JPH09217195A - Zn−Cr電気めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

Zn−Cr電気めっき鋼板の製造方法

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JPH09217195A
JPH09217195A JP2800696A JP2800696A JPH09217195A JP H09217195 A JPH09217195 A JP H09217195A JP 2800696 A JP2800696 A JP 2800696A JP 2800696 A JP2800696 A JP 2800696A JP H09217195 A JPH09217195 A JP H09217195A
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JP
Japan
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plating
ions
steel sheet
current density
film
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JP2800696A
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English (en)
Inventor
Satoshi Ando
聡 安藤
Toru Imokawa
透 妹川
Takayuki Urakawa
隆之 浦川
Masaaki Yamashita
正明 山下
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】めっき密着性と溶接性に優れたZn-Cr 電気めっ
き鋼板を、高電解効率で安定的に製造する方法を提供す
る 【解決手段】Cr3+イオン及びZn2+イオンを含む酸性
めっき浴中で鋼板に電気メッキする方法において、Cr
3+イオン+Zn2+イオンの濃度を0.9mol/l〜
1.5mol/lとし、かつ電流密度を10A/dm2
以上100A/dm2 未満とし、かつめっき液とストリ
ップの相対流速Xm/sが1.8m/s〜5.0m/s
であって、めっき浴のpHが1.5≦pH≦1/3×
(X+6)を満たすことを特徴とするZn−Cr電気め
っき鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,自動車、家電製
品、建材などに使用されるめっき密着性と溶接性に優れ
たZn−Cr電気めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Zn−Cr電気めっき鋼板は優れた耐食
性を有するため、自動車を始め家電製品、建材用途など
への使用が期待されている。電気めっき鋼板の製造条件
因子として、めっき浴の金属イオン濃度、pH、相対流
速、電流密度などがある。特に、Zn−Cr電気めっき
鋼板の場合、それぞれの条件を変えることにより、皮膜
の性状、電解効率(通電量のうちめっき析出に費やされ
る電気量の割合)などが変化するため、最も適切な条件
を見いだすことが工業的には特に重要となる。
【0003】Zn−Cr電気めっき鋼板の製造条件を開
示した先行文献は数多い。例えば、特開平1-191798号公
報にはZn2+イオン、Cr3+イオン及び0.01〜20g/l の
ポリオキシアルキレン誘導体を含有するめっき液を用
い、50A/dm2 以上の電流密度でめっきする方法が
開示されている、特開平1-79393 号公報には150A/
dm2 以上の高電流密度でめっきする方法が開示されて
いる。これらの方法はいずれもZn−Cr電気めっき鋼
板の析出の特徴を一面では捉えたものではあるが、工業
生産の観点から見た場合、以下に示すように性能の安定
性と生産性の面では必ずしも満足できるものではなく、
このことがZn−Cr電気めっき鋼板の実用化を遅らせ
ていると言っても過言ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、自動車、家
電製品、建材用途で使用されるめっき鋼板は、加工・組
み立て工程における品質劣化や機械トラブルを防止する
ため、良好なめっき密着性と溶接性が強く望まれてい
る。ところが前述のように、Zn−Cr電気めっき鋼板
の場合、めっき浴組成、相対流速、電流密度といっため
っき製造条件の取り方によって、その特性、特にめっき
皮膜の密着性や溶接性が大きく変化する。
【0005】本発明者らは、この性能劣化のメカニズム
は次のように推定している。Zn2+,Cr3+それぞれの
イオンが共存する液中でpHが上昇すると、pH4近傍
で加水分解し、水酸化物を生成する。めっき過程では水
素が発生するため、カソード(被めっき物であるストリ
ップ)近傍は相対的にpHが高くなり、めっき浴のpH
によらず容易にpH4程度まで上昇する。特に高電流密
度下でめっきを行う場合、めっき皮膜の析出速度が速い
と同時にカソード近傍のpHも急激に上昇するため、カ
ソード近傍で生成した加水分解物(酸化物や水酸化物;
以下、単に酸化物と記す)は皮膜へ巻き込まれやすい。
巻き込まれる酸化物量が多くなると、めっき皮膜と鋼素
地との密着性が低下するため、成形加工時にめっき剥離
を生じる。また電気抵抗や接触抵抗が増加するため、溶
接電極の損耗を加速して連続打点溶接性が劣化する。
【0006】上記メカニズムに従えば、めっき皮膜への
酸化物の巻き込みを抑制し、性能劣化を防止する手段と
して、めっき液のpHを下げることが一般的に考えられ
る。例えば前記先行技術で開示されている電流密度条件
は大部分が100A/dm2 以上であるが、本発明者ら
はこのような高電流密度条件で良好なめっき皮膜を得る
にはめっき液pHを1.0程度まで低くする必要があるこ
とを実験によって確認した。ところが、このような低p
H条件でめっきを行うと電解効率の低下を招くため、工
業生産上適さないことも同時に知見した。
【0007】このように、従来技術として開示されてい
るめっき条件では、めっき密着性と溶接性が共に良好な
Zn−Cr電気めっき鋼板を、電解効率を低下させずに
安定して製造することが出来なかった。本発明の目的
は、めっき密着性と溶接性とが共に優れたZn−Cr電
気めっき鋼板を、高電解効率で安定的に製造する方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために、カソード近傍の加水分解生成物の生成
を抑制することにより、安定して優れた皮膜を得る条件
を検討した。本発明はこのような検討の結果なされたも
のであり、その要旨は、Cr3+イオン及びZn2+イオン
を含む酸性めっき浴中で鋼板に電気メッキする方法にお
いて、Cr3+イオン+Zn2+イオンの濃度を0.9mo
l/l〜1.5mol/lとし、かつ電流密度を10A
/dm2 以上100A/dm2 未満とし、望ましくは1
0A/dm2 以上50A/dm2 未満とし、かつめっき
液とストリップの相対流速Xm/sが1.8m/s〜
5.0m/sであって、めっき浴のpHが1.5≦pH
≦1/3×(X+6)を満たすことを特徴とするZn−
Cr電気めっき鋼板の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
まず第1にめっき液の“Zn+Cr”イオン濃度は、電
気伝導度確保の点から、0.9mol/l以上必要であ
り、かつイオン濃度が高くなりすぎると、めっき焼けと
なりやすい為、1.5mol/l以下とすべきである。
【0010】電流密度とpHは前述のようにめっき特性
と電解効率の両者に影響を与える。電流密度とpHを変
化させて種々のめっきを行い、良好なめっき特性を確保
し且つ工業的に満足できるレベルと考えられる電解効率
60%をクリアする条件を求めた結果、電流密度では1
00A/dm2 未満、好ましくは50A/dm2 未満、
pHは1.5以上が必要であることがわかった。電流密
度の下限値10A/dm2 は、この値未満ではCrの析
出が起こらないために定めた。
【0011】pHの上限値は酸化物の巻き込みが生じな
いように、めっき液流速(めっき液とストリップとの相
対流速;以下、単に相対流速と記す)との関係において
定めるのが効果的である。これは、相対流速が高い場
合、カソード近傍へ補給される水素イオンが多く、カソ
ード近傍のpH上昇が抑制されるためである。めっき液
のpHと相対流速を変化させて実験を行った結果、相対
流速の値をXm/sとした場合、めっき浴のpHがpH≦
1/3×(X+6)を満たす場合に酸化物巻き込みのな
い皮膜が得られることがわかった。ここで相対流速自体
は1.8m/s以上とすべきである。1.8m/s未満
であると、pHが上記範囲内であってもカソード近傍の
pH上昇抑制が十分でなく酸化物の巻き込みが多くな
る。一方、相対流速が5.0m/sを超えてもその効果
が飽和することから、上限を5.0m/sとする。
【0012】なおめっき浴にはZn2+,Cr3+以外に伝
導度補助剤としてのNaイオンなどが含まれていても良
い。ただし、Naイオンの場合1.0mol/lを超え
ると、本発明の条件でも、酸化物巻き込みの多い皮膜と
なりやすいため、1.0mol/l以下とすべきであ
る。めっき浴のアニオンは硫酸系であれば設備などへの
悪影響が少なく望ましいが、塩化物浴、ほうふっ化浴な
どの系でも、本発明の効果は同一である。
【0013】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。厚さ0.7mm
の冷延鋼板にアルカリ脱脂処理、硫酸酸洗を施した後、
表1に示すめっき浴組成及びめっき条件でラボサーキュ
レーションセルを用いてめっきを行った。得られた皮膜
を酸に溶解し、液中のZn,Cr濃度を分析し、めっき
皮膜のZn,Cr量を測定した。この結果から、通電量
に対する皮膜析出に使用された電気量の割合を算出し、
電解効率とした。なお、Crの還元についてはすべてC
3+イオンから金属まで還元されているものとして計算
した。
【0014】皮膜中のCrの状態の確認は、X線光電子
分光分析により行った。所定時間のArイオンスパッタ
リングを行った後、576.4から576.8eVの間
の結合エネルギーでのCr酸化物のCr2pXPS スペクトル
のピークの存在が認められた場合に、Cr酸化物の巻き
込まれた皮膜であるとした。
【0015】また、めっき皮膜の密着性はO-T 曲げ試験
(JISZ 2248 )により評価した。テープへの剥離程度に
より以下のように評価した。 剥離認められず 〜良好: ○ 明らかな剥離あり〜劣る: × 溶接性は次のようにして評価した。 電極: DR型 先端径 6.0mm 加圧力: 1960N (200kgf) 溶接電流:4 √t (t=板厚 mm )のナゲット径が形成す
る電流値の1.4 倍 溶接速度:1 点/1秒 の条件で、連続打点試験を行い、形成されるナゲットの
径が4 √t mmより小さくなる打点数を電極寿命とした。
評価基準は以下のとおりである。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】表に示すように、本発明の範囲内の製造
法で製造した場合、比較例にくらべ高効率でめっきが可
能であり、さらに得られる皮膜への酸化物巻き込みが認
められず、このためめっき密着性、溶接性が良好である
ことがわかる。
フロントページの続き (72)発明者 山下 正明 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cr3+イオン及びZn2+イオンを含む酸
    性めっき浴中で鋼板に電気メッキする方法において、C
    3+イオン+Zn2+イオンの濃度を0.9mol/l〜
    1.5mol/lとし、かつ電流密度を10A/dm2
    以上100A/dm2 未満とし、かつめっき液とストリ
    ップの相対流速Xm/sが1.8m/s〜5.0m/s
    であって、めっき浴のpHが1.5≦pH≦1/3×
    (X+6)を満たすことを特徴とするZn−Cr電気め
    っき鋼板の製造方法。
JP2800696A 1996-02-15 1996-02-15 Zn−Cr電気めっき鋼板の製造方法 Pending JPH09217195A (ja)

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