JPH09216554A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH09216554A
JPH09216554A JP8025610A JP2561096A JPH09216554A JP H09216554 A JPH09216554 A JP H09216554A JP 8025610 A JP8025610 A JP 8025610A JP 2561096 A JP2561096 A JP 2561096A JP H09216554 A JPH09216554 A JP H09216554A
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JP
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pressure
wheel cylinder
hydraulic
valve
linear
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JP8025610A
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English (en)
Inventor
Akira Sakai
酒井  朗
Akihiro Ootomo
昭裕 大朋
Fumiaki Kawabata
文昭 川畑
Masashi Ito
政司 伊藤
Kiyoji Nakamura
喜代治 中村
Katsuyasu Okubo
勝康 大久保
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は自動車用ブレーキ装置のホイルシリ
ンダ圧を制御する装置として好適なブレーキ液圧制御装
置に関し、ホイルシリンダ圧を優れた応答性の下に制御
することを目的とする。 【解決手段】 マスタシリンダ16に第1カットバルブ
94および第1増圧バルブ96を介してホイルシリンダ
22RLを連通する。第1カットバルブ94と第1増圧
バルブ96とを連通する液圧通路を、第1リニア4D-1
を介してリザーバ54に連通する。リザーバ54には常
圧でブレーキフルードを貯留させる。第1カットバルブ
94を閉弁し、第1増圧バルブ96を開弁し、かつ、第
1リニア4D-1をリニア制御することによりホイルシリ
ンダ22FLのホイルシリンダ圧を減圧制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキ液圧制御
装置に係り、特に、自動車用ブレーキ装置のホイルシリ
ンダ圧を制御する装置として好適なブレーキ液圧制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平6−31265
8号に開示される如く、比例制御弁を用いてホイルシリ
ンダ圧を制御するブレーキ液圧装置が知られている。上
記従来の装置は、高圧源ポートと低圧源ポートとを選択
的に制御液圧ポートに導通させる比例制御弁を備えてい
る。比例制御弁の高圧源ポートおよび低圧源ポートに
は、高圧のブレーキフルードを貯留するアキュムレー
タ、またはブレーキフルードを常圧で貯留するリザーバ
タンクがそれぞれ連通されている。また、比例制御弁の
制御液圧ポートには、ホイルシリンダが連通されてい
る。
【0003】上記従来の比例制御弁は、運転者のブレー
キ踏力の増減等に応じて変位するスプールバルブを備え
ている。スプールバルブは、その変位量に応じて低圧源
ポートまたは高圧源ポートの一方を、選択的に制御液圧
ポートに連通させるように構成されている。すなわち、
スプールバルブには、常に低圧源ポートを介してリザー
バタンクの液圧が、また高圧源ポートを介してアキュム
レータの液圧が作用している。そして、ブレーキ踏力が
増加されると、ホイルシリンダ圧が目標液圧に達するま
で、スプールバルブが変位して高圧源ポートが制御液圧
ポートに連通される。また、ブレーキ踏力が減少される
と、ホイルシリンダ圧が目標液圧に減圧されるまで、ス
プールバルブが変位して低圧源ポートが制御液圧ポート
に連通される。
【0004】比例制御弁のスプールバルブが上記の如く
作動すると、ホイルシリンダには、ブレーキ踏力に応じ
た液圧が発生する。従って、上記従来のブレーキ液圧制
御装置によれば、ホイルシリンダにおいて、ブレーキ踏
力に応じた制動トルクを発生させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のブ
レーキ液圧制御装置においては、比例制御弁のスプール
バルブに常に高い液圧が作用している。スプールバルブ
に常に高い液圧が作用する構成は、スプールバルブの摺
動抵抗を抑制する上で不利である。スプールバルブの摺
動抵抗が大きいと、スプールバルブを円滑に、かつ、高
い応答性の下に変位させることが困難となる。この点、
上記従来のブレーキ液圧制御装置は、ホイルシリンダ圧
の制御に関する応答性の向上を図るうえで、未だ改良の
余地を残すものであった。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、リザーバタンクのみを液圧源としてホイルシリ
ンダ圧を制御する比例制御弁を用いることにより、上記
の課題を解決するブレーキ液圧装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、ホイルシリンダ圧を制御するブレーキ
液圧制御装置において、単一の液圧源とホイルシリンダ
との導通状態を制御する比例制御弁を備えると共に、前
記液圧源がブレーキフルードをほぼ大気圧で貯留するリ
ザーバタンクであるブレーキ液圧制御装置により達成さ
れる。
【0008】本発明において、前記比例制御弁には、液
圧源としてリザーバタンクのみが連通されている。リザ
ーバタンクには、ほぼ大気圧でブレーキフルードが貯留
されている。従って、比例制御弁は、常に円滑にかつ優
れた応答性の下に作動することができる。
【0009】請求項2に記載する如く、上記請求項1記
載のブレーキ液圧制御装置において、車両の運転状態に
応じた目標制動トルクを求める目標制動トルク演算手段
と、車両の運転状態に応じた目標回生制動トルクを求め
る目標回生制動トルク演算手段と、車両が備えるホイル
シリンダが、前記目標制動トルクと前記目標回生制動ト
ルクとの差分に相当する制動トルクを発生するようにホ
イルシリンダ圧を制御する液圧制御手段と、を備えるブ
レーキ液圧制御装置は、モータによるエネルギの回生率
を高めるうえで有効である。
【0010】本発明において、前記目標制動トルク演算
手段は、車両の運転状態に応じた目標制動トルクを演算
する。従って、車両において目標制動トルク演算手段に
より演算される制動トルクが得られれば、適正な制動状
態が実現される。また、前記目標回生制動トルク演算手
段は、回生制動によって発生させるべきトルク、すなわ
ち、目標回生制動トルクを演算する。更に、前記液圧制
御手段は、ホイルシリンダが発する制動トルクと目標回
生制動トルクとの合力が目標制動トルクとなるようにホ
イルシリンダ圧を制御する。ホイルシリンダ圧が、かか
る液圧に制御されると、制動エネルギを効率良く回生エ
ネルギとして回収しつつ、車両の運転状態に応じた適正
な制動状態が実現される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかるブレーキ
液圧制御装置の一実施例のシステム構成図を示す。本実
施例のブレーキ液圧制御装置は、電気自動車に搭載する
ことを想定して構成された装置である。ブレーキ液圧制
御装置は、ブレーキペダル10を備えている。ブレーキ
ペダル10は、液圧制御システム12が備える入力軸に
連結されている。液圧制御システム12は、内部に2つ
の液圧室を備えるタンデム式のマスタシリンダ16を備
えている。
【0012】マスタシリンダ16は、2つの液圧室それ
ぞれに、ブレーキペダル10に作用するブレーキ踏力に
応じたマスタシリンダ圧を発生させる。マスタシリンダ
16が備える2つの液圧室には、車両が備える4つのホ
イルシリンダのうち2つのホイルシリンダにブレーキ液
圧を供給する第1液圧通路18-1、および他の2つのホ
イルシリンダにブレーキ液圧を供給する第2液圧通路1
-2がそれぞれ連通している。
【0013】第1および第2液圧通路18-1,18
-2は、液圧制御ユニット20に連通している。液圧制御
ユニット20は、単一または複数の比例制御弁と、複数
の電磁開閉弁とを備える回路であり、左右前輪FL,F
Rに配設されるホイルシリンダ22FL,22FR、お
よび左右後輪RL,RRに配設されるホイルシリンダ2
2RL,22RRに連通している。ホイルシリンダ22
FL,22FR,22RL,22RRは(以下、これら
を総称する場合には、符号22を付して表す)、それぞ
れ液圧制御ユニット20により制御されるホイルシリン
ダ圧に応じた制動トルクを発生する。以下、各ホイルシ
リンダが発生する制動トルクを液圧制動トルクと称す。
【0014】左右前輪FL,FRは、電気自動車の駆動
輪であり、その車軸24にはギヤ26を介してモータ2
8が連結されている。モータ28には、インバータ30
が連結されている。インバータ30には、バッテリ32
および発電機34が接続されている。発電機34には、
駆動源としてエンジン36が連結されている。インバー
タ30は、外部から供給される指令信号に応じてバッテ
リ32に蓄えられている電力をモータ28に供給する。
モータ28は、インバータ30から供給される電力に応
じた駆動トルクを発生する。バッテリ32の充電量が所
定値を下回ると、エンジン36が始動され、発電機34
によるバッテリ32の充電が開始される。
【0015】本実施例のシステムにおいて、モータ28
は、可変容量の発電機としても機能する。すなわち、モ
ータ28は、前輪FL,FRの車軸24側からトルクが
入力された場合に、そのトルクのエネルギを電気エネル
ギに変換してインバータ30に供給する。この際、モー
タ28の発電量は、モータ28を回転させるために必要
とされるトルクの大きさと、車軸24の回転速度とに応
じて決定される。インバータ30は、上記の如く、モー
タ28を駆動源として機能させる際にモータ28への供
給電力を制御すると共に、モータ28を発電機として機
能させる際にモータ28の回転に要するトルクの大きさ
を適正値に制御する。従って、本実施例のシステムにお
いて、モータ28は、インバータ30の制御内容に応じ
た駆動力を発生し、また、インバータ30の制御内容に
応じた電力を発生する。
【0016】ところで、モータ28が発電機として機能
する場合には、モータ28の回転に要するトルクが、回
転を阻止する方向のトルクとして車軸24、すなわち左
右前輪FL,FRに作用する。以下、モータ28が発電
機として機能する場合に、上記の如く左右前輪FL,F
Rに作用するトルクを回生制動トルクと称す。また、そ
の際にモータ28からインバータ30に供給されるエネ
ルギを回生エネルギと称す。
【0017】本実施例のブレーキ液圧制御装置は、ブレ
ーキ用電子制御ユニット38(以下、ブレーキECUと
称す)、および回生モータ用電子制御ユニット40(以
下、回生モータECUと称す)を備えている。ブレーキ
ECU38には、液圧検出センサ42,44、車速セン
サ46、モータ28、バッテリ32、回生モータEC
U、および液圧制御ユニット20が備える比例制御弁お
よび電磁開閉弁が接続されている。また、回生モータE
CU40には、ブレーキECU38の他、インバータ3
0が接続されている。
【0018】液圧検出センサ42,44は、それぞれマ
スタシリンダ圧に応じた電気信号P M/C 、またはホイル
シリンダ圧に応じた電気信号PW/C を発生する。また、
車速センサ46は車速に応じた電気信号SPDを発生す
る。更に、モータ28は、モータ28が発電機として機
能している場合に実際に生じている回生制動トルクの実
効値に応じた電気信号Trを、バッテリ32は自己の充
電状態に応じた信号SOCを、それぞれブレーキECU
38に供給する。ブレーキECU38は、上述した各種
センサ等から供給される電気信号に基づいて、車両にお
いて発生させるべき回生制動トルクと液圧制動トルクと
を演算し、回生制動トルク指示値を回生モータECU4
0、またホイルシリンダ圧指示値を液圧制御ユニット2
0にそれぞれ供給する。
【0019】以下、図2を参照して、回生制動トルクの
演算手法と液圧制動トルクの演算手法とを説明する。図
2は、車速(車軸24の回転速度)と、車両において発
生させ得る回生制動トルクの最大値との関係を表す特性
図を示す。上述の如く、本実施例において、モータ28
は可変容量の発電機として機能する。発電機として機能
する場合、モータ28は車軸24の回転速度と回生制動
トルクとの乗算値に応じた回生エネルギを発生する。
【0020】図2中に破線で示す特性図は、モータ2
8の発電容量が最大値に維持された場合に生ずる回生制
動トルクを示す。すなわち、本実施例のシステムによれ
ば、モータ28の発電容量を最大値に維持することによ
り、車両の制動時に、図2中に破線で示す回生制動トル
クを得ることができる。上述の如く、モータは、回生制
動トルクが大きいほど大きな回生エネルギを発生する。
従って、大きな回生エネルギを得るためには、常にモー
タ28の発電容量を最大値に維持することが望ましい。
【0021】しかしながら、常にモータ28の発電容量
を最大源に維持するためには、インバータ30に大きな
定格を付与することが必要である。また、バッテリ32
が十分に充電されている場合に、すなわち、バッテリ3
2の充電容量が小さい場合に大きな回生エネルギを発生
させると、バッテリ32が過充電される事態を生ずる。
このため、モータ28の発電容量を常に最大値に維持す
ることは必ずしも最適ではない。
【0022】図2中に一点鎖線で示す特性図は、回生
エネルギがインバータ30の定格電力を超えないように
モータ28の発電容量を制御した場合に生ずる回生制動
トルクを示す。また、図2中に実線で示す特性図は、
回生エネルギがバッテリ32の充電容量を超えないよう
にモータ28の発電容量を制御した場合に生ずる回生制
動トルクの一例を示す。
【0023】本実施例のシステムにおいては、回生エネ
ルギがインバータ30の定格電流およびバッテリ32の
充電容量を超えない範囲で、回生制動トルクが最大値に
制御されることが望ましい。従って、図2に示す如くバ
ッテリ32の充電容量に対する特性図がインバータ3
0の定格電力に対する特性図を下回る場合には、回生
制動トルクを、図2中に梨地で示す領域に沿って変化さ
せることが望ましい。このように、バッテリ32やイン
バータ30に過剰な負荷を与えることなく制動エネルギ
を効率良く回収するためには、バッテリ32の充電状態
SOC、および車速SPDに応じて回生制動トルクを変
化させることが必要である。
【0024】しかしながら、車両の制動中に発生する制
動力の合力、すなわち回生制動トルクと液圧制動トルク
との合力が、車速SPDや充電状態SOCに応じて変動
するとすれば、制動時の操作フィーリングに違和感が生
ずる。このため、本実施例のシステムにおいては、液圧
検出センサ42により検出されるマスタシリンダ圧P
M/C 等に基づいて各車輪に発生させる制動トルクの目標
値を演算し、回生制動トルクと液圧制動トルクとの合力
がその目標値となるようにホイルシリンダ圧PW/ C を減
圧制御することとしている。
【0025】図3は、上記の機能を実現すべく本実施例
のシステムにおいて実効される信号処理の内容を説明す
るための制御フローチャートを示す。図3に示す如く、
ブレーキECU38には、バッテリ32の充電状態SO
Cを表す信号、車速SPDを表す信号、および制動力要
求量を表す信号が供給される。尚、本実施例において
は、上述した液圧検出センサ42の出力信号の他、公知
の自動ブレーキ、トラクションコントロール(TR
C)、車両状態安定化制御(VSC)等の実行に伴う制
動力要求信号が、制動力要求量を表す信号としてブレー
キECU38に供給される。
【0026】ブレーキECU38は、制動力要求量信号
に基づいて制動力の目標値を演算すると共に、制動力要
求量信号、SOC、およびSPDに基づいて回生制動ト
ルク指示値を演算する。回生制動トルク指示値は、回生
モータECU40に供給される。回生モータECU40
は、回生制動トルク指示値に基づいてインバータ30を
制御し、モータ28に回生エネルギを発生させる。モー
タ28は、現実に発生した回生トルク実効値を表す信号
を発生し、ブレーキECU38に供給する。ブレーキE
CU38は、上述した制動力目標値と、回生トルク実効
値とに基づいてホイルシリンダ圧指示値を演算する。
【0027】ブレーキECU38で演算されたホイルシ
リンダ圧指示値は、液圧制御ユニット20が備える比例
制御弁、および電磁開閉弁に供給される。その結果、各
ホイルシリンダ22のホイルシリンダ圧PW/C は、ホイ
ルシリンダ圧指示値に制御される。ホイルシリンダ圧P
W/C は液圧検出センサ44により検出される。液圧検出
センサ44の出力信号は、液圧制御ユニット20のフィ
ードバック制御に用いられる。上記の処理によれば、モ
ータ28に、効率良く回生エネルギを発生させることが
できると共に、回生制動トルクに起因する制動力と液圧
制動トルクに起因する制動力との合力を、精度良く目標
制動力に一致させることができる。以下、かかる制御を
回生制御と称す。
【0028】ところで、回生制動トルクに起因する制動
力と液圧制動トルクに起因する制動力との合力を制動力
要求量に一致させるためには、回生制動トルクが存在し
ない場合に比して低圧の領域で、ホイルシリンダ圧P
w/c を精度良く制御する必要がある。本実施例のブレー
キ液圧制御装置は、液圧制御システム12が、上記の要
求に鑑みて構成されている点に特徴を有している。
【0029】以下、図4を参照して、液圧制御システム
12の実施例について説明する。図4は、液圧制御シス
テム12の第1乃至第14実施例を、比例制御弁の配置
に着目して表した図を示す。尚、以下の記載において
は、図4に示す14個のシステムそれぞれを、便宜上図
4中にシステム構成図と共に記載される番号(4,8,
11,12等)を用いて説明する。
【0030】図1に示す14個のシステムは、全て、2
系統の液圧回路を備えている。各系統の液圧回路には、
それぞれ2つずつホイルシリンダ(図4において、記号
○により表される構成部分)が連通されている。また、
これら14個のシステムは、単一または複数の比例制御
弁(図4において、記号●により表される構成部分)を
備えている。尚、図4中に白抜きの長方形で表される構
成部分は、電磁開閉弁の組み合わせにより構成される開
閉弁である。
【0031】図4に示すシステム6,14,16,1
8,25および24(実施例9〜14)が、ブレーキペ
ダルとマスタシリンダとの間に備える比例制御弁(以
下、作動液圧制御弁と称す)は、後述するAタイプまた
はBタイプの比例制御弁により実現される。また、図4
に示す14個のシステムが、マスタシリンダとホイルシ
リンダとの間に備える比例制御弁は、後述するDタイプ
の比例制御弁により実現される。
【0032】図5は、システム6,14,16,18,
25および24に用いられるBタイプの作動液圧制御弁
の構成概念図を示す。Bタイプの作動液圧制御弁は、図
5に示す如く、比例制御弁50Bをマスタシリンダ16
に連通することで実現される。比例制御弁50Bは、ハ
ウジング52を備えている。ハウジング52には、低圧
源ポート52a、高圧源ポート52b、および制御液圧
ポート52cが形成されている。低圧源ポート52aに
は、内圧がほぼ大気圧に維持されたリザーバタンク90
が連通されている。高圧源ポート52bには、大気圧に
比して高圧の所定液圧が蓄圧されたアキュムレータ56
が連通されている。また、制御液圧ポート52cには、
マスタシリンダ16が連通されている。
【0033】ハウジング52の内部には、低圧源ポート
52aに連通する低圧室52d、高圧源ポート52bに
連通する高圧室52e、制御液圧ポート52cに連通す
る制御液圧室52fおよび反力室52gが形成されてい
る。また、ハウジング52の内部には、その内部を摺動
するスプール60、およびスプール60の一端に当接し
た状態でハウジング52の内部を摺動する反力ピン62
が配設されている。
【0034】比例制御弁50Bは、リニアソレノイド6
4を備えている。リニアソレノイド64は、反力ピン6
2と対向する側からスプール60に当接するプランジャ
66を備えている。スプール60は、プランジャ66を
介して入力される図5において右向きの押圧力(以下、
押圧力Fpと称す)と、反力ピン62を介して入力され
る図2において左向きの押圧力(以下、反力Frと称
す)とが均衡する場合に安定状態となる。
【0035】マスタシリンダ16は、ハウジング68を
備えている。ハウジング68には、上述した制御液圧ポ
ート52cと連通する作動液圧ポート68aが形成され
ている。また、ハウジング68の内部には、ハウジング
68の内部を摺動するピストン70が収納されている。
ピストン70には、ブレーキペダル10に連結される入
力ロッド72が当接している。ブレーキペダル10が踏
み込まれると、その際に生ずるブレーキ踏力が入力ロッ
ド72を介してピストン70に伝達される。
【0036】ハウジング68の内壁およびピストン70
は、ハウジング68の内部に作動液圧室74を隔成して
いる。作動液圧室74は、上述した作動液圧ポート68
aに連通している。従って、作動液圧室74には、比例
制御弁50Bの制御液圧ポート52cに発生する液圧が
導かれる。作動液圧室74に、大気圧を超える液圧が導
かれると、ピストン70は、その液圧に起因して図5に
おいて左向きに押圧される。マスタシリンダ16は、作
動液圧室74に導かれる液圧(以下、作動液圧と称す)
と、ブレーキ踏力とに応じたマスタシリンダ圧を、2つ
の油圧室のそれぞれに発生させる。従って、図5に示す
構成によれば、比例制御弁50Bの制御液圧ポート52
cに発生する液圧を制御することで、精度良くマスタシ
リンダ圧を制御することができる。
【0037】図5に示す構成において、ブレーキペダル
10に連結される入力ロッド72には、入力ロッド72
に作用している押圧力、すなわちブレーキ踏力に応じた
電気信号を出力するブレーキ踏力センサ76が配設され
ている。ブレーキ踏力センサ76の出力信号は、ブレー
キECU38に入力される。ブレーキECU38は、ブ
レーキ踏力センサ76の検出信号に基づいて、若しくは
公知の制動力制御ロジックに基づいて、制動力の要求値
を演算し、その演算値に応じた電気信号をリニアソレノ
イド64に供給する。リニアソレノイド64のプランジ
ャ66は、ブレーキECU36から供給される電気信号
に応じた押圧力Fpでスプール20を押圧する。
【0038】制御液圧弁50Bにおいて、押圧力Fp=
反力Frが成立する場合は、スプール60が中立位置で
安定する。この場合、低圧室52dと制御液圧室52f
とが遮断状態となり、かつ、高圧室52eと制御液圧室
52fとが遮断状態となる。従って、制御液圧室52f
の内圧、すなわちマスタシリンダ16の作動液圧は保持
される。
【0039】上記の状態から、押圧力Fp>反力Frが
成立する状態に以降すると、スプール60は図5におい
て右向きに変位する。スプール60の変位が所定値に到
達すると、低圧室52dと制御液圧室52fとが遮断さ
れたまま、高圧室52eと制御液圧室52fとが導通す
る状態が形成される。以後、制御液圧室52fにアキュ
ムレータ56から高圧の液圧が供給され、マスタシリン
ダ16の作動液圧および反力室52gの液圧が昇圧され
る。反力室52gの液圧が昇圧されると、反力ピン62
からスプール60に入力される反力Frが上昇する。こ
のため、制御液圧ポート52fの液圧、すなわち、マス
タシリンダ16の作動液圧が、所定液圧まで昇圧される
と、再び押圧力Fp=反力Frが成立して、作動液圧の
昇圧が終了される。
【0040】押圧力Fp=反力Frが成立する状況から
押圧力Fp<反力Frが成立する状態に以降すると、ス
プール60は図5において左向きに変位する。スプール
60の変位が所定値に到達すると、高圧室52eと制御
液圧室52fとが遮断されたまま、低圧室52dと制御
液圧室52fとが導通する状態が形成される。以後、制
御液圧室52fの液圧はリザーバタンク54に開放さ
れ、マスタシリンダ16の作動液圧および反力室52g
の液圧が降圧される。反力室52gの液圧が降圧される
と、反力ピン62からスプール60に入力される反力F
rが低下する。このため、制御液圧ポート52fの液
圧、すなわち、マスタシリンダ16の作動液圧が所定液
圧まで降圧されると、再び押圧力Fp=反力Frが成立
して、作動液圧の降圧が終了される。
【0041】上述の如く、図5に示す比例制御弁50B
によれば、マスタシリンダ16の作動液圧を、リニアソ
レノイド64に供給する電気信号の値に応じた液圧に制
御することができる。従って、図5に示す構造によれ
ば、マスタシリンダ16が備える2つの液圧室に生ずる
マスタシリンダ圧を、ブレーキECU38により制御す
ることができる。尚、本明細書においては、比例制御弁
50Bの如く、制御液圧ポート52fの液圧(以下、制
御液圧と称す)を昇圧側においても降圧側においてもリ
ニアに制御し得る比例制御弁をBタイプの比例制御弁と
称す。
【0042】図6は、システム6,14,16,18,
25および24に用いられるAタイプの作動液圧制御弁
の構成概念図を示す。Aタイプの作動液圧制御弁は、図
6に示す如く、比例制御弁50Aをマスタシリンダに連
通することにより実現される。尚、図6において上記図
5に示す構成部分と同一の部分については、同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0043】図6に示す比例制御弁50Aは、ハウジン
グ78を備えている。ハウジング78には、アキュムレ
ータ56に連通される高圧源ポート78a、およびマス
タシリンダ16に連通される制御液圧ポート78bが形
成されている。ハウジング78の内部には、高圧源ポー
ト78aに連通する高圧室78c、制御液圧ポート78
bに連通する制御液圧室78d、および反力室78eが
形成されている。また、比例制御弁50Aは、ハウジン
グ78の内部を摺動するスプール80、およびスプール
80を図6において左向きに付勢するスプリング82を
備えている。スプール80は、リニアソレノイド64の
押圧力Fpとスプリング82の反力Frとが均衡する場
合に安定状態となる。
【0044】マスタシリンダ16のハウジング68に
は、上述した制御液圧ポート78bと連通する作動液圧
ポート68aと共に低圧源ポート68bが形成されてい
る。低圧源ポート68bには、減圧弁84を介してリザ
ーバタンク90が連通されている。減圧弁84は、ブレ
ーキECU38により制御される2位置の電磁開閉弁で
あり、リザーバタンク90と低圧源ポート68bとを遮
断する状態、およびリザーバタンク90と低圧源ポート
68bとを導通する状態を選択的に実現する。
【0045】図6に示す比例制御弁50Aは、制御液圧
ポート78bに発生する液圧、すなわちマスタシリンダ
16の作動液圧を検出する液圧検出センサ86を備えて
いる。ブレーキECU38は、ブレーキ踏力センサ76
の検出信号に基づいて、若しくは公知の制動力制御ロジ
ックに基づいて演算された制動力の要求値に対して、作
動液圧の目標値Ptを演算する。そして、目標値Ptが
液圧検出センサ86による実測値に比して低圧である場
合はリニアソレノイド64に対して駆動信号を供給す
る。この場合、以後マスタシリンダ16の作動液圧室7
4にアキュムレータ56から高圧の液圧が供給されてマ
スタシリンダ圧が昇圧する。また、ブレーキECU38
は、目標値Ptが液圧検出センサ86による実測値に比
して高圧である場合は、減圧弁84に開弁信号を供給す
る。この場合、以後マスタシリンダ16の作動液圧室7
4からリザーバタンク90へ液圧が開放されてマスタシ
リンダ圧が降圧する。
【0046】上述の如く、図6に示す比例制御弁50A
によれば、上記図5に示す比例制御弁50Bと同様に、
マスタシリンダ16が備える2つの油圧室に生ずるマス
タシリンダ圧を、ブレーキECU38により制御するこ
とができる。尚、本明細書においては、図6に示す比例
制御弁50Aの如く、制御液圧を昇圧側においてのみリ
ニアに制御し得る比例制御弁をAタイプの比例制御弁と
称す。
【0047】図7は、図4に示す14個のシステムにお
いて用いられるDタイプの比例制御弁の構成概念図を示
す。Dタイプの作動液圧制御弁は、上記図6に示すAタ
イプの比例制御弁50Aを用いて実現することができ
る。尚、比例制御弁50Aが、図7に示す形式で使用さ
れる場合には参照符号として50Dを添付する。
【0048】図7において、比例制御弁50Dの高圧源
ポート78aおよび制御液圧ポート78bは、それぞれ
ホイルシリンダ22およびリザーバ54に連通されてい
る。また、比例制御弁50Dは、制御液圧ポート78b
側に代えて高圧源ポート78a側に液圧検出センサ86
を備えている。
【0049】比例制御弁50Dは、ブレーキECU38
が演算したホイルシリンダ圧の目標値と、液圧検出セン
サ86による実測値との偏差に基づいて制御される。よ
り具体的には、ホイルシリンダ圧の実測値がホイルシリ
ンダ圧の目標値に比して高圧である場合には、その偏差
が解消されるようにリニアソレノイド64に駆動信号が
供給される。
【0050】リニアソレノイド64に駆動信号が供給さ
れると、高圧源ポート78aと制御液圧ポート78bと
が、すなわち、ホイルシリンダ22とリザーバ54とが
連通状態となり、ホイルシリンダ圧が減圧される。この
ように、比例制御弁50Dによれば、ホイルシリンダ圧
を減圧時においてのみリニアに制御することができる。
尚、本明細書においては、図7に示す比例制御弁50D
の如く、高圧源ポート78aの液圧を減圧時においての
みリニアに制御し得る比例制御弁をDタイプの比例制御
弁と称す。
【0051】Dタイプの比例液圧制御弁50Dは、リザ
ーバ54を液圧源として、ホイルシリンダ圧を制御す
る。この場合、アキュムレータ56に蓄えられる高圧の
ブレーキ液圧がスプール80に作用することはない。従
って、比例液圧制御弁50Dによれば、スプール80を
円滑にかつ優れた応答性の下に作動させることができ
る。スプール80を、円滑に、かつ優れた応答性の下に
作動させることができれば、ホイルシリンダ圧22を、
正確に減圧制御することができる。このため、図4に示
す14個のシステム構成によれば、ブレーキ踏力、車速
SPD、および充電状態SOC等が変化する状況下で、
回生制動トルクに起因する制動力と液圧制動トルクに起
因する制動力との合力を、精度良く目標制動力に一致さ
せることができる。
【0052】次に、図4に示す14個のシステム形態の
それぞれについての実施例を説明する。尚、実施例の説
明中、上記図1乃至図7に示す構成部分と同一の構成部
分には、同一の符号を付してその説明を省略する。図8
は、図1に示す液圧制御システム12の第1実施例個の
システム構成図を示す。本実施例のシステムは、図4に
示すシステム4−Dの実施例に相当する。本実施例の液
圧ブレーキ装置において、ブレーキペダル10はブレー
キブースタ88の入力軸に連結されている。ブレーキブ
ースタ88には、図示しないバキュームポンプから所定
の負圧が供給されている。ブレーキブースタ88は、ブ
レーキペダル10が踏み込まれた際に、ブレーキ踏力を
倍力してマスタシリンダ18に伝達する。その結果、マ
スタシリンダ16には、ブレーキ踏力に対して所定の倍
力比を有するマスタシリンダ圧が発生する。
【0053】マスタシリンダ16の上部には、ブレーキ
フルードを貯留するリザーバタンク90が配設されてい
る。マスタシリンダ16が備える2つの液圧室は、ブレ
ーキペダル10が開放されている場合に共にリザーバタ
ンク90に連通する。従って、マスタシリンダ16内の
ブレーキフルードが減少すると、ブレーキペダル10が
開放された際に、適宜リザーバタンク90からマスタシ
リンダ16へブレーキフルードが補給される。マスタシ
リンダ16には、第1液圧通路18-1および第2液圧通
路18-2が連通している。第1液圧通路18-1および第
2液圧通路18 -2は、それぞれ第1液圧制御ユニット9
-1、または第2液圧ユニット92-2に連通している。
【0054】第1液圧制御ユニット92-1は、第1カッ
トバルブ94を備えている。第1カットバルブ94は、
常態で開弁状態を維持する2位置の電磁開閉弁である。
第1カットバルブ94とホイルシリンダ22FLとの間
には、第1増圧バルブ96が配設されている。また、第
1カットバルブ94とホイルシリンダ22FRとの間に
は、第2増圧バルブ98が配設されている。第1増圧バ
ルブ96および第2増圧バルブ98は、共に常態で開弁
状態を維持する2位置の電磁開閉弁である。
【0055】ホイルシリンダ22FL,22FRは、そ
れぞれ第1減圧バルブ100および第2減圧バルブ10
2を介してリザーバ54に連通している。第1減圧バル
ブ100および第2減圧バルブ102は、共に常態で閉
弁状態を維持する2位置の電磁開閉弁である。本実施例
において、リザーバ54には、常態で所定量のブレーキ
フルードが貯留されている。
【0056】また、第1液圧制御ユニット92-1は、第
1カットバルブ94とリザーバ54との間に、Dタイプ
の比例制御弁50Dで構成される第1リニア4D-1を備
えている。第1リニア4D-1は、その高圧源ポート78
aが第1カットバルブ94に、その制御液圧ポート78
bがリザーバ54にそれぞれ接続されている。
【0057】リザーバ54には、還流ポンプ104が接
続されている。リザーバ54には、予め所定量のブレー
キフルードが貯留されている。還流ポンプ104は、リ
ザーバ54内に貯留されているブレーキフルードを汲み
上げて、第1カットバルブ94と第1リニア4D-1とを
連通する液圧通路に圧送する。
【0058】第2液圧制御ユニット92-2は、第2カッ
トバルブ106を備えている。第2カットバルブ106
は、常態で開弁状態を維持する2位置の電磁開閉弁であ
る。第2カットバルブ106とホイルシリンダ22RL
との間には、第3増圧バルブ108が配設されている。
また、第2カットバルブ106とホイルシリンダ22R
Rとの間には、第4増圧バルブ110が配設されてい
る。第3増圧バルブ108および第4増圧バルブ110
は、共に常態で開弁状態を維持する2位置の電磁開閉弁
である。
【0059】ホイルシリンダ22RL,22RRは、そ
れぞれ第3減圧バルブ112および第4減圧バルブ11
4を介してリザーバ54に連通している。第3減圧バル
ブ112および第4減圧バルブ114は、共に常態で閉
弁状態を維持する2位置の電磁開閉弁である。リザーバ
54には、還流ポンプ116が接続されている。還流ポ
ンプ116は、リザーバ54内に貯留されているブレー
キフルードを汲み上げて、第2カットバルブ106と、
第3および第4増圧バルブ108,110とを連通する
液圧通路に圧送する。
【0060】システム4−Dの液圧ブレーキ装置は、運
転者によるブレーキ操作の状態、および車両の走行状態
等を考慮して、適宜以下に示す4つのモードを実現す
る。ホイルシリンダ圧をブレーキ踏力に応じた液圧に
制御する通常モード;ブレーキペダル10が踏み込ま
れていない状況下でホイルシリンダ圧を所望の液圧まで
昇圧させる昇圧モード;ブレーキペダル10が踏み込
まれている状況下で、通常モード時に得られるホイルシ
リンダ圧に比して低い所望の液圧までホイルシリンダ圧
を増圧させる増圧モード;ブレーキペダル10の操作
状態に関わらず、昇圧モードまたは増圧モードで昇圧さ
れたホイルシリンダ圧を所望の液圧まで減圧させる減圧
モード;およびホイルシリンダ圧を所望の液圧に保持
する保持モード。
【0061】上述した通常モードは、車両の走行状態
が安定しており、特別な制動力制御が必要でないと判断
される状況下で実現される。昇圧モードは、例えば自
動ブレーキ、トラクションコントロール(TRC)又は
車両状態制御(VSC)の実行中に実現される。増圧
モードは、公知のアンチロックブレーキ制御(ABS)
の実行中、および回生制御の実行中に実現される。ま
た、減圧モードおよび保持モードは、TRC,AB
S,VSC等の制動力制御の実行中、および回生制御の
実行中に、昇圧モード或いは増圧モードと合わせて実現
される。
【0062】以下、図8と共に図9を参照して、本実施
例の液圧ブレーキ装置の動作について説明する。ところ
で、システム4−Dにおいて、左前輪のホイルシリンダ
22FLに連通する液圧回路と、右前輪のホイルシリン
ダ22FRに連通する液圧回路とは、構成において実質
的に異なるところがない。また、右後輪のホイルシリン
ダ22RRに連通する液圧回路と、左後輪のホイルシリ
ンダ22RLに連通する液圧回路とは、構成において実
質的に異なるところがない。このため、以下の記載にお
いては、左前輪のホイルシリンダ22FLに連通する液
圧回路の動作、および右後輪のホイルシリンダ22RR
に連通する液圧回路の動作についてのみ説明を行う。
【0063】図9は、システム4−Dの作動条件を列記
した機能説明表を示す。図9中「昇圧/FL」の欄に示
す如く、ホイルシリンダ22FLについての昇圧モー
ドは、第1カットバルブ94を閉弁し、第1増圧バルブ
96を開弁し、第1減圧バルブ100を閉弁し、第1リ
ニア4D-1を閉弁状態に制御し、かつ、還流ポンプ10
4を駆動することにより実現される。また、図9中「昇
圧/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ22RRに
ついての昇圧モードは、第2カットバルブ106を閉
弁し、第4増圧バルブ110を開弁し、第4減圧バルブ
114を閉弁し、かつ、還流ポンプ116を駆動するこ
とにより実現される。上記の作動条件によれば、ホイル
シリンダ22FLのホイルシリンダ圧、およびホイルシ
リンダ22RRのホイルシリンダ圧は、還流ポンプ10
4,116を液圧源として昇圧される。
【0064】図9中「増圧/FL」の欄に示す如く、ホ
イルシリンダ22FLについての増圧モードは、ブレ
ーキペダル10にブレーキ踏力が作用している環境下
で、第1カットバルブ94を開弁し、第1増圧バルブ9
6を開弁し、第1減圧バルブ100を閉弁し、かつ、第
1リニア4D-1を閉弁状態に制御することにより実現さ
れる。また、図9中「増圧/RR」の欄に示す如く、ホ
イルシリンダ22RRについての増圧モードは、ブレ
ーキペダル10にブレーキ踏力が作用している環境下
で、第2カットバルブ106開弁し、第4増圧バルブ1
10を開弁し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁する
ことにより実現される。上記の作動条件によれば、ホイ
ルシリンダ22FLのホイルシリンダ圧、およびホイル
シリンダ22RRのホイルシリンダ圧は、マスタシリン
ダ16を液圧弁として、マスタシリンダ圧以下の所定の
目標液圧値に向けて増圧される。
【0065】図9中「減圧/FL」の欄に示す如く、ホ
イルシリンダ22FLについての減圧モードは、第1
カットバルブ94を閉弁し、第1増圧バルブ96を開弁
し、第1減圧バルブ100を閉弁し、かつ、第1リニア
4D-1をリニア制御することにより実現される。上記の
作動条件によれば、第1リニア4D-1の制御状態に応じ
た流量のブレーキフルードがホイルシリンダ22FLか
らリザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシリ
ンダ22FLのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御さ
れる。また、図9中「減圧/RR」の欄に示す如く、ホ
イルシリンダ22RRについての減圧モードは、第4
増圧バルブ110を閉弁し、かつ、第4減圧バルブ11
4を開弁することにより実現される。上記の作動条件に
よれば、ホイルシリンダ22RRからリザーバ54へ向
けてブレーキフルードが流出し、その結果、ホイルシリ
ンダ22RRのホイルシリンダ圧が減圧制御される。
【0066】図9中「保持/FL」の欄に示す如く、ホ
イルシリンダ22FLについての保持モードは、第1
増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第1減圧バルブ100
を閉弁することにより実現される。また、図9中「保持
/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ22RRにつ
いての保持モードは、第4増圧バルブ110を閉弁
し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁することにより
実現される。上記の作動条件によれば、ホイルシリンダ
22FL,22RRが、それぞれ第1または第2液圧回
路92-1,92-2から切り離された状態となり、それら
のホイルシリンダ圧が確実に保持される。
【0067】システム4−Dにおいて、ホイルシリンダ
22FL,22RRについての通常モードは、上述し
た増圧モードの作動条件を維持することにより実現さ
れる。かかる作動条件によれば、ブレーキペダル10が
踏み込まれた際には、マスタシリンダ16から流出した
ブレーキフルードが第1カットバルブおよび第1増圧バ
ルブ96を通ってホイルシリンダ22FLに流入し、ま
た、第3カットバルブ106および第4増圧バルブ11
0を通ってホイルシリンダ22RRに流入する。そし
て、ブレーキペダル10の踏み込みが解除された際に
は、ホイルシリンダ22FL,22RR内のブレーキフ
ルードが、同様の経路を通ってマスタシリンダ16に戻
される。このため、ホイルシリンダ22FL,22RR
には、マスタシリンダ圧に応じた、すなわち、ブレーキ
踏力に応じたホイルシリンダ圧が発生する。
【0068】上述の如く、車両において発生させ得る回
生制動トルクは、車速SPDやバッテリ32の充電状態
SOCに応じて、例えば図2中に梨地で示す形状のよう
に変化する。車速SPDが所定値V0 より大きい領域で
は、車両において回生制動トルクが発生しない。従っ
て、かかる領域でブレーキペダル10が踏み込まれた場
合は、目標制動力を全て液圧制動トルクで賄う必要があ
る。かかる要求は、システム4−Dにおいて通常モー
ドを実現することで達成される。液圧制動トルクの発生
に伴い車速SPDがV0 以下に低下すると、回生制動ト
ルクが発生する。回生制動トルクが発生すると、回生制
動トルクが発生していない場合に比して、回生制動トル
ク相当分だけ液圧制動トルクを減少させる必要が生ず
る。
【0069】システム4−Dによれば、第1リニア4D
-1をリニア制御することにより、回生制動トルクが作用
する左右前輪FL,FRのホイルシリンダ圧を、精度良
く減圧制御することができる。従って、システム4−D
によれば、制動作用に伴って車速SPDが減速される過
程で、回生制動トルクと液圧制動トルクとの合力に起因
する制動力を、常に精度良く目標制動力に一致させるこ
とができる。
【0070】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第2実施例について説明する。図10は、図1に示す液
圧制御システム12の第2実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム8−D
の実施例に相当する。尚、図10において、上記第1実
施例の構成部分と同一の部分には、同一の符号を付して
その説明を省略する。
【0071】システム8−Dは、第1液圧通路18-1
連通する第1液圧制御ユニット118-1、および第2液
圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット118-2を備
えている。第1液圧制御ユニット118-1は、上述した
システム4−Dの第1液圧制御ユニット92-1と同様に
構成されている。尚、システム8−Dにおいては、第1
カットバルブ94とリザーバ54との間に配設される第
1リニアの符号を8D -1と、また、ホイルシリンダ22
FL,22FRのホイルシリンダ圧を検出する液圧検出
センサの符号を44-1とする。
【0072】第2液圧制御ユニット118-2は、第1液
圧制御ユニット118-1と同様に構成されている。すな
わち、システム8−Dにおいて、第2液圧制御ユニット
118-2は、第2カットバルブ106とリザーバ54と
の間に、Dタイプの比例制御弁50Dで構成される第2
リニア8D-2を備えていると共に、第2カットバルブ1
06のホイルシリンダ22RL,22RR側に、ホイル
シリンダ22RL,22RRのホイルシリンダ圧を検出
する液圧検出センサ44-2を備えている。第2液圧制御
ユニット118-2は、ブレーキECU38により、第1
液圧制御ユニット118-1と同様に制御される。
【0073】システム8−Dは、運転者によるブレーキ
操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適宜
通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧モ
ード、および保持モードを実現する。図11は、シス
テム8−Dの作動条件を列記した機能説明表を示す。
尚、図11中「FL」および「FR」の欄に示す作動条
件は、上記図9中「FL」および「FR」の欄に示す作
動条件と同様である。また、図11中「RL」および
「RR」の欄に示す作動条件は、実質的に同図中「F
L」および「FR」の欄に示す作動条件と同様である。
このため、ここでは図11に示す作動条件の説明を省略
する。
【0074】システム8−Dによれば、第1リニア8D
-1をリニア制御することにより、回生制動トルクが作用
する左右前輪FL,FRのホイルシリンダ圧を精度良く
減圧制御することができる。また、第2リニア8D-2
リニア制御することにより、従動輪である左右後輪R
L,RRのホイルシリンダ圧をも精度良く減圧制御する
ことができる。
【0075】目標制動力が、回生制動トルクに起因する
制動力のみで満たされる状況下で大きな回生エネルギを
発生させるためには、左右FL,FRのホイルシリンダ
圧を減圧制御すると共に、左右後輪RL,RRのホイル
シリンダ圧を減圧制御することが有効である。このた
め、本システム8−Dの如く、左右前輪FL,FRのホ
イルシリンダ圧と同様に左右後輪RL,RRのホイルシ
リンダ圧を精度良く減圧制御し得るシステムによれば、
上述したシステム4−Dに比して更に高い回生効率でエ
ネルギを回収することができる。
【0076】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第3実施例について説明する。図12は、図1に示す液
圧制御システム12の第3実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム11−
Dの実施例に相当する。尚、図12において、上記第1
および第2実施例の構成部分と同一の部分には、同一の
符号を付してその説明を省略する。
【0077】システム11−Dは、第1液圧通路18-1
に連通する第1液圧制御ユニット120-1、および第2
液圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット120-2
備えている。第2液圧制御ユニット120-2は、上述し
たシステム4−Dの第2液圧制御ユニット92-2と同様
に構成されている。従って、ここでは、第1液圧制御ユ
ニット120-1の構成および作動についてのみ説明す
る。
【0078】第1液圧制御ユニット120-1は、第1増
圧バルブ96とホイルシリンダ22FLとを結ぶ液圧通
路と、リザーバ54との間にDタイプの比例制御弁50
Dで構成される第1リニア11D-1を備えている。第1
リニア11D-1は、その高圧源ポート78aが第1増圧
バルブ96とホイルシリンダ22FLとを結ぶ液圧通路
に、その制御液圧ポート78bがリザーバ54に接続さ
れている。
【0079】第1液圧制御ユニット120-1は、第2増
圧バルブ98とホイルシリンダ22FRとを結ぶ液圧通
路と、リザーバ54との間にDタイプの比例制御弁50
Dで構成される第2リニア11D-2を備えている。第2
リニア11D-2は、その高圧源ポート78aが第2増圧
バルブ98とホイルシリンダ22FRとを結ぶ液圧通路
に、その制御液圧ポート78bがリザーバ54に接続さ
れている。
【0080】また、第1液圧制御ユニット120-1は、
ホイルシリンダ22FLのホイルシリンダ圧を検出する
液圧検出センサ44-1、およびホイルシリンダ22FR
のホイルシリンダ圧を検出する液圧検出センサ44-2
備えている。第1リニア11D-1および第2リニア11
-2は、それぞれ液圧検出センサ44-1または44-2
出力信号に基づいて、ブレーキECU38により制御さ
れる。
【0081】システム11−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。以下、図12
と共に図13を参照して、本実施例の液圧ブレーキ装置
の動作について説明する。ところで、システム11−D
において、左前輪のホイルシリンダ22FLに連通する
液圧回路と、右前輪のホイルシリンダ22FRに連通す
る液圧回路とは、構成において実質的に異なるところが
ない。このため、以下の記載においては、左前輪のホイ
ルシリンダ22FLに連通する液圧回路の動作について
のみ説明を行う。
【0082】図13は、システム11−Dの作動条件を
列記した機能説明表を示す。図13中「昇圧/FL」の
欄に示す如く、ホイルシリンダ22FLについての昇
圧モードは、第1カットバルブ94を閉弁し、第1増圧
バルブ96を開弁し、第1リニア11D-1を閉弁状態に
制御し、かつ、還流ポンプ104を駆動することにより
実現される。上記の作動条件によれば、ホイルシリンダ
22FLのホイルシリンダ圧は還流ポンプ104を液圧
源として昇圧される。
【0083】図13中「増圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての増圧モードは、ブ
レーキペダル10にブレーキ踏力が作用している環境下
で、第1カットバルブ94を開弁し、第1増圧バルブ9
6を開弁し、かつ、第1リニア11D-1を閉弁状態に制
御することにより実現される。上記の作動条件によれ
ば、ホイルシリンダ22FLのホイルシリンダ圧はマス
タシリンダ16を液圧弁として、マスタシリンダ圧以下
の所定の目標液圧値に向けて増圧される。
【0084】図13中「減圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての減圧モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第1リニア11D-1
をリニア制御することにより実現される。上記の作動条
件によれば、第1リニア11D-1の制御状態に応じた流
量のブレーキフルードがホイルシリンダ22FLからリ
ザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシリンダ
22FLのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御され
る。
【0085】図13中「保持/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての保持モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第1リニア11D-1
を閉弁状態に制御することにより実現される。上記の作
動条件によれば、ホイルシリンダ22FLが第1液圧回
路120-1から切り離された状態となり、そのホイルシ
リンダ圧が確実に保持される。
【0086】システム11−Dにおいて、ホイルシリン
ダ22FLについての通常モードは、上述した増圧
モードの作動条件を維持することにより実現される。か
かる作動条件によれば、ブレーキペダル10が踏み込ま
れた際には、マスタシリンダ16から流出したブレーキ
フルードが第1カットバルブ94および第1増圧バルブ
96を通ってホイルシリンダ22FLに流入する。ま
た、ブレーキペダル10の踏み込みが解除された際に
は、ホイルシリンダ22FL内のブレーキフルードが、
同様の経路を通ってマスタシリンダ16に戻される。こ
のため、ホイルシリンダ22FLには、マスタシリンダ
圧に応じた、すなわち、ブレーキ踏力に応じたホイルシ
リンダ圧が発生する。
【0087】システム11−Dによれば、第1リニア1
1D-1と第2リニア11D-2とを独立に制御することに
より、左前輪FLのホイルシリンダ圧と、右前輪FRの
ホイルシリンダ圧とを、精度良く独立に減圧制御するこ
とができる。車両の旋回制動中等においては、左右前輪
FL,FRが異なる制動力を発揮することが望ましい状
況が生ずる。システム11−Dによれば、かかる状況下
において、回生制動トルクと液圧制動トルクとを適正に
制御しつつ、左右前輪FL,FRの制動力を異ならしめ
ることができる。
【0088】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第4実施例について説明する。図14は、図1に示す液
圧制御システム12の第4実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム12−
Dの実施例に相当する。尚、図14において、上記第1
乃至第3実施例の構成部分と同一の部分には、同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0089】システム12−Dは、第1液圧通路18-1
に連通する第1液圧制御ユニット122-1、および第2
液圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット122-2
備えている。第1液圧制御ユニット122-1は、左前輪
FLのホイルシリンダ22FL、および右後輪RRのホ
ルシリンダ22RRに連通している。第1液圧制御ユニ
ット122-1は、第1カットバルブ94を備えている。
第1カットバルブ94とホイルシリンダ22FLとの間
には第1増圧バルブ96が配設されている。ホイルシリ
ンダ22FLは、Dタイプの比例制御弁50Dで構成さ
れる第1リニア12D-1を介してリザーバ54に連通し
ている。第1リニア12D-1は、マスタシリンダ圧を検
出する液圧検出センサ42、およびホイルシリンダ22
FLのホイルシリンダ圧を検出する液圧検出センサ44
-1の出力信号に基づいて、ブレーキECU38により制
御される。
【0090】第1カットバルブ94とホイルシリンダ2
2RRとの間には、第4増圧バルブ110が配設されて
いる。ホイルシリンダ22RRは、第4減圧バルブ11
4を介してリザーバ54に連通している。リザーバ54
には、還流ポンプ104が接続されている。還流ポンプ
104は、リザーバ54内に貯留されるブレーキフルー
ドを汲み上げて、第1カットバルブ94のホイルシリン
ダ22FL,22RR側へ圧送する。
【0091】第2液圧制御ユニット122-2は、右前輪
FRのホイルシリンダ22FR、および左後輪RLのホ
ルシリンダ22RLに連通している。第2液圧制御ユニ
ット122-2は、第2カットバルブ106を備えてい
る。第2カットバルブ106とホイルシリンダ22FR
との間には第2増圧バルブ98が配設されている。ホイ
ルシリンダ22FRは、Dタイプの比例制御弁50Dで
構成される第2リニア12D-2を介してリザーバ54に
連通している。第2リニア12D-2は、マスタシリンダ
圧を検出する液圧検出センサ42、およびホイルシリン
ダ22FRのホイルシリンダ圧を検出する液圧検出セン
サ44-2の出力信号に基づいて、ブレーキECU38に
より制御される。
【0092】第2カットバルブ106とホイルシリンダ
22RLとの間には、第3増圧バルブ108が配設され
ている。ホイルシリンダ22RLは、第3減圧バルブ1
12を介してリザーバ54に連通している。リザーバ5
4には、還流ポンプ116が接続されている。還流ポン
プ116は、リザーバ54内に貯留されるブレーキフル
ードを汲み上げて、第2カットバルブ106のホイルシ
リンダ22FR,22RL側へ圧送する。
【0093】システム12−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。以下、図14
と共に図15を参照して、本実施例の液圧ブレーキ装置
の動作について説明する。ところで、システム12−D
において、第1液圧制御ユニット122-1と第2液圧制
御ユニット122-2とは、構成において実質的に異なる
ところがない。このため、以下の記載においては、第1
液圧制御ユニットの動作についてのみ説明を行う。
【0094】図15は、システム12−Dの作動条件を
列記した機能説明表を示す。図15中「昇圧/FL」の
欄に示す如く、ホイルシリンダ22FLについての昇
圧モードは、第1カットバルブ94を閉弁し、第1増圧
バルブ96を開弁し、第1リニア12D-1を閉弁状態に
制御し、かつ、還流ポンプ104を駆動することにより
実現される。また、図15中「昇圧/RR」の欄に示す
如く、ホイルシリンダ22RRについての昇圧モード
は、第1カットバルブ94を閉弁し、第4増圧バルブ1
10を開弁し、第4減圧バルブ114を閉弁し、かつ、
還流ポンプ104を駆動することにより実現される。上
記の作動条件によれば、ホイルシリンダ22FL,22
RRのホイルシリンダ圧は還流ポンプ104を液圧源と
して昇圧される。
【0095】図15中「増圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての増圧モードは、ブ
レーキペダル10にブレーキ踏力が作用している環境下
で、第1カットバルブ94を開弁し、第1増圧バルブ9
6を開弁し、かつ、第1リニア12D-1を閉弁状態に制
御することにより実現される。また、図15中「増圧/
RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ22RRについ
ての増圧モードは、ブレーキペダル10にブレーキ踏
力が作用している環境下で、第1カットバルブ94を開
弁し、第4増圧バルブ110を開弁し、かつ、第4減圧
バルブ114を閉弁することにより実現される。上記の
作動条件によれば、ホイルシリンダ22FL,22RR
のホイルシリンダ圧は、マスタシリンダ圧に比して低圧
の所望の目標液圧に向けて増圧される。
【0096】図15中「減圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての減圧モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第1リニア12D-1
をリニア制御することにより実現される。上記の作動条
件によれば、第1リニア12D-1の制御状態に応じた流
量のブレーキフルードがホイルシリンダ22FLからリ
ザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシリンダ
22FLのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御され
る。また、図15中「減圧/RR」の欄に示す如く、ホ
イルシリンダ22RRについての減圧モードは、第4
増圧バルブ110を閉弁し、かつ、第4減圧バルブ11
4を開弁することにより実現される。上記の作動条件に
よれば、ホイルシリンダ22RR内のブレーキフルード
が、第4減圧バルブ114を通ってリザーバ54へ向け
て流出し、その結果、ホイルシリンダ22RRのホイル
シリンダ圧が減圧制御される。
【0097】図15中「保持/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての保持モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第1リニア12D-1
を閉弁状態に制御することにより実現される。また、図
15中「保持/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ
22RRについての保持モードは、第4増圧バルブ1
10を閉弁し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁状態
に制御することにより実現される。上記の作動条件によ
れば、ホイルシリンダ22FL,22RRが第1液圧回
路122-1から切り離された状態となり、それらのホイ
ルシリンダ圧が確実に保持される。
【0098】システム12−Dにおいて、ホイルシリン
ダ22FL,22RRについての通常モードは、上述
した増圧モードの作動条件を維持することにより実現
される。かかる作動条件によれば、ブレーキペダル10
が踏み込まれた際には、マスタシリンダ16から流出し
たブレーキフルードが第1カットバルブ94および第1
増圧バルブ96を通ってホイルシリンダ22FLに、ま
た、第1カットバルブ94および第4増圧バルブ110
を通ってホイルシリンダ22RRに流入する。また、ブ
レーキペダル10の踏み込みが解除された際には、ホイ
ルシリンダ22FL,22RR内のブレーキフルード
が、同様の経路を通ってマスタシリンダ16に戻され
る。このため、ホイルシリンダ22FL,22RRに
は、マスタシリンダ圧に応じた、すなわち、ブレーキ踏
力に応じたホイルシリンダ圧が発生する。
【0099】システム12−Dによれば、上述したシス
テム11−Dと同様に、第1リニア12D-1と第2リニ
ア12D-2とを独立に制御することにより、左前輪FL
のホイルシリンダ圧と、右前輪FRのホイルシリンダ圧
とを、精度良く独立に減圧制御することができる。従っ
て、システム12−Dによれば、回生制動トルクと液圧
制動トルクとを適正に制御しつつ、左右前輪FL,FR
の制動力を異ならしめることができる。
【0100】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第5実施例について説明する。図16は、図1に示す液
圧制御システム12の第5実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム20−
Dの実施例に相当する。尚、図16において、上記第1
乃至第4実施例の構成部分と同一の部分には、同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0101】システム20−Dは、第1液圧通路18-1
に連通する第1液圧制御ユニット124-1、および第2
液圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット124-2
備えている。第1液圧制御ユニット124-1は、左右前
輪FL,FRのホイルシリンダ22FL,22FRに連
通するユニットであり、上述したシステム11−Dの第
1液圧制御ユニット120-1と同様に構成されている。
尚、システム20−Dでは、第1リニアには符号20D
-1が、また、第2リニアには符号20D-2がそれぞれ付
されている。
【0102】第2液圧制御ユニット124-2は、左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ22RL,22RRに連
通するユニットであり、上述したシステム4−Dの第1
液圧制御ユニット92-1と実質的に同様に構成されてい
る。尚、システム20−Dにおいては、第2カットバル
ブ106とリザーバ54との間に配設されるDタイプの
比例制御弁50Dを第3リニア20D-3と称し、また、
ホイルシリンダ22RL,22RRのホイルシリンダ圧
を検出する液圧検出センサを、符号44-3を付して表
す。
【0103】システム20−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。図17は、シ
ステム20−Dの作動条件を列記した機能説明表を示
す。尚、図17中「FL」および「FR」の欄に示す作
動条件は、上記図13中「FL」および「FR」の欄に
示す作動条件(システム11−Dについての作動条件)
と同様である。また、図17中「RL」および「RR」
の欄に示す作動条件は、上記図9中「FL」および「F
R」の欄に示す作動条件(システム4−Dについての作
動条件)と実質的に同様である。このため、ここでは図
17に示す作動条件の説明を省略する。
【0104】システム20−Dによれば、第1リニア2
0D-1、第2リニア20D-2、および第3リニア20D
-3を独立に制御することにより、左前輪FLのホイルシ
リンダ圧、右前輪FRのホイルシリンダ圧、および左右
後輪RL,RRのホイルシリンダ圧を、精度良く独立に
制御することができる。従って、システム20−Dによ
れば、左右前輪FL,FRの制動力比、および前後輪の
制動力比を所望の比率に制御することができる。
【0105】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第6実施例について説明する。図18は、図1に示す液
圧制御システム12の第6実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム23−
Dの実施例に相当する。尚、図18において、上記第1
乃至第5実施例の構成部分と同一の部分には、同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0106】システム23−Dは、第1液圧通路18-1
に連通する第1液圧制御ユニット126-1、および第2
液圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット126-2
備えている。第1液圧制御ユニット126-1は、左右前
輪FL,FRのホイルシリンダ22FL,22FRに連
通するユニットであり、上述したシステム11−Dの第
1液圧制御ユニット120-1と同様に構成されている。
尚、システム23−Dにおいては、第1リニアには符号
23D-1が、また、第2リニアには符号23D -2がそれ
ぞれ付されている。
【0107】第2液圧制御ユニット126-2は、左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ22RL,22RRに連
通するユニットであり、第1液圧制御ユニット126-1
と実質的に同様に構成されている。尚、システム23−
Dにおいては、ホイルシリンダ22RLとリザーバ54
との間に配設されるDタイプの比例制御弁50Dを第3
リニア23D-3と、ホイルシリンダ22RRとリザーバ
54との間に配設されるDタイプの比例制御弁50Dを
第4リニア23D-2とそれぞれ称し、また、ホイルシリ
ンダ22RL,22RRのホイルシリンダ圧を検出する
液圧検出センサを、それぞれ符号44-3,44-4を付し
て表す。
【0108】システム23−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。図19は、シ
ステム23−Dの作動条件を列記した機能説明表を示
す。尚、図19中「FL」および「FR」の欄に示す作
動条件は、上記図13中「FL」および「FR」の欄に
示す作動条件(システム11−Dについての作動条件)
と同様である。また、図19中「RL」および「RR」
の欄に示す作動条件は、同図中「FL」および「FR」
の欄に示す作動条件と実質的に同様である。このため、
ここでは図19に示す作動条件の説明を省略する。
【0109】システム23−Dによれば、第1リニア2
3D-1〜第4リニア23D-4を独立にリニア制御するこ
とにより、4つのホイルシリンダ22FL,22FR,
22RL,22RRのホイルシリンダ圧を、精度良く独
立に減圧制御することができる。従って、システム23
−Dによれば、高い自由度の下に理想的な制動力制御を
実現することができる。
【0110】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第7実施例について説明する。図20は、図1に示す液
圧制御システム12の第7実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム22−
Dの実施例に相当する。尚、図20において、上記第1
乃至第6実施例の構成部分と同一の部分には、同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0111】システム22−Dは、第1液圧通路18-1
に連通する第1液圧制御ユニット128-1、および第2
液圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット128-2
備えている。第1液圧制御ユニット128-1は、左前輪
FLのホイルシリンダ22FLおよび右後輪RRのホイ
ルシリンダ22RRに連通するユニットである。また、
第2液圧制御ユニット128-2は、右前輪FRのホイル
シリンダ22FRおよび左後輪RLのホイルシリンダ2
2RLに連通するユニットである。
【0112】第1液圧制御ユニット128-1は、第1カ
ットバルブ94を備えている。第1カットバルブ94と
ホイルシリンダ22FLとの間には、第3カットバルブ
130が配設されている。第3カットバルブ130は、
第1カットバルブ94と同様に常態で開弁状態を維持す
る2位置の電磁開閉弁である。また、第1カットバルブ
94とホイルシリンダ22RRとの間には、第4増圧バ
ルブ110が配設されている。ホイルシリンダ22RR
は、第4減圧バルブ114を介してリザーバ54に連通
されている。
【0113】第1液圧制御ユニット128-1は、Dタイ
プの比例制御弁50Dで構成された第1リニア22D-1
および第2リニア22D-2を備えている。第1リニア2
2D -1は、その高圧源ポート78aが第1カットバルブ
94のホイルシリンダ22FL,22RR側に、その制
御液圧ポート78bがリザーバ54に、それぞれ接続さ
れている。また、第2リニア22D-2は、その高圧源ポ
ート78aが第3カットバルブ130のホイルシリンダ
22FL側に、その制御液圧ポート78bがリザーバ5
4側に、それぞれ接続されている。
【0114】第2液圧制御ユニット128-2は、第2カ
ットバルブ106を備えている。第2カットバルブ10
6とホイルシリンダ22FRとの間には、第4カットバ
ルブ132が配設されている。第4カットバルブ132
は、第2カットバルブ94と同様に常態で開弁状態を維
持する2位置の電磁開閉弁である。また、第2カットバ
ルブ106とホイルシリンダ22RLとの間には、第3
増圧バルブ108が配設されている。ホイルシリンダ2
2RLは、第3減圧バルブ112を介してリザーバ54
に連通されている。
【0115】第2液圧制御ユニット128-2は、Dタイ
プの比例制御弁50Dで構成された第3リニア22D-3
および第4リニア22D-4を備えている。第3リニア2
2D -3は、その高圧源ポート78aが第2カットバルブ
106のホイルシリンダ22FR,22RL側に、その
制御液圧ポート78bがリザーバ54に、それぞれ接続
されている。また、第4リニア22D-4は、その高圧源
ポート78aが第4カットバルブ132のホイルシリン
ダ22FR側に、その制御液圧ポート78bがリザーバ
54側に、それぞれ接続されている。
【0116】システム22−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。図21は、シ
ステム22−Dの作動条件を列記した機能説明表を示
す。尚、システム22−Dにおいて、第1液圧制御ユニ
ット128-1と第2液圧制御ユニット128-2とは実質
的に構成が同一である。このため、以下の記載において
は、第1液圧制御ユニット128-1の動作のみを説明す
る。
【0117】図21中「昇圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての昇圧モードは、第
1および第2リニア22D-1,22D-2を共に閉弁状態
に制御し、第1カットバルブ94を閉弁し、第3カット
バルブ130を開弁し、かつ、還流ポンプ104を駆動
することにより実現される。また、図21中「昇圧/R
R」の欄に示す如く、ホイルシリンダ22RRについて
の昇圧モードは、第1および第2リニア22D-1、2
2D-2を閉弁状態に制御し、第1カットバルブ94を閉
弁し、第4増圧バルブ110を開弁し、第4減圧バルブ
114を閉弁し、かつ、還流ポンプ104を駆動するこ
とにより実現される。上記の作動条件によれば、ホイル
シリンダ22FL,22RRのホイルシリンダ圧は、還
流ポンプ104を液圧源として昇圧される。
【0118】図21中「増圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての増圧モードは、ブ
レーキペダル10が踏み込まれている状況下で、第1お
よび第3カットバルブ94,130を開弁し、かつ、第
1および第2リニア22D-1,22D-2を閉弁状態に制
御することにより実現される。また、図21中「増圧/
RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ22RRについ
ての増圧モードは、ブレーキペダル10が踏み込まれ
ている状況下で、第1カットバルブ94を開弁し、第4
増圧バルブ110を開弁し、かつ、第4減圧バルブ11
4を閉弁することにより実現される。上記の作動条件に
よれば、ホイルシリンダ22FL,22RRのホイルシ
リンダ圧は、マスタシリンダ16を液圧源として増圧さ
れる。
【0119】図21中「減圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての減圧モードは、第
3カットバルブ130を閉弁し、かつ、第2リニア22
-2をリニア制御することにより実現される。上記の作
動条件によれば、第2リニア22D-2の制御状態に応じ
た流量のブレーキフルードがホイルシリンダ22FLか
らリザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシリ
ンダ22FLのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御さ
れる。また、図21中「減圧/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての減圧モードは、第
1および第3カットバルブ94,130を閉弁し、第4
増圧バルブ110を開弁し、第4減圧バルブ114を閉
弁し、かつ、第1リニア22D-1をリニア制御すること
により実現される。上記の作動条件によれば、第1リニ
ア22D-1の制御状態に応じた流量のブレーキフルード
がホイルシリンダ22RRからリザーバ54へ向けて流
出し、その結果、ホイルシリンダ22RRのホイルシリ
ンダ圧がリニアに減圧制御される。
【0120】図21中「保持/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての保持モードは、第
3カットバルブ130を閉弁し、かつ、第2リニア22
-2を閉弁状態に制御することで実現される。また、図
21中「保持/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ
22RRについての保持モードは、第4増圧バルブ1
10を閉弁し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁する
ことにより実現される。上記の作動条件によれば、ホイ
ルシリンダ22FLおよび22RRが、共に第1液圧制
御ユニット128-1から切り離された状態となる。従っ
て、ホイルシリンダ22FL,22RR内のホイルシリ
ンダ圧が確実に保持される。
【0121】システム22−Dにおいて、ホイルシリン
ダ22FLおよび22RRについての通常モードは、
上述した増圧モードの状態を維持することにより実現
される。上記の作動条件によれば、ブレーキペダル10
が踏み込まれた際にマスタシリンダ16から流出するブ
レーキフルードは、第1および第3カットバルブ94,
130を通ってホイルシリンダ22FLに、また、第1
カットバルブ94および第4増圧バルブ110を介して
ホイルシリンダ22RRに流入する。そして、ブレーキ
ペダル10の踏み込みが解除されると、ホイルシリンダ
22FL,22RR内のブレーキフルードが、同一の経
路をたどってマスタシリンダ16へ戻される。この場
合、ホイルシリンダ22FL,22RRには、ブレーキ
踏力に応じたホイルシリンダ圧が発生する。システム2
2−Dによれば、第1リニア22D-1〜第4リニア22
-4を独立にリニア制御することにより、4つのホイル
シリンダ22FL,22FR,22L,22RRのホイ
ルシリンダ圧を、精度良く独立に減圧制御することがで
きる。従って、システム22−Dによれば、高い自由度
の下に理想的な制動力制御を実現することができる。
【0122】また、システム22−Dによれば、第1リ
ニア22D-1または第2リニア22D-2の一方が適切に
液圧を減圧できない状態に陥った場合に、第3カットバ
ルブ130を開弁状態に維持しつつ、正常に機能する他
方の比例制御弁をリニア制御することで、ホイルシリン
ダ22FL,22RRのホイルシリンダ圧を等しく減圧
制御することができる。同様に、第3リニア22D-3
たは第4リニア22D -4の一方が適切に液圧を減圧でき
ない状態に陥った場合に、第4カットバルブ132を開
弁状態に維持しつつ、正常に機能する他方の比例制御弁
をリニア制御することで、ホイルシリンダ22FR,2
2RLのホイルシリンダ圧を等しく減圧制御することが
できる。
【0123】更に、システム22−Dによれば、第1リ
ニア22D-1および第2リニア22D-2の双方が液圧を
減圧できない状態に陥った場合に、第3カットバルブ1
30を開弁し、第1カットバルブ94を閉弁し、第4増
圧バルブ110を開弁し、かつ、第4減圧バルブ114
を開弁することで、ホイルシリンダ22FL,22RR
のホイルシリンダ圧を等しく減圧制御することができ
る。同様に、第3リニア22D-3および第4リニア22
-4の双方が適切に液圧を減圧できない状態に陥った場
合に、第4カットバルブ132を開弁し、第2カットバ
ルブ106を閉弁し、第3増圧バルブ108を開弁し、
かつ、第3減圧バルブ112を開弁することで、ホイル
シリンダ22FR,22RLのホイルシリンダ圧を等し
く減圧制御することができる。このため、システム22
−Dによれば、比例制御弁の異常に対して優れたフェー
ルセーフ性を確保することができる。
【0124】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第8実施例について説明する。図22は、図1に示す液
圧制御システム12の第8実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム21−
Dの実施例に相当する。尚、図22において、上記第1
乃至第7実施例の構成部分と同一の部分には、同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0125】システム21−Dは、第1液圧通路18-1
に連通する第1液圧制御ユニット134-1、および第2
液圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット134-2
備えている。第1液圧制御ユニット134-1は、左前輪
FLのホイルシリンダ22FLおよび右後輪RRのホイ
ルシリンダ22RRに連通するユニットである。また、
第2液圧制御ユニット134-2は、右前輪FRのホイル
シリンダ22FRおよび左後輪RLのホイルシリンダ2
2RLに連通するユニットである。
【0126】第1液圧制御ユニット134-1は、第1カ
ットバルブ94を備えている。第1カットバルブ94と
ホイルシリンダ22FLとの間には、第3カットバルブ
130が配設されている。また、第1カットバルブ94
には、ホイルシリンダ22RRが直接連通している。
【0127】第1液圧制御ユニット134-1は、Dタイ
プの比例制御弁50Dで構成された第1リニア21D-1
および第2リニア21D-2を備えている。第1リニア2
1D -1は、その高圧源ポート78aが第1カットバルブ
94のホイルシリンダ22FL,22RR側に、その制
御液圧ポート78bがリザーバ54に、それぞれ接続さ
れている。また、第2リニア21D-2は、その高圧源ポ
ート78aが第3カットバルブ130のホイルシリンダ
22FL側に、その制御液圧ポート78bがリザーバ5
4側に、それぞれ接続されている。第1リニア21D-1
および第2リニア21D-2は、液圧検出センサ42、4
-1の出力信号に基づいて、ブレーキECU38により
制御される。
【0128】第2液圧制御ユニット134-2は、第2カ
ットバルブ106を備えている。第2カットバルブ10
6とホイルシリンダ22FRとの間には、第4カットバ
ルブ132が配設されている。また、第2カットバルブ
106には、ホイルシリンダ22RLが直接連通してい
る。
【0129】第2液圧制御ユニット134-2は、Dタイ
プの比例制御弁50Dで構成された第3リニア21D-3
および第4リニア21D-4を備えている。第3リニア2
1D -1は、その高圧源ポート78aが第2カットバルブ
106のホイルシリンダ22FR,22RL側に、その
制御液圧ポート78bがリザーバ54に、それぞれ接続
されている。また、第4リニア21D-4は、その高圧源
ポート78aが第4カットバルブ132のホイルシリン
ダ22FR側に、その制御液圧ポート78bがリザーバ
54側に、それぞれ接続されている。
【0130】システム21−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。図23は、シ
ステム21−Dの作動条件を列記した機能説明表を示
す。尚、システム21−Dにおいて、第1液圧制御ユニ
ット134-1と第2液圧制御ユニット134-2とは実質
的に構成が同一である。また、システム21−Dが、ホ
イルシリンダ22FL,22FRに対応して備える液圧
回路は、上述したシステム22−Dがホイルシリンダ2
2FL,22RRに対応して備える液圧回路と構成が同
一である。このため、以下の記載においては、ホイルシ
リンダ22RRに連通する液圧回路の動作のみを、すな
わち、図23中「RR」の欄に示す作動条件のみを説明
する。
【0131】図23中「昇圧/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての昇圧モードは、第
1および第2リニア21D-1、21D-2を閉弁状態に制
御し、第1カットバルブ94を閉弁し、かつ、還流ポン
プ104を駆動することにより実現される。上記の作動
条件によれば、ホイルシリンダ22RRのホイルシリン
ダ圧は、還流ポンプ104を液圧源として昇圧される。
【0132】図21中「増圧/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての増圧モードは、ブ
レーキペダル10が踏み込まれている状況下で、第1カ
ットバルブ94を開弁し、かつ、第1および第2リニア
21D-1,21D-2を閉弁状態に制御することにより実
現される。上記の作動条件によれば、ホイルシリンダ2
2FL,22RRのホイルシリンダ圧は、マスタシリン
ダ16を液圧源として増圧される。
【0133】図21中「減圧/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての減圧モードは、第
1および第3カットバルブ94,130を閉弁し、か
つ、第1リニア21D-1をリニア制御することにより実
現される。上記の作動条件によれば、第1リニア21D
-1の制御状態に応じた流量のブレーキフルードがホイル
シリンダ22RRからリザーバ54へ向けて流出し、そ
の結果、ホイルシリンダ22RRのホイルシリンダ圧が
リニアに減圧制御される。
【0134】図21中「保持/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての保持モードは、第
1および第3カットバルブ94,130を閉弁し、か
つ、第1リニアを閉弁状態に制御することにより実現さ
れる。上記の作動条件によれば、ホイルシリンダ22R
Rが第1液圧制御ユニット134-1から切り離された状
態となる。従って、ホイルシリンダ22RR内のホイル
シリンダ圧が確実に保持される。
【0135】システム21−Dにおいて、ホイルシリン
ダ22RRについての通常モードは、上述した増圧
モードの状態を維持することにより実現される。上記の
作動条件によれば、ブレーキペダル10が踏み込まれた
際にマスタシリンダ16から流出するブレーキフルード
は、第1カットバルブ94を通ってホイルシリンダ22
RRに流入する。そして、ブレーキペダル10の踏み込
みが解除されると、ホイルシリンダ22RR内のブレー
キフルードが、同一の経路をたどってマスタシリンダ1
6へ戻される。この場合、ホイルシリンダ22RRに
は、ブレーキ踏力に応じたホイルシリンダ圧が発生す
る。
【0136】システム21−Dによれば、第1リニア2
1D-1〜第4リニア21D-4を独立にリニア制御するこ
とにより、4つのホイルシリンダ22FL,22FR,
22L,22RRのホイルシリンダ圧を、精度良く独立
に減圧制御することができる。従って、システム22−
Dによれば、高い自由度の下に理想的な制動力制御を実
現することができる。
【0137】また、システム21−Dによれば、第1リ
ニア21D-1または第2リニア21D-2の一方が適切に
液圧を減圧できない状態に陥った場合に、第3カットバ
ルブ130を開弁状態に維持しつつ、正常に機能する他
方の比例制御弁をリニア制御することで、ホイルシリン
ダ22FL,22RRのホイルシリンダ圧を等しく減圧
制御することができる。同様に、第3リニア21D-3
たは第4リニア21D -4の一方が適切に液圧を減圧でき
ない状態に陥った場合に、第4カットバルブ132を開
弁状態に維持しつつ、正常に機能する他方の比例制御弁
をリニア制御することで、ホイルシリンダ22FR,2
2RLのホイルシリンダ圧を等しく減圧制御することが
できる。このため、システム21−Dによれば、比例制
御弁の異常に対して優れたフェールセーフ性を確保する
ことができる。
【0138】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第9実施例について説明する。図24は、図1に示す液
圧制御システム12の第9実施例のシステム構成図を示
す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム6−D
の実施例に相当する。尚、図24において、上記第1乃
至第8実施例の構成部分と同一の部分には、同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0139】システム6−Dは、ブレーキペダル10と
マスタシリンダ16との間に、Bタイプの作動液圧制御
弁50Bで構成される第1リニア6D-1を備えている。
第1リニア6D-1の高圧源ポート52bには、アキュム
レータ56が連通している。また、アキュムレータ56
には、リザーバタンク90から汲み上げたブレーキフル
ードを圧送するポンプ136が連通している。
【0140】マスタシリンダ16には、第1液圧通路1
-1を介して第1液圧制御ユニット138-1が、また、
第2液圧通路18-2を介して第2液圧ユニット138-2
がそれぞれ連通している。第1液圧制御ユニット138
-1は、第1カットバルブ94を備えている。第1カット
バルブ94とホイルシリンダ22FLとの間には、第1
増圧バルブ96が配設されている。また、第1カットバ
ルブ94とホイルシリンダ22FRとの間には、第2増
圧バルブ98が配設されている。ホイルシリンダ22F
L,22FRは、それぞれ第1減圧バルブ100および
第2減圧バルブ102を介してリザーバ54に連通して
いる。
【0141】また、第1液圧制御ユニット138-1は、
第1カットバルブ94とリザーバ54との間に、Dタイ
プの比例制御弁50Dで構成される第2リニア6D-2
備えている。第2リニア6D-2は、その高圧源ポート7
8aが第1カットバルブ94に、その制御液圧ポート7
8bがリザーバ54にそれぞれ接続されている。リザー
バ54には、還流ポンプ104が接続されている。還流
ポンプ104は、リザーバ54内に貯留されているブレ
ーキフルードを、マスタシリンダ16に連通する第1液
圧通路18-1に圧送する。
【0142】第2液圧制御ユニット138-2は、マスタ
シリンダ16とホイルシリンダ22RLとの間に第3増
圧バルブ108を、また、マスタシリンダ16とホイル
シリンダ22RRとの間に第4増圧バルブ110を備え
ている。ホイルシリンダ22RL,22RRは、それぞ
れ第3減圧バルブ112および第4減圧バルブ114を
介してリザーバ54に連通している。リザーバ54に
は、還流ポンプ116が接続されている。還流ポンプ1
16は、リザーバ54内に貯留されているブレーキフル
ードをマスタシリンダ16に連通する第2液圧通路18
-2に圧送する。
【0143】システム6−Dは、運転者によるブレーキ
操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適宜
通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧モ
ード、および保持モードを実現する。以下、図24と
共に図25を参照して、システム6−Dの動作について
説明する。
【0144】図25は、システム6−Dの作動条件を列
記した機能説明表を示す。ところで、システム6−Dに
おいて、左前輪のホイルシリンダ22FLに連通する液
圧回路と、右前輪のホイルシリンダ22FRに連通する
液圧回路とは、構成において実質的に異なるところがな
い。また、右後輪のホイルシリンダ22RRに連通する
液圧回路と、左後輪のホイルシリンダ22RLに連通す
る液圧回路とは、構成において実質的に異なるところが
ない。このため、以下の記載においては、左前輪のホイ
ルシリンダ22FLに連通する液圧回路の動作、および
右後輪のホイルシリンダ22RRに連通する液圧回路の
動作のみを説明する。
【0145】図25中「昇圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての昇圧モードは、ポ
ンプ136を駆動し、第1リニア6D-1をリニア制御
し、第1カットバルブ94を開弁し、第1増圧バルブ9
6を開弁し、かつ、第1減圧バルブ100と第2リニア
6D-2を閉弁することにより実現される。また、図25
中「昇圧/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ22
RRについての昇圧モードは、ポンプ136を駆動
し、第1リニア6D-1をリニア制御し、第4増圧バルブ
110を開弁し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁す
ることにより実現される。
【0146】上記の作動条件下では、第1リニア6D-1
の制御状態に応じたマスタシリンダ圧が発生する。発生
したマスタシリンダ圧は、第1カットバルブ94および
第1増圧バルブ96を通ってホイルシリンダ22FLに
供給されると共に、第4増圧バルブ110を通ってホイ
ルシリンダ22RRに供給される。その結果、ホイルシ
リンダ22FL,22RRのホイルシリンダ圧は、第1
リニア6D-1の制御状態に応じた液圧に昇圧される。
【0147】図25中「増圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての増圧モードは、第
1リニア6D-1が倍力制御されている状況下で、第1カ
ットバルブ94を開弁し、第1増圧バルブ96を開弁
し、第1減圧バルブ100を閉弁し、かつ、第2リニア
6D-2を閉弁状態に制御することにより実現される。ま
た、図25中「増圧/RR」の欄に示す如く、ホイルシ
リンダ22RRについての増圧モードは、第1リニア
6D-1が倍力制御されている状況下で、第4増圧バルブ
110を開弁し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁す
ることにより実現される。
【0148】上述した第1リニア6D-1の倍力制御と
は、ブレーキペダル10にブレーキ踏力が付与されてい
る場合に、ブレーキ踏力に対して所定の倍力比を有する
マスタシリンダ圧を発生させるべく第1リニア6D-1
施す制御である。増圧モードは、ブレーキペダル10
にブレーキ踏力が作用している状況下で行われる。従っ
て、上記の作動条件によれば、マスタシリンダ16に
は、ブレーキ踏力に応じたマスタシリンダ圧が発生す
る。発生したマスタシリンダ圧は、昇圧モード時と同
様の経路をたどってホイルシリンダ22FL,22RR
に供給される。その結果、ホイルシリンダ22FL,2
2RRのホイルシリンダ圧は、マスタシリンダ圧以下の
所望の液圧に向けて増圧される。
【0149】図25中「減圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての減圧モードは、第
1カットバルブ94を閉弁し、第1増圧バルブ96を開
弁し、第1減圧バルブ100を閉弁し、かつ、第2リニ
ア6D-2をリニア制御することにより実現される。上記
の作動条件によれば、第2リニア6D-2の制御状態に応
じた流量のブレーキフルードがホイルシリンダ22FL
からリザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシ
リンダ22FLのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御
される。
【0150】また、図25中「減圧/RR」の欄に示す
如く、ホイルシリンダ22RRについての減圧モード
は、第4増圧バルブ110を閉弁し、かつ、第4減圧バ
ルブ114を開弁することにより実現される。上記の作
動条件によれば、ホイルシリンダ22RRからリザーバ
54へ向けてブレーキフルードが流出し、その結果、ホ
イルシリンダ22RRのホイルシリンダ圧が減圧制御さ
れる。
【0151】リザーバ54に流出したブレーキフルード
は、還流ポンプ104および116によりマスタシリン
ダ16側へ戻される。従って、増圧モードと減圧モード
とが繰り返されると、マスタシリンダ16の下流側でブ
レーキフルードの還流が生ずる。
【0152】図25中「保持/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての保持モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第1減圧バルブ10
0を閉弁することにより実現される。また、図9中「保
持/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ22RRに
ついての保持モードは、第4増圧バルブ110を閉弁
し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁することにより
実現される。上記の作動条件によれば、ホイルシリンダ
22FL,22RRが、それぞれ第1または第2液圧制
御ユニット138-1,138-2から切り離された状態と
なり、それらのホイルシリンダ圧が確実に保持される。
【0153】システム6−Dにおいて、ホイルシリンダ
22FL,22RRについての通常モードは、上述し
た増圧モードの作動条件を維持することにより実現さ
れる。かかる作動条件によれば、ブレーキペダル10が
踏み込まれた際には、ブレーキ踏力に応じたマスタシリ
ンダ圧が発生する。発生したマスタシリンダ圧は、第1
カットバルブ94および第1増圧バルブ96を通ってホ
イルシリンダ22FLに流入し、また、第4増圧バルブ
110を通ってホイルシリンダ22RRに流入する。そ
して、ブレーキペダル10の踏み込みが解除されると、
ホイルシリンダ22FL,22RR内のブレーキフルー
ドが、同様の経路を通ってマスタシリンダ16に戻され
る。このため、ホイルシリンダ22FL,22RRに
は、マスタシリンダ圧に応じた、すなわち、ブレーキ踏
力に応じたホイルシリンダ圧が発生する。
【0154】システム6−Dによれば、第2リニア6D
-2をリニア制御することにより、回生制動トルクが作用
する左右前輪FL,FRのホイルシリンダ圧を、精度良
く減圧制御することができる。従って、システム6−D
によれば、回生制動トルクと液圧制動トルクとの合力に
起因する制動力を、常に精度良く目標制動力に一致させ
ることができる。
【0155】尚、上述した第9実施例においては、第1
リニア6D-1としてBタイプの作動液圧制御弁50Bが
用いられているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、第1リニア6D-1としてAタイプの作動液圧制御
弁50Aを用いることも可能である。
【0156】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第10実施例について説明する。図26は、図1に示す
液圧制御システム12の第10実施例のシステム構成図
を示す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム1
4−Dの実施例に相当する。尚、図26において、上記
第1乃至第9実施例の構成部分と同一の部分には、同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0157】システム14−Dは、ブレーキペダル10
とマスタシリンダ16との間に、Bタイプの作動液圧制
御弁50Bで構成される第1リニア14D-1を備えてい
る。また、システム14−Dは、第1液圧通路18-1
連通する第1液圧制御ユニット140-1、および第2液
圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット140-2を備
えている。
【0158】第1液圧制御ユニット140-1は、上述し
たシステム6−Dの第1液圧制御ユニット138-1と同
様に構成されている。尚、システム14−Dにおいて
は、第1カットバルブ94とリザーバ54との間に配設
される第2リニアには符号14D-2が、また、ホイルシ
リンダ22FL,22FRのホイルシリンダ圧を検出す
る液圧検出センサには符号44-1がそれぞれ付されてい
る。
【0159】第2液圧制御ユニット140-2は、第1液
圧制御ユニット140-1と同様に構成されている。すな
わち、システム14−Dにおいて、第2液圧制御ユニッ
ト140-2は、第2カットバルブ106とリザーバ54
との間に、Dタイプの比例制御弁50Dで構成される第
3リニア14D-3を備えていると共に、第2カットバル
ブ106のホイルシリンダ22RL,22RR側に、ホ
イルシリンダ22RL,22RRのホイルシリンダ圧を
検出する液圧検出センサ44-2を備えている。第2液圧
制御ユニット140-2は、ブレーキECU38により、
第1液圧制御ユニット140-1と同様に制御される。
【0160】システム14−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。図27は、シ
ステム14−Dの作動条件を列記した機能説明表を示
す。尚、図27中「FL」および「FR」の欄に示す作
動条件は、上記図25中「FL」および「FR」の欄に
示す作動条件と同様である。また、図27中「RL」お
よび「RR」の欄に示す作動条件は、実質的に同図中
「FL」および「FR」の欄に示す作動条件と同様であ
る。このため、ここでは図27に示す作動条件の説明を
省略する。
【0161】システム14−Dによれば、第2リニア1
4D-2をリニア制御することにより、回生制動トルクが
作用する左右前輪FL,FRのホイルシリンダ圧を精度
良く減圧制御することができる。また、第3リニア14
-3をリニア制御することにより、従動輪である左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ圧をも精度良く減圧制御
することができる。このため、本システム14−Dによ
れば、回生制動トルクに応じて前輪FL,FRおよび後
輪RL,RRの制動力を制御することにより、高い回生
効率でエネルギを回収することができる。
【0162】尚、上述した第10実施例においては、第
1リニア14D-1としてBタイプの作動液圧制御弁50
Bが用いられているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、第1リニア14D-1としてAタイプの作動液
圧制御弁50Aを用いることも可能である。
【0163】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第11実施例について説明する。図28は、図1に示す
液圧制御システム12の第11実施例のシステム構成図
を示す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム1
6−Dの実施例に相当する。尚、図28において、上記
第1乃至第10実施例の構成部分と同一の部分には、同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0164】システム16−Dは、ブレーキペダル10
とマスタシリンダ16との間に、Bタイプの作動液圧制
御弁50Bで構成される第1リニア16D-1を備えてい
る。また、システム16−Dは、第1液圧通路18-1
連通する第1液圧制御ユニット142-1、および第2液
圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット142-2を備
えている。第2液圧制御ユニット142-2は、上述した
システム6−Dの第2液圧制御ユニット138-2と同様
に構成されている。従って、ここでは、第1液圧制御ユ
ニット142-1の構成および作動についてのみ説明す
る。
【0165】第1液圧制御ユニット142-1は、マスタ
シリンダ16とホイルシリンダ22FLとの間に第1増
圧バルブ96を備えている。第1増圧バルブ96とホイ
ルシリンダ22FLとを結ぶ液圧通路と、リザーバ54
との間には、Dタイプの比例制御弁50Dで構成される
第2リニア16D-2が配設されている。第2リニア16
-2は、その高圧源ポート78aが第1増圧バルブ96
とホイルシリンダ22FLとを結ぶ液圧通路に、その制
御液圧ポート78bがリザーバ54に接続されている。
第2リニア16D-2は、液圧検出センサ42および44
-1の出力信号に基づいて、ブレーキECU38により制
御される。
【0166】第1液圧制御ユニット142-1は、マスタ
シリンダ16とホイルシリンダ22FRとの間に第2増
圧バルブ98を備えている。第2増圧バルブ98とホイ
ルシリンダ22FRとを結ぶ液圧通路と、リザーバ54
との間には、Dタイプの比例制御弁50Dで構成される
第3リニア16D-3が配設されている。第3リニア16
-3は、その高圧源ポート78aが第1増圧バルブ96
とホイルシリンダ22FLとを結ぶ液圧通路に、その制
御液圧ポート78bがリザーバ54に接続されている。
第3リニア16D-3は、液圧検出センサ42および44
-2の出力信号に基づいて、ブレーキECU38により制
御される。
【0167】リザーバ54には、還流ポンプ104およ
び116が接続されている。還流ポンプ104は、リザ
ーバ54内に貯留されるブレーキフルードを、マスタシ
リンダ16に連通する第1液圧通路18-1に圧送する。
また、還流ポンプ116は、リザーバ54内に貯留され
るブレーキフルードを、マスタシリンダ16に連通する
第2液圧通路18-2に圧送する。
【0168】システム16−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。以下、図28
と共に図29を参照して、本実施例の液圧ブレーキ装置
の動作について説明する。図29は、システム16−D
の作動条件を列記した機能説明表を示す。ところで、シ
ステム16−Dにおいて、左前輪のホイルシリンダ22
FLに連通する液圧回路と、右前輪のホイルシリンダ2
2FRに連通する液圧回路とは、構成において実質的に
異なるところがない。このため、以下の記載において
は、左前輪のホイルシリンダ22FLに連通する液圧回
路の動作についてのみ説明を行う。
【0169】図29中「昇圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての昇圧モードは、ポ
ンプ136を駆動し、第1リニア16D-1をリニア制御
し、第1増圧バルブ96を開弁し、かつ、第2リニア1
6D-2を閉弁状態に制御することにより実現される。上
記の作動条件によれば、マスタシリンダ16には、第1
リニア16D-1の制御状態に応じたマスタシリンダ圧が
発生する。発生したマスタシリンダ圧は、第1増圧バル
ブ96を通ってホイルシリンダ22FLに供給される。
従って、ホイルシリンダ22FLのホイルシリンダ圧
は、第1リニア16D-1の制御状態に応じた液圧に昇圧
される。
【0170】図29中「増圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての増圧モードは、第
1リニア16D-1が倍力制御されている状況下で、第1
増圧バルブ96を開弁し、かつ、第2リニア16D-2
閉弁状態に制御することにより実現される。増圧モー
ドは、ブレーキペダル10にブレーキ踏力が作用してい
る状況下で行われる。従って、上記の作動条件によれ
ば、マスタシリンダ16には、ブレーキ踏力に応じたマ
スタシリンダ圧が発生する。発生したマスタシリンダ圧
は、昇圧モード時と同様の経路をたどってホイルシリ
ンダ22FLに供給される。このため、ホイルシリンダ
22FLのホイルシリンダ圧は、マスタシリンダ圧以下
の所望の液圧に向けて増圧される。
【0171】図29中「減圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての減圧モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第2リニア16D-2
をリニア制御することにより実現される。上記の作動条
件によれば、第2リニア16D-2の制御状態に応じた流
量のブレーキフルードがホイルシリンダ22FLからリ
ザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシリンダ
22FLのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御され
る。リザーバ54に流出したブレーキフルードは、還流
ポンプ104および116によりマスタシリンダ16側
へ戻される。従って、増圧モードと減圧モードとが繰り
返されると、マスタシリンダ16の下流側でブレーキフ
ルードの還流が生ずる。
【0172】図29中「保持/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての保持モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第2リニア16D-2
を閉弁状態に制御することにより実現される。上記の作
動条件によれば、ホイルシリンダ22FLが第1液圧制
御ユニット142-1から切り離された状態となり、その
ホイルシリンダ圧が確実に保持される。
【0173】システム16−Dにおいて、ホイルシリン
ダ22FLについての通常モードは、上述した増圧
モードの作動条件を維持することにより実現される。か
かる作動条件によれば、ブレーキペダル10が踏み込ま
れた際には、ブレーキ踏力に応じたマスタシリンダ圧が
発生する。発生したマスタシリンダ圧は、第1増圧バル
ブ96を通ってホイルシリンダ22FLに流入する。そ
して、ブレーキペダル10の踏み込みが解除されると、
ホイルシリンダ22FL内のブレーキフルードが、同様
の経路を通ってマスタシリンダ16に戻される。このた
め、ホイルシリンダ22FL,22RRには、マスタシ
リンダ圧に応じた、すなわち、ブレーキ踏力に応じたホ
イルシリンダ圧が発生する。
【0174】システム16−Dによれば、第2リニア1
6D-2と第3リニア16D-3とを独立に制御することに
より、左前輪FLのホイルシリンダ圧と、右前輪FRの
ホイルシリンダ圧とを、精度良く独立に減圧制御するこ
とができる。従って、システム11Dによれば、回生制
動トルクと液圧制動トルクとを適正に制御しつつ、左右
前輪FL,FRの制動力を異ならしめることができる。
【0175】尚、上述した第11実施例においては、第
1リニア16D-1としてBタイプの作動液圧制御弁50
Bが用いられているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、第1リニア16D-1としてAタイプの作動液
圧制御弁50Aを用いることも可能である。
【0176】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第12実施例について説明する。図30は、図1に示す
液圧制御システム12の第12実施例のシステム構成図
を示す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム1
8−Dの実施例に相当する。尚、図30において、上記
第1乃至第11実施例の構成部分と同一の部分には、同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0177】システム18−Dは、ブレーキペダル10
とマスタシリンダ16との間に、Bタイプの作動液圧制
御弁50Bで構成される第1リニア18D-1を備えてい
る。また、システム18−Dは、第1液圧通路18-1
連通する第1液圧制御ユニット144-1、および第2液
圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット144-2を備
えている。
【0178】第1液圧制御ユニット144-1は、左前輪
FLのホイルシリンダ22FL、および右後輪RRのホ
ルシリンダ22RRに連通している。第1液圧制御ユニ
ット144-1は、マスタシリンダ16とホイルシリンダ
22FLとの間に第1増圧バルブ96を備えている。ホ
イルシリンダ22FLは、Dタイプの比例制御弁50D
で構成される第2リニア18D-2を介してリザーバ54
に連通している。第2リニア18D-2は、マスタシリン
ダ圧を検出する液圧検出センサ42、およびホイルシリ
ンダ22FLのホイルシリンダ圧を検出する液圧検出セ
ンサ44-1の出力信号に基づいて、ブレーキECU38
により制御される。
【0179】第1制御液圧ユニット144-1は、マスタ
シリンダ16とホイルシリンダ22RRとの間に第4増
圧バルブ110を備えている。ホイルシリンダ22RR
は、第4減圧バルブ114を介してリザーバ54に連通
している。リザーバ54には、還流ポンプ104が接続
されている。還流ポンプ104は、リザーバ54内に貯
留されるブレーキフルードを、マスタシリンダ16に連
通する第1液圧通路18-1に圧送する。
【0180】第2液圧制御ユニット144-2は、右前輪
FRのホイルシリンダ22FR、および左後輪RLのホ
ルシリンダ22RLに連通している。第2液圧制御ユニ
ット144-2は、マスタシリンダ16とホイルシリンダ
22FRとの間に第2増圧バルブ98を備えている。ホ
イルシリンダ22FRは、Dタイプの比例制御弁50D
で構成される第3リニア18D-3を介してリザーバ54
に連通している。第3リニア18D-3は、マスタシリン
ダ圧を検出する液圧検出センサ42、およびホイルシリ
ンダ22FRのホイルシリンダ圧を検出する液圧検出セ
ンサ44-2の出力信号に基づいて、ブレーキECU38
により制御される。
【0181】第2制御ユニット144-2は、マスタシリ
ンダ16とホイルシリンダ22RLとの間に第3増圧バ
ルブ108を備えている。ホイルシリンダ22RLは、
第3減圧バルブ112を介してリザーバ54に連通して
いる。リザーバ54には、還流ポンプ116が接続され
ている。還流ポンプ116は、リザーバ54内に貯留さ
れるブレーキフルードを汲み上げて、マスタシリンダ1
6に連通する第2液圧通路18-2に圧送する。
【0182】システム18−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。以下、図30
と共に図31を参照して、本実施例の液圧ブレーキ装置
の動作について説明する。図31は、システム18−D
の作動条件を列記した機能説明表を示す。ところで、シ
ステム18−Dにおいて、第1液圧制御ユニット144
-1と第2液圧制御ユニット144-2とは、構成において
実質的に異なるところがない。このため、以下の記載に
おいては、第1液圧制御ユニットの動作についてのみ説
明を行う。
【0183】図31中「昇圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての昇圧モードは、ポ
ンプ136を駆動し、第1リニア18D-1をリニア制御
し、第1増圧バルブ96を開弁し、かつ、第2リニア1
8D-2を閉弁状態に制御することにより実現される。ま
た、図31中「昇圧/RR」の欄に示す如く、ホイルシ
リンダ22RRについての昇圧モードは、ポンプ13
6を駆動し、第1リニア18D-1をリニア制御し、第4
増圧バルブ110を開弁し、かつ、第4減圧バルブ11
4を閉弁することにより実現される。上記の作動条件に
よれば、マスタシリンダ16には、第1リニア18D-1
の制御状態に応じたマスタシリンダ圧が発生する。発生
したマスタシリンダ圧は、第1増圧バルブ96を通って
ホイルシリンダ22FLに供給され、また、第4増圧バ
ルブ110を通ってホイルシリンダ22RRに供給され
る。従って、ホイルシリンダ22FL,22RRのホイ
ルシリンダ圧は、第1リニア18D-1の制御状態に応じ
た液圧に昇圧される。
【0184】図31中「増圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての増圧モードは、第
1リニア18D-1が倍力制御されている状況下で、第1
増圧バルブ96を開弁し、かつ、第2リニア18D-2
閉弁状態に制御することにより実現される。また、図3
1中「増圧/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ2
2RRについての増圧モードは、第1リニア18D-1
が倍力制御されている状況下で、第4増圧バルブ110
を開弁し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁すること
により実現される。
【0185】増圧モードは、ブレーキペダル10にブ
レーキ踏力が作用している状況下で行われる。従って、
上記の作動条件によれば、マスタシリンダ16には、ブ
レーキ踏力に応じたマスタシリンダ圧が発生する。発生
したマスタシリンダ圧は、昇圧モード時と同様の経路
をたどってホイルシリンダ22FL,22RRに供給さ
れる。このため、ホイルシリンダ22FL,22RRの
ホイルシリンダ圧は、マスタシリンダ圧以下の所望の液
圧に向けて増圧される。
【0186】図31中「減圧/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての減圧モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第2リニア18D-2
をリニア制御することにより実現される。上記の作動条
件によれば、第2リニア18D-2の制御状態に応じた流
量のブレーキフルードがホイルシリンダ22FLからリ
ザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシリンダ
22FLのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御され
る。
【0187】また、図31中「減圧/RR」の欄に示す
如く、ホイルシリンダ22RRについての減圧モード
は、第4増圧バルブ110を閉弁し、かつ、第4減圧バ
ルブ114を開弁することにより実現される。上記の作
動条件によれば、ホイルシリンダ22RR内のブレーキ
フルードが、第4減圧バルブ114を通ってリザーバ5
4へ向けて流出し、その結果、ホイルシリンダ22RR
のホイルシリンダ圧が減圧制御される。リザーバ54に
流出したブレーキフルードは、還流ポンプ104により
マスタシリンダ16側へ戻される。従って、増圧モード
と減圧モードとが繰り返されると、マスタシリンダ16
の下流側でブレーキフルードの還流が生ずる。
【0188】図31中「保持/FL」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22FLについての保持モードは、第
1増圧バルブ96を閉弁し、かつ、第2リニア18D-2
を閉弁状態に制御することにより実現される。また、図
31中「保持/RR」の欄に示す如く、ホイルシリンダ
22RRについての保持モードは、第4増圧バルブ1
10を閉弁し、かつ、第4減圧バルブ114を閉弁状態
に制御することにより実現される。上記の作動条件によ
れば、ホイルシリンダ22FL,22RRが第1液圧回
路144-1から切り離された状態となり、それらのホイ
ルシリンダ圧が確実に保持される。
【0189】システム18−Dにおいて、ホイルシリン
ダ22FL,22RRについての通常モードは、上述
した増圧モードの作動条件を維持することにより実現
される。かかる作動条件によれば、ブレーキペダル10
が踏み込まれた際には、ブレーキ踏力に応じたマスタシ
リンダ圧が発生する。発生したマスタシリンダ圧は、第
1増圧バルブ96を通ってホイルシリンダ22FLに流
入し、また、第4増圧バルブ110を通ってホイルシリ
ンダ22RRに流入する。そして、ブレーキペダル10
の踏み込みが解除されると、ホイルシリンダ22FL,
22RR内のブレーキフルードが、同様の経路を通って
マスタシリンダ16に戻される。このため、ホイルシリ
ンダ22FL,22RRには、マスタシリンダ圧に応じ
た、すなわち、ブレーキ踏力に応じたホイルシリンダ圧
が発生する。
【0190】システム18−Dによれば、上述したシス
テム16−Dと同様に、第2リニア18D-2と第3リニ
ア18D-3とを独立に制御することにより、左前輪FL
のホイルシリンダ圧と、右前輪FRのホイルシリンダ圧
とを、精度良く独立に減圧制御することができる。従っ
て、システム18−Dによれば、回生制動トルクと液圧
制動トルクとを適正に制御しつつ、左右前輪FL,FR
の制動力を異ならしめることができる。
【0191】尚、上述した第12実施例においては、第
1リニア18D-1としてBタイプの作動液圧制御弁50
Bが用いられているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、第1リニア18D-1としてAタイプの作動液
圧制御弁50Aを用いることも可能である。
【0192】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第13実施例について説明する。図32は、図1に示す
液圧制御システム12の第13実施例のシステム構成図
を示す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム2
5−Dの実施例に相当する。尚、図32において、上記
第1乃至第12実施例の構成部分と同一の部分には、同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0193】システム25−Dは、ブレーキペダル10
とマスタシリンダ16との間に、Bタイプの作動液圧制
御弁50Bで構成される第1リニア25D-1を備えてい
る。また、システム25−Dは、第1液圧通路18-1
連通する第1液圧制御ユニット146-1、および第2液
圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット146-2を備
えている。
【0194】第1液圧制御ユニット146-1は、左右前
輪FL,FRのホイルシリンダ22FL,22FRに連
通するユニットであり、上述したシステム16−Dの第
1液圧制御ユニット142-1と同様に構成されている。
尚、システム25−Dでは、第2リニアには符号25D
-2が、また、第3リニアには符号25D-3がそれぞれ付
されている。
【0195】第2液圧制御ユニット146-2は、左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ22RL,22RRに連
通するユニットであり、上述したシステム6−Dの第1
液圧制御ユニット138-1と実質的に同様に構成されて
いる。尚、システム25−Dにおいては、第1カットバ
ルブ94とリザーバ54との間に配設されるDタイプの
比例制御弁50Dを第4リニア25D-4と称し、また、
ホイルシリンダ22RL,22RRのホイルシリンダ圧
を検出する液圧検出センサを、符号44-3を付して表
す。
【0196】システム25−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。図33は、シ
ステム25−Dの作動条件を列記した機能説明表を示
す。尚、図33中「FL」および「FR」の欄に示す作
動条件は、上記図29中「FL」および「FR」の欄に
示す作動条件(システム16−Dについての作動条件)
と同様である。また、図33中「RL」および「RR」
の欄に示す作動条件は、上記図25中「FL」および
「FR」の欄に示す作動条件(システム6−Dについて
の作動条件)と実質的に同様である。このため、ここで
は図33に示す作動条件の説明を省略する。
【0197】システム25−Dによれば、第2リニア2
5D-2、第3リニア25D-3、および第4リニア25D
-4を独立に制御することにより、左前輪FLのホイルシ
リンダ圧、右前輪FRのホイルシリンダ圧、および左右
後輪RL,RRのホイルシリンダ圧を、精度良く独立に
制御することができる。従って、システム25−Dによ
れば、左右前輪FL,FRの制動力比、および前後輪の
制動力比を所望の比率に制御することができる。
【0198】また、システム25−Dによれば、第3増
圧バルブ108を閉弁し、かつ、第3減圧バルブ112
を開弁することにより、または第4増圧バルブ110を
閉弁し、かつ、第4減圧バルブ114を開弁することに
より、ホイルシリンダ22RL,22RRのホイルシリ
ンダ圧を、独立に減圧することができる。このため、シ
ステム25−Dによれば、高い自由度の下に制動力制御
を実行することができる。
【0199】更に、システム25−Dによれば、第4リ
ニア25D-4が適切に液圧を減圧できない状態に陥った
場合に、第3減圧バルブ112および第4減圧バルブ1
14を制御することで、ホイルシリンダ22FL,22
RRのホイルシリンダ圧を適正に減圧制御することがで
きる。このため、システム25−Dによれば、比例制御
弁の異常に対して優れたフェールセーフ性を確保するこ
とができる。
【0200】尚、上述した第13実施例においては、第
1リニア25D-1としてBタイプの作動液圧制御弁50
Bが用いられているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、第1リニア25D-1としてAタイプの作動液
圧制御弁50Aを用いることも可能である。
【0201】次に、図1に示す液圧制御システム12の
第14実施例について説明する。図34は、図1に示す
液圧制御システム12の第14実施例のシステム構成図
を示す。本実施例のシステムは、図4に示すシステム2
4−Dの実施例に相当する。尚、図34において、上記
第1乃至第13実施例の構成部分と同一の部分には、同
一の符号を付してその説明を省略する。
【0202】システム24−Dは、ブレーキペダル10
とマスタシリンダ16との間に、Bタイプの作動液圧制
御弁50Bで構成される第1リニア24D-1を備えてい
る。また、システム24−Dは、第1液圧通路18-1
連通する第1液圧制御ユニット148-1、および第2液
圧通路18-2に連通する第2液圧ユニット148-2を備
えている。
【0203】第1液圧制御ユニット148-1は、左右前
輪FL,FRのホイルシリンダ22FL,22FRに連
通するユニットであり、上述したシステム25−Dの第
1液圧制御ユニット146-1と同様に構成されている。
従って、以下の記載においては、第2液圧制御ユニット
148-2の構成および動作のみを説明する。尚、システ
ム24−Dの第1液圧制御ユニット148-1中では、第
2リニアおよび第3リニアを、それぞれ符号24D-2
よび24D-3を付して表している。
【0204】第2液圧制御ユニット146-2は、左右後
輪RL,RRのホイルシリンダ22RL,22RRに連
通するユニットであり、マスタシリンダ16とホイルシ
リンダ22RL,22RRとの間に第1カットバルブ9
4を備えている。ホイルシリンダ22RL,22RR
は、共にDタイプの比例制御弁50Dで構成される第4
リニア24D-4を介してリザーバ54に連通されてい
る。第4リニア24D-4は、マスタシリンダ圧を検出す
る液圧検出センサ42の出力信号と、ホイルシリンダ2
2RL,22RRのホイルシリンダ圧を検出する液圧検
出センサ44-3とに基づいて、ブレーキECU38によ
り制御される。
【0205】システム24−Dは、運転者によるブレー
キ操作の状態、および車両の走行状態等を考慮して、適
宜通常モード、昇圧モード、増圧モード、減圧
モード、および保持モードを実現する。図35は、シ
ステム24−Dの作動条件を列記した機能説明表を示
す。尚、図35中「FL」および「FR」の欄に示す作
動条件は、上記図33中「FL」および「FR」の欄に
示す作動条件(システム25−Dについての作動条件)
と同様である。また、システム24−Dにおいてホイル
シリンダ22RLについての作動条件と、ホイルシリン
ダ22RRについての作動条件とは常に同一である。こ
のため、ここでは、図35中「RR」の欄に示す作動条
件のみを説明する。
【0206】図35中「昇圧/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての昇圧モードは、ポ
ンプ136を駆動し、第1リニア24D-1をリニア制御
し、第1カットバルブ94を開弁し、かつ、第4リニア
24D-4を閉弁状態に制御することにより実現される。
上記の作動条件下では、第1リニア24D-1の制御状態
に応じたマスタシリンダ圧が発生する。発生したマスタ
シリンダ圧は、第1カットバルブ94を通ってホイルシ
リンダ22RRに供給される。その結果、ホイルシリン
ダ22RRのホイルシリンダ圧は、第1リニア24D-1
の制御状態に応じた液圧に昇圧される。
【0207】図35中「増圧/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての増圧モードは、第
1リニア24D-1が倍力制御されている状況下で、第1
カットバルブ94を開弁し、かつ、第4リニア24D-4
を閉弁状態に制御することにより実現される。上記の作
動条件によれば、マスタシリンダ16には、ブレーキ踏
力に応じたマスタシリンダ圧が発生する。発生したマス
タシリンダ圧は、昇圧モード時と同様の経路をたどっ
てホイルシリンダ22RRに供給される。その結果、ホ
イルシリンダ22RRのホイルシリンダ圧は、マスタシ
リンダ圧以下の所望の液圧に向けて増圧される。
【0208】図35中「減圧/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての減圧モードは、第
1カットバルブ94を閉弁し、かつ、第4リニア24D
-4をリニア制御することにより実現される。上記の作動
条件によれば、第4リニア24D-4の制御状態に応じた
流量のブレーキフルードがホイルシリンダ22RRから
リザーバ54へ向けて流出し、その結果、ホイルシリン
ダ22RRのホイルシリンダ圧がリニアに減圧制御され
る。リザーバ54に流出したブレーキフルードは、還流
ポンプ116によりマスタシリンダ16側へ戻される。
従って、増圧モードと減圧モードとが繰り返されると、
マスタシリンダ16の下流側でブレーキフルードの還流
が生ずる。
【0209】図35中「保持/RR」の欄に示す如く、
ホイルシリンダ22RRについての保持モードは、第
1カットバルブ94を閉弁し、かつ、第4リニア24D
-4を閉弁状態に制御することにより実現される。上記の
作動条件によれば、ホイルシリンダ22RRが第2液圧
制御ユニット148-2から切り離された状態となり、そ
のホイルシリンダ圧が確実に保持される。
【0210】システム24−Dにおいて、ホイルシリン
ダ22RRについての通常モードは、上述した増圧
モードの作動条件を維持することにより実現される。か
かる作動条件によれば、ブレーキペダル10が踏み込ま
れた際には、ブレーキ踏力に応じたマスタシリンダ圧が
発生する。発生したマスタシリンダ圧は、第1カットバ
ルブ94を通ってホイルシリンダ22RRに流入する。
そして、ブレーキペダル10の踏み込みが解除される
と、ホイルシリンダ22RR内のブレーキフルードが、
同様の経路を通ってマスタシリンダ16に戻される。こ
のため、ホイルシリンダ22RRには、マスタシリンダ
圧に応じた、すなわち、ブレーキ踏力に応じたホイルシ
リンダ圧が発生する。
【0211】システム24−Dによれば、第2リニア2
4D-2、第3リニア24D-3、および第4リニア24D
-4を独立に制御することにより、左前輪FLのホイルシ
リンダ圧、右前輪FRのホイルシリンダ圧、および左右
後輪RL,RRのホイルシリンダ圧を、精度良く独立に
制御することができる。従って、システム24−Dによ
れば、左右前輪FL,FRの制動力比、および前後輪の
制動力比を所望の比率に制御することができる。
【0212】尚、上述した第14実施例においては、第
1リニア24D-1としてBタイプの作動液圧制御弁50
Bが用いられているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、第1リニア24D-1としてAタイプの作動液
圧制御弁50Aを用いることも可能である。
【0213】ところで、上述した液圧制御ユニット12
についての第1乃至第14実施例においては、リザーバ
54が、前記請求項1記載のリザーバタンクに相当して
いる。また、上述したブレーキ液圧制御装置の実施例に
おいては、ブレーキECU38が、制動力要求量に基づ
いて制動力目標値を演算することにより前記請求項2記
載の目標制動トルク演算手段が、SOC、SPD、およ
び制動力要求量に基づいて回生トルク指示値を演算する
ことにより前記請求項2記載の最大回生制動トルク演算
手段が、また、ホイルシリンダ圧指示値が実現されるよ
うに液圧制御ユニット12を制御することにより前記請
求項2記載の液圧制御手段が、それぞれ実現される。
【0214】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、比例制御弁を常に円滑にかつ優れた応答性の下に作
動させることができる。比例制御弁は、ホイルシリンダ
とリザーバタンクとの導通状態を制御する。ホイルシリ
ンダがリザーバタンクと導通すると、ホイルシリンダ圧
は減圧される。従って、本発明に係るブレーキ液圧制御
装置によれば、円滑に優れた応答性の下に、ホイルシリ
ンダ圧を減圧制御することができる。
【0215】また、請求項2記載の発明によれば、車両
の制動時において、回生制動により発生されるトルクと
ホイルシリンダが発する制動トルクとの合力が目標制動
トルクとなるように、ホイルシリンダ圧を制御すること
ができる。従って、本発明のブレーキ液圧制御装置によ
れば、制動エネルギを効率良く回生エネルギとして回収
しつつ、車両の運転状態に応じた適正な制動状態を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるブレーキ液圧制御装置
のシステム構成図である。
【図2】車速と回生制動トルクとの関係を表す特性図で
ある。
【図3】図1に示すブレーキ液圧制御装置において実行
される制御内容の一例を表す制御フローチャートであ
る。
【図4】図1に示すブレーキ液圧制御装置に用いられる
液圧制御システムの実施例を表す図である。
【図5】図1に示すブレーキ液圧制御装置の実施例にお
いて用いられるBタイプの作動液圧制御弁の一例を表す
構成図である。
【図6】図1に示すブレーキ液圧制御装置の実施例にお
いて用いられるAタイプの作動液圧制御弁の一例を表す
構成図である。
【図7】図1に示すブレーキ液圧制御装置の実施例にお
いて用いられるDタイプの比例制御弁の構成図である。
【図8】図1に示す液圧制御システムの第1実施例のシ
ステム構成図である。
【図9】図8に示す液圧制御システムの作動条件を表す
機能説明図である。
【図10】図1に示す液圧制御システムの第2実施例の
システム構成図である。
【図11】図10に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図12】図1に示す液圧制御システムの第3実施例の
システム構成図である。
【図13】図12に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図14】図1に示す液圧制御システムの第4実施例の
システム構成図である。
【図15】図14に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図16】図1に示す液圧制御システムの第5実施例の
システム構成図である。
【図17】図16に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図18】図1に示す液圧制御システムの第6実施例の
システム構成図である。
【図19】図18に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図20】図1に示す液圧制御システムの第7実施例の
システム構成図である。
【図21】図20に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図22】図1に示す液圧制御システムの第8実施例の
システム構成図である。
【図23】図22に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図24】図1に示す液圧制御システムの第9実施例の
システム構成図である。
【図25】図24に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図26】図1に示す液圧制御システムの第10実施例
のシステム構成図である。
【図27】図26に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図28】図1に示す液圧制御システムの第11実施例
のシステム構成図である。
【図29】図28に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図30】図1に示す液圧制御システムの第12実施例
のシステム構成図である。
【図31】図30に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図32】図1に示す液圧制御システムの第13実施例
のシステム構成図である。
【図33】図32に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【図34】図1に示す液圧制御システムの第14実施例
のシステム構成図である。
【図35】図34に示す液圧制御システムの作動条件を
表す機能説明図である。
【符号の説明】
10 ブレーキペダル 12 液圧制御システム 16 マスタシリンダ 20 液圧制御ユニット 22FL,22FR,22RL,22RR ホイルシリ
ンダ 28 モータ 32 バッテリ 38 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU) 40 回生モータ用電子制御ユニット(回生モータEC
U) 54 リザーバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 政司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中村 喜代治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大久保 勝康 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイルシリンダ圧を制御するブレーキ液
    圧制御装置において、 単一の液圧源とホイルシリンダとの導通状態を制御する
    比例制御弁を備えると共に、 前記液圧源がブレーキフルードをほぼ大気圧で貯留する
    リザーバタンクであることを特徴とするブレーキ液圧制
    御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレーキ液圧制御装置に
    おいて、 車両の運転状態に応じた目標制動トルクを求める目標制
    動トルク演算手段と、 車両の運転状態に応じた目標回生制動トルクを求める目
    標回生制動トルク演算手段と、 車両が備えるホイルシリンダが、前記目標制動トルクと
    前記目標回生制動トルクとの差分に相当する制動トルク
    を発生するようにホイルシリンダ圧を制御する液圧制御
    手段と、 を備えることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
JP8025610A 1996-02-13 1996-02-13 ブレーキ液圧制御装置 Pending JPH09216554A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7567042B2 (en) 2005-12-07 2009-07-28 Mando Corporation Regenerative braking method for vehicle having electric motor

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