JPH09217069A - 熱安定性アミン塩形成物質の除去方法 - Google Patents

熱安定性アミン塩形成物質の除去方法

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JPH09217069A
JPH09217069A JP4687896A JP4687896A JPH09217069A JP H09217069 A JPH09217069 A JP H09217069A JP 4687896 A JP4687896 A JP 4687896A JP 4687896 A JP4687896 A JP 4687896A JP H09217069 A JPH09217069 A JP H09217069A
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JP
Japan
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hydrogen sulfide
amine salt
forming substance
alkali
aqueous solution
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Pending
Application number
JP4687896A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Ohashi
満広 大橋
Suehiro Hatsupou
末広 八方
Mitsuhiko Kahata
光彦 加幡
Atsushi Otake
淳 大竹
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫化水素回収装置へ導入される硫化水素含有
ガス中の熱安定性アミン塩形成物質を減少させ、アルカ
ノールアミンの交換頻度や樹脂やイオン交換樹脂の再生
頻度を少なくできる熱安定性アミン塩形成物質の除去方
法を提供すること。 【解決手段】 重質油の分解または脱硫生成物の蒸留分
離後の硫化水素含有留分にアルカリ水溶液を添加した
後、水層を分離、除去することからなる安定性アミン塩
形成物質の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、重質油を分解また
は脱硫して得られた生成物中に存在する熱安定性アミン
塩形成物質を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油精製工業においては、原油、タール
サンド、シェールオイル、石炭液化油等を常圧あるいは
減圧蒸留して得られる重質留分や残渣油を脱硫して低硫
黄油としたり、分解して軽質化油を得ている。これらの
脱硫や分解の際に、硫化水素が生じるが、これととも
に、蟻酸、酢酸、二酸化硫黄、硫化カルボニル、シアン
化水素等の熱安定性アミン塩形成物質をも生じる。一般
に、これらのガス生成物は、アルカノールアミンを吸収
液とした硫化水素回収装置に導入されて、硫化水素が回
収されるが、前記熱安定性アミン塩形成物質も、アルカ
ノールアミンに吸収される。アルカノールアミンに吸収
された硫化水素は、再生塔で熱付けされると、容易に高
濃度の硫化水素として分離され、クラウス硫黄回収装置
で、硫黄の形態に変換、回収される。ところで、アルカ
ノールアミンに吸収された前記熱安定性アミン塩形成物
質は再生塔では分離されず、アルカノールアミンの吸収
液中に蓄積することになり、アルカノールアミンの硫化
水素吸収能力を低下させる。また、スチームストリッピ
ングで硫化水素を回収する際、アルカノールアミン液の
一部を、リボイラーで加熱、循環することが行われてい
るが、このとき、熱安定性アミン塩が分解し、熱安定性
アミン塩形成物質が発生し、これがリボイラーを腐食さ
せるという問題があった。このため、従来は、定期的
に、アルカノールアミン吸収液を新らしいアルカノール
アミンと交換したり、あるいはアルカノールアミン吸収
液の一部を系外に抜き出し、この吸収液中の熱安定性ア
ミン塩形成物質をイオン交換樹脂により取り除いて再生
し、系内に戻す方法が行われている(例えば、特開平3-1
51051号公報参照)。しかし、前記のアルカノールアミン
吸収液を交換する方法は精製コストを高めるため好まし
くなく、また、イオン交換樹脂を用いる方法は、樹脂の
再生が必要で、この場合大量の排水が発生するため、こ
の後処理の問題からも好ましいものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決することを課題とするもので、本発明の目的は、硫化
水素回収装置へ導入される硫化水素含有留分中の熱安定
性アミン塩形成物質を減少させ、アルカノールアミンの
交換頻度や樹脂やイオン交換樹脂の再生頻度を少なくで
きる熱安定性アミン塩形成物質の除去方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重質油の分解
または脱硫生成物の蒸留分離後の硫化水素含有留分にア
ルカリ水溶液を添加した後、水層を分離、除去すること
を特徴とする熱安定性アミン塩形成物質の除去方法であ
る。
【0005】本発明にいう重質油とは、原油、タールサ
ンド、シェールオイル、石炭液化油等を常圧あるいは減
圧蒸留して得られる、沸点が180〜540℃の範囲に
ある軽油留分以上の重質な留分および蒸留残渣油等であ
る。また、本発明にいう分解には、水素存在下または水
素不存在下で行なう熱分解あるいは接触分解が含まれ
る。より具体的には、例えば、ディレードコーキング、
ビスブレーキング、フルィドコーキング等の熱分解プロ
セス、シリカアルミナ、ゼオライト等の触媒を用いる流
動接触分解プロセス、水素存在下で、アルミナ、シリ
カ、チタニア、マグネシア、カルシア等から選択された
1種または2種以上の耐火性無機物質からなる多孔質担
体に、周期律表第VI族またはVIII族金属、例えば、ニッ
ケル、コバルト、モリブデン、タングステン、白金等か
ら選択された1種または2種以上の金属を担持した触媒
を用いた水素化接触分解プロセス等による分解が含まれ
る。
【0006】また、脱硫は、水素存在下において、アル
ミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、カルシア等から
選択された1種または2種以上の耐火性無機物質からな
る多孔質担体に、周期律表第VI族またはVIII族金属、例
えば、ニッケル、コバルト、モリブデン等から選択され
た1種または2種以上の金属を担持した触媒と重質油を
接触させる水素化接触脱硫プロセスである。
【0007】
【発明の実施の態様】重質油を上記のような分解または
脱硫により得られた生成物は、一般には、必要により減
圧し、さらに水素ガスおよび大部分の硫化水素等を除去
した後、その主要な目的により、ストリッパ、スタビラ
イザ、またはフラクショネータ等と称される蒸留設備に
おいて、硫化水素等を含むガス留分が、当該蒸留設備の
塔頂流体として蒸留分離される。また、場合によって
は、この蒸留設備において、目的の留分に、例えば、ナ
フサ留分、灯油留分、軽油留分及び蒸留残渣油等のそれ
ぞれの留分に蒸留分離される。
【0008】本発明は、この塔頂流体として蒸留分離さ
れた硫化水素等を含むガス留分には、上記分解や脱硫に
より生じた、蟻酸、酢酸、二酸化硫黄、硫化カルボニ
ル、シアン化水素等の熱安定性アミン塩形成物質も含ま
れており、ここにアルカリ水溶液を注入すると、この熱
安定性アミン塩形成物質が中和されて、容易に水層に移
行し、分離、除去できるという知見に基づきなされたも
のである。次ぎに本発明の実施のための一態様を図1に
基づいて説明する。
【0009】重質油を分解または脱硫し、必要により減
圧され、さらに水素ガスおよび大部分の硫化水素等が除
去された生成物は、供給ライン1により、蒸留設備2に
供給され、目的の留分に蒸留分離される。蒸留分離され
た留分のうち、硫化水素含有留分は蒸留設備2の塔頂ラ
イン3より抜出され、冷却器4で冷却された後、気液分
離槽5に導入される。ここで分離された凝縮液は、静置
により、一般には、上層に油層、下層に水層の2層を形
成するが、分解あるいは脱硫の種類、または冷却器4で
の冷却温度によっては、それぞれ油層、水層の単層のみ
の場合もある。水層は排水回収ライン6から排水処理設
備(図示せず)へ移送され、油層は留出油回収ライン7よ
り抜出され、目的に応じて精製される。
【0010】一方、この気液分離槽5で分離されたガス
流体は、ガス回収ライン8により、硫化水素回収設備
(図示せず)等へ送られる。硫化水素回収設備は、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノ
ールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノー
ルアミン等から選択されたアルカノールアミンの1種ま
たは2種以上を吸収液として用いている。上記気液分離
槽5で分離された硫化水素含有留分に、前述した熱安定
性アミン塩形成物質が含まれているので、硫化水素回収
設備において、熱安定性アミン塩を生じ、硫化水素回収
設備の吸収能力の低下やリボイラーの腐食の原因となっ
ていた。
【0011】本発明においては、上記蒸留設備2の塔頂
ライン3にアルカリ水溶液を注入するものであるが、特
に、冷却器4の前で注入すると、冷却器4の防食効果も
生じるため好ましい。特には、気液分離槽5の凝縮液の
水層の排水回収ライン6の一部を分岐して、冷却器4の
前に戻す、凝縮水循環ライン9を設け、この凝縮水循環
ライン9の途中に、アルカリ水溶液注入ライン10を設け
ると、冷却器4の防食効果および排水の再利用の面から
も、特に好ましい。
【0012】本発明で用いることができるアルカリとし
ては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウムまたは、例えば、モノエタノールアミン、低級の
有機アミン等であるが、注入量の調整の簡便性、価格等
の点から、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムが、特に好ま
しい。このアルカリ注入量は、蒸留設備2の塔頂ライン
3から抜出される硫化水素含有留分中の熱安定性アミン
塩形成物質の量に応じて調節すればよく、特には、当該
熱安定性アミン塩形成物質を中和するに必要な量、すな
わち、中和当量あるいは、その0.5〜3倍量の範囲で
適宜選定することが好ましい。特には、気液分離槽5の
排水回収ライン6からの排水のPHが7.5〜9の範囲
になるように注入量をコントロールすることが好まし
い。なお、アルカリ水溶液は、用いるアルカリの種類に
もよるが、0.1〜75重量%、特には、5〜15重量
%濃度の水溶液として用いると、注入量のコントロール
が容易となり好ましい。
【0013】このように、蒸留設備2の塔頂ライン3に
アルカリ水溶液を注入することにより、ガス回収ライン
8から抜出される硫化水素含有留分中の熱安定性アミン
塩形成物質を減少させることができ、後続の硫化水素回
収装置で、吸収液のアルカノールアミンが熱安定性アミ
ン塩を形成する量が減り、吸収能力の低下やリボイラー
の腐食等の問題を長期間抑えることができるとともに、
アルカノールアミンの交換頻度や樹脂やイオン交換樹脂
の再生頻度を少なくできる。
【0014】一方、熱安定性アミン塩形成物質は、気液
分離槽5の排水回収ライン6から塩の水溶液として排出
され、排水処理設備で処理されたのち排出される。
【0015】
【実施例】常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の20:8
0(vol比)混合物をディレードコーカにより、熱分解し
て得られた熱分解生成油を、図1に示すような装置によ
り処理した。すなわち、熱分解生成油を90kl/hrで、
供給ライン1から蒸留設備2に供給し、塔頂ライン3か
ら硫化水素含有留分を抜出し、これを冷却器4で冷却
し、気液分離槽5に導入し、分離したガス流体をガス回
収ライン8から10Nkm3/hrで抜出し、また、凝縮水を
排水回収ライン6から10t/hrで抜出し、この一部は凝
縮水循環ライン9により循環し、この凝縮水循環ライン
9の途中に、アルカリ水溶液注入ライン10を設けて、1
2.5重量%濃度の炭酸ナトリウム水溶液を2.3l/hrで
注入した。
【0016】上記工程において、熱安定性アミン塩形成
物質として蟻酸および酢酸を代表させ、ガス回収ライン
8および排水回収ライン6中でのアルカリ水溶液を注入
しない場合と注入した場合の蟻酸および酢酸の量を測定
した。この結果を表1に示した。
【0017】
【表1】
【0018】これらの結果から、アルカリ水溶液を注入
することにより、熱安定性アミン塩形成物質を排水へよ
り多く移行させ、ガス回収ライン8から硫化水素回収装
置へ行く量を減らすことができることが明らかである。
【0019】
【発明の効果】本発明は、硫化水素回収装置に導入する
前に、硫化水素含有留分中の熱安定性アミン塩形成物質
を減少させることができるため、硫化水素回収装置での
アルカノールアミンの交換頻度や樹脂やイオン交換樹脂
の再生頻度を少なくできる等の格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施のための一態様のプロセスを説
明するための概略図である。
【符号の説明】
2 蒸留設備 5 気液分離槽 10 アルカリ水溶液注入ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大竹 淳 岡山県倉敷市潮通2丁目1番地 株式会社 ジャパンエナジ−水島製油所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重質油の分解または脱硫生成物の蒸留分
    離後の硫化水素含有留分にアルカリ水溶液を添加した
    後、水層を分離、除去することを特徴とする熱安定性ア
    ミン塩形成物質の除去方法。
JP4687896A 1996-02-09 1996-02-09 熱安定性アミン塩形成物質の除去方法 Pending JPH09217069A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107043636A (zh) * 2017-05-17 2017-08-15 宁波传致石化科技有限公司 一种轻烃脱硫碱液的三相再生的装置及方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Legal Events

Date Code Title Description
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Effective date: 20040317

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