JPH09211124A - 車間距離検出用可動型レーダ装置 - Google Patents

車間距離検出用可動型レーダ装置

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JPH09211124A
JPH09211124A JP1770996A JP1770996A JPH09211124A JP H09211124 A JPH09211124 A JP H09211124A JP 1770996 A JP1770996 A JP 1770996A JP 1770996 A JP1770996 A JP 1770996A JP H09211124 A JPH09211124 A JP H09211124A
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inter
distance
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JP1770996A
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Hirobumi Higashida
博文 東田
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Denso Ten Ltd
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Denso Ten Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーブ等で一時的にターゲット車をロストし
た場合や、割込み車両があったような場合に迅速にター
ゲット車を検出する。 【解決手段】 (a)に示すような曲線区間6に進入す
る時、直前の車間距離xに基づき、(b)に示すように
予想位置8に相当する角度θを曲率半径rに基づいて算
出する。(c)に示すようにθからターゲット推測範囲
余裕αだけ小さい角度までは、比較的高速度で迅速に指
向特性を変化させ、θ付近の角度では比較的低速で確実
に前方車両3を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載され、
走行方向の前方の車両や障害物との間の距離や相対速度
を計測するために用いられ、特に、指向方向が可変であ
る車間距離検出用可動型レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、道路を走行する車両の安全装
置として、走行方向の前方の車両や障害物との間の距離
や相対速度を計測し、衝突防止のための警報を行った
り、車間距離制御を行ったりするために、レーダ装置を
車両に搭載することが提案されている。
【0003】たとえば、特開昭61−278775に
は、複数の方向に光を放射するマルチビーム方式の光学
的なレーダ装置を用いて前方車両を検出するための先行
技術が開示されている。しかしながら、光学的にマルチ
ビーム方式で車間距離検出用のレーダを実現しようとす
ると、夜間などで対向車両のヘッドライトなどの影響を
受けたり、前方車両の黒い部分など反射率が低い部分か
らの反射光を検出する場合に検出出力が小さくなるため
に誤差が増大するなどの問題がある。このため、シング
ルビーム方式でミリ波帯の電磁波を使用し、指向方向を
変化させることができる可動型レーダを用いる構成が検
討されている。たとえば、特開平1−232275や特
開平2−107986などには、フェイズドアレイレー
ダを用いるビーム制御装置に関する先行技術が開示され
ている。可動型レーダ装置としては、単一指向性のアン
テナを回転させて指向特性を変化させる構成も考えられ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】車間距離検出用に可動
型のレーダ装置を使用する理由は、車両の走行する道路
は直線区間のみとは限らず、曲進する先行車両を追尾す
るためには指向特性も変化させる必要があるからであ
る。また、指向特性を狭めて鋭くしておくことによっ
て、複数の車線を車両が平行して走行するような場合
に、前方を走行している車両のみを認識し、正確に車間
距離を検出することができる。しかしながら、たとえば
直線区間から曲線区間に移行する場合、前方車両の方が
先に曲線区間に進入するので、ターゲット車として認識
していた前方車両を一時的に見失う現象が生じる。一般
的な可動型レーダでは、カーブ等の曲線区間でターゲッ
ト車を見失うロストが生じた場合には、 一定速度でカーブ方向に指向方向を回転させ、ターゲ
ット車を認識するまで変化させる。 一定の距離を想定して、そこまで指向特性を一定速度
で動かす。というような方法を採っている。このため、
ロストしてからターゲット車を再認識するまでの時間が
長くかかってしまう。
【0005】本発明の目的は、カーブ進入時に前方車両
を迅速に検出することができる車間距離検出用可動型レ
ーダ装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両に搭載さ
れ、前車検出用の指向方向が可変で前方車両との間の距
離を検出するレーダ装置であって、前方車両を認識中で
あるか否かを表す信号を導出する前車認識手段と、走行
中の路面が曲線区間であるか否かを判定し、曲線区間で
あるときに曲率を表す信号を導出する曲線判定手段と、
前車検出用の指向方向を、変化速度を変更して変化可能
な方向変化手段と、前車認識手段および曲線判定手段か
らの信号に応答し、前方車両の認識が停止された後で、
曲線区間を走行中であると判定されるとき、曲率に従っ
て曲線区間の延長上で認識停止直前の車間距離に相当す
る予想位置付近まで、前車検出用の指向方向を比較的高
速度で変化させ、前記予想位置近辺では指向方向を比較
的低速度で変化させながら前方車両を探索するように、
方向変化手段を制御する制御手段とを含むことを特徴と
する車間距離検出用可動型レーダ装置である。 本発明に従えば、前方車両を認識中に曲線区間に進入
し、前方車両が指向方向から外れる場合に、前方車両は
曲率に沿って曲線区間進入直前の車間距離に相当する予
想位置を走行している可能性が最も高いので、その予測
位置近辺まで指向特性を比較的高速度で変化させる。予
想位置近辺では指向特性の変化を比較的低速度にするの
で、予想位置近辺を前方車両が走行していれば、確実に
検出することができる。
【0007】また本発明で、前記制御手段は、前記比較
的高速度での指向方向変化中に、前記前車認識手段が前
方車両を認識したとき、前車検出用の指向方向の変化を
停止するように前記方向変化手段を制御することを特徴
とする。 本発明に従えば、指向特性を予想位置まで変化させる途
中で前方車両を認識したときには、指向方向の変化を停
止させる。たとえば、割込み車両などがあると、それま
で認識していた車間距離よりも短い車間距離で前方車両
を認識することになる。このような割込み車両を迅速に
検出することができるので、衝突防止などの処理を早急
に行うことができる。
【0008】また本発明で、前記制御手段は、前記比較
的低速度による前方車両の探索を継続し、前記認識停止
直前の車間距離よりも予め定める距離だけ遠方側に相当
する予想限界位置まで指向方向を変化させても、前記前
車認識手段による前方車両の認識が行われないとき、前
方車両は車間距離検出の対象外であると判定することを
特徴とする。 本発明に従えば、曲線区間の曲率に従って、指向方向と
曲線上を走行している車両との距離を算出可能である。
算出される距離が、曲線区間進入直前の車間距離に予め
定める距離だけ遠方側に相当する予想限界位置まで指向
特性を変化させても前方車両を検出することができない
ときには、車両の走行方向前方には認識すべき前方車両
が存在せず、前方車両を前提とした速度制御などの必要
がなくなる。
【0009】さらに本発明は、車両に搭載され、前車検
出用の指向方向が可変で前方車両との間の距離を検出す
るレーダ装置であって、前方車両を認識中であるか否か
を表す信号を導出する前車認識手段と、走行中の路面が
曲線区間であるか否かを判定し、曲線区間であるときに
曲率を表す信号を導出する曲線判定手段と、前車検出用
の指向方向を、変化速度を変更して変化可能な方向変化
手段と、前車認識手段および曲線判定手段からの信号に
応答し、曲線区間に進入時、直前まで前方車両を認識し
ていないとき、曲率に従って検出可能な最大車間距離に
相当する予想最遠方位置まで指向方向を比較的高速度で
変化させるように方向変化手段を制御する制御手段とを
含むことを特徴とする車間距離検出用可動型レーダ装置
である。 本発明に従えば、曲線区間に進入する直前に前方車両を
検出していないときには、曲率に従って検出可能な最大
車間距離に相当する予想最遠方位置まで指向特性を比較
的高速度で変化させる。これによって、割込み車両など
が発生したときに迅速に前方車両を認識することができ
る。
【0010】また本発明で、前記制御手段は、前記予想
最遠方位置まで指向方向を変化させた後、1回だけ指向
方向を近距離側に変化させ、前車認識手段による前方車
両の認識が行われないとき、指向方向を前記予想最遠方
位置まで戻すように方向変化手段を制御することを特徴
とする。 本発明に従えば、一旦、予想最遠方位置まで指向特性を
変化させる過程で、割込み車両などを検出することがで
きなくても、1回だけ指向方向を近距離側に変化させ、
その際に割込み車両を認識することができるので、走行
の安全を確保することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の1形態に
よる車間距離検出用可動型レーダ装置の概略的な構成を
示す。図1(a)はカーブ進入直前の状態、図1(b)
はカーブを走行中の状態、図1(c)はレーダの指向方
向であるステア角の変化速度と現在のステア角との関係
を示す。車間距離検出用の可動型レーダ1は車両2に搭
載され、車両2の進行方向前方を走行中の前方車両3を
認識して車間距離xを検出するために用いられる。可動
型レーダ1は斜線を施して示すような単一ビーム型の指
向方向4を有し、この指向方向4は車両2の進行方向に
対して変化可能である。車両2が走行中の道路は、直線
区間5から曲率半径rの曲線区間6に移行する。
【0012】図1(a)に示すように、直線区間5から
カーブ路面に進入する直前に、前方車両3との車間距離
をxと認識していると仮定する。前方車両3が曲線区間
6のカーブに進入すると、可動型レーダ1のターゲット
車として認識されていた前方車両3は、一旦ロストして
しまう。車両2には、たとえばジャイロ装置によって実
現されるヨーレートセンサ7などが搭載され、車両2の
角変位状態を検出し、角速度と自車の走行速度とからカ
ーブの曲率半径rを算出することができる。曲率rが算
出されると、図1(b)に示すように、車間距離xに相
当する予想位置8を、曲線区間の延長上に推測すること
ができる。予想位置8上に前方車両3があると想定し、
車両2の走行方向と予想位置8までの方向との成すステ
ア角θも、次の第1式に示すようにして容易に求めるこ
とができる。なお、曲率中心9から予想位置8および車
両2までの半径間のなす角度は2θとなる。
【0013】 x / 2 = r × sinθ ∴ θ = sin-1(x/2r) …(1) このようなステア角θまでの指向方向の変化を迅速に行
わせるため、図1(a)のような指向方向4が、進行方
向に対して0°の状態から、ターゲット推測範囲余裕を
αとして、(θ−α)°までは速い速度で指向方向を変
化させ、(θ−α)°を過ぎると変化速度を落としてタ
ーゲット車の検出を確実に行うことが可能なように、図
1(c)のような速度変化を行う。このような制御によ
って、確実に前方車両3を検出することができる。
【0014】ターゲット推測範囲余裕αは、前方車両3
がカーブに進入してから車両2自身がカーブに進入する
までに要する時間内に、前方車両3が急制動して最大限
まで減速したり、最大限まで加速したときの車間距離の
変化する程度に対応して設定される。ここで、高速道路
を走行中であると想定し、車間距離xが可動型レーダ1
の検出限界値xmであり、これをたとえば100mと
し、車両2自身の走行速度vを80km/hとすると、
車両2がxだけ進むには、次の第2式で示す時間tを要
する。
【0015】 t=100/(80×1000/3600)=4.5(s) …(2) この時間t内に前方車両3が最大の加減速をすると想定
する。最大加減速度は、±0.3Gと仮定する。特に減
速側では、もっと大きな値も考えられるけれども、その
ような場合はもはや追従制御の限界を越えているので、
ここで対象として考慮する必要はないと考えられる。し
たがって、車間距離xの変化量△xは、次の第3式で求
められる。
【0016】 △x=1/2×0.3G×t2 =1/2×(0.3×9.8)×4.52 =29.7(m) …(3) この変化量△xは、制御可能な範囲内での車間距離の変
化量の限界と考えられる。さらに、変化量が増大する側
では、衝突防止のための車間距離制御の必要性は小さく
なる。可動型レーダ1の指向方向の変化速度が大きい状
態では、遠方の前方車両3を確実に認識することは困難
である。このため、車間距離xおよびその変化量△xや
車両2の走行速度を考慮してターゲット推測範囲余裕α
を設定し、図1(c)に示すようなステア角変化量の制
御を行う。可動型レーダ1のステア角をアンテナの機械
的な角変位で変化させる場合は、慣性モーメントが存在
するので、比較的高速度の状態から比較的低速度の状態
まで瞬間的に変化させることはできない。前方車両3
は、予測位置8に存在する可能性が最も大きく、車間距
離が小さい側では指向方向の変化速度が比較的大きくて
も前方車両3の検出は比較的容易であることを考慮する
と、ステア角(θーα)からθまでに指向方向の変化速
度を減速させ、ステア角θ以上の範囲で比較的低速度で
前方車両3の探索を行うような制御法が効率的である。
【0017】図2は、図1の可動型レーダ1に関連する
概略的な電気的構成を示す。可動型レーダ1は、電子制
御装置(以下、「ECU」と略称する)の一つであるク
ルーズECU10から、車両の走行状態の制御、たとえ
ば定速走行制御や車間距離制御などを行うために利用さ
れる。オートクルーズなどとも呼ばれる定速走行制御で
は、一旦ブレーキを操作すると、自動的に制御状態が解
除される。したがって前方車両への追突防止のためなど
に、ブレーキペダルを踏んで急制動をかけると、定速走
行制御を継続することができなくなる。レーダ装置など
で自動的に前車との間の車間距離を検出し、安全な設定
車間距離を保つように減速すれば、車間距離を優先した
定速走行制御が可能で、ブレーキ操作の必要がなくな
り、車両の運転者の負担を軽減することができる。本実
施形態では定速走行制御を行うために、車両の走行速度
を検出する車速センサ11と、車両のエンジン回転数制
御用にスロットル弁開度制御を行うスロットルアクチュ
エータ12とが設けられている。
【0018】可動型レーダ1は、たとえば、ミリ波帯と
呼ばれる波長1cm〜1mm、周波数30GHz〜30
0GHzの電磁波を使用して実現される。クルーズEC
U10は、ミリ波レーダ信号処理ECU13との間で信
号の入出力を行う。制御手段であるミリ波レーダ信号処
理ECU13には、曲線判定手段であるヨーレートセン
サ7、車速センサ11および前車認識手段であるミリ波
レーダセンサ14からの信号がそれぞれ入力される。ミ
リ波レーダセンサ14の前方車両検出用の指向方向は、
鋭いシングルビーム特性を有する。指向方向を変化させ
るため、ミリ波レーダ信号処理ECU13は、ビームス
テアECU15を介して方向変化手段であるビームステ
ア16を角変位させる。ビームステア16による指向方
向の変化速度は、図1(c)に示すように変更すること
ができる。
【0019】図2のクルーズECU10をはじめとする
各ECUには、中央処理装置(以下、「CPU」と略称
する)20が含まれる。CPU20は、いわゆるワンチ
ップCPUであり、読出し専用メモリ(以下、「RO
M」と略称する)21およびランダムアクセスメモリ
(以下、「RAM」と略称する)22を含む。CPU2
0は、ROM21に予め格納されているプログラムに従
い、ROM21に設定されているパラメータやRAM2
2への記憶を利用して所定の動作を行う。
【0020】図3は、ミリ波レーダセンサ14の車両2
への装着状態を示す。たとえば、ラジエータグリル25
の中央部で、ミリ波レーダ信号処理ECU13内のビー
ムステア16によって角変位可能なように、ミリ波レー
ダセンサ14が配置される。ミリ波レーダセンサ14の
表面には、ミリ波帯域の電磁波の送受信用の平面アンテ
ナが配置され、そのシングルビーム型の指向方向は、車
両2が走行する路面にほぼ垂直な軸線26まわりに角変
位可能である。図1の前方車両3との間の車間距離は、
送信された電磁波信号が反射されて受信されるまでの時
間差から算出される。車間距離が長くなると反射されて
受信される電界強度が低下し、S/N比が悪くなるの
で、検出可能な車間距離の最大値は100m程度であ
る。前方車両3との間の相対的な速度差は、ドップラシ
フト量などから算出される。
【0021】図4は、本発明の実施の他の形態による指
向方向の変化状態を示す。図1(a)および図1(b)
と同様に、カーブ進入の際に、それまで認識していた前
方車両を一旦ロストした後で、破線で示す図1(c)と
同様なステア角変化で前方車両を再認識しようとする。
この際、直進に対応するステア角0の状態から、予想位
置に対応するステア角θ付近の(θーα)まで、最大速
度で指向方向を変化させる途中でターゲット車を認識し
た場合は、指向方向の変化を即刻停止し、衝突警報や車
間距離制御などの動作に移る。カーブ進入前に認識して
いた前方車両と車両自身との間に他の車両が急に割込ん
できたような場合であり、車間距離が短いので、指向方
向の変化速度が大きくても容易に認識することができ、
また迅速に追突回避などの対応処置を採る必要がある。
【0022】図5は、本発明の実施のさらに他の形態に
よる指向方向変化の制御状態を示す。本実施形態で図1
に対応する部分には同一の参照符を付し、説明を省略す
る。ステア角を図1(c)に示すように変化させた場合
に、ステア角がθを越えた後もターゲット車を認識する
ことができないときは、低速度の探索に時間を費やす実
効は少ない。このような場合は、車両2の走行方向を延
長した曲線上で、ロスト直前の車間距離xから前述の変
化量△xに対応して設定される距離bだけ遠方の最終距
離(x+b)に相当する予想限界位置28までで、前方
車両3の探索を打切る。すなわち、予想限界位置28に
対応するステア角(θ+β)まで変化させても前方車両
3を認識することができないときは、車線変更などによ
って前方車両3は車両2の走行方向の前方から離脱し、
車間距離検出の対象外となっていると判断する。定速走
行制御中で、車間距離を維持するために減速しているよ
うな場合は、前方車両3が走行方向前方の制御対象範囲
には存在しなくなったので、加速して本来の巡航速度に
戻す事ができる。
【0023】図6は、本発明の実施のさらに他の形態に
よる指向方向変化の制御状態を示す。本実施形態で図1
に対応する部分には同一の参照符を付し、説明を省略す
る。本実施形態では、カーブ進入前には前方車両3を認
識していないので、指向方向4が可動型レーダ1の検出
限界値xmに対応する車間距離の予想最遠方位置38に
向かうステア角θmまで、可能な限りの高速度で変化さ
せる。ステア角の変化の途中で隣の車線から前方車両3
が割込んで来るような場合は、指向方向4に向けたビー
ム内を横切ることになるので、即時に検出が可能とな
る。
【0024】なお、高速度でステア角を変化させる際
に、割込んだ前方車両3を見落とす可能性がある。この
ようなターゲット車の見落としを防ぐため、一旦ステア
角をθmまで変化させた後で、ステア角をθmから0ま
で低速の変化で戻しながら、前方車両3の検索を行うこ
とができる。ターゲット車を認識することができないと
きは、ステア角を再度θmまで戻す。
【0025】図7は、以上説明した各実施形態での動作
を行うフローチャートを示す。このフローチャートは、
繰り返して行われる動作の1回分を示す。ステップa1
から動作を開始し、ステップa2では、ヨーレートセン
サなどを参照して、現在直進中であるか否かを判断す
る。直進中であれば、ステップa3でターゲット車とし
て前方車両3を認識しているか否かを判断する。ターゲ
ット車があるときは、ステップa4で前方車両との間の
最終距離を現在の車間距離に設定する。ターゲット車が
ないときは、ステップa5で最終距離を0に設定する。
次にステップa6でステア角を0、すなわちに進行方向
に設定し、ステップa7で動作を終了する。
【0026】ステップa2で直進中でないと判断される
ときは、ステップa8で前回は直進であったか否かを判
断する。前回が直進であればカーブへの進入開始と判断
され、ステップa9では、目標ステア角θを最終距離、
ヨーレートおよび自車速の関数として算出する。ターゲ
ット車として前方車両が存在するときは、ステップa4
で最終距離として車間距離が設定されており、ヨーレー
トセンサが検出するヨーレート値と自車速とから曲率半
径が算出されているので、曲線上の進路に沿って車間距
離を維持するような予測位置に対応する目標ステア角θ
が設定される。直進中にターゲット車が存在しないとき
は、ステップa5で最終距離が0に設定されており、目
標ステア角θも0となる。カーブで曲率半径が変化する
ような場合に対応するためには、ステップa8での判断
を行わず、常にステップa9の動作を行うようにするこ
とも考えられる。そのように変更した動作によれば、曲
率半径が変わらなければヨーレート値と自車速との関係
は変わらず、目標ステア角θは一定であり、曲率半径が
変化すると目標ステア角θも変化する。
【0027】ステップa10では、現在のステア角が
(θ−α)より小さいか否かを判断する。小さいと判断
されるときは、ステップa11でステア角を一定値Aだ
け変化させる。ステップa10でステア角が(θ−α)
より小さくないと判断されるときは、ステップa12で
現在のステア角が(θ+β)より大きいか否かを判断す
る。大きくないと判断されるときは、ステップa13
で、ステア角を目標ステア角θと現在のステア角との関
数として算出する。ステップa14では、設定されたス
テア角でターゲット車の検出を行い、ターゲット車が検
出可能か否かを判断する。ターゲット車が検出されれ
ば、ステップa15でステア角変化を停止する。ステッ
プa12で、現在のステア角が(θ+β)よりも大きい
と判断されるときは、ステップa16でターゲット車は
ロストしたと判断し、車間距離検出の対象外とする。最
後にステップa17で動作を終了する。
【0028】図8は、図7のステップa11およびステ
ップa13でのステア角に対するステア角変化量の関係
を示す。ステア角が(θ−α)未満であれば変化量はA
で一定である。Aの値は、たとえば図2のビームステア
16の最大速度とする。関数g()は、ステア角(θー
α)からステア角(θ+β)までの範囲で定義される。
【0029】図9は、本発明の各実施形態によるターゲ
ット車認識のための制御を用い、定速走行制御と車間距
離制御とを組合わせて行う場合の動作を示す。ステップ
b1から動作を開始し、ステップb2では認識している
ターゲット車があるか否かを判断する。ターゲット車が
あれば、ステップb3で、現在、車間距離を設定車間距
離以上に保つ車間距離制御中であるか否かを判断する。
制御中でないとき、ステップb4で、車間距離が設定車
間距離よりも小さいかいなかを判断する。小さいとき
は、ステップb5で車間距離制御を開始する。次にステ
ップb6で、目標車速vtに対するずれ△vtを車間距
離および前方車両との相対速度の関数として算出し、ス
テップb7で、目標車速vtを修正する。
【0030】ステップb3で、現在車間距離制御中と判
断されるときは、ステップb8で、車間距離が設定車間
距離にターゲット推測範囲余裕αを加えた値よりも大き
いか否かを判断する。大きいと判断されるときはステッ
プb9で車間距離制御を終了し、大きくないと判断され
るときはステップb5に移る。また、ステップb2でタ
ーゲット車がないと判断されるときは、ステップb9で
車間距離制御を終了する。ステップb4で車間距離が設
定車間距離より小さくないと判断されるときは、車間距
離制御は開始せず、ステップb9での車間距離制御の終
了後とともに、ステップb10で目標速度vtでの定速
制御を行い、ステップb11で動作を終了する。
【0031】以上の各実施形態では、曲線判定手段とし
てジャイロ装置などを利用するヨーレートセンサを用い
ているけれども、地磁気センサやGPSなど、いわゆる
ナビゲーション装置に使用されている方位センサを同様
に用いることができる。また可動型レーダ1として、ビ
ームステアがアンテナを機械的に回転させて、前方車両
認識のための指向方向を変化させているけれども、フェ
ーズドアレイ型のアンテナを用いて、電気的に指向方向
を変化させることもできる。また、ミリ波帯域の電磁波
の代わりに、他の周波数帯域の電磁波やレーザ光を用い
ることもできる。ミリ波帯域の電磁波を利用することに
よって、ミリ波レーダセンサ、特にそのアンテナを小さ
くすることができ、車両に充分に搭載することができ
る。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、道路がカ
ーブなどの曲線区間に変化する際に、それまで認識して
いた前方車両を一旦見失っても、迅速に指向方向を変化
させて前方車両を認識し、精度よく追従するような制御
を行うことができる。
【0033】また本発明によれば、曲線区間進入時に前
方車両を見失い、前方車両を探索する過程で割込み車両
などが存在するときに、割込み車両を迅速に認識するこ
とができる。
【0034】また本発明によれば、曲線区間に進入する
直前まで認識していた前方車両を見失っているか否かの
判断を迅速に行うことができる。
【0035】さらに本発明によれば、曲線区間を走行中
は、指向方向の変化で検出可能な車間距離も変化する。
最大車間距離に相当する予想最遠方位置まで指向方向を
比較的高速度で変化させるので、前方車両の探索を迅速
に行い、割込み車両が発生して急に車間距離が短くな
り、急ブレーキをかけざるを得なくなるような事態を避
けることができる。
【0036】また本発明によれば、一旦、予想最遠方位
置まで指向特性を変化させた後に、1回近接位置側に指
向特性を変化させるので、割込み車両などの車間距離が
短い前方車両を確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態による車間距離検出用可
動型レーダ装置の概略的な構成を示す平面図およびレー
ダの指向方向の変化を示すグラフである。
【図2】図1の実施形態による車間距離検出用可動型レ
ーダ装置の概略的電気的構成を示すブロック図である。
【図3】図1の実施形態による可動型レーダの装着状態
を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の他の形態による指向方向の変化
を示すグラフである。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態の構成を示す簡
略化した平面図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態の構成を示す簡
略化した平面図である。
【図7】図1〜図6の実施形態に対応するフローチャー
トである。
【図8】図7の動作に対応する指向方向の変化を示すグ
ラフである。
【図9】本発明の実施形態による車間距離検出用可動型
レーダ装置を用いて車間距離制御を定速走行制御に併せ
て行う動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 可動型レーダ 2 車両 3 前方車両 4 指向方向 5 直線区間 6 曲線区間 7 ヨーレートセンサ 8 予想位置 10 クルーズECU 11 車速センサ 13 ミリ波レーダ信号処理ECU 14 ミリ波レーダセンサ 15 ビームステアECU 16 ビームステア 28 予想限界位置 38 予想最遠方位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載され、前車検出用の指向方向
    が可変で前方車両との間の距離を検出するレーダ装置で
    あって、 前方車両を認識中であるか否かを表す信号を導出する前
    車認識手段と、 走行中の路面が曲線区間であるか否かを判定し、曲線区
    間であるときに曲率を表す信号を導出する曲線判定手段
    と、 前車検出用の指向方向を、変化速度を変更して変化可能
    な方向変化手段と、 前車認識手段および曲線判定手段からの信号に応答し、
    前方車両の認識が停止された後で、曲線区間を走行中で
    あると判定されるとき、曲率に従って曲線区間の延長上
    で認識停止直前の車間距離に相当する予想位置付近ま
    で、前車検出用の指向方向を比較的高速度で変化させ、
    前記予想位置近辺では指向方向を比較的低速度で変化さ
    せながら前方車両を探索するように、方向変化手段を制
    御する制御手段とを含むことを特徴とする車間距離検出
    用可動型レーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記比較的高速度での
    指向方向変化中に、前記前車認識手段が前方車両を認識
    したとき、前車検出用の指向方向の変化を停止するよう
    に前記方向変化手段を制御することを特徴とする請求項
    1記載の車間距離検出用可動型レーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記比較的低速度によ
    る前方車両の探索を継続し、前記認識停止直前の車間距
    離よりも予め定める距離だけ遠方側に相当する予想限界
    位置まで指向方向を変化させても、前記前車認識手段に
    よる前方車両の認識が行われないとき、前方車両は車間
    距離検出の対象外であると判定することを特徴とする請
    求項1記載の車間距離検出用可動型レーダ装置。
  4. 【請求項4】 車両に搭載され、前車検出用の指向方向
    が可変で前方車両との間の距離を検出するレーダ装置で
    あって、 前方車両を認識中であるか否かを表す信号を導出する前
    車認識手段と、 走行中の路面が曲線区間であるか否かを判定し、曲線区
    間であるときに曲率を表す信号を導出する曲線判定手段
    と、 前車検出用の指向方向を、変化速度を変更して変化可能
    な方向変化手段と、 前車認識手段および曲線判定手段からの信号に応答し、
    曲線区間に進入時、直前まで前方車両を認識していない
    とき、曲率に従って検出可能な最大車間距離に相当する
    予想最遠方位置まで指向方向を比較的高速度で変化させ
    るように方向変化手段を制御する制御手段とを含むこと
    を特徴とする車間距離検出用可動型レーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記予想最遠方位置ま
    で指向方向を変化させた後、1回だけ指向方向を近距離
    側に変化させ、前車認識手段による前方車両の認識が行
    われないとき、指向方向を前記予想最遠方位置まで戻す
    ように方向変化手段を制御することを特徴とする請求項
    4記載の車間距離検出用可動型レーダ装置。
JP1770996A 1996-02-02 1996-02-02 車間距離検出用可動型レーダ装置 Withdrawn JPH09211124A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7911374B2 (en) 2008-01-29 2011-03-22 Fujitsu Ten Limited Radar device and target detection method
JP2014092861A (ja) * 2012-11-01 2014-05-19 Symtec Hozumi:Kk 追従台車システム
CN103852047A (zh) * 2012-12-03 2014-06-11 财团法人车辆研究测试中心 利用车身信号侦测车道曲率的方法及其系统

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