JPH09209286A - セラミックス溶射プレスロール用ドクタ装置 - Google Patents

セラミックス溶射プレスロール用ドクタ装置

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JPH09209286A
JPH09209286A JP3012996A JP3012996A JPH09209286A JP H09209286 A JPH09209286 A JP H09209286A JP 3012996 A JP3012996 A JP 3012996A JP 3012996 A JP3012996 A JP 3012996A JP H09209286 A JPH09209286 A JP H09209286A
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press roll
water
doctor blade
doctor
water supply
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JP3012996A
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English (en)
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Mutsuryo Kai
睦了 甲斐
Masaaki Horiuchi
正昭 堀内
Mikio Yamaguchi
幹夫 山口
Rumiko Hirose
留美子 広瀬
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドクタブレードの摩耗量を減少させる。 【解決手段】 セラミックス溶射プレスロール1の上方
位置に、ドクタブレード7を配置して中空のドクタホル
ダ9により保持させる。ドクタホルダ9前面のドクタブ
レード7の上側位置に多数の散水孔10を設ける。ドク
タホルダ9の側面に給水配管12を接続する。セラミッ
クス溶射プレスロール1とドクタブレード7との接触部
の両脇に、真空ポンプ13より導設された吸引パイプ1
4を設置する。給水配管12よりドクタホルダ9内へ注
水して各散水孔10を通してドクタブレード7上面に散
水させるようにすると、ドクタブレード7上を流れた水
Wがセラミックス溶射プレスロール1とドクタブレード
7との接触部に達し、セラミックス溶射プレスロール1
の表面を潤滑させると共に摩擦熱を冷却させ、ドクタブ
レード7の摩耗を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抄紙機のプレス部の
セラミックス溶射プレスロールに付着する紙くずや紙中
のタールを除去するために用いられるドクタ装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】湿紙はすき網部において大部分の水分が
取り除かれるが、なお相当量の水分が含まれているの
で、これを直ちに乾燥部へ送って加熱乾燥させると、多
くの蒸気が必要となり、更に、繊維のからみ合いが充分
でなくて強度的な問題が生じる。そのため、プレス部に
て湿紙を機械的に圧搾して脱水させると共に紙質を緊締
させて紙面を改善させた後に乾燥部へ送るようにしてい
る。
【0003】抄紙機のプレス部としては、紙の厚さや抄
速等に関連して種々の型式があり、図8はその一例とし
てストレートスルー型抄紙機の概略を示すもので、上段
側のプレスロールaと下段側のボトムロールbからなる
組み合わせを3組並べて、それぞれ第1プレスP1 、第
2プレスP2 、第3プレスP3 を形成し、上流から送ら
れれてきた湿紙cを、フェルトdと共に、第1プレスP
1 及び第2プレスP2では同方向に通し、第3プレスP
3 で方向変換して通過させた後、湿紙cだけをスムーザ
eを通して下流へ送り出すようにしてある。
【0004】又、他の型式としてのコンバインド型抄紙
機は、図9に概略を示す如く、上段側のプレスロールf
と下段側のボトムロールgとによって第1プレスP1
形成し、且つ該第1プレスP1 のプレスロールfの横に
センターロールhを近接配置して、該センターロールh
と上記プレスロールfとによって第2プレスP2 を形成
すると共に、該第2プレスP2 のセンターロールhの上
部に別のプレスロールiを配置して、該プレスロールi
と上記センターロールhとによって第3プレスP3 を形
成し、更に、第3プレスP3 の下流に、上段側のプレス
ロールjと下段側のボトムロールkとによる第4プレス
4 を形成し、上流から送られてきた湿紙mを、適宜掛
け回した無端状のフェルトnと共に各P1 ,P2
3 ,P4 を順次通過させた後、スムーザoを通して下
流へ送り出すようにしてある。
【0005】上記ストレートスルー型抄紙機のプレス部
における各プレスP1 ,P2 ,P3のプレスロールa
や、コンバインド型抄紙機のプレス部における第2、第
3プレスP2 ,P3 用のセンターロールh並びに第4プ
レスP4 のプレスロールjには、湿紙c,mに対する良
好な濡れ特性及び剥離性等が要求されるため、従来よ
り、主として、結晶に極めて微細な気孔を有し濡れ特性
に優れ且つ湿紙の剥離性が良く、しかも、撓屈性が少な
く更に錆が出ない花崗岩質の天然ストーンロールが採用
されているものの、近年、天然ストーンロールは、天然
ストーン自体の世界的産地が限られてきて入手が困難に
なってきていると共に、抄紙機の高速化や各プレスの高
温化等のために強度保証できなくなってきている。
【0006】そのため、従来より上記天然ストーンロー
ルの代替技術としてセラミックス溶射プレスロールの開
発が進められている。図10はセラミックス溶射プレス
ロール1を用いた例を示すもので、セラミックス溶射プ
レスロール1は、円筒状に形成した所要厚さの鋳鋼製の
ロールシェル2の外周面に所要厚さのセラミックス溶射
被膜3を施してなるもので、下段側のボトムロール4と
の間に、上流側から送られてきた湿紙5を無端状のフェ
ルト6と共に通過させて圧搾させるようにしてあり、該
セラミックス溶射プレスロール1が回動して湿紙を圧搾
することによりセラミックス溶射プレスロール1の表面
に付着した紙くずやタール等の粕(不純物)を掻き取る
ために、ドクタホルダ8に保持されたドクタブレード7
をセラミックス溶射プレスロール1と平行に配置して、
該ドクタブレード7の先端をセラミックス溶射プレスロ
ール1の表面に接触させるようにしてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに抄紙機のプレス部におけるプレスロールとして天然
ストーンロールに代えてセラミックス溶射プレスロール
を使用しようとする場合、一見滑らかなようなセラミッ
クス溶射プレスロール1の表面には極小の凹凸が鋸刃状
にできていることから、ドクタブレード7が激しく摩耗
してしまい、ドクタブレード7の交換回数が多くなって
そのための手間と費用を要してしまうという問題があっ
た。
【0008】そこで、本発明は、セラミックス溶射プレ
スロールとドクタブレードとの摩擦抵抗を減少させ、ド
クタブレードの摩耗を抑えてドクタブレードの寿命を延
ばすことのできるようなセラミックス溶射プレスロール
用ドクタ装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、ボトムロールとの間で湿紙をフェルトと
共に通過させて圧搾させるようにするセラミックス溶射
プレスロールの上部位置の表面に、ドクタホルダの前面
部に保持させたドクタブレードの先端をロール全長にわ
たって当接させ、且つ上記ドクタホルダを中空構造とし
て、その前面の上記ドクタブレード保持部の上方位置
に、長手方向に所要間隔で多数の散水孔を設けると共
に、該ドクタホルダに給水配管を接続して、ドクタホル
ダ内へ注入された水を各散水孔よりドクタブレード上を
流すようにして上記セラミックス溶射プレスロールとド
クタブレードとの接触部へ供給させるようにし、更に、
上記セラミックス溶射プレスロールとドクタブレードと
の接触部の両脇に余剰な水を吸い取るための吸引パイプ
を備えてなる構成とする。
【0010】給水配管よりドクタホルダ内へ注入された
水を各散水孔を通してドクタブレード上を流すようにし
て上記セラミックス溶射プレスロールとドクタブレード
との接触部へ供給させるようにすると、セラミックス溶
射ロール表面を潤滑させると共に摩擦熱を冷却させるこ
とができるので、ドクタブレードの摩耗を抑えることが
でき、しかも、余剰な水を吸引パイプにより吸い上げる
ようにすることにより、湿紙上に水が落下して水むらが
生じてしまうことも防ぐことができる。
【0011】又、上記セラミックス溶射プレスロールと
ドクタブレードとの接触部の上方位置に、筒状の給水ヘ
ッダの下端部に多数の孔又はスリットを設けると共に該
給水ヘッダの周囲にフェルトを下端に垂れ下がりを形成
するようにして巻き掛けてなる給水器を、フェルトの垂
れ下がり部をセラミックス溶射プレスロールの表面に接
触させるようにしてセラミックス溶射プレスロールとド
クタブレードとの接触部の上流側位置に平行に配置し、
該給水器の給水ヘッダに給水配管を接続して、給水器の
給水ヘッダ内へ注入された水を一旦フェルトに浸み込ま
せてからセラミックス溶射プレスロールとドクタブレー
ドとの接触部に滴下させるようにし、更に、上記セラミ
ックス溶射プレスロールとドクタブレードとの接触部の
両脇に余剰な水を吸い上げるための吸引パイプを備える
ようにすると、周囲への水の飛散を防ぐことができる。
【0012】更に、上記セラミックス溶射プレスロール
上方の近接位置に、エア配管を通して供給される圧縮空
気を用いて給水配管内の水を、霧状にして噴射させるよ
うにしてある噴霧器を、該噴霧器の噴射ノズルを上記セ
ラミックス溶射プレスロールとドクタブレードとの接触
部へ向けるようにして配置して、セラミックス溶射プレ
スロールとドクタブレードとの接触部へ水を噴霧させる
ようにすると、水を大幅に節約させることができると共
に余剰な水を吸い取るための吸引パイプを不要にするこ
とができる。
【0013】上記において、ドクタブレードの先端の該
ドクタブレードとセラミックス溶射プレスロールとの接
触個所に耐摩耗性皮膜層を形成するようにすると、ドク
タブレードの耐摩耗性をより一層向上させることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0015】図1は本発明のセラミックス溶射プレスロ
ール用ドクタ装置の実施の一形態を示すもので、円筒状
に形成した所要肉厚の鋳鋼製のロールシェル2の外周面
に所要厚さのセラミックス溶射被膜3を施してなる上段
側のセラミックス溶射プレスロール1と下段側のボトム
ロール4との間に上流側から送られてきた湿紙5を無端
状のフェルト6と共に通過させて圧搾させるようにして
ある構成において、上記セラミックス溶射プレスロール
1の上方位置に、ドクタブレード7をセラミックス溶射
プレスロール1と平行に配置して、該ドクタブレード7
を中空構造としたドクタホルダ9に保持させる。該ドク
タホルダ9は、前面に取り付けたドクタブレード7の上
側に長手方向へ所要間隔を置いて多数の散水孔10を設
けると共に、一端側にバルブ11を途中に備えた給水配
管12を接続し、内部に供給された水を散水孔10から
流出させてドクタブレード7の上面を一様に流れるよう
にする。更に、上記セラミックス溶射プレスロール1と
ドクタブレード7との接触部の両脇には、真空ポンプ1
3に接続された吸引パイプ14の先端を設置し、セラミ
ックス溶射プレスロール1の両端方向から出ようとする
水を吸引パイプ14で吸い取るようにした構成とする。
【0016】セラミックス溶射プレスロール1とボトム
ロール4との間に湿紙5をフェルト6と共に通過させて
圧搾させようとする場合、上記バルブ11により流量調
節をしながら中空のドクタホルダ9内へ水wを連続的に
注入させ、各散水孔10を通し流出させてドクタブレー
ド7の上面に流すようにすると、ドクタブレード7の上
面を一様に流れた水Wがドクタブレード7上からセラミ
ックス溶射プレスロール1とドクタブレード7との接触
部に達し、セラミックス溶射プレスロール1の表面に滴
下供給される。これによりプレスロール1の表面は潤滑
されると共に該セラミックス溶射プレスロール1とドク
タブレード7との摩擦熱を冷却させることができ、ドク
タブレード7の摩擦抵抗を減少させて摩耗を抑えること
ができる。セラミックス溶射プレスロール1とドクタブ
レード7との接触部に沿って両脇部へ向けて流れ出した
水Wは、真空ポンプ13により吸引パイプ14を通して
吸い取られるので、余剰な水Wが湿紙5上に落下して水
むらが生じてしまうようなことを防止できる。
【0017】上記において、ドクタホルダ9を中空構造
として前面に多数の散水孔10を設けて、給水器として
機能させるようにしてあることから、特別な給水器を別
途に設置する必要がなく、しかも、ドクタブレード7上
を流して水Wを供給させることにより、周囲に水Wが飛
び散ってしまうようなことも防ぐことができるという利
点がある。
【0018】次に、図2は本発明の他の実施の形態を示
すもので、図1に示した中空構造とし且つ前面に多数の
散水孔10を設けて給水器として機能をさせるようにし
たドクタホルダ9に代えて、図10に示す従来のものと
同様にドクタホルダ8にドクタブレード7を保持させ
て、該ドクタブレード7の先端をセラミックス溶射プレ
スロール1の表面に接触させた構成において、セラミッ
クス溶射プレスロール1とドクタブレード7との接触部
の上方位置に、下端部に長手方向ヘ多数の孔16を所要
のピッチで設けた円筒状の給水ヘッダ15の外周にフェ
ルト17を一端が垂れ下がり部17aとなるように巻き
付けてなる給水器18を、フェルト17の垂れ下がり部
17aの下端をセラミックス溶射プレスロール1の表面
に接触させるようにセラミックス溶射プレスロール1と
平行に設置し、給水ヘッダ15の多数の孔16から流出
した水がフェルト17に浸み込んで垂れ下がり部17a
より滴下させられるようにする。又、上記給水ヘッダ1
5の一端に途中にバルブ11を備えた給水配管12を接
続して、給水ヘッダ15内に給水できるようにし、更
に、上記フェルト17の垂れ下がり部17aとドクタブ
レード7との間の両端部に吸引パイプ14の先端を配置
した構成としたものである。図中、図1と同一なものに
は同一の符号が付してある。
【0019】図2に示す実施の形態の場合、バルブ11
を調節して給水配管12より給水ヘッダ15内へ所要量
の水Wを注入させると、水Wは、孔16を通してフェル
ト17上へ落下して該フェルト17に浸み込み、垂れ下
がり部17aよりセラミックス溶射プレスロール1上へ
滴下給水させられる。これによりセラミックス溶射プレ
スロール1の表面は潤滑させると共に該セラミックス溶
射プレスロール1とドクタブレード7との摩擦熱を冷却
することができ、ドクタブレード7の摩擦抵抗を減少さ
せて摩耗を抑えることができる。しかも、フェルト17
を介在させてフェルト17の垂れ下がり部17aより滲
み出した水Wを滴下給水させるようにしてあることか
ら、セラミックス溶射プレスロール1の表面に水シャワ
ーをかけるなどして直接散水させるようにした方式と比
較して、余剰な水Wの供給を抑えることができると共に
周囲への水Wの飛散を防ぐことができ、更に、従来より
用いられているドクタホルダ8をそのまま利用すること
ができるという利点がある。
【0020】次いで、図3は本発明の更に他の実施の形
態を示すもので、図2に示した給水器18に代えて、セ
ラミックス溶射プレスロール1上方の近接位置に、エア
配管19より供給される圧縮エアAを用いて給水配管1
2内の水Wを霧状にして噴射させるようにしてある噴霧
器20を、該噴霧器20の噴射ノズル21をセラミック
ス溶射プレスロール1とドクタブレード7との接触部へ
向けるようにして設置したものである。
【0021】図3に示す実施の形態の場合、給水配管1
2内の水Wを霧状にしてセラミックス溶射プレスロール
1とドクタブレード7との接触部へ噴霧させるようにし
たことによってセラミックス溶射プレスロール1の表面
に必要最小限の水Wを供給させることができるので、水
Wを大幅に節約させることができると共に、図1又は図
2に示す実施の形態で用いた真空ポンプ13及び吸引パ
イプ14を不要にすることができる。
【0022】更に、図4は本発明の別の実施の形態を示
すもので、上記各実施の形態で用いたドクタブレード7
の先端のセラミックス溶射プレスロール1との接触個所
に、耐摩耗性皮膜層としてハステロイ溶射皮膜層22を
形成するようにしたものであり、ドクタブレード7の耐
摩耗性をより一層向上させることができる。
【0023】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、例えば、図2に示す実施の形態で
は、給水器18の給水ヘッダ15の下端に多数の孔16
を設けるようにした場合を示したが、給水ヘッダ15の
下端に長手方向へ延びるスリットを設けるようにしても
よく、更に、図1、図2、図3に示したドクタ装置は、
それぞれを個別に用いるだけでなくて組み合せて用いる
ようにすることもでき、その他、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であ
る。
【0024】
【実施例】図5(イ)(ロ)(ハ)はセラミックス溶射
プレスロールに図2に示すドクタ装置を適用させた場合
におけるドクタブレードの摩耗量を測定した実験結果を
示すもので、ドクタブレード7の材質を合成樹脂とし、
本発明による水を滴下させる場合と、水を間欠的に給水
した場合と、無給水の場合について調べた。図5(イ)
は本発明による滴下給水を行った場合、図5(ロ)は間
欠給水を行った場合、図5(ハ)は無給水の場合であ
る。
【0025】実験は、20D ×30L ×2t のサイズの
ドクタブレード試験片を使用し、運転速度600m /mi
n 、負荷250g /cmの条件下において繰り返し実施し
た。100時間の試験運転後のドクタブレード試験片の
摩耗量は、滴下給水が0.06mm、間欠給水が0.55
mm、無給水が0.71mmとなっており、滴下給水を行う
ことにより無給水の場合と比較して摩耗量は約12分の
1に減少された。
【0026】又、図1に示すドクタ装置の場合には、2
0cc/min /m 程度の水を供給させるようにすることに
よって上記図5(イ)と同程度の効果が得られることが
判明した。
【0027】次に、図6(イ)(ロ)(ハ)及び図7は
図3に示すドクタ装置を用いた場合の実験結果を示すも
ので、図6(イ)は本発明による噴霧給水の場合、図6
(ロ)はプレスロール及びドクタブレードの表面に水シ
ャワーをかけて行った水シャワー給水の場合、図6
(ハ)は無給水の場合である。
【0028】30時間の試験運転後のドクタブレード試
験片の摩耗量は、噴霧給水が0.01mm、水シャワー給
水が0.02mm、無給水が0.29mmとなっており、ド
クタ試験片の摩耗量は、噴霧給水を行うことにより、無
給水の場合の約30分の1、水シャワー給水と比較して
も半分に抑えられることが確認され、しかも、給水量は
水シャワー給水では約20l /min 必要であったのに対
して噴霧給水では2ml/min 程度で十分であり、約10
000分の1に減少させることができることが判明し
た。
【0029】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のセラミックス
溶射プレスロール用ドクタ装置によれば、中空のドクタ
ホルダ前面のドクタブレード上側に散水孔を設けると共
にドクタホルダに給水配管を接続して該ドクタホルダに
給水器としての機能をさせ、ドクタブレード上をセラミ
ックス溶射プレスロールとドクタブレードとの接触部に
水を供給させるようにし、且つセラミックス溶射プレス
ロールとドクタブレードとの接触部に余剰な水を吸い上
げるための吸引パイプを備えてなることから、セラミッ
クス溶射プレスロールの表面を潤滑させると共に生じた
摩擦熱を冷却させることができてドクタブレードの摩耗
を抑えることができ、ドクタブレードの寿命を延ばすこ
とができてランニングコストを低減させることができ、
しかも、余剰な水が湿紙上に落下して水むらが生じてし
まうようなことも防止でき、又、セラミックス溶射プレ
スロールとドクタブレードとの接触部の上方位置に給水
ヘッダの周囲にフェルトを巻き付けてなる給水器を設け
て、水をフェルトに一旦浸み込ませてから滴下給水させ
るようにすると、水シャワーをかける方式と比較して余
剰な水の供給を抑えることができると共に周囲への水の
飛散を防ぐことができ、更に、セラミックス溶射プレス
ロールの上方近接位置に圧縮エアを用いた噴霧器を設け
て噴霧給水させるようにすると、水を大幅に節約させる
ことができると共に余剰な水を吸い上げるための吸引パ
イプを不要にすることができる。
【0030】更に、ドクタブレードの先端の該ドクタブ
レードとセラミックス溶射プレスロールとの接触個所に
耐摩耗性皮膜層を形成するようにすると、ドクタブレー
ドの耐摩耗性をより一層向上させることができる、とい
う優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックス溶射プレスロール用ドク
タ装置の実施の一形態を示す概要図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示す概要図である。
【図3】本発明の更に他の実施の形態を示す概要図であ
る。
【図4】本発明の別の実施の形態を示す拡大図である。
【図5】セラミックス溶射プレスロールに図2のドクタ
装置を適用させた場合におけるドクタブレードの摩耗量
を測定した実験結果を示すもので、(イ)は滴下給水の
場合の摩耗量の時系列変化を示すグラフ、(ロ)は間欠
給水の場合の摩耗量の時系列変化を示すグラフ、(ハ)
は無給水の場合の摩耗量の時系列変化を示すグラフであ
る。
【図6】セラミックス溶射プレスロールに図3のドクタ
装置を適用させた場合におけるドクタブレードの摩耗量
を測定した実験結果を示すもので、(イ)は噴霧給水の
場合の摩耗量の時系列変化を示すグラフ、(ロ)は水シ
ャワー給水の場合の摩耗量の時系列変化を示すグラフ、
(ハ)は無給水の場合の摩耗量の時系列変化を示すグラ
フである。
【図7】図6に示す実験結果をまとめたもので、摩耗量
の比較を示すグラフである。
【図8】抄紙機のプレス部の一例を示すストレートスル
ー型の概略図である。
【図9】抄紙機のプレス部の他の例を示すコンバインド
型の概略図である。
【図10】セラミックス溶射プレスロールの使用例を示
す概要図である。
【符号の説明】
1 セラミックス溶射プレスロール 4 ボトムロール 5 湿紙 6 フェルト 7 ドクタブレード 8 ドクタホルダ 9 ドクタホルダ 10 散水孔 12 給水配管 14 吸引パイプ 15 給水ヘッダ 16 孔 17 フェルト 17a 垂れ下がり部 18 給水器 19 エア配管 20 噴霧器 21 噴射ノズル 22 ハステロイ溶射皮膜層(耐摩耗性皮膜層)
フロントページの続き (72)発明者 広瀬 留美子 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボトムロールとの間で湿紙をフェルトと
    共に通過させて圧搾させるようにするセラミックス溶射
    プレスロールの上部位置の表面に、ドクタホルダの前面
    部に保持させたドクタブレードの先端をロール全長にわ
    たって当接させ、且つ上記ドクタホルダを中空構造とし
    て、その前面の上記ドクタブレード保持部の上方位置
    に、長手方向に所要間隔で多数の散水孔を設けると共
    に、該ドクタホルダに給水配管を接続して、ドクタホル
    ダ内へ注入された水を各散水孔よりドクタブレード上を
    流すようにして上記セラミックス溶射プレスロールとド
    クタブレードとの接触部へ供給させるようにし、更に、
    上記セラミックス溶射プレスロールとドクタブレードと
    の接触部の両脇に余剰な水を吸い取るための吸引パイプ
    を備えてなることを特徴とするセラミックス溶射プレス
    ロール用ドクタ装置。
  2. 【請求項2】 ボトムロールとの間で湿紙をフェルトと
    共に通過させて圧搾させるようにするセラミックス溶射
    プレスロールの上部位置の表面に、ドクタホルダの前面
    部に保持されたドクタブレードの先端をロール全長にわ
    たって当接させ、且つ上記セラミックス溶射プレスロー
    ルとドクタブレードとの接触部の上方位置に、筒状の給
    水ヘッダの下端部に多数の孔又はスリットを設けると共
    に該給水ヘッダの周囲にフェルトを下端に垂れ下がりを
    形成するようにして巻き掛けてなる給水器を、フェルト
    の垂れ下がり部をセラミックス溶射プレスロールの表面
    に接触させるようにしてセラミックス溶射プレスロール
    とドクタブレードとの接触部の上流側位置に平行に配置
    し、該給水器の給水ヘッダに給水配管を接続して、給水
    器の給水ヘッダ内へ注入された水を一旦フェルトに浸み
    込ませてからセラミックス溶射プレスロールとドクタブ
    レードとの接触部に滴下させるようにし、更に、上記セ
    ラミックス溶射プレスロールとドクタブレードとの接触
    部の両脇に余剰な水を吸い上げるための吸引パイプを備
    えてなることを特徴とするセラミックス溶射プレスロー
    ル用ドクタ装置。
  3. 【請求項3】 ボトムロールとの間で湿紙をフェルトと
    共に通過させて圧搾させるようにするセラミックス溶射
    プレスロールの上部位置の表面に、ドクタホルダの前面
    部に保持させたドクタブレードの先端をロール全長にわ
    たって当接させ、且つ上記セラミックス溶射プレスロー
    ル上方の近接位置に、エア配管を通して供給される圧縮
    空気を用いて給水配管内の水を、霧状にして噴射させる
    ようにしてある噴霧器を、該噴霧器の噴射ノズルを上記
    セラミックス溶射プレスロールとドクタブレードとの接
    触部へ向けるようにして配置して、セラミックス溶射プ
    レスロールとドクタブレードとの接触部へ水を噴霧させ
    るようにしてなることを特徴とするセラミックス溶射プ
    レスロール用ドクタ装置。
  4. 【請求項4】 ドクタブレードの先端のセラミックス溶
    射プレスロールとの接触個所に耐摩耗性皮膜層を形成さ
    せた請求項1、2又は3記載のセラミックス溶射プレス
    ロール用ドクタ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0864691A1 (en) * 1997-03-14 1998-09-16 Ecc International Limited Reducing doctor blade wear in a paper coating
JP2007177377A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Daio Paper Corp クリーニングドクター装置、並びにこれを用いた家庭用薄葉紙の製造方法及びこの方法により製造された家庭用薄葉紙。
KR101402069B1 (ko) * 2012-06-22 2014-05-30 주식회사 포스코 열간 압연 장치
JP2016184518A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 株式会社豊田自動織機 プレス装置

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