JPH0920901A - アトマイズ粉末の製造方法及び装置 - Google Patents

アトマイズ粉末の製造方法及び装置

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JPH0920901A
JPH0920901A JP16552495A JP16552495A JPH0920901A JP H0920901 A JPH0920901 A JP H0920901A JP 16552495 A JP16552495 A JP 16552495A JP 16552495 A JP16552495 A JP 16552495A JP H0920901 A JPH0920901 A JP H0920901A
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nozzle
pressure
gas
gas injection
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Tadashi Fukuda
匡 福田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属,合金の微粉末材料をガスアトマイズ法
によって製造する方法である。一体型のアトマイズノズ
ル2を構成するガス噴射治具2bの中央孔2bbを貫通
して配置された溶湯ノズル2aの位置を予め調整し、溶
湯ノズル2aの外周面と前記中央孔2bbの内周面との
間隙2cの圧力が、周囲の雰囲気圧力に対して−3.0
〜+2.0kPa(in-Gage)の圧力となる条件で操業する。 【効果】 溶湯を吹き上げることなく、30μm以下の
微粉末を効率良くかつ安定して製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属材料の微粉末
をガスアトマイズ法によって製造する方法及び装置に係
り、従来の方法,装置を使用した場合と比べて噴霧の安
定性を事前に判定して適正な条件で装置を運転すること
により、近年需要の多い例えば水素吸蔵合金等の金属粉
末を経済的に製造するのに好適な方法及びこの方法を実
施する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属,合金微粉末をアトマイズ法で製造
するに際し、噴霧の安定性を事前に判定するには、従来
より次に挙げるような各種の方法が提案され、また実施
されている。 特公昭63−30364号 リングスリット(円環状スリット)ノズルから少なくと
も80バールの水圧で、水ジェット頂角αが80〜12
0°の角度で水を噴射し、水ノズルが内孔部の気圧を
0.02〜0.20バールの吸引作用のもとで溶湯流を
水アトマイズする方法を提案している。この方法は操業
パラメータである溶湯流の直径,水圧及び高圧水コーン
と溶湯流との間の角度が設定されている場合に、適切な
吸引管を取り付けることでブロッキングを起こさない吸
い込み気圧を発生させ、その吸い込み圧力を特定したも
のである。
【0003】 特開昭62−77403号 アトマイズ媒体を噴射しつつ高さ方向に変位自在に配設
された有体物の下方への変位量を測定し、所定の値であ
るようアトマイズ条件を調節する方法である。 特開昭62−182211号 噴霧媒液の噴霧圧力P(kg-f/cm2),流量Qw (m3/h)及び
流体ジェット頂角α°の3つをパラメータとして次に示
す実験式を導き、このブロッキング数が15000以上
となるように吸い込み気流量Qg(m3/h) を確保して、液
体ジェットコーン内の全域を負圧にし逆流領域を制御す
ることで、ブロッキングを起こさずにアトマイズする方
法である。 Bl =Qg/〔Qw ×P0.5 ×(1−cos(α/2))〕
【0004】 特開昭62−274010号 真空溶解炉内の圧力とアトマイズチャンバー内の圧力と
の差圧を設備要素によって定まる所定値以上となるよう
調整することを特徴とする金属粉末の製造方法である。 特開昭63−262405号 液体噴射ノズルボックス内の圧力をP1 ,噴霧チャンバ
内の圧力をP2 としてその差圧(P1 −P2 )を液体ア
トマイズでは50〜700mmHg、ガスアトマイズでは1
0〜400mmHgとして溶融金属を注入してアトマイズす
る方法である。この方法はブロッキングが流体ジェット
頂角の増大による噴霧媒体の吹き上がりによって発生す
るとして、差圧を適正値に限定すべく排気方法を提案し
ている。
【0005】 特開平4−99105号 噴霧媒体である液体ジェットで溶融金属をアトマイズす
る際に発生する蒸気が溶融金属を吹き上げてブロッキン
グを起こすことを回避するため、液体ジェット噴射口の
液体ノズル内孔部の吸い込み気圧−ΔP(mmHg)との関係
を統計的に解析して求めたものである。 −ΔP(mmHg)=−253 ×103 ×(Hm/ΔHl )×S-0.35 ×h-0.46 ×cos -1.56 ×(Ql/Gm )-1.07 但し、Gm :溶融金属の注湯速度(kg/min) Hm :溶融金属の含熱量(kcal/kg) h :液体ジェットコーンの鉛直長さ(mm) Ql :液体ジェットの流量(kg/min) S :液体ジェットコーンの噴射口の周長(mm) α :液体ジェットコーンの頂角( °) ΔHl :液体の沸騰までの熱量(kcal/kg)
【0006】 I.E.Anderson:Physial Chemistry of
Powder Metals Production andProcessing, edited by
W.Murray Small TMS(1989)229-249. ガスアトマイズ法においては、噴霧媒体のみを噴射し
て、溶湯管出口の圧力が周囲雰囲気圧力に較べて一定の
負値以下であることを吹き上げのない条件とする方法が
広く適用されている。
【0007】上記したように、アトマイズ法によって金
属粉末を製造するに際し、溶湯吹き上げの判定方法とし
ては、次の3つに大別できる。 a) 溶湯供給室と溶湯管出口側であるアトマイズタンク
の圧力差を規定する方法(上記した,〜の方法) b) 自由流下方式でアトマイズノズルの気流吸い込み量
を規定する方法(上記の方法) c) 噴霧媒体による作用力を規定する方法(上記の方
法)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年は、ガ
スアトマイズによる金属粉末製造におけるブロッキング
危険性を事前に精度よく予測し、適正な条件、具体的に
は溶湯ノズル位置,噴射ガス圧力で運転して、ブロッキ
ングに代表される不安定かつ異常な運転を回避し、微粉
末を高効率で製造することが課題となっているが、上記
したように、従来の方法は、溶湯の供給側である溶解炉
室と溶湯の流出・噴霧側であるアトマイズタンクとの圧
力差あるいは両室間に流れるガス流量を適正範囲に規定
しようとするものであった。
【0009】しかしながら、本発明者がガスアトマイズ
に於ける溶湯吹き上げ現象を詳細に検討した結果、一体
型(Close-coupled もしくはConfinedとも呼称される)
のアトマイズノズルに関して、溶湯の吹き上げは溶湯ノ
ズル先端の局所的なガス流れ状態ならびに溶湯流動状態
によって決まる要素が大きいことを知見した。
【0010】従って、上記したような従来の方法では、
溶湯の吹き上げに間接的に影響する因子をもって判定し
ていたので、吹き上げの危険性を事前に十分には予見で
きずに溶湯アトマイズの運転を行っていた結果、吹き上
げが発生して運転を中断したり、甚だしくはガス噴射装
置を溶損したり、また、反対に吹き上げを抑制するため
過度にガス吸い込みを起こす条件、あるいは溶湯管出口
が低圧となる条件で運転して粗粒粉末を生成する等の不
具合があった。
【0011】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、溶湯の吹き上げの有無を高精度に
判定し、30μm以下の微粉末を効率良くかつ安定して
製造できるアトマイズ粉末の製造方法及びその装置を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明のアトマイズ粉末の製造方法は、金属,
合金の微粉末材料をガスアトマイズ法によって製造する
に際し、一体型のアトマイズノズルを構成するガス噴射
治具の中央孔を貫通して配置された溶湯ノズルの位置を
予め調整し、溶湯ノズルの外周面と前記中央孔の内周面
との間隙の圧力が、周囲の雰囲気圧力に対して−3.0
〜+2.0kPa(in-Gage)の圧力となる条件で操業するこ
ととしているのである。
【0013】また、本発明のアトマイズ粉末の製造装置
は、溶湯ノズルを介してアトマイズタンク内に溶湯を流
下しつつ、この溶湯にガス噴射治具からガスを噴射して
アトマイズ粉末を製造する装置において、一体型のアト
マイズノズルを構成する前記ガス噴射治具の中央孔を貫
通して配置された溶湯ノズルを、ガス噴射治具に対して
相対移動が可能なように、中央孔の軸方向に移動可能に
設置するとともに、溶湯ノズルの外周面と前記中央孔の
内周面との間隙に、その他端に圧力計を接続した圧力導
管の一端開口を導いているのである。
【0014】本発明方法において、溶湯ノズルの外周面
と前記中央孔の内周面との間隙の圧力が、周囲の雰囲気
圧力に対して−3.0〜+2.0kPa(in-Gage)の圧力と
なる条件で操業するのは、溶湯を吹き上げることなく、
30μm以下の微粉末を効率良くかつ安定して製造する
ためであり、後述する実施結果に基づいて決定したもの
である。
【0015】
【作用】本発明のアトマイズ粉末の製造装置は、溶湯ノ
ズルを介してアトマイズタンク内に溶湯を流下しつつ、
この溶湯にガス噴射治具からガスを噴射してアトマイズ
粉末を製造する装置において、一体型のアトマイズノズ
ルを構成する前記ガス噴射治具の中央孔を貫通して配置
された溶湯ノズルを、ガス噴射治具に対して相対移動が
可能なように、中央孔の軸方向に移動可能に設置すると
ともに、溶湯ノズルの外周面と前記中央孔の内周面との
間隙に、その他端に圧力計を接続した圧力導管の一端開
口を導いているので、溶湯ノズルの外周面と前記中央孔
の内周面との間隙の圧力が、周囲の雰囲気圧力に対して
−3.0〜+2.0kPa(in-Gage)の圧力となるように、
圧力計の測定値を確認しながら、ガス噴射治具に対する
溶湯ノズルの位置を調整できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明のアトマイズ粉末の製造装置及
びこの装置を使用してアトマイズ粉末を製造する方法を
図1〜図4に示す実施例に基づいて説明する。図1は本
発明のアトマイズ粉末の製造装置の要部概略説明図、図
2は本発明のアトマイズ粉末の製造装置の全体概略説明
図、図3は本発明に使用する溶湯ノズルの先端形状の一
例を示す図、図4は本発明方法のフローチャートであ
る。
【0017】図1〜図3において、1は気密を保つこと
ができるアトマイズタンクであり、その上部内側にはア
トマイズノズル2が設置されている。このアトマイズノ
ズル2は、溶湯貯留容器3の底部に開設した小孔3aと
直結され、ストッパー5を前記小孔3aから引き抜くこ
とによって溶湯貯留容器3内の原料溶湯(以下、単に
「溶湯」という)4を受け入れ、アトマイズタンク1内
に流下させる溶湯ノズル2aと、この溶湯ノズル2aの
廻りに配置されたガス噴射治具2bとで構成されてい
る。
【0018】ところで、前記溶湯貯留容器3には真空溶
解炉(図示せず)から不活性雰囲気を保った溶湯容器
(図示せず)によって成分調整された溶湯4が供給さ
れ、この供給された溶湯4を受け入れた溶湯貯留容器3
やアトマイズノズル2等はアトマイズタンク1に収めら
れ、運転開始前に真空排気された後、必要に応じてアト
マイズタンク1内が必要な圧力になるまで不活性ガスが
充填される。
【0019】上記したような状態下において、ガス噴射
治具2bに高圧の不活性ガスを供給し、溶湯ノズル2a
の廻りに開設された噴射孔2baから前記流下する溶湯
流に向かって高圧の不活性ガスを噴射する。これによっ
て、溶湯流は溶滴群を生成し、さらに分裂,冷却されて
金属粉末となり、アトマイズタンク1の底部の円錐状部
分1aの下端に気密状態で接続されたサイクロン6によ
って気流と分離され、粉末回収容器7に集められる。
【0020】前記アトマイズノズル2にはいくつかの形
式のものがあるが、本発明の対象としている30μm以
下の金属微粉末を歩留り良く生成する為には自由流下方
式(Open-dieもしくは Free-fall)ではなく一体型のア
トマイズノズル2を使用することが必要である。さら
に、ガス噴射の方式も、溶湯流の周囲から環状ジェット
あるいは多数の独立ジェットを吹き付ける円環方式を採
用する方が、平板状のジェットを対向させて噴射するV
型のものと比較して微粉末を高歩留りで生成できる。
【0021】そして、本発明では、上記した円環方式で
一体型のアトマイズノズル2を使用するに際し、溶湯ノ
ズル2aの外周面とガス噴射治具2bの中央孔2bbの
内周面との間隙2cを適正な値に設定する必要がある。
その理由は、ガス断熱冷却によって低温化するガス噴
射治具2bに溶湯ノズル2aが直接接触すると、溶湯ノ
ズル2a内を流下する溶湯4の温度が低下し、その結
果、流動性が低下して溶湯4が凝固することを回避する
ことと、溶湯ノズル2a位置の僅かな変化によっても
溶湯ノズル2aの出口圧力が上下し、生成される金属粉
末の粒度がばらつくことを防ぐためである。
【0022】そこで,本発明のアトマイズ粉末の製造装
置では、溶湯ノズル2aをガス噴射治具2bに対して相
対移動が可能なように、ガス噴射治具2bの中央孔2b
bの軸方向に移動及びその位置を読み取りできるととも
に、所定位置で固定可能なように構成し、かつ、ガス噴
射治具2bの中央孔2bbの内周面と溶湯ノズル2aの
外周面とが密着しない寸法関係となしている。例えば、
本実施例では図1に示すように、ガス噴射治具2bの上
面に円板状の治具8を設置し、この治具8に取り付けた
Oリングやメカニカルシール等のシール機構8aを介し
てガス噴射治具2bの上面及び溶湯ノズル2aの外周面
と密着させたものを開示している。
【0023】本発明のアトマイズ粉末の製造装置では、
前記間隙2cに連通するように治具8に小孔8bを開設
して、この小孔8bに圧力導管9を気密状に接続し、こ
の圧力導管9に接続した圧力計10で間隙2c内の圧力
を測定し、アトマイズタンク1内の周囲の雰囲気圧力と
の差圧を測定できるように構成している。
【0024】本発明のアトマイズ粉末の製造装置は上記
したような構成であり、次にかかる構成の装置を用いて
本発明によってアトマイズ粉末を製造する方法につい
て、図4のフローチャートを用いて説明する。先ず、製
造目標(溶湯の吹き上げがなく、少ないガス量で所定の
粒径のアトマイズ粉末を得ること)に応じて、溶湯4の
成分から反応性等を考慮して溶湯ノズル2aの材質を決
定する。
【0025】次に、溶湯ノズル2aの先端形状を選択す
る。この場合、図3に示すような円錐形状の方が微粉末
のアトマイズ粉末が得られるが、円錐形状の場合には先
端厚さが薄くなるので、平坦形状のものと比較して強度
が弱くなる。従って、溶湯ノズル2aの材質によって強
度が弱い場合や、溶湯4が大量すなわち製造するアトマ
イズ粉末が大量の場合には、図1に示すような平坦な形
状のものを採用し、また強度が強い場合や、溶湯4が少
量すなわち製造するアトマイズ粉末が小量の場合には、
図3に示すような円錐形状のものを採用する。
【0026】溶湯ノズル2aの先端形状を決定すると、
その先端形状により可及的に大きくなるようにガスの噴
射角度を決定する。次に、ガス圧力を決定した後、溶湯
ノズル2をガス噴射治具2bに対して相対移動させ、例
えば溶湯ノズル2aの先端位置の圧力と前記空隙2cの
圧力の関係を調査する。
【0027】そして、空隙2cの圧力が溶湯ノズル2a
の先端位置の圧力に対して−3.0〜+2.0kPa(in-G
age)の範囲内であれば、上記決定したガスの噴射角度,
ガス圧力で安全操業が可能であると判断する。一方、空
隙2cの圧力が前記先端位置の圧力に対して−3.0〜
+2.0kPa(in-Gage)の範囲外であれば、空隙2cの圧
力が前記先端位置の圧力に対して−3.0〜+2.0kP
a(in-Gage)の範囲内になるまで、ガスの噴射角度を変更
する。また、ガスの噴射角度の変更だけでは、空隙2c
の圧力が前記先端位置の圧力に対して−3.0〜+2.
0kPa(in-Gage)の範囲内にならなければ、ガスの噴射角
度の限界角度を求めた後、ガス圧力を増減させる。
【0028】決定したガスの噴射角度,ガス圧力で安全
操業が可能であると判断すると、アトマイズ粉末を試作
して粒子径を測定し、溶湯4の吹き上げの有無を確認す
る。アトマイズ粉末の試作結果が良好であれば、上記決
定した条件で製造を開始する。他方、アトマイズ粉末の
試作結果が良好でなければ、再度、ガスの噴射角度の変
更から上記したのと同様の操作を行う。
【0029】本発明は上記したようなアトマイズ粉末の
製造装置及びこの装置を用いてアトマイズ粉末を製造す
る方法であり、以下、本発明の効果を確認するために行
った実施結果について説明する。 〔実施例1〕実験に供した図1に示すガス噴射治具2b
及び溶湯ノズル2aの各種寸法等を下記表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】3.1MPa の圧力下でArガスを噴射し、溶
湯ノズル2aの位置を種々変化させて間隙2cの圧力な
らびに溶湯ノズル2aの出口部における圧力を測定した
結果を図5に示す。この図5において、横軸は溶湯ノズ
ル2aの先端面と噴射孔2baとの垂直距離を示す。図
5に示す実験結果より、溶湯ノズル2aを上昇させるに
従って間隙2cの圧力が溶湯ノズル2aの出口部の圧力
に先行して高くなることが判る。
【0032】次に、下記表2に示した化学成分のFeSiB
材料を使用して、図1に示す構造のアトマイズノズル2
を備えた図2に示すアトマイズ粉末の製造装置でアトマ
イズ粉末の製造試験を行った。粉末製造の条件を表3
に、またその結果を表4に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】この表4に示す結果を、前記したガス噴射
のみを行って圧力測定した結果と照らし合わせた結果を
図7に示す。この図7より、溶湯4の吹き上げが発生す
るのは、ガスの噴射圧力に依らず、間隙2cの圧力が周
囲の雰囲気圧力に対して+2.0kPa(in-Gage)を越える
溶湯ノズル2aの位置であることが判る。一方、従来法
の吹き上げの判定位置である溶湯ノズル2aにおける出
口部の圧力は、溶湯4の吹き上げが発生する場合の圧力
が噴射圧力によってマチマチであり、吹き上げの有無の
判定としては信頼度が各段に劣ることが明らかである。
【0037】〔実施例2〕別の実施例として、図3に示
す先端形状の溶湯ノズル2aに変更してアトマイズ粉末
を製造した場合の結果について説明する。Arガスの噴射
圧力を4.6MPaとした他は前記した〔実施例1〕の場
合と同様の条件で実験を行った。その場合の図5と同様
の測定結果を図6に示す。この図6に示す結果より、こ
の〔実施例2〕の場合には前記した〔実施例1〕の場合
とは、間隙2cと溶湯ノズル2a先端部における圧力差
の変化挙動が異なることが判る。
【0038】すなわち、溶湯ノズル2aの先端形状によ
って、図6に示すように、間隙2cの圧力が溶湯ノズル
2aの出口部の圧力に先行して上昇する場合と、反対
に、図4に示すように、溶湯ノズル2aの出口部の圧力
が間隙2cの圧力に先行して上昇する場合があることが
判る。
【0039】次に、前記表2に示した化学成分のFeSiB
材料を使用して、図3に示した先端形状の溶湯ノズル2
aを備え、かつ図1に示す構造のアトマイズノズル2を
具備した図2に示すアトマイズ粉末の製造装置でアトマ
イズ粉末の製造試験を行った。粉末製造の条件を表5
に、またその結果を表6に示す。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】この表6に示す結果を、前記したガス噴射
のみを行って圧力測定した結果と照らし合わせた結果を
図7に示す。この図7より、溶湯4の吹き上げが発生す
るのは、ガスの噴射圧力に依らず、間隙2cの圧力が周
囲の雰囲気圧力に対して+2.0kPa(in-Gage)を越える
溶湯ノズル2aの位置であることが判る。一方、従来法
の吹き上げの判定位置によって溶湯ノズル2aの先端で
負圧を発生するように溶湯ノズル2aの位置を定める場
合には、溶湯4の吹き上げが発生する場合、ならびに吹
き上げは発生しないが生成する粉末が30μmを越える
場合があることが明らかである。
【0043】すなわち、溶湯4の吹き上げが発生する場
合の溶湯ノズル2aの先端部の圧力は、溶湯ノズル2a
の先端形状,噴射圧力によってマチマチであり、吹き上
げの判定に用いる基準としては不適切であることが判
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶湯を吹き上げることなく、30μm以下の微粉末を効
率良くかつ安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアトマイズ粉末の製造装置の要部概略
説明図である。
【図2】本発明のアトマイズ粉末の製造装置の全体概略
説明図である。
【図3】本発明に使用する溶湯ノズルの先端形状の一例
を示す図である。
【図4】本発明方法のフローチャートである。
【図5】先端が平坦な溶湯ノズルを使用した場合におけ
る本発明方法と比較方法によるプローブ圧力測定例を示
す図である。
【図6】先端がテーパ状の溶湯ノズルを使用した場合に
おける図5と同様の図である。
【図7】本発明方法と従来方法の場合における溶湯噴霧
結果との対比を示す図で、(a)は間隙圧力と生成粉末
平均径の関係を、(b)は溶湯ノズル先端圧力と生成粉
末平均径の関係を示す図である。
【符号の説明】
2 アトマイズタンク 2a 溶湯ノズル 2b ガス噴射治具 2bb 中央孔 2c 間隙 4 溶湯 9 圧力導管 10 圧力計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属,合金の微粉末材料をガスアトマイ
    ズ法によって製造するに際し、一体型のアトマイズノズ
    ルを構成するガス噴射治具の中央孔を貫通して配置され
    た溶湯ノズルの位置を予め調整し、溶湯ノズルの外周面
    と前記中央孔の内周面との間隙の圧力が、周囲の雰囲気
    圧力に対して−3.0〜+2.0kPa(in-Gage)の圧力と
    なる条件で操業することを特徴とするアトマイズ粉末の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 溶湯ノズルを介してアトマイズタンク内
    に溶湯を流下しつつ、この溶湯にガス噴射治具からガス
    を噴射してアトマイズ粉末を製造する装置において、一
    体型のアトマイズノズルを構成する前記ガス噴射治具の
    中央孔を貫通して配置された溶湯ノズルを、ガス噴射治
    具に対して相対移動が可能なように、中央孔の軸方向に
    移動可能に設置するとともに、溶湯ノズルの外周面と前
    記中央孔の内周面との間隙に、その他端に圧力計を接続
    した圧力導管の一端開口を導いたことを特徴とするアト
    マイズ粉末の製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111809328A (zh) * 2020-07-03 2020-10-23 立信染整机械(广东)有限公司 一种多功能处理染色机

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CN111809328A (zh) * 2020-07-03 2020-10-23 立信染整机械(广东)有限公司 一种多功能处理染色机

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