JPH0920966A - 磁気特性と打ち抜き性に優れた電磁鋼板 - Google Patents
磁気特性と打ち抜き性に優れた電磁鋼板Info
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- JPH0920966A JPH0920966A JP8089398A JP8939896A JPH0920966A JP H0920966 A JPH0920966 A JP H0920966A JP 8089398 A JP8089398 A JP 8089398A JP 8939896 A JP8939896 A JP 8939896A JP H0920966 A JPH0920966 A JP H0920966A
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Abstract
二方向性電磁鋼板の提供。 【構成】重量%で、Si:0.2〜6.5 %、Mn: 0.03〜2.5 %
を含有する鋼板であって、板面に平行な方向の{10
0}面密度が方位配向性のないものの密度の10倍以上の
集合組織を有し、Mn濃度が板厚の表面に向かって減少す
る脱Mn層を有し、表面部のMn濃度と板厚中心部のMn濃度
の比が0.90以下、かつ前記脱Mn層のMn濃度減少割合の最
大値が0.05重量%/μm以下である電磁鋼板。さらに結
晶粒の平均直径を板厚の0.25〜10倍とするのが望まし
い。また板面に平行な方向に弾性限度内の張力が付加す
るのが望ましい。 【効果】Mn濃度減少割合を特定することにより、高い磁
束密度が得られ、磁化の立ち上がり異常がなく、低鉄損
のものが得られる。
Description
00}面を高密度に集積する集合組織を有し、磁気特性
と打ち抜き性に優れた電磁鋼板に関する。
器などの磁心材料には電磁鋼板が用いられている。この
電磁鋼板には、交流磁界中で磁気的なエネルギー損失が
少ないこと、磁界中で磁束密度が高いことの二つの特性
が要求される。これらの特性を実現するには、電気抵抗
を高め、かつ磁化容易方向であるbcc格子の<001
>軸を使用磁界方向に集積させることが有効であるとさ
れている。
せた代表的なものは、一方向性電磁鋼板である。これは
圧延方向に<001>軸が集積し、圧延方向に磁界をか
けて使用した場合には優れた磁気特性を示すので、トラ
ンスのような一方向にのみ磁化させて使用する機器に対
して極めて有効である。しかし、モーターのようなすべ
ての方向に磁化させて使用する機器、あるいはEIコア
のような二方向に磁化させて使用する機器に対しては、
必ずしも有効でない。
り、(a) は無方向に顕れる結晶方位を示す図、(b) は二
方向に顕れる結晶方位を示す図である。モーターのよう
な機器に対しては、同図(a) に示すような<001>軸
方向が、板面内に無方向もしくは多数の方向に分散して
存在する集合組織をもった電磁鋼板が最も適している。
面と平行な{100}面が高密度に集積していることが
必要である。一方、EIコアのような機器に対しては、
同図(b) に示すような{100}<001>のように<
001>軸が、板面内の二方向に存在するような集合組
織が最も適している。この集合組織を形成するために
は、板面と平行な{100}面が高密度に集積している
ことが必要である。
は、板表面に対して5°以下の傾きをもつ{100}面
である。{100}面が板表面から傾きを持った結晶粒
は、SEM(Scanning Electron Microscope)による結晶
組織の観察の際に、EPC(Electron Channeling Patte
rn) での結晶方位解析を行って測定することができる。
比」とは、前記板面に平行な{100}面を有する結晶
粒の面積sの全観察面積Sに対する比率(s/S) を配向性
のない場合の比率(s0/S0) で除した値Q〔(s/S) ÷(s0/
S0) 〕である。さらに、「板面に平行な{100}面が
高密度に集積している」とは、前記Qが10以上であるこ
とを意味する。
ている電磁鋼板の製造方法としては、以下のような方法
が知られている。
湯を流下させ、厚さ0.05mmから0.5 mmまでの薄板を直接
鋳造する方法である。金属溶湯としてSi含有量が 2.0〜
6.0 %の珪素鋼を用いると、鋳造された鋼板には板面に
平行な方向に{100}面を有する柱状粒組織が得られ
る。しかし、この方法で得られた電磁鋼板は、板面に平
行な{100}面の面密度が小さいため、磁束密度が小
さく、鉄損が大きくなる。また、板厚精度や表面粗さが
悪いため、板を積層したときの占積率の点で満足できる
ものではない。
用いる方法 柱状晶鋳塊を、{100}面が圧延面と平行になるよう
に圧延を行い、1000℃以上で焼鈍する。この方法で得ら
れた鋼板の{100}面の集積度は低い。
囲気中で焼鈍すると、結晶粒は板厚と同程度の大きさに
成長した後、表面エネルギーを駆動力として板面と平行
な{100}面をもつ結晶粒が優先的に成長する。しか
し、この方法で板面に平行な{100}面密度を高めよ
うとすると、板厚の10倍から100 倍の大きな結晶粒とな
り、異常渦電流損が増大する。また、厚さが0.15mm以下
の薄板が対象であり、工業的に必要な0.2 mm以上の電磁
鋼板の製造には適しない。
℃で最終焼鈍すると{100}<001>の結晶粒が二
次再結晶する。しかし、{100}<001>の集積度
を高めようとすると、板厚の10倍から100 倍の大きな結
晶粒となり、異常渦電流損が増大する。また、クロス圧
延とは、板の圧延方向を90°ずらせて(板を90°回転さ
せて)圧延を行うものであり、長尺材には適用できな
い。
度域に加熱した後、徐冷時のオーステナイト→フェライ
ト変態(以下、これを「γ→α変態」と記載する。)に
よって板面と平行な{100}面を有する集合組織が発
達する。しかし、この方法で得られた電磁鋼板は、板面
に平行な{100}面の密度は、ランダム配向の試料の
3〜7倍と低い。
をもつ集合組織を発達させた電磁鋼板やその製造方法に
ついてはいくつかの提案がある。しかし、まだ種々の問
題点を有しており、その改善が迫られていた。
め、C、Si、Mn等を含有し、冷間圧延された珪素鋼板
を、弱脱炭性雰囲気中でのオープンコイル焼鈍と、強脱
炭性雰囲気中でのオープンコイル焼鈍との二段焼鈍を行
う方法を、特開平1-108345号公報で提案した。二段焼鈍
を行うと、平均結晶粒径が1mm以下で、板面と平行な
{100}面が高密度に集積した柱状粒組織となる。ま
た、圧延条件などを変えることによって、{100}<
001>や{100}<021>などの多様な面内異方
性のものが得られる。
電磁鋼板は、磁化力が1000〜5000A/m のときの磁束密度
は大きい。しかし、100A/m以下の低磁化力域における磁
束密度が小さく、100A/mより強い磁化力域で磁束密度が
急増する立ち上がり現象が現れるので、鉄損が大きくな
るという問題があった。
よる磁気特性の評価は、磁化力が1000〜5000A/m のとき
の磁束密度の大きさ(B10、B50)で行った。100A/m以
下の低磁化力域における磁束密度は、介在物や歪みなど
の影響を主に受け、1000〜5000A/m のときの磁束密度が
集合組織の影響を主に受ける。
面を高密度にし、100A/m以下の低磁化力域で磁束密度が
大きく、鉄損が小さく、しかも打ち抜き性に優れた電磁
鋼板を提供することにある。
うに二段焼鈍材の「100A/m以下の低い磁化力域における
磁束密度が小さく、100A/m程度の磁化力域に磁束密度が
急増する立ち上がり現象(磁化の立ち上がり異常ともい
う)があり、鉄損が大きくなる」原因について調査し、
次のことがわかった。
ンコイル焼鈍を施すと、表面には脱炭反応と脱Mn反応が
起こり、表面から約50μm内部までMnの欠乏層(以下、
これを脱Mn層と記載する)が発生する。この脱Mn層の形
成は、二段焼鈍法で{100}面を高密度に発達させる
ために必要なものである。しかし、この脱Mn層は、二段
目の強脱炭性雰囲気中でのオープンコイル焼鈍を行った
後にも残存し、低磁界域での磁化の立ち上がりの異常や
それに伴う鉄損特性の劣化が生じる。
それに伴う鉄損特性の劣化が生じる理由の詳細は不明で
あるが、次のように推測することができる。
僅かであるが膨張するので、結晶粒内に大きなMnの濃度
勾配が存在すると、濃度勾配が生じた部分に格子歪みが
導入される。したがって、脱Mnによって表面近傍に大き
なMnの濃度勾配が生じると、それが格子歪みを導入し、
格子歪みは磁歪をとおしてそこを通過しようとする磁壁
の移動を抑制する。これにより、低磁化力域での磁化の
立ち上がりの異常や、それに伴う鉄損特性の劣化が生じ
る。
る物質(以下、これを脱炭促進材という。)、または脱
炭促進材と脱Mnを促進する物質(以下、これを脱Mn促進
材という。)とを焼鈍分離材として電磁鋼板のコイル層
間または板間に挟み、これを焼鈍する方法(例えば、特
開平7−173542号公報参照)によって得た材料を調査し
た。その結果、板表面部のMn濃度と板厚中心部のMn濃度
の比を所定以下とし、しかも、脱Mn層におけるMn濃度の
減少割合を規定することによって、その材料は、板面に
平行な{100}面密度の高い集合組織を有し、磁束密
度が急増する立ち上がり現象がなくなり、鉄損が小さ
く、しかも打ち抜き性に優れていることを知見した。ま
た、結晶粒径が大きくなると鉄損の中の異常渦電流損が
増大し、結晶粒径が小さくなると鉄損の中のヒステリシ
ス損が大きくなるが、これらの鉄損に影響する結晶粒の
大きさは、板厚によっても変化することを明らかにし
た。
濃度減少割合を規定することにより、低磁化力域での磁
束密度の急激な変化を解消した電磁鋼板に、さらに、そ
の板面に平行な方向に弾性限度内の張力を付加すること
によって、一層鉄損を低減できることを知見した。これ
は、磁束密度の低下を及ぼさない程度の脱Mnによる格子
歪みの導入と張力の付加とによって、電磁鋼板中の磁区
構造が細分化されて、渦電流損失が減少するからであ
る。
の要旨は次の〜に示す電磁鋼板にある。
03〜2.5 %を含有する鋼板であって、板面に平行な方向
の{100}面密度が方位配向性のないものの密度の10
倍以上の集合組織を有し、Mn濃度が板厚の表面に向かっ
て減少する脱Mn層を有し、表面部のMn濃度と板厚中心部
のMn濃度の比が0.90以下、かつ前記脱Mn層のMn濃度減少
割合の最大値が0.05重量%/μm以下である電磁鋼板。
03〜2.5 %を含有する鋼板であって、板面に平行な方向
の{100}面密度が方位配向性のないものの密度の10
倍以上の集合組織を有し、Mn濃度が板厚の表面に向かっ
て減少する脱Mn層を有し、表面部のMn濃度が板厚中心部
のMn濃度の0.90以下、かつ前記脱Mn層のMn濃度減少割合
の最大値が0.05重量%/μm以下であり、さらに結晶粒
の平均直径が板厚の0.25〜10倍である電磁鋼板。
03〜2.5 %を含有する鋼板であって、板面に平行な方向
の{100}面密度が方位配向性のないものの密度の10
倍以上の集合組織を有し、Mn濃度が板厚の表面に向かっ
て減少する脱Mn層を有し、表面部のMn濃度が板厚中心部
のMn濃度の0.90以下、かつ前記脱Mn層のMn濃度減少割合
の最大値が0.05重量%/μm以下であり、さらに板面に
平行な方向に弾性限度内の張力が付加されていることを
特徴とする磁気特性と打ち抜き性に優れた電磁鋼板。
0}面が高密度に集積し、表面に脱Mn層を有し、それに
ともなう板厚方向のMn濃度減少割合が小さな電磁鋼板で
ある。
由について説明する。以下成分は鋼板断面の平均的な値
であり、%はすべて重量%を表す。
α−フェライト中で固溶限を超えて残存するとセメンタ
イトとして析出し、磁気特性(磁束密度、鉄損)を劣化
させる。
なければ少ないほどよい。しかし、最終焼鈍後のCを少
なくする手段は、焼鈍時の脱炭によるものであり、これ
を少なくするには、焼鈍温度を高くするか、焼鈍時間を
長くすることになり、費用が嵩む。この製造コストと磁
気特性の兼ね合いから定めた許容上限が0.01%である。
いて脱炭と脱Mnによる{100}面集合組織の制御を行
うため、0.01%以上含有させるのが望ましい。しかし、
C含有量が高くなると脱炭の時間が長くなるので、その
上限は1.0 %以下とする。好ましくは0.5 %以下、より
好ましくは0.2 %以下である。
下させる効果を発揮させるため、および機械的性質を確
保するために、0.2 %以上含有させる。好ましくは1.0
%以上である。しかし6.5 %を超えると鋼板の脆化およ
び磁束密度の低下があらわれる。
好ましくは5.0 %以下、より好ましくは4.0 %以下であ
る。
を高め渦電流損を低下させる効果、および打ち抜き性を
改善する効果を有する。しかし、その含有量が0.03%未
満では打ち抜き性を改善する効果がなく、2.5 %を超え
て含有すると磁束密度の低下が大きくなる。したがっ
て、最終焼鈍後の鋼板中のMn含有量は0.03〜2.5 %とし
た。
いて脱炭と脱Mnによる{100}面集合組織を制御する
効果、および脱Mn層を形成して打ち抜き性を向上させる
効果がある。しかし、その含有量が0.05%未満ではそれ
らの効果がない。したがって、最終焼鈍前の鋼板中のMn
含有量は0.05%以上とするのがよい。好ましいのは0.1
%以上、より好ましいのは0.3 %以上である。Mnは、脱
炭完了後850 ℃以下の温度で実質的にα−フェライトと
なる量を最大限として含有させることが好ましい。これ
は、Mnを多量に含有させると脱炭完了後実質的にα−フ
ェライトとなる温度が低下し、焼鈍温度を低くしなけれ
ばならないからである。ここで「実質的にα−フェライ
トとなる」とは、MnS 、AlN などの微量第二成分(介在
物)が存在してもよいことを意味する。なお、Si含有量
が多い場合にはMn含有量も多くできる。しかし、磁束密
度を低下させないために、最終焼鈍前のMnの上限を3.0
%とすることが望ましい。
に鋼板に含有させうるものは、例えば次のとおりであ
る。
o:おのおの1%以下、Cu: 0.5%以下、Nb: 0.5%以
下、N: 0.05 %以下、S: 0.5%以下、Sb、Se、As:
おのおの0.05%以下、B: 0.005%以下、P: 0.5%以
下 次に板面に平行な{100}面密度比、および脱Mn層を
規定した理由について説明する。
面に平行な{100}面密度比Qが10未満では磁気特性
(磁束密度、鉄損)を確保することができない。この比
は大きければ大きいほどよく、好ましくは20以上であ
る。
て鋼板を焼鈍すると、表面ほどMn濃度が低下した脱Mn層
が形成される。
{100}面集合組織を板面に平行な方向に集積させる
作用を促進する。また、板厚方向に表面に向かうMn濃度
の減少割合を小さくすることによって磁気特性を改善
し、さらに表面濃度比を小さくすることによって電磁鋼
板の打ち抜き性を向上させる。ここでいうMn濃度とは、
後述するEPMAなどを用いて測定したものを意味し、
最終焼鈍後の鋼板のMn含有量とは異なる。Mn濃度分布
は、鋼板の表面を化学研磨などによって厚さを減じなが
ら、その表面をEPMA(Electron Probe Micro Analiz
er) を用いて測定するか、または、板厚方向にEPMA
で線分析して測定する。
心に向かってMn濃度をEPMAで分析したとき、表面か
ら5μm深さまでのMn濃度の平均値を、板厚中心部のMn
濃度で除した値である。この比が0.90を超えると、打ち
抜き性が低下する。したがって、その上限は0.90とす
る。好ましくは0.80である。また、その下限は小さけれ
ば小さい程よいが、100A/m近傍の磁束密度の立ち上がり
異常をなくするため、0.05とするのが望ましい。
生じた表面酸化層や最終焼鈍後塗布される絶縁皮膜など
を除いた表面であって、実質的にαーフェライトとなっ
た部分の表面もしくは最外層面を意味する。
は、EPMAなどで測定した板厚方向のMn濃度分布を、
表面から深さの関数として表したとき、Mn濃度の深さに
よる微分値を意味する。さらに、Mn濃度減少割合の最大
値とは求められた微分値の最大を意味する。なお、この
微分値を求めるには、鋼のαーフェライト結晶中の析出
物などによる局所的な変動があるので、これは除外し
た。
05%/μmを超えると、低磁界域での磁束密度の立ち上
がりの異常や、それに伴う鉄損特性の劣化を引き起こ
す。したがって、その上限は、0.05%/μmとする。好
ましくは0.03%/μm、より好ましくは0.01%/μmで
ある。また、その下限は打ち抜き性を確保するため、0.
0001%/μmとするのが望ましい。
鈍での脱炭処理に長時間を要し、また渦電流損失が増大
するので5.0 mm以下とするのが望ましい。好ましくは1.
0 mm以下、より好ましくは0.5 mm以下である。
の中の異常渦電流損が増大し、結晶粒径が小さくなると
鉄損の中のヒステリシス損が大きくなる。これらの鉄損
に影響する結晶粒の大きさは、板厚によっても変化す
る。結晶粒径が板厚の0.25倍(結晶粒径の板厚比)未満
になるとヒステリシス損が過大となり、10倍を超えると
異常渦電流損が過大となる。したがって、結晶粒径が板
厚の0.25〜10倍とした。好ましくは 0.5〜7倍である。
なお、この倍率の範囲を外れるものであっても、前記
に規定する条件を満足する鋼板は、磁気特性と打ち抜き
性とに優れていることはいうまでもない。つまり、板厚
方向のMn濃度減少率を0.05%/μm以下に制御した鋼板
では、結晶粒を板厚の0.25〜10倍に調整したとき、結晶
粒の増大に伴う渦電流損失の増大とヒステリシス損失の
低下が最も良くバランスし、低鉄損特性を得ることがで
きる。
平行な断面に直線を引き、この直線をよこぎる結晶粒界
の本数を計測し、直線の長さを結晶粒界の本数で除した
値とした。
に、板面に平行な方向に弾性限度内の張力を付加する。
張力が大きすぎると塑性変形が生じて磁気特性が劣化す
るので、弾性限度内の張力を加える。好ましくは5Kg/m
m2以下、より好ましくは3Kg/mm2以下である。
を顕著にするため、 0.1Kg/mm2が好ましく、 0.2Kg/mm2
がより好ましい。張力を付加する方向は、無方向性の鋼
板については板面内の全ての方向に等方的に付加するこ
とが好ましく、二方向性の鋼板については磁気特性の優
れる二方向のいずれかの方向に付加するのが好ましい。
鋼板を鉄芯として組み立てる際に機械的に張力を付加し
てもよく、また鋼板の製造過程で形成される絶縁皮膜を
利用して付加してもよい。例えば、絶縁皮膜を利用して
張力を付加する場合には、高強度の無機質系の絶縁皮膜
材料を塗布した後、 400〜 800℃の温度で焼付けを行
い、その後の冷却による絶縁皮膜と鋼板との熱収縮量の
差を利用して、全ての方向に等方的な張力を付加する方
法がある。或いは、同様に無機質系の絶縁皮膜材料を塗
布した後、 400〜 800℃の温度で焼付けする際に鋼板の
板面内の一方向に機械的な方法で張力を付加し、そのの
ち冷却後に張力を除去して、絶縁皮膜と鋼板との弾性変
形量の差によって一方向に張力を付加する方法もある。
において表面は酸化されず、さらに最終焼鈍によって集
合組織が発達する際に、鋼板表面には1μm 以下の凹凸
が多く発生する。このため、本発明の鋼板は、板面内に
張力を付加することによっても、絶縁皮膜は剥離するこ
とがなく、鋼板と密着性の高い絶縁皮膜を形成し易い。
鉄損)をもった鋼板は、冷間圧延のちに、脱炭促進材、
または脱炭促進材と脱Mn促進材を混合した焼鈍分離材を
鋼板の間に挟み、コイルまたは積層した状態で焼鈍する
ことによって製造される。焼鈍によって鋼板全体の脱
炭、および鋼板表面部の脱炭と脱Mnの両方を生じさせ、
後者の過程で発生するγ→α変態によって板面と平行な
{100}面を高密度にもつ集合組織を発達させる。上
記の焼鈍条件では、γ→α変態を板の表面から内部へと
順次進行させる。{100}面が板面と平行する結晶粒
の表面エネルギーは、他の方位の結晶粒の表面エネルギ
ーよりも低い。そのため、{100}面が板面と平行す
る結晶粒が表面から内部へと優先的に成長し、板面に平
行な{100}面を高密度にもつ集合組織が得られると
考えられる。
(SiO2)が挙げられる。SiO2を焼鈍分離材として用いる場
合の脱炭促進作用は、次の機構によると考えられる。
不安定になり、下記式の分解反応によって、酸素を発
生させる。
化炭素となり脱炭が起こる。
、V2O3、V2O5、VO、MnO などの高温の適切な雰囲気下
で比較的不安定な酸化物がある。すなわち、焼鈍温度で
分解して酸素を発生し、脱炭を促進する物質である。
て、さらに高温で安定な無機物、例えばAl2O3 などの安
定な酸化物、BNやSiCなどの安定な窒化物または炭化
物を混合してもよい。しかし、アルカリ土類またはアル
カリ金属の炭酸塩(例えば、CaCO3 、Na2CO3)などの非
常に不安定な酸化物の使用は避けるべきである。このよ
うな酸化物は、多量に酸素を発生させ、鋼板中のSiやMn
を酸化させることで、鋼板表面のエネルギー状態を変化
させ、ひいては板面に平行な{100}面密度を低下さ
せる。
ても、幾分かの脱Mnが生じる。しかし、脱Mn促進材を併
用することによって脱Mn層をより大きくすることができ
る。
化物(TiO2)がある。鋼板中のMnは、適切な焼鈍雰囲気
条件の下において板の表面から昇華し、これが前述した
ように鋼板の表面近傍にMnの欠乏した層(脱Mn層)を形
成する。TiO2は鋼板から昇華するMnと複合酸化物(TiMnO
2)を形成し、Mnを吸収することによって脱Mnを促進する
と推測される。何れにしても焼鈍中に鋼板から昇華する
Mnを吸収する物質であり、脱炭反応や、鋼板の表面エネ
ルギー状態に悪影響を及ぼさないものであればよい。他
の例として、ZrO2やTi2O3 があげられる。
材の形態は特に問わない。この形態は、板または粉末で
あってもよいし、それらの繊維状のものまたは繊維から
なるシート状のもの、もしくはそのシート中に粉末を混
入させたものとしてもよい。
維からなるシート状のものである。この理由は、粉末の
ようにコイル層間からの脱落がなく、しかも繊維間に存
在する空隙のために、前記の反応によって生じた一酸化
炭素がコイル外に排出されやすくなること、およびその
空隙中にMnが昇華して表面でのγ→α変態が促進される
ことである。これらは、コイル層間や板間に挟むことも
容易である。
者の混合ガスを主体とする雰囲気または真空中がよい。
好ましいのは 100 Torr 以下、より好ましくは1Torr以
下の真空中である。雰囲気圧力が 100 Torr を超える
と、所望の酸素分離反応、脱炭反応および面密度の高い
{100}面集合組織(板面に平行な{100}面が高
密度に集積した組織)が生じにくい。
した組織とするためには、850 ℃以上のα+γ二相共存
温度域またはγ単相温度域に保持する必要がある。しか
し、1300℃を超える焼鈍温度は工業的に実現するのが困
難である。したがって、焼鈍温度は 850〜1300℃が望ま
しい。
脱Mnが不十分となり、100 時間を超えると生産性が悪化
する。したがって、焼鈍保持時間は30分〜100 時間の範
囲が望ましい。
ることにより、圧延面内であらゆる方向にほぼ等しい磁
気特性を示す{100}<021>近傍の方位の集合組
織をもつ鋼板(図6(a)に示すもの)、圧延方向と板幅方
向の二方向で優れた磁気特性を示す{100}<001
>集合組織をもつ鋼板(図6(b)に示すもの)を得ること
ができる。
向の分布を変化させ、磁気特性(磁束密度、鉄損)の板
面内の方向性を変化させる。
材料に使用する場合には、板面内の方向による磁気特性
(磁束密度、鉄損)に方向性がない(以下、これを「無
方向性」と記載する。)ほうがよい。
性の圧延方向からの角度依存性を示す図であり、(a) は
磁束密度の角度依存性を示す図、(b) は鉄損値の角度依
存性を示す図である。ここで、磁束密度と鉄損とは密接
な関係にあり、同じ材質で磁束密度が大きくなるように
集合組織を制御すると、鉄損値も低下する。したがっ
て、「板面内の方向による磁気特性(磁束密度、鉄損)
の変動が小さい」とは、同図(a) において、板面内のあ
らゆる方向に磁化して測定した磁束密度B10の最大値
(A) と最小値(B) の最大偏差(A-B) を、あらゆる方向の
磁束密度B10の平均値(C) で除した値〔 (A-B)/C〕が小
さいことを意味する。本発明で無方向性とするのは、そ
の値が0.15以下となるものを意味する。好ましくは0.12
以下、より好ましくは0.10以下である。
偏差をあらゆる方向の磁束密度の平均値で除した値〔
(A-B)/C〕)が0.15以下の鋼板は、熱間圧延後、冷間圧
延を1回施した(熱間圧延後、中間焼鈍することなく圧
下率50%以上の冷間圧延を施す)板を、脱炭促進材また
は脱炭促進材と脱Mn促進材を用いて最終焼鈍することに
よって得られる。
鈍された鋼板の{110}極点図であり、図中のRDは
圧延方向を、TDは板幅方向を示している。前記の処理
を施した材料には、図6(a)に示す{100}<021>
近傍の集合組織が発達し、図4で示されるような板面内
の8方向に容易磁化軸である<001>軸方向が集積す
る。冷間圧延率は、圧下率で50%以上、好ましくは70%
以上とするのがよい。
と板幅方向の2方向の磁気特性(磁束密度、鉄損)をよ
くしたものが適している。これは、中間焼鈍を挟んで複
数回の冷間圧延を施した鋼板を、脱炭促進材または脱炭
促進材と脱Mn促進材を用いて最終焼鈍することによって
得られる。冷間圧延の圧下率は、積算圧下率で50%以
上、好ましくは70%以上とするのがよい。また、上記の
条件に加えて、1回目の圧下率を30〜90%とするのが望
ましい。中間焼鈍の温度は、再結晶が起こる温度以上、
即ち 700〜1100℃の範囲であり、昇温速度と焼鈍時間に
は特に制約はない。また、これに用いる炉の種類も問わ
ない。しかし、実生産上は焼鈍効率を向上させるため、
連続焼鈍炉を用い、昇温速度を100 ℃/min以上、焼鈍時
間を30分以下とすることが望ましい。
が特によい」とは、板面内の圧延方向と板幅方向の磁束
密度が45°方向の磁束密度よりも大きいことを意味す
る。例えば、図3(a)に示すように、1000A/m の磁化力で
磁化したときの圧延方向の磁束密度B10を(X1)、板幅方
向の磁束密度B10を(X2)、圧延方向から45°の方向の磁
束密度B10を(Y) 、(X1)と(X2)との平均値((X1+X2)/
2)を(X) とするとき、(X) と(Y) の差(X-Y) を、(X)
と(Y) の平均値((X+Y)/2)で除した比(2(X-Y)/(X+
Y))が0.16以上であることを意味する。好ましくは0.20
以上、より好ましくは0.25以上である。
芯形状の板を打ち抜くときの潤滑材となり、かつそれを
積層して鉄芯としたときの板間の電気的絶縁材となる。
絶縁皮膜の材質には、リン酸塩系やCr酸塩系の溶液を塗
布し焼付けた無機質系のもの、上記無機質系溶液にポリ
アクリルタイプエマルジョンなどの有機樹脂を混合して
塗布し焼き付けた有機−無機混合形のものがある。鋼板
の打ち抜き性を向上させるためには、有機−無機混合皮
膜とするのが望ましい。
法で最終焼鈍を行った鋼板の平坦性は、焼鈍前の冷間圧
延板よりも劣る。これを向上させるため、スキンパス圧
延、連続焼鈍、またはスキンパス圧延と連続焼鈍の双方
を行うことがある。スキンパス圧延は、集合組織を破壊
しない程度の10%以下の圧下率で、焼鈍分離材を除去し
た後、表面皮膜の塗布前に冷間で行う。連続焼鈍は、表
面皮膜の塗布の焼付け処理時、またはその後に行うのが
望ましい。
鋼(A〜H)を溶製し、厚さ150 mm、幅200 mm、長さ350 mm
の鋳塊に鋳造した。これを厚さ80mmまで熱間鍛造し、続
いて厚さ4mmまで熱間圧延した後、さらに0.35mm厚さま
で冷間圧延した。これらの鋼板から幅が 250mm、長さが
600mmの試板を切り出し、以下の最終焼鈍に供した。
的な値である。
て、48重量%Al2O3-51重量%SiO2系の繊維状の脱炭促進
材を0.02g/cm2 の密度で、脱Mn促進材であるTiO2粉末を
0.004g/cm2の密度で挟み積層し、積層体には0.1 kg/cm
2の面圧をかけ、10-3 Torr の真空中で行った。A鋼と
B鋼に対しては950 ℃で50時間保持、C鋼からF鋼に対
しては1050℃で12時間保持した。
℃、8時間の一段目のオープンコイル状態の焼鈍を行
い、次いで、露点が30℃の水素雰囲気中で850 ℃、3時
間の二段目の強脱炭オープンコイル焼鈍を行った。
析、板面に平行な{100}面密度比Q、表面Mn濃度
比、板厚方向へのMn濃度減少割合および磁気特性の測定
を行った。
したSEMおよびEPCによって各試板について板面に
平行な{100}面密度を求め、方位配向性のない試料
との比で求めた。これらの結果を表2に示した。
は、板厚を含む断面をEPMAで線分析することによっ
て求めた。
厚方向の分布曲線を示す図である。
のNo.10 の測定結果を示す。このEPMAで求めたMn濃
度は、化学分析値がわかっている標準試料で補正されて
いる。
80重量%、表面Mn濃度は0.57重量%となり、表面濃度比
は0.71となる。同様に比較例(No.10) の表面Mn濃度比は
0.10となる。また、板厚方向のMn濃度を板厚で微分する
ことで求めた板厚方向のMn濃度減少割合の最大値は、発
明例(No.4)で0.004 重量%/μm、比較例(No.10) では
0.08重量%/μmであることがわかる。このようにして
各試板に対して求めた結果を表2に示す。
径33mm、外径45mmのリング状試験片を積層したものに、
一次コイルと二次コイルをそれぞれ100 ターン巻き、50
Hzの正弦波交番磁束密度条件下で行った。なお、各試
板から20枚のリング状試験片を打ち抜き採取し、 800℃
の窒素ガス中で1時間保持して歪みを除去した。
示す図である。図中の発明例は、板厚方向のMn濃度減少
割合の最大値が0.004 重量%/μmである表2のNo.4の
測定結果、比較例は、同0.08重量%/μmである表2の
No.10 の測定結果である。発明例は、低磁界域でも大き
な磁束密度を示し、磁束密度の立ち上がり異常は認めら
れない。しかし、比較例では磁化力100A/mまでの磁界中
における磁束密度が小さく、100A/m近傍の磁化力のとこ
ろで磁束密度が急に増大する、即ち、低磁界域で磁化の
異常が顕れる。このようにして各試板について求めた磁
化異常の有無を表2に示す。さらに、表2には 100A/m
および1000A/mの外部磁界を印加したときの磁束密度を
各々B1 およびB10として、また50Hz の交番磁界中で
1.5T(テスラ)の磁束密度まで磁化した場合の鉄損を
W15/50 として示した。
{100}面密度比が28〜65倍であり、二段焼鈍法によ
る比較例(No.7〜No.12 )に比べ同等またはそれより若
干大きな{100}面密度のものとなっている。また、
Mn濃度の減少割合が0.010 重量%/μm以下であり、低
磁界域での磁化の立ち上がり異常が発生しない。このた
め、同じ鋼種の比較例と比べ、B1 で 0.2〜0.3 Tの磁
束密度の増加が達成されている。この低磁界域での磁束
密度の上昇によって鉄損値が 0.2〜0.6 W/kg低減した。
これに対し、比較例ではMn濃度の減少割合が0.052 重量
%/μm以上であり、低磁界域での磁化の立ち上がり異
常が発生した。
た。表1にD鋼として示す2つのインゴットを熱間鍛造
して60mm厚さの鋼板とし、さらにこの鋼板を3.5 mm厚さ
まで熱間圧延した後、酸洗し、0.35mm厚さまで冷間圧延
し、板幅300 mmのコイルとした。得られたコイルの1つ
を脱炭促進材と脱Mn促進材を用いてタイトコイルの状態
で最終焼鈍を行った。その後コイルを巻き戻し、焼鈍分
離材を除去し、Cr塩酸とポリアルリル系エマルジョン樹
脂からなる厚さ約3μmの有機−無機混合絶縁皮膜を、
塗布・焼き付けした。また、比較例として脱Mn層のない
材料を次の方法で作製した。上記3.5 mm厚さまで熱間圧
延した鋼板を、水蒸気を含んだ水素雰囲気中において80
0 ℃で10時間の脱炭処理を行った後、酸洗し、0.35mm厚
さまで冷間圧延した。得られた鋼板を最終焼鈍として、
窒素雰囲気中で900 ℃、1分間の連続焼鈍を行った。そ
の後、上記と同じ有機−無機混合絶縁皮膜をコーティン
グした。
行い、工具が摩耗し、かえりの高さが50μmになる打ち
抜き回数を求めた。なお、打ち抜きの形状は、直径20mm
で、ダイとポンチのクリアランスは6%、工具の材質は
JIS 合金工具鋼鋼材のSKD-1 であった。
(脱Mn層のある材料)は、80万回の打ち抜きができた。
しかし、表面Mn濃度比が99%の比較材(脱Mn層のない材
料)は、16万回であった。
造して60mm厚さの鋼板とし、さらに各鋼板を3.5mm厚さ
まで熱間圧延した後、酸洗し、0.35mm厚さまで冷間圧延
した。得られた鋼板の幅は300 mmであった。これらの冷
間圧延鋼板から幅が250 mm、長さが600 mmの試板を切り
出し、以下の最終焼鈍に供した。
て、48重量%Al2O3-51重量%SiO2系の繊維状の脱炭促進
材を0.05g/cm2 の密度で挟み積層し、積層体には0.1 kg
/cm2の面圧をかけ、10-3 Torr の真空中で、1050℃での
保持時間を2時間から100 時間までの間で種々変え、昇
温速度を2℃/minとして行った。
造して60mm厚さの鋼板とし、さらに3mmの厚さに熱間圧
延した。その後、酸洗し、次いでN2 ガス雰囲気中で 8
00℃で3時間の焼鈍処理した。これを厚さ0.35mmまで冷
間圧延した後、N2 ガス雰囲気中で 975℃で3分間の焼
鈍処理した。これは市販の高級無方向性電磁鋼板(S-9)
と、組織(集合組織、結晶粒径)および磁気特性(磁束
密度、鉄損)においてほぼ同等である。
均結晶粒径、板面に平行な{100}面密度比、Mn濃度
および磁化特性による鉄損を求め、それらの結果を表3
に示した。平均結晶粒径は、板面に平行な断面に直線を
引き、この直線をよこぎる結晶粒界の本数を計測し、直
線の長さを結晶粒界の本数で除した値である。また、鉄
損は、実施例1と同じ方法で、50Hz の交番磁界中で1.
5 Tの磁束密度まで磁化したときの鉄損値W15/50 で示
した。
損値は1.48〜1.86 W/kg の範囲にあり、比較例のNo.25
の鉄損値2.36 W/kg に比べ、いずれも低鉄損特性を有し
ている。また、平均結晶粒径の板厚に対する比が0.51以
上から7.8 以下(No.15〜22)のとき、鉄損値
(W15/50 )は1.48〜1.59 W/kg の範囲にあり、さらに
低鉄損特性を示すことがわかる。
熱間鍛造して60mm厚さの鋼板とし、さらに5mmから2mm
の間の種々の厚さに変化させて熱間圧延した後、酸洗
し、0.35mm厚さまで冷間圧延した。得られた鋼板の幅は
300 mmであった。これらの冷間圧延鋼板から幅が250 m
m、長さが600 mmの試板を切り出し、以下の最終焼鈍に
供した。
2O3-65重量%SiO2系の繊維状脱炭促進材を0.01g/cm2 の
密度で、TiO2系の粉末状脱Mn材を0.002g/cm2の密度で試
板の間に挟み積層し、1 Torr の真空中で1℃/minの昇
温速度で1000℃まで加熱して8時間保持した。
のを用いた。
平行な{100}面密度比、Mn濃度および磁化特性を求
めた。磁化特性は、最終焼鈍された試板から幅30mm、長
さ100 mmの短冊板を、長辺の方向を圧延方向から5°の
角度ピッチで種々の方向に切り出し、これら短冊板の長
辺方向の磁気特性(磁束密度、鉄損)を単板磁気測定装
置を用いて測定した。なお、これら短冊板は、切り出し
た後、800 ℃の窒素ガス中で1時間の歪みとり焼鈍を施
した。これらの結果を表4に示した。
は、0.0025重量%以下、平均Mn濃度は0.68重量%であ
り、低磁場下における磁化の立ち上がり異常は認められ
なかった。
定装置を用いて磁束密度と鉄損値を測定した結果を図3
に示す。図3(a)は、厚さ3mmから0.35mmの最終板厚まで
1回の冷間圧延を施した後、最終焼鈍した試板(No.27)
を1000A/mの磁化力で磁束密度を15°間隔に測定した結
果を示す図である。磁束密度(B10)の平均値は約1.6
T(テスラ)であり、B10の最大値(1.647 T)と最小
値(1.536 T)の差(最大偏差、0.116 T)の平均値
(1.593 T)に対する比は、0.073 である。比較例の10
00A/mの磁化力における磁束密度(B10)の平均値は約
1.45Tであり、B10の最大値(1.558 T)と最小値(1.
408 T)の差(0.15T)の平均値(1.45T)に対する比
は、0.103 である。この様にして両者を比較すると、発
明材(No.26〜29) は、1000A/mの磁化力における磁束密
度の変化の方向依存性が比較材のそれより小さく、かつ
平均値において0.15Tも磁束密度が高いことがわかる。
で磁化したときの鉄損W10/50 の方向依存性を示す図で
ある。同図から発明例(No.26〜29) は、比較例(No.30)
と比較して鉄損値の方向依存性およびその絶対値が小さ
いことがわかる。
って求めた{110}極点図を図4に示す。これから、
最終焼鈍によって{100}<021>近傍の集合組織
が発達していることがわかる。{100}<021>近
傍の集合組織が発達すると、板面内における<001>
軸が板面内の8方向に分散し、1000A/mの磁化力におけ
る磁束密度の変化の方向依存性が小さく、鉄損値の方向
依存性も小さくなる。
て60mm厚さの鋼板とし、さらに4mmの厚さまで熱間圧延
した後、酸洗し、2.5 mmから1.0mm の間の種々の厚さに
変化させて冷間圧延(一段目冷間圧延)した。その後、
900 ℃の窒素ガス中で2分間保持する中間焼鈍を行った
後、再び板厚0.3 mmまで冷間圧延(二段目冷間圧延)し
た。得られた鋼板の幅は300 mmであった。これらの鋼板
から幅が250 mm、長さが600 mmの試板を切り出し、以下
の最終焼鈍に供した。最終焼鈍条件は、実施例3と同様
である。
板面に平行な{100}面密度比、Mn濃度および磁束密
度の方向依存性を実施例3と同じ方法で求め、それらの
結果を表5に示した。また、磁化特性の測定結果から、
圧延面内にあって圧延方向の磁束密度B10を(X1)、板幅
方向の磁束密度B10を(X2)、圧延方向と板幅方向との平
均値 (X1)+(X2)/2 を(X) 、圧延方向から45°の方向の
磁束密度B10を(Y) として、 〔 2(X−Y)/(X+Y)〕 で計算される値を求め、それらの結果を表5に示した。
〔 2(X−Y)/(X+Y)〕が 0.175〜0.306 と比較
例No.35(0.050)に比べ大きく、磁束密度の板面内異方性
をもつことになり、二方向性電磁鋼板が得られることが
わかる。
造して60mm厚さの鋼板とし、さらにこの鋼板を厚さ2.3
mmまで熱間圧延した後、酸洗し、0.35mm厚さまで断面減
少率85%で冷間圧延した。得られた鋼板の幅は300 mmで
あった。これらの冷間圧延鋼板から幅が250 mm、長さが
600 mmの試板を切り出し、以下の最終焼鈍に供した。
2O3-52重量%SiO2系の繊維状脱炭促進材を0.002g/cm2の
密度で、TiO2系の粉末状脱Mn材を0.001g/cm2の密度で試
板の間に挟み積層し、10-2 Torr の真空中で0.7 ℃/min
の昇温速度で1030℃まで加熱して15時間保持した。最終
焼鈍の後、一部の試板にリン酸塩系の溶液を塗布し600
℃の温度で焼付け、その後の冷却時の熱収縮によって板
面内に1Kg/mm2の等方性張力を付加した。
径、板面に平行な{100}面密度比、Mn濃度および磁
化特性(磁束密度、鉄損)の方向依存性を、前記の実施
例3と同じ方法で求め、その結果を表6に示した。
のいずれにおいても焼鈍後のC含有量は、0.0025重量%
以下、平均Mn濃度は0.56重量%であり、低磁場下におけ
る磁化の立ち上がり異常は認められなかった。
スラ)であり、B10の最大値(1.636 T)と最小値(1.
564 T)の差(最大偏差、0.072 T)の平均値(1.597
T)に対する比は、0.045 であり、磁束密度の方向依存
性は極めて小さい。張力を付加する効果は鉄損値の測定
結果に表れており、張力を付加することによって鉄損値
が低下している。
の高級無方向性電磁鋼板の磁気特性を示している。これ
と比較すると、本発明の電磁鋼板では磁束密度が高く、
磁束密度の方向依存性は小さく、しかも鉄損が小さくな
るので、優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板が得
られることがわかる。
造して20mm厚さの鋼板とし、さらに2.3mm の厚さまで熱
間圧延した後、酸洗し、さらに1.0 mmの厚さになるまで
断面減少率56.5%で冷間圧延(一段目冷間圧延)した。
その後、950 ℃の窒素ガス中で1分間保持する中間焼鈍
を行った後、さらに最終板厚が0.3 mmになるまで断面減
少率70.0%で冷間圧延(二段目冷間圧延)した。得られ
た鋼板の幅は300 mmであった。これらの鋼板から幅が25
0 mm、長さが600 mmの試板を切り出し、実施例5と同じ
条件で最終焼鈍を施した。
板面に平行な{100}面密度比、Mn濃度および磁束密
度の方向依存性を実施例3と同じ方法で求め、それらの
結果を表7に示した。このとき、張力を付加する効果を
確認するため、磁気特性を単板磁気測定装置で測定する
際に、試板の磁化方向に12Kg/mm2までの張力を機械的に
付加した。
のいずれにおいても焼鈍後のC含有量は、0.0025重量%
以下、平均Mn濃度は0.57重量%であり、低磁場下におけ
る磁化の立ち上がり異常は認められなかった。
の測定結果から磁束密度の方向依存性を確認するため、
圧延方向の磁束密度B10を(X1)、板幅方向の磁束密度B
10を(X2)、圧延方向と板幅方向との平均値 (X1)+(X2)/2
を(X) 、圧延方向から45°の方向の磁束密度B10を
(Y) として、〔 2(X−Y)/(X+Y)〕を求めて、
それらの結果を表7に示した。いずれの発明例でも、大
きな値(0.244 )を示すことから、磁束密度の板面内異
方性をもつことになり、二方向性電磁鋼板が得られるこ
とがわかる。
張力を付加しない場合と1.0Kg/mm2まで付加した場合の
鉄損値(W15/50 、W17/50 )の測定結果を示してい
る。いずれの場合も、張力を付加することによって鉄損
値が低下していることがわかる。
鉄損値(W17/50 )との関係を示す図である。張力を
0.1Kg/mm2以上付加すれば鉄損値を低減できるが、張力
が大きすぎると磁気特性が劣化する傾向にある。そのた
め、付加する張力の上限は、好ましくは5Kg/mm2、より
好ましくは3Kg/mm2とすればよいことがわかる。また、
図5において、付加する張力が10Kg/mm2〜12Kg/mm2と増
大すると、鉄損値が急激に上昇している(例えば、12Kg
/mm2を付加のとき、6.4 W/Kg )。これは過大な張力に
よって塑性歪みが導入されたためである。
一方向性珪素の圧延方向の磁気特性を示している。参考
例と比較すれば、本発明の二方向電磁鋼板は圧延方向お
よび板幅方向の二方向において大きな磁束密度と小さな
鉄損値を有することがわかる。特に、適正に張力を付加
した場合には、鉄損値(W15/50 、W17/50 )は参考例
の一方向性電磁鋼板の圧延方向の鉄損値より優れたもの
となっている。
も、二方向性のものも、板面に平行な{100}面密度
が高密度に集積した集合組織を有し、表面の脱Mn層を表
面部のMn濃度と板厚方向のMn濃度減少割合を特定してあ
るので、優れた磁気特性と打ち抜き性を有する。
示す図である。
る。
を示す図である。
る。
と鉄損値(W17/50 )との関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】重量%で、Si: 0.2〜6.5 %、Mn:0.03〜
2.5 %を含有する鋼板であって、板面に平行な方向の
{100}面密度が方位配向性のないものの密度の10倍
以上の集合組織を有し、Mn濃度が板厚の表面に向かって
減少する脱Mn層を有し、表面部のMn濃度と板厚中心部の
Mn濃度の比が0.90以下、かつ前記脱Mn層のMn濃度減少割
合の最大値が0.05重量%/μm以下であることを特徴と
する磁気特性と打ち抜き性に優れた電磁鋼板。 - 【請求項2】重量%で、Si: 0.2〜6.5 %、Mn:0.03〜
2.5 %を含有する鋼板であって、板面に平行な方向の
{100}面密度が方位配向性のないものの密度の10倍
以上の集合組織を有し、Mn濃度が板厚の表面に向かって
減少する脱Mn層を有し、表面部のMn濃度が板厚中心部の
Mn濃度の0.90以下、かつ前記脱Mn層のMn濃度減少割合の
最大値が0.05重量%/μm以下であり、さらに結晶粒の
平均直径が板厚の0.25〜10倍であることを特徴とする磁
気特性と打ち抜き性に優れた電磁鋼板。 - 【請求項3】重量%で、Si: 0.2〜6.5 %、Mn:0.03〜
2.5 %を含有する鋼板であって、板面に平行な方向の
{100}面密度が方位配向性のないものの密度の10倍
以上の集合組織を有し、Mn濃度が板厚の表面に向かって
減少する脱Mn層を有し、表面部のMn濃度が板厚中心部の
Mn濃度の0.90以下、かつ前記脱Mn層のMn濃度減少割合の
最大値が0.05重量%/μm以下であり、さらに板面に平
行な方向に弾性限度内の張力が付加されていることを特
徴とする磁気特性と打ち抜き性に優れた電磁鋼板。
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