆動回転板との間に前記油圧室を構成しかつトランスミ
    ッションのインプットシャフトに形成されたスプライン
    軸に軸方向に摺動自在に嵌合する被駆動回転板と、前記
    油圧室内に前記作動油を供給して前記駆動回転板と前記
    被駆動回転板とを離間させる給油装置と、コイルに通電
    して電磁力の作用により前記被駆動回転板を前記駆動回
    転板に当接させる電磁石とを備え、かつ前記駆動回転板
    の前記油圧室側の側面に半径方向に複数の排油溝を形成
    し、前記駆動回転板を高速で回転させて前記作動油に遠
    心力を付与し前記排油溝によって該作動油を前記油圧室
    から排出して前記被駆動回転板を前記駆動回転板に接近
    させると共に前記電磁石の前記電磁力によって前記被駆
    動回転板を前記駆動回転板に密着させて直結し、前記駆
    動回転板の回転力を前記被駆動回転板に伝達するように
    構成したことを特徴とするクラッチ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10000214C2 (de) * 1999-01-06 2002-06-27 Usui Kokusai Sangyo Kk Flüssigkeitskupplung
JP2002341087A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd ガラス溶融炉の給電装置

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