JPH09217229A - 導電性繊維及びそれを用いた制電性繊維紡績糸 - Google Patents

導電性繊維及びそれを用いた制電性繊維紡績糸

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JPH09217229A
JPH09217229A JP2005196A JP2005196A JPH09217229A JP H09217229 A JPH09217229 A JP H09217229A JP 2005196 A JP2005196 A JP 2005196A JP 2005196 A JP2005196 A JP 2005196A JP H09217229 A JPH09217229 A JP H09217229A
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fiber
conductive
conductivity
core
conductive fiber
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JP2005196A
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Hiroyuki Kawachi
博之 河内
Yasuo Yanagi
康夫 柳
Hiroshi Hosokawa
宏 細川
Mitsuhiro Matsunaka
光弘 松中
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に製造し得る導電性繊維及びそれを用い
た良好な制電性を有する紡績糸を提供する。 【解決手段】 試長1cmで測定した導電率σが10-9
≦σ≦10-6S/cmの導電性繊維であって、試長が短
いほど導電率が高く、試長0.01〜5mmの範囲にお
いて導電率σがσ>10-6S/cmである導電性繊維
(S)、並びに導電率σがσ>10-6S/cmである導
電性繊維(D)と上記導電性繊維(S)とを、混合比D
/S=1/50〜1/1で混合した混合綿を、0.1〜
10重量%混合した、摩擦帯電圧が4000V以下、帯
電電荷量が7μC/m2 以下である制電性紡績糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性繊維及びそ
れを用いた制電性紡績糸に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に合成繊維は電気絶縁性であり、接
触や摩擦により発生した静電気は容易に漏洩することは
ない。この結果、(1)衣類のまとわりつき、(2)汚
れの付着、(3)衣服に帯電した静電気が原因となる可
燃ガス、粉塵への引火、爆発、(4)電子機器の誤動作
など種々の問題を引き起こす。特にパソコン等の電子機
器の普及に伴って上記(4)の障害は近年クローズアッ
プされている。紡績糸に制電性を付与する技術として、
帯電防止能を有する油剤を塗布する方法又は帯電防止剤
を紡糸原液に添加し紡糸した原綿を混綿する方法が一般
的であるが、これらの方法では染色性、風合い等の繊維
加工品本来の特性が低下するのが通例であった。また、
更にこれらの問題を解決する手法として、カーボンブラ
ックあるいは金属(化合物)などの導電性微粒子を紡糸
原液に混入して紡糸した繊維を通常繊維に少量ブレンド
することにより良好な制電性を付与することができ、し
かも染色性、風合い等の繊維加工品本来の特性を殆ど損
なわないことから、市中でも使用され始めている。
【0003】しかしながら、これらの導電性微粒子を複
合紡糸した導電性繊維は一般的に高価であり、製造コス
トは通常の紡績糸のコストに比較して格段に高価となっ
てしまい、利用分野が限定されているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題点を解消し、安価に製造し得る導電性繊維及びそ
れを用いた良好な制電性を有する紡績糸の提供を課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、試長1cmで
測定した導電率σが10-9≦σ≦10-6S/cmの導電
性繊維であって、試長が短いほど導電率が高く、試長
0.01〜5mmの範囲において導電率σがσ>10-6
S/cmであることを特徴とする導電性繊維(S)、並
びに導電率σがσ>10-6S/cmである導電性繊維
(D)と上記導電性繊維(S)とを、混合比D/S=1
/50〜1/1で混合した混合綿を、0.1〜10重量
%混合した、摩擦帯電圧が4000V以下、帯電電荷量
が7μC/m2 以下であることを特徴とする制電性紡績
糸によって上記課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】制電性発現には布帛中で導電性繊
維の連なりにより接地体に対して十分なキャパシタンス
をもたせることが必要であると言われている(静電気ハ
ンドブック第一版 P818 静電気学会編 オーム社
発行)。また、一般的に導電性繊維混綿における制電性
のメカニズムは、コロナ放電による電荷の中和であると
言われている(静電気ハンドブック第一版 P815
静電気学会編 オーム社発行)。更に、コロナ放電を起
こさせるには、摩擦によって生じた静電界を導電性繊維
に効率よく集中させることと、形成した高電界部と導電
性繊維の間に電圧差をもたせるため導電性繊維を接地あ
るいは接着体とのキャパシタンスを大きくする必要があ
ると言われている(静電気ハンドブック第一版 P83
2 静電気学会編オーム社発行)。
【0007】電界集中の導電率が10-6S/cm以上で
ある導電性繊維を使用すれば十分であるが、衣料の場
合、他の衣類の上に着用することが多く、接地体である
人体に直接接触することはまれであり、実質的に導電性
繊維を接地させることは不可能と思われる。そのため、
導電性繊維と接地体(この場合身体)とのキャパシタン
スを大きくする必要があり、導電性繊維の連なりを形成
させることが必要である。本発明者等は、導電性繊維の
大部分を導電率σが10-9≦σ≦10-6S/cmである
導電性繊維に換えて制電性を評価したところ、驚くべき
ことに通常の導電性繊維のみの使用のものとほぼ同等の
性能を示すことを見い出した。この制電機構については
現在のところ定かではないが、導電率σが10-9≦σ≦
10-6S/cmである導電性繊維の電気特性およびコロ
ナ放電理論より次のように推定している。
【0008】導電率σが10-9≦σ≦10-6S/cmで
ある導電性繊維は、できるだけ繊維中の導電層の体積を
小さくすることにより得られる。より具体的には、導電
性繊維が粒子状導電性セラミックスを芯部に含有する芯
鞘複合繊維である場合、芯部をできるだけ小さくするの
である。また、導電率σが10-9≦σ≦10-6S/cm
である導電性繊維の電気特性を詳細に検討した結果、導
電率測定の試長をできるだけ短くしたところ導電率が向
上する現象が認められた。さらに、走査型電子顕微鏡に
より繊維軸方向の導電層の構造を詳細に解析した結果、
明確な導電粒子の連なりが導電層に存在するが、繊維軸
方向において導電層が部分的に切断していることが判明
した。つまり、導電率σが10-9≦σ≦10-6S/cm
である導電性繊維とは、σ>10-6S/cmの導電率を
有する長さ0.01〜5mmの導電層が不連続に存在し
ている構造であり、導電層の不連続(切断)のため導電
率σが10-9≦σ≦10-6S/cmになると考えられ
る。このような構造は、芯部比率を小さくするとノズル
吐出直後あるいは、延伸工程において芯部導電層が張力
に耐えきれず、部分的な切断により欠陥点を形成される
ものであり、その欠陥点により導電層の繊維軸方向の長
さが短くなり、導電性が測定繊維長に対して依存性を生
じるものと考えられる。
【0009】導電性繊維混綿において効率的に制電性を
発現すべくキャパシタンスの増大をさせるには、導電性
繊維のような導電層が繊維軸方向に連続的に連なった繊
維のみを使用する必要はなく、繊維軸方向において部分
的に芯部導電層が切断した低導電性繊維により大部分を
代替しても同等のキャパシタンスが得られるものと推定
される。
【0010】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明の導電性繊維は、試長1cmで測定した導電率σが1
-9≦σ≦10-6S/cmである。導電性繊維の導電率
が10-9S/cm未満では、紡績糸中で導電性繊維と連
なりを形成してもキャパシタンスを増大する効果がなく
なるので制電性能発現が認められなくなる。導電率σを
10-6より高くするには、通常の導電性繊維と同様に繊
維中の導電層の体積を大きくしなければならないので、
経済的効果が得られない。
【0011】本発明の導電性繊維は、試長が短いほど導
電率が高い。本発明の導電性繊維は、導電層の体積をで
きるだけ小さくして製造するので、紡糸工程又は延伸工
程において導電層が部分的に切断されて独立した導電層
が形成される。試長がこの独立した導電層の繊維軸方向
の長さより短くなると導電性を発現し始めるため、導電
性繊維の導電率が試長に対して依存性を有するものと推
定される。繊維中の導電層の部分的な切断により独立し
た導電層を形成させるため、高価な導電性微粒子の使用
量を減じることが可能となる。
【0012】また、本発明の導電性繊維は、試長0.0
1〜5mmの範囲において導電率がσがσ>10-6S/
cmである。試長0.01mm未満で導電率σがσ>1
-6S/cmになると、単位長さ当たりの導電層の数が
多くなり、各導電層と接地体(この場合、身体)とのキ
ャパシタンスを考えた場合、各導電層は絶縁体(空気あ
るいは重合体)により隔てられているため、合成キャパ
シタンスは小さくなるので制電性能発現が認められなく
なる。5mmより長い試長で導電率σがσ>10-6S/
cmになるようにするには、通常の導電性繊維と同様
に、繊維中の導電層の体積を大きくしなければならない
ので、経済的効果が得られなくなる。
【0013】また、試長0.01〜5mmの範囲におい
て導電率が10-6S/cm未満では、紡績糸中で摩擦に
より発生した電気力線を集中する能力がなく、キャパシ
タンスを増大する効果がなくなるので制電性能発現が認
められなくなる。
【0014】本発明の導電性繊維の構造としては、芯部
に粒子状導電性セラミックス(好ましくは導電率が10
-3S/cm以上)を含有する芯鞘複合繊維であることが
好ましい。繊維断面において、芯部と鞘部の好ましい比
率は芯部/鞘部=0.1/99.9〜15/85であ
り、より好ましくは1/99〜10/90である。芯部
の占める割合が0.1%未満の場合は、キャパシタンス
に寄与する性能が十分でなく、また15%を越える場合
は、経済的効果が小さくなる。
【0015】粒子状導電性セラミックスの粒径は、原液
の濾過工程、紡糸工程の安定性から平均粒径が3μ以下
であることが好ましい。粒子状導電性セラミックスの含
有量は、種類、及び必要な導電性能によって異なるが、
導電部に対して35〜70体積%が好ましく、より好ま
しくは40〜60体積%である。含有量が35体積%未
満の場合は導電性能が十分に発揮されず、70体積%を
越える場合は紡糸安定性及び後工程において延伸性が低
下し十分な糸質が得られない。
【0016】また、芯部の断面積は1〜15μm2 の範
囲が好ましく、1μm2 未満では、導電性微粒子による
導電領域の形成が困難であるため、キャパシタンスに寄
与する性能が十分でなく、15μm2 を越えると経済的
効果が小さくなる。
【0017】次に、本発明の制電性紡績糸について説明
すると、本発明の制電性紡績糸において、導電率σがσ
>10-6S/cmである導電性繊維(D)と導電率σが
10-9≦σ≦10-6S/cmである導電性繊維(S)と
の混合綿における混合比D/Sは1/50〜1/1の範
囲であり、該混合綿の紡績糸中の混率は0.1〜10重
量%である。導電性繊維(D)と導電性繊維(S)との
混合比が1/50未満では、紡績糸の制電性能発現が困
難となり、1/1を越えると、効果が飽和してしまう。
また、混合綿の混率が0.1重量%未満となると十分な
制電性が得られず、10重量%を越えると、経済的効果
が得られない。
【0018】導電性繊維(D)の導電率σはσ>10-6
S/cmである。導電性繊維Dの導電率が10-6S/c
m未満になると、紡績糸の制電性能発現が困難となる。
導電性繊維Dの構造は、導電性繊維(S)と同様に芯部
に導電性微粒子を含有する芯鞘複合構造であることが好
ましい。
【0019】導電性繊維(D)及び導電性繊維(S)に
用いられる導電性微粒子としては特に限定さず、鉄、
銅、アルミニウム、鉛、錫、金、銀、ニッケルなどに代
表される金属類およびそれらの酸化物、硫化物、カルボ
ニル塩、またITO(インジウム・スズ酸化物)、AT
O(アンチモン・スズ酸化物)、酸化亜鉛などの導電性
金属酸化物及びこれらを硫酸バリウム、酸化チタン、チ
タン酸カリ、アルミニウムの担体微粒子にコーティング
した非金属系導電材、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックに代
表されるカーボンブラック系導電材、及びポリアセチレ
ン、ポリピロール、ポリアニリン等に代表される導電性
高分子化合物、テトラシアノパラキノジメタン(TCN
Q)とテトラチアフルバレン(TTF)との錯体等に代
表される有機導電性化合物等が挙げられるが、ITO
(インジウム・スズ酸化物)、ATO(アンチモン・ス
ズ酸化物)を酸化チタンの担体微粒子にコーティングし
た粒状導電性セラミックスが好適に用いられる。
【0020】導電性繊維(D)及び導電性繊維(S)を
形成する重合体は特に限定されず、ポリエステル、ナイ
ロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表される熱
溶融性重合体、アクリロニトリル系重合体、レーヨン、
ポリウレタンなどに代表される溶剤可溶性重合体等を用
いることができるが、アクリロニトリル系重合体が最も
好適に用いられる。
【0021】アクリロニトリル系重合体は、通常アクリ
ル繊維の製造に用いられるものがそのまま用いられる。
また、芯成分と鞘成分を構成するアクリロニトリル系重
合体は同一組成であっても異なる組成であってもよい
が、その単量体の構成は少なくとも50重量%のアクリ
ロニトリルを含有していることが必要である。単量体構
成のうち、アクリロニトリル構成比が50重量%未満の
場合には、得られる繊維がアクリル繊維本来の特性を発
現しない。
【0022】アクリロニトリルと共重合する単量体とし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、
アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピルなどに
代表されるメタクリル酸エステル類、さらにアクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル
アミド、N−メチロールアクリルアミド、スチレン、ビ
ニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデンなどが挙げられる。
【0023】また、アクリル系重合体にp−スルホフェ
ニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルス
ルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、及びこれらのアルカリ
塩を共重合することは染色性の改良のために好ましい。
【0024】アクリロニトリル系重合体の分子量は、分
子量10万以上かつ100万以下が望ましい。分子量1
0万未満では、紡糸性が低下すると同時に原糸の糸質も
悪化する傾向にある。分子量が100万を越えると紡糸
原液の最適粘度を与える重合体濃度が低くなり、生産性
が低下する傾向にある。
【0025】アクリロニトリル系重合体の溶媒として
は、アクリロニトリル系重合体を溶解する溶媒であれば
特に限定されないが、このような溶媒として、例えば、
硝酸(水溶液)、塩化亜鉛水溶液、ロダン塩水溶液、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、エチレンカーボネート、γ−ブチロラク
トン及びアセトン等が挙げられる。
【0026】アクリロニトリル系重合体の紡糸法として
は、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、乾式紡糸法等いずれで
もよいが、低導電性の導電領域の形成のためには、乾湿
式紡糸法及び乾式紡糸法が好ましい。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を更に具体的に説明
する。なお、実施例において各種性能等は次の方法によ
り測定した。
【0028】(繊維の導電率)繊維束より単繊維を取り
出し、これを正確に1cm離して銀ペースト(藤倉化成
株式会社製ドータイト)により金属端子に接着する。2
0℃、相対湿度40RH%において、この端子間に10
00Vの直流電圧を印加し、端子間の抵抗値R(Ω)を
超絶縁計(SM−8210 東亜電波株式会社製)によ
り測定する。これから導電率σ(S/cm)を次式によ
って求める。 σ=1/(1.11×10-6×R×(d/ρ)) ここで、dは繊度、ρは繊維の比重である。
【0029】(導電率が10-6(S/cm)となる試長
の長さ)繊維束より単繊維を取り出し、試長を正確に5
〜0.1mmに変化させ銀ペースト(藤倉化成株式会社
製ドータイト)により金属端子に接着する。20℃、相
対湿度40RH%において、この端子間に1000Vの
直流電圧を印加し、端子間の抵抗値R(Ω)を超絶縁計
(SM−8210 東亜電波株式会社製)により測定す
る。これから導電率σ(S/cm)を次式によって求
め、導電率が10-6S/cmになった時を試長とする。 σ=1/(1.11×10-6×R×(d/ρ)) ここで、dは繊度、ρは繊維の比重である。試長が0.
1mmで導電率が10-6S/cm以下の場合は、試長を
正確に5〜0.1mmに変化させた時の導電率の値をx
軸に試長、y軸に導電率の値を取り、各点からなる直線
とy=10-6(S/cm)の交わる地点を試長として求
める。
【0030】(制電性能評価)アクリル繊維紡績糸を目
付け300gの編地(10cm×20cm□)に編成し
た後、編地100部に対して精練液(スコアロール濃度
1グラム/リットルの水溶液)5000部に浸し、70
℃で20分間油剤脱落処理を行い、引き続き編地100
部に対して、染色液(BLUE−KGLH(保土ケ谷化
学社製染料)0.5部、酢酸2部、酢酸ソーダ0.5
部)5000部に浸して、30分間かけて100℃まで
昇温し、100℃で60分間加熱し、編地を取り出し風
乾して後、試料とする。恒久制電性評価の場合は、家庭
用全自動洗濯機を使用して、編地100部に対して、洗
濯液(洗剤:花王社製バイオビーズ濃度1グラム/リッ
トルの水溶液)50000部に浸し、40℃で洗濯処理
する。洗濯した編地は、70℃、60分で乾燥処理し、
繰り返し洗濯を10回行い、試料とする。評価試料は、
シリカゲル封入デシケーター中で降温して後、恒温恒湿
雰囲気下(温度20℃、相対湿度40%)で24時間以
上調湿する。京大化研式ロータリースターティックテス
ター(興亜商会社製)による摩擦帯電圧測定及び帯電電
荷量の測定は、JIS−L−1094−1980(織編
物の帯電性試験方法 参考試験 摩擦帯電電荷量)に基
づき行う。
【0031】 ロータリースターティックテスター使用条件 ドラム回転数 400rpm 摩擦時間 60秒 摩擦布 綿 帯電電荷量の測定条件 摩擦回数 10回 摩擦布 ナイロン、アクリル繊維編地
【0032】(実施例1〜3、比較例1、2)アクリロ
ニトリル93.5重量%、アクリル酸メチル6.0重量
%、メタリルスルホン酸ソーダ0.5重量%からなるア
クリロニトリル系重合体(分子量16万)をジメチルホ
ルムアミドに溶解し、重合体濃度が30重量%の紡糸原
液(E)を得た。さらに粒径0.2〜0.3μ、比重
4.6、粉体抵抗値2〜5S/cmの粒状導電性酸化チ
タン(石原産業株式会社製ET−500W)の添加量を
種々変更して紡糸原液(E)と同じ組成の紡糸原液10
0重量部に分散し、紡糸原液(G)を調製した。芯部を
形成する紡糸原液として(G)を用い、鞘部を形成する
紡糸原液として(E)を用いた。
【0033】紡糸原液を別々に130℃に加熱した後、
孔数400、孔径0.2mmφの芯鞘紡糸口金を用いて
230℃の不活性ガス中に吐出した。芯部と鞘部をそれ
ぞれ形成する紡糸原液の吐出比率を種々変更した。得ら
れた未延伸糸を引き続き、100℃の熱水中で3.75
倍に延伸し、さらに95℃の熱水中で洗浄した。得られ
た繊維束は無緊張状態下に相対湿度40%、温度150
℃で乾燥、緩和処理し、20%収縮させて、導電性繊維
(S)を得た。得られた繊維の繊度は3デニールであっ
た。導電率を評価し、表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例4〜11、比較例3〜8)アクリ
ロニトリル93.5重量%、アクリル酸メチル6.0重
量%、メタリルスルホン酸ソーダ0.5重量%からなる
アクリロニトリル系重合体(分子量16万)をジメチル
ホルムアミドに溶解し、重合体濃度が30重量%の紡糸
原液(E)を得た。さらに粒径0.2〜0.3μ、比重
4.6、粉体抵抗値2〜5S/cmの粒状導電性酸化チ
タン(石原産業株式会社製ET−500W)を添加量を
種々変更して紡糸原液(E)と同じ組成の紡糸原液10
0重量部に分散し、紡糸原液(F)を調製した。芯部を
形成する紡糸原液として(F)を用い、鞘部を形成する
紡糸原液として(E)を用いた。
【0036】紡糸原液を別々に130℃に加熱した後、
孔数400、孔径0.2mmφの芯鞘紡糸口金を用いて
230℃の不活性ガス中に吐出した。芯部と鞘部をそれ
ぞれ形成する紡糸原液の吐出比率を種々変更した。得ら
れた未延伸糸を引き続き、100℃の熱水中で3.75
倍に延伸し、さらに95℃の熱水中で洗浄した。得られ
た繊維束は無緊張状態下に相対湿度40%、温度150
℃で乾燥、緩和処理し、20%収縮させ導電性繊維
(D)を得た。得られた繊維の繊度は3デニールであっ
た。導電率を評価し、表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】導電性繊維(D)3d×51mmと導電性
繊維(S)3d×51mmの混合比率、及びその混合原
綿(K)と通常のアクリル繊維(R)2d×51mmと
の混率を種々変更して1/52メートル番手の紡績糸を
形成し、18ゲージ2本取りにて平編地を編成して、摩
擦帯電圧、帯電電荷量を評価し、表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】(実施例12〜16)導電性繊維(D−
4)3d×51mmと導電性繊維(S−5)3d×51
mmの混合比率、及びその混合原綿(K)と各種繊維
(M)との混率を種々変更して1/52メートル番手の
紡績糸を形成し、18ゲージ2本取りにて平編地を編成
して、摩擦帯電圧、帯電電荷量を評価し、表4に示し
た。
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明の導電性繊維は、従来の導電性繊
維に比べて高価な導電性微粒子の使用量が少なくてすむ
ので安価に製造することができ、且つ本発明の導電性繊
維と従来の導電性繊維との混合綿を混合した本発明の紡
績糸は、従来の導電性繊維のみを混合した紡績糸と同程
度の制電性能が得られるという格別の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松中 光弘 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試長1cmで測定した導電率σが10-9
    σ≦10-6S/cmの導電性繊維であって、試長が短い
    ほど導電率が高く、試長0.01〜5mmの範囲におい
    て導電率σがσ>10-6S/cmであることを特徴とす
    る導電性繊維。
  2. 【請求項2】導電性繊維が粒子状導電性セラミックスを
    芯部に含有する芯鞘複合繊維である請求項1記載の導電
    性繊維。
  3. 【請求項3】粒子状導電性セラミックスの導電率が10
    -3S/cm以上であり、芯部に粒子状導電性セラミック
    スを35〜70体積%含有し、繊維断面における芯部と
    鞘部の面積比が芯部/鞘部=0.1/99.9〜15/
    85である請求項2記載の導電性繊維。
  4. 【請求項4】導電性繊維の芯部の断面積が1〜15μm
    2 である請求項3記載の導電性繊維。
  5. 【請求項5】導電率σがσ>10-6S/cmである導電
    性繊維(D)と請求項1記載の導電性繊維(S)とを、
    混合比D/S=1/50〜1/1で混合した混合綿を、
    0.1〜10重量%混合した、摩擦帯電圧が4000V
    以下、帯電電荷量が7μC/m2 以下であることを特徴
    とする制電性紡績糸。
  6. 【請求項6】導電性繊維(S)が粒子状導電性セラミッ
    クスを芯部に含有する芯鞘複合繊維である請求項5記載
    の制電性紡績糸。
  7. 【請求項7】粒子状導電性セラミックスの導電率が10
    -3S/cm以上であり、芯部に粒子状導電性セラミック
    スを35〜70体積%含有し、繊維断面における芯部と
    鞘部の面積比が芯部/鞘部=0.1/99.9〜15/
    85である請求項6記載の制電性紡績糸。
  8. 【請求項8】導電性繊維(S)の芯部の断面積が1〜1
    5μm2 である請求項7記載の制電性紡績糸。
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