JPH0921692A - 車内騒音の評価方法 - Google Patents

車内騒音の評価方法

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JPH0921692A
JPH0921692A JP7168448A JP16844895A JPH0921692A JP H0921692 A JPH0921692 A JP H0921692A JP 7168448 A JP7168448 A JP 7168448A JP 16844895 A JP16844895 A JP 16844895A JP H0921692 A JPH0921692 A JP H0921692A
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Takao Shibayama
孝男 柴山
Keiichiro Maekawa
桂一郎 前川
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】車両Cが進行方向Fに向かって走行している状
態で、車内に設置したマイク等により検出される車内騒
音を、風Bの影響を受ける5kHzの成分と影響を受け
ない630Hzの成分とに分離し、5kHzの成分に対
して風速及び風向α(風Bの場合60°)による補正を
した値と、630Hzの成分に基づく値とから走行時の
車内騒音を評価するようにした。 【効果】実際に車両を走行させて車内騒音の評価を行う
際に風の影響を排除するので、自然風の影響を受けるこ
となく評価を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両走行時におけ
る車内騒音を評価する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両を走行させた際に乗員が感じる車内
騒音には、風切り音等の空力騒音と、路面とタイヤとの
接触等が起因となり空力騒音に影響されない走行騒音と
が含まれている。一定速度で走行している場合、走行騒
音は路面の状態が一定であればそれほど変化しないが、
空力騒音は一定速度で走行していても風速や風向によっ
て大きく変化する。そこで、走行時の車内騒音を評価す
る従来の方法として、屋外が無風状態になるのを待ち、
無風状態で実際に車両を走行させる方法や、風洞装置内
のローラ上に車輪を載せて、エンジンを可動させると共
に風洞内に風を流して車内騒音を評価する方法が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】無風状態を待って実際
に車両を走行させる方法では天候に左右されるため騒音
評価を行う計画の立案が難しく、また、走行中に風が吹
き始めれば走行を中止しなければならないという不具合
がある。一方、風洞装置内に車両を載置して騒音評価を
行う方法では、実際に走行していないので路面の凹凸等
の影響を再現することができず、また、風洞装置の床面
に対して車両が停止しているので空気の流れが実際に走
行した場合と異なり、さらに回転していない車輪がある
と空気の巻込み状態が実際に走行する場合と相違し、空
力騒音を再現することができない。
【0004】そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、風
が吹いている状態で車両を走行させても風の影響を受け
ないで車内騒音の評価をすることのできる車内騒音の評
価方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、車両走行時における車内騒音を評価する方
法において、車両走行時の騒音のうちの、空力騒音に起
因する所定周波数の騒音の音圧の変化と、空力騒音に影
響されない所定周波数の騒音の音圧の変化とを測定する
と共に、上記空力騒音に起因する周波数の騒音に対して
車両走行時の風速及び風向に基づく補正を行ない、該補
正された騒音の音圧の変化と上記空力騒音に影響されな
い所定周波数の騒音の音圧の変化とから車内騒音の評価
を行なうことを特徴とする。
【0006】車内騒音は多数の周波数成分の騒音が合成
されてできている。該周波数成分を大きく2つに大別す
ると、空力騒音に起因する周波数の騒音と、空力騒音に
影響されない周波数の騒音とに分けることができる。車
両走行時の風速及び風向の影響を受けるのは空力騒音で
あり、空力騒音に起因する周波数の騒音に対してのみ風
速及び風向に基づいた補正を行うことにより、風の影響
を正確に排除することができる。そして、該補正により
風の影響を排除した騒音の音圧と、空力騒音に影響され
ない周波数の騒音とに基づいて車内騒音の評価を行えば
風の影響を排除した状態で車内騒音の評価を行うことが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照して、車両C
の4枚の窓Wの各内側に吸盤等でマイク等のピックアッ
プ1を乗員の耳の高さになるように取り付けた。該ピッ
クアップ1により測定される車内騒音は記憶装置2内に
記憶され、該測定され記憶されている車内騒音のデータ
を走行終了後に別途の解析装置3により解析するように
した。尚、該記憶装置2に通信機能を付加し、車両走行
中に測定された車内騒音データを解析装置3に逐次送信
するようにしてもよい。また、車両Cの走行中における
風速及び風向は風力計4で検知され、解析装置3に入力
されるようにした。
【0008】このようにして測定された車内騒音のデー
タには各周波数の成分が含まれている。一方、空力騒音
は例えば略5kHzの成分に比例すること、即ち5kH
zの騒音は空力騒音に起因することが知られている。ま
た、周波数が低くなると空力騒音の影響を受けなくなる
が、低すぎると音圧が小さくなるため、比較的音圧が大
きく、かつ空力騒音の影響を受けない周波数として63
0Hzを設定した。
【0009】まず、ピックアップ1で測定された車内騒
音のうちの5kHzの成分の単位時間(例えば10秒
間)の音圧の変化の例を示すと、図3の(a)及び
(b)に示すようになる。例えば40dBを閾値として
該閾値以下の範囲S1、S2、・・・Sn(図3(a)
の場合にはSn=S7、同図(b)の場合にはSn=S
6)の総和をΣSとすると、ΣSの値が大きいほど空力
騒音が少ないといえる。但し、車両走行中に風が吹いて
いれば空力騒音は風の影響を受ける。即ち、実際には空
力騒音の小さい車両であっても強風条件下で走行させれ
ば自然風による空力騒音が付加される結果、ΣSが少な
くなり空力騒音の大きい車両と評価されることになる。
従って、実際に測定される空力騒音から自然風の影響を
排除する補正をしなければならない。該補正のための係
数をKとして以下に補正値Kについて説明する。
【0010】一般的に風速Vの風が車窓のような平面に
対し垂直に吹きつける場合に、風が平面を押す単位面積
あたりの風圧H(N/m2 )は、下記(1)式で示され
る。
【0011】 H=ρV2 ・・・(1) 但し、ρ:空気の密度(1.2kg/m3 ) ここで、図4に示すように、車両Cの車幅方向に長手で
あって進行方向Fに対して左側に延びる基準軸Aを想定
し、該基準軸Aから時計周り、即ち右回りを正として風
向αを表すことにすると、図4に示す風Bの風向αは6
0°になる。また、左側の窓を例に考えた場合、風向α
が0°の場合、即ち車両Cの右側から風が吹く場合には
左側の窓には風の影響はまったく及ばず、逆に風向が1
80°の場合、即ち車両Cの左側から風が吹く場合には
左側の窓に対する風の影響は最大になる。そこで、上記
(1)式で表した風圧Hに(1−cosθ)をかけて風
向についての補正を行い、該補正された風圧を以下の実
験式である(2)式により音圧(dB)に換算し補正係
数Kとした。尚、(2)式においてH0 は基準値であり
2×10-5(N/m2 )である。
【0012】 K=143.51−20・log[ρV2 (1−cosα)/2H0 ] ・・・(2) 該(2)式により求められるKを用いて上述のΣSを補
正する。ここで、空力騒音測定中に自然風の風向及び風
速があまり変化しない場合には、S1、S2、・・・S
nの各時間t1、t2、・・・tn(図3(a)の場合
にはtn=t7、同図(b)の場合にはtn=t6)の
和をΣtとして、空力騒音の評価に用いる音圧の値Sと
して下記(3)式により補正された値を用いる。
【0013】 S=ΣS−K・Σt ・・・(3) 次に、空力騒音の影響を受けない周波数として設定した
630Hzの成分の音圧の経時変化を測定時間全域に亙
って積分し、音圧の値Wを求める。
【0014】ところで、車両走行時の室内騒音を評価す
る場合に従来は人間の感覚に頼っており、実際に人間が
乗車して走行し、車内騒音の大きさを感覚によって10
段階に分けて評価している。そこで、上記S及びWを従
来行われている10段階評価に対応させるため、下記の
実験式である(4)式を用いてS及びWを10段階評価
の評価値Pに変換することとした。
【0015】 P=((62−W)・1.04+((S/100)−2.1))/2 ・・・(4) 上記(3)式に示したSに対するKによる補正を行わず
に求めた評価値Pを図5(a)に示す。同図において、
風速が2m/s・4m/s・6m/sの各々の場合に、
α=−120°即ち車両Cに対して左斜め前方から風が
吹く状態で走行した場合の評価値Pを左側に、走行方向
を反転させα=60°即ち車両Cに対して右斜め後方か
ら風が吹く状態で走行した場合の評価値Pを右側に並べ
て示す。図示のごとく計算により求めた評価値Pはいず
れの風速の場合でも右斜め後方から風が吹く方が高くな
ったが、乗員の感覚による評価では風向の違いにかかわ
らず、2m/sの場合には6.0になり、4m/sの場
合には6.0になり、6m/sの場合には6.5になっ
た。
【0016】上記図5(a)に示した評価値を、上記
(3)式を用いて補正した結果を図5(b)に示す。図
5(b)から明らかなように、(3)式による補正を行
うと、風の影響が排除される結果、風向の向きが相違し
ても得られる評価値はほとんど変わらない。そして、補
正後の評価値は人間の感覚による評価値に近い値にな
る。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、風が吹いている状況下で実際に車両を走行させて車
内騒音を測定しても、自然風の影響を補正することによ
り排除して正確に車内騒音の大小の評価をすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載した騒音測定装置の概略構成を示す
【図2】車内騒音を解析するための装置構成を示すブロ
ック図
【図3】(a) 5kHzの騒音成分の経時変化を示す
図(騒音が小の場合) (b) 5kHzの騒音成分の経時変化を示す図(騒音
が大の場合)
【図4】車両Cに対する風向αを示す図
【図5】(a) 測定値に基づく補正前の評価値を示す
図 (b) 測定値に基づく補正後の評価値を示す図
【符号の説明】
1 ピックアップ 2 記憶装置 3 解析装置 4 風力計 C 車両

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両走行時における車内騒音を評価す
    る方法において、車両走行時の騒音のうちの、空力騒音
    に起因する所定周波数の騒音の音圧の変化と、空力騒音
    に影響されない所定周波数の騒音の音圧の変化とを測定
    すると共に、上記空力騒音に起因する周波数の騒音に対
    して車両走行時の風速及び風向に基づく補正を行ない、
    該補正された騒音の音圧の変化と上記空力騒音に影響さ
    れない所定周波数の騒音の音圧の変化とから車内騒音の
    評価を行なうことを特徴とする車内騒音の評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008126916A1 (ja) * 2007-04-11 2008-10-23 Hitachi, Ltd. 音源分離装置および音源分離方法
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