JPH09212929A - 光磁気ディスク - Google Patents

光磁気ディスク

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JPH09212929A
JPH09212929A JP1622796A JP1622796A JPH09212929A JP H09212929 A JPH09212929 A JP H09212929A JP 1622796 A JP1622796 A JP 1622796A JP 1622796 A JP1622796 A JP 1622796A JP H09212929 A JPH09212929 A JP H09212929A
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JP
Japan
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protective layer
magneto
optical disk
fine particles
dust
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JP1622796A
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English (en)
Inventor
Atsushi Nakano
淳 中野
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浮上型磁気ヘッドの浮上高さを保護層から数
μm〜数十μm程度にした場合でも、ダストの影響を受
けずに安定な記録を行うことができ、オーバーライトが
可能であるとともに高い信頼性が得られる光磁気ディス
クを実現する。 【解決手段】 光磁気ディスクの保護層3表面に、Si
2等の微粒子4を散布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光磁気ディスクに関
し、特に浮上型磁気ヘッドを用いてダイレクトオーバー
ライト(データの重ね書き)を行うのに好適な光磁気デ
ィスクに関する。
【0002】
【従来の技術】光磁気記録方式は、磁性薄膜を部分的に
キュリー点または温度補償点を越えて昇温し、この部分
の保磁力を消滅させて外部から印加される記録磁界の方
向に磁化の向きを反転することを基本原理とするもの
で、光ファイルシステムやコンピュータの外部記憶装
置、あるいは音響、映像情報の記録装置等において実用
化されつつある。
【0003】この光磁気記録方式に用いられる光磁気デ
ィスクとしては、ポリカーボネート等からなる透明基板
の一主面に、膜面と垂直方向に磁化容易軸を有し、且つ
磁気光学効果の大きな記録磁性層(例えば希土類−遷移
金属合金非晶質薄膜)や反射層,誘電体層を積層するこ
とにより記録部を形成し、さらにこの記録部の腐食防
止、傷付き防止の目的で、記録部上に紫外線硬化樹脂等
よりなる保護層を覆う如く形成したものが知られてい
る。
【0004】このような光磁気ディスクに対して記録を
行うには、例えば基板側からレーザ光を照射するととも
に保護層側から外部磁界を印加することで、記録磁性層
の保磁力を局所的に減少させ、この保磁力が減少した領
域を外部磁界の方向に磁化する。この外部磁界の方向に
磁化された部分が記録ピットとなる。また、この記録ピ
ットは、レーザ光の偏光面が記録磁性層の磁気光学効果
によって回転するのを利用して検出する。
【0005】近年、このような光磁気ディスクに対して
は、コンピュータの扱うデータの増大に伴い、記録の大
容量化が求められている。また、映像情報のデジタル化
によって、記録の大容量化とともに高転送レート化、高
アクセス化への要求も高まっている。
【0006】ここで、光磁気ディスクの大容量化は、レ
ーザ光の短波長化等により順調に向上している。
【0007】一方、高転送レート化、高アクセス化につ
いては、例えば磁界変調記録方式でデータの重ね書き
(ダイレクトオーバーライト)を行う場合、ハードディ
スクにおいて既に多用されている浮上型磁気ヘッドでの
対応が試みられている。
【0008】高転送レート化、高アクセス化を図るに当
たって、例えばディスク面に直接摺動させる摺動型磁気
ヘッドを用いると、ディスクの回転が高速になるに伴っ
て摺動が不安定になり、安定化するためにはヘッドにか
ける荷重を大きくしなければならない。そうなると、ヘ
ッドとディスクの間の摩擦が増大し、ディスクの回転駆
動モーターに負担がかかるといった問題が生じる。
【0009】これに対して、浮上型磁気ヘッドは、高速
回転しているディスクとの間で生じる空気流を利用して
浮上させ、この浮上した状態で記録を行うものであり、
上述のような摺動摩擦の問題は回避される。この浮上型
磁気ヘッドでは、ディスク面に接触しない範囲でできる
だけ接近させて浮上させることにより、ディスクに与え
る磁界の大きさが大きくなり、ダイレクトオーバーライ
トが可能になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ハードディ
スクで浮上型磁気ヘッドを用いる場合、ヘッドの浮上高
さは0.1μm以下とされる。
【0011】一方、光磁気ディスクでは、比較的反りや
変形を有し易いプラスチック製の基板が汎用されてお
り、ヘッドの浮上高さを余り低くすると、ヘッドの追従
性が悪くなり、ヘッドがディスクに衝突するといったト
ラブルが発生する。このため、光磁気ディスクでは、ヘ
ッドの浮上高さを数μm〜数十μm程度にすることで、
このようなヘッドとの衝突を避けるようにしている。
【0012】しかしながら、ヘッドの浮上高さを数μm
〜数十μm程度にすると、ディスク表面に付着している
ダストが、ヘッドとの間に挟み込まれた状態になったと
きに、それが様々なダメージを誘発するといった問題が
ある。
【0013】すなわち、ハードディスクのようにヘッド
の浮上高さが0.1μm以下である場合、ディスクとヘ
ッドの間に挟まると考えられるのは、当然粒径が0.1
μm以下のダストである。しかし、このような微小なダ
ストは、ディスクの回転によって生じる風圧によって飛
ばされ易く、実際に、ディスクとヘッドの間に挟まるこ
とは殆どない。
【0014】一方、ヘッドの浮上高さが数μm〜数十μ
m程度であると、ディスクとヘッドの間に数十μm程度
のダストが挟まる可能性が生じてくる。このような大き
なダストは、ディスクが回転しても飛ばされずにディス
ク表面で保持されるので、実際に、ディスクとヘッドと
の間に挟み込まれ、様々なトラブルを誘発する。例え
ば、保護層表面にダストによって傷やクラックが生じた
り、ダストが保護層にめり込み、このめり込んだダスト
にヘッドが衝突することで鳴きが生じたりする。さら
に、ディスクとヘッドとの間にダストが挟み込まれてい
ると、ダストとディスク間の摩擦によってディスクの回
転駆動モータの回転数が低下するといった不都合も生じ
る。
【0015】特に、光磁気ディスクは、密閉されたドラ
イブ中で用いられるハードディスクと異なり、取り出し
可能(リムーバブル)な媒体として用いられることか
ら、ダストの付着する機会が非常に多い。加えて、ヘッ
ド浮上面となる保護層が、ダストの付着し易い紫外線硬
化樹脂よりなることもダストの付着を増大させる要因と
なり、ダストによるトラブルは深刻である。
【0016】このようなダストの対策として、保護層表
面に潤滑剤を保持させ、ダストが保護層表面で滑るよう
にすることも考えられている。しかし、この場合、ダス
トによる保護層への傷の発生数は減少するものの、ダス
トの形状によっては保護層表面に深い傷を発生させる可
能性がある。また、保護層表面に傷を発生させない代わ
りに、ダストからの圧力が、保護層膜を介して記録膜に
加わり、記録膜にダメージを与える結果となり、データ
破壊を誘発する等の致命的な欠陥につながる。
【0017】勿論、ヘッドの浮上高さを数十μmよりも
高くすれば、ディスクとヘッドの間にダストが挟み込ま
れるといった状況は避けられるが、それではオーバーラ
イトに必要な大きさの磁界を得るのが困難になり、高転
送レート化、高アクセス化に有利なオーバーライトの実
現が達成されない。
【0018】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、ヘッドの浮上高さを数μ
m〜数十μm程度に高くした場合でも、ダストの影響を
受けずに安定な記録を行うことができ、オーバーライト
が可能であるとともに高い信頼性が得られる光磁気ディ
スクを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明の光磁気ディスクは、透明基板上に少なくと
も記録磁性層が形成され、この記録磁性層上に保護層が
形成されてなる光磁気ディスクにおいて、上記保護層表
面に、微粒子が散布されていることを特徴とするもので
ある。
【0020】保護層表面に微粒子が散布されていると、
保護層上に粒径が数十μm程度のダストが付着した場合
でも、ディスクの回転風圧によってこのダストが容易に
吹き飛ばされる。また、保護層と浮上型磁気ヘッドとの
隙間にダストが入った場合にも、ダストがヘッドと衝突
することによって微粒子とともに瞬時に飛散する。
【0021】したがって、この光磁気ディスクでは、浮
上型磁気ヘッドの保護層からの浮上高さを数μm〜数十
μm程度に設定した場合でも、保護層と浮上型磁気ヘッ
ドとの間にダストが挟み込まれるといったことがなく、
ダストの影響を受けずに安定な情報記録が行われる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施の形態につ
いて説明する。
【0023】この実施の形態の光磁気ディスクは、図1
に示すように、透明基板1上に記録部2と、この記録部
を覆う如く保護層3が形成され、この保護層3上に微粒
子4が散布されて構成されている。この光磁気ディスク
では、図2に示すように、当該光磁気ディスク5を挟ん
で、ディスクの基板側に光学ピックアップ装置7が配置
され、保護層3側に浮上型磁気ヘッド6が配置され、こ
れら光学ピックアップ装置7と浮上型磁気ヘッド6によ
って情報の記録再生が行われる。
【0024】このような光磁気ディスクにおいて、基板
1は、厚さ数mm程度の円板状の透明基板であって、そ
の材質としては、アクリル樹脂,ポリカーボネート樹
脂,ポリオレフィン樹脂,エポキシ樹脂等のプラスチッ
ク材料の他、ガラス等も使用される。
【0025】なお、この基板1表面のうち、前記記録部
2を設ける側の表面には、通常は再生時に使用するレー
ザ光波長のおよそ4分の1の深さを持った案内溝や番地
符号ピット等(いずれも図示は省略する。)が設けられ
る。
【0026】記録部2は、少なくとも記録磁性層によっ
て構成される。なお、多重反射によるカー効果の増大や
記録磁性層の保護を目的として誘電体層や反射層を併用
するようにしても良い。この場合、記録部は、第1の誘
電体層,記録磁性層,第2の誘電体層,反射層の4層が
この順に積層されて構成される。
【0027】これらのうち、第1の誘電体層及び第2の
誘電体層としては、酸化物や窒化物等が使用可能である
が、誘電体層中の酸素が記録磁性層に悪影響を及ぼす虞
れがあることから窒化物がより好ましく、酸素および水
分を透過させず且つ使用レーザ光を十分に透過し得る物
質として窒化珪素あるいは窒化アルミニウム等が好適で
ある。
【0028】また、上記記録磁性層は、膜面に垂直な方
向に磁化容易方向を有する非晶質の磁性薄膜であって、
磁気光学特性に優れることは勿論、室温にて大きな保磁
力を持ち、且つ200℃近辺にキュリー点を持つことが
望ましい。このような条件に叶った記録材料としては、
希土類−遷移金属合金非晶質薄膜等が挙げられ、なかで
もTbFeCo系非晶質薄膜が好適である。この記録磁
性層には、耐蝕性を向上させる目的で、Cr等の添加元
素が添加されていてもよい。
【0029】反射層は、前記第2の誘電体層との境界で
レーザ光を70%以上反射する高反射率の膜により構成
することが好ましく、非磁性金属の蒸着膜が好適であ
る。また、この反射層は、熱的に良導体であることが望
ましく、入手の容易さや成膜の容易さ等を考慮すると、
アルミニウムが適している。
【0030】これらの各層は、蒸着やスパッタ等の,い
わゆる気相メッキ技術により形成される。このとき各層
の膜厚は任意に設定することができるが、通常は数百〜
数千オングストローム程度に設定される。これら膜厚
は、各層単独での光学的性質のみならず、組み合わせに
よる効果を考慮して決めることが好ましい。これは、例
えば記録磁性層の膜厚がレーザ光の波長に比べて薄い場
合に、レーザ光が記録磁性層を透過して各層境界で反射
した光と多重干渉し、膜厚の組み合わせにより記録磁性
層の実効的な光学及び磁気光学特性が大きく変動するた
めである。
【0031】このような記録部2上には保護層3が形成
される。この保護層3は、記録部2を外部からの衝撃か
ら保護するとともに大気中の水や酸素から隔離するため
に設けられるものであり、例えば紫外線硬化樹脂をスピ
ンコートすることで形成される。この紫外線硬化樹脂と
しては、防水性に優れることからアクリル系紫外線硬化
樹脂が好適である。
【0032】そして、特に、この実施の形態の光磁気デ
ィスクでは、浮上型磁気ヘッドの浮上面となる保護層3
の表面に微粒子4が散布される。
【0033】保護層3表面に微粒子4が散布されている
と、粒径が数十μm程度のダストが保護層上に付着した
場合でも、このダストが、ディスクの回転風圧によって
容易に吹き飛ばされる。また、保護層3と浮上型磁気ヘ
ッド6との隙間にダストが入った場合にも、ヘッドと衝
突することによって微粒子とともにダストが瞬時に飛散
する。
【0034】したがって、この光磁気ディスクでは、浮
上型磁気ヘッドの保護層からの浮上高さを数μm〜数十
μm程度に設定した場合でも、保護層と浮上型磁気ヘッ
ドとの間にダストが挟み込まれるといったことがなく、
ダストの影響を受けずに安定な情報記録が行われる。
【0035】保護層3表面に散布する微粒子4として
は、SiO2粒子、Al23粒子等の金属酸化物粒子、
カーボン粉末等が用いられる。
【0036】この微粒子4の粒径は、浮上型磁気ヘッド
6の最低浮上高さの1/3以下であるのが望ましい。微
粒子4の粒径がこの範囲よりも大きい場合には、微粒子
自身が保護層3とヘッド6との間に挟み込まれ、ディス
クにダメージを与える虞れがある。光磁気ディスクの場
合、ヘッドの最低浮上高さは通常6μm程度であり、こ
の場合には、粒径が2μm以下の微粒子を用いるのが望
ましい。
【0037】微粒子4が保護層表面に散布されたかたち
にするには、溶媒に微粒子を分散させて調製された微粒
子分散液を保護層表面に塗布すれば良い。塗布方法とし
ては、スピンコート方式、スタンプ方式、スプレー方式
等、いずれでも構わない。
【0038】また、微粒子分散液は、保護層3表面に潤
滑剤を塗布した後、この潤滑剤層の上から塗布しても良
い。これにより、微粒子が、保護層3表面に適度に付着
した状態になる。但し、それ自身に付着力のある微粒子
を用いる場合には、潤滑剤の併用は不要である。潤滑剤
を併用する場合、微粒子を分散させる溶媒には、潤滑剤
を溶解しないものを選択する必要がある。
【0039】保護層3表面に保持させる微粒子4の密度
は、0.05〜0.5mg/cm2以下とするのが望ま
しい。微粒子の密度がこの範囲を越える場合には、ダス
トとともに飛散した微粒子がレーザ光入射面となる基板
側に付着して信号劣化を引き起こし、エラーレートの増
加につながる虞れがある。また、微粒子の密度がこの範
囲を下回る場合には、微粒子を散布する効果が十分に得
られない。
【0040】
【実施例】本発明の具体的な実施例について実験結果に
基づいて説明する。
【0041】実施例1 透明基板上に、スパッタリング法によって第1のSi3
4誘電体膜、TbFeCo記録磁性膜、第2のSi3
4誘電体膜、Al反射膜を成膜し、4層構成の記録部を
形成した。そして、この記録部上にスピンコート法によ
って紫外線硬化樹脂を塗布、硬化することで平均膜厚1
0μmの保護層を形成した。次に、この保護層上にスピ
ンコート法によって0.1重量%の濃度のシリコン系潤
滑剤溶液(ジメチルシロキサン溶液)を塗布し、さらに
この上に粒径1μmのSiO2微粒子をエタノールに分
散させた微粒子分散液を塗布し、光磁気ディスク(直径
86mm)を作製した。なお、この微粒子の密度は0.
1mg/cm2である。
【0042】なお、保護層表面に保持させた微粒子は、
保護層を手で触れたり、布で擦ったりすると簡単に拭き
取られるが、ディスクを3000rpm程度の回転数で
回転させても吹き飛ばされず、適度に付着した状態にな
っていた。
【0043】比較例1 保護層表面に潤滑剤及び微粒子分散液を塗布しないこと
以外は実施例1と同様にして光磁気ディスクを作製し
た。
【0044】比較例2 保護層表面に潤滑剤は塗布するが、微粒子分散液は塗布
しないこと以外は実施例1と同様にして光磁気ディスク
を作製した。
【0045】比較例3 保護層を、微粒子が予め添加された紫外線硬化樹脂を用
いて形成し、保護層表面に潤滑剤及び微粒子分散液を塗
布しないこと以外は実施例1と同様にして光磁気ディス
クを作製した。
【0046】以上のようにして作製された各種光磁気デ
ィスクを測定ドライブに装着した。なお、この測定ドラ
イブでは、ディスクの保護層側に浮上型磁気ヘッドが配
置され、基板側に光学ピックアップ装置が配置されてい
る。
【0047】そして、このディスクを2400rpmの
回転数で回転させ、浮上走行している磁気ヘッドの空気
流入側よりダストを振りかけ、ダストによるトラブル
(モータの回転数低下、ディスクの傷及びクラック)の
発生状況を調べた。その結果を表1に示す。
【0048】なお、浮上型磁気ヘッドは、ディスク径方
向の寸法が5mm,回転方向の寸法が6mmのスライダ
ーに磁気ヘッドが搭載されたものを使用した。この浮上
型磁気ヘッドは、ディスクが2400rpmの回転数で
回転することによって6μm以上の浮上高さをもって浮
上走行する。また、ダストとしては、直径20〜50μ
m、長さ500〜1000μmの円柱状を呈するコット
ンリンタを使用した。
【0049】
【表1】
【0050】表1に示すように、保護層表面に潤滑剤,
微粒子分散液のいずれも塗布していない比較例1の光磁
気ディスク、潤滑剤は塗布しているが、微粒子分散液を
塗布していない比較例2の光磁気ディスクは、保護層表
面に付着したダストによって様々なトラブルが発生す
る。
【0051】また、保護層に直接微粒子を内添した比較
例3の光磁気ディスクも、他の比較例系のディスクで生
じたヘッドの貼り付きは防止されるものの、やはりダス
トによるトラブルは発生する。また、この比較例3の光
磁気ディスクは、高温高湿下での保存試験において記録
膜の劣化が見られた。
【0052】これに対して、保護層表面に潤滑剤を塗布
し、この上に微粒子分散液を塗布した実施例1の光磁気
ディスクは、ダストが微粒子とともに容易に吹き飛ばさ
れ、ダストによるトラブルが防止される。
【0053】このことから、光磁気ディスクにおいて、
保護層表面に微粒子を散布することは、保護層上に付着
したダストによるトラブルを防止する上で有効であるこ
とがわかった。
【0054】微粒子の粒径の検討 保護層表面に保持させる微粒子の粒径を、10μm以下
の範囲で変化させたこと以外は実施例1と同様にして光
磁気ディスクを作製した。
【0055】そして、これら各種光磁気ディスクを、測
定ドライブに装着し、浮上型磁気ヘッドに伝わる衝撃力
を測定した。微粒子の粒径とヘッドに伝わる衝撃力の関
係を図3に示す。
【0056】図3からわかるように、微粒子の粒径が2
μm以下の範囲、すなわちヘッドの最低浮上高さの1/
3以下である場合には、ヘッドに衝撃はほとんど伝わら
ない。しかし、微粒子の粒径が2μmを越えると、ヘッ
ドに衝撃力が伝わるようになり、この衝撃力は微粒子の
粒径が大きくなるのに伴って増大する。これは、微粒子
が、ディスクとヘッドの間に挟み込まれ、ディスクにダ
メージを与えるようになるからである。
【0057】このことから、保護層表面に散布する微粒
子の粒径は、ヘッドの最低浮上高さの1/3以下とする
のが望ましいことがわかった。
【0058】微粒子の密度の検討 保護層表面に散布する微粒子の密度を5mg/cm2
下の範囲で変化させたこと以外は実施例1と同様にして
光磁気ディスクを作製した。
【0059】そして、これら各種光磁気ディスクを、測
定ドライブに装着し、上述と同様の条件でディスクにダ
ストを振りかけ、信号再生時のエラーレートを測定し
た。微粒子の密度とエラーレートの関係を図4に示す。
【0060】図4からわかるように、微粒子の密度が
0.5mg/cm2以下の範囲では、エラーレートが1
-6と一定値で抑えられる。しかし、微粒子の密度が
0.5mg/cm2を越えると、この密度の増大に伴っ
てエラーレートが増大するようになる。これは、ダスト
とともに飛散した微粒子がレーザ入射面となる基板側に
付着するからである。
【0061】このことから、保護層表面に保持させる微
粒子の密度は、0.5mg/cm2以下とするのが良い
ことがわかった。
【0062】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光磁気ディスクでは、保護層表面に微粒子が散布さ
れているので、粒径が数十μm程度のダストが保護層上
に付着した場合でも、このダストがディスクの回転とと
もに容易に吹き飛ばされる。このため、ヘッドの浮上高
さを保護層から数μm〜数十μm程度に設定した場合で
も、ダストの影響を受けずに安定な情報信号の記録を行
うことが可能である。
【0063】したがって、浮上型磁気ヘッドを用いたダ
イレクトオーバーライトが可能であり、光磁気ディスク
の高アクセス化、高転送レート化に大いに貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光磁気ディスクの一構成例を
示す断面図である。
【図2】上記光磁気ディスクと、浮上型磁気ヘッド及び
光学ピックアップ装置の位置関係を示す斜視図である。
【図3】光磁気ディスクの保護層表面に保持させた微粒
子の粒径と、浮上型磁気ヘッドに加わる衝撃力の関係を
示す特性図である。
【図4】光磁気ディスクの保護層表面に保持させた微粒
子の密度と、エラーレートの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 記録部 3 保護層 4 微粒子 6 浮上型磁気ヘッド 7 光学ピックアップ装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に少なくとも記録磁性層が形
    成され、この記録磁性層上に保護層が形成されてなる光
    磁気ディスクにおいて、上記保護層表面に、微粒子が散
    布されていることを特徴とする光磁気ディスク。
  2. 【請求項2】 微粒子の粒径が、2μm以下であること
    を特徴とする請求項1記載の光磁気ディスク。
  3. 【請求項3】 保護層表面での微粒子の散布量が、0.
    5mg/cm2以下であることを特徴とする請求項1記
    載の光磁気ディスク。
  4. 【請求項4】 微粒子が、SiO2粒子であることを特
    徴とする請求項1記載の光磁気ディスク。
  5. 【請求項5】 保護層側に配置された浮上型磁気ヘッド
    によって磁界が印加されることを特徴とする請求項1記
    載の光磁気ディスク。
JP1622796A 1996-01-31 1996-01-31 光磁気ディスク Withdrawn JPH09212929A (ja)

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