JPH09211208A - 光拡散板 - Google Patents

光拡散板

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JPH09211208A
JPH09211208A JP8020062A JP2006296A JPH09211208A JP H09211208 A JPH09211208 A JP H09211208A JP 8020062 A JP8020062 A JP 8020062A JP 2006296 A JP2006296 A JP 2006296A JP H09211208 A JPH09211208 A JP H09211208A
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JP
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light
sheet
light diffusing
layer
refractive index
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Application number
JP8020062A
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English (en)
Inventor
Shuji Yano
周治 矢野
Eizo Kawano
栄三 川野
Yozo Nagai
陽三 長井
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透過する光の方向を修正することにより、面光
源の正面輝度を高くすることのできる光拡散板を提供す
る。 【解決手段】透明の基材シートの一面に、透明樹脂に微
粒子を分散させてなる光拡散層が積層形成された光拡散
板であって、基材シートと光拡散層の間に、基材シート
よりも屈折率が高い透明な高屈折率層を形成するように
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
のバックライト,照明器具,電飾看板,背面投影スクリ
ーン等に用いられる光拡散板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、パソコン,ワープロ,液晶テ
レビ等のような液晶を使用する薄型表示装置は、液晶自
体が発光しないため、この液晶表示画面を裏面側から照
射するバックライトが使用されている。このバックライ
トは、液晶表示画面全体を均一に照射させる必要があ
り、例えば、NIKKEI MATERIAL & TECHNOLOGY 1993.12,N
o.136 第34頁〜第38頁に示されているような、サイドラ
イト型,直下型もしくは楔型の面光源装置が採用されて
いる。
【0003】上記サイドライト型の面光源装置は、図6
に示すように、導光板21と、この導光板21の両側の
光入射端面に配設される光源20と、上記導光板21の
裏面側に配設されこの導光板21の裏面から出射しよう
とする光を反射させる反射板22と、上記導光板21の
光出射面から出射される光を拡散させ、照射面の輝度を
均一にする光拡散板23と、この光拡散板23を通過し
た光が正面方向に集まるように上記光拡散板23上に配
設される集光シート24とを備えている。この集光シー
ト24は、表面にプリズム状もしくはウェーブ状の凹凸
が多数並んだシート状や、表面に多数の微小レンズが並
んだシート状に形成され、光拡散板23を通過した出射
光を正面方向に集め、照射面の輝度を高めるようになっ
ている。そして、上記光拡散板23の表面側に、1枚も
しくは2枚重ねで配設され使用される。
【0004】この装置では、光源20の光を導光板21
の光入射端面から入射させ、この入射光を導光板21の
全体に均一に伝播させて光出射面全体から出射させ、光
拡散板23による拡散と集光シート24による集光のの
ち、集光シート24の上側に配設される液晶表示画面
(図示せず)を均一に照射することが行われる。図にお
いて、25は光源20の光を導光板21側に反射させる
反射カバーである。
【0005】また、車載用の表示装置等のように薄型に
する必要がない場合には、図7に示すように、導光板2
1を使用せず、光拡散板23aと反射板22aとの間に
空気層26を設け、この空気層26内に光源20aを配
設した直下型方式のものも用いられる。
【0006】さらに、導光板を用いることなく薄型化と
軽量化および低コスト化を図ったものとして、図8に示
すような楔型の面光源装置も提案されている。このもの
は、上面開放状で底面の一側部分が徐々にせり上がった
状態に形成された樹脂ケース27と、この樹脂ケース2
7の上面に配設され、上記樹脂ケース27との間に空気
層26を形成する光拡散板23bと、上記樹脂ケース2
7内の他側部に収容される光源4とから構成され、全体
として楔型に形成されている。そして、上記樹脂ケース
27の底面に多数のエンボス(乱反射層)27aが形成
されて、光源4の光を空気層26内で乱反射させ、光拡
散板23bの光出射面全体から出射させるようにしたも
のである。図において、28は反射板である。
【0007】上記のような面光源装置に用いられる光拡
散板23としては、例えば、特開平6−59108号公
報,特開平7−209502号公報,特開平7−216
328号公報,登録実用新案公報−第3010871号
等において提案されているように、透明樹脂フィルムか
らなる基材シートの表面に、透明樹脂バインダーに有機
もしくは無機の微粒子を分散させた光拡散層を形成した
もの等が使用されている。この光拡散板23により、上
記光拡散層を通過する光を拡散,散乱させ、光出射面の
輝度を均一にするようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】最近では、例えばノー
ト型パソコン等に用いられる面光源装置のように、小型
化,薄型化へのニーズが高くなっている。また、低消費
電力化を図り、電池消費を低減させるために、光出射面
を高輝度化させることも望まれている。ところが、上述
の導光板方式(サイドライト型)の面光源装置では、一
般に、光出射面に対する角度の違いによる輝度分布に難
点があり、およそ法線方向から70°付近の角度におい
てピークを有する場合が多く、正面輝度が不足する傾向
がある。しかしながら、従来の光拡散板は、光を拡散さ
せるという機能においては充分な性能を発揮するもの
の、導光板からの出射光の方向を修正して集光すること
まではできないため、液晶ディスプレー等に使用した場
合に、正面輝度が不足する傾向があるという問題があっ
た。この問題の解決を図るため、光拡散板23を複数枚
重ねて使用し、出射光の拡散度合いを大きくして輝度分
布を均一にしたり、あるいは、集光シート〔例えば、プ
リズムシート(商品名:BEF90,3M社製)等〕を
1枚〜2枚使用し、出射光がなるべく法線方向を向くよ
うに修正して使用したりすることが行われている。
【0009】また、特に、最近の薄型化,軽量化に対応
する楔型の導光板や、板厚が2mm以下の薄い導光板を
使用した薄型のサイドライト型面光源装置では、光出射
面に対する角度の違いによる輝度分布は、法線方向から
85°以上の位置でピークを示し、正面から大きくずれ
ている。このような場合には、集光シートを2枚重ねで
使用したとしても、輝度のピークを法線方向に近づける
ことができず、正面輝度が不足するという問題があっ
た。
【0010】このように、従来の光拡散板を使用した面
光源装置では、充分な正面輝度を得るために集光シート
等を使用しなければならないため、部品点数が多くな
り、コストアップの原因になるほか、面光源装置自体の
厚みもそれだけ厚くなって薄型化,軽量化のニーズに応
えることができない。しかも、光が多くの部材を透過す
ることになり、光の損失が増加して光利用効率が低下
し、光出射面の輝度も低下するという問題もある。この
ため、正面輝度の不足や光損失分を見込んだ電力消費の
大きな光源を使用する必要がある等、電池消費を低減さ
せるというニーズにも応えることができないものであっ
た。
【0011】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、透過する光の方向を修正することにより、面光
源の正面輝度を高くすることのできる光拡散板の提供を
その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の光拡散板は、透明の基材シートの一面に、
透明樹脂に微粒子を分散させてなる光拡散層が積層形成
された光拡散板であって、基材シートと光拡散層の間
に、基材シートよりも屈折率が高い透明な高屈折率層を
形成したという構成をとる。
【0013】すなわち、本発明者らは、光拡散板自体
に、集光シートのような出射光の方向を修正する機能を
もたせることを目的として一連の研究を重ねる過程で、
ある屈折率をもった媒質から、異なった屈折率をもった
媒質に対して斜めに入った光線が、その二つの媒質の境
界面で進行方向を変えて曲がるという性質に着目した。
そして、基材シートと光拡散層の間に、基材シートより
も屈折率が高い高屈折率層を形成することにより、基材
シートと高屈折率層との屈折率の違いにより、光拡散板
に斜めに入射した光線が光拡散板を透過する際に、法線
方向に近づくように進行方向を変えて曲がり、光拡散板
自体に、出射光の方向を修正する機能をもたせることが
できることを突き止め、本発明に到達した。
【0014】すなわち、本発明では、基材シートと光拡
散層の間、すなわち基材シートの光出射側面に、基材シ
ートよりも屈折率が高い高屈折率層を形成している。
【0015】一般に、ある屈折率Nを持った媒質から、
異なった屈折率N’を持った媒質に光が入射するとき
の、入射角θと屈折角(出射角)θ’との関係は、下記
の式(1)で表される。この関係の説明図を図5に示
す。
【0016】
【数1】Nsinθ=N’sinθ’ …(1)
【0017】ここで、基材シートの屈折率をN,高屈折
率層の屈折率をN’とすると、本発明では、N’>Nで
あるから、上記式(1)より、下記の式(2)の関係が
導出される。
【0018】
【数2】 N’/N=sinθ/sinθ’>1 …(2)
【0019】すなわち、上記式(2)より、本発明で
は、sinθ>sinθ’およびθ>θ’の関係が成立
することになる。このため、基材シートに対して入射角
θで斜めに入射した光は、高屈折率層との界面(屈折
面)で屈折して方向を変えられ、上記入射角θよりも小
さい出射角θ’で出射するようになる。したがって、光
拡散板に対して斜めに入射した出射光は、法線方向との
なす角度が、入射光よりも小さくなるように方向を変え
て曲げられて出射する。したがって、光拡散板を透過す
る光は、全体として法線方向に近づくように曲げられ、
法線方向の輝度(正面輝度)が向上する。このように、
光拡散板自体に透過する光の方向を修正する機能をもた
せることができるのである。
【0020】また、本発明において、光拡散板の少なく
とも片面に反射防止処理を施した場合には、光拡散板を
透過する際の光の反射損失を低減させ、光利用効率を向
上させることができることから、光出射面の輝度を一層
向上させることができるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0022】本発明の光拡散板は、透明の基材シートの
一面に、透明樹脂に微粒子を分散させてなる光拡散層が
積層形成された光拡散板であって、基材シートと光拡散
層の間に、基材シートよりも屈折率が高い透明な高屈折
率層を形成したものである。
【0023】上記基材シートの材質としては、光学的透
明性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレンテ
レフタレート,ポリエステル,ポリエーテルサルフォ
ン,ポリカーボネート,ポリ(メタ)アクリレート,ポ
リメチルメタクリレート,ポリスチレン,ポリ塩化ビニ
ル等のホモポリマー、または、スチレン−アクリロニト
リル共重合体(AS樹脂),スチレン−メタクリル酸メ
チル共重合体(MS樹脂),ポリ−4−メチルペンテン
−1,ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等
上記樹脂のモノマーと共重合可能なモノマーとのコポリ
マー、ガラス等があげられるが、これらに限るものでは
なく、各種のものが用いられる。これらの中でも、特
に、ポリエチレンテレフタレートは、不純物が少なく透
明性も高いうえに安価であるため、最も好適に用いられ
る。また、この基材シートの厚みとしては、特に限定す
るものではないが、用途や作業性を考慮すれば、50μ
m〜200μm程度に設定することが好ましい。
【0024】上記光拡散層に用いられる透明樹脂として
は、アクリル系樹脂,ポリエステル樹脂,ポリ塩化ビニ
ル,ポリウレタン,シリコーン樹脂等各種の樹脂が用い
られるが、透明であれば、特に限定するものではない。
また、これらの樹脂の重合性モノマーも使用可能であ
る。
【0025】上記微粒子としては、透明のものが用いら
れ、シリコーン樹脂粒子,アクリル樹脂粒子,ナイロン
樹脂粒子,ウレタン樹脂粒子,スチレン樹脂粒子,ポリ
エチレン樹脂粒子,シリカ粒子,ポリエステル樹脂粒子
等各種のものが用いられる。これらの微粒子は、1種類
でもしくは2種類以上が混合されて使用される。上記微
粒子の透明樹脂に対する配合部数としては、特に限定さ
れるものではないが、光透過率を確保しつつ充分な光拡
散性を得るという観点から、透明樹脂100重量部に対
して、5重量部〜150重量部程度が好ましく、60重
量部〜100重量部であればより好ましい。また、上記
微粒子の粒径は特に限定されるものではないが、通常、
平均粒径1μm〜70μm、好ましくは15μm〜50
μmである。また、上記微粒子として、球状の微粒子を
使用した場合には、それぞれの球状微粒子が一種のレン
ズとして作用し、一層効果的な光拡散効果を持たせるこ
とができる。上記球状微粒子は、真球状であれば特に効
果的である。
【0026】基材シート特徴的構成と光拡散層の間に形
成される高屈折率層としては、透明な無機物層もしくは
透明な有機物層があげられる。
【0027】上記無機物層を形成する無機物としては、
例えば、酸化チタン,酸化マグネシウム,酸化インジウ
ム,酸化ジルコニウム等をあげることができるが、基材
シートよりも屈折率が高い物質で、透明性を有するもの
であれば、特に限定されるものではない。
【0028】上記無機物層を形成させる方法としては、
例えば、真空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレー
ティング法,イオンビームアシスト蒸着法,CVD法等
の真空処理、または、リバースロールコーター法,グラ
ビアコーター法,バーコーター法,コンマコーター法,
スプレー法等があげられる。これらの方法により、基材
シートの表面に上記無機物層が形成される。この無機物
層の厚みとしては、特に限定されないが、透明性が確保
され、生産性を考慮すると、10nm〜10μm程度に
設定することが好ましく、100nm〜5μmであれ
ば、さらに好ましい。
【0029】上記有機物層を形成する有機物としては、
例えば、ポリビニルナフタレン,ポリペンタブロモフェ
ニルメタクリレート,ポリビニルカルバゾール等の芳香
族環と、塩素,ヨウ素,臭素等で変成した透明な高屈折
率樹脂を上げることができるが、基材シートよりも屈折
率が高い物質で、透明性を有するものであれば、特に限
定されるものではない。
【0030】上記有機物層を形成させる方法としては、
例えば、液状のものを塗布するのであれば、リバースロ
ールコーター法,グラビアコーター法,バーコーター
法,コンマコーター法,スプレー法,ディッピング法等
各種の方法があげられる。これらの方法により、基材シ
ートの表面に上記各有機物層が形成される。この有機物
層の厚みとしては、特に限定されないが、透明性が確保
され、生産性を考慮すると、1μm〜50μm程度に設
定することが好ましく、5μm〜30μmであれば、さ
らに好ましい。
【0031】本発明の光拡散板を製造する場合には、ま
ず、基材シートの表面に、透明の高屈折率層を形成さ
せ、この高屈折率層の上に光拡散層を形成させる。
【0032】上記光拡散層を形成させる場合には、上記
透明樹脂を適当な配合部数で溶剤中に溶解し、この溶解
液に微粒子を混合分散させた混合分散溶液を、基材シー
トの表面に塗工したのち乾燥固化させることが行われ
る。
【0033】上記溶剤としては、トルエン,メチルエチ
ルケトン,キシレン,シクロヘキサン,酢酸エチル等各
種のものが用いられる。これらは、一種類でもしくは二
種類以上が混合されて用いられる。また、透明樹脂と溶
剤の配合部数としては、特に限定されるものではなく、
塗工方法や作業性,溶剤の種類等により最適な配合部数
に設定されるが、透明樹脂100重量部に対して溶剤5
0重量部〜200重量部程度が好ましく,より好ましく
は100重量部〜150重量部程度である。
【0034】上記混合分散溶液に対しては、イソシアネ
ート,エポキシ樹脂,メチロール化メラミン樹脂,メチ
ロール化尿素樹脂,金属塩,金属水酸化物等の架橋剤、
グアニジン誘導体,含リン酸陰イオン活性剤,スルホン
サン類,第四アンモニウム塩,ピリジニウム塩,イミダ
ゾリン誘導体,モルホリン誘導体,ポリオキシエチレン
−アルキルフェノール,アルキルアミドエーテル,ソル
ビタン脂肪酸エステル等の帯電防止剤、シランカップリ
ング剤等の副成分が一種類もしくは二種類以上混合され
て配合されていてもよい。
【0035】高屈折率層が形成された基材シート表面へ
の上記混合分散溶液の塗布方法としては、コンマダイレ
クト法,ロールコート法,ディッピング法,ナイフコー
ト法,カーテンフロー法,スプレーコーティング、スピ
ンコーティング,ラミネート法等各種の方法が行われる
が、特に限定されるものではなく、溶剤や微粒子の配合
部数や、混合分散溶液の粘度,目的とする光拡散層の厚
さ,基材シートの表面状態等によって最適なものを選ん
で行う。
【0036】また、基材シート表面に塗工された混合分
散溶液の乾燥方法としては、特に限定されるものではな
く、自然乾燥,熱風加熱乾燥,真空乾燥等各種の方法が
行われる。
【0037】上記のようにして形成された光拡散層の厚
みは、光拡散性と光透過率とのバランスから決定され、
5μm〜100μm程度が好ましく、30μm〜75μ
mであればさらに好ましい。上記のような光拡散層は、
透明樹脂と微粒子の組み合わせとして、屈折率の値が近
くなるような組み合わせとすることが好ましい。このよ
うにすることにより、透明樹脂と微粒子との界面での光
の反射が抑制され、界面反射による光の損失が低減する
結果、光拡散層の光透過率が向上する。
【0038】上記光拡散板は、このまま使用してもよい
が、さらに光損失を抑えるため、光の入射側面もしくは
出射側面に、反射防止処理を施して使用してもよい。こ
の反射防止処理としては、基材シート表面に微小凹凸を
形成することによるエンボス処理や、反射波の光干渉を
利用した基材シート表面への薄膜形成処理等があげられ
る。上記薄膜形成処理としては、例えば、酸化ケイ素,
酸化亜鉛等の金属酸化物,MgF2 ,シリコーン樹脂,
溶剤可溶性フッ素樹脂(例えば,商品名:サイトップ,
旭硝子社製)等の薄膜を、上記基材シートの表面に形成
させることが行われる。
【0039】上記金属酸化物,MgF2 等の薄膜は、例
えば、スパッタ蒸着法,真空蒸着法,CVD法,ゾル−
ゲル法等各種の方法により形成される。これらのなかで
も、ゾル−ゲル法は、シリカ等からなるゾル溶液を塗布
したのち、乾燥ゲルとし、この乾燥ゲルを加熱し脱水縮
合させて酸化ケイ素層等を得るものであり、コスト面等
から最も好適である。特に、低温乾燥ののち、紫外線等
を照射して生成膜を硬化させる光アシストによるゾル−
ゲル法によれば、処理温度が低いため、さらに好まし
い。上記ゾル−ゲル法におけるゾル溶液の塗布方法とし
ては、ロールコート法,ディッピング法,スプレーコー
ティング,スピンコーティング,ラミネート法,掛け流
し法等各種の方法が行われる。
【0040】また、シリコーン樹脂,溶剤可溶性フッ素
樹脂等の薄膜は、例えば、これらの溶液をロールコート
法,ディッピング法,スプレーコーティング,スピンコ
ーティング,ラミネート法,掛け流し法等の各種の方法
で塗布後、乾燥させることにより形成される。
【0041】上記のようにして形成された反射防止層の
屈折率は、光拡散板の基材シートの屈折率よりも低くす
ることにより、基材シート表面での反射を有効に防止す
ることができる。すなわち、一般に、入射光が垂直に入
る場合であれば、空気の屈折率を1.0、基材シートの
屈折率をnとすると、反射防止層の屈折率がnの平方根
であるときに理想的な無反射条件が満足される。したが
って、例えば、基材シートがポリエチレンテレフタレー
ト(屈折率:1.58)製のものであれば、反射防止層
の屈折率は、1.26が理想的であり、これに近い屈折
率であるほど、低反射が実現できる。また、反射防止層
の膜厚は、光の波長の4分の1の厚さであるときに、理
想的な無反射条件を満足する。
【0042】上記光拡散板は、例えば、図1に示すよう
な楔型の導光板を使用した面光源装置に組み込まれて使
用される。すなわち、図において、11は一側が徐々に
薄くなった板状に形成された楔型の導光板、3は上記楔
型の導光板11の下面に貼着され導光板11の裏面から
出射しようとする光を反射させる反射板、1は上記導光
板11の光出射面側に配設される光拡散板、4は上記導
光板2の光入射端面から光を入射させる冷陰極管等の光
源、5は上記光拡散板1の光出射面側に配設され集光作
用等を持たせる2枚の集光シートである。また、9は上
記光源4の光線を反射させて導光板2の光入射端面から
入射させる反射カバーである。
【0043】ここで、上記面光源装置に用いる導光板1
1の材質としては、透明度の高い材質が好適に用いられ
る。例えば、アクリル樹脂,メタクリル樹脂,ポリエス
テル樹脂,ポリカーボネート,ポリスチレン,ポリエチ
レンテレフタレート,スチレン−アクリロニトリル共重
合体(AS樹脂),スチレン−メタクリル酸メチル共重
合体(MS樹脂),ポリ−4−メチルペンテン−1,塩
化ビニル樹脂,ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート,ガラス等各種のものが用いられる。
【0044】上記光拡散板1は、図3に示すように、基
材シート7の表面(光出射側面)に、高屈折率層10が
形成され、この高屈折率層10の表面に、透明樹脂6a
および微粒子6bからなる光拡散層が形成されて構成さ
れている。
【0045】上記構成において、光源4で発生した光
は、導光板11の光入射端面から導光板11内に入射す
る。このとき、光は、光源4から直接入射したり、ある
いは、反射カバー9で反射した光が入射したりする。こ
の入射光は、導光板11内を通過し、その一部が光出射
面側から出射しながら導光板11内を通過して光源4が
設けられた光入射端面と反対側の端面に向かって進行す
る。これにより、光出射面全体が発光するようになって
いる。上記導光板11の光出射面からの出射光は、光拡
散板1によって拡散されたのち集光シート5によって集
光され、液晶表示画面(図示せず)を照射する。上記楔
型の導光板11は、光源4が設けられた光入射端面と反
対側の、光の届きにくい部分の厚みが、徐々に薄くなる
ように形成されていることから、光出射面の輝度が均一
になるという利点がある。
【0046】そして、上記光拡散板1を光が通過する際
に、基材シート7と高屈折率10との界面で、光の屈折
が生じ、斜めに入射した光が法線方向とのなす角度を小
さくするように方向を変える。そして、上記光拡散板1
の光拡散層6を通過する際に、微粒子の作用によって光
が拡散されて液晶表示画面(図示せず)を均一に照射す
る。
【0047】また、上記光拡散板は、図2に示すよう
に、板状の導光板2を使用した面光源装置に組み込んで
使用することもできる。この装置は導光板の形状が異な
る以外は、図1に示す装置と同様であり、同一部分には
同一符号を付している。この面光源装置において、板状
の導光板2の四辺の端面のうちの一辺に光源4を配設し
た場合には、この光源4が配設されていない他の三辺に
は、裏面に配設したものと同様の反射板3を配設するこ
とが望ましい。このようにすることにより、導光板2の
端面からの光線漏れがなくなり、光利用効率がさらに向
上する。この装置でも、図1の装置と同様の作用,効果
を奏する。
【0048】なお、上記両面光源装置において、光拡散
板1の上側に配設したプリズムシート等の集光シート5
を除去して使用することもできる。
【0049】また、上記両面光源装置では、導光板2を
楔型もしくは板状に形成したが、これに限定するもので
はなく、直方体等所望の導光体形状に成形することがで
きる。また、使用する光源4も、線状の線光源に限ら
ず、点光源でもよく、所望の光源4を使用することがで
きる。さらに、光源4の位置も、一個所に限られるもの
ではなく、複数個所に設けるようにしてもよい。また、
上記面光源装置は、液晶ディスプレイ照射用のバックラ
イトに適用したが、これに限定するものではなく、直下
型方式の面光源装置をはじめ、その他の面光源装置すべ
てに応用することができる。
【0050】また、本発明の光拡散板1は、上述したよ
うな面光源装置における光拡散フィルムとしてだけでな
く、照明器具,電飾看板,背面投影スクリーン等各種の
機器の光をコントロールする光コントロールフィルムと
しても使用することができる。この場合にも、透過する
光を拡散させるとともに出射方向を修正し、正面輝度を
向上させるという効果を奏する。
【0051】図4は上記光拡散板1の光拡散層6を形成
させていない片面に、反射防止層8を形成させた光拡散
板1aを示す。このものでは、光拡散板1aに反射防止
層8側から入射する光の、光入射面での反射損失が少な
くなるため、光透過効率が一層向上する。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の光拡散板によれ
ば、光拡散板自体に出射光の方向を修正する機能をもた
せることができ、面光源の正面輝度を向上させることが
できる。したがって、従来と同程度の正面輝度の面光源
を、低消費電力で得ることができるようになり、電池消
費を低減させることができる。また、集光シート等を用
いなくても、ある程度の正面輝度を得ることができるよ
うになるため、部品点数を減らすことができ、コストダ
ウンに貢献するとともに、小型化,薄型化へのニーズに
も応えることができる。しかも、光が透過する部材を少
なくすることができるため、光の損失がそれだけ減少
し、光利用効率が向上するという効果を奏する。
【0053】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0054】
【実施例】
厚み:75μmのポリエステルフィルム(商品名:ルミ
ラーT56,屈折率:1.59,東レ社製)を基材シー
トとし、この片面に、高屈折率層として、真空蒸着法に
より、酸化チタン(屈折率:2.3)を100nm蒸着
し、この高屈折率層の上に、透明樹脂として、ポリエス
テル系樹脂(商品名:バイロン630,固形分:30
%,東洋紡績社製)100重量部に対して、微粒子とし
て、ポリスチレン球状粒子(商品名:テクポリマーSB
X−17,積水化成品工業社製)を60重量部添加した
混合分散溶液を乾燥膜厚が30μmになるように塗布し
て乾燥固化させ、光拡散板を得た。
【0055】このようにして作製した光拡散板を、出射
光の輝度が、法線方向に対して85°の角度にピークを
有する楔型の導光板を用いた面光源装置(図1参照)の
上面に設置し、さらにその上に、プリズムシートを、集
光方向が互いに直交するように2枚重ねて配設し、バッ
クライトユニットを得た。このバックライトユニットか
らの、出射光の角度による輝度分布を測定した結果、出
射光のピークは法線方向にあり、正面輝度は2030c
d/m2 であった。
【0056】
【比較例】
厚み:75μmのポリエステルフィルム(商品名:ルミ
ラーT56,屈折率:1.59,東レ社製)を基材シー
トとし、この片面に、高屈折率層を形成させず、透明樹
脂として、ポリエステル系樹脂(商品名:バイロン63
0,固形分:30%,東洋紡績社製)100重量部に対
して、微粒子として、ポリスチレン球状粒子(商品名:
テクポリマーSBX−17,積水化成品工業社製)を6
0重量部添加した混合分散溶液を乾燥膜厚が30μmに
なるように塗布して乾燥固化させ、光拡散板を得た。
【0057】このようにして作製した光拡散板を、出射
光の輝度が、法線方向に対して85°の角度にピークを
有する楔型面光源装置の上面に設置し、さらにその上
に、プリズムシートを、集光方向が互いに直交するよう
に2枚重ねて配設し、バックライトユニットを得た。こ
のバックライトユニットからの、出射光の角度による輝
度分布を測定した結果、出射光のピークは法線方向から
10°ずれた方向にあり、正面輝度は1980cd/m
2 であった。
【0058】上記実施例および比較例からわかるとお
り、実施例は、出射光が法線方向に近づくように修正さ
れ、高い正面輝度が得られることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光拡散板が使用される面光源装置を示
す説明図である。
【図2】本発明の光拡散板が使用される他の面光源装置
を示す説明図である。
【図3】本発明の光拡散板を示す断面図である。
【図4】反射防止層を形成した光拡散板を示す断面図で
ある。
【図5】光の屈折状態を示す説明図である。
【図6】従来例の面光源装置を示す説明図である。
【図7】他の従来例の面光源装置を示す説明図である。
【図8】その他の従来例の面光源装置を示す説明図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明の基材シートの一面に、透明樹脂に
    微粒子を分散させてなる光拡散層が積層形成された光拡
    散板であって、基材シートと光拡散層の間に、基材シー
    トよりも屈折率が高い透明な高屈折率層を形成したこと
    を特徴とする光拡散板。
  2. 【請求項2】 光拡散板の少なくとも片面に反射防止処
    理を施した請求項1記載の光拡散板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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